説明

吸収性物品の包装材

【課題】包装材を人目に付く場所に置いた場合でも、包装材を置いたことによる違和感や抵抗感等を軽減できる吸収性物品の包装材を提供する。
【解決手段】この包装材1は、複数の吸収性物品を収容する内側袋部材2と、その内側袋部材2の外側から複数の吸収性物品4を収容する外側袋部材3とを備える。外側袋部材3の少なくとも一部は、外側袋部材3を透して内部を視認できるように、透明又は半透明となっている。例えば、吸収性物品4の製品情報を外側袋部材3に表示することにより、内側袋部材3に吸収性物品4の製品情報を表示する必要ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ等の複数の吸収性物品を収容する従来の包装材は、袋状の構造を有する袋部材が一重に設けられたものが一般的であり、袋部材には収容している吸収性物品の商品名及び出所(製造元又は販売元等)に関する製品情報が表示されている。このため、包装材を一見すると、その中に吸収性物品が入っていることが直ぐに分かるようになっているとともに、包装材を病院又は自宅等に置いた場合、包装材が目に付きやすい傾向がある。また、利用者の中には、包装材に吸収性物品が入っていることを他人に見られるのを嫌う場合がある。そのような場合には、吸収性物品が入った包装材を他の袋部材等に収容したり、包装材を人目に付きにくい場所に置く等の手間のかかる対策が必要となる。
【0003】
また、吸収性物品を収容する従来の包装材として、包装材の開封のために、ミシン目等が設けられたものがある。しかし、一旦開封された開封部分が開いたままの状態となり、包装材の開封部分から中の吸収性物品が露わになり、人目に付きやすいという問題がある。さらに、吸収性物品が埃をかぶったり、開封部分から吸収性物品がこぼれ落ちる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の解決すべき第1の課題は、包装材を人目に付く場所に置いた場合でも、包装材を置いたことによる違和感や抵抗感等を軽減できる吸収性物品の包装材を提供することである。
【0005】
また、本発明の解決すべき第2の課題は、包装材の開封された開封部分を閉じることができる吸収性物品の包装材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、吸収性物品の包装材であって、複数の吸収性物品を収容する内側袋部材と、前記内側袋部材の外側から前記複数の吸収性物品を収容する外側袋部材とを備える。
【0007】
また、請求項2の発明では、請求項1の発明に係る吸収性物品の包装材において、前記外側袋部材の少なくとも一部は、透明又は半透明である。
【0008】
また、請求項3の発明では、吸収性物品の包装材であって、複数の吸収性物品を収容する袋状の袋部材と、前記袋部材に着脱自在に貼着されており、前記袋部材が開封されたときに前記袋部材の開封部分に着脱自在に貼着可能とされた止めシールとを備える。
【0009】
また、請求項4の発明では、請求項3の発明に係る吸収性物品の包装材であって、前記袋部材の一部が破断可能に弱化されてなる弱化部をさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、複数の吸収性物品が内側袋部材及び外側袋部材からなる二重の袋部材によって収容されているため、内側袋部材の意匠の選択の自由度を拡大できる。例えば、包装材に収容している吸収性物品の商品名及び出所(製造元又は販売元等)に関する製品情報は外側袋部材に表示しておけば、内側袋部材には製品情報を表示する必要がなく、内側袋部材の意匠は自由に選択できる。このため、利用者が吸収性物品を購入した後で、外側袋部材を取り外すことにより、吸収性物品が入った内側袋部材を人目に付く場所に置いた場合でも、内側袋部材を置いたことによる違和感や抵抗感等を軽減できる。その結果、従来のように、吸収性物品が入った包装材を他の袋部材等に収容したり、包装材を人目に付きにくい場所に置く等の手間のかかる対策も必要なくなる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、外側袋部材の少なくとも一部が透明又は半透明であるため、利用者が吸収性物品の購入時等に外側袋部材を介して内側袋部材の意匠を確認でき、便利である。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、止めシールを袋部材の開封部分に貼着することにより、開封部分を閉じることができるとともに、止めシールを着脱することにより、開封部分の開閉にも対応できる。その結果、開封部分を止めシールで閉じることにより、開封部分から中の吸収性物品が露わになり、人目に付くのを回避できるとともに、吸収性物品が埃をかぶったり、開封部分から吸収性物品がこぼれ落ちる等の不都合も回避できる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、袋部材における弱化部が破断されて開封された開封部分を止めシールによって閉じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る吸収性物品の包装材における外側袋部材の一部が説明のために破断された斜視図である。
【図2】図1の吸収性物品の包装材の上面図である。
【図3】図1の吸収性物品の包装材の内側袋部材の構成を示す斜視図である。
【図4】図3の内側袋部材における開封部分が開封された状態を示す図である。
【図5】図3の内側袋部材における開封部分が止めシールによって閉じられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る吸収性物品の包装材(以下、単に「包装材」という)における外側袋部材の一部が説明のために破断された斜視図であり、図2はその包装材の上面図であり、図3はその包装材の内側袋部材の構成を示す斜視図である。
【0016】
この包装材1は、図1に示すように、複数の吸収性物品4(図4参照)を収容する内側袋部材2と、その内側袋部材2の外側から複数の吸収性物品4を収容する外側袋部材3とを備える。吸収性物品4の具体例としては、使い捨ておむつなどが挙げられる。内側袋部材2及び外側袋部材3は、樹脂等かなるシート材によって形成された袋状の部材である。吸収性物品4が圧縮された状態で内側袋部材2内に収容される。
【0017】
外側袋部材3の少なくとも一部は、外側袋部材3を透して内部を視認できるように、透明又は半透明となっている。本実施形態では、外側袋部材3における製品情報表示領域6以外の部分の全体又は一部が透明又は半透明となっている。製品表示領域6には、包装材1に収容している吸収性物品4の商品名及び出所(製造元又は販売元等)に関する製品情報が表示される。なお、製品表示領域6は外側袋部材3の外面の1カ所に設けてもよいし、複数箇所に設けてもよい。また、変形例として、外側袋部材3の全体を透明又は半透明にしてもよい。
【0018】
外側袋部材3(例えば外側袋部材3の上面部)には、図1及び図2に示すように、外側袋部材3を破断可能なようにミシン目等からなる弱化部7が設けられており、弱化部7を手で引き裂く等して破断することにより、外側袋部材3を容易に開封して取り外すこがてきるようになっている。
【0019】
上記のように、吸収性物品4の製品情報が外側袋部材3に表示されるため、内側袋部材2に吸収性物品4の製品情報を表示する必要ない。このため、内側袋部材2の意匠の選択の自由度が拡大されている。例えば、内側袋部材2の外面には、花柄等の吸収性物品4と関係のない意匠8を付与することができる。
【0020】
このため、利用者が吸収性物品4を購入した後で、外側袋部材3を取り外すことにより、吸収性物品4が入った内側袋部材3を人目に付く場所に置いた場合でも、内側袋部材3を置いたことによる違和感や抵抗感等を軽減できる。その結果、従来のように、吸収性物品4が入った包装材を他の袋部材等に収容したり、包装材を人目に付きにくい場所に置く等の手間のかかる対策も必要なくなる。
【0021】
また、外側袋部材3の少なくとも一部が透明又は半透明であるため、利用者が吸収性物品4の購入時等に外側袋部材3を介して内側袋部材3の意匠8を確認でき、便利である。
【0022】
さらに本実施形態では、内側袋部材3の外面には、図3に示すように、止めシール11が着脱自在に貼着されている。この止めシール11は、内側袋部材3が開封されたときに内側袋部材3の開封部分12に貼着して開封部分12を閉じるためのものであり、貼着面に付与された粘着剤により内側袋部材3の外面に対する貼り付け、取り外しが繰り返し行えるようになっている。また、止めシール11の一部分は、着脱操作が容易なようにつまみ部11aとなっており、止めシール11の貼着面におけるつまみ部11aに相当する領域には、粘着剤が付与されていない。
【0023】
内側袋部材3には、開封のための弱化部13が設けられている。この弱化部13は、内側袋部材3の一部が破断可能に弱化されることにより形成される。具体的には、弱化部13は、ミシン目等によって構成される。弱化部13の形状は種々の形状が採用可能であるが、例えば略U字形又は略L字形等の形状が採用可能である。内側袋部材3の開封時には、図4に示すように、弱化部13を手で引き裂く等して破断することにより、内側袋部材3の開封部分12が開封される。開封部分12を閉じるときは、内側袋部材3の外面に貼着されている止めシール11を剥がして、図5に示すように、開封部分12を閉じた状態で開封部分12に止めシール11を貼着することにより、開封部分12を閉じた状態に保持できる。止めシール11は繰り返し着脱ができるため、開封部分12の開閉に対応できる。
【0024】
このように、内側袋部材3における弱化部13が破断されて開封された開封部分12を止めシール11で閉じることができるため、開封部分12から中の吸収性物品4が露わになり、人目に付くのを回避できるとともに、吸収性物品4が埃をかぶったり、開封部分12から吸収性物品4がこぼれ落ちる等の不都合も回避できる。
【符号の説明】
【0025】
1 包装材、2 内側袋部材、3 外側袋部材、4 吸収性物品、6 製品表示領域、7 弱化部、8 意匠、11 止めシール、11a つまみ部、12 開封部分、13 弱化部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品の包装材であって、
複数の吸収性物品を収容する内側袋部材と、
前記内側袋部材の外側から前記複数の吸収性物品を収容する外側袋部材と、
を備えることを特徴とする吸収性物品の包装材。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品の包装材において、
前記外側袋部材の少なくとも一部は、透明又は半透明であることを特徴とする吸収性物品の包装材。
【請求項3】
吸収性物品の包装材であって、
複数の吸収性物品を収容する袋状の袋部材と、
前記袋部材に着脱自在に貼着されており、前記袋部材が開封されたときに前記袋部材の開封部分に着脱自在に貼着可能とされた止めシールと、
を備えることを特徴とする吸収性物品の包装材。
【請求項4】
請求項3に記載の吸収性物品の包装材であって、
前記袋部材の一部が破断可能に弱化されてなる弱化部をさらに備えることを特徴とする吸収性物品の包装材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−20711(P2011−20711A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167962(P2009−167962)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】