説明

吸収性物品

【課題】吸収保持することができる排泄物の容量を効率的に増大することができる吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸液パッド1は、肌対向面側に位置する表面シート2と、非肌対向面側に位置する裏面シート3と、表面シート2および裏面シート3の間に介在された吸液性構造体10とを備えている。吸液性構造体10は、互いに重なる2層の第1および第2の吸収層21,41を有している。第1の吸収層21(吸収性ポリマー粒子が存在する存在領域24と非存在領域25を有する)は肌対向面の側に配置され、第2の吸収層41(吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子を含み、吸収性繊維19の密度が高い高密度領域44と、低密度領域45を形成)は非肌対向面の側に配置される。非存在領域25と低密度領域45とが重なるように第1の吸収層21が第2の吸収層41に積層され、低密度領域45と高密度領域44とが吸収性繊維19を介してつながっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、吸収性物品に関し、さらに詳しくは、軽失禁パッド、パンティライナ、生理用ナプキン、尿吸収パッド、吸液パッド等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2層の吸収層で形成した吸液性構造体を備える吸収性物品は公知である。
例えば、特許文献1には、肌対向面側に位置する第1の吸収層と、非肌対向面側に位置する第2の吸収層とで形成した吸液性構造体が開示されている。第1の吸収層は、吸収性ポリマー粒子を含み、第2の吸収層は、吸収性繊維と吸収性ポリマー粒子を含むように形成してある。
さらに、第1の吸収層には、吸収性ポリマー粒子が存在する存在領域を列状に設けるとともに、隣接する存在領域の間には、吸収性繊維および吸収性ポリマー粒子が実質的に存在しない非存在領域を設けてある。
【0003】
この吸収性物品によれば、吸収性ポリマー粒子が存在しない非存在領域を設けてあるため、第1の吸収層で排泄物を吸収保持する際、非存在領域では吸収性ポリマー粒子のゲルブロックが発生することがない。よって、第1の吸収層の非存在領域を透過した排泄物を第2の吸収層で吸収保持することができる。従って、第1の吸収層に加えて、第2の吸収層でも排泄物を吸収保持することができるため、吸収保持することができる排泄物の容量を増大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−275225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている吸収性物品では、第1の吸収層の非存在領域を透過した排泄物は、第2の吸収層において、非存在領域に重なる部位から、存在領域に重なる部位に向けて拡散することとなる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている吸収性物品の第2の吸収層は、吸収性繊維の密度がほぼ一様であり、厚さがほぼ一定に形成してあり、第2の吸収層において排泄物を縦横に拡散させるための技術的な配慮がなされていない。よって、第2の吸収層において排泄物を縦横に効率的に拡散することができず、非存在域に重なる部分では排泄物を吸収保持することができるものの、存在領域に重なる部分では排泄物を吸収保持することができない。従って、第2の吸収層の全体で排泄物を吸収保持することができない問題があった。
【0007】
そこで、この発明では、第2の吸収層の全体で排泄物を吸収保持することができる吸収性物品の提供を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、この発明に係る吸収性物品は、肌対向面および非肌対向面を有し、前記肌対向面側に位置する表面シートと、前記非肌対向面側に位置する裏面シートと、前記表面シートおよび前記裏面シートの間に介在された吸液性構造体とを備えるものである。
【0009】
この吸収性物品において、この発明の特徴は、前記吸液性構造体が、互いに重なる少なくとも2層の第1および第2の吸収層を有し、前記第1の吸収層は、前記肌対向面の側に配置され、吸収性ポリマー粒子が存在する存在領域と、吸収性ポリマー粒子が実質的に存在しない非存在領域とを有し、前記第2の吸収層は、前記非肌対向面の側に配置され、吸収性繊維および吸収性ポリマー粒子を含み、前記吸収性繊維の密度が高い高密度領域と、前記吸収性繊維の密度が低い低密度領域とを有するように形成され、前記非存在領域と前記低密度領域の一部とが重なるように前記第1の吸収層が前記第2の吸収層に積層され、前記低密度領域と前記高密度領域とが前記吸収性繊維を介してつながっているものである。
【0010】
この発明の好ましい実施態様の一つにおいて、前記吸液性構造体は、横方向と縦方向と厚さ方向とを有し、前記高密度領域は、前記厚さ方向の寸法が前記低密度領域の前記厚さ方向の寸法よりも小さくなるように、前記厚さ方向に圧縮することで形成されている。
【0011】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記存在領域は、前記横方向よりも前記縦方向に長い細長状に形成されている一方、前記非存在領域は、前記存在領域の前記横方向の両側に隣接するように形成してあり、前記縦方向の中央部では、前記高密度領域の一部および前記低密度領域の一部が前記非存在領域にそれぞれ重なるように前記第1の吸収層が前記第2の吸収層に積層されている。
【0012】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記存在領域は、前記横方向の中央部に配置してある中央存在領域を少なくとも有し、前記縦方向の両端縁部において、前記低密度領域の前記横方向の寸法が前記中央存在領域の前記横方向の寸法よりも小さく、且つ前記低密度領域の前記縦方向の寸法が前記中央存在領域の前記縦方向の寸法よりも小さく、前記縦方向の両端縁部において前記中央存在領域が前記低密度領域よりも延出し、前記厚さ方向において、前記低密度領域の前記縦方向における両端縁部の肌対向面が前記中央存在領域で被覆されている。
【0013】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記縦方向における中央部で、前記中央存在領域より前記低密度領域が前記横方向において延出する。
【0014】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記横方向において前記中央存在領域より前記低密度領域が延出する部分の長さは、前記縦方向の中央部において最も大きく、前記中央部から離隔するに従って徐々に小さくなる。
【0015】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記存在領域には、前記中央存在領域の他に、前記前記中央存在領域の両側において前記横方向に並ぶように少なくとも2つの側存在領域を設け、前記側存在領域は前記高密度領域に重なる。
【0016】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記中央存在領域は、前記縦方向における中央部で前記横方向の寸法が最も小さくなる最幅狭部を有する一方、前記縦方向における両端縁部で前記横方向の寸法が最も大きくなる最幅広部を有し、前記側存在領域は、前記縦方向の中央部において前記横方向の寸法が最も大きい最幅広部を有する一方、前記縦方向の両端部において前記横方向の寸法が最も小さい最幅狭部を有する。
【0017】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記低密度領域は、前記縦方向における中央部で前記横方向の寸法が大きくなる最幅広部を有する一方、前記縦方向における両端縁部で前記横方向の寸法が小さくなる最幅狭部を有する。
【0018】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記中央存在領域および前記側存在領域は、前記横方向の幅がほぼ一定となるように前記縦方向に延びる略矩形状をそれぞれ呈する。
【発明の効果】
【0019】
この発明の1つ以上の実施の形態に係る吸収性物品によれば、非存在領域と低密度領域の一部とが重なるように第1の吸収層が第2の吸収層に積層されているため、排泄物によって存在領域でゲルブロックが発生したとしても、その排泄物が非存在領域を透過して低密度領域で吸収保持することができる。しかも、低密度領域と高密度領域とが吸収性繊維を介してつながっているため、低密度領域の排泄物を高密度領域で拡散することができる。よって、第2の吸収層において、排泄物を吸収保持することができる面積を広くして、第2の吸収層の全体で排泄物を吸収保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1実施形態における吸収性物品の一例としての吸液パッドの部分破断平面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】第1の吸収層の部分破断平面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】第2の吸収層の平面図。
【図6】図5のVI−VI線断面図。
【図7】図5のVIIで示した部分の拡大図。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図。
【図9】エンボスプレス工程の斜視図。
【図10】第2実施形態における吸液パッドの部分破断平面図。
【図11】第3実施形態における吸液パッドの平面図。
【図12】図11のXII−XII線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照して、この発明に係る吸収性物品の一例である吸液パッドの実施形態を説明すると、以下のとおりである。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の吸液パッドの部分破断平面図であり、図2は、図1のII−II線断面図である。図中、Xは横方向を示し、Yは横方向Xに直交する縦方向を示し、Zは横方向Xおよび縦方向Yにそれぞれ直交する厚さ方向を示し、Pは吸液パッドの横方向Xの長さ寸法を二等分する仮想縦中心線を示し、Qは吸液パッドの縦方向Yの長さ寸法を二等分する仮想横中心線を示している。
【0023】
吸液パッド1は、仮想縦中心線Pおよび仮想横中心線Qに関して対称に形成してあり、着用者の肌に対向する面(以下、単に「肌対向面」という)と、その反対側の面(以下、単に「非肌対向面」という)とを有し、且つ肌対向面側に位置する表面シート2と、非肌対向面側に位置する裏面シート3と、これら表面シート2と裏面シート3との間に介在する吸液性構造体10とを備えている。
表面シート2および裏面シート3は、横方向Xおよび縦方向Yにおける吸液性構造体10の寸法よりも大きく形成した周縁部6を含んでいる。周縁部6は、縦方向Yの両端縁部4および横方向Xの両側縁部5を含んでいる。表面シート2および裏面シート3は、周縁部6において、公知の接合手段、例えば互いの間に塗布したホットメルト接着剤(不図示)で接合してある。
【0024】
表面シート2は、熱可塑性合成樹脂を含み、透液性を有する繊維不織布であって、エアスルー繊維不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布などを用いることができる。熱可塑性合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの複合体、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。表面シート2の単位面積当たりの質量は、例えば約15〜60g/m、好ましくは約18〜45g/m、厚さが約0.15〜0.60mmである。
【0025】
裏面シート3は、熱可塑性合成樹脂を含み、難透液性または不透液性の繊維不織布であって、スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド(SMS)繊維不織布、エアスルー繊維不織布、ポイントボンド繊維不織布、スパンボンド繊維不織布等を用いることができる。熱可塑性合成樹脂としては、例えばポリエチレン等の上述した合成樹脂を用いることができるが、表面シート2に用いた樹脂と同じものを用いるのが好ましい。裏面シート3の単位面積当たりの質量は、例えば約15〜60g/m、好ましくは約18〜45g/mである。なお、裏面シート3は、繊維不織布の肌対向面の側、または非肌対向面の側に不透液性かつ透湿性のプラスチックフィルムを積層したものも用いることができる。また、他の吸収性物品に重ねてこの吸液パッド1を使用する場合、裏面シート3には、透液性の繊維不織布を用いることができる。
【0026】
吸液性構造体10は、肌対向面側に位置する第1の吸収層21と、非肌対向面側に位置する第2の吸収層41とで形成してある。第1の吸収層21と表面シート2、第2の吸収層41と裏面シート3、および第1の吸収層21と第2の吸収層41とは、例えばいずれか一方の対向面に間欠的に塗布したホットメルト接着剤によってそれぞれ接合してある。
【0027】
図3は、第1の吸収層21の部分破断平面図であり、図4は、図3のIV−IV線断面図である。
【0028】
第1の吸収層21は、例えば吸収性ポリマー粒子のみから形成した第1吸収性コア22と、この第1吸収性コア22を覆う透液性のラッピングシート23とで形成してある。
【0029】
吸収性ポリマー粒子には、例えばデンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系等の粒子状または繊維状であって、自己質量の少なくとも数10倍以上の吸収能を有する水不溶性で水膨潤性のポリマーを用いることができる。ラッピングシート23には、透液性の繊維不織布を用いてある。
第1の吸収層21は、縦方向Yに並列し、吸収性ポリマー粒子を含む存在領域24と、吸収性ポリマー粒子を含まない非存在領域25とを有している。
【0030】
存在領域24は、質量が約100〜400g/mの吸収性ポリマー粒子で形成することが好ましい。
存在領域24は、横方向Xの中央に配置した中央存在領域24aと、横方向Xにおいて中央存在領域24aの両側にそれぞれ配置した第1側存在領域24bおよび第2側存在領域24cを有している。
【0031】
中央存在領域24aは、横方向Xの寸法が比較的に小さく、縦方向Yの寸法が比較的に大きい細長状に形成してある。しかも、この中央存在領域24aは、縦方向Yにおいて、仮想横中心線Q上で横方向Xのコア両側縁部35が互いに最も近接する一方、仮想横中心線Qから離隔するに従ってコア両側縁部35が徐々に離隔するように、縦方向Yの中央に位置するコア中央部(中央部)26で最幅狭部28を有し、縦方向Yの端部に位置する中央コア両端縁部27で最幅広部29を有するように形成してある。換言すれば、中央存在領域24aは、コア中央部26で横方向Xの寸法が小さくなる最幅狭部28を有する一方、中央コア両端縁部27で横方向Xの寸法が大きくなる最幅広部29を有している。
【0032】
第1,第2側存在領域24b,24cは、横方向Xの寸法が比較的に小さく、縦方向Yの寸法が比較的に大きい細長状にそれぞれ形成してある。しかも、この第1,第2側存在領域24b,24cは、仮想縦中心線Pから離隔するコア外側縁30aは、仮想縦中心線Pに対してほぼ平行に延びる一方、仮想縦中心線Pに近接するコア内側縁30bは、縦方向Yにおいて、仮想横中心線Q上で互いに最も近接し、かつ仮想横中心線Qから離隔するに従って互いに離隔するように、縦方向Yの中央に位置する側コア中央部26aで最幅広部26bを有する一方、縦方向Yの両端縁部に位置する側コア両端縁部27aで最幅狭部29aを有するように形成してある。
【0033】
非存在領域25は、横方向Xにおいて、中央存在領域24aと第1側存在領域24bとの間に位置する第1非存在領域25aと、中央存在領域24aと第2側存在領域24cとの間に位置する第2非存在領域25bとを有している。
これら第1,第2非存在領域25a,25bは、縦方向Yにおいて、仮想横中心線Q上で互いに最も近接する一方、仮想横中心線Qから離隔するに従って互いに離隔し、かつ横方向Xの寸法がほぼ一定となるように、縦方向Yに延びるように形成してある。
【0034】
ラッピングシート23は、肌対向面側に位置する第1のシート31と、この第1のシート31との間で第1吸収性コア22を挟み、非肌対向面側に位置する第2のシート32とで形成してある。
第1のシート31および第2のシート32の面積は、存在領域24と非存在領域25とを合算した面積よりも大きく、シート31,32の縦方向の両端縁部は、中央コア両端縁部27および側コア両端縁部27aから縦方向Yの外側に延びてエンドフラップ33を形成し、シート31,32の両側縁部は、コア外側縁30aから横方向Xの外側に延びてサイドフラップ34を形成している。エンドフラップ33は、縦方向Yに延ばしたままの状態にしてある一方、サイドフラップ34は、図4において、第1,第2側存在領域24b,24cの下方側に折り返してある。
しかも、第1のシート31の面積は、第2のシート32の面積よりも大きく、サイドフラップ34において、第1のシート31の第1ラッピング両側縁部31aは、第2のシート32の第2ラッピング両側縁部32aよりもさらに突出する。
これら第1のシート31および第2のシート32は、例えばいずれか一方のシート31,32に塗布したホットメルト接着剤(不図示)でサイドフラップ34、およびエンドフラップ33において接合してある。なお、図示省略するが、いずれか一方のシート31,32に塗布したホットメルト接着剤で非存在領域25a,25bにおいてシート31,32を接合してもよい。このように接合すれば、第1吸収性コア22の形状および位置が妄りに変化することを防止することもできる。また、このように接合する場合、非存在領域25a,25bにおいて、シート2,31は、下方におけるシート32に接合し、非存在領域25a,25bにおいて、溝が形成されるのが好ましい。
【0035】
図5は、第2の吸収層41の平面図であり、図6は、図5のVI−VI線断面図である。
【0036】
第2の吸収層41は、縦方向Yの寸法が第1の吸収層21の同方向の寸法よりも大きく、その両端縁部41aが、第1の吸収層21の両端縁部21aの外側に延出するように配置される(図1参照)。また、第2の吸収層41は、横方向Xの寸法が第1の吸収層21の同方向の寸法とほぼ同一であり、その両側縁部41bと、第1の吸収層21の両側縁部21bとが仮想横中心線Q上でほぼ合致する(図1参照)。
第2の吸収層41は、吸収性繊維19と吸収性ポリマー粒子18とを混合して形成した第2吸収性コア42と、この第2吸収性コア42を覆う第2ラッピングシート43とで形成してある。
吸収性繊維19には、木材フラッフパルプ等の天然パルプ繊維、レーヨンステープル等の再生繊維、およびこれらを混合したものを使用することができる。例えば、吸収性繊維19は、その平均長さが約0.5〜3.0mmの木材フラッフパルプ繊維を好適に用いることができる。
吸収性ポリマー粒子18には、第1吸収性コア22と同様のものを用いることができる。ラッピングシート23には、透液性の繊維不織布を用いてある。
【0037】
第2吸収性コア42は、吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子18の密度がそれぞれ相対的に高い高密度領域44と、吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子18の密度がそれぞれ相対的に低い低密度領域45と、それらの間に配置した中間領域46とで形成してある。
【0038】
高密度領域44は、両側縁部41bおよび両端縁部41aを含む第2の吸収層41の周縁に配置してある。
高密度領域44は、仮想縦中心線Pと仮想横中心線Qとが交差する交点Oに対して最も外側に配置してある。高密度領域44の厚さ方向Zの寸法は、約1.3〜1.7mmであることが好ましい。また、高密度領域44の密度は、低密度領域45の密度よりも高い。より具体的には、高密度領域44は、質量が約100〜400g/mの吸収性ポリマー粒子18と、質量が約150〜400g/mの吸収性繊維19とを混合して形成することが好ましく、質量が約116〜196g/mの吸収性ポリマー粒子18と、質量が約160〜210g/mの吸収性繊維19とを混合して形成することがより好ましく、密度が約0.10〜0.80g/cmであることが好ましい。また、高密度領域44の吸収性繊維19の密度は、約0.05〜0.40g/cmであることが好ましく、低密度領域45の吸収性繊維19の密度よりも高い。
また、高密度領域44の肌対向面には、複数の圧搾凹部54が形成してある。
【0039】
図7は、図5中、VIIで示した高密度領域44の肌対向面の部分拡大図であり、図8は、図7のVIII−VIII線断面図である。
各圧搾凹部54は、肌対向面から非肌対向面に向かって凹み、縦横においては略矩形状の形態を有する。また、圧搾凹部54の周囲には突出壁51,52が配置されている。突出壁51,52は、非肌対向面から肌対向面に向かって突出し、縦横においては、縦方向Yおよび横方向Xに対して傾斜するように線状に延び、且つ突出壁51と突出壁52とは互いに交差する。より具体的には、第1突出壁51は、仮想横中心線Qに平行な仮想線53に対して第1の角度αで交差する一方、第2突出壁52は、仮想線53に対して第2の角度βで交差する。第1の角度αは例えば45度であり、第2の角度βは例えば135度であり、第1突出壁51と第2突出壁52とは互いに直交する。
各突出壁51,52の幅t1,t2は例えば約0.5〜1.5mm、好ましくは約1mmであり、厚さ方向Zの圧搾凹部54の深さ寸法は約0.5〜1.5mm、好ましくは1mmであり、各圧搾凹部54の縦横の間隔t3,t4は例えば約2.0〜5.0mm、好ましくは約4mmである。
圧搾凹部54の密度は、突出壁51,52の密度はよりも高い。具体的には、圧搾凹部54の密度は、例えば0.25〜0.80g/cmが好ましく、突出壁51,52の密度は、例えば0.10〜0.55g/cmが好ましい。
【0040】
再び図5および図6を参照して説明する。
低密度領域45は、横方向Xの寸法よりも縦方向Yの寸法の方が大きい細長矩形状に形成してあり、交点Oを含み、中間領域45に囲繞される態様で、縦横において第2の吸収層41の中央に配置してある。
低密度領域45は、厚さ方向Zの寸法が実質的に一定である。この低密度領域45は、例えば厚さ方向Zにおいて、後述するように、高密度領域44を形成する際に吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子18に加えた圧縮力よりも小さい圧縮力を加えることで形成してある。低密度領域45の厚さ方向Zの寸法は、約1.7より大きく、且つ3.7mm以下であることが好ましい。
また、低密度領域45は、縦方向Yの低領域両端縁部45aにおいて、横方向Xの寸法X1が、中央存在領域24aの横方向Xの寸法X2よりも小さい(図1参照)。しかも、低密度領域45の縦方向Yにおける寸法Y1は、中央存在領域24aの縦方向Yにおける寸法Y2よりも小さい。これらにより、縦方向Yにおいて、中央存在領域24aの中央コア両端縁部27が、低密度領域45の低領域両端縁部45aよりも延出し、厚さ方向Zにおいて、低領域両端縁部45aの肌対向面が中央コア両端縁部27で被覆されている。
【0041】
低密度領域45は、具体的には、質量が約100〜700g/mの吸収性ポリマー粒子18と、質量が約150〜700g/mの吸収性繊維19とを混合して形成することが好ましく、質量が約116〜364g/mの吸収性ポリマー粒子18と、質量が約160〜390g/mの吸収性繊維19とを混合して形成することがより好ましく、密度が約0.05〜0.50g/cmの範囲で形成することが好ましい。低密度域45の吸収性繊維19の密度は、約0.03〜0.25g/cmであることが好ましく、高密度領域44の吸収性繊維19の密度よりも低い。
【0042】
中間領域46は、縦横において、高密度領域4と低密度領域45との間に配置してある。
中間領域46の厚さ方向Zの寸法は、高密度領域44の厚さ方向Zの寸法T1よりも大きく、かつ低密度領域45の厚さ方向Zの寸法T2よりも小さい。しかも、中間領域46は、低密度領域45に隣接する部位における厚さ方向Zの寸法が最も大きく、低密度領域45に隣接する部位から離隔するに従って徐々に厚さ方向Zの寸法が小さくなるように形成してある。
中間領域46の密度は、高密度領域44の密度よりも小さく、かつ低密度領域45の密度よりも大きく、縦横において、交点Oに関して内側から外側に向けて密度が徐々に大きくなるように形成してある。
【0043】
このような第2の吸収層41を製造する工程の一部は、次のとおりである。図9は、第2の吸収層41の製造工程の一部であるエンボスプレス工程60を示す部分斜視図である。図中、MDは機械方向を示し、CDは機械方向MDと直交する交差方向を示し、VDは機械方向MDおよび交差方向CDにそれぞれ直交する上下方向を示す。なお、機械方向MDは縦方向Yに相当し、交差方向CDは横方向Xに相当し、上下方向VDは厚さ方向Zに相当する。
【0044】
エンボスプレス工程60は、第2の吸収層41を上部に載せた状態で機械方向MDへ搬送するコンベアベルト61を含む搬送部62と、高密度領域44を上下方向(厚さ方向)VDに圧縮する圧縮部63とから構成してある。
コンベアベルト61に載せられた第2の吸収層41は、吸収性繊維19と吸収性ポリマー粒子18とで形成した第2吸収性コア42をラッピングシート23で被覆してあり、ほぼ均一の所要の厚さに形成してある。また、この状態の第2の吸収層41は、縦横において吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子18の密度がほぼ均一である。
圧縮部63は、互いに平行な回転軸64a,65aを有し、図9中、上方に配置し、第1回転軸64aを中心に回転可能な円筒状の第1ドラム64と、下方に配置し、第2回転軸65aを中心に回転可能な円筒状の第2ドラム65とを有している。
第1ドラム64と第2ドラム65との間には、互いの周面が0より大きく、且つ1.2mm以下離間するようにドラム64,65を配置することで形成したクリアランス66を形成してある。
【0045】
第1ドラム64の周面64zには、周面64zから回転軸64aに近接するように凹む凹部64bと、凹部64bの周縁において、その周面64zと、凹部64bの表面とを傾斜するようにつなぐ連係部64cと、周面64zにおいて、凹部64bおよび連係部64cを除いた部位に形成した圧縮部64dとを設けてある。凹部64bは、低密度領域45に対応するように第1ドラム64の周面64zに形成してあり、連係部64cは、中間領域46に対応するように第1ドラム64の周面64zに形成してある。
圧縮部64dは、回転軸64aに対して離隔するように突出し、圧搾凹部54に対応するエンボス64eと、回転軸64fに対して近接するように凹み、突出壁51,52に対応するデボス64fとで形成してある。
【0046】
第1ドラム64と第2ドラム65との間のクリアランス66に、上下方向VDの見掛上の寸法が約10〜30mmの第2の吸収層41を通過させると、第2の吸収層41は、上下方向VDに圧縮され、第1ドラム64の凹部64bと、第2ドラム65の周面とによって低密度領域45が形成され、第1ドラム64の連係部64cと、第2ドラム65の周面とによって中間領域46が形成され、第1ドラム64の圧縮部64dと、第2ドラム65の周面とによって高密度領域44が形成される。
【0047】
この圧縮の際、最も大きな圧縮力が加えられることによって、厚さ方向Zの寸法が最も小さい高密度領域44が形成される一方、最も小さな圧縮力が加えられることによって、厚さ方向Zの寸法が最も大きい低密度領域45が形成される。
このように加えられる圧縮力の大きさに基づいて相対的に高密度領域44の吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子18の密度が高い一方、低密度領域45の吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子18の密度が低い。
吸収性繊維19の密度が高い場合、排泄物の拡散速度が向上する。一方、吸収性ポリマー粒子18および吸収性繊維19の密度が低い場合、その程度にもよるが、排泄物の拡散速度は低下するものの、吸収保持できる排泄物の容量が増大する。
【0048】
このように形成した第2の吸収層41には、図1および図2に示すように、非存在領域25a,25bと低密度領域45とが重なるように第1の吸収層21が第2の吸収層41に積層される。
【0049】
この発明に係る吸液パッド1によれば、第1の吸収層21の存在領域21では、多量の排泄物を吸収性ポリマー粒子によって吸収保持することができる。しかも、排泄物によって存在領域21でゲルブロックが発生して存在領域21で排泄物を吸収保持することができなくても、非存在領域25と低密度領域45とが重なるように第1の吸収層21を第2の吸収層41に積層してあるため、非存在領域25を透過した排泄物を低密度領域45で吸収保持することができる。しかも、低密度領域45と高密度領域44とが吸収性繊維19を介してつながっているため、低密度領域の排泄物を高密度領域で拡散することができる。よって、第2bの吸収層において、排泄物を吸収保持することができる面積を広くして、第2の吸収層の全体で排泄物を吸収保持することができる。
【0050】
加えて、厚さ方向Zの寸法がほぼ均一で、且つ縦横における吸収性繊維19および吸収性ポリマー粒子18の密度がほぼ均一な第2の吸収層41を、高密度領域44の厚さ方向Zの寸法が低密度領域45の厚さ方向の寸法よりも小さくなるように、厚さ方向Zに圧縮することで形成してあるため、吸収性繊維19の密度が領域44,45によって異なる第2の吸収層41を容易に形成することができる。
【0051】
また、図1および図2に示すように、縦方向Yの中央部では非存在領域25と高密度領域44の一部とが重なり、かつ非存在領域25と低密度領域45の一部とが重なるように第1の吸収層21を前記第2の吸収層41に積層してあるため、縦方向Yの中央部に排泄物が排出された場合、非存在領域25を透過した排泄物は、低密度領域45で吸収保持しながら高密度領域44で拡散することができる。
【0052】
加えて、縦方向Yの両端縁部において、低密度領域45の横方向Xの寸法X1が、中央存在領域24aの横方向Xの寸法X2よりも小さく、且つ、低密度領域45の縦方向Yにおける寸法Y1は、中央存在領域24aの縦方向Yにおける寸法Y2よりも小さく、縦方向Yにおいて、中央存在領域24aの中央コア両端縁部27が、低密度領域45の低領域両端縁部45aよりも突出し、厚さ方向Zにおいて、低領域両端縁部45aの肌対向面が中央コア両端縁部27で被覆されている(図1参照)。よって、低領域両端縁部45aで多量の排泄物を吸収保持した状態で、この低領域両端縁部45aに厚さ方向Zの力が加わったとしても、中央コア両端縁部27の吸収性ポリマー粒子18によって、低領域両端縁部45aから肌対向面に向けて流れる排泄物を吸収保持することができるため、着用者の肌へ排泄物が戻ることを防止することができる。従って、肌対向面側が排泄物によって濡れることを抑えることができるため、着用者の肌が蒸れたり、かぶれたりすることを抑えることができる。
【0053】
また、縦方向Yの中央部では、高密度領域44を縦方向Yに延びるように配置してあるため、縦方向Yに排泄物を拡散することができ、縦方向Yの中央部において、吸収保持することができる排泄物が飽和することを抑えることができる。従って、排泄物が複数回にわたって排出されてもこれらの排泄物を吸収保持することができる。また、実質的に排泄物を吸収保持することができる容量を、潜在的に排泄物を吸収保持することができる容量に一層近づけることができるため、吸収保持することができる排泄物の容量を一層増大することができる。
【0054】
さらに、高密度領域44には、厚さ方向Zに圧縮して形成した圧搾凹部54を肌対向面に形成してあり、この圧搾凹部54を形成した部位は、高密度領域44においても特に吸収性繊維19の密度が高い部位であるため、第2の吸収層41における排泄物の拡散速度を向上することができ、より一層排泄物を拡散することができる。なお、圧搾凹部54は、必ずしも設ける必要はない。例えば、圧搾凹部54を設けず、第2の吸収層41の肌対向面の全域を、第1の吸収層21の非肌対向面に接触させて、互いに接触する面積を大きくしてもよい。
【0055】
加えて、第1の吸収層21は、吸収性繊維を含まずに、吸収性ポリマー粒子とラッピングシート23とで形成してあるため、一旦、排泄物を第1の吸収層21が吸収保持した状態で厚さ方向Zに圧縮する方向に力が加わっても、肌対向面に排泄物が戻ってくることを抑えることができる。
【0056】
<第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態における吸液パッド100の平面図である。本実施形態の基本的構成は、第1実施形態と同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。また、図10では、表面シート2を仮想線で示してある。
【0057】
第1の吸収層21の中央存在領域124aおよび第1,第2側存在領域124b,124cの形状は、横方向Xの寸法が小さく、且つ縦方向Yの寸法が大きい細長矩形状に形成してある。
【0058】
第2の吸収層41の低密度領域145は、短軸と長軸との交点が中心Oに相当し、短軸が仮想横中心線Qに相当し、且つ長軸が仮想縦中心線Pに合致する細長楕円状に形成してある。
中間領域146は、幅が一定となるように低密度領域145の周縁に形成してある。
高密度領域145は、中間領域146の周縁に形成してある。
【0059】
低密度領域145は、縦方向Yにおける中央部で横方向Xの寸法が大きくなる最幅広部148を有する一方、縦方向Yにおける低領域両端縁部145aで横方向Xの寸法が小さくなる狭幅部149を有している。
【0060】
この吸液パッド100においても、縦方向Yの中央部では非存在領域25と低密度領域145の一部とが重なるように第1の吸収層21を第2の吸収層41に積層してある。よって、第2の吸収層41において、排泄物を吸収保持することができる面積を広くして、第2の吸収層の全体で排泄物を吸収保持することができる。
【0061】
<第3実施形態>
図11は、この発明に係る第3実施形態に係る吸液パッドを示す平面図であり、図12は、図11のXII−XII線断面図である。
本実施形態の基本的構成も、第1実施形態と同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
この吸液パッド200は、第1の吸収層21と第2の吸収層41とをホットメルト接着剤で接合する代わりに、肌対向面に設けた溝201によって第1の吸収層21と第2の吸収層41とを接合している。
溝201は、厚さ方向Zにおいて、表面シート2から裏面シート3に向けて凹み、第1の吸収層21の一部および第2の吸収層41の一部を厚さ方向Zに圧縮することで形成してある。より具体的には、溝201の厚さ方向Zの寸法は、第1の吸収層21の厚さ方向Zの寸法よりも大きく、第2の吸収層41の内部にまで到達し、低密度領域45と高密度領域44との間の中間領域246を圧縮している。溝201は、第1の吸収層21では非存在領域25に位置する一方、第2の吸収層41では中間領域246に位置する。厚さ方向Zに圧縮することで、中間領域246の吸収性繊維19の密度は、高密度領域44の吸収性繊維19の密度よりも高くなる。
また、溝201は、縦方向Yに延び、仮想縦中心線Pに対して対称となるように一対配置してある。より具体的には、一対の溝201は、横方向Xにおいて、仮想横中心線Q上において、互いに最も近接し、仮想横中心線Qから離隔するに従って互いに徐々に離隔するように形成してある。
【0062】
この吸液パッド200によれば、中間領域246を厚さ方向Zに圧縮する溝201を設け、この溝201によって第1の吸収層21と第2の吸収層41とを接合してあるため、これらの吸収層21,41の間にホットメルト接着剤を設ける必要がない。しかも、溝201によって、中間領域246を厚さ方向Zに圧縮して寸法を小さくするため、縦方向Yにおける排泄物の拡散の速度を向上することができる。
【0063】
なお、吸液パッド1,100,200は、この発明の範囲で適宜変更することができ、上述した実施形態に限定されることはない。例えば、この発明は、吸液パッド1,100,200に限られず、パンティライナ、生理用ナプキン、軽失禁パッド、使い捨ておむつ等の吸収性物品に適用することもできる。
また、上述した実施形態には、2層の吸収層21,41を有する吸液性構造体10で説明した。しかし、この発明では、2層以上の吸収層を有する吸液性構造体10を用いてもよい。
さらに、第1の吸収層21の存在領域24,124には、吸収性ポリマー粒子に吸収性繊維を加えてもよい。また、第1の吸収層21の非存在領域25は、吸収性物品を製造する過程で混入することがある少量の吸収性ポリマー粒子を含んでもよい。すなわち、非存在領域25において排泄物を透過させる際にゲルブロックを発生させることがない程度に吸収性ポリマー粒子を含んでもよい。換言すれば、実質的に吸収性ポリマー粒子を含まないように非存在領域25,125を形成すればよい。さらに、第1吸収性コア22および第2吸収性コア42には、形状維持、および吸液性を向上させるため、例えばオプションとして熱可塑性合成繊維(ステープルファイバー等)を5〜25質量%加えてもよい。
また、存在領域24,124は、複数設ける必要はなく、中央存在領域24a,124aのみ設けてもよい。
また、上述した実施形態には、低密度領域45を厚さ方向Zに圧縮するもので説明したが、必ずしも低密度領域45を圧縮して形成する必要はない。加えて、低密度領域45および高密度領域44に加える圧縮力を変えることで、吸収性繊維19の密度が異なる領域44,45を形成する例を用いて説明したが、これらの領域44,45を形成する方法は、上述した方法に限られない。また、中間領域46は、必ずしも設ける必要もない。
なお、吸収性物品を構成する部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている公知の材料を制限なく用いることができる。
また、本明細書において使用されている「第1」、および「第2」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。
【符号の説明】
【0064】
1 吸液パッド(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
10 吸液性構造体
21 第1の吸収層
24 存在領域
25 非存在領域
26 コア中央部(中央部)
41 第2の吸収層
44 高密度領域
45 低密度領域
X 横方向
Y 縦方向
Z 厚さ方向
P 仮想縦中心線
Q 仮想横中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌対向面および非肌対向面を有し、前記肌対向面側に位置する表面シートと、前記非肌対向面側に位置する裏面シートと、前記表面シートおよび前記裏面シートの間に介在された吸液性構造体とを備える吸収性物品において、
前記吸液性構造体が、互いに重なる少なくとも2層の第1および第2の吸収層を有し、
前記第1の吸収層は、前記肌対向面の側に配置され、吸収性ポリマー粒子が存在する存在領域と、吸収性ポリマー粒子が実質的に存在しない非存在領域とを有し、
前記第2の吸収層は、前記非肌対向面の側に配置され、吸収性繊維および吸収性ポリマー粒子を含み、前記吸収性繊維の密度が高い高密度領域と、前記吸収性繊維の密度が低い低密度領域とを有するように形成され、
前記非存在領域と前記低密度領域の一部とが重なるように前記第1の吸収層が前記第2の吸収層に積層され、前記低密度領域と前記高密度領域とが前記吸収性繊維を介してつながっていることを特徴とする前記吸収性物品。
【請求項2】
前記吸液性構造体は、横方向と縦方向と厚さ方向とを有し、
前記高密度領域は、前記厚さ方向の寸法が前記低密度領域の前記厚さ方向の寸法よりも小さくなるように、前記厚さ方向に圧縮することで形成されている請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記存在領域は、前記横方向よりも前記縦方向に長い細長状に形成されている一方、前記非存在領域は、前記存在領域の前記横方向の両側に隣接するように形成してあり、
前記縦方向の中央部では、前記高密度領域の一部および前記低密度領域の一部が前記非存在領域にそれぞれ重なるように前記第1の吸収層が前記第2の吸収層に積層されている請求項1または2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記存在領域は、前記横方向の中央部に配置してある中央存在領域を少なくとも有し、
前記縦方向の両端縁部において、前記低密度領域の前記横方向の寸法が前記中央存在領域の前記横方向の寸法よりも小さく、且つ前記低密度領域の前記縦方向の寸法が前記中央存在領域の前記縦方向の寸法よりも小さく、前記縦方向の両端縁部において前記中央存在領域が前記低密度領域よりも延出し、前記厚さ方向において、前記低密度領域の前記縦方向における両端縁部の肌対向面が前記中央存在領域で被覆されている請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記縦方向における中央部で、前記中央存在領域より前記低密度領域が前記横方向において延出する請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記横方向において前記中央存在領域より前記低密度領域が延出する部分の長さは、前記縦方向の中央部において最も大きく、前記中央部から離隔するに従って徐々に小さくなる請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記存在領域には、前記中央存在領域の他に、前記前記中央存在領域の両側において前記横方向に並ぶように少なくとも2つの側存在領域を設け、前記側存在領域は前記高密度領域に重なる請求項4〜6のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記中央存在領域は、前記縦方向における中央部で前記横方向の寸法が最も小さくなる最幅狭部を有する一方、前記縦方向における両端縁部で前記横方向の寸法が最も大きくなる最幅広部を有し、
前記側存在領域は、前記縦方向の中央部において前記横方向の寸法が最も大きい最幅広部を有する一方、前記縦方向の両端部において前記横方向の寸法が最も小さい最幅狭部を有する請求項7に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記低密度領域は、前記縦方向における中央部で前記横方向の寸法が大きくなる最幅広部を有する一方、前記縦方向における両端縁部で前記横方向の寸法が小さくなる最幅狭部を有する請求項1〜8のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記中央存在領域および前記側存在領域は、前記横方向の幅がほぼ一定となるように前記縦方向に延びる略矩形状をそれぞれ呈する請求項9に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−179182(P2012−179182A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43368(P2011−43368)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】