説明

吸収性物品

【課題】製造過程や包装運搬時において、センサの端子部分が破損しにくい吸収性物品を提供すること。
【解決手段】尿パッド100の前方縁180側端部には、センサ部材110の出力端子部115が配置される。尿パッド100の前方縁180側端部は、表面シート部105及び裏面シート部106のみで形成されており、表面シート部105と裏面シート部106とは互いに接合されておらず、離間可能に配置される。尿パッド100の不使用時において、出力端子部115は表面シート部106と裏面シート部106とにより被覆された状態となる。また、使用時には、表面シート部105と裏面シート部106とが厚さ方向に離間されセンサ部材110の出力端子部115が露出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
自力で起き上がることが困難な寝たきりの老人や病人等の要介護者に対する介護の主要項目として排泄物の処理が挙げられる。排泄の介護は、被介護者の身体に合わせて選択されるが、被介護者が排泄の調節ができない場合や夜間における排泄物の処理を行うものとして、オムツのような吸収性物品が知られている。この、オムツ等の吸収性物品は、排泄された尿等の排泄物を該吸収性物品の外に漏れ出さないように保持するものである。
【0003】
オムツ等の吸収性物品は、介護者にとっては簡便に使用することができ介護の負担を減らすものである。しかし、長時間排泄物が保持された場合に、吸収性物品に保持された排泄物からにおいや菌が発生することで被介護者に悪影響が生じる場合がある。また、頻尿等の症状により多量の排泄物が排泄され、吸収性物品で保持しきれずに漏れが生じると、汚れた衣類等を交換しなければならず、介護者の負担が増大する原因ともなっている。
【0004】
これに対して、尿レシーバと、尿レシーバに接続される吸引管と、尿レシーバの外に置かれる吸引機構とを備える介護システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される介護システムによれば、被介護者から排泄される尿等の排泄物を尿レシーバが受けると共に、尿レシーバにより受けられた尿等は吸引機構により尿レシーバの外部に吸引される。これにより、被介護者から排泄された排泄物が外部に漏れ出さないようにすると共に、排泄物が尿レシーバに保持されることがなく、排泄物が被介護者の皮膚に長時間触れることがない。また、多量の排泄物が排泄されるような場合でも尿レシーバを長時間交換することなく要介護者に装着させることができる。
【特許文献1】特開2007−44494号公報
【0005】
ここで、特許文献1の尿レシーバは、排尿されたことを検知する尿センサを有する。尿センサは樹脂フィルムに電極が形成されており、自動尿処理装置に電気的に接続するために電極が露出されている部分を備えている。自動尿処理装置に接続された配線の先端に備えられたクリップがこの電極の露出部分を挟持することにより、センサと自動尿処理装置とが電気的に接続される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クリップが接続されるセンサの端子部分は、尿レシーバから長手方向外方に向けて突出するように設けられている。センサの端子部分は、クリップと接続するために露出している必要があるが、センサの端子部分はシート状で強度が低いため、該尿レシーバの製造過程や包装運搬時において、端子部分が露出している部分がこすれたり、途中で折れたりするなど、センサの露出部分が破損しやすいという問題があった。
【0007】
本発明は、製造過程や包装運搬時において、センサの端子部分が破損しにくい吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)排泄部を有する装着対象に前記排泄部を覆うように配置される縦長状の吸収性物品であって、少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に該吸収性物品における長手方向に沿うように配置され、前記排泄部から排泄された液体を検知可能な細長状のセンサ部材と、を備え、前記センサ部材の前記長手方向における一端側には、端子部が形成され、第1態様において、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、第2態様において、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆されず外部に露出される吸収性物品。
【0009】
(2)該吸収性物品における外縁に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とを接合する接合部と、前記外縁における前記長手方向の一端を含む領域に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とが接合されない非接合部と、を備え、前記第1態様において、前記非接合部における前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに積層された状態であって、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、前記第2態様において、前記非接合部における前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに離間した状態であって、前記端子部は、前記表面シート部と前記裏面シート部とに被覆されず外部に露出される(1)に記載の吸収性物品。
【0010】
(3)前記非接合部に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とを離間可能に仮止めする仮止め部と、をさらに備える(2)に記載の吸収性物品。
【0011】
(4)前記センサ部材は、第1部材と、前記第1部材に積層配置されると共に、前記第1部材に積層された状態で前記長手方向に摺動可能な前記端子部を有する第2部材と、を備え、前記第1態様において、前記第2部材は該吸収性物品における外縁よりも内側に配置されて、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、前記第2態様において、前記第2部材は前記長手方向における外側に摺動して、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆されず外部に露出される(1)に記載の吸収性物品。
【0012】
(5)該吸収性物品の長手方向における一方の端部側の前記表面シート部及び前記裏面シート部には、該吸収性物品の幅方向に延びるように複数の切り込み部が間欠的に形成され、前記表面シート部及び前記裏面シート部における前記複数の切り込み部から前記一方の端部までの端部領域は、該吸収性物品から分離可能であり、前記第1態様において、前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに積層された状態であって、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、前記第2態様において、前記端部領域は該吸収性物品から分離されて、前記端子部は、前記表面シート部と前記裏面シート部とに被覆されず外部に露出される(1)に記載の吸収性物品。
【0013】
(6)前記複数の切り込み部の前記長手方向における他端側には、前記複数の切り込み部と略平行に他の切り込み部が複数形成され、前記複数の切り込み部と前記複数の他の切り込み部との間の領域は、該吸収性物品から分離可能である(5)に記載の吸収性物品。
【0014】
(7)前記複数の切り込み部は、前記表面シート部又は前記裏面シート部それぞれにおける平均剛性よりも高剛性である高剛性領域に形成される(5)又は(6)に記載の吸収性物品。
【0015】
(8)該吸収性物品における外縁に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とを接合する接合部と、前記外縁における前記長手方向の一端を含む領域に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とが接合されない非接合部と、を備え、前記第1態様において、前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに積層された状態であって、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、前記第2態様において、前記表面シート部及び前記裏面シート部における前記一端が前記長手方向における内側に移動され、前記端子部は、前記表面シート部と前記裏面シート部とに被覆されず外部に露出される(1)に記載の吸収性物品。
【0016】
(9)前記表面シート部及び/又は前記裏面シート部における前記一端側には、前記第1態様から前記第2態様へ変更させるための操作態様を指示する案内表示を備える(1)から8のいずれかに記載の吸収性物品。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製造過程や包装運搬時において、センサの端子部分が破損しにくい吸収性物品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における尿パッド100を使用したシステム1の概要を示す図である。図2(A)は、本発明の第1実施形態における尿パッド100の構造を示す平面図である。図2(B)は、センサ部材110の構造を示す平面図である。図3は、本発明の第1実施形態における尿パッド100の構造を説明する裏面図である。図4(A)は、本発明の第1実施形態における尿パッド100の前方縁180側を示す拡大正面図である。図4(B)は、本発明の第1実施形態における尿パッド100の前方縁180端部において、出力端子部115が露出した状態を示す拡大正面図である。図5は、本発明の第1実施形態における尿パッド100の前方縁180側において出力端子部115と入力端子250とが接続された状態を示す拡大裏面図である。図6は、本発明の第1実施形態における尿パッド100の包装状態を示す平面図である。図7は、本発明の第2実施形態における尿パッド100の前方縁180側を示した拡大正面図である。図8(A)は、本発明の第3実施形態における尿パッド100の前方縁180側を示す拡大裏面図である。図8(B)は、本発明の第3実施形態における尿パッド100の前方縁180端部において、出力端子部115が露出した状態を示す拡大裏面図である。図9(A)は、本発明の第4実施形態における尿パッド100の前方縁180側を示す拡大裏面図である。図9(B)は、本発明の第4実施形態における尿パッド100の前方縁180端部において、切り取り線133により切り取られる状態を示す図である。図9(C)は、本発明の第4実施形態における尿パッド100の前方縁180端部において、出力端子部115が露出した状態を示す拡大裏面図である。図10(A)は、本発明の第5実施形態における尿パッド100の前方縁180側を示す拡大裏面図である。図10(B)は、本発明の第5実施形態における尿パッド100の前方縁180端部において、切り取り部136により切り取られる状態を示す図である。図10(C)は、本発明の第5実施形態における尿パッド100の前方縁180端部において、出力端子部115が露出した状態を示す拡大正面図である。図11(A)及び図11(B)は、本発明の第6実施形態における尿パッド100の前方縁180側における長手方向X方向の拡大断面図である。図12(A)は、本発明の第6実施形態における尿パッド100の前方縁180側を示す拡大裏面図である。図12(B)は、本発明の第6実施形態における尿パッド100の前方縁180端部において、第2出力端子部502が露出した状態を示す拡大裏面図である。
【0019】
1. 第1実施形態
1.1 全体概要
図1から図6により、本発明の第1実施形態における尿パッドについて説明する。
図1に示すように、尿パッド100は、被装着者が排泄した排泄物のうち尿等の液体が排泄されたことを装置20が検知して、ポンプ210によりチューブ230を介して樹脂製の容器200に収容するシステム1の一部を構成する吸収性物品として使用される。
【0020】
当該システム1は、尿パッド100と、容器200及びポンプ210を含む装置20とで構成されている。また装置20は、容器200と、ポンプ210と、CPU220と、チューブ230と、配線240とにより構成される。
【0021】
尿パッド100は、チューブ230と配線240とにより装置20に接続される。詳細には、チューブ230は、装置20の容器200と尿パッド100の後述する捕集部120とを接続する。そして、装置20は、尿パッド100に排泄された尿等の液体を、チューブ230を通して容器200に収容する。
【0022】
また、配線240は、尿パッド100が有する後述のセンサ部材110と装置20のCPU220とを電気的に接続する。具体的には、センサ部材110の一端に形成される端子部としての出力端子部115と接続される後述の入力端子250及び配線240を介してCPU220に接続される。配線240は、センサ部材110の出力端子部115から出力される検知信号等の信号をCPU220に伝える経路として機能する。
【0023】
本システムは、尿パッド100のセンサ部材110により、排泄された尿等の液体が検知され、その検知信号等をセンサ部材110の出力端子部115から入力端子250及び配線240を介してCPU220が受信する。するとCPU220は装置20のポンプ210を駆動させ、尿パッド100に排泄された尿等の液体をチューブ230を通して容器200に送液し、容器200に尿等の液体を収容する。
【0024】
1.2 尿パッド
尿パッド100は、装着状態において身体側に配置される第1面101と、身体と反対側に配置される第2面102とを有する縦長状の吸収性物品である。ここで、本発明において吸収性物品とは、液保持性の吸収体を有するものだけでなく、機械的に液体を吸収するものを含む。具体的には、装置20により液体が外部に取り出される尿パッド100も吸収性物品に含まれる。
【0025】
尿パッド100は、図1に示すように、身体の排泄部を覆うように配置され、アウター部材400と帯状部材300とにより身体に装着される。具体的には、伸縮可能な帯状部材300が被介護者の胴回りに沿って環状に配置され、尿パッド100の長手方向Xの一端側が帯状部材300に係止されている。そして、尿パッド100は、その一端が帯状部材300に係止された状態で被介護者の排泄部を覆うようにして身体に装着される、さらに尿パッド100を覆うようにアウター部材400が装着される。アウター部材400としては、例えばオムツのような腰回りに装着される下穿き類を挙げることができる。
【0026】
また、尿パッド100は、図2(A)に示すように、第1面101側に配置される液透過性の表面シート部105と、第2面102側に配置される液不透過性の裏面シート部106と、排尿及び排便を検知するセンサ部材110と、排出された尿を捕集してチューブ230へ導出する捕集部120とを有する。表面シート部105における幅方向Yの両側には、尿パッド100を身体に装着した状態において身体側に立ち上がるように変形し、ソケイ部に直接当接されるギャザー158、158が形成される。
【0027】
表面シート部105は、複数のシートにより構成される。具体的には、図2(A)に示すように、表面シート部105は、尿パッド100における第1面101側に配置される液透過性シート160と前方縁180側に配置される第1シート161及び後方縁190側に配置される第2シート162により構成される。液透過性シート160は、尿パッド100の幅方向Yにおける中央部に長手方向Xに延びるように配置され、排泄部から排泄される尿等の液体を透過させる。液透過性シート160は、尿パッド100の長手方向Xにおける両端部近傍には配置されない。尿パッド100の長手方向Xにおける両端には、後述する第1シート161及び第2シート162それぞれが配置される。
【0028】
ここで、前方縁180とは、尿パッド100を身体に装着した場合に、身体の前側に配置される側の端部をいう。また、後方縁190とは、尿パッド100を身体に装着した場合に、身体の後ろ側に配置される側の端部をいう。
【0029】
第1シート161は、液不透過性シートにより構成され、センサ部材110における出力端子部115側を覆うように配置される。第1シート161は、尿パッド100の前方縁180側においては、裏面シート部106と接合されていない。第1シート161と裏面シート部106との態様の詳細については後述する。
【0030】
第2シート162は、液不透過部162aと液透過部162bとを有し、液透過部162bは便センサ部113を覆うように配置され、液不透過部162aは第2シート162における前方縁180側に配置され、尿等の液体をせき止める。
【0031】
図3に示すように、裏面シート部106は、液不透過性シートにより構成され、第2面102全体を構成するように配置される。裏面シート部106は、排泄部から排泄された尿等の液体の透過を防ぐと共に、後述する捕集部120に尿等の液体を導くように機能する。
【0032】
そして、尿パッド100の外周縁は、少なくとも前方縁180側の端部近傍を除く領域において表面シート部105及び裏面シート部106が互いに接合された接合部130が形成される。また、前方縁180側の端部を含む領域は、表面シート部105と前記裏面シート部106とが互いに接合されない非接合部137となる。具体的には、接合部130は、後方縁190側から前方縁180側にかけて少なくとも尿パッド100の長手方向Xにおける長さの半分以上について、表面シート部105と裏面シート部106とが互いに接合されることにより形成される。また、接合部130は、センサ部材110が配置され、身体の排泄部が当接する幅方向Y中央の領域以外の部分がホットメルト接着材により接合される。具体的には、図2(A)における斜線部が接合部130となる。
【0033】
センサ部材110は、図1(A)に示すように、尿パッド100の幅方向Y略中央に配置される。また、センサ部材110は、長手方向Xに延びるように配置される。センサ部材110は、出力端子部115と、尿センサ部112と、便センサ部113を有する。出力端子部115は、センサ部材110における前方縁180側の端部に形成される。尿センサ部112は、センサ部材110の長手方向Xにおける中央部から後方縁190の間に形成され、便センサ部113は、センサ部材110の長手方向Xにおける後方縁190側の端部に配置される。
【0034】
センサ部材110は、ポリエチレンフィルム等の可撓性であるフィルム110aに導電性塗料を印刷して形成される。具体的には、センサ部材110は、図2(B)に示すように、フィルム110aにおける一方の面に電極116a、116b及び電極117a、117bを形成するよう導電性塗料を塗布すると共に、電極116a、116b及び電極117a、117bを覆うようフィルム110bを積層配置することで形成される。
【0035】
出力端子部115は、図2(B)に示すように、尿センサ部112と電気的に接続される第1コネクタ部115a、115b、及び便センサ部113と電気的に接続される第2コネクタ部115c、115dを有する。出力端子部115が形成される領域には、フィルム110bは配置されない。つまり、センサ部材110において、第1コネクタ部115a、115b及び第2コネクタ部115c、115dは外部に露出される。
【0036】
外部に露出された第1コネクタ部115a、115b及び第2コネクタ部115c、115dは、入力端子250に形成される不図示の各コネクタ部それぞれに当接して電気的に接続される。これにより、第1コネクタ部115a、115b又は第2コネクタ部115c、115dとから出力される検知信号等は、入力端子250に配置される各コネクタを介してCPU220に出力される。
【0037】
尿センサ部112は、電極116a、116bの一部が露出されることにより形成される第1極部112a、112bが互いに電気的に接続されることで排尿を検知する。具体的には、排出された尿により第1極部112a、112bが電気的に接続されることで、排尿を検知する。
【0038】
排出された尿により第1極部112a、112bが電気的に接続されることで、尿センサ部112から検知結果情報としての検知信号が出力される。この検知信号は、第1コネクタ部150a、150bから出力され、入力端子250及び配線240を介してCPU220に入力される。検知信号が入力されることで、CPU220はポンプ210を駆動させる。
【0039】
便センサ部113は、尿が流れてこず、かつ、便が排泄される位置に配置される。また、便センサ部113の上面には、第2シート162における液透過部162bが配置される。つまり、排泄部から便が液透過部162b上に排出された場合、便センサ部113の電極117a、117bの一部が露出されることにより形成される第2極部113a、113b同士が便に含まれる水分により電気的に接続され、排便が検知される。
【0040】
電極117a、117bが電気的に接続されることで、便センサ部113から検知結果情報としての検知信号が出力される。この検知信号は、第2コネクタ部115c、115dから出力され、入力端子250及び配線240を介してCPU220に入力される。検知信号が入力された場合、CPU220は排便がなされたことを知らせる不図示のランプを点灯させる。
【0041】
捕集部120は、表面シート部105の液透過性シート160を透過して流れてくる尿を好適に捕集する。捕集部120の底面には、該底面を貫通する通液路を有するチューブ接続部121(図3参照)が形成される。チューブ接続部121には、チューブ230が通液可能に連結される。そして、チューブ230と間接的に連結されるポンプ210が駆動することで、捕集部120に捕集された尿は容器200に吸引される。
【0042】
1.3 前方縁側の態様
図4、図5に示すように、尿パッド100の前方縁180側には、センサ部材110の出力端子部115が配置される。そして、出力端子部115を覆うように表面シート部105及び裏面シート部106が離間可能に積層配置される。つまり、出力端子部115は、第1態様である未使用時において、表面シート部105及び裏面シート部106により被覆された状態となっており、第2態様である使用時においては出力端子部115が露出される。
【0043】
具体的には、センサ部材110は、表面シート部105及び裏面シート部106の長手方向Xにおける長さと略同一の長さか、又は長さが若干短くなるように形成される。そして、表面シート部105を構成する第1シート161と裏面シート部106とにより被覆された状態となっている。
【0044】
第1シート161及び裏面シート部106は、尿パッド100における前方縁180側の端部において互いに接合されていない非接合部137を有する。非接合部137は、図4(A)に示すように、前方縁180側の端部を含む領域において、表面シート部105を構成する第1シート161と裏面シート部106とが互いに接合されず、厚さ方向に離間可能な領域である。出力端子部115は、第1シート161と裏面シート部106との間に配置され、その第1面101側を第1シート161、第2面102側が裏面シート部106に覆われている。
【0045】
そして、尿パッド100の使用時において、センサ部材110の出力端子部115を装置20側の入力端子150に接続する際には、図4(B)に示すように、第1シート161の前方縁180側端部は第1面101側に折り返され、裏面シート部106の前方縁180側端部は第2面102側に折り返されて出力端子部115が露出される。
【0046】
図5に示すように、露出された出力端子部115は、装置20の配線240に接続されている入力端子250により装置20と電気的に接続される。入力端子250は、出力端子部115における第1面101側及び第2面102側の両面を挟み込むようにして取り付けられ、入力端子250に形成される不図示のコネクタ部と、出力端子部115に形成される各コネクタ部とが当接されることで電気的に接続される。
【0047】
また、図6に示すように、尿パッド100の包装形態は、尿パッド100を長手方向X略中央から二つ折りにされた状態で、包装シート170に包装される。具体的には、出力端子部115は、表面シート部105及び裏面シート部106により被覆された状態で包装シート170に包装される。包装シート170は、二つ折りにされた尿パッド100全体を包んだ後、一方の端部に配置された包装テープ171により当該端部が係止される。また、長手方向Xの両側部は、例えばホットメルト接着材又はエンボス加工により包装シート170が互いに接合され、尿パッド100が封入される。
【0048】
第1実施形態においては、積層配置される表面シート部105と裏面シート部106とを不使用時から使用時の態様へ変更させるための操作態様を指示する案内表示を備えてもよい。例えば、後述の第2実施形態のように、表面シート部105と裏面シート部106とを厚さ方向へ離間させる方向を示す矢印を挙げることができる。なお、案内表示はこれに限らず、ドットや操作を指示する文字であってもよい。
【0049】
第1実施形態によれば、尿パッド100の第1態様である不使用時において出力端子部115が表面シート部105及び裏面シート部106により被覆されている。これにより、尿パッド100の製造過程や包装運搬時において出力端子部115が露出されない。したがって、出力端子部115において電極が露出されている第1コネクタ部及び第2コネクタ部が破損したり、センサ部材110自体が折れて破損することを防止することができる。
【0050】
第1実施形態によれば、出力端子部115は、尿パッド100の不使用時においては第1シート161及び裏面シート部106により被覆されているが、第2態様である使用時においては露出される。具体的には、第1シート161と裏面シート部106とは、前方縁180側の端部において互いに接合されておらず、厚さ方向に離間可能となっており、出力端子部115は容易な操作により露出される。これにより、出力端子部115が装置20の入力端子250に接続可能となる。
【0051】
2. 他の実施形態
図6から図12により他の実施形態について説明する。第2実施形態から第5実施形態は、尿パッド100の前方縁180側における表面シート部105及び裏面シート部106の態様が異なる。第6実施形態は、出力端子部115、表面シート部105及び裏面シート部106の態様が異なる。以下、第1実施形態における尿パッド100との相違点を中心に説明する。なお、以下の実施形態において特に説明しない部分は、第1実施形態と同様であり、図に付した番号も第1実施形態と同様である場合は、同じ番号を付している。
【0052】
2.1 第2実施形態
図7に示すように、本実施形態における尿パッド100は、非接合部137において、表面シート部105と裏面シート部106とが仮止め部131により仮止めされた状態となっている。具体的には、表面シート部105と裏面シート部106との前方縁180側は、接合部130により互いに接合されず、仮止め部131により所定の力で離間可能な状態に維持される。
【0053】
仮止め部131は、表面シート部105及び裏面シート部106における出力端子部115が配置される領域の幅方向Y両側近傍にそれぞれ形成される。言い換えればセンサ部材110の幅方向Y両側近傍の領域に仮止め部131が形成される。
【0054】
また、表面シート部105と裏面シート部106とを接合する仮止め部131の接合力は、接合部130における接合力に比べて弱くなるように形成される。具体的には、仮止め部131は、センサ部材110の幅方向Y両側における一部分の領域についてエンボス加工を行うことにより圧着接合される。そして、使用時には、表面シート部105と裏面シート部106とをそれぞれ厚さ方向に離間させるようにすることにより、仮止め部131による仮止めを解除する。
【0055】
仮止め部131による仮止めを解除することにより、表面シート部105と裏面シート部106とが厚さ方向に離間可能となり、図4(B)に示すように出力端子部115が露出される。
【0056】
また、図7に示すように、装着過程における操作方法を示すような案内表示となる指示標140、140を形成してもよい。具体的には、表面シート部105において厚さ方向に引き上げて仮止め部131による仮止めを解除することを示す方向を示す矢印を形成することができる。指示標140、140を形成するには、表面シート部105に印刷することにより形成することができる。また、指示標140、140は、裏面シート部106にも形成することができる。
【0057】
また、指示標140、140は、仮止め部131を兼ねてもよい。具体的には、矢印型のエンボス加工を施すことにより表面シート部105と裏面シート部106とを圧着接合することができる。これにより、矢印型の仮止め部131が形成され、同時に指示標140としても機能する。また、指示標140の形状は、矢印とは限らず、使用者が操作を認識できる様な形状であればよい。例えば、ドット、花形、三角等の形状であってよい。
【0058】
第2実施形態のように仮止め部131を有することにより、尿パッド100を装着する際に、出力端子部115と入力端子250とを接続させる直前まで出力端子部115を被覆することができる。また、出力端子部115が露出されるまでは表面シート部105と裏面シート部106とが離間されない。このため、尿パッド100の装着過程において、離間した表面シート部105と裏面シート部106とが操作の妨げになることを防止することができる。
【0059】
2.2 第3実施形態
図8(A)、(B)により、第3実施形態における尿パッド100について説明する。第3実施形態における尿パッド100は、前方縁180の所定箇所において表面シート部105と裏面シート部106とが接合されている点で第1実施形態と異なる。
【0060】
第3実施形態においては、尿パッド100は、その前方縁180の幅方向Y両側部において表面シート部105と裏面シート部106とが積層された状態で接合された接合部となる第2接合部132、132が形成される。
【0061】
第2接合部132は、図8(A)及び図8(B)に示すように、接合部130とは連続しない。つまり、接合部130と第2接合部132との間には、表面シート部105と裏面シート部106とが接合されていない非接合部137が形成されている。つまり、尿パッド100の外縁における長手方向Xの一端含む領域である前方縁180の幅方向Y中央部は、表面シート部105と裏面シート部106とは接合されていない。この表面シート部105と裏面シート部106とが互いに接合されていない領域が非接合部137となる。また、外縁における前方縁180側の端部において非接合部137の幅方向Y中央部の幅は、センサ部材110の幅よりも広くなっている。
【0062】
不使用時には、表面シート部105と裏面シート部106とが互いに積層された状態であり、センサ部材110の出力端子部115は、表面シート部105及び裏面シート部106に被覆された状態となっている。
【0063】
使用時においては、図8(B)に示すように、センサ部材110の出力端子部115が露出される。具体的には、表面シート部105及び裏面シート部106の前方縁180側端部は、第2接合部132により接合された状態を維持したまま、センサ部材110に沿うように長手方向Xの内側(後方縁190側)へ移動される。これにより、出力端子部115は、表面シート部105と裏面シート部106とにより被覆されず、外部に露出される。
【0064】
接合部130と第2接合部132との間に表面シート部105と裏面シート部106とが接合されない非接合部137が形成されることにより、前方縁180側の端部における表面シート部105及び裏面シート部106は円滑に後方縁190側に移動される。具体的には、表面シート部105と裏面シート部106とが接合されない非接合部137の表面シート部105及び裏面シート部106は、端部が移動されるにしたがって厚さ方向における互いに離間する方向に略凸状に突出するように折り曲げられる。これにより、表面シート部105と裏面シート部106とは円滑に移動が可能となる。
【0065】
また、図8(A)、(B)に示すように、前方縁180側の端部を移動させる方向を示す案内表示となる指示標141を表面シート部105及び/又は裏面シート部106に形成してもよい。これにより、装着する際の操作を使用者に容易に案内することができる。
【0066】
第2実施形態によれば、前方縁180における幅方向の両側部において表面シート部105及び裏面シート部106を接合することにより、尿パッド100の装着時における操作を妨げることなく、出力端子部115を被覆し、かつ使用時には出力端子部115を露出することができる。これにより、出力端子部115を使用の直前まで保護することができる。
【0067】
2.3 第4実施形態
図9(A)、(B)、(C)により、第4実施形態について説明する。第4実施形態においては、第2接合部132Aが尿パッド100の外周縁全体に形成されている。そして、前方縁180側の端部から後方縁190側へ向けた所定の位置に、幅方向Y全体に延びるように複数の切り込み部134が間欠的に形成され、切り取り線133を形成する。そして、切り取り線133から前方縁180側の端部までの領域は、尿パッド100から分離可能である。
【0068】
また、表面シート部105及び裏面シート部106は、互いに積層された状態であって、外周縁部分を除いて接合されていない。そして、出力端子部115は、切り取り線133よりも前方縁180側に位置するように配されている。つまり、不使用時においては、センサ部材110の出力端子部115は、互いに積層された状態であって、互いに接合されていない表面シート部105及び裏面シート部106により被覆された状態となる。
【0069】
切り取り線133は、表面シート部105及び裏面シート部106の所定の位置に、幅方向Yに延びるように形成される。詳細には、切り取り線133は、尿パッド100の長手方向Xにおける前方縁180側の所定の位置に、幅方向Yに延びるように切り込み部134が断続的に形成されることにより形成される。
【0070】
使用時においては、切り取り線133の幅方向Yにおけるいずれか一方の端部から他方の端部へ向けて、切り取り線133に沿って表面シート部105及び裏面シート部106の前方縁180側の端部が切り取られることにより出力端子部115が露出される。具体的には、図9(B)、(C)に示すように、切り取り線133の幅方向Yにおける一方の端部が把持されて、表面シート部105及び裏面シート部106の前方縁180側の端部が前方縁180側へ引っ張られる。これにより切り込み部134が連続的に接続され表面シート部105及び裏面シート部106の前方縁180側の端部が切り取られる。
【0071】
切り取り線133に沿うように形成される近傍の領域135は、表面シート部105及び裏面シート部106の他の領域の平均剛性よりも高剛性であることが好ましい。剛性を高く形成することにより、切り取り線133に沿って切り取る際に領域135がガイドの役割を果たし、切り取り線133以外の領域がちぎれてしまうことを防止することができる。
【0072】
また、切り取り線133におけるいずれか一方の端部側であって、表面シート部105及び/又は裏面シート部106には、不使用時の態様から使用時への態様へ変更させるための操作態様を案内する案内表示である指示標142、143を形成してもよい。例えば、切り取り線133により切り取られる側には、引っ張る方向を示す矢印のような指示標142が形成される。また、切り取り線133により切り取られない側には、把持する位置を示すようなドットや四角等のような指示標143が形成される。なお、指示標142、143の形状についてはこれに限られない。これにより、装着する際の操作を使用者に容易に案内することができる。
【0073】
第4実施形態においては、切り取り線133は表面シート部105及び裏面シート部106に形成されるが、いずれか一方のみに形成されてもよい。この場合には、切り取り線133により表面シート部105又は裏面シート部106を切り離した後、切り離されない側のシート部を折り返すことにより、出力端子部115が露出される。
【0074】
第4実施形態においては、センサ部材110の出力端子部115は、不使用時において表面シート部105及び裏面シート部106により被覆されるため、製造過程や包装運搬時において出力端子部115が破損することを防止することができる。
【0075】
本実施形態においては、表面シート部105及び裏面シート部106における切り取り線133から前方縁180側端部の部分を切り取ることができるため、使用時において出力端子部115を被覆していた部分が被介護者の動作を妨げることがない。
【0076】
2.4 第5実施形態
図10(A)、(B)により第5実施形態について説明する。第5実施形態における尿パッド100は、第2接合部132Bが尿パッド100の外周縁全体に形成されている。そして、前方縁180側の端部から後方縁190側へ向けた所定の位置に、幅方向Yに延びるように切り取り部136が形成される。
【0077】
切り取り部136は、表面シート部105及び裏面シート部106の前方縁180側端部から所定の位置において幅方向Yに延びるように形成される。また、切り取り部136は、幅方向Yに延びるように複数の切り込み部134aが間欠的に形成されることにより形成される切り取り線133aと略平行して形成される他の切り込み部134bが形成されることにより形成される切り取り線133bの間の領域である。切り取り線133a、133bは、表面シート部105及び裏面シート部106に形成される。したがって、切り取り線133a、133bに挟まれた領域である切り取り部136は、尿パッド100を幅方向Yに一周するように形成される。切り取り線133bよりも前方縁180側においては、表面シート部105及び裏面シート部106は、外周縁部分を除いて接合されていない。そして、出力端子部115は、切り取り線133bよりも前方縁180側に位置するように配されている。
【0078】
不使用時においては、センサ部材110の出力端子部115は積層配置された表面シート部105及び裏面シート部106により被覆された状態となる。一方で、使用時においては、切り取り部136の幅方向Yにおける一方の端部側を、他方の端部側に向けてはぎ取るように引っ張ることにより、切り取り部136が切り取り線133a、133bに沿って切り取られる。
【0079】
これにより、切り取り部136から前方縁180側の端部までの領域が尿パッド100から分離される。そしてセンサ部材110の出力端子部115が露出される。
【0080】
切り取り部136の幅方向Yにおける一方の端部側には、不使用時の態様から使用時への態様へ変更させるための操作態様を案内する案内表示である指示標144を形成してもよい。指示標144は、第2実施形態における指示標140と同様である。指示標144が形成されることにより、これにより、装着する際の操作を使用者に容易に案内することができる。
【0081】
尚、切り取り部136は、表面シート部105及び裏面シート部106の両方のシート部に形成されるのではなく、いずれか一方のシート部にのみ形成されてもよい。この場合には、切り取り部136が形成されないシート部の前方縁180側の端部は切り取られない。したがって、センサ部材110は、切り取り部136が切り取られた後に形成される開口から引き出すようにして露出される。また、図10(C)に示すように、切り取られない側のシート部は、尿パッド100における厚さ方向外方側に折り返された状態となる。
【0082】
第5実施形態によれば、センサ部材110の出力端子部115は、不使用時において表面シート部105及び裏面シート部106により被覆されるため、製造過程や包装運搬時において出力端子部115が破損することを防止することができる。また、切り取り部136を切り取ることにより、容易にセンサ部材110の出力端子部115を被覆された状態から露出した状態にすることができる。
【0083】
2.5 第6実施形態
図11(A)、(B)、図12(A)、(B)により第6実施形態について説明する。第6実施形態においては、第1部材となるセンサ部材110の前方縁180側の端部に第2部材となる第2センサ部材500が摺動可能に積層配置される。また、センサ部材110及び第2センサ部材500が配置される領域の前方縁180側以外の外周縁に沿う領域には、第2接合部132Cが形成される。
【0084】
第2センサ部材500は、センサ部材110の長手方向Xにおける長さよりも短くなるように形成される。また、第2センサ部材500における後方縁190側の端部には、幅方向Y外方に突出するように突起部510、510が形成される。
【0085】
第2センサ部材500は、図11(A)、(B)に示すように、センサ部材110の表面シート部105側に積層配置される。そして、第2センサ部材500におけるセンサ部材110との当接面側に、第2入力端子部501が形成され、該第2入力端子部501がセンサ部材110との出力端子部115と当接することにより電気的に接続される。
【0086】
また、第2センサ部材500における前方縁180側の端部には、第2出力端子部502が形成される。そして第2出力端子部502に上述した入力端子250が接続される。第6実施形態においては、第2出力端子部502は、図11(A)、(B)に示すように、第2センサ部材500におけるセンサ部材110との当接面側に形成されている。
【0087】
第2センサ部材500には、センサ部材110と同様に、ポリエチレンフィルム等の可撓性であるフィルム500aに導電性塗料を印刷して形成される。具体的には、フィルム500aの一方の面に電極を形成するように導電性塗料を塗布すると共に、形成された電極を覆うようにフィルム500bが積層配置される。そして、第2センサ部材500における後方縁190側には、第2入力端子部501が形成される。第2入力端子部501は、センサ部材110における第1コネクタ部115a、115b、及び第2コネクタ部115c、115dに対向する位置に、電極が露出されることにより形成される不図示の導電部がそれぞれ形成され、それぞれが導電可能に積層配置される。
【0088】
また第2出力端子部502は、装置20の入力端子250が接続される第3コネクタ部502a、502b及び第4コネクタ部502c、502dから構成されている。第3コネクタ部502a、502bは、センサ部材110における尿センサ部112からの検知信号等を入力端子250側に出力する。また、第4コネクタ部502c、502dは、便センサ部113からの検知信号等を入力端子250側に出力する。
【0089】
第3コネクタ部502a、502b及び第4コネクタ部502c、502dは、入力端子250における不図示のコネクタ部と、第2出力端子部502に形成される各コネクタ部とが当接されることで電気的に接続される。
【0090】
第2センサ部材500は、センサ部材110に摺動可能に積層配置される。尿パッド100の不使用時には、第2センサ部材500は、図12(A)に示すように、表面シート部105及び裏面シート部106により被覆された状態となる。そして、使用時において、第2センサ部材500が摺動されて前方縁180側に移動された場合には、図12(B)に示すように、第2出力端子部502が露出された状態となる。
【0091】
第2センサ部材500が前方縁180側の端部に移動されると突起部510が第2接合部132Cに掛止され、これより長手方向X外方への移動が制限される。第2接合部132Cは、外周縁に沿うように形成されてよいが、外周縁におけるセンサ部材110及び第2センサ部材500が配置される配置領域の幅方向Y両側において、長手方向Xの内方側へ突出するように突起状に形成されてもよい。このような形状に形成することにより、第2接合部132Cが突起部510と掛合してストッパーとしての機能を発揮する。
【0092】
第6実施形態においては、センサ部材110の出力端子部115は、第2センサ部材500が長手方向Xに摺動して第2入力端子部501が当接する範囲全体に形成されているがこれに限らない。例えば、出力端子部115は、第2センサ部材500を最も前方縁180側に移動させた場合に、第2センサ部材500の第2入力端子部501が当接する範囲のみに形成されてもよい。つまり、第2センサ部材500が最も前方縁180側に移動されたときにのみセンサ部材110と第2センサ部材500とで導通が可能となる。
【0093】
また、第6実施形態においては、第2センサ部材500をセンサ部材110に積層配置しているがこれに限られない。例えば、センサ部材110の前方縁180端部側において、凹凸を交互に連続的に形成することができる。つまり、センサ部材110の前方縁180端部側をいわゆる蛇腹状に形成することにより、最も圧縮した状態において出力端子部115が表面シート部105及び裏面シート部106により被覆され、蛇腹状となったセンサ部材110を延伸させた状態において出力端子部115を露出させることができる。また、いわゆる蛇腹状ではなく、センサ部材110をZ状に一回折り返してもよい。
【0094】
第6実施形態によれば、第2センサ部材500の第2出力端子部502は、不使用時において表面シート部105及び裏面シート部106により被覆されるため、製造過程や包装運搬時において出力端子部が破損することを防止することができる。また、第2センサ部材500を前方縁180外方側に引き出すことにより、第2出力端子部502を容易に被覆された状態から露出した状態にすることができる。
【0095】
本発明における他の実施形態として第2実施形態から第6実施形態について説明したが、前方縁180における表面シート部105及び裏面シート部106の態様としてはこれらに限られない。例えば、センサ部材110の出力端子部115を覆う他の部材を用いて不使用時においては、他の部材が出力端子部115を被覆し、使用時において他の部材を取り外して出力端子部115を露出させるようにしてもよい。また、第1実施形態においては、表面シート部105及び裏面シート部106が厚さ方向に離間可能としているが、第3実施形態又は第4実施形態のように、非接合部137の所定の位置に切り取り線を設け、前方縁180側の端部領域と尿パッド100とを切り離すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1実施形態における尿パッドを使用したシステムの概要を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態における尿パッドの構造を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における尿パッドの構造を説明する裏面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における尿パッドの包装状態を示す平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態における尿パッドの前方縁側を示す拡大裏面図である。
【図6】本発明の第1実施形態における尿パッドの前方縁側を示す拡大裏面図である。
【図7】本発明の第2実施形態における尿パッドの前方縁側を示す拡大正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態における尿パッドの前方縁側を示す拡大裏面図である。
【図9】本発明の第4実施形態における尿パッドの前方縁側を示す拡大裏面図である。
【図10】本発明の第5実施形態における尿パッドの前方縁端部における拡大裏面図である。
【図11】本発明の第6実施形態における尿パッドの前方縁側を長手方向に切断した場合における拡大断面図である。
【図12】本発明の第6実施形態における尿パッドの前方縁側を示す拡大裏面図である。
【符号の説明】
【0097】
20 装置
100 尿パッド
101 第1面
102 第2面
105 表面シート部
106 裏面シート部
110 センサ部材
115 出力端子部
120 捕集部
130 接合部
131 仮止め部
133 切り取り線
136 切り取り部
140 指示標
250 入力端子
500 第2センサ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄部を有する装着対象に前記排泄部を覆うように配置される縦長状の吸収性物品であって、
少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、
液不透過性の裏面シート部と、
前記表面シート部と前記裏面シート部との間に該吸収性物品における長手方向に沿うように配置され、前記排泄部から排泄された液体を検知可能な細長状のセンサ部材と、を備え、
前記センサ部材の前記長手方向における一端側には、端子部が形成され、
第1態様において、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、
第2態様において、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆されず外部に露出される吸収性物品。
【請求項2】
該吸収性物品における外縁に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とを接合する接合部と、
前記外縁における前記長手方向の一端を含む領域に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とが接合されない非接合部と、を備え、
前記第1態様において、前記非接合部における前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに積層された状態であって、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、
前記第2態様において、前記非接合部における前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに離間した状態であって、前記端子部は、前記表面シート部と前記裏面シート部とに被覆されず外部に露出される請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記非接合部に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とを離間可能に仮止めする仮止め部と、をさらに備える請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記センサ部材は、第1部材と、前記第1部材に積層配置されると共に、前記第1部材に積層された状態で前記長手方向に摺動可能な前記端子部を有する第2部材と、を備え、
前記第1態様において、前記第2部材は該吸収性物品における外縁よりも内側に配置されて、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、
前記第2態様において、前記第2部材は前記長手方向における外側に摺動して、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆されず外部に露出される請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
該吸収性物品の長手方向における一方の端部側の前記表面シート部及び前記裏面シート部には、該吸収性物品の幅方向に延びるように複数の切り込み部が間欠的に形成され、
前記表面シート部及び前記裏面シート部における前記複数の切り込み部から前記一方の端部までの端部領域は、該吸収性物品から分離可能であり、
前記第1態様において、前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに積層された状態であって、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、
前記第2態様において、前記端部領域は該吸収性物品から分離されて、前記端子部は、前記表面シート部と前記裏面シート部とに被覆されず外部に露出される請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記複数の切り込み部の前記長手方向における他端側には、前記複数の切り込み部と略平行に他の切り込み部が複数形成され、
前記複数の切り込み部と前記複数の他の切り込み部との間の領域は、該吸収性物品から分離可能である請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記複数の切り込み部は、前記表面シート部又は前記裏面シート部それぞれにおける平均剛性よりも高剛性である高剛性領域に形成される請求項5又は6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
該吸収性物品における外縁に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とを接合する接合部と、
前記外縁における前記長手方向の一端を含む領域に形成され前記表面シート部と前記裏面シート部とが接合されない非接合部と、を備え、
前記第1態様において、前記表面シート部及び前記裏面シート部は互いに積層された状態であって、前記端子部は、前記表面シート部及び前記裏面シート部により被覆され、
前記第2態様において、前記表面シート部及び前記裏面シート部における前記一端が前記長手方向における内側に移動され、前記端子部は、前記表面シート部と前記裏面シート部とに被覆されず外部に露出される請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記表面シート部及び/又は前記裏面シート部における前記一端側には、前記第1態様から前記第2態様へ変更させるための操作態様を指示する案内表示を備える請求項1から8のいずれかに記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−272051(P2008−272051A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116650(P2007−116650)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】