吸収性物品
【課題】下着に装着される際に、上層の表面層と着用者の体との間に生じる隙間を小さくする。
【解決手段】本発明に係る吸収性物品1は、本体層10と上層20とを具備し、上層20は、接合領域20Aと接合領域20Cと非接合領域20Bとを有しており、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、非接合領域20Bは、接合領域20Aと接合領域20Cとの間に配置され、非接合領域20B内の第1領域20B1内の剛性は、非接合領域20B内の第2領域20B2内の剛性よりも低くなるように構成されており、長手方向Lにおいて、接合領域20Aと第1領域20B1と第2領域20B2とが隣接して配置され、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【解決手段】本発明に係る吸収性物品1は、本体層10と上層20とを具備し、上層20は、接合領域20Aと接合領域20Cと非接合領域20Bとを有しており、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、非接合領域20Bは、接合領域20Aと接合領域20Cとの間に配置され、非接合領域20B内の第1領域20B1内の剛性は、非接合領域20B内の第2領域20B2内の剛性よりも低くなるように構成されており、長手方向Lにおいて、接合領域20Aと第1領域20B1と第2領域20B2とが隣接して配置され、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着用者の体とのフィット性を高めることを目的として、本体層及び上層の2層構造を有する吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平10-504486号公報
【特許文献2】特開平9-313529号公報
【特許文献3】特開2008-161366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、出願人は、上述の吸収体物品について、以下のような問題点を発見した。
【0005】
かかる吸収性物品が下着に装着される際に、本体層が下着のラインに沿って変形にするために、上層において歪が生じ、かかる歪によって上層の表面層と着用者の体との間に体液の漏れにつながる隙間が生じてしまうという問題点がある。
【0006】
特に、個別に包装されるように構成されている吸収性物品では、上述の歪が、折り線の位置周辺に集約されるため、上層の表面層と着用者の体との間に、より大きな隙間が生じてしまうという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、下着に装着される際に、上層の表面層と着用者の体との間に生じる隙間を小さくすることができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴は、幅方向の複数の折り線部に沿って折られることによって個別に包装されるように構成されている吸収性物品であって、表面シートと、裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に配置される吸収層とを有する本体層と、前記本体層よりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、該吸収性物品の幅方向の中央領域に配置される上層とを具備し、前記上層は、前記本体層と接合される2つの接合領域と、該本体層と接合されない非接合領域とを有しており、前記吸収性物品の長手方向において、前記非接合領域は、前記接合領域の間に配置されており、前記非接合領域内の第1領域内の剛性は、該非接合領域内の第2領域内の剛性よりも低くなるように構成されており、前記長手方向において、前記接合領域と前記第1領域と前記第2領域とが隣接して配置されており、前記第1領域は、前記吸収性物品における排泄口当接領域の前記長手方向の中心線と前記複数の折り線部のうち前記長手方向の最も後方に位置する折り線部との間に配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、下着に装着される際に、上層の表面層と着用者の体との間に生じる隙間を小さくすることができる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品が下着に着用される際の様子を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品のa-a断面図及びb-b断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の外観図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品に対して行った実験方法について説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の作用・効果を説明するための図である。
【図8】本発明の変更例1に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図9】本発明の変更例2に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図10】本発明の変更例2に係る吸収性物品の外観図である。
【図11】本発明の変更例3に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図12】本発明の変更例4に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の第1の実施形態)
図1乃至図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品1について説明する。例えば、本実施形態に係る吸収性物品1は、紙おむつや失禁パッドや生理用ナプキン等である。
【0012】
図1に示すように、吸収性物品1は、排泄口当接領域Aと、後方領域Bと、前方領域Cとによって構成されている。
【0013】
後方領域Bは、排泄口当接領域Aに対して吸収性物品1の長手方向Lの後方側に配置されており、前方領域Cは、排泄口当接領域Aに対して吸収性物品1の長手方向Lの前方側に配置されている。
【0014】
なお、排泄口当接領域Aは、吸収性物品1において着用者の膣口に当接する領域であり、例えば、図2に示すように、着用者の下着に吸収性物品1が着用される際に、下着の2つの足回り開口の間に配置される領域である。
【0015】
また、吸収性物品1は、排泄口当接領域Aにおいて、幅方向Wの両外側に延出するように形成されている1対の中央ウィング部40を有しており、後方領域Bにおいて、幅方向Wの外側に延出するように形成されている後方ウィング部41を有している。
【0016】
ここで、着用者は、吸収性物品1を下着に着用する際に、中央ウィング部40を下着に巻き込んで、吸収性物品1を下着に固定する。また、着用者は、吸収性物品1を下着に着用する際に、後方ウィング部41を下着の後ろ身ごろに開いた状態で固定する。
【0017】
また、吸収性物品1において、幅方向Wの中心を通る長手方向Lの線Oと中央ウィング部40の長手方向Lの中心を通る幅方向Wの線(a-a)との交点Qを「排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心」とし、交点Qから長手方向Lの後方に40mm離れた箇所と長手方向Lの後方端部との間の領域を「後方領域B」とし、交点Qから長手方向Lの前方に40mm離れた箇所と長手方向Lの前方端部との間の領域を「前方領域C」としてもよい。
【0018】
ここで、中央ウィング部40が設けられていない吸収性物品1において、圧搾溝14Aが、長手方向Lに沿って幅方向Wの内側に湾曲するように配置されている場合には、両圧搾溝14Aにおいて最も幅方向Wの内側に位置する箇所同士を結ぶ線を、上述の線(a-a)としてもよい。
【0019】
或いは、中央ウィング部40が設けられていない吸収性物品1において、圧搾溝14Aが、長手方向Lに沿って幅方向Wの外側に湾曲するように配置されている場合には、両圧搾溝14Aにおいて最も幅方向Wの外側に位置する箇所同士を結ぶ線を、上述の線(a-a)としてもよい。
【0020】
また、吸収性物品1は、幅方向Wの複数の折り線(折り線部)に沿って折られることによって個別に包装されるように構成されている。本実施形態では、図1に示すように、吸収性物品1は、3本の折り線X1乃至X3によって内側に4つに折られることによって個別に包装されるように構成されている。
【0021】
本実施形態の吸収性物品1は、図3(a)及び図3(b)に示すように、本体層10と上層20とを有している。
【0022】
ここで、本体層10は、表面シート12と、裏面シート13と、表面シート12と裏面シート13との間に配置される吸収層11とを有している。
【0023】
表面シート12は、本体層10において、吸収性物品1の肌当接面側に設けられている液透過性のシートであり、裏面シート13は、本体層10において、吸収性物品1の肌非当接面側に設けられている液不透過性のシートである。
【0024】
なお、表面シート12、裏面シート13及び吸収層11としては、一般的な材料を用いることができる。例えば、表面シート12は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。裏面シート13は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体としたフィルム、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。吸収層11は、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によって積層して形成されてもよいし、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシートでもよい。
【0025】
吸収層11は、尿や経血等の体液を吸収するように構成されており、吸収性物品1における排泄口当接領域Aと後方領域Bと前方領域Cとに渡って配置されている。
【0026】
なお、図3(a)及び図3(b)に示すように、表面シート12と吸収層11とは、長手方向Lに延びる圧搾溝14A、14Bによって接合されている。
【0027】
また、本実施形態の吸収性物品1において、上層20は、本体層10とは別体であり、図3(a)及び図3(b)に示すように、本体層10よりも吸収性物品1の肌当接面側で、かつ、吸収性物品1の幅方向Wの中央領域に配置されている。また、図1に示すように、上層20は、吸収性物品1の長手方向Lの製品全長に渡って配置されている。
【0028】
図3(a)及び図3(b)に示すように、上層20は、吸収体21と、液透過性シート22とを有している。なお、吸収体21としては、吸収層11と同様の材料を用いることができ、液透過性シート22としては、表面シート12と同様の材料を用いることができきる。
【0029】
また、図1に示すように、上層20は、本体層10と接合される2つの接合領域20A、20Cと、本体層10と接合されない非接合領域20Bとを有している。例えば、上層20の接合領域20A、20Cは、ホットメルト接着剤(HMA)や圧搾部(エンボス)等によって本体層10に接合されている。
【0030】
ここで、接合領域20Aは、吸収性物品1の前方端部と幅方向Wの境界線Y1との間の領域であり、接合領域20Cは、吸収性物品1の後方端部と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、非接合領域20Bは、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y3との間の領域である。具体的には、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、非接合領域20Bは、接合領域20Aと接合領域20Cとの間に配置されている。
【0031】
また、非接合領域20Bには、第1領域20B1及び第2領域20B2が設けられている。すなわち、第1領域20B1は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y2との間の領域であり、第2領域20B2は、幅方向Wの境界線Y2と幅方向Wの境界線Y3との間の領域である。
【0032】
具体的には、図1に示すように、長手方向Lにおいて、接合領域20Aと第1領域20B1と第2領域20B2と接合領域20Cとが隣接して配置されている。
【0033】
ここで、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0034】
特に、第1領域20B1は、複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lにおける中央ウィング部40の中心線a-aに最も近い折り線X2に重なるように配置されていてもよい。
【0035】
非接合領域20B内の第1領域20B1内の剛性は、非接合領域20B内の第2領域20B2内の剛性よりも低くなるように構成されている。また、非接合領域20B内の第1領域20B1は、非接合領域20B内の第2領域20B2よりも薄くなるように構成されている。
【0036】
例えば、吸収性物品1において、接合領域20A及び第1領域20B1には、図3(a)に示すように、吸収体21が設けられず、第2領域20B2には、図3(b)に示すように、吸収体21が設けられるように構成されている。
【0037】
具体的には、図3(a)に示すように、接合領域20A及び上層20の第1領域20B1では、3つに折り畳まれた液透過性シート22内部に、吸収体21が配置されていない。例えば、上層20の第1領域20B1では、液透過性シート22は、3つに折り畳まれており、3つに折り畳まれた液透過性シート22の領域同士は、ホットメルト接着剤によって接合されている。
【0038】
一方、図3(b)に示すように、上層20の第2領域20B2では、3つに折り畳まれた液透過性シート22内部に、吸収体21が配置されている。例えば、上層20の第2領域20B2では、液透過性シート22の幅方向Wの端部を含む領域の両方を、幅方向Wの中心線側かつ本体層10側に折り畳むことによって、液透過性シート22が吸収体21全体を包むように構成されていてもよい。
【0039】
また、吸収性物品1の幅方向Wにおいて、吸収層11は、吸収体21よりも長くなるように構成されている。また、吸収体21に対して、着色処理や模様印刷処理が施されていてもよい。
【0040】
また、第1領域20B1には、吸収性物品1の幅方向Wに延びる略線状の圧搾部100が設けられていてもよい。圧搾部100が設けられることにより、上層20がさらに容易に屈曲し得る。
【0041】
図4に示すように、吸収性物品1が下着に装着される際に、上述の第1領域(スライド部)20B1が、接合領域20Aの境界線Y1、及び第2領域20B2との境界線Y2で長手方向Lの前方に向かって屈曲するように構成されている。その結果、吸収体21が配置されている第2領域20B2を、着用者の肌に密着させることができる。
【0042】
ここで、第1領域20B1が屈曲する場合の「第2領域20B2と第1領域20B1との剛性比(第2領域20B2の剛性/第1領域20B1の剛性)」及び「第2領域20B2と第1領域20B1との厚さ比(第2領域20B2の厚さ/第1領域20B1の厚さ)」を求める実験を行った。
【0043】
以下、図5(a)及び図5(b)を参照して、かかる実験方法について説明する。
【0044】
かかる実験では、図5(a)に示すように、30mm×75mmのシートB(吸収シート)をシートAで包むことによって、図5(b)に示すように、第1領域20B1及び第2領域20B2を含む試験片を生成し、かかる試験片の両端を押さえつつ、かかる試験片を第1領域20B1側及び第2領域20B2側から長手方向Lにスライドさせた場合に、かかる第1領域20B1が優先的に屈曲することができるか否かについて確認した。
【0045】
ここで、第1領域20B1の長手方向Lの長さを「20mm」とし、第2領域20B2の長手方向Lの長さを「75mm」とし、第1領域20B1及び第2領域20B2の幅方向の長さを「30mm」とした。
【0046】
この結果、第2領域20B2と第1領域20B1との剛性比が1.5以上であり、かつ、第2領域20B2と第1領域20B1との厚さ比が1.9以上である場合に、第1領域20B1が優先的に屈曲することができることが分かった。
【0047】
なお、かかる実験では、JIS−L1096(織物及び編物の生地試験方法、1994年度更新版)の曲げ反発性の試験方法として規定されているガーレー法(A法)を用いて、第1領域20B1及び第2領域20B2の剛性値(すなわち、剛軟度(N))を測定した。
【0048】
また、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、第1領域20B1は、接合領域20Aよりも短くなるように構成されていてもよい。
【0049】
また、本体層10には、長手方向Lに沿って防漏壁30が設けられていてもよい。かかる防漏壁30は、中空上に折り畳まれた防漏シート31と、防漏シート31内に伸張状態で配置された弾性部材32とによって構成されている。
【0050】
かかる防漏壁30は、吸収性物品1の長手方向Lの製品全長に渡って設けられていてもよいし、吸収性物品1の長手方向Lの一部の領域のみに設けられていてもよい。ここで、第1領域20B1は、長手方向Lにおいて防漏壁30が設けられている領域に重なるように配置されていてもよい。
【0051】
ここで、吸収性物品1の幅方向Wにおいて、液透過性シート22は、吸収層11よりも短くなるように構成されている。
【0052】
また、中央ウィング部40が設けられている領域では、吸収性物品1の幅方向Wにおいて、上層20の両縁部は、2本の圧搾溝14Aの外側に延出しないように配置されている。
【0053】
また、第2領域20B2において、嵩回復処理が行われないように構成されていてもよい。かかる構成によれば、第2領域20B2の嵩高を、その他の領域の嵩高よりも低くすることで、液透過性シート22から吸収体21への体液の移行速度を高めることができる。
【0054】
また、表面シート12における繊維密度は、液透過性シート22における繊維密度よりも高くなるように構成されていてもよい。
【0055】
なお、表面シート12の繊維密度は、例えば、以下の測定方法によって測定することができる。(1)密度を測定するシートの厚み及び面積を測定する。(2)密度を測定するシートの重量を測定する。(3)シートの重量とシートの面積とに基づいて目付を算出する。(4)目付及び厚みに基づいて密度を算出する。また、シートの厚みの測定には、例えば、PEACOCK製厚み計(J-B)を用いることができる。厚み測定時の荷重は2.8g/cm2(実測データ。バネなしで測定)であり、厚み計の円盤は直径20mmである。
【0056】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る吸収性物品1の製造方法の一部について説明する。なお、図6に記載されていない方法については、既存の方法を用いることができる。
【0057】
図6に示すように、ステップS101において、上層20を生成する。
【0058】
具体的には、第1に、液透過性シート22用ウェブに対して、嵩回復処理や冷却処理を施して嵩を回復させる。
【0059】
第2に、吸収体21を所定の長さにカットし、ホットメルト接着剤を塗工した後に、液透過性シート22用ウェブ上に貼り合わせる。
【0060】
第3に、液透過性シート22用ウェブと吸収体21上にホットメルト接着剤を塗工して、セーラー工程にて3つに折り畳み、吸収体21を液透過性シート22用ウェブでラッピングする。
【0061】
第4に、液透過性シート22用ウェブにおいて、略線状のエンボス加工を行うことによって、第1領域20B1を形成する。ここで、液透過性シート22用ウェブにおいて、ドット状のエンボス加工を行うことによって、第2領域20B2を形成してもよい。
【0062】
ステップS102において、防漏壁30を生成する。
【0063】
具体的には、第1に、弾性部材32にホットメルト接着剤を塗工し、スリッターで半切された防漏シート31に合流させ、セーラー工程を経て、防漏壁30の基礎を形成する。
【0064】
第2に、防漏壁30の基礎を、表面シート12用ウェブに合流させ、エンボス加工によって、防漏壁30の基礎と表面シート12用ウェブとを接合する。
【0065】
第3に、セーラー工程によって、防漏壁30の基礎から、Ω状の防漏壁30を形成する。
【0066】
ステップS103において、3つに折り畳まれた液透過性シート12用ウェブに対して間欠的にホットメルト接着剤を塗工し、防漏壁30が形成された表面シート12用ウェブに張り合わせ、その後、エンボス加工によって、液透過性シート12用ウェブと表面シート12用ウェブとを接合する。
【0067】
ステップ104において、吸収層11を生成する。
【0068】
具体的には、第1に、ティッシュ上に粉砕されたパルプ及び吸収ポリマーを積層させ、セーラー工程にてティッシュでラップして、吸収層11の基礎を形成する。
【0069】
第2に、エンボス加工によって、吸収層11の基礎の厚みを、所定の厚みとする。
【0070】
第3に、吸収体カッターを用いて、吸収層11の基礎を、所定の寸法及び形状にカットすることによって、吸収層11を生成する。
【0071】
ステップ105において、液透過性シート22用ウェブ及び防漏壁30が接合されている表面シート12用ウェブに、吸収層11を張り合わせ、吸収性物品1の肌当接面側に、ヒンジシールにて所定の形状の圧搾溝を形成する。
【0072】
ステップS106において、裏面シート13用ウェブにホットメルト接着剤を塗工して、表面シート12用ウェブの吸収性物品1の肌非当接面側に合流させる。
【0073】
本実施形態に係る吸収性物品1によれば、図7に示すように、下着に装着される際に、上層20の第1領域20B1が、境界線Y1及びY2で長手方向Lの前方に向かって屈曲することによって、吸収体21が配置されている第2領域20B2が、着用者の肌に密着するように構成されているため、上層20の表面層と着用者の体との間に生じる隙間を小さくすることができ、体液の漏れを低減することができる。
【0074】
本実施形態に係る吸収性物品1によれば、第1領域20B1が、上述の隙間が最も生じやすい領域である中心線a-aと折り線X1との間の領域(或いは、長手方向Lにおける中央ウィング部40の中心線a-aに最も近い折り線X2に重なる領域)に配置されているため、より効果的に体液の漏れを低減することができる。
【0075】
同様に、本実施形態に係る吸収性物品1によれば、第1領域20B1が、上述の隙間が最も生じやすい領域である長手方向Lにおいて防漏壁30が設けられている領域に重なるように配置されているため、より効果的に体液の漏れを低減することができる。
【0076】
また、本実施形態に係る吸収性物品1によれば、第1領域20B1には、吸収体21が設けられず、第2領域20B2には、吸収体21が設けられるように構成されているため、第1領域内20B1の剛性を、第2領域20B2内の剛性よりも低くすることができ、第1領域20B1の長手方向Lの前方への屈曲を可能とすると共に、第2領域20B2内の吸収体21によって着用者のお尻の溝等を伝って流れてきた体液を吸収することができる。
【0077】
(変更例1)
図8を参照して、本発明の変更例1に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例1に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0078】
本変更例1に係る吸収性物品1は、図8に示すように、2本の折り線X1及びX2によって3つに折られることによって個別に包装されるように構成されている。
【0079】
かかる場合、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1及びX2のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0080】
(変更例2)
図9及び図10を参照して、本発明の変更例2に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例2に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0081】
本変更例2に係る吸収性物品1では、図9に示すように、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、接合領域20Cと第1領域20B1と第2領域20B2と接合領域20Aが隣接して配置されている。また、第1領域20B1には、吸収性物品1の幅方向Wに延びる略線状の圧搾部200が設けられていてもよい。
【0082】
すなわち、図9に示すように、本変更例2に係る吸収性物品1では、第1領域20B1が、非接合領域20B内で、第2領域20B2よりも長手方向Lの後方側に設けられている。
【0083】
本変更例2に係る吸収性物品1では、図10に示すように、吸収性物品1が下着に着用される際に、第1領域20B1が、境界線Y2及びY3で長手方向Lの後方に向かって屈曲するように構成されている。
【0084】
本変更例2に係る吸収性物品1によれば、第2領域20B2が、着用者の膣口よりも後方に向かって屈曲するので、着用者の膣口に対する刺激を減らすことができる。
【0085】
(変更例3)
図11を参照して、本発明の変更例3に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例3に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0086】
本変更例3に係る吸収性物品1では、図11に示すように、スライド部として機能する第1領域20B1、20B3が、非接合領域20B内で長手方向Lの前方側及び後方側の両方に設けられている。
【0087】
具体的には、第1領域20B1は、非接合領域20B内で長手方向Lの前方側に設けられており、第1領域20B3は、非接合領域20B内で長手方向Lの後方側に設けられている。
【0088】
ここで、本変更例3に係る吸収性物品1では、接合領域20Aは、吸収性物品1の前方端部と幅方向Wの境界線Y1との間の領域であり、接合領域20Cは、吸収性物品1の後方端部と幅方向Wの境界線Y5との間の領域であり、非接合領域20Bは、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y5との間の領域である。
【0089】
また、第1領域20B1は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y2との間の領域であり、第1領域20B3は、幅方向Wの境界線Y4と幅方向Wの境界線Y5との間の領域であり、第2領域20B2は、幅方向Wの境界線Y2と幅方向Wの境界線Y4との間の領域である。
【0090】
具体的には、図11に示すように、長手方向Lにおいて、接合領域20Aと第1領域20B1と第2領域20B2と第1領域20B3と接合領域20Cとが隣接して配置されている。
【0091】
ここで、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0092】
(変更例4)
図12を参照して、本発明の変更例4に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例4に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0093】
本変更例4に係る吸収性物品1では、図12に示すように、スライド部として機能する第1領域20B1が、非接合領域20B内で長手方向Lの前方側に設けられており、スライド部として機能する第1領域20D1が、非接合領域20D内で長手方向Lの後方側に設けられている。
【0094】
ここで、本変更例4に係る吸収性物品1では、接合領域20A1は、吸収性物品1の前方端部と幅方向Wの境界線Zとの間の領域であり、接合領域20A2は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y7との間の領域であり、接合領域20Cは、吸収性物品1の後方端部と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、非接合領域20Bは、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、非接合領域20Dは、幅方向Wの境界線Zと幅方向Wの境界線Y7との間の領域である。
【0095】
また、第1領域20B1は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y2との間の領域であり、第1領域20D1は、幅方向Wの境界線Y6と幅方向Wの境界線Y7との間の領域であり、第2領域20B2は、幅方向Wの境界線Y2と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、第2領域20D2は、幅方向Wの境界線Zと幅方向Wの境界線Y6との間の領域である。
【0096】
具体的には、図12に示すように、長手方向Lにおいて、接合領域20A1と第2領域D2と第1領域20D1と接合領域20A2と第1領域20B1と第2領域20B2と接合領域20Cとが隣接して配置されている。また、第1領域20D1には、吸収性物品1の幅方向Wに延びる略線状の圧搾部300が設けられていてもよい。
【0097】
ここで、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0098】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0099】
1…吸収性物品
10…本体層
11…吸収層
12…表面シート
13…裏面シート
20…上層
21…吸収体
22…液透過性シート
30…防漏壁
31…防漏シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着用者の体とのフィット性を高めることを目的として、本体層及び上層の2層構造を有する吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平10-504486号公報
【特許文献2】特開平9-313529号公報
【特許文献3】特開2008-161366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、出願人は、上述の吸収体物品について、以下のような問題点を発見した。
【0005】
かかる吸収性物品が下着に装着される際に、本体層が下着のラインに沿って変形にするために、上層において歪が生じ、かかる歪によって上層の表面層と着用者の体との間に体液の漏れにつながる隙間が生じてしまうという問題点がある。
【0006】
特に、個別に包装されるように構成されている吸収性物品では、上述の歪が、折り線の位置周辺に集約されるため、上層の表面層と着用者の体との間に、より大きな隙間が生じてしまうという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、下着に装着される際に、上層の表面層と着用者の体との間に生じる隙間を小さくすることができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴は、幅方向の複数の折り線部に沿って折られることによって個別に包装されるように構成されている吸収性物品であって、表面シートと、裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に配置される吸収層とを有する本体層と、前記本体層よりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、該吸収性物品の幅方向の中央領域に配置される上層とを具備し、前記上層は、前記本体層と接合される2つの接合領域と、該本体層と接合されない非接合領域とを有しており、前記吸収性物品の長手方向において、前記非接合領域は、前記接合領域の間に配置されており、前記非接合領域内の第1領域内の剛性は、該非接合領域内の第2領域内の剛性よりも低くなるように構成されており、前記長手方向において、前記接合領域と前記第1領域と前記第2領域とが隣接して配置されており、前記第1領域は、前記吸収性物品における排泄口当接領域の前記長手方向の中心線と前記複数の折り線部のうち前記長手方向の最も後方に位置する折り線部との間に配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、下着に装着される際に、上層の表面層と着用者の体との間に生じる隙間を小さくすることができる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品が下着に着用される際の様子を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品のa-a断面図及びb-b断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の外観図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品に対して行った実験方法について説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の作用・効果を説明するための図である。
【図8】本発明の変更例1に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図9】本発明の変更例2に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図10】本発明の変更例2に係る吸収性物品の外観図である。
【図11】本発明の変更例3に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図12】本発明の変更例4に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の第1の実施形態)
図1乃至図7を参照して、本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品1について説明する。例えば、本実施形態に係る吸収性物品1は、紙おむつや失禁パッドや生理用ナプキン等である。
【0012】
図1に示すように、吸収性物品1は、排泄口当接領域Aと、後方領域Bと、前方領域Cとによって構成されている。
【0013】
後方領域Bは、排泄口当接領域Aに対して吸収性物品1の長手方向Lの後方側に配置されており、前方領域Cは、排泄口当接領域Aに対して吸収性物品1の長手方向Lの前方側に配置されている。
【0014】
なお、排泄口当接領域Aは、吸収性物品1において着用者の膣口に当接する領域であり、例えば、図2に示すように、着用者の下着に吸収性物品1が着用される際に、下着の2つの足回り開口の間に配置される領域である。
【0015】
また、吸収性物品1は、排泄口当接領域Aにおいて、幅方向Wの両外側に延出するように形成されている1対の中央ウィング部40を有しており、後方領域Bにおいて、幅方向Wの外側に延出するように形成されている後方ウィング部41を有している。
【0016】
ここで、着用者は、吸収性物品1を下着に着用する際に、中央ウィング部40を下着に巻き込んで、吸収性物品1を下着に固定する。また、着用者は、吸収性物品1を下着に着用する際に、後方ウィング部41を下着の後ろ身ごろに開いた状態で固定する。
【0017】
また、吸収性物品1において、幅方向Wの中心を通る長手方向Lの線Oと中央ウィング部40の長手方向Lの中心を通る幅方向Wの線(a-a)との交点Qを「排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心」とし、交点Qから長手方向Lの後方に40mm離れた箇所と長手方向Lの後方端部との間の領域を「後方領域B」とし、交点Qから長手方向Lの前方に40mm離れた箇所と長手方向Lの前方端部との間の領域を「前方領域C」としてもよい。
【0018】
ここで、中央ウィング部40が設けられていない吸収性物品1において、圧搾溝14Aが、長手方向Lに沿って幅方向Wの内側に湾曲するように配置されている場合には、両圧搾溝14Aにおいて最も幅方向Wの内側に位置する箇所同士を結ぶ線を、上述の線(a-a)としてもよい。
【0019】
或いは、中央ウィング部40が設けられていない吸収性物品1において、圧搾溝14Aが、長手方向Lに沿って幅方向Wの外側に湾曲するように配置されている場合には、両圧搾溝14Aにおいて最も幅方向Wの外側に位置する箇所同士を結ぶ線を、上述の線(a-a)としてもよい。
【0020】
また、吸収性物品1は、幅方向Wの複数の折り線(折り線部)に沿って折られることによって個別に包装されるように構成されている。本実施形態では、図1に示すように、吸収性物品1は、3本の折り線X1乃至X3によって内側に4つに折られることによって個別に包装されるように構成されている。
【0021】
本実施形態の吸収性物品1は、図3(a)及び図3(b)に示すように、本体層10と上層20とを有している。
【0022】
ここで、本体層10は、表面シート12と、裏面シート13と、表面シート12と裏面シート13との間に配置される吸収層11とを有している。
【0023】
表面シート12は、本体層10において、吸収性物品1の肌当接面側に設けられている液透過性のシートであり、裏面シート13は、本体層10において、吸収性物品1の肌非当接面側に設けられている液不透過性のシートである。
【0024】
なお、表面シート12、裏面シート13及び吸収層11としては、一般的な材料を用いることができる。例えば、表面シート12は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。裏面シート13は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体としたフィルム、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。吸収層11は、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によって積層して形成されてもよいし、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシートでもよい。
【0025】
吸収層11は、尿や経血等の体液を吸収するように構成されており、吸収性物品1における排泄口当接領域Aと後方領域Bと前方領域Cとに渡って配置されている。
【0026】
なお、図3(a)及び図3(b)に示すように、表面シート12と吸収層11とは、長手方向Lに延びる圧搾溝14A、14Bによって接合されている。
【0027】
また、本実施形態の吸収性物品1において、上層20は、本体層10とは別体であり、図3(a)及び図3(b)に示すように、本体層10よりも吸収性物品1の肌当接面側で、かつ、吸収性物品1の幅方向Wの中央領域に配置されている。また、図1に示すように、上層20は、吸収性物品1の長手方向Lの製品全長に渡って配置されている。
【0028】
図3(a)及び図3(b)に示すように、上層20は、吸収体21と、液透過性シート22とを有している。なお、吸収体21としては、吸収層11と同様の材料を用いることができ、液透過性シート22としては、表面シート12と同様の材料を用いることができきる。
【0029】
また、図1に示すように、上層20は、本体層10と接合される2つの接合領域20A、20Cと、本体層10と接合されない非接合領域20Bとを有している。例えば、上層20の接合領域20A、20Cは、ホットメルト接着剤(HMA)や圧搾部(エンボス)等によって本体層10に接合されている。
【0030】
ここで、接合領域20Aは、吸収性物品1の前方端部と幅方向Wの境界線Y1との間の領域であり、接合領域20Cは、吸収性物品1の後方端部と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、非接合領域20Bは、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y3との間の領域である。具体的には、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、非接合領域20Bは、接合領域20Aと接合領域20Cとの間に配置されている。
【0031】
また、非接合領域20Bには、第1領域20B1及び第2領域20B2が設けられている。すなわち、第1領域20B1は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y2との間の領域であり、第2領域20B2は、幅方向Wの境界線Y2と幅方向Wの境界線Y3との間の領域である。
【0032】
具体的には、図1に示すように、長手方向Lにおいて、接合領域20Aと第1領域20B1と第2領域20B2と接合領域20Cとが隣接して配置されている。
【0033】
ここで、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0034】
特に、第1領域20B1は、複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lにおける中央ウィング部40の中心線a-aに最も近い折り線X2に重なるように配置されていてもよい。
【0035】
非接合領域20B内の第1領域20B1内の剛性は、非接合領域20B内の第2領域20B2内の剛性よりも低くなるように構成されている。また、非接合領域20B内の第1領域20B1は、非接合領域20B内の第2領域20B2よりも薄くなるように構成されている。
【0036】
例えば、吸収性物品1において、接合領域20A及び第1領域20B1には、図3(a)に示すように、吸収体21が設けられず、第2領域20B2には、図3(b)に示すように、吸収体21が設けられるように構成されている。
【0037】
具体的には、図3(a)に示すように、接合領域20A及び上層20の第1領域20B1では、3つに折り畳まれた液透過性シート22内部に、吸収体21が配置されていない。例えば、上層20の第1領域20B1では、液透過性シート22は、3つに折り畳まれており、3つに折り畳まれた液透過性シート22の領域同士は、ホットメルト接着剤によって接合されている。
【0038】
一方、図3(b)に示すように、上層20の第2領域20B2では、3つに折り畳まれた液透過性シート22内部に、吸収体21が配置されている。例えば、上層20の第2領域20B2では、液透過性シート22の幅方向Wの端部を含む領域の両方を、幅方向Wの中心線側かつ本体層10側に折り畳むことによって、液透過性シート22が吸収体21全体を包むように構成されていてもよい。
【0039】
また、吸収性物品1の幅方向Wにおいて、吸収層11は、吸収体21よりも長くなるように構成されている。また、吸収体21に対して、着色処理や模様印刷処理が施されていてもよい。
【0040】
また、第1領域20B1には、吸収性物品1の幅方向Wに延びる略線状の圧搾部100が設けられていてもよい。圧搾部100が設けられることにより、上層20がさらに容易に屈曲し得る。
【0041】
図4に示すように、吸収性物品1が下着に装着される際に、上述の第1領域(スライド部)20B1が、接合領域20Aの境界線Y1、及び第2領域20B2との境界線Y2で長手方向Lの前方に向かって屈曲するように構成されている。その結果、吸収体21が配置されている第2領域20B2を、着用者の肌に密着させることができる。
【0042】
ここで、第1領域20B1が屈曲する場合の「第2領域20B2と第1領域20B1との剛性比(第2領域20B2の剛性/第1領域20B1の剛性)」及び「第2領域20B2と第1領域20B1との厚さ比(第2領域20B2の厚さ/第1領域20B1の厚さ)」を求める実験を行った。
【0043】
以下、図5(a)及び図5(b)を参照して、かかる実験方法について説明する。
【0044】
かかる実験では、図5(a)に示すように、30mm×75mmのシートB(吸収シート)をシートAで包むことによって、図5(b)に示すように、第1領域20B1及び第2領域20B2を含む試験片を生成し、かかる試験片の両端を押さえつつ、かかる試験片を第1領域20B1側及び第2領域20B2側から長手方向Lにスライドさせた場合に、かかる第1領域20B1が優先的に屈曲することができるか否かについて確認した。
【0045】
ここで、第1領域20B1の長手方向Lの長さを「20mm」とし、第2領域20B2の長手方向Lの長さを「75mm」とし、第1領域20B1及び第2領域20B2の幅方向の長さを「30mm」とした。
【0046】
この結果、第2領域20B2と第1領域20B1との剛性比が1.5以上であり、かつ、第2領域20B2と第1領域20B1との厚さ比が1.9以上である場合に、第1領域20B1が優先的に屈曲することができることが分かった。
【0047】
なお、かかる実験では、JIS−L1096(織物及び編物の生地試験方法、1994年度更新版)の曲げ反発性の試験方法として規定されているガーレー法(A法)を用いて、第1領域20B1及び第2領域20B2の剛性値(すなわち、剛軟度(N))を測定した。
【0048】
また、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、第1領域20B1は、接合領域20Aよりも短くなるように構成されていてもよい。
【0049】
また、本体層10には、長手方向Lに沿って防漏壁30が設けられていてもよい。かかる防漏壁30は、中空上に折り畳まれた防漏シート31と、防漏シート31内に伸張状態で配置された弾性部材32とによって構成されている。
【0050】
かかる防漏壁30は、吸収性物品1の長手方向Lの製品全長に渡って設けられていてもよいし、吸収性物品1の長手方向Lの一部の領域のみに設けられていてもよい。ここで、第1領域20B1は、長手方向Lにおいて防漏壁30が設けられている領域に重なるように配置されていてもよい。
【0051】
ここで、吸収性物品1の幅方向Wにおいて、液透過性シート22は、吸収層11よりも短くなるように構成されている。
【0052】
また、中央ウィング部40が設けられている領域では、吸収性物品1の幅方向Wにおいて、上層20の両縁部は、2本の圧搾溝14Aの外側に延出しないように配置されている。
【0053】
また、第2領域20B2において、嵩回復処理が行われないように構成されていてもよい。かかる構成によれば、第2領域20B2の嵩高を、その他の領域の嵩高よりも低くすることで、液透過性シート22から吸収体21への体液の移行速度を高めることができる。
【0054】
また、表面シート12における繊維密度は、液透過性シート22における繊維密度よりも高くなるように構成されていてもよい。
【0055】
なお、表面シート12の繊維密度は、例えば、以下の測定方法によって測定することができる。(1)密度を測定するシートの厚み及び面積を測定する。(2)密度を測定するシートの重量を測定する。(3)シートの重量とシートの面積とに基づいて目付を算出する。(4)目付及び厚みに基づいて密度を算出する。また、シートの厚みの測定には、例えば、PEACOCK製厚み計(J-B)を用いることができる。厚み測定時の荷重は2.8g/cm2(実測データ。バネなしで測定)であり、厚み計の円盤は直径20mmである。
【0056】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る吸収性物品1の製造方法の一部について説明する。なお、図6に記載されていない方法については、既存の方法を用いることができる。
【0057】
図6に示すように、ステップS101において、上層20を生成する。
【0058】
具体的には、第1に、液透過性シート22用ウェブに対して、嵩回復処理や冷却処理を施して嵩を回復させる。
【0059】
第2に、吸収体21を所定の長さにカットし、ホットメルト接着剤を塗工した後に、液透過性シート22用ウェブ上に貼り合わせる。
【0060】
第3に、液透過性シート22用ウェブと吸収体21上にホットメルト接着剤を塗工して、セーラー工程にて3つに折り畳み、吸収体21を液透過性シート22用ウェブでラッピングする。
【0061】
第4に、液透過性シート22用ウェブにおいて、略線状のエンボス加工を行うことによって、第1領域20B1を形成する。ここで、液透過性シート22用ウェブにおいて、ドット状のエンボス加工を行うことによって、第2領域20B2を形成してもよい。
【0062】
ステップS102において、防漏壁30を生成する。
【0063】
具体的には、第1に、弾性部材32にホットメルト接着剤を塗工し、スリッターで半切された防漏シート31に合流させ、セーラー工程を経て、防漏壁30の基礎を形成する。
【0064】
第2に、防漏壁30の基礎を、表面シート12用ウェブに合流させ、エンボス加工によって、防漏壁30の基礎と表面シート12用ウェブとを接合する。
【0065】
第3に、セーラー工程によって、防漏壁30の基礎から、Ω状の防漏壁30を形成する。
【0066】
ステップS103において、3つに折り畳まれた液透過性シート12用ウェブに対して間欠的にホットメルト接着剤を塗工し、防漏壁30が形成された表面シート12用ウェブに張り合わせ、その後、エンボス加工によって、液透過性シート12用ウェブと表面シート12用ウェブとを接合する。
【0067】
ステップ104において、吸収層11を生成する。
【0068】
具体的には、第1に、ティッシュ上に粉砕されたパルプ及び吸収ポリマーを積層させ、セーラー工程にてティッシュでラップして、吸収層11の基礎を形成する。
【0069】
第2に、エンボス加工によって、吸収層11の基礎の厚みを、所定の厚みとする。
【0070】
第3に、吸収体カッターを用いて、吸収層11の基礎を、所定の寸法及び形状にカットすることによって、吸収層11を生成する。
【0071】
ステップ105において、液透過性シート22用ウェブ及び防漏壁30が接合されている表面シート12用ウェブに、吸収層11を張り合わせ、吸収性物品1の肌当接面側に、ヒンジシールにて所定の形状の圧搾溝を形成する。
【0072】
ステップS106において、裏面シート13用ウェブにホットメルト接着剤を塗工して、表面シート12用ウェブの吸収性物品1の肌非当接面側に合流させる。
【0073】
本実施形態に係る吸収性物品1によれば、図7に示すように、下着に装着される際に、上層20の第1領域20B1が、境界線Y1及びY2で長手方向Lの前方に向かって屈曲することによって、吸収体21が配置されている第2領域20B2が、着用者の肌に密着するように構成されているため、上層20の表面層と着用者の体との間に生じる隙間を小さくすることができ、体液の漏れを低減することができる。
【0074】
本実施形態に係る吸収性物品1によれば、第1領域20B1が、上述の隙間が最も生じやすい領域である中心線a-aと折り線X1との間の領域(或いは、長手方向Lにおける中央ウィング部40の中心線a-aに最も近い折り線X2に重なる領域)に配置されているため、より効果的に体液の漏れを低減することができる。
【0075】
同様に、本実施形態に係る吸収性物品1によれば、第1領域20B1が、上述の隙間が最も生じやすい領域である長手方向Lにおいて防漏壁30が設けられている領域に重なるように配置されているため、より効果的に体液の漏れを低減することができる。
【0076】
また、本実施形態に係る吸収性物品1によれば、第1領域20B1には、吸収体21が設けられず、第2領域20B2には、吸収体21が設けられるように構成されているため、第1領域内20B1の剛性を、第2領域20B2内の剛性よりも低くすることができ、第1領域20B1の長手方向Lの前方への屈曲を可能とすると共に、第2領域20B2内の吸収体21によって着用者のお尻の溝等を伝って流れてきた体液を吸収することができる。
【0077】
(変更例1)
図8を参照して、本発明の変更例1に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例1に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0078】
本変更例1に係る吸収性物品1は、図8に示すように、2本の折り線X1及びX2によって3つに折られることによって個別に包装されるように構成されている。
【0079】
かかる場合、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1及びX2のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0080】
(変更例2)
図9及び図10を参照して、本発明の変更例2に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例2に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0081】
本変更例2に係る吸収性物品1では、図9に示すように、吸収性物品1の長手方向Lにおいて、接合領域20Cと第1領域20B1と第2領域20B2と接合領域20Aが隣接して配置されている。また、第1領域20B1には、吸収性物品1の幅方向Wに延びる略線状の圧搾部200が設けられていてもよい。
【0082】
すなわち、図9に示すように、本変更例2に係る吸収性物品1では、第1領域20B1が、非接合領域20B内で、第2領域20B2よりも長手方向Lの後方側に設けられている。
【0083】
本変更例2に係る吸収性物品1では、図10に示すように、吸収性物品1が下着に着用される際に、第1領域20B1が、境界線Y2及びY3で長手方向Lの後方に向かって屈曲するように構成されている。
【0084】
本変更例2に係る吸収性物品1によれば、第2領域20B2が、着用者の膣口よりも後方に向かって屈曲するので、着用者の膣口に対する刺激を減らすことができる。
【0085】
(変更例3)
図11を参照して、本発明の変更例3に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例3に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0086】
本変更例3に係る吸収性物品1では、図11に示すように、スライド部として機能する第1領域20B1、20B3が、非接合領域20B内で長手方向Lの前方側及び後方側の両方に設けられている。
【0087】
具体的には、第1領域20B1は、非接合領域20B内で長手方向Lの前方側に設けられており、第1領域20B3は、非接合領域20B内で長手方向Lの後方側に設けられている。
【0088】
ここで、本変更例3に係る吸収性物品1では、接合領域20Aは、吸収性物品1の前方端部と幅方向Wの境界線Y1との間の領域であり、接合領域20Cは、吸収性物品1の後方端部と幅方向Wの境界線Y5との間の領域であり、非接合領域20Bは、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y5との間の領域である。
【0089】
また、第1領域20B1は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y2との間の領域であり、第1領域20B3は、幅方向Wの境界線Y4と幅方向Wの境界線Y5との間の領域であり、第2領域20B2は、幅方向Wの境界線Y2と幅方向Wの境界線Y4との間の領域である。
【0090】
具体的には、図11に示すように、長手方向Lにおいて、接合領域20Aと第1領域20B1と第2領域20B2と第1領域20B3と接合領域20Cとが隣接して配置されている。
【0091】
ここで、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0092】
(変更例4)
図12を参照して、本発明の変更例4に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例4に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0093】
本変更例4に係る吸収性物品1では、図12に示すように、スライド部として機能する第1領域20B1が、非接合領域20B内で長手方向Lの前方側に設けられており、スライド部として機能する第1領域20D1が、非接合領域20D内で長手方向Lの後方側に設けられている。
【0094】
ここで、本変更例4に係る吸収性物品1では、接合領域20A1は、吸収性物品1の前方端部と幅方向Wの境界線Zとの間の領域であり、接合領域20A2は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y7との間の領域であり、接合領域20Cは、吸収性物品1の後方端部と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、非接合領域20Bは、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、非接合領域20Dは、幅方向Wの境界線Zと幅方向Wの境界線Y7との間の領域である。
【0095】
また、第1領域20B1は、幅方向Wの境界線Y1と幅方向Wの境界線Y2との間の領域であり、第1領域20D1は、幅方向Wの境界線Y6と幅方向Wの境界線Y7との間の領域であり、第2領域20B2は、幅方向Wの境界線Y2と幅方向Wの境界線Y3との間の領域であり、第2領域20D2は、幅方向Wの境界線Zと幅方向Wの境界線Y6との間の領域である。
【0096】
具体的には、図12に示すように、長手方向Lにおいて、接合領域20A1と第2領域D2と第1領域20D1と接合領域20A2と第1領域20B1と第2領域20B2と接合領域20Cとが隣接して配置されている。また、第1領域20D1には、吸収性物品1の幅方向Wに延びる略線状の圧搾部300が設けられていてもよい。
【0097】
ここで、第1領域20B1は、吸収性物品1における排泄口当接領域Aの長手方向Lの中心線a-aと複数の折り線X1〜X3のうち長手方向Lの最も後方に位置する折り線X1との間に配置されている。
【0098】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0099】
1…吸収性物品
10…本体層
11…吸収層
12…表面シート
13…裏面シート
20…上層
21…吸収体
22…液透過性シート
30…防漏壁
31…防漏シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の複数の折り線部に沿って折られることによって個別に包装されるように構成されている吸収性物品であって、
表面シートと、裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に配置される吸収層とを有する本体層と、
前記本体層よりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、該吸収性物品の幅方向の中央領域に配置される上層とを具備し、
前記上層は、前記本体層と接合される2つの接合領域と、該本体層と接合されない非接合領域とを有しており、
前記吸収性物品の長手方向において、前記非接合領域は、前記接合領域の間に配置されており、
前記非接合領域内の第1領域内の剛性は、該非接合領域内の第2領域内の剛性よりも低くなるように構成されており、
前記長手方向において、前記接合領域と前記第1領域と前記第2領域とが隣接して配置されており、
前記第1領域は、前記吸収性物品における排泄口当接領域の前記長手方向の中心線と前記複数の折り線部のうち前記長手方向の最も後方に位置する折り線部との間に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品の長手方向において、前記第1領域は、前記非接合領域内で前記第2領域よりも後方側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第1領域には、吸収体が設けられず、前記第2領域には、吸収体が設けられるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記本体層には、前記吸収性物品の幅方向の両外側に延出する中央ウィング部が設けられており、
前記第1領域は、前記複数の折り線部のうち前記長手方向における前記中央ウィング部の中心線に最も近い折り線部に重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1領域には、前記吸収性物品の幅方向に延びる略線状の圧搾部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記本体層には、前記長手方向に沿って防漏壁が設けられており、
前記第1領域は、前記長手方向において前記防漏壁が設けられている領域に重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品の長手方向において、前記第1領域は、前記接合領域よりも短くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項1】
幅方向の複数の折り線部に沿って折られることによって個別に包装されるように構成されている吸収性物品であって、
表面シートと、裏面シートと、該表面シートと該裏面シートとの間に配置される吸収層とを有する本体層と、
前記本体層よりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、該吸収性物品の幅方向の中央領域に配置される上層とを具備し、
前記上層は、前記本体層と接合される2つの接合領域と、該本体層と接合されない非接合領域とを有しており、
前記吸収性物品の長手方向において、前記非接合領域は、前記接合領域の間に配置されており、
前記非接合領域内の第1領域内の剛性は、該非接合領域内の第2領域内の剛性よりも低くなるように構成されており、
前記長手方向において、前記接合領域と前記第1領域と前記第2領域とが隣接して配置されており、
前記第1領域は、前記吸収性物品における排泄口当接領域の前記長手方向の中心線と前記複数の折り線部のうち前記長手方向の最も後方に位置する折り線部との間に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品の長手方向において、前記第1領域は、前記非接合領域内で前記第2領域よりも後方側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第1領域には、吸収体が設けられず、前記第2領域には、吸収体が設けられるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記本体層には、前記吸収性物品の幅方向の両外側に延出する中央ウィング部が設けられており、
前記第1領域は、前記複数の折り線部のうち前記長手方向における前記中央ウィング部の中心線に最も近い折り線部に重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1領域には、前記吸収性物品の幅方向に延びる略線状の圧搾部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記本体層には、前記長手方向に沿って防漏壁が設けられており、
前記第1領域は、前記長手方向において前記防漏壁が設けられている領域に重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品の長手方向において、前記第1領域は、前記接合領域よりも短くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−224358(P2011−224358A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76885(P2011−76885)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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