説明

吸収性物品

【課題】表面シートに設けた襞による排泄物の堰き止め能、特に軟便に対する堰き止め能を更に向上させることができる吸収性物品を提供する。
【解決手段】表面シート32、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを含む吸収性本体を備えた吸収性物品であって、吸収性本体の肌当接面の全面又は一部に複合伸縮部4が設けられており、複合伸縮部4は、対面する複合伸縮部形成シート32A,32Bが複合伸縮部4の伸縮方向及びそれに直交する方向において間欠的な接合部41により互いに接合され、複合伸縮部形成弾性部材32Cが接合部41を通らないように配されると共に複合伸縮部形成弾性部材32Cの両端部を除いた部分において複合伸縮部形成シート32A,32Bに固定されておらず、対面する複合伸縮部形成シート32A,32Bそれぞれが各々複数本の複合伸縮部形成弾性部材32Cに亘って連続して延びる複数本の襞43を形成することにより構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品において、表面シートに襞を設け、この襞により、排泄物を堰き止め、吸収性コア(吸収体)に速やかに吸収させるようにしたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−231815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したような、表面シートに襞を設け、この襞により排泄物を堰き止めるようにした吸収性物品においては、襞による排泄物の堰き止め能、特に軟便に対する堰き止め能を更に向上させることが望まれている。
【0005】
従って、本発明の目的は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを含む吸収性本体を備えた吸収性物品において、表面シートに設けた襞による排泄物の堰き止め能、特に軟便に対する堰き止め能を更に向上させることができる吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを含む吸収性本体を備えた吸収性物品であって、吸収性本体の肌当接面の全面又は一部に複合伸縮部が設けられており、複合伸縮部は、対面する複合伸縮部形成シートが複合伸縮部の伸縮方向及びそれに直交する方向において間欠的な接合部により互いに接合され、複合伸縮部形成弾性部材が該接合部を通らないように配されると共に複合伸縮部形成弾性部材の両端部を除いた部分において複合伸縮部形成シートに固定されておらず、対面する複合伸縮部形成シートそれぞれが各々複数本の複合伸縮部形成弾性部材に亘って連続して延びる複数本の襞を形成することにより構成されている吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品によれば、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを含む吸収性本体を備えた吸収性物品において、表面シートに設けた襞による排泄物の堰き止め能、特に軟便に対する堰き止め能を更に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の吸収性物品について、その好ましい一実施形態である第1実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態の説明において「使い捨ておむつ」又は「おむつ」という場合、それらは本発明の「吸収性物品」と実質的に同義である。
第1実施形態は、本発明の吸収性物品をパンツ型使い捨ておむつ1に適用したもので、図1〜図4に示すように、表面シート32、裏面シート33及び両シート32,33間に介在配置された吸収性コア34を含む吸収性本体3を備えている。本実施形態のパンツ型使い捨ておむつは、吸収性本体3の非肌当接面側に接合された外包材2を更に備え、外包材2が長手方向に腹側部A、股下部C及び背側部Bに区分されており、外包材2における腹側部A及び背側部Bの両側縁部同士が接合されて、一対のサイドシール部11、ウエスト開口部12及び一対のレッグ開口部13が形成されているパンツ型使い捨ておむつである。
【0009】
また、外包材2は、外層シート21、内層シート22及び両シート21,22間に配設された複数本の外包材形成弾性部材23,24,25,26から形成されており、外包材2の腹側部A及び背側部Bにおける胴回り部D及びウエスト部Fには、それぞれ、複合伸縮部4(図11参照)から形成された胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2が設けられている。
【0010】
詳述すると、本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1〜図4に示すように、液透過性の表面シート32、液不透過性又は撥水性の裏面シート33及び両シート32,33間に介在配置された液保持性の吸収性コア34を有する実質的に縦長の吸収性本体3と、吸収性本体3の裏面シート33側(非肌当接面側)に接合された外包材2とを備えている。吸収性本体3は、外包材2の腹側部Aから背側部Bに跨って配設されているが、吸収性本体3の長手方向端部は、外包材2の長手方向端部よりも長手方向内方に後退している。吸収性本体3は、接着剤、ヒートシール、超音波シール等による本体接合部15によって外包材2の内層シート22に接合されている。
【0011】
外包材2は、その両側縁が、長手方向中央部において内方に括れた砂時計形の形状を有しており、おむつの輪郭を画成している。外包材2は、その長手方向に、着用者の腹側に配される腹側部A、背側に配される背側部B及びその間に位置する股下部Cに区分される。腹側部A及び背側部Bは、それぞれ外包材2の長手方向前後部に相当し、股下部Cは外包材2の長手方向中央部に相当する。外包材2は、その腹側部Aの両側縁部と背側部Bの両側縁部とが互いに接合され、使い捨ておむつ1にはウエスト開口部12及び一対のレッグ開口部13が形成されている。この接合によって、使い捨ておむつ1の左右両側縁部には一対のサイドシール部11,11が形成され、パンツ型を形成している。この接合には、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等が用いられる。
【0012】
表面シート32、裏面シート33及び吸収性コア34は、それぞれ矩形状であり、一体化されて、縦長の吸収性本体3を形成している。裏面シート33及び吸収性コア34としては、それぞれ、従来からこの種のおむつに用いられているものと同様のものを用いることができる。例えば、吸収性コア34としては、吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成され、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されているものを用いることができる。
【0013】
吸収性本体3の肌当接面の一部には、具体的には表面シート32の一部には、図5に示すように、複合伸縮部4(詳細は後述)が設けられている。
複合伸縮部4は、下記(1)〜(3)の構成を具備している。
(1)対面する複合伸縮部形成シート32A,32Bは、複合伸縮部4の伸縮方向及びそれに直交する方向において間欠的な接合部41により、互いに接合されている。
(2)複合伸縮部形成弾性部材32Cは、接合部41を通らないように配されると共に、複合伸縮部形成弾性部材32Cの両端部を除いた部分において複合伸縮部形成シート32A,32Bに固定されていない。
(3)対面する複合伸縮部形成シート32A,32Bそれぞれは、各々複数本の複合伸縮部形成弾性部材32Cに亘って連続して延びる複数本の襞43を形成している。
【0014】
本実施形態においては、図5(b)に示すように、表面シート32は上層表面シート32A及び下層表面シート32Bの積層体からなり、上層表面シート32A及び下層表面シート32Bから、対面する前記複合伸縮部形成シートが構成されている。上層表面シート32A及び下層表面シート32Bは、親水性の不織布から形成されていることが好ましく、該不織布としては、例えば、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド−メルトブローン不織布等が挙げられる。
また、両シート32A,32B間には、複数本の表面シート弾性部材32Cが配設されており、表面シート弾性部材32Cから前記複合伸縮部形成弾性部材が構成されている。
【0015】
また、複合伸縮部4は、図5(a)に示すように、吸収性本体3の長手方向に沿う側部近傍に、複数本の襞43が長手方向に延びるように設けられている。本実施形態においては、複合伸縮部4は、吸収性本体3の両側部近傍に、幅方向に離間して一対設けられているが、幅方向中央部には設けられていない。複合伸縮部4の長さ(襞43が延びる方向の長さ)は、吸収性本体3の長さの50〜75%であることが好ましい。複合伸縮部4の幅(襞43が延びる方向と直交する方向の幅)は、好ましくは25〜75mmである。幅方向に一対の複合伸縮部4の間隔は、好ましくは50〜100mmである。
【0016】
従って、吸収性本体3の肌当接面には、具体的には表面シート32には、上層表面シート32A及び下層表面シート32Bからなる対面する複合伸縮部形成シート、並びに両シート32A,32B間に配設された複数本の表面シート弾性部材32Cからなる複合伸縮部形成弾性部材から、吸収性本体3の肌当接面における両側部近傍に、吸収性本体3の幅方向に伸縮する複合伸縮部4が形成されている。
【0017】
複合伸縮部4において複数本の襞43の高さh1は、図5(b)に示すように、吸収性本体3の中央部から側部に向けて徐々に高くなっている。襞43の高さh1は、好ましくは0.5〜15mm、更に好ましくは1〜10mmである。複数本の襞43のうち、最も低い襞43の高さh1は、好ましくは0.5〜5mm、更に好ましくは1〜5mmであり、最も高い襞43の高さh1は、好ましくは1〜15mm、更に好ましくは3〜15mmである。最も高い襞43の高さと最も低い襞43の高さとの高低差は、好ましくは0.5〜10mm、更に好ましくは2〜10mmである。
【0018】
複合伸縮部4における接合部41には、図5(c)に示すように、接合部41を厚み方向に貫通する接合部貫通孔41Aが設けられていることが好ましい。接合部貫通孔41Aの面積は、好ましくは0.05〜100mm2、更に好ましくは0.2〜15mm2である。接合部貫通孔41Aは、複合伸縮部4における接合部41のうちの80%(個/個)以上に設けられていることが好ましく、100%(個/個)に設けられていることが更に好ましい。
【0019】
接合部貫通孔41Aを形成する手段は、特に制限されないが、例えば、後述する複合伸縮部形成ロールの複合伸縮部形成部に設けられた、接合部41を形成するエンボスピンに、接合部貫通孔41Aを形成し得る穿孔ピンを設けたものを用い、接合部41の形成と同時に、接合部貫通孔41Aを形成する手段が挙げられる。
吸収性本体3における複合伸縮部4の構成の詳細については、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4について説明した後に、説明する。
【0020】
本実施形態における吸収性コア34は、図6に示すように、砂時計型の中央吸収体34Aと、中央吸収体34Aの両側方に対称的に設けられた一対のサイド吸収体34B,34Bとを具備している。中央吸収体34Aと一対のサイド吸収体34B,34Bとは、それぞれ少なくとも長手方向中央部において分離している。サイド吸収体34Bの長手方向一方部及び長手方向他方部は、それぞれ、中央吸収体34Aの長手方向一方部及び長手方向他方部において連設している。従って、中央吸収体34Aと一対のサイド吸収体34B,34Bとの間には、それぞれ、刳り貫かれた形状の切離部34C,34Cが形成されている。
【0021】
前記長手方向一方部、前記長手方向中央部及び前記長手方向他方部は、吸収性コア34を長手方向に略3等分するように3領域に区分したときの各領域である。
吸収性コア34が切離部34Cを有していると、吸収性コア34の両側縁部が起立し易い。また、吸収性コア34が幅方向に押圧されると、吸収性コア34全体の幅が狭くなるため、外包材2の幅方向の収縮が阻害され難い。
【0022】
尚、吸収性コア34の平面視形状は、図6に示す形状に制限されず、例えば、サイド吸収体34Bが長手方向一方部又は長手方向他方部の一方のみにおいて中央吸収体34Aに連接している形状、サイド吸収体34Bが中央吸収体34Aに連接していない(分離している)形状、切離部34Cを有していない形状でもよい(何れも図示せず)。
【0023】
吸収性本体3の両側部には、図2〜図4に示すように、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス35、35が設けられている。各側方カフス35の自由端部近傍には、側方カフス弾性部材36が伸長状態で配されている。これにより、使い捨ておむつ1を着用させる際に、側方カフス弾性部材36が収縮することによって側方カフス35が起立して、吸収性本体3の幅方向への液の流出が阻止される。側方カフス35の形成用の側方カフス形成シート37は、図3及び図4に示すように、おむつの状態において、吸収性本体3の幅方向外側の所定幅の部分37Aが、裏面シート33の肌当接面側に巻き下げられ、吸収性コア34と裏面シート33との間に固定されている。
【0024】
吸収性本体3の側部近傍に設けられた複合伸縮部4の内端部は、図7に示すように、平面視で、側方カフス35の内端部よりも幅方向内方に位置していることが好ましい。このような位置関係を有していると、装着状態において、着用者の肌に押されて側方カフス35が転倒することにより、複合伸縮部4における一部の襞43が潰されたとしても、側方カフス35の内端部よりも幅方向内方に、起立した襞43があるので、襞43による堰き止め能が発揮され、便(特に軟便)、尿等の排泄物の漏れが抑えられる。また、側方カフス35は、襞43により倒れにくくなるので、防漏性に優れている。
【0025】
外包材2は、図2、図3及び図8に示すように、外層シート21、内層シート22及び両シート21,22間に配設された複数本の外包材形成弾性部材23,24,25,26から形成されている。尚、図8は、外包材2を、仮想的に内層シート22を除去した状態で外層シート21の内面側から視た展開平面図である。外層シート21はおむつの外面をなし、内層シート22は外層シート21の内面側に配されている。
【0026】
本実施形態の使い捨ておむつ1においては、図2、図3及び図8に示すように、外層シート21は、外層シート21と内層シート22とによってウエスト弾性部材24,24を挟持固定する部位よりも更に延出する長さを有し、外層シート21における内層シート22よりも延出した延出領域21B,21Bが吸収性本体3側に折り返されている。尚、外層シート21における延出領域21B以外の領域を非延出領域21Aという。内層シート22は、外層シート21の非延出領域21Aと同形である。
【0027】
吸収性本体3の長手方向両端部における肌当接面側は、折り返された外層シート21の延出領域21Bによって覆われている。外層シート21の延出領域21Bは、吸収性本体3の長手方向両端部と重なる部分が、吸収性本体3の略全幅に亘って接着剤(図示せず)を介して接着されており、これにより、吸収性本体3の長手方向両端部が外包材2に固定されている。
吸収性本体3の長手方向両端部における肌当接面側が、折り返された外層シート21の延出領域21Bによって覆われていることで、吸収性本体3の長手方向両端部が着用者に直接接触することを防止し、吸収性本体3の長手方向両端部からの吸収性コア34の吸収性ポリマーの漏れを防止することができる。
【0028】
外層シート21の内面(内層シート22との対向面)には、図9に示す塗工形状で、ホットメルト型接着剤等の接着剤Qが塗工されている。接着剤Qは、図9に示すように、サイドシール部11に対応する領域のほぼ全域、胴回り弾性部材23の非機能化領域51(後述)に対応する領域、レッグ弾性部材切断領域52(後述)に対応する領域に塗工されている。
一方、接着剤Qは、複合伸縮部4(詳細は後述)に対応する領域のほぼ全域及び股下部Cに対応する領域のほぼ全域には、塗工されていない。
【0029】
内層シート22における外層シート21との対向面には、図10に示す塗工形状で、ホットメルト型接着剤等の接着剤Qが塗工されている。接着剤Qは、図10に示すように、複合伸縮部4に対応する領域以外の領域のほぼ全域に塗工されている。
一方、接着剤Qは、外層シート21の内面と同様に、複合伸縮部4に対応する領域のほぼ全域には、塗工されていない。
【0030】
このように、内層シート22における外層シート21との対向面の接着剤Qの塗工形状は、外層シート21の内面における接着剤Qの塗工形状を包含している。そのため、外層シート21と内層シート22とを貼り合わせると、外層シート21の内面にも、内層シート22における外層シート21との対向面に塗工された接着剤Qが配され、結果的に、外層シート21の内面にも、内層シート22における外層シート21との対向面の塗工形状で、接着剤Qが塗工されることになる。
【0031】
本実施形態の使い捨ておむつ1においては、図3及び図4に示すように、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外層シート21と内層シート22との間は、サイドシール部11において、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等により互いに接合されている。
【0032】
また、外包材2の腹側部A及び背側部Bにおけるウエスト部Fには、それぞれウエストギャザーG2が設けられている。ウエスト部Fとは、ウエスト開口部12の周縁端から下方に30mm離間した位置までの領域をいい、例えば、腹側のウエスト開口部12の周縁端の位置と、背側のウエスト開口部12の周縁端の位置とがずれている場合(図示せず)においては、ずれて延出している領域がないものと仮定した上で、ウエスト部Fの範囲を定める。
【0033】
ウエスト部Fについて詳述すると、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおけるウエスト部Fには、ウエスト開口部12の周縁部に沿って、複数本のウエスト弾性部材24が配されている。そして、外層シート21、内層シート22及びウエスト弾性部材24を主体として複合伸縮部4(詳細は後述)が形成されており、この複合伸縮部4により、一対のサイドシール部11の間に亘って(ウエスト部Fの全周に亘って)ウエストギャザーG2が形成されている。
【0034】
外包材2には一対のレッグ開口部13に沿ってレッグギャザーG3が設けられている。詳述すると、股下部Cにおいて湾曲したレッグ開口部13には、各周縁部に沿って、複数本のレッグ弾性部材25が配されている。レッグ弾性部材25は、前記接着剤Qを介して外層シート21と内層シート22との間に伸長状態で固定されている。これにより、レッグ開口部13に沿ってレッグギャザーG3が形成されている。
【0035】
尚、本実施形態においては、後述の製造方法との関係で、レッグ弾性部材25は、レッグ開口部13の周縁部の腹側部A寄りの半分に亘って配設された部材と、背側部B寄りの半分に亘って配設された部材とを組み合わせることで、レッグ開口部13の周縁部の全域に亘るように配設してあるが、製造方法によっては、レッグ弾性部材25は、1本でレッグ開口部13の周縁部の全域に亘って配設することができる。
【0036】
外包材2の腹側部A及び背側部Bにおける胴回り部Dには、複合伸縮部4(詳細は後述)から形成された胴回りギャザーG1が設けられている。胴回り部Dとは、ウエスト部Fの下方からレッグ開口部13の上端までの領域をいう。胴回り部Dについて詳述すると、胴回り部Dには、幅方向に沿って複数本の胴回り弾性部材23が配されている。胴回り弾性部材23は、吸収性本体3の側縁部近傍とサイドシール部11との間に亘っており、吸収性本体3の側縁部近傍同士の間には配されていない。
【0037】
そして、外層シート21、内層シート22及び胴回り弾性部材23を主体として複合伸縮部4が形成されており、この複合伸縮部4により、吸収性本体3の側縁部近傍とサイドシール部11との間に亘って幅方向に配された胴回りギャザーG1が、幅方向に一対形成されている。胴回りギャザーG1は、吸収性本体3の側縁部近傍同士の間には配されていない。
尚、「吸収性本体3の側縁部近傍」とは、吸収性本体3の側縁から幅方向内方に60mm以内、幅方向外方に50mm以内の領域をいう。
【0038】
次に、前股部Eについて説明する。前股部Eとは、股下部Cを長手方向に4分したときにおける最も前側の領域をいう。前股部Eには、複数本の前股弾性部材26が幅方向全域に亘って配されている。前股弾性部材26は、前記接着剤Qを介して外層シート21と内層シート22との間に伸長状態で固定されている。これにより、前股部Eに前股ギャザーG4が形成されている。
【0039】
外包材2における吸収性本体3との対向領域には、弾性部材の収縮力を発現させなくしてなる非機能化領域51が形成されている。本実施形態における非機能化領域51は、胴回り弾性部材23及び前股弾性部材26の収縮力を発現させなくして形成されている。非機能化領域51は、後述の製造方法の説明において詳述するように、素材状態では外包材2の幅方向全域に亘って配設されている胴回り弾性部材23の連続体23S及び前股弾性部材26の連続体26Sについて、部分的に収縮力を発現させなくして形成される領域である。収縮力を発現させなくするには、例えば、弾性部材を分断する多数の凸部やカッター刃、弾性部材を熱シールによって硬化させる多数のエンボスピン等が用いられる。
【0040】
非機能化領域51が形成されることにより、外包材2の幅方向全域に亘って配設されている胴回り弾性部材連続体23S及び前股弾性部材連続体26Sから、幅方向に分離した一対の胴回りギャザーG1及び前股ギャザーG4が形成される。
幅方向に一対の胴回りギャザーG1の間に位置する非機能化領域51は、外層シート21及び内層シート22に接合されている胴回り弾性部材連続体23Sについて、収縮力を発現させなくして形成されるものであり、これに対し、幅方向に一対の前股ギャザーG4の間に位置する非機能化領域51は、外層シート21及び内層シート22に接合されている前股弾性部材連続体26Sについて、収縮力を発現させなくして形成されるものである。
【0041】
股下部Cの幅方向中央部となる位置には、レッグ弾性部材切断領域52が形成されている。レッグ弾性部材切断領域52は、後述の製造方法の説明において詳述するように、素材状態では外包材2の幅方向全域に湾曲状に亘って配設されているレッグ弾性部材25の連続体25Sについて、股下部Cの幅方向中央部となる位置で切断した領域である。レッグ弾性部材切断領域52を形成するには、例えば、弾性部材を分断する多数の凸部やカッター刃が用いられる。
レッグ弾性部材切断領域52が形成されることにより、外包材2の幅方向全域に湾曲状に亘って配設されているレッグ弾性部材連続体25Sから、股下部Cの幅方向中央において幅方向に分離した一対のレッグ弾性部材25,25が形成される。
【0042】
本実施形態においては、外包材2の股下部Cには複合伸縮部4が設けられていない。
レッグ弾性部材25及び前股弾性部材26としては、それぞれ、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
【0043】
次に、本実施形態において胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4について詳述する。複合伸縮部4は、図11及び図12に示すように、下記(1)〜(3)の構成を具備している。
(1)外層シート21及び内層シート22は、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)及びそれに直交する方向(Y方向)において間欠的な接合部41により、互いに接合されている。
(2)複合伸縮部形成弾性部材42は、接合部41を通らないように配されると共に、複合伸縮部形成弾性部材42の両端部を除いた部分において外層シート21及び内層シート22に固定されていない。
(3)外層シート21及び内層シート22それぞれは、各々複数本の複合伸縮部形成弾性部材42に亘って連続して延びる複数本の襞43を形成している。
【0044】
本実施形態においては、複合伸縮部4から形成された胴回りギャザーG1は、外層シート21、内層シート22及び胴回り弾性部材23を主体として構成されており、複合伸縮部4から形成されたウエストギャザーG2は、外層シート21、内層シート22及びウエスト弾性部材24を主体として構成されている。このように、ギャザーによってそれを構成する弾性部材が異なるが、以下の複合伸縮部4の説明においては、複合伸縮部4を構成する弾性部材を「複合伸縮部形成弾性部材42」として説明する。
【0045】
複合伸縮部4においては、全ての複合伸縮部形成弾性部材42が全ての接合部41を通らないように構成されていることが好ましいが、例えば、製造誤差上、若干の複合伸縮部形成弾性部材42が一部の接合部41を通ってしまうことがある。また、若干の複合伸縮部形成弾性部材42が一部(例えば、30%以下(個/個))の接合部41を通ったとしても、本発明の効果は十分に達成される。
【0046】
複合伸縮部4を構成する外層シート21及び内層シート22は、図11及び図12に示すように、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)及びそれに直交する方向(Y方向)のそれぞれにおいて、接合部41により間欠的に互いに接合されている。接合部41は、好ましくは熱融着により形成される。
複数本の複合伸縮部形成弾性部材42は、互いに平行に配されており、それぞれ複合伸縮部4の長手方向に沿って延びるように配されている。本実施形態のように複数本の複合伸縮部形成弾性部材42が互いに平行に配されている場合においては、複合伸縮部4の伸縮方向は、複合伸縮部形成弾性部材42が延びる方向と同じ方向である。複数本の複合伸縮部形成弾性部材42が互いに平行に配されていない場合においては、複合伸縮部4の伸縮方向は、複数本の複合伸縮部形成弾性部材42に亘って延びる襞43(後述)における、襞43が延びる方向に直交する方向とする。
【0047】
図12は、接合部41の配列パターンを示す図である。接合部41は、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)及びそれに直交する方向(Y方向)にそれぞれ列をなすように形成されており、該直交する方向の列を構成する接合部41が各複合伸縮部形成弾性部材42同士の間毎に形成されている。そして、自然状態(外力を加えない状態)において、複合伸縮部形成弾性部材42が収縮して、外層シート21及び内層シート22のそれぞれが、各々複数本の複合伸縮部形成弾性部材42に亘って連続して延びる複数本の襞(ギャザー)43を形成している。本実施形態においては、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)において相隣接する接合部41,41間に、それぞれ一本の襞43が形成されている。
【0048】
複数本の複合伸縮部形成弾性部材42に亘って連続して延びる襞43を確実に形成させる観点から、複合伸縮部4の伸長時において、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)における接合部41のピッチP2(図12参照)は、1〜20mm、特に3〜10mmであることが好ましく、各接合部41の長さL2(図12参照)は、0.1〜5mm、特に0.2〜1.5mmであることが好ましい。前記ピッチP2と前記長さL2との比(P2/L2)は、1.1〜200、特に2〜50であることが好ましい。
【0049】
複合伸縮部4において、その伸縮方向に直交する方向(Y方向)における接合部41のピッチP3(図12参照)は、1〜40mm、特に2〜15mmであることが好ましく、各接合部41の長さL3(図12参照)は、0.5〜20mm、特に1〜10mmであることが好ましい。また、前記ピッチP3と前記長さL3との比(P3/L3)は、1.05〜80、特に1.05〜15であることが好ましい。
Y方向における各接合部41の間隔L4(ピッチP3から長さL3を引いた差)は、0.1〜5mmであることが好ましい。
【0050】
複合伸縮部4において、外層シート21及び内層シート22は、接合部41以外の部位においては互いに接合されていないことが好ましい。各複合伸縮部形成弾性部材42は、外層シート21及び内層シート22同士の接合部41を通らないように複合伸縮部4に配されており、複合伸縮部形成弾性部材42の両端部を除いた部分において外層シート21及び内層シート22に固定されていない。即ち、各複合伸縮部形成弾性部材42は、その両端部においてのみ、外層シート21及び内層シート22に固定されている。
【0051】
複合伸縮部形成弾性部材42の両端部は、複合伸縮部4の両端部44(一方のみ図示)において、外層シート21及び内層シート22に挟まれた状態で外層シート21と内層シート22との間に固定されている。複合伸縮部4の両端部44は、それによって形成されるギャザーによって異なる。図1に示す実施形態においては、胴回りギャザーG1を形成する複合伸縮部4の両端部44は、吸収性本体3の側縁部近傍及びサイドシール部11であり、ウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4の両端部44は、両サイドシール部11,11である。
尚、複合伸縮部4の両端部44は伸縮可能に形成してもよい。
【0052】
外層シート21及び内層シート22における各襞43は、複合伸縮部4の両面それぞれに突出するように形成されており、各襞43の突出方向の先端部には、断面円弧状の凸曲面が形成されている。この凸曲面は、複合伸縮部4の伸縮方向に直交する方向(Y方向)に連続的に延びている。本実施形態においては、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)において相隣接する接合部41,41間に、それぞれ1本の襞43が形成されており、それらの襞43は、複合伸縮部形成弾性部材42と重なる箇所において分断されることなく、複合伸縮部4の伸縮方向に直交する方向(Y方向)に連続的に延びている。
【0053】
本実施形態における複合伸縮部4は、複合伸縮部形成弾性部材42の収縮により形成された多数の襞43,43のそれぞれが、複合伸縮部4の伸縮方向に直交する方向(Y方向)に連続的に延びているため、見た目が非常に美しい。外包材2においては、襞43は、図13に示すように、外包材2の長手方向に沿って連続的に延びている。
【0054】
また、本実施形態における複合伸縮部4は、剛性の増加を防止できると共に、外力に対する襞43の変形自由度が向上している。この剛性の増加の防止及び襞43の変形自由度の向上は、複合伸縮部形成弾性部材42が、外層シート21における襞43と襞43との間の谷部と、内層シート22における襞43と襞43との間の谷部との間に挟まれた状態で存在し、それらの谷部同士間に挟まれた部分を含めて、外層シート21及び内層シート22の何れにも接合されていない状態で存在すること、並びに複合伸縮部4における外層シート21及び内層シート22が複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)及びそれに直交する方向(Y方向)の何れの方向においても連続的に接合されていないことに基づいている。
更に、襞43の先端が凸曲面を形成していることとの相乗効果により、外層シート21及び内層シート22の厚み方向にボリュームが出ると共に、複合伸縮部4の表面に触れたときの感触が極めて柔らかく、肌触りが極めて良好である。
【0055】
複合伸縮部4においては、接合部41が間欠的に接合されているので、液の浸透性が高い。また、接合部41の面積を小さくできるので、柔らかさを維持できる。
襞43の高さh1は、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)における接合部41のピッチP2を変えることで調整することができる。襞43の高さh1を高くする場合には、複合伸縮部4を伸長させた状態における接合部41のピッチP2を大きくし、襞43の高さh1を低くする場合には、複合伸縮部4を伸長させた状態における接合部41のピッチP2を小さくすればよい。
また、本実施形態における複合伸縮部4は、襞43が形成されている外層シート21及び内層シート22と、複合伸縮部形弾性部材42とが接合されていないので、複合伸縮部形弾性部材42に対して接合部41が移動可能である。これにより、襞43の高さh1が異なっていても、襞43の間隔を同じにすることができる。
【0056】
また、複合伸縮部4における複合伸縮部形成弾性部材42が、外層シート21及び内層シート22に接合されていない状態で存在するため、ホットメルト型接着剤の使用量をゼロ又は少量に抑制することができる。特に本実施形態のように、外層シート21及び内層シート22同士の接合部41による接合を熱融着によって行なった場合には、接着剤の使用量の低減効果は一層顕著である。ホットメルト型接着剤の使用量が少ないので、通気性や透湿性を損なうこともない。
【0057】
本実施形態における複合伸縮部4の形成材料について説明する。
外層シート21及び内層シート22としては、見た目が美しく、感触の良い柔軟な襞43を形成させる観点から、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド−メルトブローン不織布等であることが好ましい。
【0058】
複合伸縮部4においては、外層シート21及び内層シート22が複合伸縮部形成弾性部材42の収縮に対して変形することにより襞43を形成する。つまり、外層シート21及び内層シート22の剛性が複合伸縮部4の襞43の成形性及びクッション性を決める要素の一つとなる。各シートの剛性はその座屈強度によって表すことができる。複合伸縮部4に用いられるシートの座屈強度は、100cN以下、特に70cN以下とすることが好ましい。ここで、座屈強度は、下記に示すように、テンシロン万能試験装置(株式会社オリエンテック製)の圧縮試験モードにより測定される。
【0059】
座屈強度試験法(CD):
機械流れ方向(MD方向)の長さが150mm、機械流れ方向と直交する方向(CD方向)の長さ30mmの長方形状の試験片を丸めて、直径45mmの円筒を作成し、重なり合った部分の上端と下端とをホッチキス等で止め、測定サンプルとする。これを、テンシロン万能試験装置の圧縮武験モードにより、20℃、65%RHの測定環境において、圧縮速度:10mm/min、測定距離:20mmの測定条件で測定を行う。測定サンプルを20mm圧縮したときの最大強度を各測定サンプル毎に測定し、その平均値を求め、これを座屈強度とする。
【0060】
前述したように、外層シート21及び内層シート22としては不繊布が好ましく用いられる。不織布の坪量は、好ましくは5〜50g/m2、特に好ましくは18〜30g/m2である。このような坪量を有する不織布の座屈強度は、CD方向において、好ましくは50cN以下、特に好ましくは30cN以下であり、また、MD方向において、好ましくは70cN以下、特に好ましくは50cN以下である。
【0061】
また、外層シート21及び内層シート22は、熱融着による接合(接合部41の形成)を容易にする観点から、その形成素材(不織布の場合は繊維)が熱融着性の樹脂からなることが好ましい。熱融着性の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。繊維は、鞘が熱融着性の樹脂からなる芯鞘型の複合繊維等であってもよい。
外層シート21と内層シート22とは、形成材料が同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0062】
外層シート21と内層シート22とは、図1に示す実施形態においては、形状が異なっているが、本発明においては、形状が同じであってもよい。その場合、図1に示す実施形態における外層シート21の延出領域21Bに代わるものとして、外層シート21及び内層シート22とは別体の押さえ付けシートを用い、該押さえ付けシートによって、吸収性本体3の長手方向両端部における肌当接面側を覆うことが好ましい。この押さえ付けシートは、吸収性本体3の長手方向両端部と重なる部分が、吸収性本体3の略全幅に亘って接着剤を介して接着され、これにより、吸収性本体3の長手方向両端部が外包材2に固定されるようにすることが好ましい。
また、外層シート21及び内層シート22は、別体の2枚のシートに限られるものではなく、一枚のシートを折り曲げて相対向する2面を形成し、一方の面を構成する部分を外層シート21、他方の面を構成する部分を内層シート22とすることもできる。
【0063】
複合伸縮部4における複合伸縮部形成弾性部材42の形成材料としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。複合伸縮部形成弾性部材42の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。
【0064】
複合伸縮部4の襞43の成形性を決めるもう一つの要素は、複合伸縮部形成弾性部材42の伸長倍率及び伸縮応力である。襞43の断面形状を凸形状にするためには、所要の複合伸縮部形成弾性部材42の伸長倍率及び伸縮応力が必要となる。複合伸縮部形成弾性部材42は、好ましくは20〜1000%、特に好ましくは50〜400%の伸長状態にて外層シート21及び内層シート22に接合される。そして、複合伸縮部形成弾性部材42が収縮し、収縮した部分の外層シート21及び内層シート22が余り、余った外層シート21及び内層シート22が、接合部41の貼り合わせ面とは反対側の方向に(外側に)断面凸形状に変形することによって襞43が形成される。
【0065】
以上のように、襞43の高さは、成形性及びクッション性に関連する重要な要素であり、接合部41の配列パターン及び間隔、外層シート21及び内層シート22の材料並びに弾性部材等の選択により、任意に設計することができる。この襞43の高さは,好ましくは片側1〜15mm程度である。襞43を高くするためには、相隣接する接合部41の間隔が詰まる程度に複合伸縮部形成弾性部材42を収縮させて、凸形状の襞43を形成させることで、ボリューム感のある柔らかい複合伸縮部4を形成することができる。片側の高さがhの襞43を形成するときには、接合部41の間隔は最低でも2×hとすることが必要であり、接合部41の間隔が2×hの場合には、複合伸縮部形成弾性部材42は、相隣接する接合部41が隣接する程度に収縮することが必要である。
【0066】
好ましい複合伸縮部形成弾性部材42の一つに、天然ゴム(又は合成ゴム)がある。天然ゴム(合成ゴム)としては、厚みが0.05〜1.5mm、幅が0.2〜5mmの低モジュラスの弾性部材が挙げられる。この弾性部材においては、単糸での100%伸長時の応力は、好ましくは1〜70gfであり、更に好ましくは1〜40gfであり、特に好ましくは1〜30gfである。上記低モジュラスの弾性部材の単糸を、好ましくは100%以上、特に好ましくは200%以上の高伸長倍率で複数本配することにより、柔らかく伸縮する美しい襞43を有する複合伸縮部4を得ることができる。
【0067】
他の好ましい弾性部材としては、ポリウレタンのスパンデックス弾性繊維が挙げられる。この弾性繊維としては、単糸のサイズが10〜3360デニールのもの、特に好ましくは70〜1120デニールのものが用いられる。デニールは糸の太さを表す単位であり、9000mで1gある糸を1デニールと呼ぶ。このスパンデックス弾性繊維を30〜500%に伸長させて用いることが好ましい。
【0068】
次に、吸収性本体3における複合伸縮部4について説明する。前述したように、吸収性本体3の肌当接面には、具体的には表面シート32には、上層表面シート32A及び下層表面シート32Bからなる対面する複合伸縮部形成シート、並びに両シート32A,32B間に配設された複数本の表面シート弾性部材32Cからなる複合伸縮部形成弾性部材から、吸収性本体3の肌当接面における両側部近傍に、吸収性本体3の幅方向に伸縮する複合伸縮部4が形成されている。
【0069】
吸収性本体3における複合伸縮部4も、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4と同様の構成を有しており、従って、吸収性本体3における複合伸縮部4については、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4に関する説明が適宜援用される。
吸収性本体3における複合伸縮部4と、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4との主な相違点について説明すると、複合伸縮部形成シートは、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4においては、外層シート21及び内層シート22であるのに対し、本実施形態における吸収性本体3の複合伸縮部4においては、上層表面シート32A及び下層表面シート32Bである。また、複合伸縮部形成弾性部材は、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4においては、それぞれ、胴回り弾性部材23及びウエスト弾性部材24であるのに対し、本実施形態における吸収性本体3の複合伸縮部4においては、表面シート弾性部材32Cである。
このように、吸収性本体3における複合伸縮部4と胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4とは、複合伸縮部形成シート及び複合伸縮部形成弾性部材が異なるが、これらによって形成される複合伸縮部4自体の構成は同様である。
【0070】
本実施形態においては、吸収性本体3における複合伸縮部4は、図5、図11及び図12に示すように、下記(1)〜(3)の構成を具備している。
(1)複合伸縮部形成シート(上層表面シート32A及び下層表面シート32B)は、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)及びそれに直交する方向(Y方向)において間欠的な接合部41により、互いに接合されている。
(2)複合伸縮部形成弾性部材42(表面シート弾性部材32C)は、接合部41を通らないように配されると共に、複合伸縮部形成弾性部材42の両端部を除いた部分において上層表面シート32A及び下層表面シート32Bに固定されていない。
(3)上層表面シート32A及び下層表面シート32Bそれぞれは、各々複数本の複合伸縮部形成弾性部材42に亘って連続して延びる複数本の襞43を形成している。
【0071】
以上の構成を有する本実施形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、吸収性本体3の肌当接面に複合伸縮部4が設けられているため、複合伸縮部形成シート(上層表面シート32A,下層表面シート32B)の素材本来の質感を活かすことができ、吸収性本体3の肌当接面の感触が柔らかい。また、ホットメルト型接着剤を実質的に用いなくても、複合伸縮部4の伸縮性を発現させることができるため、複合伸縮部4における通気性に優れ、複合伸縮部4と着用者の肌との間において蒸れにくいと共に、複合伸縮部4の襞43が着用者との接触面となるため、複合伸縮部4のクッション性に優れている。
【0072】
また、複合伸縮部4は、吸収性本体3の長手方向に沿う両側部近傍に、複数本の襞43が長手方向に延びるように設けられているため、吸収性本体3の肌当接面を幅方向に流れる排泄物に対する襞43による堰き止め能、特に軟便に対する堰き止め能を更に向上させることができる。
更に、複数本の襞43の高さが、吸収性本体3の中央部から側部に向けて徐々に高くなっているため、吸収性本体3の側部に近い襞43が着用者の肌に密着しやすい。
【0073】
複合伸縮部4において接合部41に接合部貫通孔41Aが設けられているため、襞43によって堰き止められた排泄物が、接合部貫通孔41Aを通じて吸収性コア34に速やかに吸収されるため、吸収能が向上する。
また、接合部41は、複合伸縮部4の形成に必須の構成であるが、その一方で通気性を低下させる。しかしながら、接合部41に接合部貫通孔41Aを設けることで、通気性の低下を抑制することができる。
【0074】
また、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2が複合伸縮部4から形成されており、ホットメルト型接着剤を実質的に用いなくても、ギャザーの伸縮性を発現させることができるため、腹側部A及び背側部Bにおける通気性に優れている。また、外包材2の外層シート21及び内層シート22の素材本来の質感を活かすことができ、柔らかでゴワゴワしない。
【0075】
複合伸縮部4においては、複合伸縮部形成弾性部材42の収縮力が全く(又はほとんど)阻害されないため、収縮力が最大限活用される。例えば、横軸に胴回り部Dの周長、縦軸に胴回り部Dの伸長応力をとって伸縮特性をグラフ化すると、その特性曲線の傾きは緩く、即ち、伸長性が高いことがわかる。また、伸長時の特性曲線と収縮時の特性曲線との応力差が小さく、即ち、周長の変動に対する応力変動が小さく、お腹周りが小さい幼児も大きい幼児も同等な装着圧が得られ、着用者のサイズ適用範囲が大きくなることがわかる。
【0076】
従って、収縮力が高いため、着用者に優しくフィットし、ずれ落ちにくい。また、おむつ全体として最大限収縮するため、コンパクトに見えるという利点がある。また、複合伸縮部形成弾性部材42の使用量を削減できるので、コスト面でも有利である。
複合伸縮部4の外面に襞43が形成されており、襞43が着用者との接触面となるため、着用時に複合伸縮部4のクッション性が高く、優しくフィットし、着用者の肌へのダメージが少ない。また、襞43は外包材2の外面(着用時の外面)にも配されるため、外面の触感にも優れる。
【0077】
次に、図1に示すパンツ型使い捨ておむつを連続的に生産する一製造方法について、図面を参照しながら説明する。図14は、本製造方法の全容を示す斜視図である。図15は、本製造方法のうち、外包材に複合伸縮部、非機能化領域及びレッグ弾性部材切断領域を形成する工程を中心として示す概念図である。図16は、本製造方法のうち、外包材に複合伸縮部を形成する工程を中心として示す概念図である。
【0078】
本製造方法は、図14〜図16に示すように、外層シート21と内層シート22とを接合部41により接合して複合伸縮部4を形成する工程と、外包材形成弾性部材23,26の収縮力を発現させなくして非機能化領域51を形成する工程とを、同一のロール62を用いて行っている。
本製造方法は、図14に示すように、外層シート21の連続体21Sと内層シート22の連続体22Sとをその間に各外包材形成弾性部材23,24,25,26の各連続体23S,24S,25S,26Sを挟持接合して、外包材2の連続体2Sを形成し、次に、外包材連続体2Sにおける内層シート連続体22S側に吸収性本体3を本体接合部15(図4参照)によって接合して、おむつ連続体1Sを形成し、次いで、おむつ連続体1Sを分断して個々のおむつ1を形成するパンツ型使い捨ておむつの製造方法である。
【0079】
本製造方法について詳述する。外層シート21の原反として外層シート連続体21Sを使用し、内層シート22の原反として内層シート連続体22Sを使用する。
各外包材形成弾性部材23,24,25,26の各連続体23S,24S,25S,26Sは、伸長された状態で、外層シート連続体21Sと内層シート連続体22Sとの間に導入される。尚、図15においては、前股弾性部材26の連続体26Sの図示を省略している。外層シート連続体21Sと内層シート連続体22Sとが合流する前には、それぞれの対向面側に、接着剤塗工装置64(図15参照)等によって、図9及び図10に示す塗工位置にホットメルト型接着剤Qが塗工される。また、レッグ弾性部材25の連続体25Sは、揺動ガイド65(図15参照)によりレッグ開口部13の形状に沿うように揺動されながら、外層シート連続体21Sと内層シート連続体22Sとの間に導入される。
【0080】
両シート連続体21S,22Sは、各外包材形成弾性部材連続体23S,24S,25S,26Sを挟んだ状態で、一対のニップロール61,61間で狭圧される。その結果、両シート連続体21S,22S間に各外包材形成弾性部材連続体23S,24S,25S,26Sが挟持接合されてなる外包材連続体2Sが得られる。ここで、胴回り弾性部材23は、吸収性本体3の側縁部近傍とサイドシール部11との間となる領域においては、ホットメルト型接着剤Qによって接合されていない。同様に、ウエスト弾性部材24は、一対のサイドシール部11の間となる領域においては、ホットメルト型接着剤Qによって接合されていない。
この時点では、外包材連続体2Sには、複合伸縮部4、非機能化領域51及びレッグ弾性部材切断領域52は形成されていない。
【0081】
次に、複合伸縮部4等が形成されていない外包材連続体2Sは、複合伸縮部形成ロール62とアンビルロール63との間に導入される。複合伸縮部形成ロール62は、その周面に、複合伸縮部4を形成する複合伸縮部形成部62Aを備えると共に、非機能化領域51を形成する非機能化領域形成部62B及びレッグ弾性部材切断領域52を形成するレッグ弾性部材切断領域形成部62Cを備えている。
アンビルロール63は複合伸縮部形成ロール62の受けロールであり、その周面は平滑面となっている。
【0082】
複合伸縮部形成ロール62の複合伸縮部形成部62Aには、複合伸縮部4の接合部41に対応して多数のエンボスピン62D(図16参照)が設けられており、複合伸縮部形成部62Aによれば、複合伸縮部4が形成されていない外包材連続体2Sにおける複合伸縮部4に対応する領域に、接合部41を形成することができる。エンボスピン62Dは、ヒートエンボスピンでもよく、超音波エンボスピンでもよい。尚、図16は、複合伸縮部4を形成する工程に密接した要素のみを抜き出して示す概念図である。従って、例えば、複合伸縮部形成ロール62の周面には複合伸縮部形成部62Aのみを図示してあり、外包材連続体2Sについては複合伸縮部4のみを図示してある。
【0083】
そして、図17及び図18に示すように、複合伸縮部形成弾性部材42(本製造方法では胴回り弾性部材23、ウエスト弾性部材24が該当する)を収縮させて両シート連続体21S,22Sのそれぞれに複数本の襞43を形成させることにより、外包材連続体2Sの所定領域には、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2を形成する複合伸縮部4が得られる。外層シート21の延出領域21Bが存在する領域においては、図18に示すように、延出領域21Bも襞形状となる。
尚、図17は、延出領域21Bが存在しない領域における複合伸縮部4を示す断面図であり、図18は、延出領域21Bが存在する領域における複合伸縮部4を示す断面図である。
【0084】
複合伸縮部形成ロール62の非機能化領域形成部62Bは、弾性部材の収縮力を発現させなくする部位であり、外包材連続体2Sに非機能化領域51を形成することができる。非機能化領域形成部62Bは、弾性部材を分断する多数の凸部やカッター刃、弾性部材を熱シールによって硬化させる多数のエンボスピン等から構成されている。
【0085】
複合伸縮部形成ロール62のレッグ弾性部材切断領域形成部62Cは、股下部Cの幅方向中央部となる位置に存するレッグ弾性部材連続体25Sを切断する部位であり、レッグ弾性部材切断領域52を形成することができる。レッグ弾性部材切断領域形成部62Cは、例えば、多数の凸部やカッター刃から構成されている。レッグ弾性部材切断領域形成部62Cによれば、レッグ弾性部材連続体25Sを切断することにより、股下部Cの幅方向中央において幅方向に分離したレッグ弾性部材25,25を得ることができる。
【0086】
以上の構成を有する複合伸縮部形成ロール62と、アンビルロール63との間に、複合伸縮部4、非機能化領域51及びレッグ弾性部材切断領域52が形成されていない外包材連続体2Sを挿通させることにより、所定領域に複合伸縮部4、非機能化領域51及びレッグ弾性部材切断領域52が形成された外包材連続体2Sが得られる。
【0087】
次に、吸収性本体3における複合伸縮部4の形成工程について説明する。吸収性本体3における複合伸縮部4の形成工程は、前述した胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2における複合伸縮部4の形成工程と同様である。従って、吸収性本体3における複合伸縮部4の形成工程については、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2における複合伸縮部4の形成工程が適宜援用される。具体的には、対面する複合伸縮部形成シートを、外層シート21及び内層シート22から上層表面シート32A及び下層表面シート32Bに代えると共に、複合伸縮部形成弾性部材を、胴回り弾性部材23及びウエスト弾性部材24から表面シート弾性部材32Cに代えた形で、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2における複合伸縮部4の形成工程の説明が適宜援用される。
【0088】
ただし、吸収性本体3における複合伸縮部4においては、前述の通り、図5に示すように、複数本の襞43の高さh1が、吸収性本体3の中央部から側部に向けて徐々に高くなっている。このような複合伸縮部4における襞43の高さの高低関係を実現する方法について説明する。
本製造方法においては、上層表面シート32A、下層表面シート32B及び両シート32A,32B間に配設された表面シート弾性部材32Cの各連続体を接合部41によって接合した表面シート連続体32Sを形成する。その際に、表面シート連続体32Sを伸長させた状態において、接合部41のピッチを、得ようとする襞43の高さに応じて異ならせる。
【0089】
つまり、図19(b)に示すように、表面シート連続体32Sを伸長させずに、複合伸縮部4に襞43を形成した状態においては、接合部41のピッチP4は、襞43の高低に拘らず、ほぼ一定である。これに対し、表面シート連続体32Sを伸長させた状態においては、図19(a)に示すように、接合部41のピッチP5は、高さh1の高い襞43を構成する接合部41においては大きく、高さh1の低い襞43を構成する接合部41においては小さくしている。
【0090】
そのため、表面シート連続体32Sにおいて伸長力を除去し、表面シート弾性部材32Cをその収縮力により収縮させると、接合部41のピッチP4はほぼ一定となるが、襞43を形成する上層表面シート32A及び下層表面シート32Bの長さは異なるため、それに応じて襞43の高さh1が異なることになる。このように、表面シート連続体32Sを伸長させた状態において、接合部41のピッチを、得ようとする襞43の高さに応じて異ならせることにより、複数本の襞43の高さh1が吸収性本体3の中央部から側部に向けて徐々に高くなった複合伸縮部4を容易に形成することができる。
【0091】
また、複合伸縮部形成ロールの複合伸縮部形成部に設けられた、接合部41を形成するエンボスピンに、接合部貫通孔41Aを形成し得る穿孔ピンを設けたものを用いることにより、接合部41の形成と同時に、接合部貫通孔41Aを形成することができる。
上述の形成工程により、図5(a)に示すように、吸収性本体3の肌当接面の両側部近傍に、具体的には表面シート32の両側部に複合伸縮部4を備えた吸収性本体3が得られる。
【0092】
前記実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、複合伸縮部4、非機能化領域51及びレッグ弾性部材切断領域52が形成された外包材連続体2S、並びに複合伸縮部4が形成された吸収性本体3を用いて、それ以降の各工程を、従来のいわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの製造方法における各工程と同様に行うことにより、製造することができる。
【0093】
例えば、図14に示すように、外包材連続体2S上に、吸収性本体連続体3Sを切断して得た吸収性本体3を、それぞれ流れ方向に対して90度回転させた後、本体接合部15(図4参照)により間欠的に接合固定する。吸収性本体3の外包材連続体2Sへの固定は、外包材連続体2Sの伸長状態を維持したままで行う。換言すれば、外包材連続体2Sが複合伸縮部4等の収縮力により縮まないように維持しながら、吸収性本体3を外包材連続体2Sに固定する。
【0094】
次に、図14に示すように、外包材連続体2Sの両側部を、吸収性本体3の両端部を覆うように折り返して、吸収性本体3の両端部に外包材連続体2Sの両側部を固定した後、外包材連続体2Sを吸収性本体3と共に2つ折りする。外包材連続体2Sにおける延出領域21Bとなる領域の内面側、それに対向する内層シート連続体22S、吸収性本体3等の所定位置には、予め接着剤を塗工しておく。
【0095】
また、図14及び図15に示すように、ロータリーカッター、レーザーカッター等により、外包材連続体2Sからレッグ開口部形成用のトリム13Sを除去して、おむつ連続体1Sを得る。
その後、おむつ連続体1Sをその幅方向(使い捨ておむつ1の長手方向)に折り返して2つ折りする。次いで、サイドシール部11,11を、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等により形成した後、又はサイドシール部11,11を形成すると同時に、個々のおむつに分断することにより、前記実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1を得ることができる。
【0096】
吸収性本体3を90度回転して外包材連続体2S上に間欠固定する方法としては、例えば、特開平4−166150号公報に記載の方法を用いることができる。また、吸収性本体3を外包材連続体2Sに固定する本体接合部15(図4参照)は、吸収性本体3及び外包材連続体2Sの何れか一方又は両方に塗工しておくことができる。また、レッグ開口部形成用のトリム13Sの除去は、外包材連続体2Sに吸収性本体3を固定する前に行うこともできる。
【0097】
本製造方法によれば、外層シート21と内層シート22とを接合部41により接合して複合伸縮部4を形成する工程と、外包材形成弾性部材23,26の収縮力を発現させなくして非機能化領域51を形成する工程とを、同一のロール62を用いて行っているため、複合伸縮部4及び非機能化領域51を備えたパンツ型使い捨ておむつを効率的に生産することができる。
【0098】
次に、本発明の吸収性物品の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、上述した第1実施形態と異なる点を主として説明し、同様の点は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。他の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0099】
第1実施形態においては、吸収性本体3の側部近傍に設けられた複合伸縮部4の内端部は、図20に示すように、平面視で、側方カフス35の内端部よりも幅方向外方に位置していてもよい。
【0100】
第2実施形態のパンツ型使い捨ておむつは、第1実施形態に比して、吸収性本体3における複合伸縮部4の配置位置が異なる。具体的には、吸収性本体3における複合伸縮部4は、図21に示すように、吸収性本体3の幅方向に沿う端部近傍に、複数本の襞43が幅方向に延びるように設けられている。本実施形態においては、複合伸縮部4は、吸収性本体3の前後端部近傍に、長手方向に離間して一対設けられているが、長手方向中央部には設けられていない。複合伸縮部4の長さ(襞43が延びる方向の長さ)は、吸収性本体3の幅の50〜75%であることが好ましい。長手方向に一対の複合伸縮部4の間隔は、好ましくは50〜100mmである。
複数本の襞43の高さは、吸収性本体3の中央部から前後端部に向けて徐々に高くなっている。
第2実施形態によれば、吸収性本体3の肌当接面を長手方向に流れる排泄物に対する襞43による堰き止め能、特に軟便に対する堰き止め能を更に向上させることができる。
【0101】
第3実施形態のパンツ型使い捨ておむつは、図22に示すように、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた構成を有している。具体的には、吸収性本体3における複合伸縮部4は、吸収性本体3の長手方向に沿う両側部近傍に襞43が長手方向に延びるように設けられていると共に、吸収性本体3の幅方向に沿う前後端部近傍に襞43が幅方向に延びるように設けられている。つまり、複合伸縮部4は、襞43が吸収性本体3の周縁部に沿うように(吸収性本体3の中央部を包囲するように)設けられている。
【0102】
第3実施形態における吸収性本体3は、第1実施形態における吸収性本体3の形成工程に準じて形成することも可能ではあるが、襞43の延びる方向が異なる(直交している)複合伸縮部4を備えているため、その工程は容易ではない。従って、第3実施形態における吸収性本体3のように、襞43の延びる方向が異なる(特に直交している)複合伸縮部4を形成する場合には、例えば、一部の複合伸縮部4を表面シート32とは別体で形成し、この別体の複合伸縮部4を表面シート32に接合する方法が簡便である。このような別体の複合伸縮部4においては、複合伸縮部形成シートは、表面シート32とは別のシートから構成されることになる。
第3実施形態によれば、第1実施形態における堰き止め能及び第2実施形態における堰き止め能の両方が奏される。
【0103】
第4実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、図23(a)に示すように、第1実施形態と同様に、複合伸縮部4は、吸収性本体3の両側部近傍に、襞43が長手方向に延びるように幅方向に離間して一対設けられていると共に、この一対の複合伸縮部4によって挟まれる中央部にも、襞43が幅方向に延びる複合伸縮部4が更に設けられている。尚、以下の説明において、長手方向に延びる襞43を「襞43A」といい、幅方向に延びる襞43を「襞43B」という。中央部の複合伸縮部4は、幅方向に一対の複合伸縮部4によって挟まれる領域の全域に亘って設けられていることが好ましい。このような構成では、吸収性本体3の肌当接面の全面に複合伸縮部4が設けられることになる。
【0104】
幅方向に延びる襞43Bの高さは、長手方向に沿って異ならせることができる。例えば、幅方向に延びる襞43Bの高さは、長手方向に沿って、図23(b)に示すように、均一でもよく、図23(c)に示すように、中央部が均一に低く、徐々に両側に向けて高くなっていてもよく、図23(d)に示すように、中央部が均一に低く、側部が均一に高くなっていてもよく、図23(e)に示すように、中央が低く、側部に向けて徐々に高くなっていても(均一な部分がなくても)よい。
【0105】
第4実施形態によれば、第1実施形態における堰き止め能が吸収性本体3の肌当接面の全面に奏される。
尚、幅方向に延びる襞43Bは、吸収性本体3の肌当接面における幅方向の全面に設けられていてもよい(図示せず)。この形態においても、第4実施形態と同様に、幅方向に延びる襞43Bの高さを、図23(b)〜図23(e)に示すように、長手方向に沿って異ならせることができる。
【0106】
第5実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、図24に示すように、第2実施形態と同様に、複合伸縮部4は、吸収性本体3の前後端部近傍に、襞43が幅方向に延びるように長手方向に離間して一対設けられていると共に、この長手方向に一対の複合伸縮部4によって挟まれる中央部にも、襞43が長手方向に延びる複合伸縮部4が更に設けられている。この中央部の複合伸縮部4は、長手方向に一対の複合伸縮部4によって挟まれる領域の全域に亘って設けられていることが好ましい。このような構成では、吸収性本体3の肌当接面の全面に複合伸縮部4が設けられることになる。
【0107】
長手方向に延びる襞43Aの高さは、幅方向に沿って異ならせることができる。例えば、長手方向に延びる襞43Aの高さは、幅方向に沿って、図24(b)に示すように、均一でもよく、図24(c)に示すように、中央部が均一に低く、徐々に両側に向けて高くなっていてもよく、図24(d)に示すように、中央部が均一に低く、側部が均一に高くなっていてもよく、図24(e)に示すように、中央が低く、側部に向けて徐々に高くなっていても(均一な部分がなくても)よい。
【0108】
第5実施形態によれば、第2実施形態における堰き止め能が吸収性本体3の肌当接面の全面に奏される。
尚、長手方向に延びる襞43Aは、吸収性本体3の肌当接面における長手方向の全面に設けられていてもよい(図示せず)。この形態においても、第5実施形態と同様に、長手方向に延びる襞43Aの高さを、図24(b)〜図24(e)に示すように、幅方向に沿って異ならせることができる。
【0109】
複合伸縮部4の構成は、図11及び図12に示す複合伸縮部4の構成に制限されない。例えば、接合部41は、図25に示すように、千鳥状に配列していてもよい。つまり、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)の列とそれに隣接する列とで、接合部41の位置が半ピッチ(P1/2)ずれた配列パターンとすることができる。
詳述すると、接合部41は、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)及びそれに直交する方向(Y方向)にそれぞれ列をなす(シール線をなす)ように形成されており、該直交する方向(Y方向)の列を構成する接合部41は、弾性部材:2本毎に1個形成されている。
【0110】
複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)の列とそれに隣接する列との間には、接合部41の存在しない領域が、複合伸縮部4の両端部44間に亘って連続的に形成されており、その領域に複合伸縮部形成弾性部材42が非接合状態で配されている。その結果、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)において相隣接する接合部41,41間に、それぞれ2本の襞43が形成される。
【0111】
複数本の複合伸縮部形成弾性部材42に亘って連続して延びる襞43を確実に形成させる観点から、複合伸縮部4を伸長させた状態(図25に示す状態)において、複合伸縮部4の伸縮方向(X方向)における接合部41のピッチP1(図25参照)は、1〜30mm、特に6〜20mmであることが好ましく、また、各接合部41の長さL1(図25参照)は、0.1〜5mm、特に0.2〜1.5mmであることが好ましい。また、前記ピッチP1と前記長さL1との比(P1/L1)は、1.1〜300、特に4〜100であることが好ましい。
【0112】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されるものではない。
例えば、複合伸縮部4を形成する複合伸縮部形成シートは、前記実施形態においては、表面シート32(上層表面シート32A,下層表面シート32B)から構成されているが、これに制限されず、表面シート32と、吸収性コア34の一部とから構成されていてもよい。具体的には、吸収性コア34が、シート状の上層吸収性コア、及び下層吸収性コアの積層体からなる場合(図示せず)には、表面シート32及び該上層吸収性コアから、対面する複合伸縮部形成シートを構成することができる。この場合には、複合伸縮部形成弾性部材は、表面シート32と吸収性コア34との間に配設されることになる。また、シート状の上層吸収性コアは、襞43が形成され、嵩高になるため、クッション性が向上すると共に、上層吸収性コアにおける空隙が大きくなり、大きな液保持空間を確保できる。更に、液を吸収した下層吸収性コア又は表面シート32との接触面積が小さいので肌にやさしい。
【0113】
複合伸縮部4は、吸収性本体3の一方の側部近傍のみに設けることができ、又は吸収性本体3の前端部近傍若しくは後端部近傍のみに設けることができる。
胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2の両方又は一方は、複合伸縮部4から形成されていなくてもよい。また、複合伸縮部4を、胴回りギャザーG1及びウエストギャザーG2以外のギャザーにも適用することができる。
【0114】
胴回りギャザーG1を形成する複合伸縮部4は、吸収性本体3よりも幅方向外方の領域のみに設けてもよい。
外包材2は、外包材2と同形の外層シート21と、腹側部A及び背側部Bのみに存在し且つ股下部Cに存在しない分離形状の内層シート22との積層体から形成されていてもよい。この構成の外包材2は、股下部Cが外層シート21のみから形成されることになる。
【0115】
前記実施形態は、外包材を備えたパンツ型使い捨ておむつであるが、本発明は、これに制限されず、外包材を備えていないパンツ型使い捨ておむつに適用することができる。また、パンツ型使い捨ておむつに制限されず、展開型使い捨ておむつに適用することができる。また、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを含む吸収性本体を備えた吸収性物品であれば、使い捨ておむつに制限されず、生理用ナプキン、失禁パッド等にも適用することができる。
【0116】
接合部41は、熱融着以外にも、超音波接合、ホットメルト型接着剤等の接着剤による接合によって形成することができる。
また、接合部41の配列パターンは適宜変更することができる。接合部41の形状は、矩形状、長円状、円状、菱形状等の適宜の形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す使い捨ておむつを展開し、伸長した状態を示す平面図である。
【図3】図3は、図2に示す使い捨ておむつの分解斜視図である。
【図4】図4は、図2に示すIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態における表面シートを示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)に示すB−B断面図、(c)は複合伸縮部における接合部の拡大平面図である。
【図6】図6は、図1に示す使い捨ておむつにおける吸収性コアを示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)に示すB−B断面図、(c)は(a)に示すC−C断面図である。
【図7】図7は、吸収性本体における複合伸縮部と側方カフスとの位置関係を示す平面図である。
【図8】図8は、外包材を、仮想的に内層シートを除去した状態で外層シートの内面側から視た展開平面図である。
【図9】図9は、外層シートにおける接着剤の塗工位置を示す展開平面図である。
【図10】図10は、内層シートにおける接着剤の塗工位置を示す展開平面図である。
【図11】図11は、複合伸縮部を一部破断して示す斜視図である。
【図12】図12は、複合伸縮部を伸長状態で示す平面図である。
【図13】図13は、複合伸縮部からなるギャザーにおける襞の延びる方向を示す模式的正面図である。
【図14】図14は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの一製造方法の全容を示す斜視図である。
【図15】図15は、図14に示すパンツ型使い捨ておむつの製造方法のうち、外包材に複合伸縮部、非機能化領域及びレッグ弾性部材切断領域を形成する工程を中心として示す概念図である。
【図16】図16は、図14に示すパンツ型使い捨ておむつの製造方法のうち、外包材に複合伸縮部を形成する工程を中心として示す概念図である。
【図17】図17は、外包材における複合伸縮部の縦断面の部分拡大図で、(a)は伸長状態を示す図、(b)は収縮し、襞が形成された状態を示す図である。
【図18】図18は、外包材における複合伸縮部の別の縦断面の部分拡大図で、(a)は伸長状態を示す図、(b)は収縮し、襞が形成された状態を示す図である。
【図19】図19は、吸収性本体における複合伸縮部の縦断面の部分拡大図で、(a)は伸長状態を示す図、(b)は収縮し、襞が形成された状態を示す図である。
【図20】図20は、第1実施形態の変形例における、吸収性本体の複合伸縮部と側方カフスとの位置関係を示す平面図(図7対応図)である。
【図21】図21は、第2実施形態における表面シートを示す平面図〔図5(a)対応図〕である。
【図22】図22は、第3実施形態における表面シートを示す平面図〔図5(a)対応図〕である。
【図23】図23(a)は、第4実施形態における表面シートを示す平面図〔図5(a)対応図〕で、図23(b)〜図23(e)は、幅方向に延びる襞の高さの変化のバリエーションを示す断面図〔図23(a)に示すB−B断面図〕である。
【図24】図24(a)は、第5実施形態における表面シートを示す平面図〔図5(a)対応図〕で、図24(b)〜図24(e)は、長手方向に延びる襞の高さの変化のバリエーションを示す断面図〔図24(a)に示すB−B断面図〕である。
【図25】図25は、複合伸縮部の他の形態を伸長状態で示す平面図(図12対応図)である。
【符号の説明】
【0118】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
11 サイドシール部
12 ウエスト開口部
13 レッグ開口部
2 外包材
21 外層シート
21A 非延出領域
21B 延出領域
22 内層シート
23 胴回り弾性部材
24 ウエスト弾性部材
25 レッグ弾性部材
26 前股弾性部材
3 吸収性本体
32 表面シート
32A 上層表面シート
32B 下層表面シート
32C 表面シート弾性部材
33 裏面シート
34 吸収性コア
35 側方カフス
36 側方カフス弾性部材
37 側方カフス形成用シート
4 複合伸縮部
41 接合部
42 複合伸縮部形成弾性部材
43 襞
44 端部
51 非機能化領域
52 レッグ弾性部材切断領域
61 ニップロール
62 複合伸縮部形成ロール
62A 複合伸縮部形成部
62B 非機能化領域形成部
62C レッグ弾性部材切断領域形成部
63 アンビルロール
64 接着剤塗工装置
65 揺動ガイド
G1 胴回りギャザー
G2 ウエストギャザー
G3 レッグギャザー
G4 前股ギャザー
1S おむつ連続体
13S トリム
2S 外包材連続体
21S 外層シート連続体
22S 内層シート連続体
3S 吸収性本体連続体
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
D 胴回り部
D1 上方胴回り部
D2 下方胴回り部
E 前股部
F ウエスト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収性コアを含む吸収性本体を備えた吸収性物品であって、
吸収性本体の肌当接面の全面又は一部に複合伸縮部が設けられており、
複合伸縮部は、対面する複合伸縮部形成シートが複合伸縮部の伸縮方向及びそれに直交する方向において間欠的な接合部により互いに接合され、複合伸縮部形成弾性部材が該接合部を通らないように配されると共に複合伸縮部形成弾性部材の両端部を除いた部分において複合伸縮部形成シートに固定されておらず、対面する複合伸縮部形成シートそれぞれが各々複数本の複合伸縮部形成弾性部材に亘って連続して延びる複数本の襞を形成することにより構成されている吸収性物品。
【請求項2】
前記複合伸縮部は、前記吸収性本体の長手方向に沿う側部近傍に、複数本の前記襞が長手方向に延びるように設けられているか、及び/又は、吸収性本体の幅方向に沿う端部近傍に、複数本の前記襞が幅方向に延びるように設けられている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
複数本の前記襞の高さは、前記吸収性本体の中央部から前記側部又は前記端部に向けて徐々に高くなっている請求項2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記複合伸縮部における前記接合部には、接合部を貫通する接合部貫通孔が設けられている請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記表面シートは上層表面シート及び下層表面シートの積層体からなり、上層表面シート及び下層表面シートから、対面する前記複合伸縮部形成シートが構成されている請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性コアは、シート状の上層吸収性コア、及び下層吸収性コアの積層体からなり、前記表面シート及び上層吸収性コアから、対面する前記複合伸縮部形成シートが構成されている請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品は、前記吸収性本体の非肌当接面側に接合された外包材を更に備え、外包材が長手方向に腹側部、股下部及び背側部に区分されており、外包材における腹側部及び背側部の両側縁部同士が接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型使い捨ておむつであり、
外包材は、外層シート、内層シート及び両シート間に配設された複数本の外包材形成弾性部材から形成されており、
外包材の腹側部及び背側部における胴回り部及び/又はウエスト部には、前記複合伸縮部から形成された胴回りギャザー及び/又はウエストギャザーが設けられており、該複合伸縮部は、対面する前記複合伸縮部形成シートが外層シート及び内層シートからなり且つ前記複合伸縮部形成弾性部材が外包材形成弾性部材からなる請求項1〜6の何れかに記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−142315(P2008−142315A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333075(P2006−333075)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】