説明

吸収パッド

たとえばシートクッション、寝具あるいは取り替えテーブルなどの保護のための使い捨て式パッドであって、このパッドは、保護を必要とする物品と反対の側に面するよう意図された液体受け被覆層と、使用時に保護を必要とする物品の方に面するよう意図された液体を通さない裏当て層と、使用後にパッドを封止するための手段とを具備してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばシートクッション、寝具あるいは取り替えテーブルなどの保護を必要とする物品の保護のための使い捨て式パッドに関する。本パッドは、保護を必要とする物品と反対の側を向くよう意図された液体受け被覆層と、使用時に保護を必要とする物品の方に面するよう意図された本質的に液体を通さない裏当て層とを具備してなる。本パッドはさらに、使用後に、それを封止するための手段を具備してなる。
【背景技術】
【0002】
病院および他の介護施設、および家庭における介護の分野では、尿および/またはふん便がベッドのマットレスおよびイスのシートクッションにしみ込むのを防止するために、イスまたはベッドプロテクターなどの、さまざまな種類の使い捨て型のパッドが使用されている。幼児のおむつを取り替える際に、たとえば、その上でおむつ交換が行われる取り替えテーブルを保護するために、パッドが使用されることがよくある。この種のパッドが尿および/またはふん便で汚れてしまった場合、通常は、外部に面する液体を通さない裏当て層を用いて、パッドをひとまとまりに折り込むか巻き上げて、プロテクターの内容物が周囲から見えないようにする処置がとられる。パッドのそうした取り扱いは、その後の扱いを容易なものとし、しかもパッドの始末が必要なときに不快な臭いの問題を軽減する。
【0003】
使用済おむつがパッド上に置かれ、その後、始末するのに適した衛生的なパッケージが形成されるようにパッドがおむつの周りで折り込まれるような状況も生じる。
【0004】
取り替えテーブル用のあるタイプのパッドが特許文献1に開示されている。このパッドは、プロテクターの縁部の一つに隣接する裏当て層上に配置された接着面を含み、これに関連して、接着面は、パッドが使用され、ひとまとまりに折り込まれた後に、このパッドを封止するのに使用されることになる。特許文献1にはまた、それを折り込み、始末する前に、使用済おむつをプロテクター内に配置するのにそれが好適であることが明記されている。
【0005】
プロテクターの裏当て層に直に接着面を設ける欠点は、裏当てが最後に外側を向く状態でプロテクターを折り込み/巻き上げた際に、接着面が折り込まれたプロテクターとは反対の外側を向くことであるが、これは最良かつ最も一般的な折り込み方法である。接着面を含むパッドの一部分は、それゆえ、パッドを封止できるよう接着面とパッドの裏当て層とを向き合わせるために、もう一回折り込む必要がある。
【0006】
裏当て層と接着面との間の接合部はまた、上記折り込みによって、望ましくない状態で負荷が加えられ、しかもそれは、接合部がその代わりに剪断力にさらされる状況と比較して、接合部の強度を著しく低減させる引裂き力にさらされる。
【0007】
特許文献1の記載に基づいて構成された接着面のさらなる欠点は、接着層を使用するまでは、この接着層をある形態の保護層で覆う必要があり、したがって保護層を使用前に除去する必要があるというものである。別体の保護層は、それゆえ、パッドの廃棄に関連して処理する必要があり、これはある問題を引き起こし得る。
【0008】
他の文献には、たとえば、使用中にパッドをベッドに対して固定するための手段を具備してなる、異なる様式のパッドが開示されている。たとえば特許文献2には、それを寝具に対して固定するために、縁部に沿って接着ストリングを具備してなるベッドパッドが開示されている。
【0009】
概して、この様式のプロテクターも、特許文献1に開示されたプロテクターと同じ問題を抱えている。
【0010】
特許文献3には、高摩擦材を具備してなる特殊な表面を備えたパッドが開示されているが、高摩擦面の目的は、ベッドに横たわっている患者が動いても、パッドが依然としてベッドに留まるようにすることである。この種のプロテクターの機能は、本質的に、使用後の廃棄に適した、折り込まれた形態でのプロテクターの封止を考慮したものではない。
【特許文献1】特開2002‐248126号公報
【特許文献2】米国特許第4,097,943号明細書
【特許文献3】欧州特許第0,218,568号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、パッドの予定された廃棄に関して、それをひとまとまりに折り込むか巻き上げた後に、簡単かつ衛生的な様式で折り込みかつ封止できるパッドが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
冒頭で言及した種類のパッドは本発明によって入手可能となったが、これは、従前の、先に説明した用品に関連する問題を本質的に解決する。
【0013】
本発明によるパッドは、主として、使用後にパッドを封止するための手段が、第1の端部領域および第2の端部領域を備えた少なくとも一つの固定フラップを具備してなることを特徴とする。第1の端部領域は裏当て層に対してあるいは液体受け被覆層に対して恒久的に取り付けられており、かつ固定フラップの第2の端部領域は、使用後に、パッドに対して固定されることになる固定手段を具備してなる。
【0014】
パッドに固定フラップ(一端はパッドに対して恒久的に固定されかつ他端は自由であってかつ固定手段を具備してなる)を設けることによって、固定フラップは、パッドが使用され、そして、ことによると尿を吸収した後に、パッド用の効果的な封止手段を形成する。
【0015】
ある実施形態によれば、パッドは、液体受け被覆層と裏当て層との間に配置された吸収層を具備してなる。液体受け被覆層から分離した、別個の吸収層をパッドに設けることによって、製造に法外なコストを要することなく、身体から排出されたかなり大量の物質を吸収可能となる。
【0016】
パッドのある実施形態によれば、固定手段は、パッドの方を向く固定フラップの面上に配置されている。固定フラップは、固定手段をパッドに当接させて位置させることによって、その長手方向を中心として回転させることなく封止できる。
【0017】
本発明のある実施形態によれば、固定フラップの第2の端部領域は、裏当て層あるいは液体受け被覆層に対して着脱可能な様式で取り付けられる。この実施形態によれば、固定フラップの非恒久的取り付け端部領域がパッドの面から分離(これはパッドを使用する際に邪魔になることがある)するのが阻止される。
【0018】
ある実施形態によれば、固定手段は接着面を具備してなる。明らかにパッドの大半はプラスチックフィルム(これに対して接着剤は好ましい様式で張り付くことができる)からなる裏当て層を有するので、接着剤を含む固定手段は、費用がかからず、しかも効果的に機能する解決策を提供する。
【0019】
ある実施形態によれば、保護層が固定手段と裏当て層あるいは液体受け被覆層との間に配置される。保護層は、固定手段の方を向く面に関して剥離剤で処理され、これに関連して保護層の反対側の面は、裏当て層に対してあるいは液体受け被覆層に対して恒久的に取り付けられる。
【0020】
他の実施形態によれば、固定手段が裏当て層あるいは液体受け被覆層に対して着脱可能な様式で取り付けられる箇所において、裏当て層あるいは液体受け被覆層は剥離剤で処理される。この実施形態によれば、パッドに対して取り外し可能な様式で取り付けられる固定フラップに関する材料節約的でかつ低コストな解決策が提供されるが、それはパッドの製造に関して、ある同期条件を課す。
【0021】
ある実施形態は、固定手段が、雄型あるいは雌型のベルクロ(登録商標)要素を具備してなり、このベルクロ(登録商標)要素は、裏当て層あるいは液体受け被覆層に配置された少なくとも一つのベルクロ(登録商標)要素と相互作用するよう構成されていることを特徴とする。固定手段およびパッドに関してベルクロ(登録商標)要素を使用する利点は、たとえば皮膚軟膏剤などで、封止がなされる面が湿っているかあるいは汚れている場合でも、封止のための手段はやはり同様に機能することである。
【0022】
ある実施形態では、パッドの裏当て層あるいは液体受け被覆層は少なくとも一つの表面を具備してなり、この表面は、固定手段に配置されたベルクロ(登録商標)要素と相互作用可能となっている。
【0023】
ある実施形態は、パッドの裏当て層がパッドの液体受け被覆層から離間して配置された不織布材を具備してなり、これに関連して不織布材は、固定手段のベルクロ(登録商標)要素と相互作用可能となっていることを特徴とする。適切な形状の環(ループ)を具備してなる不織布材は、雄型のベルクロ(登録商標)要素と相互作用可能な極めて経済的な材料である。
【0024】
ある実施形態によれば、パッドを封止するための手段は、パッドの裏当て層上に配置される。パッドの裏当て層に封止のための手段を配置したことは、当該手段が、たとえばベッドプロテクターあるいは取り替えテーブルプロテクターとしてのパッドの使用を邪魔しないことを意味する。さらに上記配置は、本質的に液体を通さない層が外部に面する状態でパッドをひとまとまりに折り込み/巻き上げた後に、上記手段を使用するのが特に容易であることを意味する。なぜなら上記手段は、そのようなひとまとまりとなる折り込み/巻き上げに関連して、自動的に外面に現れるからである。
【0025】
ある実施形態によれば、固定フラップは紙片からなり、かつ紙片は折り畳み領域を含み、固定フラップは折り畳み領域を広げることによって伸長可能となっている。紙は、パッド用の封止手段として好適な固定フラップ用の安価でかつ効果的に機能する材料である。
【0026】
本発明の他の実施形態によれば、固定フラップは弾性領域を具備してなり、かつ固定フラップは、この弾性領域を引き伸ばすことによって伸長可能となっている。
【0027】
ある実施形態によれば、固定フラップの第2の端部領域は、固定フラップがその第1の、折り畳まれるかあるいは引き伸ばされていない状態にあるとき、固定フラップの第1の端部領域とパッドの縁部との間に配置される。固定フラップの第2の端部領域は、折り畳み部分が広げられるかあるいは弾性領域が引き伸ばされたとき、パッドの縁部を越えて延在するようになっている。この実施形態によれば、使用されかつ折り込まれ/巻き上げられたパッドを、その縁部近傍で封止することが可能である。固定フラップの、パッドの縁部近傍への配置は、使用後にパッドをひとまとまりに折り込み/巻き上げるという、最も一般的な手法に適合する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は使い捨て用途のためのパッドであって、使用後の廃棄に適した、折り込まれた形態でパッドを封止するための手段を具備してなるパッドに関する。
【0029】
本明細書で説明するタイプのパッドは、施設内介護、家庭での介護、まだ用便をしつけられていない幼児の世話に関して、数多くのさまざまな適用分野を有する。
【0030】
パッドは、第一に、失禁症患者のケアと共に、寝具およびマットレスを保護するために使用されるが、シートクッション、車椅子などの保護もまた一般的なものである。取り替えテーブル(その上で幼児のおむつ交換が行われる)は、別なタイプのパッドを用いて保護するのが通例である、その他の表面である。
【0031】
図1には、本発明によるパッド101の主要構成要素を示す。
【0032】
パッド101は本質的に矩形状であり、かつ四つの縁部112,113,114,115を有している。
【0033】
パッド101は液体受け被覆層102を具備してなるが、これは、使用中に使用者の方に面するよう意図されたパッド101の表面を覆うよう配置されている。パッド101はさらに裏当て層104を有するが、これは、使用中に、パッドが保護しようとする物品の方に面するよう意図されたパッドの表面を覆うよう配置されている。パッドはまた、水分受け被覆層102と裏当て層104との間に封入された吸収体106を具備してなる。パッド101は別体の吸収体106を具備してなるので、水分受け被覆層102の主要な機能は液体の通過を可能とすることであり、この結果、液体受け層102の吸収能力は重要ではなく、あるいはあまり重要なことではない。
【0034】
パッド101の液体受け被覆層102は、吸収体106の全周に沿って、吸収体106の外側に延在している。液体受け被覆層102は、この目的に適したいかなる材料からでも構成できる。一般的な液体受け被覆層の例としては、(不織布材として公知の)織られたものでない布材、穿孔プラスチックフィルム、プラスチックあるいは織物からなるメッシュおよび液体透過性フォーム層が挙げられる。一続きの細い繊維からなる液体受け被覆材(これはパッド全体にわたって広がる)もまた考えられる。上記の考えられ得る被覆材の二つ以上からなるラミネートもまた、表面の異なる部分に関して異なる材料からなる被覆がそうであるのと同様、一般的なものである。
【0035】
擦り切れに対して特に高い強度および耐久性を示す吸収体106を具備してなるパッド101は、使用時に使用者の方を向くパッド101の面に余分な液体受け被覆層を設けることを要さず、同じように機能し得る。
【0036】
ある代替パッドは特別な吸収体を持たず、液体受け被覆層が、組み合わされた被覆および吸収層を構成する。そうした材料層に共通する特徴は、それらが天然繊維、たとえばコットン繊維、あるいはレーヨン繊維を含むことである。別個の吸収体を用いずに形成されたパッドは、主として大きな吸収量が見込まれない状況に対応したものである。
【0037】
裏当て層104はまた、吸収体106の全周に沿って、吸収体106の外側で延在する。通常はパッド101上に存在する裏当て層104は、たいてい液体不透過性を有するが、他のタイプの裏当て層もまた考えられる。裏当て層104はある範囲のさまざまな材料から形成できる。裏当て層104を、薄い、液体を通さないプラスチックフィルムから形成するのが最も一般的であるが、他の種類の液体を通さない材料、たとえばプラスチックコーティング、液体を通さないフォーム層、液体を通さない接着剤などを用いて液体を通さないようになされた不織布などを使用することも可能である。裏当て層104はまた、液体を通さない、蒸気透過性材料から形成でき、この結果、パッド101は一定の通気性を持つようになるが、これによってパッドの使い心地が向上する。また、通常は吸収体106に接した状態で配置される少なくとも一つの液体を通さない層を含むラミネートも一般的である。そうしたラミネートは、通常、水分バリアとして機能する液体を通さない材料および保護するべき物品の方に面するパッド101の側に配置された、より織物に似た材料からなる。そうした裏当て層を有するパッドは、たとえば、プラスチック裏当てを持つパッドと比較して、保護されるべき物品との間により大きな摩擦を生じ、この結果、使用中に本来の位置からずれにくくなる。ラミネートの織物状層は、通常、不織布からなるが、当然ながら、他の織物材料から構成することもできる。
【0038】
パッドが支持面(保護すべき物品)上でスライドせずに確実に適所で保持されるようにするために、パッドはまた、保護されるべき物品の方に面するよう意図されたパッドの側の適切な部分に配置された接着層および/または高摩擦面を備える。
【0039】
液体受け被覆層102と裏当て層104とは、吸収体106の全周に沿って、この吸収体106の外側で互いに取り付けられている。
【0040】
液体受け被覆層102と裏当て層104とは、数多くのさまざまな手法で互いに取り付けることができる。取り付け手段の例としては、接着、熱融着、超音波溶着などが挙げられる。
【0041】
パッド101は、まず何よりも、使用後にそれを封止するための手段120を有することを特徴とする。
【0042】
図2aには、図1の線II‐IIに沿った断面にて封止手段120を示しているが、これに関連して、手段120は、それを使用する前の状態で示されている。
【0043】
手段120は、長尺な固定フラップ121と、保護層122と、固定手段(固定機構)123とを具備してなる。固定フラップ121は、パッド101の縁部112と関連付けて配置されており、この結果、それは、その第1の端部領域124に隣接する裏当て層104に対して恒久的に取り付けられている。固定フラップ121の第2の端部領域125は、剥離剤によって処理された保護層122を介して、パッド101の裏当て層104に対して着脱可能な様式で取り付けられている。
【0044】
保護層122は固定フラップ121の方に面する側において剥離剤によって処理されており、一方、保護層122の逆側は剥離剤によって処理されていない。剥離剤で処理されていない保護層122の面は、接着接合部127を介して、パッド101の裏当て層104に対して恒久的に取り付けられている。剥離剤で処理された保護層122の面は、固定手段123を介して固定フラップ121に対して着脱可能な様式で取り付けられており、これに関連して、固定手段123は固定フラップ121に対して恒久的に取り付けられている。
【0045】
保護層122は、固定フラップ121の方を向く面に関して、シリコンを使って、剥離剤で処理された紙からなる材料片から構成される。
【0046】
代替実施形態では、保護層はパッド101の裏当て層104を補強するプラスチック層から形成でき、この結果、固定手段123の接着面は、比較的大きな分離力にもかかわらず裏当て層が破れることなく、パッド101の裏当て層104から分離させることができる。エンボス加工されたプラスチック層が好ましいが、これは接着接合部の作用面が減少し、この結果、分離力が低減されるからである。
【0047】
他の代替実施形態では、別個の保護層を付与せず、その代わりにパッド101の裏当て層を、固定手段が分離可能でなければならないと考える箇所において、局所的に剥離剤を用いて処理することも考えられる。
【0048】
固定手段123は、好ましくは、パッド101に関して一般的な材料の大部分に、特にプラスチックフィルム面(これはパッドに関して最も一般的な裏当て層材料である)に対して張り付く能力を有する接着面から構成される。
【0049】
固定手段123は、固定フラップ121の前方縁部128までは延在しておらず、これによって、固定フラップ121を保護層122から分離させる際、固定フラップ121をより簡単につまめるようになる。
【0050】
代替実施形態では、固定手段はベルクロ(登録商標)材の雄または雌部分などから形成できる。固定手段がベルクロ(登録商標)材からなる場合には、パッドの裏面が、ベルクロ(登録商標)材の雄または雌部分からなる受け面(ここに固定手段が張り付けられるよう意図される)を備えることが、そしてまた、保護層がベルクロ(登録商標)タイプの材料からなることが必要である。本質的にパッドの裏面全体が、ベルクロ(登録商標)タイプの雌または雄部材と相互作用する能力を備えた材料を有する実施形態を考えることも可能であり、この結果、特別に配される受け面がパッドの裏面には必要でなくなる。たとえば、パッドの裏当て層を、ループを具備してなる不織布材から構成することも考えられ、この結果、それは、雄型のベルクロ(登録商標)材からなる固定手段と相互作用できる。
【0051】
固定フラップ121は、その当初の状態ではZ形状に折り畳まれており、これに関連して、固定フラップ121の前方縁部128はパッド101の縁部112の近傍に配置され、この結果、固定フラップ121の第2の端部領域125は、Z形状に折り畳まれた部分が引き伸ばされたとき、パッド101の縁部112を越えて延在する。固定フラップ121は紙片からなるが、代替実施形態では、不織布材、プラスチックなどの帯片から形成できる。
【0052】
異なるタイプのラミネートもまた、固定フラップとして考えられる。
【0053】
固定フラップ121の第2の端部領域125において、固定手段123は、パッド101の裏当て層104の方に面する固定フラップ121の面に配置される。
【0054】
図2bには、パッド101の裏当て層104に対する封止を行う以前の分離状態にて手段120を示す。固定手段123を具備してなる固定フラップ121の第2の端部領域125は、ここでは、固定フラップ121の自由端部を形成している。Z形状に折り畳まれた固定フラップ121は、ここでは引き伸ばされており、この結果、固定フラップ121はパッド101の縁部112を越えて延在している。固定フラップ121はパッド101に対して、まだ固定されていない。固定手段123はパッド101の方に面している。
【0055】
図2cには、固定フラップ121がパッド101の裏当て層104に対して固定された際の図2bの手段120を通り、かつ固定フラップ121が取り付けられたパッド101の一部分を通る断面を示す。パッド101は折り畳まれ/巻き上げられ、その結果、パッド101の裏当て層104は外側を向いており、そしてそれに対して固定フラップ121が取り付けられている。パッド101の裏当て層104と固定手段123との間でなされる取り付けは本質的に恒久的なものである。なぜなら、パッドの裏当て層104の、取り付けがなされる箇所は、剥離剤によって処理されていないからである。
【0056】
堅く締まった、そして衛生的なユニットが形成されるが、これは、たとえそれが尿あるいはふん便を含んでいても、取り扱い/始末が容易である。
【0057】
図3には、裏当て層104が周囲に対して外側を向く状態で巻き上げられた後の、図1のパッド101を示している。パッドを封止するための手段120は、パッド101を封止するために、まだ使用されていない。
【0058】
図4においては、パッド101を封止するための手段が考慮されており、これに関連して、固定手段123は裏当て層104に対して取り付けられており、この結果、パッド101は固定フラップ121によって、ひとまとまりに保持されている。Z形状に折り畳まれた固定フラップ121からもたらされる折り込み指標は、固定フラップ121上の横方向マーキングの形態で示されている。
【0059】
図5aに示すのは、パッド101を封止するための手段120の代替実施形態、およびこの手段120が取り付けられるパッド101の一部分である。
【0060】
この実施形態の固定フラップ121は、第1および第2の領域124,125の間に弾性領域129を有するが、これに関連して、固定フラップ121は、その長手方向に伸長させることができる。弾性固定フラップ121は引き伸ばすことができ、この結果、固定フラップ121の第2の端部領域125はパッドの縁部112を乗り越える。それゆえ、固定フラップ121は、その第2の端部領域125がパッド101の縁部112を越えて伸びる(変位する)ことができるようにするために当初の形態で折り畳む必要はない。
【0061】
固定フラップ121の端部領域124,125、すなわちパッド101の裏当て層104に対して固定フラップ121が取り付けられる領域は弾力性を持たない。その理由の一つは、弾性材料を他の材料に取り付けるのは、非弾性材料を他の材料に取り付けることよりも比較的面倒であるというものであるが、当然ながら、固定フラップ121の端部領域124,125を弾性材料から構成することも可能である。
【0062】
固定フラップ121の端部領域124はパッド101の裏当て層に対して恒久的に取り付けられ、一方、第2の端部領域125は裏当て層104に対して着脱可能な様式で取り付けられる。この例の裏当て層104は、固定手段123の下方で、剥離剤を用いて局所的に処理されており、その結果、この実施形態では別個の保護層を必要としない。
【0063】
図5bには、折り畳まれ/巻き上げられたパッド101が、どのようにして、使用後に裏当て層104が外側を向く状態で封止されるかを示している。液体を通さない裏当て層104は、パッド101に含まれる身体排出物質に対する有効なバリアを構成している。固定フラップ121の弾性領域129は、それがパッド101の裏当て層104に対して取り付けられる前に、パッドの縁部112を乗り越えて引き伸ばされる。裏当て層104と固定手段123との間の新しい接合は恒久的であると見なすことができるが、これは、裏当て層は、接合がなされる箇所においては剥離剤によって処理されないからである。
【0064】
本発明はまた、上記例証的実施形態の、考えられ得る、あらゆる組み合わせに範囲が及ぶ。
【0065】
さらに、本発明は上記例証的実施形態に限定されるものではなく、当然、請求項に記載の範囲内で他の実施形態にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】保護すべき物品の方に面するよう意図された面から見て、本発明の好ましい実施形態によるパッドを示す図である。
【図2a】パッドを封止するための図1の手段を通る断面図であり、当該手段が使用される前の状態を示している。
【図2b】パッドの裏当て層に対して接合されることになる前の、広げられた状態での図2aの手段を通る断面図である。
【図2c】図2bの手段がパッドの裏面に対して固定された際の、当該手段を通る断面図である。
【図3】巻き上げられ/折り込まれたパッドを示す図であり、封止手段を使用する以前の状態を示している。
【図4】図3のパッドを示す図であり、封止手段を利用して封止した状態を示している。
【図5a】封止手段を使用する前の状態で、パッドを封止するための代替手段を通る断面を示している。
【図5b】封止手段をパッドの裏面に対して取り付けた状態での、図5aの手段を通る断面を示している。
【符号の説明】
【0067】
101 パッド
102 液体受け被覆層(水分受け被覆層)
104 裏当て層
106 吸収体
112,113,114,115 縁部
120 パッドを封止するための手段
121 固定フラップ
122 保護層
123 固定手段
124 第1の端部領域
125 第2の端部領域
127 接着接合部
128 前方縁部
129 弾性領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たとえばシートクッション、寝具あるいは取り替えテーブルなどの保護を必要とする物品の保護のための使い捨て式のパッド(101)であって、
保護を必要とする前記物品と反対の側を向くよう意図された液体受け被覆層(102)と、
使用時に保護を必要とする前記物品の方に面するよう意図された本質的に液体を通さない裏当て層(104)と、を具備してなり、
前記パッド(101)はさらに、使用後に、前記パッド(101)を封止するための手段(120)を具備してなり、
前記手段(120)は、第1の端部領域(124)および第2の端部領域(125)を備えた少なくとも一つの固定フラップ(121)を具備してなり、かつ前記第1の端部領域(124)は前記裏当て層(104)に対してあるいは前記液体受け被覆層(102)に対して恒久的に取り付けられており、かつ前記固定フラップ(121)の前記第2の端部領域(125)は、使用後に、前記パッド(101)に対して固定されることになる固定手段(123)を具備してなることを特徴とするパッド(101)。
【請求項2】
前記パッド(101)は、前記液体受け被覆層(102)と前記裏当て層(104)との間に配置された吸収層(106)を具備してなることを特徴とする請求項1に記載のパッド(101)。
【請求項3】
前記固定手段(123)は、前記パッド(101)の方を向く前記固定フラップ(121)の面に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパッド(101)。
【請求項4】
前記固定フラップ(121)の前記第2の端部領域(125)は、前記裏当て層(104)あるいは前記液体受け被覆層(102)に対して、着脱可能な様式で取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のパッド(101)。
【請求項5】
前記固定手段(123)は接着面を具備してなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパッド(101)。
【請求項6】
保護層(122)が前記固定手段(123)と前記裏当て層(104)あるいは前記液体受け被覆層(102)との間に配置されており、かつ前記保護層(122)は、前記固定手段(123)の方を向く面に関して剥離剤で処理されており、かつ前記保護層(122)の反対側の面は、前記裏当て層(104)に対してあるいは前記液体受け被覆層(102)に対して恒久的に取り付けられていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のパッド(101)。
【請求項7】
前記固定手段(123)が前記裏当て層(104)あるいは前記液体受け被覆層(102)に対して着脱可能な様式で取り付けられる箇所において、前記裏当て層(104)あるいは前記液体受け被覆層(102)は剥離剤で処理されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のパッド(101)。
【請求項8】
前記固定手段(123)は、雄型あるいは雌型のベルクロ(登録商標)要素を具備してなり、このベルクロ(登録商標)要素は、前記裏当て層(104)にあるいは前記液体受け被覆層(102)に配置された少なくとも一つのベルクロ(登録商標)要素と相互作用するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパッド(101)。
【請求項9】
前記パッド(101)の前記裏当て層(104)あるいは前記液体受け被覆層(102)は少なくとも一つの表面を具備してなり、この表面は、前記固定手段(123)上に配置された前記ベルクロ(登録商標)要素と相互作用可能となっていることを特徴とする請求項8に記載のパッド(101)。
【請求項10】
前記パッド(101)の前記裏当て層(104)は、前記パッド(101)の前記液体受け被覆層(102)から離間して配置された不織布材を具備してなり、かつ前記不織布材は、前記固定手段(123)の前記ベルクロ(登録商標)要素と相互作用可能となっていることを特徴とする請求項8に記載のパッド。
【請求項11】
前記パッド(101)を封止するための前記手段(120)は、前記パッドの前記裏当て層(104)上に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のパッド(101)。
【請求項12】
前記固定フラップ(121)は紙片からなり、かつ前記紙片は折り畳み領域を含み、かつ前記固定フラップ(121)は前記折り畳み領域を広げることによって伸長可能となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のパッド(101)。
【請求項13】
前記固定フラップ(121)は弾性領域(129)を具備してなり、かつ前記固定フラップ(121)は、前記弾性領域(129)を引き伸ばすことによって伸長可能となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のパッド(101)。
【請求項14】
前記固定フラップ(121)の前記第2の端部領域(125)は、前記固定フラップ(121)がその第1の、折り畳まれるかあるいは引き伸ばされていない状態にあるとき、前記固定フラップ(121)の前記第1の端部領域(124)と前記パッド(101)の前記縁部(112)との間に配置され、かつ前記固定フラップ(121)の前記第2の端部領域(125)は、前記折り畳み部分が広げられるかあるいは前記弾性領域(129)が引き伸ばされたとき、前記パッドの前記縁部(112)を越えて延在するようになっていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のパッド(101)。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2008−523884(P2008−523884A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546596(P2007−546596)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001950
【国際公開番号】WO2006/068544
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(506215320)エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (157)
【Fターム(参考)】