説明

吸収性物品

【課題】生理用ナプキン等の吸収性物品に、色のついた凹部を、肌触りを悪化させずにかつ着色剤が着用者の肌に直接触れないように施す。
【解決手段】液透過性シート、液不透過性シート、および該液透過性シートと該液不透過性シートの間に挟まれた吸収体を有する吸収性物品であって、該液透過性シートに凹部が設けられ、少なくとも該凹部が設けられた部分には該液透過性シートの裏面に接して着色層を有し、該凹部は凹部以外の部分とは異なる色に見えることを特徴とする。その凹部は、液透過性シートと着色層を重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施すことにより設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、吸収性物品に関する。特に、生理用ナプキン、オムツ等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品のサイドシートにデザインエンボスを施した例は知られている(特許文献1)。特許文献1に開示された発明は、皺やヨレが生じ難く、柔軟性の低下が少なくて肌触りがよく、ムレ難く、視認性の高いエンボス部を有し、また漏れ防止性の良好な吸収性物品を、シート材料に切れを生じることなく効率的に製造することを目的としている。しかし、特許文献1に開示されたエンボス部は、非エンボス部と同じ色であるため、必ずしも視認性が高いとは言えないものである。
【0003】
吸収性物品のサイドシートに図柄が印刷により形成されたものも知られている(特許文献2)。特許文献2に開示された発明は、図柄を印刷することにより、サイドシートの存在を着用者へ知らしめて防漏性の安心感を与えることを目的としているが、印刷インクが着用者の肌に実質的に接触しないようにするため、エンボスロールで凹部を形成すると同時にその凹部の底部にインクを転写する方法、着用者の肌に直接接触しない面すなわちサイドシートの裏面に図柄を印刷する方法、裏面シートに図柄を印刷する方法を開示している。
【0004】
【特許文献1】特開2006−110225号公報
【特許文献2】特開2006−181192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術においては、たとえ均一な状態でデザインエンボスが施せたとしても、被エンボス部の部材が白色であり、エンボス部もその光線透過率は異なるものの、視覚的には白色にもしくはそれに近い色味になる。したがって、着用者が吸収性物品を交換する時、トイレ内などの光の入らない暗い場所では、デザインを判別しにくい。また、エンボスを明瞭に見せるために考えられる方法としては熱・圧力・クリアランス等の製造条件での対処しかなく、その結果エンボス部が固くなって肌に当たった際に痛み・こすれなどの違和感につながるという課題があった。
【0006】
特許文献2に開示された、エンボスロールで凹部を形成すると同時にその凹部の底部にインクを転写する方法の場合は、凹部を形成する際にインクの染み出しが発生して受けロールに付着し、凹部以外にもインクが転写される可能性があるなど、工程が複雑で現実的ではない。また、凹部が安定的に形成されない、もしくは着用者の体圧によって凹部に配置されたインクが肌面に移る可能性がある。また、着用者の肌に直接接触しない面に図柄を印刷する方法や裏面シートに図柄を印刷する方法の場合は、サイドシートを透過して図柄を視認することになるため、図柄の視認性は必ずしも高いとは言えないという課題があった。
そもそも、生理用ナプキン着用においては、それに不慣れな若年者、もしくは短時間での交換を余儀なくされる女性などにおいては、経験不足や焦りなどから前後にもしくは斜めにズレるなど着用位置を誤って装着してしまうことが多く、それがモレや装着の違和感につながるという課題がある。また、吸収面に施すエンボスはモレ防止などの効果を狙って設けられることが多いが、入り方が安定せず、例えば浮きなどが発生している場合は、特に視覚的に十分な安心感が得られなかったり、良品感を損なうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の吸収性物品は、液透過性シート、液不透過性シート、および該液透過性シートと該液不透過性シートの間に挟まれた吸収体を有する吸収性物品であって、該液透過性シートに凹部が設けられ、少なくとも該凹部が設けられた部分には該液透過性シートの裏面に接して着色層を有し、該凹部は凹部以外の部分とは異なる色に見えることを特徴とする。
【0008】
本願発明の好ましい態様においては、凹部は、液透過性シート、着色層および吸収体を同時にエンボス加工することにより設けられたものであることを特徴とする。また、凹部は、液透過性シートと着色層を同時にエンボス加工することにより設けられたものであることを特徴とする。また、吸収性物品がさらに液透過性シートと吸収体の間に第二の液透過性シートを有し、凹部は、液透過性シート、着色層および第二の液透過性シートを同時にエンボス加工することにより設けられたものであることを特徴とする。また、凹部が圧搾条溝を形成していることを特徴とする。また、液透過性シートの光線透過率が70%以下であることを特徴とする。また、液透過性シートの厚みが3g/cm荷重下において0.2〜1.5mmであることを特徴とする。また、着色層が着色剤を含有するホットメルト樹脂からなることを特徴とする。また、着色層がホットメルト樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部の着色剤を含有することを特徴とする。
【0009】
本願発明の方法は、液透過性シート、液不透過性シート、該液透過性シートと該液不透過性シートの間に挟まれた吸収体、および該液透過性シートの吸収体側の面に着色層を有する吸収性物品を製造する方法であって、液透過性シートと着色層を重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施すことにより液透過性シートに凹部を設けることを特徴とする、凹部以外の部分とは異なる色に見える凹部が設けられた吸収性物品を製造する方法である。
【発明の効果】
【0010】
本願発明の吸収性物品は、色の違う凹部を有するので、凹部による図柄が明瞭に視認できるとともに、着色層が液透過性シートの下に配置されているので、着色層が肌面に直接触れない。
また、色の異なる液透過性シートと着色層にエンボス加工を施すことによって、エンボス加工により形成された凹部は液透過性シートと着色層の距離が近づき圧着されるので、凹部においては液透過性シート側から見て着色層の色が視認しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本願発明を、以下、図面を用いて説明するが、本願発明は図面に示されたものに限定されるものではない。
図1は本願発明の吸収性物品の1つの実施態様の平面図であり、図2はそのX−X′断面図である。
本願発明の吸収性物品1は、液透過性シート2、液不透過性シート3、および吸収体4から構成されている。吸収体4は、液透過性シートと液不透過性シートの間に挟まれている。液透過性シート2には、凹部6が設けられている。少なくとも凹部の設けられた部分には、液透過性シート2の裏面に接して、着色層5が設けられている。凹部6においては液透過性シート2と着色層5が圧着されているために、凹部と凹部以外の部分とは色が異なって見える。
【0012】
図1は、凹部によって圧搾条溝が形成された生理用ナプキンの例を示す。圧搾条溝は経血の横漏れを防ぎ、経血の吸収を促進する。圧搾条溝は、真ん中を囲ったり、股繰りに該当する部分はカーブがついていたりする。そのような圧搾条溝においては、着用者はたとえばもっとも吸収するであろう真ん中の囲まれた部分を排泄口に当てようとして着用する、またコア付近側部のカーブをショーツのクロッチのカーブに合わせて着用する。その際に、色をつけることにより目立ち度が上がった圧搾条溝であれば、不慣れな人や急いでいる場合、トイレ内などの暗所でも吸収面を瞬時に判断し、狙った位置に正しく着用することができ、結果として着用位置ズレによるモレや違和感を防ぐことができる。圧搾部が発色することにより囲み形状がより目立ち、今までエンボスの強さに頼っていた圧搾条溝の見え方を補強する。結果として、視覚的にもモレに対する不安が緩和されるという効果がある。
このような色のついた圧搾条溝は、凹部を液透過性シート、着色層および吸収体を同時にエンボス加工することにより設けることによって、形成することができる。
本願発明の吸収性物品1は、液透過性シート2と吸収体4の間に、第二の液透過性シートやクッション層が設けられていてもよい。
【0013】
図3は、液透過性シート面に凹部によって図柄を形成した生理用ナプキンの例を示す。図4および図5は、そのY−Y′断面図である。図3のように、液透過性シート2の吸収面の中央部に凹部6を設けることができる。このような凹部は、図4に示すように、液透過性シート2と着色層5を同時にエンボス加工することにより、または、図5に示すように、第二の液透過性シート7が存在する場合は液透過性シート2と着色層5と第二の液透過性シート7を同時にエンボス加工することにより設けることができる。液透過性シートの吸収面の中央部にエンボスを施す場合、そのエンボス部は特に陰唇や陰核と接触する可能性がある領域であるため、エンボス加工により硬化した部分がその敏感な部位に触れて異物感を与えやすい。本発明においては、着色層を有することにより、過度に熱や圧力を加えることなくエンボス加工を行っても、凹部の視認性を得られやすい。さらに、経血吸収領域に着色層が設けられているため、ショーツへのナプキン装着に不慣れな人であっても瞬時に吸収領域を視認できるため、正しい位置に装着できるほか、柄による経血を隠す効果により使用時の不快感も低減できる。図3のような花柄などの模様のほか、キルティング状、ドット状などの形状違いも考えられる。
【0014】
図6のように、圧搾条溝8と吸収面中央部の図柄9の両方を設けることもできる。この例は、液透過性シート、第二の液透過性シート、吸収体の順に重ねられており、液透過性シートと第二の液透過性シートの間に着色層を有している。この例のものは、まず、液透過性シートと着色層と第二の液透過性シートを同時にエンボス加工して、使用面の中央部に色のついた図柄の凹部を形成し、その後、液透過性シートと着色層と第二の液透過性シートと吸収体を同時にエンボス加工して、色のついた圧搾条溝を形成することにより、製造することができる。
【0015】
図7は、吸収体の存在しない場所に凹部を設けた例を示す。図8はそのZ−Z′断面図である。このような凹部6は、液透過性シート2と着色層5と液不透過性シート3を同時にエンボス加工することにより設けることができる。着色層と液不透過性シートの間に第二の液透過性シートが存在する場合は、液透過性シートと着色層と第二の液透過性シートを、または液透過性シートと着色層と第二の液透過性シートと液不透過性シートを、同時にエンボス加工することにより設けることができる。
【0016】
本願発明の吸収性物品は、生理用ナプキン、オムツ等として好ましく用いられる。生理用ナプキンやオムツとして用いるときは、液透過性シートの面が着用者の肌に触れるように着用する。
【0017】
吸収性物品の形状は、たとえば生理用ナプキンであれば、長方形、楕円型、瓢箪型、ショーツとのズレを防止するいわゆるウィングが搭載されている等、女性の身体及びショーツの形状に適合する形状であれば特に限定されない。外形の延べ寸法は、長手方向100〜500mmが好ましく、150〜350mmがより好ましい。また、短手方向は30〜200mmが好ましく、40〜180mmであることが好ましい。
【0018】
本願発明の吸収性物品を構成する液透過性シートは、経血、尿等の体内からの液状排泄物を、その下層に設けた吸収体へ通過させる機能を有するとともに、液不透過性シートとの間に吸収体を挟むことにより吸収体を保持するためのものである。液透過性シートは、その全部または一部が液透過性であり、液透過域は、多数の液透過孔が形成された樹脂フィルム、多数の網目を有するネット状シート、液透過性の不織布、または織布などで形成される。前記樹脂フィルムやネット状シートは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などで形成されたものを使用できる。また不織布としては、レーヨンなどのセルロース繊維、合成樹脂繊維などから形成されたスパンレース不織布、前記合成樹脂繊維で形成されたエアスルー不織布などを用いることができる。また、素材として、ポリ乳酸、キトサン、ポリアルギン酸などの生分解性が可能な天然物を用いることもできる。また、多数の液透過孔を形成すると共に、シリコーン系やフッ素系の撥水性油剤を塗布して、その外面に体液が付着しにくいものとしてもよい。
【0019】
液透過性シートの目付は15〜100g/mが好ましく、20〜50g/mがより好ましく、10〜40g/mが特に好ましい。目付が15g/m以下だと表面強度が十分に得られず、使用中に破けるおそれがある。また100g/m以上の場合、過度のごわつきが発現し、使用中に違和感を生じる。さらには、長時間使用の場合には、40g/mを超えてしまうと、液体を液透過性シートで保持してしまいベタベタした状態で維持され続け、不快に感じるようになってしまう。また、密度は0.12g/cm以下で液透過性であれば特には限定されない。密度がこれ以上の場合、液透過性シートの繊維間をスムーズに透過することが難しい。経血の場合、尿などにくらべ粘性が高いので密度が低いものが好ましい。
【0020】
液透過性シートの全部又は一部を構成する液透過性域が、多数の液透過性開孔が形成されたフィルム等である開孔フィルムである場合は、開孔径は0.05mm以上3mm以下の範囲内、ピッチは、0.2mm以上10mm以下の範囲内、開孔面積率は、3%以上30%以下の範囲内であることが好ましい。
【0021】
液透過性シートは、光線透過率が高すぎると、エンボスを施さない部分にも着色層が存在する場合、液透過性シート側から着色層の色が透けて見えてしまい、凹部の色味が濃く見えてもあまり目立たなくなってしまうおそれがある。したがって、液透過性シートはその光線透過率が70%以下であることが好ましく、より好ましくは30%〜65%である。液透過性シートは白色である必要はなく、凹部が見た目に異なった色として視認されるならば白色以外でもよい。好ましい光線透過率の液透過性シートは、たとえば、液透過性シートに着色剤を混合することにより得ることができる。例としてサイドシートを白色のままで光線透過率を下げるのを目的とするのであれば、酸化チタンを用い、その配合量を繊維全体に対して0.1〜50質量%、好ましくは1〜10質量%とする。また、液透過性シートの光線透過率を下げる方法として、不織布を構成する繊維の径を小さくするといった方法も挙げられる。この場合は、繊維の太さの適正範囲は6.6dtex以下、好ましくは0.1〜3.3dtexである。
【0022】
液透過性シートの厚み(嵩)は、液透過性シートが不織布の場合、同じ目付けの資材でもエンボスなどにより嵩がなくなっていると、非エンボス部から色が透けて見えやすい。また、圧縮されるとホットメルトが含浸する可能性もあるので、液透過性シートとして用いる資材にはある程度の厚み・嵩が必要になる。液透過性シートの厚みは、好ましくは3g/cm荷重下において0.2mm以上、より好ましくは0.3〜1.5mmである。
【0023】
液透過性シートとして、開孔された不織布材料や開孔フィルムを用いてもよい。その場合は、もともとの開孔部からは着色層の色味が直接見え、非開孔部は色味が透けて見える。そして、さらにエンボス加工を施すと、エンボス部は色濃く発色するという3種類の状態が得られ、開孔の孔部分も柄のように見ることができる。開孔されたシートはリブ部の形成により嵩が高くなる傾向にあるため、前述したように着色層からの距離を保つのにも有効である。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体とした液不透過性のフィルムを用いる場合、それ自体の光線透過率は低いが厚みが無い。しかし、フィルムをたくらせたものを着色層と接着する、もしくはギア加工などを施すことにより着色層からの距離をとることによって非凹部における着色層の色の透けを緩和することが出来る。
【0024】
本願発明の吸収性物品は、液透過性シートと吸収体の間に、さらに第二の液透過性シートが設けられていてもよい。第二の液透過性シートは、前記液透過性シートと類似の素材(たとえば不織布)のものであって、前記液透過性シートよりも若干密度の高いものが用いられ、液はけ性を改善したり、液戻りしにくくするために、設けることができる。
本願発明の吸収性物品は、液透過性シート2と吸収体4の間または第二の液透過性シート2と吸収体4の間に、さらにクッション層が設けられていてもよい。
【0025】
本願発明の吸収性物品を構成する液不透過性シートは、吸収体に吸収された経血、尿等の液体が外へ漏れ出すのを防止する機能を有するものであり、そのような液体が外へ漏れ出すのを防止できる材料が使用される。また、液体は通さないが通気性のある素材とすることにより、着用時のムレを低減させることができ、着用時における不快感を低減させることが可能となる。このような材料としては、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を主体とした液不透過性フィルム、通気性フィルム、スパンボンドなどの不織布の片面に液不透過性フィルムをラミネートした複合シートなどが挙げられる。好ましくは、疎水性の不織布、不透水性のプラスティックフィルム、不織布と不透水性プラスティックフィルムとのラミネートシート等を用いることができる。また、耐水性の高いメルトブローン不織布を強度の強いスパンボンド不織布で挟んだSMS不織布でもよい。
【0026】
本願発明の吸収性物品を構成する吸収体は、経血、尿等の液体を吸収して保持する機能を有するもので、嵩高であり、型崩れし難く、化学的刺激が少ないものであることが好ましい。たとえば、フラッフ状パルプもしくはエアレイド不織布と高吸収性ポリマーとからなる吸収体を例示できる。フラッフ状パルプの代わりに、たとえば、化学パルプ、セルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維を例示できる。パルプは目付500g/m、ポリマーは目付20g/m(ポリマーは全体に分散している)で、パルプとポリマーが全体に均一に分布した混合体を、目付け15g/mのティッシュで包んだものが挙げられる。エアレイド不織布としては、たとえば、パルプと合成繊維とを熱融着させまたはバインダーで固着させた不織布を例示できる。高吸収性ポリマー(SAP)は、水溶性高分子が適度に架橋された三次元網目構造を有するもので、数百倍〜千倍の水を吸収するが本質的に水不溶性であり、一旦吸収された水は多少の圧力を加えても離水しないものであり、たとえば、デンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系の粒子状または繊維状のポリマーを例示できる。吸収体の形状および構造は必要に応じて変えることができるが、吸収体の全吸収量は、吸収性物品としての設計挿入量および所望の用途に対応させる必要がある。また、吸収体のサイズや吸収能力等は用途に対応して変動される。
【0027】
本願発明の吸収性物品を構成する着色層は少なくとも凹部の設けられた部分には配置されている必要があるが、着色層が配置される範囲は、液透過性シートの全体でもよいし、一部でもよいし、またグラデーション的に配置されてもよい。
【0028】
着色層は、液透過性シートと異なる色である必要がある。この色味は心理的効果も考慮するなどして選択するが、何色でも良い。着色層を構成する材料としては、インク、塗料、着色剤を含有する樹脂(着色樹脂)、着色剤を練りこんだ不織布もしくは着色剤を表面にコーティングした不織布(着色不織布)、着色剤を練り込んだフィルムもしくは着色剤を表面にコーティングしたフィルム(着色フィルム)など、色のついた材料であれば特に限定されないが、好ましくは着色剤を含有するホットメルト樹脂である。また、着色剤を含有するホットメルト樹脂をフィルムまたはシート状に成形したものも、着色層として使用できる。着色層として着色剤を含有するホットメルト樹脂を用いた場合は、液透過性シートから熱エンボス加工を施した場合、圧着時にかかる熱により着色層を構成するホットメルト樹脂が溶融し、液透過性シートに染み込み固定されるため、エンボス部はその周辺部位と比較して色が濃く見える。着色層として着色不織布や着色フィルムを用いた場合は、着色剤を含有するホットメルト樹脂を用いた場合と異なり、熱によりホットメルト樹脂が溶融して液透過性シートに染み込み固定されるわけではないが、エンボスを施すことによってある程度厚みのある液透過性シートと着色層を接合し、凹部においてはその距離を近づけ固定するため凹部の液透過性シート側から見た着色層の色調は非凹部よりも見えやすくなる。この際、液透過性シートと着色層との圧着状態を保つために、間にホットメルト樹脂を塗工してもよい。着色された不織布は、たとえば、顔料等からなる着色剤を合成繊維を構成する樹脂に予め練り込んでおき、この樹脂から繊維を紡糸することで着色された繊維を得、その繊維を不織布化することで得ることができる。また、着色されたフィルムも、同様に、顔料等からなる着色剤をフィルムを構成する樹脂に予め練り込んでおき、この樹脂を用いてシート化することにより得られる。
【0029】
着色剤としては、染料および顔料のいずれも使用できる。染料としてはC.Iダイレクトブルーなどに代表される直接染料、C.Iリアクティブブルーなどに代表される反応染料、青色1号などに代表される酸性染料などが挙げられる。顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれも使用でき、有機顔料としては赤色404号などを例示することができる。
【0030】
着色層が着色剤を含有するホットメルト樹脂の場合、着色剤の含有量は、ホットメルト樹脂100質量部に対し0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。着色剤の含有量が少なすぎると、凹部の色が薄く、図柄が不鮮明になり、逆に着色剤の含有量が多すぎると、凹部以外の部分の色も濃くなり、図柄が不鮮明になる。
【0031】
液透過性シートの光線透過率が高い場合は、凹部以外からも着色層の色が透けて見えてしまう。また、着色層の着色剤混合率が低い場合は凹部とその周辺の色調が大差ないため本来の目的を達成しない。ここで重要となるのが、凹部・非凹部の色調の違い(色差)である。色調の違いを感じる非凹部と凹部の色差の範囲はΔE=6以上、好ましくはΔE=6〜ΔE=10である。なお、色差は、色彩計((株)ミノルタ社製)を用い、色差ベースを液透過性シートと着色層をあわせたもので測定し、その後液透過性シートを取り除き着色層のみを測定することにより、色差値ΔEを測定することができる。ここで色差を表すΔEについて説明すると、L*a*b*表色系は、物体の色を表わすのに、現在あらゆる分野で広く使用されている表色系である1976年に国際照明委員会(CIE)で規格化されたものである。L*a*b*表色系では、明度をL*、色相と彩度を示す色度をa*、b*で表わす。a*は赤方向、−a*は緑方向、そしてb*は黄方向、−b*は青方向というように、色の方向を示しており、数値が大きくなるに従って色あざやかになる。L*a*b*表色系の場合、ΔE*abの数値で色差を表わし、二つの色の色差を一つの数値で表わすことができる。計算式は、ΔE*ab=〔(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2〕1/2となる。
【0032】
着色層に対し、色差による見え方を重視するのであれば、液透過性シートは白色であってもよいが、白色である必要は無い。たとえば、着色層の色に対し、液透過性シートには色相で反対となる色を用いることによって、前述のコントラストを大きくすることもできる。また、このように異なった色味のものを用いることにより、凹部ではその2色が混合され、第3の色として発色する。たとえば、液透過性シートが赤で、着色層が青の場合は、凹部は紫に発色する。
【0033】
本願発明の吸収性物品は、液透過性シートと着色層を重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施すことにより液透過性シートに凹部を設けることにより製造することができる。この場合、液不透過性シート、吸収体、着色層、および液透過性シートをこの順に重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施してもよいし、あるいは吸収体、着色層、および液透過性シートをこの順に重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施し、その後液不透過性シートの上にエンボス加工を施した吸収体および液透過性シートを重ねてもよいし、あるいは液透過性シートと着色層を重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施し、その後液不透過性シート、吸収体およびエンボス加工を施した液透過性シートをこの順にかつ着色層が吸収体と液透過性シートの間に来るように重ねてもよい。すなわち、液不透過性シートおよび/または吸収体は、エンボス加工を施す前に着色層および液透過性シートと重ねてもよいし、エンボス加工を施した後に着色層および液透過性シートと重ねてもよい。
【0034】
着色層は、あらかじめ、液透過性シートの少なくとも凹部が設けられる予定の部分に設けておいてもよい。この場合は、あらかじめ着色層が設けられた液透過性シートを、それ単独で、または液透過性シートの着色層が設けられた側の面を吸収体の方に向けて吸収体に重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施す。
また、着色層は、あらかじめ、吸収体の少なくとも凹部が設けられる予定の部分に設けておいてもよい。この場合は、吸収体の着色層が設けられた面の上に液透過性シートを重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施す。
また、あらかじめ液透過性シートと着色層が積層された2層シートを用意しておき、その2層シートを単独で、またはその2層シートを着色層側の面を吸収体の方に向けて吸収体に重ね、液透過性シート側からエンボス加工を施してもよい。
また、液透過性シートにエンボス加工を施して凹部を形成した後、液透過性シートの裏面に着色層を配置し、その下に吸収体および液不透過性シートを配置することもできる。この場合は、液透過性シートに設けた凹部の部分が凹部以外の部分より薄くなり、その下に配置した着色層がより透けて見えるので、凹部は凹部以外の部分とは異なる色に見える。
好ましくは、着色層として着色剤を含有するホットメルト樹脂を用い、液透過性シートの少なくとも凹部が設けられる予定の部分にあらかじめ着色層を塗工し、着色層を塗工した液透過性シートを、液透過性シートの着色層が設けられた側の面を吸収体の方に向けて、吸収体に重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施す。
【0035】
着色剤を含有するホットメルト樹脂を用いる場合、その塗工パターンとデザインエンボスの組み合わせによって、新たなデザインとして見せることができる。着色剤を含有するホットメルト樹脂を液透過性シートに塗工する方法には、スロットコーターによるベタのパターン(抜き部無し)、スロットコーターによる抜き部ありのパターン(ストライプ状)、コントロールシームによる塗工(波状)、スパイラルによる塗工、ロールコーターによるデザイン塗工等がある。
【0036】
ベタでエンボスを押してもよいし、中抜きでエンボスしてもよい。着用者へのメッセージをエンボスで形成してもよい。ホットメルト樹脂の塗工方法の違いでエンボス部パターンの見え方が異なる。同じエンボス形状でホットメルト樹脂の塗工パターンを変更し、そのホットメルト樹脂の塗工パターンの形状をデザインとして活かし、エンボスのデザインと組み合わせることにより新たなデザインとして視認させることもできる。
【0037】
ベタの塗工パターンの場合は、ホットメルト樹脂の非塗工部分がないため、べタ押しのパターン、細い線でのデザインのどちらにも適している。また、製品長手方向に延びるデザインにも対応できる。また、矢印等、前後がはっきりとわかるデザインを用いることにより、前後を取り違えて着用することを防ぐ目印を付けたり、文字を浮き上がらせることもできる。
【0038】
スロットコーターによる塗工パターンの場合は、比較的広い面積を一度に圧着するようなデザインが適している。ベタ押しパターン、面積は小さくなるが柄を斜めに配置したパターンが挙げられる。また、サイドを際立たせてモレを防ぐイメージを使用者に与える、もしくは吸収中心部分を広く見せるなどといった見せ方も出来る。この塗工方法においては、抜き部分が存在するため貼りあわせ時の硬さは緩和される。また、製品長手方向に伸びるデザインは、非塗工部も長手方向に伸びているためエンボス部との位置関係が難しいためあまり適していない。
【0039】
コントロールシームによる塗工の場合は、波形状となるため、スロットコーターによる塗工パターンの場合と同様のデザインが適している。
【0040】
スパイラルによる塗工の場合は、ベタ同様まんべんなく塗工されるため、ベタの塗工パターンの場合と同様のデザインが適している。非塗工部があり、ベタと比較して色が薄く出るが、硬くならないという利点がある。
【0041】
ロールコーターによるデザイン塗工の場合は、ロールコーターはそれ自体でデザインされたホットメルト樹脂を転写できるので、長手方向に伸びる線形など、エンボスでは資材が切れやすくなってしまうデザインやエンボスによるデザインとの組み合わせで立体感を出す工夫が出来る。
【0042】
凹部を設ける方法は、通常、エンボス加工が用いられ、好ましくは熱エンボス加工である。それぞれ色調の異なる液透過性シートと着色層に対し、同時に熱エンボス加工を施すことにより、エンボス加工により形成された凹部では液透過性シート側から見て着色層との距離が近づくため、非凹部と比較した際、着色層の色が視認しやすくなる。着色層が着色されたホットメルト樹脂である場合は、エンボス時の熱でホットメルト樹脂が溶融し、液透過性シート側に染み込み、圧力で固定されるため、特に好ましい。着色された不織布やフィルムを用いた場合は、ホットメルト樹脂を用いた場合と異なり、熱によりホットメルト樹脂が溶融して液透過性シート側に染み込み固定されるわけではないが、同時にエンボスを施すことによってある程度厚みのある液透過性シートと着色層を接合し、その距離を近づけるので凹部の着色層の色調は非凹部よりも見えやすくなる。また、着色せずにエンボス加工のみによって図柄を施す場合と比較して、エンボス加工の条件(温度、圧力、クリアランス)を緩和することができ、その結果、エンボス部とその周辺が硬くなりすぎることを防止できるので、着用中のこすれによる痛みや違和感を低減でき、肌触りがよい。
【0043】
エンボス加工は、慣用の装置を用いて行うことができる。たとえば、所望の図柄の凸部を設けたエンボスロールを用いて、エンボス加工を施す。このエンボス加工により、図柄を施すと同時に、吸収性物品を構成する複数の部材を接合し、一体化してもよい。たとえば、エンボス加工により、液透過性シートに凹部を設けると同時に、液透過性シートと着色層と液透過性シートとを接合し、かつ液透過性シートと吸収体とを接合し、または液透過性シートと液不透過性シートとを接合してもよい。着色層として着色剤を含有するホットメルト樹脂を使用するときは、エンボス加工は熱エンボス加工であることが好ましく、その熱エンボス加工により、液透過性シートと吸収体とを、着色層を介して接着させることができる。また、液透過性シートの全面に着色剤を含有するホットメルト樹脂を塗工したものや、液透過性シートと着色剤を含有するホットメルト樹脂とが積層された2層シートを用いた場合は、熱エンボス加工により、液透過性シートと吸収体とを、着色層を介して接着させるとともに、液透過性シートと液不透過性シートとを接着させることができる。
【0044】
本願発明の吸収性物品は、生理用ナプキン、オムツ等として使用することができる。本願発明の吸収性物品は、色のついた凹部が設けられているので、情緒的価値を提供することができ、特に、吸収性物品が生理用ナプキンであるときは、生理中の憂鬱な気分を和らげる効果がある。さらに、経血吸収領域に着色された図柄を設けているため、安定して正しい位置に装着することができる。
【実施例】
【0045】
[実施例1]
図1の正面図および図2の断面図で示される生理用ナプキンを次のように製造した。
【0046】
液透過性シートの凹部を設ける予定の箇所に着色層を塗工した。着色層は、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体をベースポリマーとするホットメルト樹脂100質量部に着色剤となる青色404号を1質量部混合したものを用いた。
【0047】
吸収体4、着色層を設けた液透過性シート2を、図2に示す順に、積み重ねた。この際、液透過性シート2の着色層5が設けられた側の面を吸収体4の方に向けて重ねた。なお、各部材の間には、必要な箇所に、ホットメルト樹脂(接着剤)を塗工した。
以上のように重ねて得られた積層体を、熱エンボスロールを用いて、熱エンボス加工し、着色層が存在する部分に凹部を設け、その後、液不透過性シート3を重ね、積層体を一体化し、図1に示す形状に裁断し、生理用ナプキンを得た。
得られた生理用ナプキンは、凹部が青色であり、凹部以外の部分は白色であり、凹部により圧搾条溝が設けられたものであった。
【0048】
[実施例2]
種々の素材の液透過性シートについて、厚み、色差(着色層を重ねたとき色が透けて見える度合いの差)および全光線透過率を評価した。
用意した資材は、エアスルー不織布(AT)、スパンボンド(PPSB)、フィルム(素材:ポリエチレン、厚み約30μm)、および開孔フィルム(PFW)(素材:低密度ポリエチレン、厚み約0.45mm、開孔率約30%)であり、エアスルー不織布としては、繊維径2.2dtex、目付27のものを経時により回復させ嵩を出したもの(AT1)、繊維径1.6dtex、目付27のもの(AT2)、繊維径1.6dtex、目付30のもの(AT3)、繊維径2.2dtex、目付25のもの(AT4)、繊維径2.2dtex、目付30のもの(AT5)の5種類を用意した。
【0049】
厚みは、(株)ピーコック社製の厚み計を用いて、荷重3g/cmで測定した。
色差は、青色に着色されたホットメルト樹脂(HMA)に各資材を重ね、(株)ミノルタ社製の色彩計を用いて資材側から測定した。このときの色差ベースはホットメルト樹脂単体とした。色差の値が大きいほど液透過性シートと着色層の色調の差が大きい、つまり凹部は図柄として認識されやすくなる。
全光線透過率TT(%)は、日本電色工業株式会社製の濁度計NDH−300Aを用いて測定した。この全光線透過率は、光線が資材を透過する量を割合で表したもので、この値が高いほど光を透過しやすい、つまり液透過性シートから見て着色層の色を視認しやすい。
【0050】
測定結果を表1に示す。
表1中、ΔE値の見方は次のとおりである。
0〜0.5 色調の違いがほとんど感じられない
0.5〜1.5 色調の違いがわずかに感じられる
1.5〜3.0 色調の違いがかなり感じられる
3.0〜6.0 色調の違いが目立って感じられる
6.0〜12 色調の違いが大きい
12以上 色調の違いが非常に大きい
【0051】
【表1】

【0052】
表1に示す結果によると、同じ目付けの資材でも、嵩のあるエアスルー不織布(AT4)とエンボスで厚みを抑えているスパンボンド(PPSB)を比較すると、液透過性シートの下に着色層を置いた場合の色差が大きく違っており(色調の違いがかなり感じられる範囲)、エンボスにより厚みが小さくなっているスパンボンドはΔE値が低く、着色層の色味が透けやすい。同じ目付けであるが厚みの異なるエアスルー不織布(AT3とAT5)で比較すると、厚みは小さいが繊維径の小さいAT3は着色層の色が視認しにくくなる頃向がある。
非エンボス部の透け方に問題が無いレベルとしての範囲の厚みは、エアスルー不織布の場合、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3〜1.5mmである。
全光線透過率は、色の視認度合いの結果と総合して判断すると、色が透けて見えてしまうPPSBの全光線透過率86%は、液透過性シートとしてあまり好ましいとはいえないことが分かる。エアスルー不織布5種類で比較したところ、全光線透過率は好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下である。
【0053】
[実施例3]
着色剤を混合したホットメルト樹脂を用いてエンボスサンプルを作成し、凹部の色の見え方の確認を行った。ホットメルト樹脂としては、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体をベースポリマーとするホットメルト樹脂を使用し、着色剤としては青色404号を使用し、5種類の着色剤混合率(ホットメルト樹脂100質量部に対する着色剤の質量部)の異なる着色ホットメルト樹脂を用意し、さらに塗工目付けを変えて色味を異ならせたサンプルを用意した。それにエアスルー不織布(PET/PE、27gsm、繊維重量に対し酸化チタンを2%配合)を重ね、エンボスを施した。エンボス部の色味と非エンボス部の色味の差を比較し、エンボス部の色味と非エンボス部の透け具合を総合して評価した。
O・・・色味の差がよくわかり、それ程透けて見えない
△・・・色味の差があまりわからない
×・・・色味の差がほとんどわからない(エンボス部が濃くならない、または非エンボス部が濃すぎる)
【0054】
【表2】

【0055】
エンボス部・非エンボス部の色差(コントラスト)と、非エンボス部における液透過性シートから着色層の色味の透け具合を総合しての評価では、5%以下の混合率では、10gsm以上の高目付け塗工をしないと色味の差が見えてこない。しかし、高目付け塗工をすると、セーラーで資材を折る際に染み出しを起こしセーラーにホットメルト樹脂が溜まる、もしくはエンボスを施す際にホットメルト樹脂が熱により溶け出し、圧力によって染み出すため、結果としてエンボスロールヘ資材が巻きつく等の問題が発生する。よって、10gsm以下で塗工でき、かつ色調のコントラストによりエンボス部が明瞭に認識できる、好ましい着色剤の混合率の範囲は、0.1%以上、好ましくは0.1〜10%である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本願発明の吸収性物品の1つの実施態様の平面図である。
【図2】本願発明の吸収性物品の1つの実施態様の断面図である。
【図3】本願発明の吸収性物品の別の実施態様の平面図である。
【図4】本願発明の吸収性物品の別の実施態様の断面図である。
【図5】本願発明の吸収性物品の別の実施態様の断面図である。
【図6】本願発明の吸収性物品の別の実施態様の平面図である。
【図7】本願発明の吸収性物品の別の実施態様の平面図である。
【図8】本願発明の吸収性物品の別の実施態様の断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 吸収性物品
2 液透過性シート
3 液不透過性シート
4 吸収体
5 着色層
6 凹部
7 第二の液透過性シート
8 圧搾条溝
9 図柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性シート、液不透過性シート、および該液透過性シートと該液不透過性シートの間に挟まれた吸収体を有する吸収性物品であって、該液透過性シートに凹部が設けられ、少なくとも該凹部が設けられた部分には該液透過性シートの裏面に接して着色層を有し、該凹部は凹部以外の部分とは異なる色に見えることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
該凹部は、該液透過性シート、該着色層および該吸収体を同時にエンボス加工することにより設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
該凹部は、該液透過性シートと該着色層を同時にエンボス加工することにより設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
該吸収性物品がさらに該液透過性シートと該吸収体の間に第二の液透過性シートを有し、該凹部は、該液透過性シート、該着色層および該第二の液透過性シートを同時にエンボス加工することにより設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
該凹部が圧搾条溝を形成していることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項6】
該液透過性シートの光線透過率が70%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
該液透過性シートの厚みが3g/cm荷重下において0.2〜1.5mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
該着色層が着色剤を含有するホットメルト樹脂からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
該着色層が該ホットメルト樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部の着色剤を含有することを特徴とする請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
液透過性シート、液不透過性シート、該液透過性シートと該液不透過性シートの間に挟まれた吸収体、および該液透過性シートの吸収体側の面に着色層を有する吸収性物品を製造する方法であって、液透過性シートと着色層を重ね、液透過性シート側から着色層の存在する領域内にエンボス加工を施すことにより液透過性シートに凹部を設けることを特徴とする、凹部以外の部分とは異なる色に見える凹部が設けられた吸収性物品を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−207684(P2009−207684A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53666(P2008−53666)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】