説明

向上したオフ速度を有するアプタマーを生成するための方法

本開示は、以前に記述された方法を用いて得られるアプタマーおよび光アプタマーよりも遅い解離速度定数を有するアプタマーおよび光アプタマーの同定および使用を記述する。具体的には、本開示は、組織学的または細胞学的試料内の1種類以上の標的に対する、遅い解離速度を有するアプタマーの同定および使用のための方法を記述する。そのアプタマーは、組織学的または細胞学的試料中の1種類以上の標的の局在、相対的密度、および存在または非存在を評価するために用いることができる。それに関してその試料が集められた所与の疾患状態に特異的な標的、および所与の疾患状態の診断に役立つ標的を選択してよい。そのアプタマーは、標的特異的シグナル部分を導入するために用いられてもよい。標的の同定に加え、そのアプタマーは様々な方法によるシグナルの生成を増幅するために用いることができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織または細胞試料における特定の疾患状態の診断のための方法であって、以下の:
a)組織または細胞試料を得て、前記の試料を複数の組織切片または細胞調製物に分割し;
b)前記の組織切片または細胞調製物の1つを、前記の組織または細胞試料の内部に含有される1種類以上の標的に対する1種類以上のオフ速度が遅いアプタマーを含む溶液と接触させ;
c)場合により、工程b)で得られた結果を、第2の組織切片または細胞調製物を前記のオフ速度が遅いアプタマーを欠いた工程b)におけるような溶液と接触させることにより調製された陰性対照と比較し;
d)場合により、工程b)で得られた結果を、その組織または細胞型および疾患状態に適した形態学的分析のために前記の第3の組織切片または細胞調製物を染色することにより調製された第3の組織切片または細胞調製物と比較し;そして
e)前記の疾患状態を診断する
ことを含む、前記方法。
【請求項2】
組織または細胞試料中の標的に対するオフ速度が遅いアプタマーを同定するための方法であって、以下の:
(a)核酸の候補混合物を調製し;
(b)前記の核酸の候補混合物を組織切片または細胞調製物と接触させ;ここで、その標的に対してその候補混合物と比較して増大した親和性を有する核酸がその標的に結合して核酸−標的複合体を形成し;
(c)その核酸−標的複合体を遅いオフ速度の濃縮プロセスにさらし;
(d)その候補混合物から核酸−標的複合体を分配し;
(e)その核酸−標的複合体を解離させて未結合核酸を生成し;
(f)その未結合核酸を増幅して増大された親和性でその標的に結合することができる配列が濃縮された核酸の混合物を得て;
(g)(b)〜(f)を必要に応じて繰り返し;そして
(h)前記の組織または細胞試料中の目的の標的に対する少なくとも1種類のアプタマーを同定する
ことを含む、前記方法。
【請求項3】
前記の組織切片または細胞調製物が、組織学または細胞学に関して用いられる方法により固定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記のオフ速度が遅いアプタマーが、約15分〜約240分の標的からの解離速度(t1/2)を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記のアプタマーが、約15分以上、約30分以上、約60分以上、約90分以上、約120分以上、約150分以上、約180分以上、約210分以上、および約240分以上の時間からなるグループから選択される標的からの解離速度(t1/2)を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記のアプタマーが検出可能部分を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記の検出可能部分が色素、量子ドット、放射標識、電気化学的官能基、酵素、酵素基質、リガンドおよび受容体からなるグループから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記のアプタマーが一本鎖核酸または二本鎖核酸である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記のアプタマーがDNA、RNA、またはDNAおよびRNA両方を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記のアプタマーが少なくとも1種類の化学修飾を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記の少なくとも1種類の化学修飾が、リボース位、デオキシリボース位、ホスフェート位、および塩基位から独立して選択される1個以上の部位における化学的置換である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記の少なくとも1種類の化学修飾が図14において列挙されているグループから独立して選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記の少なくとも1種類の化学修飾が5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(BndU)、5−(N−イソブチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(iBudU)、5−(N−トリプタミノカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(TrpdU)および5−(N−ナフチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(NapdU)からなるグループから独立して選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記の標的が特定の疾患状態または病気を示すマーカーであり、ここで組織試料または細胞調製物中の前記の標的の存在または非存在がその特定の疾患状態を診断する、またはその特定の疾患を処置するための療法計画の選択を容易にする、またはそれを継続するかどうかに関する決定を容易にする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項15】
前記の標的が図8において列挙されているグループから選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項16】
前記の標的が前立腺特異的抗原、CMBK、CEA、CA125、HPV16、HPV18、YKL−40、VEGF、ErbB−1およびHER2からなるグループから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記のオフ速度が遅いアプタマーが標的と共有結合を形成することができる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項18】
前記のオフ速度が遅いアプタマーが光アプタマーである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項19】
前記の組織試料が上皮組織、結合組織、軟骨組織、骨組織、筋組織、神経組織、血管組織、心臓組織、リンパ系組織、呼吸器管組織、尿管組織、内分泌系組織、腫瘍組織および生殖系組織からなるグループから選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項20】
前記の細胞試料が腹部および骨盤洗浄液、体腔液(胸膜性、腹膜性)、尿、胃/食道洗浄液、細針吸引液(FNA)、乳汁、CSF、嚢胞液、関節液、および気管支洗浄液からなるグループから選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項21】
前記の細胞試料が上皮組織、結合組織、軟骨組織、骨組織、筋組織、神経組織、血管組織、心臓組織、リンパ系組織、呼吸器管組織、尿管組織、内分泌系組織、腫瘍組織および生殖系組織から培養されたものである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項22】
前記の遅いオフ速度の濃縮プロセスが核酸−標的複合体を含有する候補混合物を希釈することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
前記の遅いオフ速度の濃縮プロセスが核酸−標的複合体を含有する候補混合物に少なくとも1種類の競合剤を添加することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項24】
前記の遅いオフ速度の濃縮プロセスが核酸−標的複合体を含有する候補混合物を希釈することおよび核酸−標的複合体を含有する候補混合物に少なくとも1種類の競合剤を添加することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項25】
組織学的または細胞学的標本中の1種類以上の目的の標的を検出するための方法であって、以下の:
(a)組織または細胞標本を得て;
(b)その標本の切片を固定することにより、組織または細胞標本を調製し;
(c)その固定された組織または細胞切片を脱水し;
(d)その脱水された組織または細胞切片を透徹し;
(e)その透徹された組織または細胞切片を顕微鏡スライドに固定化し;
(f)その固定化された組織または細胞切片を洗浄し;
(g)その洗浄された組織または細胞切片をブロッキングし;
(h)工程(f)で得られたブロッキングされた組織または細胞切片を、前記の1種類以上の目的の標的に対するオフ速度が遅いアプタマーと接触させ、そして
(i)前記のオフ速度が遅いアプタマーを、前記の1種類以上の目的の標的の存在または非存在を示すものとして検出する
ことを含む、前記方法。
【請求項26】
工程(e)と(f)の間に抗原修復プロセスが含まれる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
工程(e)と(f)の間に浸透化工程が含まれる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
工程(e)と(f)の間にさらに以下の:
(i)前記の固定化された組織または細胞切片を1種類以上の形態学的染色剤で染色し;
(ii)前記の染色された組織または細胞切片を顕微鏡検査して形態学的構造を評価し;そして
(iii)組織または細胞切片を脱染する
ことを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
工程(e)と(i)の間に浸透化工程が含まれる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
工程(g)と(h)の間にさらに再水和工程が含まれる、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
工程(h)と(i)の間で速度論的負荷が導入される、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記の速度論的負荷が競合剤の添加、アプタマーの希釈、または希釈および競合剤の添加の組み合わせからなるグループから選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
オフ速度が遅いアプタマーを含む組織学または細胞学試薬であって、前記のアプタマーが約15分以上の解離半減期(t1/2)を有する、前記試薬。
【請求項34】
前記のアプタマーが約15分〜約240分の解離半減期(t1/2)を有する、請求項33に記載の試薬。
【請求項35】
前記のアプタマーが約15分以上、約30分以上、約60分以上、約90分以上、約120分以上、約150分以上、約180分以上、約210分以上、および約240分以上の時間からなるグループから選択される解離半減期(t1/2)を有する、請求項33に記載の試薬。
【請求項36】
組織切片または細胞調製物中の標的に対する標識されたオフ速度が遅いアプタマーを含む、迅速な組織学または細胞学染色試薬であって、前記のアプタマーが約15分以上の解離半減期(t1/2)を有する、前記試薬。
【請求項37】
前記のアプタマーが約15分以内に特異的な標的の染色を達成する、請求項36に記載の試薬。
【請求項38】
前記のアプタマーが約10分以内、約5分以内、および約1分以内からなるグループから選択される時間で特異的な標的の染色を達成する、請求項37に記載の試薬。
【請求項39】
前記のアプタマーが、術中設定における異常な、または疾患にかかった組織の診断のための凍結組織切片または細胞調製物の迅速な染色に関する有用性を有する、請求項36に記載の試薬。
【請求項40】
特定の疾患状態を示す標的に対して選択および生成されたアプタマーであって、その標的が組織学的または細胞学的標本中に含有されており、さらに、前記のアプタマーがオフ速度が遅いアプタマーであり、前記のアプタマーが約15分以上の解離半減期(t1/2)を有する、前記アプタマー。
【請求項41】
前記のアプタマーが約15分〜約240分の解離半減期(t1/2
を有する、請求項40に記載のアプタマー。
【請求項42】
前記のアプタマーが約15分以上、約30分以上、約60分以上、約90分以上、約120分以上、約150分以上、約180分以上、約210分以上、および約240分以上の時間からなるグループから選択される解離半減期(t1/2)を有する、請求項41に記載のアプタマー。
【請求項43】
以下のもの:
(a)1種類以上の目的の組織学的または細胞学的標的に特異的な1種類以上のアプタマー;
(b)1種類以上の固体支持体;
(c)1種類以上の分配試薬;
(d)親和性複合体からのアプタマーの遊離のための1種類以上の試薬;
を含むキット。
【請求項44】
さらに染色試薬を含む、請求項43に記載のキット。
【請求項45】
さらに前記の1種類以上のアプタマー中の切断可能部分を切断するための試薬を含む、請求項43に記載のキット。
【請求項46】
さらに速度論的負荷における使用のための試薬を含む、請求項43に記載のキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図16】
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【図4】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2012−532612(P2012−532612A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519765(P2012−519765)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/041540
【国際公開番号】WO2011/006075
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(510016254)ソマロジック・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】