説明

吸入用低投薬量医薬粉末

本発明は、薬剤を含有する粒子集塊を、5ミリグラム未満の該集塊を含む吸入器から投与することを含み、レセプタクル内の集塊の少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、1回の呼吸活性化ステップでの易感染性患者の肺系への薬剤の送達方法に関する。本発明はまた粒子集塊および使用のための吸入器を含むレセプタクルに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
乾燥粉末吸入器(DPI)からのエーロゾル粉末の吸入は、喘息などの患者への薬物の送達の簡便な方法である。現在のDPIは、典型的には、ラクトース担体などの大量の担体粒子とブレンドした少量の微粉化薬物を利用して肺への薬物の効率的な送達を促進する。かかるブレンドの送達の効率および再現性は、患者の肺機能に依存し、吸息(inspiratory)流速および/または容量などのパラメータにより影響され得る。既存のDPIは、多数の投薬量を貯蔵し、患者に送達することができるものなどのリザーバ系、およびカプセルまたはブリスターを利用するものなどのレセプタクル系であり得る。
【0002】
DPIにより送達される薬物の恩恵を被る患者は、しばしば、易感染性または低下した肺機能を有し、これは、薬物の送達または治療効果発現を変化、低減または遅滞させ得る。かかる易感染性肺機能をもたらす状態としては、喘息、COPD、アナフィラキシー、気腫、および他の形態の呼吸困難が挙げられる。患者の年齢などの他の要因(すなわち、小児または高齢者の患者)、既往歴(すなわち、喫煙、化学物質曝露)および他の状態もまた吸息流速および/または容量の低下をもたらし得る。
【0003】
かかる易感染性患者の肺に治療剤を効率的かつ再現性よく送達することができる必要性が存在する。このことは、最適には、1回の呼吸活性化ステップ(single breath-activated step)により、特に、低吸息流速および/または吸息容量で送達され得る低質量の乾燥粒子を利用するものであり得る。また、かかる粒子の集塊(mass)の大部分をDPIから易感染性患者の肺系に送達する必要性が存在する。
【0004】
発明の要旨
したがって、本発明の目的は、担体を含むものなどのカプセル系送達系の場合に典型的に見られる粒子レベルを必要とすることなく、乾燥粉末エーロゾルにより有効量の治療剤、予防剤または診断剤を送達することである。
【0005】
したがって、本発明の目的は、低投薬量レベル、例えば5 mg未満を有する乾燥粉末エーロゾルにより有効量の治療剤、予防剤または診断剤を送達することである。
【0006】
本発明の別の目的は、低投薬量レベル、例えば5 mg未満を有する乾燥粉末エーロゾルにより有効量の治療剤、予防剤または診断剤を、20 L/分未満の低吸息流速を有する易感染性患者に送達することである。
【0007】
本発明の別の目的は、15〜60 L/minなどの非常に広い流速範囲で高噴出投薬量を維持する45%以上の呼吸用(respiratory)画分(<4.7μm)で乾燥粉末エーロゾルを送達することである。
【0008】
本発明は、薬剤を含有する粒子集塊を、5ミリグラム未満の該集塊を含む吸入器から投与することを含み、レセプタクル(receptacle)内の集塊の少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、1回の呼吸活性化ステップでの易感染性患者の肺系への薬剤の送達方法に関する。
【0009】
別の態様において、本発明は、薬剤を含有する粒子集塊5ミリグラム未満を含むレセプタクルであって、易感染性患者の肺系への送達時、1回の呼吸活性化ステップにおいて、該レセプタクル内の集塊の少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、レセプタクルに関する。
【0010】
さらに、本発明は、薬剤を含有する粒子集塊を、5ミリグラム未満の該集塊を含む吸入器から投与することを含み、レセプタクル内の集塊の少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、1回の呼吸活性化ステップで易感染性患者の肺系に薬剤を送達するための方法における使用のための吸入器に関する。
【0011】
本発明を、添付の図面を参照しながら説明する。
【0012】
図において、同様の参照番号は、同一または機能的に類似する構成要素を示す。
【0013】
詳細な説明
本発明は、薬剤を含有する粒子集塊を、5ミリグラム未満の該集塊を含む吸入器から投与することを含み、レセプタクル内の集塊の少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、1回の呼吸活性化ステップでの易感染性患者の肺系への薬剤の送達方法に関する。
【0014】
出願人は、粒子集塊、特に、経口送達用乾燥粒子の送達方法を改良してきた。出願人は、例えば5 mg未満、特に、3 mg〜5 mgの範囲のより低投薬量レベルを有する乾燥粒子エーロゾルにより有効量の治療剤、予防剤または診断剤を送達するための方法を見出した。本発明までは、例えば5 mg未満のより低投薬量レベルを有するエーロゾルを、低吸息流速、例えば20 L/分未満を有する易感染性患者に投与することは、難題であった。出願人は、15〜60 L/minの流速範囲で、すなわち吸入流速範囲で高噴出投薬量(>80%)を維持する45%の呼吸用画分(<4.7m)により化学的に安定な乾燥粒子エーロゾルを送達することができた。
【0015】
易感染性患者としては、荒い呼吸をしない、もしくはできない、または易感染性肺機能を有する個体が挙げられる。かかる個体の例としては、成長ホルモン欠乏小児を含む小児、高齢者、喘息、COPD、アナフィラキシー、気腫、および他の形態の呼吸困難を含む、かかる易感染性肺機能をもたらす状態などの呼吸器疾患を患う人が挙げられる。患者の年齢(すなわち、小児または高齢者の患者)、既往歴(すなわち、喫煙、化学物質曝露)および他の状態などの他の要因もまた、吸息流速および/または容量の低下をもたらし得る。他の個体としては、睡眠中の個体および昏睡状態の個体が挙げられる。好ましくは、個体は方法の際に垂直的である。しかしながら、水平的に該方法を実施することも可能である。好ましくは、ヒト成長ホルモンを、小児に4 mg未満などの5 mg未満の投薬量で投与する。
【0016】
一般的に、個体は、1分あたり約20リットル未満のピーク吸息流速(PIFR)を有する。1つの態様において、患者は、1分あたり約15リットル以下のPIFR有する。あるいはまたさらに、易感染性患者は、0.75リットルなどの1リットル未満を含む1.5リットル未満などの2リットル未満の吸息容量を有する。
【0017】
該方法は、アナフィラキシーを処置または予防するためのエピネフリン、成長ホルモン欠乏小児のための成長ホルモン、または喘息を処置するためのアルブテロール、フルチカゾンフォルモテロール、 臭化イパトロイウム、塩化トロスピウムもしくはサルメテロールなどの喘息用医薬品を投与することなどの患者の易感染性状態の原因の処置に有用な薬剤の送達に特に有用である。
【0018】
本発明の特定の利点は、非常に少量の薬物(例えば、粒子集塊)の送達がPIFRとは独立して達成され得るという発見にある。この予期しない発見は、患者の特定の状態および投薬量を投与する前の患者の実際の流速を測定する必要性とは無関係に、非常に低投薬量の粒子集塊でさえ、患者に対して信頼性のある再現性のよい投薬を可能にする。
【0019】
したがって、好ましい態様において、吸入器、または吸入器内に配置され得るレセプタクルは、4 ミリグラム未満、好ましくは約3 ミリグラム未満(約3.4 mgなど)の粒子集塊を含む。1つの態様において、粒子の集塊は、エピネフリンを、約250〜750 マイクログラムのエピネフリン投薬量で含有する。
【0020】
粒子集塊は、高度に分散性であり、肺において良好ないし優れた沈着を有する。好ましい粒子集塊の例は、約0.4 g/cm3未満、好ましくは、約0.05 g/cm3未満などの約0.1 g/cm3未満のタップ密度を有する。タップ密度は、粒子を特徴付けるエンベロープ質量密度の尺度である。統計学的に等方的な形状の粒子のエンベロープ質量密度は、内部に封入され得る最小球状エンベロープ容量で割った粒子の質量と定義される。
【0021】
好ましい粒子集塊は、吸入器から噴出されるとき、約3〜15ミクロン、より好ましくは約3ミクロン〜10ミクロンなどの約1ミクロン〜20ミクロンの集塊質量平均幾何学的直径を有する。肺への良好な沈着は、吸入器から噴出される該集塊が約1〜3ミクロンなどの約1〜5ミクロンである好ましい質量平均空気力学的直径を有する粒子集塊で達成され得る。好ましい粒子集塊は、噴霧乾燥粒子を含むか、または噴霧乾燥粒子からなる。
【0022】
低タップ密度、大きな幾何学的直径および低空気力学的直径に寄与し得る特徴としては、不規則な表面テキスチャーおよび中空または多孔質構造が挙げられる。特に好ましい粒子および粒子は、米国特許第6,136,295号、同第5,985,309号、同第5,874,064号、および同第5,855,913号ならびに2000年6月9日に出願された、表題「治療用大集塊エーロゾルの高効率送達(High Efficient Delivery of a Large Therapeutic Mass Aerosol)」米国特許出願第09/591,307号(前記特許および特許出願のそれぞれの全体は参照により本明細書に援用される)に記載されている。
【0023】
特許請求の範囲に記載の本発明に有用であり得る他の粒子としては、Nektar Therapeuticsにより開発された商標PULMOSPHERESで製造されたものが挙げられる。
【0024】
本発明の方法は、粒子集塊の良好ないし優れた噴出投薬量をもたらす。1つの態様において、噴出投薬量は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%である。特に好ましい態様において、達成される噴出投薬量は、少なくとも約85%などの約80%超であり得る。
【0025】
該方法は、米国特許商標局に2002年10月10日に出願された、表題「吸入デバイスおよび方法(Inhalation Device and Method)」を有するEdwardsらによる特許出願である米国特許出願第10/268,059号に開示された吸入器を用いて容易に達成され得る。使用可能な他の吸入器としては、2002年10月24日に公開された、表題「吸入デバイスおよび方法」を有するEdwardsらによるPCT公開公報第WO 02/083220号に記載されたものが挙げられる。これらの出願の内容は、優先権書類とともに参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0026】
本方法に使用することができる他の吸入器は、カプセル充填吸入器を含む乾燥粉末吸入器である。好適な乾燥粉末吸入器の例としては、米国特許第4,995,385号および同第4,069,819号に開示された吸入器、SPINHALER (Fisons, UK), ROTAHALER (GlaxoSmithKline, NC)、FLOWCAPS (Hovione,スイス)、INHALATOR (Boehringer-Ingelhein,ドイツ)、AEROLIZER (Novartis,スイス)およびECLIPSE (Aventis)ならびにDISKHALER (GSK, NC)およびDISKUS (GSK, NC)などのブリスター系吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明において選択されるエピネフリン粒子の低使用量は、最低投薬量(300 ug エピネフリン)の送達のための3.36 mg粒子であり、これは、吸入には極めて低い粉末投薬量である。45%の呼吸用画分(<4.7μm)を有する乾燥粉末エーロゾルと好ましい吸入器との組み合わせにより、予想外に高い噴出投薬量が維持された。これを、易感染性の高い患者、特に易感染性の高い小児を処置する可能性に変換する。
【0028】
出願人は、本発明の有効性を他の利用可能な技術と比較した。例えば、Diskhaler, Inhalator, EclipseとC2S吸入器の噴出投薬量およびFPF (%<3. 3ミクロン)のデータの比較(図15および16に示す)を、出願人によるヒト臨床試験において使用した500μg活性エピネフリンに相当する5.6 mgを用いて行なった。すべての吸入器に対して総容量2リットルで15,30および60 L/minの吸息流速を用い、次いで、噴出投薬量に対して電力(単位ワット)をプロットした。電力は流速および抵抗の関数であり、試験した各吸入器は異なる抵抗を有した。
【0029】
電力を計算するのに使用した式は:
電力 = 流速3 x 抵抗2
この結果に示されるように、比較により、易感染性状態の喘息患者においての15 L/minの低流速(試験したすべての吸入器で0.5ワット未満の電力に相当する)では、本発明に好ましい吸入器であるC2S 吸入器を除くすべての吸入器で噴出投薬量の低下があることが示された。
【0030】
3.36 mgの低エピネフリン充填重量を試験する同じ実験を行なった。これは、15 L/minでの300μgエピネフリンに相当する。噴出投薬量を測定し、図14に示すデータは、約5 mg未満の粒子集塊が約20 L/min未満で現れる(develop)ことを示す。より具体的には、図示されるように、3.36 mg充填カプセルの噴出投薬量データを図14に示す。これは、5.6 mg充填重量で得られる噴出投薬量データと都合よく比較される。
【0031】
出願人は、噴出投薬量の測定値を得るために2つの方法を用いた。重量分析および化学的解析。出願人は、以下に記載する標準的操作手順(SOP)に従って解析を行なった。
【0032】
出願人は、粒子を、約18℃より高いが約25℃未満の室温および約20〜約40の相対湿度の制御された環境条件下で試験した。本実施例で使用した装置を図17に示す。
【0033】
試験を行なう際、充填したカプセルを吸入器内に配置した。吸入器は、マウスピースを上向にして垂直に保持しながら、カプセルを穿刺した。吸入器を、気密密封を確保しながら、図17に示す装置の入口に配置した。次に、流量コントローラーを用いてポンプを作動させた。選択した流速は、60(±2)L/minで2秒間または30(±2)L/minで4秒間の流速または15 L/minで8秒間の流速のいずれかとした。気密密封が達成されるのを確保するため、両メータにおいて等流速を維持した(±2L/min)。
【0034】
実験を行ない、データを収集した後、以下の式を用いて噴出投薬量を計算した。
【0035】
【数1】

【0036】
式中、ED [%] は粒子の噴出投薬量であり、mf0 [mg]はフィルターの質量であり、mfl [mg]は粒子積載フィルターの質量であり、mfw [mg]は実際のまたは名目上の充填重量である。
【0037】
ヒトにおける実験を行ない、広範囲の吸息流速で本発明の送達系に特徴的なインビボ投薬量送達を評価した。本発明の肺送達系のインビボ投薬量送達は、60 L/minのターゲットピーク吸息流速(PIFR)において特徴的であった(Dunbarら、Int. J. Pharm. 245,2002)。
【0038】
12例の健常志願者が単独集中無作為3期の交差研究に参加した。各志願者は、以下の3つの吸入操作:(i) 20 L/minのターゲットピーク吸息流速(PIFR)、(ii) 快適な深い吸入、および(iii) 強制的な深い吸入を行なった。志願者は、放射能標識したプラセボ粒子を吸入し、頭および肺を平面ガンマカメラの後ろにして背筋を伸ばして座った。5秒間息をとめた後、フィルター内に息を吐き出すように志願者に指示した。肺活量計(Koko Spirometer, Pulmonary Data Services Inc., Louisville, CO)を用い、投薬量の吸入中にピーク吸息流速(PIFR)および吸入容量(V)を得た。放射能標識した投薬の直後、後部シンチグラフィー画像を、平面ガンマカメラ (DIACAM, Siemens Gammsonics, Inc., Hoffman Estates, IL)を用いて撮影した。左肺、右肺、胃および口腔咽頭部(気管の上部を含む)の周囲の目的の4つの領域を抽出した。バックグラウンド活性を差し引いた後、各領域を、組織減衰について補正した。予備投薬カプセル内の放射能ならびに吸入器マウスピース、吸入器本体、投薬後カプセルおよび呼気フィルター内に残留する放射能を、シンチグラフィーにより、高感度NaI検出器(Model 905, Perkin-Elmer, Oak Ridge, TN)を用いて測定した。PIFR、噴出投薬量(ED)および全投薬量のうちの肺沈着を本研究において評価した。
【0039】
3つのすべての吸入操作での平均EDおよび肺沈着は、それぞれ、87(4)%および51(10)%(括弧内はsd)であった。本研究で得られたPIFRの範囲は、12〜86 L/minであった。PIFRの関数としての噴出投薬量および全投薬量のうちの肺沈着を図に示す。
【0040】
ヒトシンチグラフィーの実施において、5 mgプラセボを本明細書に記載の好ましい吸入器などのシンプルなカプセル系受動乾燥粉末吸入器により送達した。粒子は、流動床プロセス(Dunbarら、Int. J. Pharm., 245,2002)を用い、99mTcにより放射能標識した。放射能標識プロセスが噴出投薬量の空気力学的粒径分布(aPSD)に有意に影響を与えないことを裏づけるための確認実験を行なうと、放射性aPSDは質量aPSDに適合した。非標識粒子の質量aPSD、標識粒子の質量aPSD、および標識粒子の放射性aPSDを、図11に示す8段階Andersen cascade impactor (Andersen Instruments, Smyrna, GA)をUSP誘導ポートとともに用いて得た。
【0041】
好ましい態様において、吸入器は、第1ケーシング部;管状断面の壁により規定され、第1ケーシング部に結合され、近位末端遠位末端を有し、内面に円周状に結合された環を含む柱状チャンバ;および第1ケーシング部に取り外し可能に結合され、第1および第2ケーシング部が結合されると、チャンバの近位末端に配置される吸入部を備える第2ケーシング部を備え、吸入部は、集塊を噴出するように構成された複数の孔を規定する半球状領域を含む。
【0042】
以下により詳細に示すように、本発明の装置は、チャンバを含む吸入器である。1つの態様において、チャンバは、医薬を含むレセプタクルを受容するように構成されている。レセプタクルを空にするのを向上させるため、およびより再現性の高い噴出投薬量を提供するため、チャンバは、該チャンバの内面に円周状に結合された環を含む。環は、好ましくは、チャンバのほぼ中間点、あるいはまたチャンバの近位末端付近に配置される。適正な使用状態では、空気は、乾燥微粒子集塊の形態の充分な投薬量の医薬を担持する吸入器から退去する。
【0043】
本発明の吸入器は、好ましくは、穿刺性能を改善する穿刺レセプタクルを穿刺する手段により、特に脆性のレセプタクル用材質により構成されている。本発明のレセプタクルを穿刺する手段は、好ましくは、2つの突起を有する実質的にU字型の留め金として構成され、各突起は、鋭い先端および2つのカッティングエッジを有する。本発明の1つの態様において、各突起は正方形断面を有し、留め金の材質は、U字型留め金の最内部が平らになるように面の周りで曲がっている。本発明の別の態様において、留め金の材質は、U字型留め金の最内部が端となるように角の周りで曲がるように45度回転する。かかる態様において、各突起の横断面は、角をなすダイヤモンド形状の表面である。
【0044】
本発明の方法では、吸入により粒子を分配するために吸入器を用いる。以下により詳細に考察するように、ユーザーは、デバイスを操作してレセプタクルを穿刺してチャンバ内の粒子を分散させ、吸入部を介して粒子を吸入する。
【0045】
本発明の吸入デバイス100の一態様の正面図を図1に示す。デバイス100の背面図は、正面図と実質的に同一である。デバイス100は、第1または下側ケーシング部120、および第1ケーシング部120に取り外し可能に結合された第2または上側ケーシング部130を含む。上側ケーシング部130および下側ケーシング部120は、それぞれ、使用のために患者がケーシングを握り易いように平らな領域132および122を含む。下側ケーシング部120は、好ましくは、外側ケーシング126、および外側ケーシング126内に移動可能に受容される内側ケーシング124を含む。取り外し可能なキャップ110が、ユーザーに、またはデバイスの吸入末端に設けられる。デバイス100の好ましい材質としては、米食品医薬品局(FDA)承認のUSP試験済みプラスチックが挙げられる。好ましくは、デバイス100は、射出成形プロセス(その詳細は当業者に容易にわかるだろう)を用いて製造される。
【0046】
図2は、図1に示すデバイス100の2-2ラインに沿った断面図である。図2に示すように、デバイス100は、吸入またはエミッタ部220を含む。吸入部220は、複数の孔224を規定する半球状領域222を含有する。本発明は、特定の数の孔224に限定されず、少なくとも1つの孔224が設けられるように構成され得ることを理解されたい。ユーザーによる医薬の吸入を可能にするため、吸入ピース226が設けられる。
【0047】
吸入ピース226は、ユーザーの口からの吸入用マウスピースとして構成され得る。あるいはまた、吸入ピース226は、ユーザーの鼻からの吸入用鼻あてとして構成され得る。
【0048】
デバイス100は、管状断面の平坦壁212により規定される柱状チャンバ210を含む。チャンバ210は、近位末端214および遠位末端216を有する。複数のスリット218は、壁212により規定され、チャンバ210内に空気を導入してカプセル219から放出される粒子を分散させるように構成される。本発明は、特定の数のスリット218に限定されず、スリット218が設けられるように構成され得ることを理解されたい。カプセル219から放出される粒子は、チャンバ210内で分散され、ユーザーにより孔224および吸入ピース226を介して吸入される。
【0049】
本発明の他の態様において、当該技術分野で公知のブリスターおよびフィルムで覆われた容器ウェルなどの、カプセル以外のレセプタクルが使用される。1つの態様において、レセプタクルの容積は少なくとも約0.37 cm3である。別の態様において、レセプタクルの容積は少なくとも約0.48 cm3である。さらに別の態様において、レセプタクルは、少なくとも約0.67 cm3または0.95 cm3の容積を有する。本発明の1つの態様において、レセプタクルは、カプセルサイズ2、1、0、00または000で指定されるカプセルである。好適なカプセルは、例えばShionogi (Rockville, MD)から入手可能である。ブリスターは、例えばHueck Foils (Wall, NJ)から入手可能である。
【0050】
レセプタクルは、粒子(本明細書において、粉末ともいう)を封入または貯蔵する。レセプタクルには、当業者に公知の様式で粒子を充填する。例えば、真空充填法またはタンピング技術を使用し得る。一般的に、レセプタクルへの粉末の充填は、当該技術分野で公知の方法により行なうことができる。
【0051】
デバイス100は、カプセル219を穿刺して内部に含まれる粒子をチャンバ210内に放出するのに使用される穿刺手段230を含む。図1に示す態様において、穿刺手段230は、2つの突起232を有する、実質的にU字型の留め金として構成されている。この態様では、突起232の各々は、正方形断面図234を有するように構成されており、それにより鋭い先端および2つのカッティングエッジが提供される。あるいはまた、以下により詳細に記載するように、デバイス100は、図7A〜7Dに示すような穿刺器具を有するように構成され得る。当業者には容易に理解され得るように、本発明は、カプセルを穿刺する手段として、実質的にU字型の留め金の使用に限定されない。あるいはまた、1つまたは複数の平坦な針様器具が使用され得る。好ましくは、穿刺器具は、カプセル内に少なくとも2つの孔を穿刺するように構成される
【0052】
穿刺手段230は、好ましくは、非穿刺位置(図1に示すような)と穿刺位置との間で移動可能となるように構成される。穿刺位置では、突起232がカプセル219を貫通または穿刺し、内部に孔を作製する。好ましい態様において、穿刺手段230を非穿刺位置に付勢する付勢手段が設けられる。図2に示す態様では、付勢手段は、実質的にU字型の留め金を非穿刺位置に付勢するスプリング242として構成されている。
【0053】
図1に関して記載したように、デバイス100は、内側ケーシング124および外側ケーシング126を含む。図2に示すように、内側ケーシング124を外側位置に付勢するスプリング244が、下側ケーシング部120内に配置される。スプリング244の圧縮時、内側ケーシング124は、外側位置から内側位置に移動し、それにより下側ケーシング部120が上側ケーシング部130に向かって引き寄せられる。スプリング244の圧縮はまた、スプリング242の圧縮を引き起こし、それにより、穿刺手段230を穿刺位置に移動させる。圧縮の解放時、スプリング242および244は、付勢された状態に戻り、それにより、穿刺手段230がその非穿刺位置に、および内側ケーシング124がその外側位置に戻される。
【0054】
1対のフランジ252が第1ケーシング部120上に配置される。1対の溝254が第2ケーシング部130上に配置され、その結果、フランジ252が溝254内に受容され、それにより第1および第2ケーシング部が結合され得る。好ましくは、第1および第2ケーシング部は、摩擦嵌合係合により結合される。摩擦嵌合係合は、図2に示す溝およびフランジの配置を用いて達成され得る。
【0055】
摩擦嵌合係合の他の別の構成は、当業者に容易にわかるだろう。
【0056】
図3は、チャンバ210の一態様の拡大部分断面図である。図3に示す態様では、チャンバ210は、内面上に配置される環を含まず、チャンバ210の内径チャンバ210を「X」で示す。かかる構成を、本明細書において、「平坦」チャンバ構成という場合がある。図4は、チャンバ210の別の態様の拡大部分断面図である。図4に示す態様では、環400は、チャンバ210の内面に円周状に結合されている。環400の内径を「Y」で示し、これは、チャンバ210の内径Xより小さい。図4に示す態様では、環400は、チャンバ210のほぼ中間点に配置されている。かかる構成は、本明細書において、「低」環位置または「低」チャンバ構成という場合がある。図4に示すように、低環位置では、環400は、スリット218に隣接して配置される。環位置は、半球状領域222の上部から環400のボトムエッジまでの間隔により測定される。この間隔を「Z」で示す。以下の寸法は、本発明のデバイスの例示的な寸法として提供する。当業者は、本発明が本明細書に提供する寸法またはなんら特定の寸法に限定されないことであることを理解されたい。図4に示すチャンバ210の一態様では、直径Xは0.47インチであり、直径Yは0.38インチであり、間隔 Zは0.49インチである。
【0057】
図6は、チャンバ210の別の態様の拡大部分断面図である。図6に示す態様では、環400は、チャンバ210の内面に円周状に結合されている。環400の内径を「Y」で示し、これは、チャンバ210の内径Xより小さい。図6に示す態様では、環400は、チャンバ210の近位末端に隣接して配置されている。かかる構成を、本明細書において、「高」環位置または「高」チャンバ構成という場合がある。環位置は、半球状領域222の上部から環400のボトムエッジまでの間隔により測定される。この間隔を「Z」で示す。以下の寸法は、本発明のデバイスの例示的な寸法として提供する。当業者は、本発明が本明細書に提供する寸法またはなんら特定の寸法に限定されないことであることを理解されたい。図6に示すチャンバ210の一態様では、直径Xは0.47インチであり、直径Yは0.38インチであり、間隔 Zは0.29インチである。
【0058】
図5は、チャンバ210の別の態様の拡大部分断面図である。図5に示す態様では、環400チャンバ210の内面に円周状に結合されている。環400の内径を「Y」で示し、これは、チャンバ210の内径Xより小さい。図5に示す態様では、環400は、図4の低環位置と図6の高環位置の間に配置されている。
【0059】
かかる構成は、本明細書において、「中間」環位置または「中間」チャンバ構成という場合がある。環位置は、半球状領域222の上部から環400のボトムエッジまでの間隔により測定される。この間隔を「Z」で示す。以下の寸法は、本発明のデバイスの例示的な寸法として提供する。当業者は、本発明が本明細書に提供する寸法またはなんら特定の寸法に限定されないことであることを理解されたい。図5に示すチャンバ210の一態様では、直径Xは0.47インチであり、直径Yは0.38インチであり、間隔 Zは0.39インチである。
【0060】
本発明の1つの態様において、環400は、チャンバ210と一体化されている。かかる態様では、環400およびチャンバ210は、射出成形、押出しまたは鋳造プロセスなどにより、ユニットとして形成される。本発明の別の態様において、環400は、チャンバ210の内面に、糊または他の種類の接着剤の使用、またはピンまたはねじなどの取り付け装置を使用することなどによる、当業者に公知の様式で取り付けられている。好ましくは、デバイス100のケーシングは、(好ましくはFDA承認、USP試験済みの)プラスチック材料などの射出成形可能な材質から作製されている。当業者には容易にわかるように、材質は、好ましくは、耐久性があり、洗浄し易く、粒子医薬と非反応性である。
【0061】
図8は、4つの分散チャンバ構成に関する20 L/min (左バー)、40 L/min (中央バー)および60 L/min (右バー) の流速での噴出投薬量を示す棒グラフである(標準偏差を示す;標本の大きさ (n=3))。流速は、流量計を用いて測定した。噴出投薬量の測定は、噴出投薬量(ED)測定デバイス内への作動のために4つの態様の本発明の吸入器内にカプセルを配置することを伴った。EDデバイスは、粉末フィルターおよびフィルターホルダーを含んだ。EDデバイスにより回収された粒子を蛍光分光測光法により定量した。平坦構成を図3に示し、低構成を図4に示し、中間構成を図5に示し、高構成を図6に示す。図8からわかるように、低、中間および高構成の各々は、3つの各流速において、平坦(環なし)構成よりも高噴出投薬量を示す。このように、本発明の環構成は、環のない従来のチャンバ設計より改善を提供する。図8に示す流速の各々において、低構成は、中間および高構成よりも高い噴出投薬量および低い標準偏差をもたらした。
【0062】
図9は、種々の数のスリット218を有するデバイスに関する低流速での噴出投薬量を示す棒グラフである。約15 L/min未満の流速を、本明細書において「低流速」という。67 ccの容量および15 mg用量で、5 L/minの流速における測定値を得た。図9に示すように、スリット218の数を減らすことにより、噴出投薬量が増加するため、本発明のデバイスは、多数(10)作動よりも、低流速において成功裡に高噴出投薬量を送達する。このように、本発明のデバイスは、一貫して再現性のよい低標準偏差の、低流速における高噴出投薬量を達成する。
【0063】
実験を行い、吸入器より吸入された空気容量の体積の関数として噴出投薬量の数値を出した。吸入器は、5mg用量につき30L/minの一定流量で、作動した。作動時間を変えることによって、吸入器を通る空気の体積を変えた。0.5、1.0、1.5、2.0、および3.0Lの体積を調査した。図10は空気容量(n=3、標準偏差を示す)の関数としての噴出投薬量のパーセントを示す。
【0064】
噴出投薬量は、容量の範囲にわたって一定のままであり、一貫して低い標準偏差で、再現可能である。
【0065】
チャンバ210の内径Xが0.47インチ、環400の内径Yが0.38インチを有する態様では、環の内径のチャンバの内径に対する比率は、約0.8である。環およびチャンバの内径を変更することによって、いろいろな流量における噴出投薬量を最適化することができる。ICRPの年報、Human respiratory tract model for radiological protection,24(1-3),Elsevier Science,New York,1994,中で報告されたところによると、座った男性の一回呼吸あたりの流量は、750mLの体積あたり300mL/s(18L/min)である。低い流量(約15L/minより少ない)のために最適化された本発明の装置の一つの態様では、チャンバ210の内径Xは0.33インチであり、環400の内径Yは0.30インチである。このような態様では、環の内径のチャンバの内径に対する比率は、約0.9である。好ましくは、環の内径のチャンバの内径に対する比率は、約0.9以下である。
【0066】
本発明の装置はまた、いろいろな投与範囲について最適化され得る。そうするための1つの方法は、変わるカプセルの大きさに適応するために、チャンバ210の寸法を変えることである。例えば、チャンバ210の内径Xが0.33インチ、環400の内径Yが0.30インチ、および距離Zが0.57インチを有するチャンバは、サイズ2およびサイズ00のカプセルで使用され得る。当業者は、いろいろなカプセルサイズに適応するため、およびいろいろな流速でのカプセルサイズに適応するためにチャンバ210を計ることが出来る。
【0067】
レセプタクルが5mgまでの用量の粒子を含むとき、ならびにピーク吸息流速が20L/min以下および/または吸入容量が0.75L以下で装置を作動するとき、0.28(cm H20)1/2/L/min以下の低い抵抗を維持するため、および、少なくとも50%の噴出投薬量を得るために、本発明はさらに、装置チャンバ210の配置を最適化することを包含する。20mg用量の標準試験粉末を充填されたサイズ00のカプセルを使用して、様々なチャンバ配置について実験を行った。15L/minから25L/minの範囲であるピーク吸息流速で、および0.25L/minから0.75L/minの範囲の吸入容量で、上記の知られた方法を使用して、噴出投薬量(ED)のために様々な配置が試された。更に、粒子の分散は、放出された粒子の体積平均幾何学的直径(VMGD)を測定することによって、RODOS乾燥粉末分散機(または同等の技術)を約1Barで使用することによって測定され、HELOS又は他のレーザー回折システムにより測定されたように、幾何学的直径でRODOS乾燥開口部から放出された乾燥粉末の粒子は4Barで測定したとして約1.5倍未満の幾何学粒子サイズである。更に、それぞれのチャンバの抵抗を、当業者にとって明らかな方法を使用して測定した。
【0068】
以下のチャンバ210の寸法は最善の組み合わせ、マウスピースホールエリア、マウスピースホール番号、チャンバ直径(図4中のX)、環直径(図4中のY)、通気孔エリア(通気孔の幅、通気孔の長さ、および通気孔の番号)およびカプセルホールエリア(ホールエリアの生成物およびホールの数)の最善の組み合わせを見つけるために変えた。初めに、カプセルホールエリアを最大化することが常に望ましいことが発見された。従って、カプセルホールエリアは0.013平方インチに固定された。本発明は、特に異なるサイズのカプセルで使用されるとき、他のカプセルホールエリアを包含することが理解されるべきである。マウスピース中の孔の合計エリアは重要な要素であったが、マウスピース中の孔の数は結果に影響しなかったことも決定された。
【0069】
次いで、130のチャンバを試験したが、それぞれ異なる組み合わせのマウスピースホールエリア、チャンバ直径、環直径および通気孔エリアを有する。試験の間、これらの寸法は、噴出投薬量、体積平均幾何学直径、およびチャンバの抵抗上に競合する影響があることが発見された。例えば、増加する通気孔エリアは抵抗にプラスの影響を与える(即ち、減少する)。しかし、噴出投薬量にはマイナスの影響を与え(即ち、減少する)、体積平均幾何学的直径にはマイナスの影響を与える(即ち、増加する)。他の寸法は類似の競合する影響を有する。また、下記で議論されるように、通気孔エリアおよびチャンバ直径は、チャンバの特性に組み合わせ効果を有する。寸法の他の組み合わせは類似する組み合わせ効果を有する。
【0070】
試験された130のチャンバのうち、チャンバの3つの好適な態様は、得られた望ましい特徴と同定された。チャンバのそれぞれの適切な寸法を、表1中に記載する。
【0071】
【表1】

【0072】
表2〜4は、噴出投薬量(ED)(パーセントで)およびこれらの好ましいチャンバにより得られ、15L/minから25L/minまでのピーク吸息流速および0.25Lから0.75Lまでの吸入量で、およそ20mgの用量を有するカプセルによって操作された分散(ミクロンでの体積平均幾何学的直径(VMGD))(かっこ中は標準偏差)を示す。本明細書中で「標準試験粉末」として参照する試験粒子集塊は、プラセボ粉末の84.99wt%マルトデキストラン(maltodextran)、15wt%のロイシン、および0.01 wt%のローダミンであった。それは、1barでRODOSを使用して測定された12μmのVMGDおよび8段階のAnderson Cascade Impactorを使用して測定された3μmの空気力学的サイズ(体積平均空気力学的直径またはVMAD)を有した。目的噴出投薬量は少なくとも85%であった。使用された粉末の型によって、この目的は変わり得ることが理解されるべきであるが、標準試験粉末のための目的分散は、11.8μm以下のVMGDであった。
【0073】
【表2】

【0074】
【表3】

【0075】
【表4】

【0076】
表2〜4中の、イタリック体の字体は、チャンバが少なくとも85%の噴出投薬量の目的および11.8μm以下のVMGDの散布を得る、ピーク吸息流速および吸入容量を示す。表2〜4より明らかであるが、25L/min以下のピーク吸息流速および0.75L以下の吸引体積で、これらの目的値は得られた。さらに、噴出投薬量に対して(およそ10%以下の程度)およびVMGD(およそ1.0以下の程度)に対して標準偏差はかなり小さい。
【0077】
さらに、これら3つのチャンバから一貫して望ましい噴出投薬量および体積平均幾何学直径を生じるであろう変数の範囲中への結果を外挿するために、統計解析は使用された。例えば、最適化されたチャンバ直径、通気孔エリア、およびマウスピースホールエリアの組み合わせが、決定された。最適化解析は、チャンバのデザインを最適化するために、他の変動する組み合わせ、および他のカプセルサイズおよび粉末のために行われ得ることが、当業者にとって明らかなはずである。
【0078】
充分な分析を行ったが、本発明はサイズ00のカプセル用の最適化されたチャンバは、0.018から0.022平方インチの凝集エリア、または
0.380から0.400インチの環内径、または
0.400から0.440インチのチャンバ内径、または
3から5の通気孔、または
0.020から0.025インチの通気孔の幅、または
0.195から0.236通気孔の長さ、または
合計0.014から0.024平方インチの合計通気孔エリア、
およびおよそ20mg容量の上記標準試験粉末と使用されるおよび操作された25L/min以下のピーク吸息流速または0.75L以下の吸引体積、粉末の噴出投薬量は少なくとも85%、およびVMGDは11.8μm以下を有する。
【0079】
上記好ましい態様は、大方0.28(cmH2O)1/2/L/minの抵抗を有するチャンバのデザインを最適化すること、および、標準試験粉末がおよそ20mgである時、および装置が25L/min以下のピーク吸息流速および0.75L以下の吸引体積であるとき、少なくとも85%の噴出投薬量を提供することに関するが、本発明はまた、粉末の型、用量重量、ピーク吸息流速、および吸入容量のいずれかの他の組み合わせで、抵抗および噴出投薬量のいずれかの他の組み合わせを有するようなチャンバを最適化することも包含する。
【0080】
図7Aから7Dに目を向けると、本発明中において使用するために適切な留め金の好適な態様を示す。留め金は好ましくは、4つの平面側表面730を有する材料の直交する長さを含む。それぞれの平面側表面は、他の2つの平面側表面と交わり、合計4つの非平面エッジ736を作り出す。留め金は好ましくは、実質的にU型の配置になるように曲がり、それによって、丸い部分および2つの突起732を有する。突起732は2つの端面731と交わる。図7A、7C、および7D中で見られる最も良い状態は、端面731がダイヤモンド型である。
【0081】
ダイヤモンド型の端面は、非平面端について材料を曲げることによって作り出される。この配置は、図7Bおよび7Dにおいて最良に示される。見受けられ得るように、それぞれの突起732は、非平面端のうちの1つおよび反対の非平面端を含む外表面740を含む内表面738を有する。それぞれの突起732の内表面738は、ダイヤモンド型の端面の最上の部分737で、それぞれの突起732の外表面738は終結し、それによって、突起のために最先端を作り出す。ダイヤモンド型の端面の最上の部分735で、突起732の外表面740は終結する。
【0082】
本発明で使用するのに最適な留め金の他の態様は、4つの平面側表面を有する材料の直交する長さを含む。それぞれの平面側表面は、他の2つの平面側表面と交わり、合計4つの非平面エッジを作り出す。留め金は好ましくは、実質的にU型の配置になるように曲がり、それによって、丸い部分および2つの突起を有する。
【0083】
この留め金によって形成されたホールは、鋭いエッジを有する切断された外観を有する。更に、ホールを作り出すために取り除かれた材料は折り返され、カプセルに付着したままであり、それによって、医薬が分配されるときにユーザーによって、カプセル材料が吸入されることを防ぐ。
【0084】
孔を空ける作業の改良に加えて、図7A〜7Dに描かれた留め金で孔を空けられたカプセルからの薬物送達は、大きく改良される。試験粉末の噴出投薬量(ED)および微粒子画分(FPF)を分あたり20および60リットル(LPM)の両方で測定した。すべての場合で、図7A〜7Dのダイヤモンド断片留め金によって孔を空けられたカプセルによって放出されたエーロゾルは、従来の円形のストック型留め金よりも改良された。最も注目すべきことは、分あたり20リットルで送達された粉末のFPFは、分あたり60リットルでFPFのレベルにまで、ほぼ改良された。
【0085】
本発明はまた、開示された吸入装置の様々な態様を通してユーザーに医薬を分配するための方法に関する。このような方法では、医薬を含むレセプタクル、例えばカプセル219は、円柱状のチャンバ210中に置かれ、またはこれに形成される。ユーザーが吸入装置を圧縮すると、留め金230はカプセル219に向けて移動し、それによってカプセル219に孔を空け、チャンバ210中の粒子の集塊の放出を引き起こす。チャンバ中への放出の後に、孔224および吸引片226を通して、粉末はユーザーによって吸入される。示されたように、吸入片226は、マウスピースまたはノーズピースのいずれかとして配置され得る。
【0086】
続く使用のために、ユーザーは単に、空のカプセル219から医薬の新しい供給量を含む他のカプセル219に換える。あるいはまた、チャンバ210中に形成される浸透性容器中に医薬が注入される。
【実施例】
【0087】
実施例1
その内容は参照として取り込まれる、米国特許出願第60/425349号に記載の方法にしたがって作られるエピネフリンを含む粒子を使用した。
【0088】
実施例2
噴出投薬量の測量を得るために、出願人は2つの方法を使用した。重量的分析と化学的分析。この実施例は、重量的分析を使用する噴出投薬量を得るための方法を記載する標準操作手順(SOP)である。この手順は、出願人の生成物の放出と安定性テストに関連する。
【0089】
特に記載のない限り、以下の装置、供給物、試薬、および材料は、重量的分析と化学的分析の両方に使用した。
−47mm濾過ホルダー(例えばBGI,Inc., Waltham,MA)
−濾過ホルダースタンド
−流量メーター(例えば、Model 32915-70 または同等物、Cole-Parmer,Vernon Hills,IL)
−流量制御装置(例えば、Model TPK,Erweka USA,Inc,Milford,CT)
−真空ポンプ(例えば、Model1023-101Q-G608X,Gast MFG.CORP.,Benton Harbor,MI)
内径(ID)が8±0.5mm、外径(OD)が14±0.5mm、長さが50±10cmと等しいシリコーン真空チューブ(例えば、過酸化物硬化シリコーン管、Cole-Parmer,Vernon Hills,IL)
−ID≧8mmである真鍮管接続部(例えば、有刺取付部品、Cole-Parmer,Vernon Hills,IL)
さらに、重量的分析のために、出願人はまた、
−47mmガラス−繊維フィルター(A/E47mm(Pall Gelman No.61631))
−ミクロバランス(0.001mgを量ることができる)
−100%メタノール、70/30%v/v エタノール/水、70/30% v/v エタノール/0.1M 炭酸水素アンモニウム)を使用した。
【0090】
約18℃より大きいが25℃よりも小さい室温で約20〜約40%の間の相対湿度の制御された環境条件下で、出願人は器具を準備した。上にリストした溶媒を使用して、出願人は洗浄溶媒、次いでメタノールで濾過ホルダーの個々の部品を濯ぎ、それらを乾燥させた。出願人は、分析が始まる前に濾過ホルダーを完全に乾燥したことを確認した。次いで、フィルターを微量秤で量り、その質量を最も近いμgを記録した。粗い側を上にして、フィルターを濾過ホルダー中に置いた。濾過ホルダーの注入口に流量メーターを取り付け、出願人は流量制御装置上のニードル弁を使用して、空気流速を流量制御装置上に適合した。選択された流速は、2秒の持続時間につき60(±2)L/minまたは4秒の持続時間につき30(±2)L/minのいずれかで選択された。気密密封が遂行されたことを確認するために、出願人は、両方の流量メーター(±2L/min)中で、等しい流速を維持した。両方の流量メーターで、等しい空気流速が得られないとき、出願人は、(a)器具部品の間の連結部を検査し、(b)器具を分解し、(c)連結部の完全性を検査した。吸入器中に空のカプセルを置き、次いで、出願人は吸入器を濾過ホルダー注入口に付け、気密密封が遂行されたことを確認した。流量制御装置上のニードル弁を使用して、上記のように空気流速を調整した。空気流速を、2桁の有効数字まで記録した。次いで、空のカプセルを吸入器から取り除いた。
【0091】
器具を準備した後、出願人は吸入器を準備した。噴出投薬量を測定するそれぞれの作動のために、新しい吸入器を使用した。吸入器中に充填されたカプセルを置いた。吸入器を、マウスピースを上向きにして垂直に保持しながら、出願人はカプセルに孔を空けた。吸入器を、気密密封を確保しながら注入口中に配置した。次いで、上で定義されたような持続時間の間、流量制御装置を使用してポンプを活性化させた。
【0092】
活性化の後、出願人は、吸入器および単位用量サンプリング器具を掃除した。吸入器を注意深く分解し、カプセルを適切な廃棄容器に捨てた。個々の部品をメタノールで濯ぎ溶媒回収容器に入れた。その後、濾過ホルダーを注意深く分解した。微量秤を使用して、粉末堆積フィルターを量り、その質量を最も近いμg近くを記録した。フィルターを適切な廃棄容器に捨てた。個々の単位容量サンプリング器具の部品を洗浄溶媒で濯ぎ、次いでメタノールで濯ぎ溶媒回収容器に入れ、乾燥させた。
【0093】
以下の式を使って、出願人は噴出投薬量を算出した。
【0094】
【数2】

【0095】
式中、ED[%]は粒子の噴出投薬量であり、mf0[mg]はフィルターの質量であり、mfl[mg]は粉末積載フィルターの質量であり、mfw[mg]は、実際のまたは名目上の充填重量である。
【0096】
出願人は、実際のまたは名目上の充填重量を基準にした3桁の有効数字(xx.x%)までのパーセントとして噴出投薬量結果(ED)を報告した。
【0097】
実施例3
噴出投薬量を得るために従った他の手順は化学的分析であった。上記実施例のように、以下のものを使用する。
−47mm濾過ホルダー(例えばBGI,Inc., Waltham,MA)
−濾過ホルダースタンド
−流量メーター(例えば、Model 32915-70 または当量、Cole-Parmer,Vernon Hills,IL)
−流量制御装置(例えば、Model TPK,Erweka USA,Inc,Milford,CT)
−真空ポンプ(例えば、Model1023-101Q-G608X,GastMFG.CORP.,Benton Harbor,MI)
内径(ID)が8±0.5mm、外径(OD)が14±0.5mm、長さが50±10cmであるシリコーン真空チューブ(例えば、過酸化物硬化シリコーン管、Cole-Parmer,Vernon Hills,IL)
−ID≧8mmである真鍮管接続部(例えば、有刺取付部品、Cole-Parmer,Vernon Hills,IL)
しがしながら、化学的分析では以下の洗浄溶媒、溶解溶媒およびフィルターは、様々な器具の部分において使用した。
【0098】
【表5】

【0099】
他の装置として、標準容量測定用フラスコ、全量ピペット、ラテックスまたはブチルグローブ(ニトリルグローブは使用されるべきではない)を含んだ。
【0100】
上の実施例2のように、分析の前および後で、環境を制御した。約18℃より大きいが約25℃よりも小さい室温で約20%〜約40%の間の相対湿度の制御された環境条件下で、出願人は器具を準備した。上にリストした溶媒を使用して、出願人は洗浄溶媒、次いでメタノールで濾過ホルダーの個々の部品を濯ぎ、それらを乾燥させた。出願人は、分析が始まる前に濾過ホルダーは完全に乾燥したことを確認した。場合によっては、メタノールで濯ぐ前に、器具は水で濯いだ。粗い側を上にして、フィルターを濾過ホルダー中に置いた。装置を組み立てた。濾過ホルダーの注入口に流量メーターを取り付けた後、出願人は流量制御装置上のニードル弁を使用して空気流速を調整した。選択された流速は、2秒の持続時間につき60(±2)L/minまたは4秒の持続時間につき30(±2)L/minのいずれかであった。気密密封が遂行されたことを確認するために、出願人は、両方流量メーター(±2L/min)中で、等しい流速を維持した。両方の流量メーターで、等しい空気流速が得られないとき、出願人は、(a)器具部品の間の連結部を検査し、(b)器具を分解し、(c)連結部の完全性を検査した。吸入器中に空のカプセルを置き、次いで、出願人は吸入器を濾過ホルダー注入口に付け、気密密封が遂行されたことを確認した。次いで、上で定義されたような持続時間のために流量制御装置を使用してポンプを活性化させた。
【0101】
器具を準備した後、出願人は吸入器を準備した。噴出投薬量を測定するそれぞれの作動のために、新しい吸入器を使用した。吸入器中に充填されたカプセルを置いた。吸入器を、マウスピースを上向きにして垂直に保持しながら、出願人はカプセルに孔を空けた。吸入器を注入口中に置き、気密密封を確認した。次いで、上で定義されたような持続時間の間に、流量制御装置を使用してポンプを活性化させた。
【0102】
活性化の後、出願人は、吸入器および単位用量サンプリング器具を洗浄した。吸入器を注意深く分解し、カプセルを上の実施例のようには捨てなかった。その代わり、カプセルを検査し、観察を記録した。サンプル溶媒を体積測定用のフラスコ中に入れ、カプセルを含む個々の吸引部品を、濯いだ。出願人が丸首マイクロスパチュラを使用してカプセルからすべての粒子軽くたたいて取り除き、次いでサンプル溶媒を体積測定用のフラスコ中に入れ、スパチュラを濯いだ。しかしながら、彼らはカプセルを体積測定用のフラスコに入れなかった。濾過ホルダーを分解し、フィルターを含む濾過ホルダーの個々の部品を、濯いだ。いくつかの例では、出願人はフィルターを体積測定用のフラスコ中に置いた。サンプル溶液を適切な容器(例えば貯蔵および化学的分析用のシンチレーション小瓶)に移した。濾過ホルダー部品を清潔な溶媒で濯ぎ、メタノールを溶媒廃棄容器に入れ、乾燥させた。幾つかの例では、出願人は、まず洗浄溶媒ですべての部品を濯ぎ、更に水、次いでメタノールで濯いだ。
【0103】
算出は上記のようにして行われた。
【0104】
実施例4
出願人は、ヒトにおいて実験を行い、広い範囲の吸息流速で当該の発明の送達システムのインビボ用量送達特性を評価した。本発明の肺送達システムのインビボ用量送達は、60L/minの目標ピーク吸息流速(PIFR)で特徴付けられた。(Dunbarら,Int.J.Pharm.,245,2002)
【0105】
12例の健康志願者が単独集中無作為3期の交差研究に参加した。各志願者は以下の3つの吸入操作(i)20L/minのターゲットピーク吸息流速(PIFR)、(ii)快適な深い吸入、および(iii)強制的な深い吸入を行った。志願者は、放射性標識したプラセボ粉末を吸入し、頭および肺を平面ガンマカメラの後ろにして背筋を伸ばして座った。5秒間息を止めた後、フィルター内に息を吐き出すように志願者に指示した。肺活量計(Koko Spirometer,Pulmonary Data Services Inc.,Louisville,CO)を用い、投薬量の吸入中にピーク吸息流速(PIER)および吸入容量(V)が得られた。放射性標識した投薬の直後、後部シンチグラフィー画像を、平面ガンマカメラ(DIACAM,Siemens Gammsonics,Inc.,Hoffman Estates,IL)を用いて撮った。左肺、右肺、胃、および口腔咽頭部(気管の上部を含む)の目的の4つの領域を抽出した。バックグラウンド活性を差し引いた後、各領域を、組織減衰について補正した。投薬前カプセル内の放射能ならびに吸入器マウスピース、吸入器本体、投与後カプセル、および吸引フィルター中に残留する放射能を、シンチグラフィーにより、高感度Nal検出器(Model 905,Perkin-Elmer,Oak Ridge,TN)を用いて測定した。PIFR、噴出投薬量(ED)および全投薬量のうちの肺沈着は、この研究で評価された応答因子である。
【0106】
1つの対象より、シンチグラフの像が撮られた。3つのすべての吸入操作での平均EDおよび肺沈着は、それぞれ、87(4)%および51(10)%(括弧内はsd)であった。本研究で得られたPIFRの範囲は、12〜86L/minであった。PIFRの関数としてのEDおよび全投薬量のうちの肺沈着は、図12および13または19および20中にそれぞれ示される。
【0107】
5mgのプラセボを使用して、本明細書に記載の好ましい吸入器などのシンプルなカプセル系受動乾燥粉末吸入器を経て、粉末を送達した。流動床プロセス(Dunbarら,Int.J.Pharm.,245,2002)を使用して99mTcで、放射性標識した。確認実験を、質量aPSDと釣り合う噴出投薬量の空気力学的粒径分布(aPSD)および放射性のaPSDに放射標識する過程が著しく影響しなかった確認するために行われた。図11で示されるUSP誘導ポートで、8段階のAnderson cascade impactor(Anderson Instruments,Smyrna,GA)を使用して、標識されていない粉末の質量aPSD、標識されている粉末の質量aPSD、および標識された粉末の放射性aPSDを得た。
【0108】
出願人は、インビボ投薬量送達は、低い変動性で、高い噴出投薬量および高い肺沈着によって特徴づけられたことを観察した。広い範囲の吸息流速(p=0.498)にわたる分散を分析することによって、肺沈着はPIFRと無関係であった。
【0109】
本発明の様々な態様を上に記載したが、それらは例示として示したのであって限定として示したのではないことを理解されるべきである。例えば、本発明は、示され記載された物理的配置または寸法に限定されない。また、本発明は、特定の構造の設計または材料に限定されない。このように、本発明の広さおよび範囲は上記例示的態様に限定されるべきでなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、本発明のデバイスの一態様の正面図である。
【図2】図2は、図1に示すデバイスの2-2ラインに沿った断面図である。
【図3】図3は、本発明の分散チャンバの一態様の拡大部分断面図である。
【図4】図4は、本発明の分散チャンバの別の態様の拡大部分断面図であり、分散チャンバ内における環の位置の一例を示す。
【図5】図5は、本発明の分散チャンバの別の態様の拡大部分断面図であり、分散チャンバ内における環の別の位置を示す。
【図6】図6は、本発明の分散チャンバの別の態様の拡大部分断面図であり、分散チャンバ内における環の別の位置を示す。
【図7】図7Aは、本発明のデバイスでの使用に適した留め金の好ましい態様の上面図である。図7Bは、図7Aに示す態様の正面図である。図7Cは、図7Aに示す態様の側面図である。図7Dは、図7Aに示す態様の等角投影図である。
【図8】図8は、4つの分散チャンバ構成に関する20 L/min (左バー)、40 L/min (中央バー)および60 L/min (右バー) の流速での噴出投薬量を示す棒グラフである。
【図9】図9は、種々の数のスリットを有するデバイスに関する低流速での噴出投薬量を示す棒グラフである。
【図10】図10は、空気容量の関数としての噴出投薬量パーセントを示す棒グラフである。
【図11】図11は、5 mgプラセボ製剤に関する放射能標識確認データを示す。
【図12】図12は、肺系吸息流速(PIFR)の関数としての噴出投薬量(ED)を示す。
【図13】図13は、PIFRの関数としての全投薬量の肺沈着を示す。
【図14】図14は、全吸入流速でのAIR-エピネフリン動作を示す。
【図15】図15は、異なる吸入器に関する噴出投薬量対電力を示す。
【図16】図16は、異なる吸入器:Eclipse、C2S (本発明の好ましい吸入器)、DiskhalerおよびInhalatorに関する微粒子画分(%<3.3ミクロン)対電力を示す。
【図17】図17は、噴出投薬デバイスを示す。
【図18】図18は、流速の関数としての噴出投薬量を示す。
【図19】図19は、吸入容量の関数としての噴出投薬量を示す。
【図20】図20は、吸入容量の関数としての肺沈着を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を含有する粒子集塊を、5ミリグラム未満の該集塊を含む吸入器から投与することを含み、レセプタクル内の集塊の少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、1回の呼吸活性化ステップでの易感染性患者の肺系への薬剤の送達方法。
【請求項2】
易感染性患者が、1分あたり約15リットルのピーク吸息流速を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
吸入器が4 ミリグラム未満の集塊を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
投薬量が約3 ミリグラムである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
集塊が約0.4 g/cm3未満のタップ密度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
集塊が約0.1 g/cm3未満のタップ密度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
集塊が約0.05 g/cm3未満のタップ密度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
吸入器から噴出される集塊の質量幾何学的直径が約3ミクロン〜15ミクロンである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
吸入器から噴出される集塊の質量幾何学的直径が約3ミクロン〜10ミクロンである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
吸入器から噴出される集塊の質量平均空気力学的直径が約1〜5ミクロンである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
吸入器から噴出される集塊の質量平均空気力学的直径が約1〜3ミクロンである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
吸入器からの噴出投薬量が約70%より多い、請求項1記載の方法。
【請求項13】
吸入器からの噴出投薬量が約80%より多い、請求項1記載の方法。
【請求項14】
集塊が、本質的に噴霧乾燥粒子からなる、請求項1記載の方法。
【請求項15】
患者がアナフィラキシー状態である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
患者が喘息である、請求項1記載の方法。
【請求項17】
患者が小児である、請求項1記載の方法。
【請求項18】
吸入器が、第1ケーシング部;管状断面の壁により規定され、第1ケーシング部に結合され、近位末端および遠位末端を有し、内面に円周状に結合された環を含む柱状チャンバ;および第1ケーシング部に取り外し可能に結合され、第1および第2ケーシング部が結合されるとチャンバの近位末端に配置される吸入部を備える第2ケーシング部を備え、該吸入部が、集塊を噴出するように構成された複数の孔を規定する半球状領域を含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
環がチャンバのほぼ中間点に配置されている、請求項18記載の方法。
【請求項20】
吸入器が、前記壁により規定される複数のスリットをさらに含有し、該複数のスリットが前記チャンバ内に空気を導入するように構成されている、請求項18記載の方法。
【請求項21】
吸入器が、前記第1ケーシング部内に配置された、集塊を含むレセプタクルを穿刺するための可動式穿刺ツールをさらに備える、請求項18記載の方法。
【請求項22】
吸入器が、約0.28 (cm H20)1/2 /L/min未満の抵抗を有する、請求項1記載の方法。
【請求項23】
患者の吸入容量が1.0 L未満またはそれより少ない、請求項22記載の方法。
【請求項24】
レセプタクルが約0.67 cm3未満の容積を有する、請求項18記載の方法。
【請求項25】
レセプタクルが約0.48 cm3未満の容積を有する、請求項18記載の方法。
【請求項26】
レセプタクルがカプセルである、請求項18記載の方法。
【請求項27】
薬剤を含有する粒子集塊5ミリグラム未満を含むレセプタクルであって、易感染性患者の肺系への送達時、1回の呼吸活性化ステップにおいて、該レセプタクル内の集塊の(if)少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、レセプタクル。
【請求項28】
薬剤を含有する粒子集塊を、5ミリグラム未満の該集塊を含む吸入器から投与することを含み、レセプタクル内の集塊の少なくとも約50%が患者の肺系に送達される、1回の呼吸活性化ステップで易感染性患者の肺系に薬剤を送達するための方法における使用のための吸入器。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−517537(P2007−517537A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533768(P2006−533768)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/018782
【国際公開番号】WO2004/112702
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(500581847)アドバンスト インハレーション リサーチ,インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】