吸収パッド
【課題】着用者の激しい動きによる股間部の吸収体のズレ、よれを抑制し、且つ股間部に設けられた面ファスナーが肌への接触を回避し、フックテープの捲れ等による装着感の悪化や肌トラブルを防止する。
【解決手段】透液性トップシート51と、最外層シートと、トップシートと最外層シートとの間に吸収体53が挟持された吸収パッド2であって、外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナー70,71が、最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、最外層表面の隆起部が、股間部の面ファスナー71の幅方向の両側部に形成され、隆起部の長手方向長さが、股間部の面ファスナー71の長手方向長さより長く、隆起部の高さが、股間部の面ファスナー71の高さと同じかまたは高く形成されていることを特徴とする吸収パッド。
【解決手段】透液性トップシート51と、最外層シートと、トップシートと最外層シートとの間に吸収体53が挟持された吸収パッド2であって、外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナー70,71が、最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、最外層表面の隆起部が、股間部の面ファスナー71の幅方向の両側部に形成され、隆起部の長手方向長さが、股間部の面ファスナー71の長手方向長さより長く、隆起部の高さが、股間部の面ファスナー71の高さと同じかまたは高く形成されていることを特徴とする吸収パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿や経血等の排泄物を吸収するために使用される吸収パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば成人向けの使い捨ておむつにおいては、交換頻度を考慮して、内面に尿吸収を目的とした吸収パッドを用いることが一般的になっている(特許文献1参照)。
このような吸収パッドは、不透液性バックシートと透液性トップシートとの間に吸収体が介在されるとともに、不透液性バックシートおよび透液性トップシートが吸収体の前端よりも前側及び後端よりも後側にそれぞれ延出され、これら延出部分により吸収体の存在しない前エンドフラップ部及び後エンドフラップ部がそれぞれ形成された構造を有している。
また、不透液性バックシートの裏面を、より肌触りに優れた不織布で被覆することも行われている。
さらに、このような構造を有する吸収パッドにおいては、装着時のズレを防止するため、不透液性バックシートの長手方向両端部に粘着剤や面ファスナー(メカニカルファスナー)が取り付けられており、これらの止着手段を介して使い捨ておむつの内面に止着される。
特に、面ファスナーは、フック状の突起を多数有しており、このフック状の突起が、使い捨ておむつの内面の繊維に絡まることにより止着できるものであり、止着及び剥離を繰り返しても止着能力が低下しないという利点を有する。
しかし、面ファスナーの剛性は高く面ファスナーの角部が肌に接触すると、着用者の肌を傷つけるおそれがあることから、面ファスナーの角部に面取り加工、R加工を施した吸収パッド(特許文献2参照)、面ファスナーの角部を被覆シートによって覆い隠した吸収パッドが提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−23274号公報
【特許文献2】特開2007―190178号公報
【特許文献3】特開2001−145661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、吸収パッドの長手方向両側部に面ファスナーを設けた吸収パッドにあっても、着用者の激しい動きにより、特に股間部の吸収体がよれて排尿時に尿がおむつ外部に漏れ出すおそれがあった。
また、面ファスナーの角部に面取り加工、R加工を施した吸収パッドであっても、特に股間部においては、着用者の肌が面ファスナーの角部以外の部分と接触することが多いことから着用者の肌を傷つけるおそれがあり、また、面取り加工等によって削除される面ファスナーは廃棄されることから資材ゴミの増加を発生させる一因であった。
さらに、被覆シートで面ファスナーの角部を覆った吸収パッドであっても、特に股間部にあっては、被覆シートがよれて面ファスナーの角部が露出し、着用者の肌が面ファスナーの露出部と接触し肌を傷つけるおそれがあり、また、被覆シートを別段に設ける必要があることから生産コストが高価であった。
そこで、本発明の主たる課題は、着用者の激しい動きによっても股間部の吸収体のズレ、よれを抑制し、且つ、股間部に設けられた面ファスナーが着用者の肌に接触することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部に形成され、前記隆起部の長手方向長さが、前記股間部の面ファスナーの長手方向長さより長く、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【0005】
(作用効果)
請求項1記載の発明においては、着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられていることから、着用者の激しい動きによる吸収パッドのズレ、特に股間部の吸収体のよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッドで吸収し、排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止する。
また、前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部に形成され、前記隆起部の長手方向長さが、前記股間部の面ファスナーの長手方向長さより長く、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されていることから、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナー高さに対し、高く形成された隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0006】
<請求項2記載の発明>
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を取り囲んで形成され、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【0007】
(作用効果)
請求項2記載の発明においては、着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられていることから、着用者の激しい動きによる吸収パッドのズレ、特に股間部の吸収体のよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッドで吸収し、排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止する。
また、前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を取り囲んで形成され、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されていることから、着用者の激しい動きによる股間部の吸収体のよれをより一層抑制し、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナー高さに対し、同じか、または高く形成された隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0008】
<請求項3記載の発明>
前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%〜500%である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0009】
(作用効果)
請求項3記載の発明においては、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%〜500%であることから、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することがない。
前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%より小さい場合には、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触するおそれがあり、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し500%より大きい場合には、隆起部が着用者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0010】
<請求項4記載の発明>
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部を覆っている請求項1記載の吸収パッド。
【0011】
(作用効果)
請求項4記載の発明においては、前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部を覆っていることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、着用者の大腿部の肌が面ファスナーの幅方向の両側部の角部及び段差部に接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナーの幅方向の両側部を覆っている隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0012】
<請求項5記載の発明>
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を覆っている請求項2記載の吸収パッド。
【0013】
(作用効果)
請求項5記載の発明においては、前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を覆っていることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、着用者の大腿部の肌が、面ファスナーの周辺部の角部及び段差部に接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナーの周辺部を覆っている隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0014】
<請求項6記載の発明>
前記隆起部が、透液性トップシートに形成されたエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0015】
(作用効果)
請求項6記載の発明においては、前記隆起部が、透液性トップシートに形成されたエンボスに対応して隆起していることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、隆起部の変形、へたり等の経時変化を抑制することができ、着用者の大腿部の肌が面ファスナーの幅方向の両側部の角部及び段差部に接触することがない。
また、別段の被覆シートを用いることなく着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することを防止でき経済的にも優れる。
【0016】
<請求項7記載の発明>
前記隆起部が、透液性トップシートに形成された中心方向に向かい垂直方向に対し0度〜80度傾斜しているエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0017】
(作用効果)
請求項7記載の発明においては、透液性トップシートに形成された中心方向に向かい垂直方向に対し0度〜80度傾斜しているエンボスに対応して隆起していることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、隆起部の変形、へたり等の経時変化を抑制することができ、着用者の大腿部の肌が、面ファスナーの周辺部の角部及び段差部に接触することがない。
また、別段の被覆シートを用いることなく着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することを防止でき経済的にも優れる。
垂直方向に対し0度より小さい場合には、隆起部が面ファスナーの幅方向の両側部、面ファスナーの周辺部を覆うことができないおそれがあり、垂直方向に対し80度より大きい場合には、隆起部が面ファスナーの幅方向の両側部、面ファスナーの周辺部を過度に覆い止着力が不足するおそれがある。
【0018】
<請求項8記載の発明>
前記股間部の面ファスナーの長辺が、吸収パッドの長手方向に沿って設けられている請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0019】
(作用効果)
請求項8記載の発明においては、前記股間部の面ファスナーの長辺が、吸収パッドの長手方向に沿って設けられていることから、股間部において着用者の大腿部の肌と面ファスナーとを遠ざけることができ、着用者の大腿部の肌と面ファスナーとの接触を低減することができる。
【0020】
<請求項9記載の発明>
前記股間部の面ファスナーが、吸収パッドの幅方向に一定の間隔で2個以上設けられている請求項8記載の吸収パッド。
【0021】
(作用効果)
請求項9記載の発明においては、前記股間部の面ファスナーが、吸収パッドの幅方向に一定の間隔で2個以上設けられていることから、着用者の激しい動きによっても股間部の吸収体がよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッドで吸収し、排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止する。
【0022】
<請求項10記載の発明>
前記吸収体の股間部の幅方向長さが、前記股間部の腹側部及び背側部の幅方向長さより短い、略砂時計形状である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0023】
(作用効果)
請求項10記載の発明においては、前記吸収体の股間部の幅方向長さが、前記股間部の腹側部及び背側部の幅方向長さより短い、略砂時計形状であることから、着用者のフィット感を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上、本発明によれば、着用者の激しい動きによっても、股間部の吸収体のズレ、よれを抑制し排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止でき、面ファスナーと着用者の肌との接触による着用者の肌を傷つけることがない吸収パッドを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の吸収パッドについて説明する。図1は、本発明の吸収パッドがパンツ式使い捨ておむつに止着された斜視図であり、図2は同展開図である。
なお、以下においてはパンツ式使い捨ておむつを例として説明を行うが、本発明の吸収パッドは、テープ式使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の外装物品にも適用できるとおりであるが、本発明は生理用ナプキン等の他の吸収パッドにも適用できることは言うまでもない。
また、以下の説明において「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、殆ど多くの製品では前後方向中央部及びその前後近傍の部分である。具体的には、成人向け製品の場合、製品の前後方向中央を基準として±150mmの範囲である。また、「腹側部分」及び「前身頃」は股間部よりも前側の部分を意味し、「背側部分」及び「後身頃」は股間部よりも後側の部分を意味する。
【0026】
(パンツ式使い捨ておむつ)
本発明の吸収パッドが止着されるパンツ式使い捨ておむつ1は、吸収性本体10と、吸収性本体10の外面側に一体的に設けられた外装シート20とからなる。
吸収体本体10は、展開状態において略矩形形状に形成され、吸収体本体10は、透液性トップシート11と、不透液性バックシート12と、両シートの間に挟持された吸収体13を有し、吸収体本体10の幅方向両側部分には、必要に応じ着用者側に起立するバリヤーカフス14が形成されている。
外装シート20は、展開状態において略砂時計形状に形成され、外装シート20は、着用者の腹側に当接する前身頃21と、着用者の背側に当接する後見頃22と、前身頃21と後身頃22を連結する股間部23からなり、吸収体本体10を内側とし股間部22で折り畳み前身頃21と後身頃22とを幅方向の両側部24でそれぞれ接合してパンツ形状に形成されている。
パンツ形状には、着用者の大腿部を緩挿する一対の脚部開孔部25と、着用者のウエスト部を緩挿するウエスト開孔部26が設けられており、パンツ式使い捨ておむつ1を着用者の体型にフィットさせ、着用者の激しい動きによるパンツ式使い捨ておむつ1のズレ、股間部22のよれを防止するために弾性部材が適宜配設されている。
図1に示すパンツ式使い捨ておむつ1においては、ウエスト開口部26の近傍にはウエスト部弾性部材27を配設し、外装シート20の前身頃21、後身頃22には上下方向に一定の間隔をおいて水平方向に沿って複数の腰回り弾性部材群28を配設し、さらに、両側部24の一方側部から股間部23に延び、股間部21を迂回して両側部24の他方側部に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材群29が配設し、パンツ式使い捨ておむつ1を着用者の体型にフィットさせ、着用者の激しい動きによるパンツ式使い捨ておむつ1のズレ、股間部22のよれを防止している。
【0027】
吸収体本体10を形成する透液性トップシート11としては、不織布、穴あきプラスチックシート等を使用することができる。
不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を使用することができ、透液性トップシー11として使用する場合、不織布の繊維目付けを10〜30g/m2、厚みを0.05〜3mmにするのが吸収性の観点から好適である。
【0028】
吸収体本体10を形成する不透液性バックシート12としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートを使用することができる。
遮水・透湿性シートとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを使用することができる。
バックシート12の単位面積あたりの重量を10〜40g/m2、厚みを0.01〜1.0mmにするのが遮水性の観点から好適である。
【0029】
吸収体本体10を形成する吸収体13としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。
パルプ目付けを80〜500g/m2、厚みを1〜50mmにするのが吸収性の観点から好適である。
また、高吸水性樹脂の目付けを0〜300g/m2にするのが好適であるであるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
さらに、必要に応じて、吸収体13をクレープ紙により包むことができ、吸収体13の形状としては、矩形形状、略砂時計形状とすることができる。
【0030】
吸収体本体10を形成するバリヤーシート14としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
【0031】
外装シート20としては、各種の不織布を用いることができ、不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
外装シート12に用いる不織布の繊維目付けを10〜30g/m2、厚みを0.01〜5mmにするのが強度的な観点から好適である。
【0032】
外装シート20に配設されるウエスト部弾性部材27、腰回り弾性部材群28、湾曲弾性部材群29としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0033】
(吸収パッド)
図3は、本発明の第1実施形態の吸収パッド2の正面一部断面展開図であり、図4は、本発明の第1実施形態の吸収パッド3の裏面展開図であり、図5は、図4のA−A断面図である。
本発明の吸収パッド2は、展開状態において略矩形形状に形成され、吸収パッド2は、透液性トップシート51と、不透液性バックシート52と、両シートの間に挟持された吸収体53を有し、吸収パッド2の幅方向両側部分には、必要に応じ着用者側に起立するバリヤーカフス54が形成され、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には弾性部材55が固着されている。
【0034】
不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面には、不透液性バックシート52の腹側部分56、背側部分57には面ファスナー70が設けられ、不透液性バックシート52の股間部58には面ファスナー71が設けられている。
腹側部分56及び背側部分57に設けられた面ファスナー70は、パンツ式使い捨ておむつ1の吸収体13の長手方向端部に対向する位置に設けられていることから、着用者の激し動きにより吸収パッド2が、パンツ式使い捨ておむつ1の長手方向の前後、幅方向の左右にズレることを防止している。
【0035】
透液性トップシート51の着用者面には、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の幅方向両側部にそれぞれ対向する位置にフィットエンボス59が形成されている。
また、フィットエンボス59により透液性バックシート52及び吸収体53を介し不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面が隆起し、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の幅方向両側部にそれぞれ隆起部60が形成されている。
【0036】
透液性トップシート51にフィットエンボス59を形成する場合には、図6に示すように透液性トップシート51の法線方向(垂直方向)に対し、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し0度〜80度傾斜したフィットエンボス59を設けることが好適であることから、40度傾斜したフィットエンボス59を設けている。
なお、法線方向に対し平行、すなわち、透液性トップシート51に対し垂直に設けてもよいことは言うまでもない。
透液性トップシート51の法線方向に対し、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し0度〜80度傾斜したフィットエンボス59を設けた場合、フィットエンボス59により隆起する隆起部60の先端部61により、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の幅方向両側部を被覆することができ、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し10度〜70度傾斜したフィットエンボス59を設けるのがより好適である。
法線方向(垂直方向)に対し0度より小さい場合には、隆起部60が面ファスナー71の幅方向両側部を覆うことができないおそれがあり、垂直方向に対し80度より大きい場合には、隆起部60が面ファスナー71の幅方向両側部を過度に覆い止着力が不足するおそれがある。
【0037】
隆起部60の高さは、フィットエンボス59を形成する一対の加圧ローラー、平面プレート等の加工圧力等を調整することにより任意に形成できるが、隆起部60の高さ(RH)が、股間部58に設けられた面ファスナー71の高さ(FH)対し100%〜500%であることが好適であることから、面ファスナー71の高さ(FH)対し180%に形成している。
隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さ(FH)に対し100%より小さい場合には、着用者の大腿部の肌が面ファスナー71に接触するおそれがあり、隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さに対し500%より大きい場合には、隆起部60が着用者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0038】
透液性トップシート51に形成するフィットエンボス59の形態としては、図7に示す間欠的なフィットエンボス59A、図8に示す圧力勾配を有するフィットエンボス59Bを選択することができる。なお、図8に示すフィットエンボス59Bの黒色部分が高いエンボス圧力により形成されたフィットエンボス59Bである。
さらに、透液性トップシート51に形成するフィットエンボス59の形状(パターン)としては、図9に示す円弧状のフィットエンボス59C、図10に示す波形状のフィットエンボス59Dを選択することができる。フィットエンボス59A〜59Dのいずれのフィットエンボスにおいても、透液性バックシート52及び吸収体53を介し不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面が隆起し、隆起部60を形成することができる。特に、図9に示す円弧状のフィットエンボス59Cは、着用者の大腿部とのフィット性を向上する観点から好適である。
【0039】
吸収パッド2を形成する透液性トップシート51としては、不織布、穴あきプラスチックシート等を使用することができる。
不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を使用することができ、透液性トップシー51として使用する場合、不織布の繊維目付けを10〜30g/m2、厚みを0.05〜3mmにするのが吸収性の観点から好適である。
【0040】
吸収パッド2を形成する不透液性バックシート52としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートを使用することができる。遮水・透湿性シートとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを使用することができる。
バックシート52の単位面積あたりの重量を10〜40g/m2、厚みを0.01〜1.0mmにするのが遮水性の観点から好適である。
さらに、不透液性バックシート52の外側に不織布シートを積層した最外装シートにすることもできる。なお、不透液性バックシート52に替えて最外装シートを使用する場合にあっては、面ファスナー70,71は、最外装シートのパンツ式使い捨ておむつ1との対向面に設けることは言うまでもない。
【0041】
吸収パッド2を形成する吸収体53としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを使用することができ、必要に応じて、吸収体53をクレープ紙により包むことができる。
パルプ目付けを100〜600g/m2、高吸水性樹脂の目付けを0〜400g/m2にするのが好適であるであるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
吸収体53の形状としては、矩形形状、略砂時計形状とすることができる。しかし、図11に示すように、吸収体53の股間部58の幅方向両側部から一対のフィットカット63を行い、吸収体53の股間部58の幅方向の幅を小さくすることにより着用者の大腿部とのフィット性を向上させる吸収体53が好適である。
さらに、図12に示すように、吸収体53の股間部58の幅方向両側部から一対のフィットカット63を行い、吸収体53の股間部58の幅方向の幅を小さくすると共に、吸収体53の腹側部分の腹側吸収部64、吸収体53の背側部分の背側吸収部を略円形形状にすることにより着用者の大腿部とのフィット性、着用者の背腹部、特にお尻とのフィット性を向上させる、いわゆるひょうたん形状に吸収体53を形成するのがより好適である。
また、透液性トップシート51との対向面側の吸収体53の股間部58の厚みを厚くした、いわゆる中高部を設けもよい。
【0042】
吸収パッド2を形成するバリヤーカフス54としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
また、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には固着される弾性部材55としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等を使用することができる。
【0043】
また、バリヤーカフス54は、各バリヤーカフス54の幅方向両側部分が、吸収体53の幅方向両側部を越えて延在する透液性トップシート51または不透液性バックシート52の長手方向に沿って固着され、各バリヤーカフス54の幅方向中央部分が、透液性トップシート51の長手方向両端部分に固着され、透液性トップシート51の長手方向両端部分を除く中間部分においては固着されていない、前後方向の両端部の間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。
従って、着用者が吸収パッド2を着用した場合にあっては、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には固着される弾性部材55の収縮力により、透液性トップシート51に固着されていないバリヤーカフス54が起立し、排尿が吸収パッド2の外方に漏れ出すことを防止できる。
【0044】
不透液性バックシート52に設けられる面ファスナー70,71としては、突起形状がフック状、レ字状、J字状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等のいずれの形状であっても使用することができる。
突起の数密度、すなわち単位面積当りに配置される突起の数は、20〜600個/cm2、特に150〜350個/cm2とするのが好ましい。突起の数密度は適宜定めることができるが、あまり疎らであったり、密であったりすると、止着力が弱くなる。
なお、面ファスナー70,71は不透液性バックシート52にホットメルト接着剤等により不透液性バックシート52に固着されている。
【0045】
不透液性バックシート52の股間部58の面ファスナー71は、面ファスナー71の長辺が、不透液性バックシート52の長手方向に沿って設けてもよく、さらに、図13に示すように不透液性バックシート52の幅方向に対し間隔をあけて複数の面ファスナー71を設けてもよい。
面ファスナー71の長辺を不透液性バックシート52の長手方向に沿って設けた場合にあっては、股間部58において着用者の大腿部の肌と面ファスナー71とを遠ざけることができ、着用者の大腿部の肌と面ファスナー71との接触を低減することができる。
さらに、不透液性バックシート52の幅方向に対し間隔をあけて複数の面ファスナー71を設けた場合にあっては、着用者の激しい動きによっても股間部58の吸収体53のよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッド2で吸収できる。
【0046】
吸収体53の裏面側には、不透液性バックシート52が吸収体53の周縁より所定長さはみ出すように設けられ、吸収体53の表面側には、透液性トップシート51が吸収体53の周縁より所定長さはみ出すように設けられいる。
【0047】
吸収パッド2の長手方向両端部では、透液性トップシート51及び不透液性バックシート52が吸収体53の長手方向両端部を越えてそれぞれ延在し、貼り合わされ、吸収体53が介在しないエンドフラップ部61が形成されている。
また、 吸収パッド2の幅方向両側部では、透液性トップシート51及び不透液性バックシート52が吸収体53の幅方向両側部を越えてそれぞれ延在し、貼り合わされ、吸収体53が介在しないサイドフラップ部62が形成されている。
なお、透液性トップシート51と不透液性バックシート52との貼り合わせには、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シール等に行うことができる。
【0048】
本発明の吸収パッド2は、大人用のパンツ型使い捨て紙おむつ1等の外装物品の内側に止着して使用されるものであり吸収パッド2の寸法は適宜定めることができる。例えば、吸収パッド2の長手方向長さを200〜700mm程度、幅方向の幅を80〜400mm程度に形成することができ、この場合には、腹側部分56の長手方向長さを50〜350mm程度、背側部分57の長手方向長さを50〜350mm程度、股間部58の長手方向長さを10〜150mm程度にすることができる。
【0049】
(他の実施形態)
次ぎに、本発明の第2実施形態の吸収パッド2について説明する。
図14は、第2実施形態の吸収パッド2の正面一部断面展開図であり、図15は、第2実施形態の吸収パッド2の裏面展開図であり、図16は、図15のA−A断面図であり、図17は、要部拡大図であり、図18は、図15のB−B断面図である。
第2実施形態の吸収パッド2は、前述した第1実施形態の吸収パッド2と同様に展開状態において略矩形形状に形成され、吸収パッド2は、透液性トップシート51と、不透液性バックシート52と、両シートの間に挟持された吸収体53を有し、吸収パッド2の幅方向両側部分には、必要に応じ着用者側に起立するバリヤーカフス54が形成され、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には弾性部材55が固着されている。
【0050】
不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面には、不透液性バックシート52の腹側部分56、背側部分57には面ファスナー70が設けられ、不透液性バックシート52の股間部58には面ファスナー71が設けられている。
【0051】
透液性トップシート51の着用者面には、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の対向する位置に、面ファスナー71の周辺部を取り囲むフィットエンボス59が形成されている。
また、フィットエンボス59により透液性バックシート52及び吸収体53を介し不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面が隆起し、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の周辺部を取り囲む隆起部60が形成されている。
【0052】
隆起部60を形成する位置は、面ファスナー71の周辺部から、1〜10mmに離間した位置に形成するのが着用者の大腿部と面ファスナー71との接触を抑制できる観点から好適である。
すなわち、長手方向に形成される隆起部60Aは、面ファスナー71の幅方向両側部から、1〜3mmに離間した位置に形成するのが着用者の大腿部と面ファスナー71との接触を抑制できる観点から好適であり、幅方向に形成される隆起部60Bは、面ファスナー71の長手方向両側部から、2〜5mmに離間した位置に形成するのが着用者の大腿部と面ファスナー71との接触を抑制できる観点から好適である。
なお、中高部を有する吸収体53にあっては、中高部の周辺部を取り囲む隆起部60を形成してもよい。
【0053】
隆起部60の高さは、フィットエンボス59の加工圧力等によって調整可能であるが、隆起部60の高さ(RH)が、股間部58に設けられた面ファスナー71の高さ(FH)対し100%〜500%であることが好適であることから、約180%に形成している。
隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さ(FH)に対し100%より小さい場合には、着用者の大腿部の肌が面ファスナー71に接触するおそれがあり、隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さに対し500%より大きい場合には、隆起部60が着用者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0054】
なお、第2実施形態の透液性トップシート51に形成されたフィットエンボス59は、透液性トップシート51の法線方向に対し平行、すなわち、透液性トップシート51に対し垂直に設けられているが、第1実施形態の透液性トップシート51に形成されたフィットエンボス59と同様に、透液性トップシート51の法線方向に対し、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し0度〜80度傾斜したフィットエンボス59を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、パンツ式使い捨ておむつ、テープ式使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の外装物品に止着されて使用される吸収パッドに関するもので、特に着用者の動きによってズレ、よれを生じることがなく、着用者の肌に外傷をあたえることのない吸収パッドの構造に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】吸収パッドが止着された使い捨ておむつの斜視図である。
【図2】吸収パッドが止着された使い捨ておむつの正面展開図である。
【図3】第1実施形態の吸収パッドの正面展開図である。
【図4】同吸収パッドの裏面展開図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】要部拡大平面図である。
【図7】吸収パッドの正面展開図である。
【図8】吸収パッドの正面展開図である。
【図9】吸収パッドの正面展開図である。
【図10】吸収パッドの正面展開図である。
【図11】吸収体の正面展開図である。
【図12】吸収体の正面展開図である。
【図13】吸収パッドの裏面展開図である。
【図14】第2実施形態の吸収パッド2の正面展開図である。
【図15】同吸収パッドの裏面展開図である。
【図16】図15のA−A断面図である。
【図17】要部拡大平面図である。
【図18】図15のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1…パンツ式使い捨ておむつ、2…吸収パッド、10…吸収性本体、11…透液性トップシート、12…不透液性バックシート、13…吸収体、14…バリヤーカフス、20…外装シート、21…前身頃、22…後見頃、23…股間部、24…両側部、25…脚部開口部、26…ウエスト開口部、27…ウエスト弾性部材、28…腰回り弾性部材、29…湾曲弾性部材群、51…透液性トップシート、52…不透液性バックシート、53…吸収体、54…バリヤーカフス、55…弾性部材、56…腹側部分、57…背側部分、58…股間部、59…フィットエンボス、60…隆起部、61…エンドフラップ部、62…サイドフラップ部、63…フィットカット、64…背側吸収部、65…腹側吸収部、70,71…面ファスナー
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿や経血等の排泄物を吸収するために使用される吸収パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば成人向けの使い捨ておむつにおいては、交換頻度を考慮して、内面に尿吸収を目的とした吸収パッドを用いることが一般的になっている(特許文献1参照)。
このような吸収パッドは、不透液性バックシートと透液性トップシートとの間に吸収体が介在されるとともに、不透液性バックシートおよび透液性トップシートが吸収体の前端よりも前側及び後端よりも後側にそれぞれ延出され、これら延出部分により吸収体の存在しない前エンドフラップ部及び後エンドフラップ部がそれぞれ形成された構造を有している。
また、不透液性バックシートの裏面を、より肌触りに優れた不織布で被覆することも行われている。
さらに、このような構造を有する吸収パッドにおいては、装着時のズレを防止するため、不透液性バックシートの長手方向両端部に粘着剤や面ファスナー(メカニカルファスナー)が取り付けられており、これらの止着手段を介して使い捨ておむつの内面に止着される。
特に、面ファスナーは、フック状の突起を多数有しており、このフック状の突起が、使い捨ておむつの内面の繊維に絡まることにより止着できるものであり、止着及び剥離を繰り返しても止着能力が低下しないという利点を有する。
しかし、面ファスナーの剛性は高く面ファスナーの角部が肌に接触すると、着用者の肌を傷つけるおそれがあることから、面ファスナーの角部に面取り加工、R加工を施した吸収パッド(特許文献2参照)、面ファスナーの角部を被覆シートによって覆い隠した吸収パッドが提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−23274号公報
【特許文献2】特開2007―190178号公報
【特許文献3】特開2001−145661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、吸収パッドの長手方向両側部に面ファスナーを設けた吸収パッドにあっても、着用者の激しい動きにより、特に股間部の吸収体がよれて排尿時に尿がおむつ外部に漏れ出すおそれがあった。
また、面ファスナーの角部に面取り加工、R加工を施した吸収パッドであっても、特に股間部においては、着用者の肌が面ファスナーの角部以外の部分と接触することが多いことから着用者の肌を傷つけるおそれがあり、また、面取り加工等によって削除される面ファスナーは廃棄されることから資材ゴミの増加を発生させる一因であった。
さらに、被覆シートで面ファスナーの角部を覆った吸収パッドであっても、特に股間部にあっては、被覆シートがよれて面ファスナーの角部が露出し、着用者の肌が面ファスナーの露出部と接触し肌を傷つけるおそれがあり、また、被覆シートを別段に設ける必要があることから生産コストが高価であった。
そこで、本発明の主たる課題は、着用者の激しい動きによっても股間部の吸収体のズレ、よれを抑制し、且つ、股間部に設けられた面ファスナーが着用者の肌に接触することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部に形成され、前記隆起部の長手方向長さが、前記股間部の面ファスナーの長手方向長さより長く、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【0005】
(作用効果)
請求項1記載の発明においては、着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられていることから、着用者の激しい動きによる吸収パッドのズレ、特に股間部の吸収体のよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッドで吸収し、排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止する。
また、前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部に形成され、前記隆起部の長手方向長さが、前記股間部の面ファスナーの長手方向長さより長く、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されていることから、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナー高さに対し、高く形成された隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0006】
<請求項2記載の発明>
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を取り囲んで形成され、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【0007】
(作用効果)
請求項2記載の発明においては、着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられていることから、着用者の激しい動きによる吸収パッドのズレ、特に股間部の吸収体のよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッドで吸収し、排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止する。
また、前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を取り囲んで形成され、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されていることから、着用者の激しい動きによる股間部の吸収体のよれをより一層抑制し、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナー高さに対し、同じか、または高く形成された隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0008】
<請求項3記載の発明>
前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%〜500%である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0009】
(作用効果)
請求項3記載の発明においては、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%〜500%であることから、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することがない。
前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%より小さい場合には、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触するおそれがあり、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し500%より大きい場合には、隆起部が着用者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0010】
<請求項4記載の発明>
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部を覆っている請求項1記載の吸収パッド。
【0011】
(作用効果)
請求項4記載の発明においては、前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部を覆っていることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、着用者の大腿部の肌が面ファスナーの幅方向の両側部の角部及び段差部に接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナーの幅方向の両側部を覆っている隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0012】
<請求項5記載の発明>
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を覆っている請求項2記載の吸収パッド。
【0013】
(作用効果)
請求項5記載の発明においては、前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を覆っていることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、着用者の大腿部の肌が、面ファスナーの周辺部の角部及び段差部に接触することがない。
仮に、着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触する場合においても面ファスナーの周辺部を覆っている隆起部が緩衝材、クッションとして作用するため着用者の大腿部の肌を傷つけることを抑制する。
【0014】
<請求項6記載の発明>
前記隆起部が、透液性トップシートに形成されたエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0015】
(作用効果)
請求項6記載の発明においては、前記隆起部が、透液性トップシートに形成されたエンボスに対応して隆起していることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、隆起部の変形、へたり等の経時変化を抑制することができ、着用者の大腿部の肌が面ファスナーの幅方向の両側部の角部及び段差部に接触することがない。
また、別段の被覆シートを用いることなく着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することを防止でき経済的にも優れる。
【0016】
<請求項7記載の発明>
前記隆起部が、透液性トップシートに形成された中心方向に向かい垂直方向に対し0度〜80度傾斜しているエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0017】
(作用効果)
請求項7記載の発明においては、透液性トップシートに形成された中心方向に向かい垂直方向に対し0度〜80度傾斜しているエンボスに対応して隆起していることから、着用者が長時間にわたり吸収パッドを着用した場合にあっても、隆起部の変形、へたり等の経時変化を抑制することができ、着用者の大腿部の肌が、面ファスナーの周辺部の角部及び段差部に接触することがない。
また、別段の被覆シートを用いることなく着用者の大腿部の肌が面ファスナーに接触することを防止でき経済的にも優れる。
垂直方向に対し0度より小さい場合には、隆起部が面ファスナーの幅方向の両側部、面ファスナーの周辺部を覆うことができないおそれがあり、垂直方向に対し80度より大きい場合には、隆起部が面ファスナーの幅方向の両側部、面ファスナーの周辺部を過度に覆い止着力が不足するおそれがある。
【0018】
<請求項8記載の発明>
前記股間部の面ファスナーの長辺が、吸収パッドの長手方向に沿って設けられている請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0019】
(作用効果)
請求項8記載の発明においては、前記股間部の面ファスナーの長辺が、吸収パッドの長手方向に沿って設けられていることから、股間部において着用者の大腿部の肌と面ファスナーとを遠ざけることができ、着用者の大腿部の肌と面ファスナーとの接触を低減することができる。
【0020】
<請求項9記載の発明>
前記股間部の面ファスナーが、吸収パッドの幅方向に一定の間隔で2個以上設けられている請求項8記載の吸収パッド。
【0021】
(作用効果)
請求項9記載の発明においては、前記股間部の面ファスナーが、吸収パッドの幅方向に一定の間隔で2個以上設けられていることから、着用者の激しい動きによっても股間部の吸収体がよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッドで吸収し、排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止する。
【0022】
<請求項10記載の発明>
前記吸収体の股間部の幅方向長さが、前記股間部の腹側部及び背側部の幅方向長さより短い、略砂時計形状である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【0023】
(作用効果)
請求項10記載の発明においては、前記吸収体の股間部の幅方向長さが、前記股間部の腹側部及び背側部の幅方向長さより短い、略砂時計形状であることから、着用者のフィット感を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上、本発明によれば、着用者の激しい動きによっても、股間部の吸収体のズレ、よれを抑制し排尿が外装物品の外部に漏れ出すことを防止でき、面ファスナーと着用者の肌との接触による着用者の肌を傷つけることがない吸収パッドを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の吸収パッドについて説明する。図1は、本発明の吸収パッドがパンツ式使い捨ておむつに止着された斜視図であり、図2は同展開図である。
なお、以下においてはパンツ式使い捨ておむつを例として説明を行うが、本発明の吸収パッドは、テープ式使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の外装物品にも適用できるとおりであるが、本発明は生理用ナプキン等の他の吸収パッドにも適用できることは言うまでもない。
また、以下の説明において「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、殆ど多くの製品では前後方向中央部及びその前後近傍の部分である。具体的には、成人向け製品の場合、製品の前後方向中央を基準として±150mmの範囲である。また、「腹側部分」及び「前身頃」は股間部よりも前側の部分を意味し、「背側部分」及び「後身頃」は股間部よりも後側の部分を意味する。
【0026】
(パンツ式使い捨ておむつ)
本発明の吸収パッドが止着されるパンツ式使い捨ておむつ1は、吸収性本体10と、吸収性本体10の外面側に一体的に設けられた外装シート20とからなる。
吸収体本体10は、展開状態において略矩形形状に形成され、吸収体本体10は、透液性トップシート11と、不透液性バックシート12と、両シートの間に挟持された吸収体13を有し、吸収体本体10の幅方向両側部分には、必要に応じ着用者側に起立するバリヤーカフス14が形成されている。
外装シート20は、展開状態において略砂時計形状に形成され、外装シート20は、着用者の腹側に当接する前身頃21と、着用者の背側に当接する後見頃22と、前身頃21と後身頃22を連結する股間部23からなり、吸収体本体10を内側とし股間部22で折り畳み前身頃21と後身頃22とを幅方向の両側部24でそれぞれ接合してパンツ形状に形成されている。
パンツ形状には、着用者の大腿部を緩挿する一対の脚部開孔部25と、着用者のウエスト部を緩挿するウエスト開孔部26が設けられており、パンツ式使い捨ておむつ1を着用者の体型にフィットさせ、着用者の激しい動きによるパンツ式使い捨ておむつ1のズレ、股間部22のよれを防止するために弾性部材が適宜配設されている。
図1に示すパンツ式使い捨ておむつ1においては、ウエスト開口部26の近傍にはウエスト部弾性部材27を配設し、外装シート20の前身頃21、後身頃22には上下方向に一定の間隔をおいて水平方向に沿って複数の腰回り弾性部材群28を配設し、さらに、両側部24の一方側部から股間部23に延び、股間部21を迂回して両側部24の他方側部に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材群29が配設し、パンツ式使い捨ておむつ1を着用者の体型にフィットさせ、着用者の激しい動きによるパンツ式使い捨ておむつ1のズレ、股間部22のよれを防止している。
【0027】
吸収体本体10を形成する透液性トップシート11としては、不織布、穴あきプラスチックシート等を使用することができる。
不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を使用することができ、透液性トップシー11として使用する場合、不織布の繊維目付けを10〜30g/m2、厚みを0.05〜3mmにするのが吸収性の観点から好適である。
【0028】
吸収体本体10を形成する不透液性バックシート12としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートを使用することができる。
遮水・透湿性シートとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを使用することができる。
バックシート12の単位面積あたりの重量を10〜40g/m2、厚みを0.01〜1.0mmにするのが遮水性の観点から好適である。
【0029】
吸収体本体10を形成する吸収体13としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。
パルプ目付けを80〜500g/m2、厚みを1〜50mmにするのが吸収性の観点から好適である。
また、高吸水性樹脂の目付けを0〜300g/m2にするのが好適であるであるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
さらに、必要に応じて、吸収体13をクレープ紙により包むことができ、吸収体13の形状としては、矩形形状、略砂時計形状とすることができる。
【0030】
吸収体本体10を形成するバリヤーシート14としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
【0031】
外装シート20としては、各種の不織布を用いることができ、不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
外装シート12に用いる不織布の繊維目付けを10〜30g/m2、厚みを0.01〜5mmにするのが強度的な観点から好適である。
【0032】
外装シート20に配設されるウエスト部弾性部材27、腰回り弾性部材群28、湾曲弾性部材群29としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0033】
(吸収パッド)
図3は、本発明の第1実施形態の吸収パッド2の正面一部断面展開図であり、図4は、本発明の第1実施形態の吸収パッド3の裏面展開図であり、図5は、図4のA−A断面図である。
本発明の吸収パッド2は、展開状態において略矩形形状に形成され、吸収パッド2は、透液性トップシート51と、不透液性バックシート52と、両シートの間に挟持された吸収体53を有し、吸収パッド2の幅方向両側部分には、必要に応じ着用者側に起立するバリヤーカフス54が形成され、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には弾性部材55が固着されている。
【0034】
不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面には、不透液性バックシート52の腹側部分56、背側部分57には面ファスナー70が設けられ、不透液性バックシート52の股間部58には面ファスナー71が設けられている。
腹側部分56及び背側部分57に設けられた面ファスナー70は、パンツ式使い捨ておむつ1の吸収体13の長手方向端部に対向する位置に設けられていることから、着用者の激し動きにより吸収パッド2が、パンツ式使い捨ておむつ1の長手方向の前後、幅方向の左右にズレることを防止している。
【0035】
透液性トップシート51の着用者面には、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の幅方向両側部にそれぞれ対向する位置にフィットエンボス59が形成されている。
また、フィットエンボス59により透液性バックシート52及び吸収体53を介し不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面が隆起し、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の幅方向両側部にそれぞれ隆起部60が形成されている。
【0036】
透液性トップシート51にフィットエンボス59を形成する場合には、図6に示すように透液性トップシート51の法線方向(垂直方向)に対し、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し0度〜80度傾斜したフィットエンボス59を設けることが好適であることから、40度傾斜したフィットエンボス59を設けている。
なお、法線方向に対し平行、すなわち、透液性トップシート51に対し垂直に設けてもよいことは言うまでもない。
透液性トップシート51の法線方向に対し、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し0度〜80度傾斜したフィットエンボス59を設けた場合、フィットエンボス59により隆起する隆起部60の先端部61により、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の幅方向両側部を被覆することができ、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し10度〜70度傾斜したフィットエンボス59を設けるのがより好適である。
法線方向(垂直方向)に対し0度より小さい場合には、隆起部60が面ファスナー71の幅方向両側部を覆うことができないおそれがあり、垂直方向に対し80度より大きい場合には、隆起部60が面ファスナー71の幅方向両側部を過度に覆い止着力が不足するおそれがある。
【0037】
隆起部60の高さは、フィットエンボス59を形成する一対の加圧ローラー、平面プレート等の加工圧力等を調整することにより任意に形成できるが、隆起部60の高さ(RH)が、股間部58に設けられた面ファスナー71の高さ(FH)対し100%〜500%であることが好適であることから、面ファスナー71の高さ(FH)対し180%に形成している。
隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さ(FH)に対し100%より小さい場合には、着用者の大腿部の肌が面ファスナー71に接触するおそれがあり、隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さに対し500%より大きい場合には、隆起部60が着用者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0038】
透液性トップシート51に形成するフィットエンボス59の形態としては、図7に示す間欠的なフィットエンボス59A、図8に示す圧力勾配を有するフィットエンボス59Bを選択することができる。なお、図8に示すフィットエンボス59Bの黒色部分が高いエンボス圧力により形成されたフィットエンボス59Bである。
さらに、透液性トップシート51に形成するフィットエンボス59の形状(パターン)としては、図9に示す円弧状のフィットエンボス59C、図10に示す波形状のフィットエンボス59Dを選択することができる。フィットエンボス59A〜59Dのいずれのフィットエンボスにおいても、透液性バックシート52及び吸収体53を介し不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面が隆起し、隆起部60を形成することができる。特に、図9に示す円弧状のフィットエンボス59Cは、着用者の大腿部とのフィット性を向上する観点から好適である。
【0039】
吸収パッド2を形成する透液性トップシート51としては、不織布、穴あきプラスチックシート等を使用することができる。
不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を使用することができ、透液性トップシー51として使用する場合、不織布の繊維目付けを10〜30g/m2、厚みを0.05〜3mmにするのが吸収性の観点から好適である。
【0040】
吸収パッド2を形成する不透液性バックシート52としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートを使用することができる。遮水・透湿性シートとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを使用することができる。
バックシート52の単位面積あたりの重量を10〜40g/m2、厚みを0.01〜1.0mmにするのが遮水性の観点から好適である。
さらに、不透液性バックシート52の外側に不織布シートを積層した最外装シートにすることもできる。なお、不透液性バックシート52に替えて最外装シートを使用する場合にあっては、面ファスナー70,71は、最外装シートのパンツ式使い捨ておむつ1との対向面に設けることは言うまでもない。
【0041】
吸収パッド2を形成する吸収体53としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを使用することができ、必要に応じて、吸収体53をクレープ紙により包むことができる。
パルプ目付けを100〜600g/m2、高吸水性樹脂の目付けを0〜400g/m2にするのが好適であるであるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
吸収体53の形状としては、矩形形状、略砂時計形状とすることができる。しかし、図11に示すように、吸収体53の股間部58の幅方向両側部から一対のフィットカット63を行い、吸収体53の股間部58の幅方向の幅を小さくすることにより着用者の大腿部とのフィット性を向上させる吸収体53が好適である。
さらに、図12に示すように、吸収体53の股間部58の幅方向両側部から一対のフィットカット63を行い、吸収体53の股間部58の幅方向の幅を小さくすると共に、吸収体53の腹側部分の腹側吸収部64、吸収体53の背側部分の背側吸収部を略円形形状にすることにより着用者の大腿部とのフィット性、着用者の背腹部、特にお尻とのフィット性を向上させる、いわゆるひょうたん形状に吸収体53を形成するのがより好適である。
また、透液性トップシート51との対向面側の吸収体53の股間部58の厚みを厚くした、いわゆる中高部を設けもよい。
【0042】
吸収パッド2を形成するバリヤーカフス54としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
また、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には固着される弾性部材55としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等を使用することができる。
【0043】
また、バリヤーカフス54は、各バリヤーカフス54の幅方向両側部分が、吸収体53の幅方向両側部を越えて延在する透液性トップシート51または不透液性バックシート52の長手方向に沿って固着され、各バリヤーカフス54の幅方向中央部分が、透液性トップシート51の長手方向両端部分に固着され、透液性トップシート51の長手方向両端部分を除く中間部分においては固着されていない、前後方向の両端部の間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。
従って、着用者が吸収パッド2を着用した場合にあっては、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には固着される弾性部材55の収縮力により、透液性トップシート51に固着されていないバリヤーカフス54が起立し、排尿が吸収パッド2の外方に漏れ出すことを防止できる。
【0044】
不透液性バックシート52に設けられる面ファスナー70,71としては、突起形状がフック状、レ字状、J字状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等のいずれの形状であっても使用することができる。
突起の数密度、すなわち単位面積当りに配置される突起の数は、20〜600個/cm2、特に150〜350個/cm2とするのが好ましい。突起の数密度は適宜定めることができるが、あまり疎らであったり、密であったりすると、止着力が弱くなる。
なお、面ファスナー70,71は不透液性バックシート52にホットメルト接着剤等により不透液性バックシート52に固着されている。
【0045】
不透液性バックシート52の股間部58の面ファスナー71は、面ファスナー71の長辺が、不透液性バックシート52の長手方向に沿って設けてもよく、さらに、図13に示すように不透液性バックシート52の幅方向に対し間隔をあけて複数の面ファスナー71を設けてもよい。
面ファスナー71の長辺を不透液性バックシート52の長手方向に沿って設けた場合にあっては、股間部58において着用者の大腿部の肌と面ファスナー71とを遠ざけることができ、着用者の大腿部の肌と面ファスナー71との接触を低減することができる。
さらに、不透液性バックシート52の幅方向に対し間隔をあけて複数の面ファスナー71を設けた場合にあっては、着用者の激しい動きによっても股間部58の吸収体53のよれを抑制し、排尿を確実に吸収パッド2で吸収できる。
【0046】
吸収体53の裏面側には、不透液性バックシート52が吸収体53の周縁より所定長さはみ出すように設けられ、吸収体53の表面側には、透液性トップシート51が吸収体53の周縁より所定長さはみ出すように設けられいる。
【0047】
吸収パッド2の長手方向両端部では、透液性トップシート51及び不透液性バックシート52が吸収体53の長手方向両端部を越えてそれぞれ延在し、貼り合わされ、吸収体53が介在しないエンドフラップ部61が形成されている。
また、 吸収パッド2の幅方向両側部では、透液性トップシート51及び不透液性バックシート52が吸収体53の幅方向両側部を越えてそれぞれ延在し、貼り合わされ、吸収体53が介在しないサイドフラップ部62が形成されている。
なお、透液性トップシート51と不透液性バックシート52との貼り合わせには、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シール等に行うことができる。
【0048】
本発明の吸収パッド2は、大人用のパンツ型使い捨て紙おむつ1等の外装物品の内側に止着して使用されるものであり吸収パッド2の寸法は適宜定めることができる。例えば、吸収パッド2の長手方向長さを200〜700mm程度、幅方向の幅を80〜400mm程度に形成することができ、この場合には、腹側部分56の長手方向長さを50〜350mm程度、背側部分57の長手方向長さを50〜350mm程度、股間部58の長手方向長さを10〜150mm程度にすることができる。
【0049】
(他の実施形態)
次ぎに、本発明の第2実施形態の吸収パッド2について説明する。
図14は、第2実施形態の吸収パッド2の正面一部断面展開図であり、図15は、第2実施形態の吸収パッド2の裏面展開図であり、図16は、図15のA−A断面図であり、図17は、要部拡大図であり、図18は、図15のB−B断面図である。
第2実施形態の吸収パッド2は、前述した第1実施形態の吸収パッド2と同様に展開状態において略矩形形状に形成され、吸収パッド2は、透液性トップシート51と、不透液性バックシート52と、両シートの間に挟持された吸収体53を有し、吸収パッド2の幅方向両側部分には、必要に応じ着用者側に起立するバリヤーカフス54が形成され、バリヤーカフス54の起立部の遠位縁部には弾性部材55が固着されている。
【0050】
不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面には、不透液性バックシート52の腹側部分56、背側部分57には面ファスナー70が設けられ、不透液性バックシート52の股間部58には面ファスナー71が設けられている。
【0051】
透液性トップシート51の着用者面には、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の対向する位置に、面ファスナー71の周辺部を取り囲むフィットエンボス59が形成されている。
また、フィットエンボス59により透液性バックシート52及び吸収体53を介し不透液性バックシート52のパンツ式使い捨ておむつ1との対向面が隆起し、透液性バックシート52の股間部58に設けられた面ファスナー71の周辺部を取り囲む隆起部60が形成されている。
【0052】
隆起部60を形成する位置は、面ファスナー71の周辺部から、1〜10mmに離間した位置に形成するのが着用者の大腿部と面ファスナー71との接触を抑制できる観点から好適である。
すなわち、長手方向に形成される隆起部60Aは、面ファスナー71の幅方向両側部から、1〜3mmに離間した位置に形成するのが着用者の大腿部と面ファスナー71との接触を抑制できる観点から好適であり、幅方向に形成される隆起部60Bは、面ファスナー71の長手方向両側部から、2〜5mmに離間した位置に形成するのが着用者の大腿部と面ファスナー71との接触を抑制できる観点から好適である。
なお、中高部を有する吸収体53にあっては、中高部の周辺部を取り囲む隆起部60を形成してもよい。
【0053】
隆起部60の高さは、フィットエンボス59の加工圧力等によって調整可能であるが、隆起部60の高さ(RH)が、股間部58に設けられた面ファスナー71の高さ(FH)対し100%〜500%であることが好適であることから、約180%に形成している。
隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さ(FH)に対し100%より小さい場合には、着用者の大腿部の肌が面ファスナー71に接触するおそれがあり、隆起部60の高さ(RH)が、面ファスナー71の高さに対し500%より大きい場合には、隆起部60が着用者に違和感を感じさせるおそれがある。
【0054】
なお、第2実施形態の透液性トップシート51に形成されたフィットエンボス59は、透液性トップシート51の法線方向に対し平行、すなわち、透液性トップシート51に対し垂直に設けられているが、第1実施形態の透液性トップシート51に形成されたフィットエンボス59と同様に、透液性トップシート51の法線方向に対し、中心方向に向かい法線方向(垂直方向)に対し0度〜80度傾斜したフィットエンボス59を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、パンツ式使い捨ておむつ、テープ式使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の外装物品に止着されて使用される吸収パッドに関するもので、特に着用者の動きによってズレ、よれを生じることがなく、着用者の肌に外傷をあたえることのない吸収パッドの構造に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】吸収パッドが止着された使い捨ておむつの斜視図である。
【図2】吸収パッドが止着された使い捨ておむつの正面展開図である。
【図3】第1実施形態の吸収パッドの正面展開図である。
【図4】同吸収パッドの裏面展開図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】要部拡大平面図である。
【図7】吸収パッドの正面展開図である。
【図8】吸収パッドの正面展開図である。
【図9】吸収パッドの正面展開図である。
【図10】吸収パッドの正面展開図である。
【図11】吸収体の正面展開図である。
【図12】吸収体の正面展開図である。
【図13】吸収パッドの裏面展開図である。
【図14】第2実施形態の吸収パッド2の正面展開図である。
【図15】同吸収パッドの裏面展開図である。
【図16】図15のA−A断面図である。
【図17】要部拡大平面図である。
【図18】図15のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1…パンツ式使い捨ておむつ、2…吸収パッド、10…吸収性本体、11…透液性トップシート、12…不透液性バックシート、13…吸収体、14…バリヤーカフス、20…外装シート、21…前身頃、22…後見頃、23…股間部、24…両側部、25…脚部開口部、26…ウエスト開口部、27…ウエスト弾性部材、28…腰回り弾性部材、29…湾曲弾性部材群、51…透液性トップシート、52…不透液性バックシート、53…吸収体、54…バリヤーカフス、55…弾性部材、56…腹側部分、57…背側部分、58…股間部、59…フィットエンボス、60…隆起部、61…エンドフラップ部、62…サイドフラップ部、63…フィットカット、64…背側吸収部、65…腹側吸収部、70,71…面ファスナー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部に形成され、前記隆起部の長手方向長さが、前記股間部の面ファスナーの長手方向長さより長く、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【請求項2】
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を取り囲んで形成され、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【請求項3】
前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%〜500%である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項4】
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部を覆っている請求項1記載の吸収パッド。
【請求項5】
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を覆っている請求項2記載の吸収パッド。
【請求項6】
前記隆起部が、透液性トップシートに形成されたエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項7】
前記隆起部が、透液性トップシートに形成された中心方向に向かい垂直方向に対し0度〜80度傾斜しているエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項8】
前記股間部の面ファスナーの長辺が、吸収パッドの長手方向に沿って設けられている請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項9】
前記股間部の面ファスナーが、吸収パッドの幅方向に一定の間隔で2個以上設けられている請求項8記載の吸収パッド。
【請求項10】
前記吸収体の股間部の幅方向長さが、前記股間部の腹側部及び背側部の幅方向長さより短い、略砂時計形状である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項1】
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部に形成され、前記隆起部の長手方向長さが、前記股間部の面ファスナーの長手方向長さより長く、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【請求項2】
透液性トップシートと、最外層シートと、前記透液性トップシートと前記最外層シートとの間に吸収体が挟持された吸収パッドであって、
着用者に着用される外装物品の内側に止着される矩形状の面ファスナーが、前記最外層シートの最外層表面の長手方向両側部と股間部にそれぞれ設けられ、
前記最外層シートの最外層表面の隆起部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を取り囲んで形成され、前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さと同じか、または高く形成されている
ことを特徴とする吸収パッド。
【請求項3】
前記隆起部の高さが、前記股間部の面ファスナーの高さに対し100%〜500%である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項4】
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの幅方向の両側部を覆っている請求項1記載の吸収パッド。
【請求項5】
前記隆起部の先端部が、前記股間部の面ファスナーの周辺部を覆っている請求項2記載の吸収パッド。
【請求項6】
前記隆起部が、透液性トップシートに形成されたエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項7】
前記隆起部が、透液性トップシートに形成された中心方向に向かい垂直方向に対し0度〜80度傾斜しているエンボスに対応して隆起している請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項8】
前記股間部の面ファスナーの長辺が、吸収パッドの長手方向に沿って設けられている請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【請求項9】
前記股間部の面ファスナーが、吸収パッドの幅方向に一定の間隔で2個以上設けられている請求項8記載の吸収パッド。
【請求項10】
前記吸収体の股間部の幅方向長さが、前記股間部の腹側部及び背側部の幅方向長さより短い、略砂時計形状である請求項1または請求項2記載の吸収パッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−285166(P2009−285166A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141183(P2008−141183)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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