説明

吸収管ならびにゲッタ材へまたはゲッタ材から自由水素を可逆的にロードおよびアンロードするための方法

本発明は、太陽熱発電所における、特にソーラコレクタ(10)のための、少なくとも1つの集光ミラー(12)を有する吸収管であって、熱伝達媒体を通しかつ加熱する金属管(22)と、真空可能な環状空間(26)を形成するための、金属管(22)を囲むシース管(24)と、環状空間(26)を密閉するための、シース管(24)と金属管との間に延びている壁部(32)と、環状空間(26)にある自由水素を結合させるためのゲッタ材(38)と、を具備する吸収管に関する。吸収管(18)は、ゲッタ材(38)および壁部(32)の温度を変化させるための温度変化装置(42)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱発電所における、特にソーラコレクタのための、吸収管であって、熱伝達媒体を通しかつ加熱する金属管と、真空可能な環状空間を形成するための、金属管を囲むシース管と、環状空間を密閉するための、シース管と金属管との間に延びている壁部と、環状空間にある自由水素を結合させるためのゲッタ材と、を具備する吸収管に関する。更に、本発明は、ゲッタ材へまたはゲッタ材から自由水素を可逆的にロードおよびアンロードするための方法に関する。更に、本発明は、自由水素を吸収管の環状空間から排出するための装置及び対応の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラコレクタに、例えば、集光ミラーとも呼ばれる放物面ミラーを備えることができ、ソーラコレクタを、いわゆるパラボリック・トラフ方式発電所に用いることができる。知られたパラボリック・トラフ方式発電所では、熱伝達媒体としては、放物面ミラーから反射されかつ吸収管へ集中された太陽光によって約400℃まで加熱することができる熱油が用いられる。この場合、吸収管は、通常、放射線吸収層を有する金属管と、典型的にはガラスからなりかつ金属管を囲む被覆管とから構成される。加熱された熱伝達媒体は、金属管を通って導かれ、例えば、水蒸気を発生させる装置に供給される。該水蒸気によって、熱プロセスにおいて、熱エネルギが、電気エネルギに変換される。金属管および被覆管は、互いに並行にかつ同軸に延びている。金属管と被覆管との間には、環状空間が形成される。該環状空間は、通常は金属からなる壁部によって軸方向に密閉される。個々の吸収管は、最大限4mの長さであり、溶接されて、最大限200mの全長を有するソーラフィールドループに形成される。このタイプの吸収管は、例えば、特許文献1から公知である。
【0003】
熱伝達媒体として使用される熱油は、経年劣化が増加するにつれて、熱油中に溶けている自由水素を解放する。自由になる水素の量は、一方では。使用された熱油および操作者による熱油の維持に依るが、他方では、熱油に接触する水の量にも依る。自由になった水素は、金属管を通る透過の故に、真空排気された環状空間に達する。金属管を通る透過速度は、金属管の作動温度の増加につれて、同様に増加する。そのことの結果として、環状空間中の圧力も増大する。このことは、結果として、0,0001mbarと0,001mbarの間の圧力から始まって、環状空間を介する熱伝導の向上を伴う。向上は、同様に、熱損失の増加、および吸収管またはソーラコレクタの効率の低下をもたらす。
【0004】
環状空間内の圧力上昇を回避し、従ってまた吸収管の寿命を延ばすために、環状空間に到達した水素を、いわゆるゲッタ材によって結合することができる。しかし、ゲッタ材の吸収能力は、制限されている。環状ギャップ内の圧力は、能力の限界に達した後に、熱油から解放された自由水素と平衡状態にあるまで、上昇する。従来の研究によれば、平衡圧力は、数mbarである。水素によって、環状ギャップにおける熱伝導の増大が、ソーラコレクタの効率にとって上記のマイナスの結果を伴って、生じる。環状空間にゲッタ材を備えている吸収管は、例えば特許文献2から公知である。
【0005】
特許文献3から公知の吸収管では、希ガスが、環状空間に導入されるのは、ゲッタ材の能力が使い尽くされている場合である。希ガスは、僅かな熱伝導率を有する。それ故に、環状ギャップを介する熱伝導を、自由水素の存在にもかかわらず、減少することができる。
【0006】
2つの上記の装置では、環状空間に達した自由水素は、ゲッタ材の吸収能力が使い尽くされているまで、結合されている。特許文献3に記載の、環状空間に導入可能な希ガスの量は、同様に制限されている。それ故に、2つの措置は、吸収管の寿命を、一定の限度でのみ延ばすことができる。
【0007】
特許文献4は、膜を有し、環状空間内で自由水素の濃度を低く保つために、膜を通って、自由水素が環状空間から外へ運ばれてなる吸収管を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】DE 102 31 467 B4
【特許文献2】WO 2004/063640 A1
【特許文献3】DE 10 2005 057 276 B3
【特許文献4】EP 0286 281
【発明の概要】
【0009】
従って、本発明の課題は、従来の技術から知られた吸収管と比較して延びた寿命を有する吸収管を提供することである。
【0010】
上記課題は、ゲッタ材および壁部の温度を変化させるための温度変化装置を有する、明細書の最初の部分に記載されたタイプの吸収管によって、解決される。
【0011】
この場合、温度変化装置は、ゲッタ材および/または壁部の温度の変化すなわち増減を引き起こすことができるあらゆる装置を意味することが意図される。
【0012】
自由水素に対するゲッタ材の吸収能力は、温度に依存している。通常用いられるゲッタ材では、温度の低下につれて、吸収能力は、増加する。従って、本発明によれば、ゲッタ材の冷却によって吸収管の作動中に吸収能力を向上させることが可能である。適切な材料の選択の際に、他方では、壁部を通る自由水素の透過速度が、壁部の温度の増加につれて、大幅に上昇する。他方、壁部は、通常は作動中に支配的な温度で、環状空間を気密に密閉する。
【0013】
ゲッタ材の吸収能力が消尽されており、かつ、冷却によっては最早適切に向上されないとき、本発明によれば、ゲッタ材および壁部の温度が、温度変化装置によって増加される。ゲッタ材は、吸収能力の低下により、自由水素を、環状空間に放出する。自由水素は、今や、壁部を通ってかつ環状空間から拡散することができる。この拡散プロセスは、環状空間内の圧力が自由水素の濃度の上昇につれて増加することによって、支持される。
【0014】
ゲッタ材から放出される水素が、環状空間から排出されるや否や、温度は、再度、元の数値、すなわち作動温度に低下される。それ故に、壁部を通る透過速度は再度低下し、かつ、水素に対するゲッタ材の吸収能力が増大する。今や、熱伝達媒体から再度新たに放出されかつ環状空間に到達した自由水素は、吸収能力が消尽されるまで、ゲッタ材によって結合される。次に、上記温度変化が新たに実行される。このプロセスを、任意にしばしば繰り返すことができる。それ故に、吸収管の寿命を著しく増大させることができる。このことは、太陽熱発電所の稼働を著しく従来の技術より効果的にする。
【0015】
ゲッタ材は、通常、圧縮されて、シリンダ状の部分(ピル)に形成される。ゲッタ材に水素をロードする際に、容量変化従ってまた粒子形成をもたらす水素化物が形成される。本発明によれば、臨界ローディング度(kritischer Beladungsgrad)を達成する前にさえ、温度変化およびゲッタ材からの自由水素のアンロードを実行して、ゲッタ材の粒子形成を防止することが可能である。粒子形成が不利であるのは、維持されることができない少なくとも比較的小さい粒子が、環状空間の中で自由に動くことができ、そこで、局所的な温度上昇(ホットスポット)をもたらし、あるいは、粉衣として、透過を悪化させるからである。このことは、吸収管の寿命および効率にマイナスの影響を及ぼす。
【0016】
ゲッタ材が環状空間に設けられていてなる本発明の好ましい実施の形態では、温度変化装置は、環状空間の外側にかつゲッタ材の向かい側に設けられている。温度変化装置を環状空間の外側に設けることによって、温度変化装置は、上手にアクセス可能である。それ故に、環状空間に介入する必要なしに、温度変化装置を容易に取り付け、かつ修理することができる。温度変化装置に向かい合うようにゲッタ材を環状空間に設けることは、行なわれた温度変化が実際にゲッタ材に作用することを保証する。
【0017】
本発明の好都合な実施の形態は、自由水素を環状空間から排出するための、自由水素が浸透可能である膜が設けられていることを特徴とする。膜は、他種のガスに対して不透過である。膜がパラジウム、ニオブまたは純鉄、あるいは前記物質が含まれている合金からなることは好ましい。膜を、更に、適切なコーティングによって、腐食に対して保護することができる。膜は、壁部に挿入され、水素の透過速度の温度依存性が、吸収管の作動中に支配的である温度に基づいて最適化されているように、構成されることができる。パラジウムの膜は、200℃未満で不動態化する。加熱によって、膜を活性化させることができる。従来知られた解決策では、膜は、ガラスカバーに、あるいはガラスと金属のベローズとの間の移行領域に組み入れられた(特許文献4またはUS 4892142を参照せよ)。この場合、膜は、僅かな差圧(環状ギャップにおいて<0,0001mbar、大気中では0,00005mbar)で環状ギャップから大気へ水素が連続的に透過するために用いられることが意図される。これらの解決策は、膜の温度が定められていないという欠点を有する。このことによって、一方では、膜が臨界温度限界を下回るとき、不動態化がなされることができ、これにより、内圧が上昇する。他方では、直接照射によって、強すぎる加熱が生じることがある。該加熱は、ガラスまたは移行領域における高い応力をもたらし、かつ、シース管の破壊を引き起こす。この実施の形態の高い破損率は、カリフォルニア州の発電所クレイマー・ジャンクションの作動から知られている。非常に強く温度依存性の透過速度を有する膜が選択されるとき、ガスが外から環状空間に侵入することなく、自由水素を環状空間から排出するためには、膜温度の僅かな上昇で十分である。従って、加熱のためのエネルギ消費を少なく保つことができる。
【0018】
温度変化装置が膜の温度を変化させることは好ましい。前記実施の形態では、膜の温度を、壁部の温度の変化により変化させる。かくして、そこには、壁部から膜への熱伝導による膜の温度の間接的な変化が生じる。この実施の形態では、膜の温度は、直接に変化される。このことは、エネルギ的に有利である。ゲッタ材の温度は、膜を介して間接的に変化される。かくして、温度変化装置から膜を通ってゲッタ材への温度変化が生じる。
【0019】
壁部が移行要素および外輪を有してなる好ましい実施の形態では、膜は、移行要素および/または外輪の中にまたは上に設けられている。移行要素および外輪は、知られた膨張補償装置の通常の構成要素である。膨張補償装置によって、シース管および金属管の異なった膨張が補償され、環状空間は、吸収管の作動中に気密に密閉される。外輪全体または移行要素全体を膜として製造する必要はない。むしろ、この目的のためには、所定の部分で十分である。このことによって、製造コストを減少させることができる。更に、市販の膨張補償装置を用いることができる。製造技術の出費の増加が少ないためには、膨張補償装置には膜のみを備えればよい。
【0020】
吸収管が、シース管および金属管の異なった膨張を補償するためのベローズを有する、本発明の追加的に好ましい実施の形態では、膜は、ベローズの中にまたは上に設けられている。このことによっても、本発明の原理の安価な実現を達成することができる。
【0021】
膜が、鉄、パラジウムまたはニオブからなることは好ましい。これらの3つの元素は、該元素の水素の透過速度の温度依存性が、吸収管の作動中に支配的な条件に適切であることを特徴とする。
【0022】
ベローズおよび/または壁部が、自由水素に対する透過性を増大させるためのドープ領域を有することは好ましい。ここでは、例えば、パラジウム原子を、ベローズまたは壁部の基材に導入することができる。ドーピング法を、今日では、例えば、拡散によって、気相からの昇華によって、または、真空下での高エネルギの粒子砲による射撃によって、安価に実行することができる。ドーピングの際に、極僅かな量の外来原子が基材に導入される。このことは、しかし、透過速度に強く影響を及ぼすためには十分である。従って、用いられたパラジウムまたはニオブの量を、非常に少なく保ち、追加のドーピング法の費用を上回るコスト削減を達成することができる。
【0023】
本発明の他の改善では、ゲッタ材は、外輪および/または移行要素に取り付けられている容器の中に充填されている。ゲッタ材は、通常は、圧縮されて、ピルに形成される。ゲッタ材への自由水素のロードが増加するにつれて、複数のシリンダ状の部分が多くの小さな粒子に分解するように、該シリンダ状の部分を破壊する水素化物が形成される。実際また、更に、自由水素がゲッタ材に堆積することができ、かつ、ゲッタ材の吸収能力が変化されない。とはいっても、小さな粒子が、環状空間の中で、無制御に分布している。環状空間では、該粒子が、反射された太陽光によって加熱され、局部的なホットスポットを環状空間に形成する。このことは、吸収管の熱出力および寿命にマイナスの影響を及ぼす。容器によって、ゲッタ材は、或る箇所に永続的に固定されている。それ故に、上記欠点は生じない。特には、ゲッタ材を、粉末形態で用いてもよい。更に、複数の容器には、組立前に、既に環状空間の外でゲッタ材が充填される。それ故に、充填された容器は、環状空間へ挿入されるだけでよい。従って、吸収管の製造は容易化される。同様に、これらの容器を、既に吸収管の組立の前に、例えば留めることまたははんだ付けによって、外輪または移行要素に結合することができる。
【0024】
容器が、環状空間内の前記自由水素にとってのゲッタ材への出入り可能性を増大させるための複数の孔を有することは好ましい。これらの孔は、レーザで形成された微小孔であってもよい。水素は、微小孔を容易に通り抜けることができるが、ゲッタ材は通り抜けることができない。かようにして、ゲッタ材が、特に粉末形態では、無制御に環状空間に分布することなく、水素は、ゲッタ材に蓄積し、ゲッタ材から再度ロードされる。
【0025】
有利な実施の形態では、容器は、織物ストッキングとして形成されている。織物ストッキングは、柔軟性があり、追加の締付装置なしに、環状空間に挿入されることができる。この場合に有利であるのは、織物ストッキングには、伸ばされた状態で、ゲッタ材が充填されているが、環状空間には、曲げられた状態で織物ストッキングが取り付けられている。この目的のためには、織物ストッキングは、自らの両端で、閉鎖可能な結合装置を有する。該結合装置によって、織物ストッキングは、例えばベローズの周囲に設けられることができる。そこでは、織物ストッキングは、摩擦によって固定される。所定の組込み箇所を保つ必要はない。むしろ、織物ストッキングは、環状空間の任意の箇所に設けることができる。
【0026】
外輪が、ゲッタ材に突出している突出部を有し、かつ、温度変化装置が突出部の領域に設けられていることは好ましい。かようにして、熱伝導のために使用可能な面が拡張される。それ故に、ゲッタ材の温度変化は、従来の技術より効果的になされることができる。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態では、外輪は、突出部の領域に凹部を有し、該凹部の中で、温度変化装置が延びている。この実施の形態は、熱源またはヒート・シンクを、ゲッタ材に非常に近くにもたらすことを可能にし、それ故に、熱伝導が、一層最適化される。
【0028】
本発明に係わる吸収管は、外輪が、ゲッタ材に向いておりかつ膜によって閉じられている開口部を有することによって改善される。この場合、膜は、開口部自体に設けられていてもよいし、あるいは、開口部を閉じるキャップとして形成されていてもよい。この改善では、膜を、既に開口部の寸法に適合させることもできる。それ故に、膜を、開口部に押し被せるか、または開口部に挿入しさえするだけでよい。このことは、製造技術的な観点から、有利である。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態では、外輪および/または移行要素は、ゲッタ材を少なくとも部分的に囲む部分を有する。かようにして、熱伝導のために使用可能な面が拡張される。それ故に、ゲッタ材の温度変化は、従来の技術より効果的になされることができる。この部分は、環状空間から見て外側に湾曲されていてもよい。それ故に、吸収管の環境からのまたは該環境への熱伝導のために使用可能な面が拡大される。
【0030】
膜が、前記部分に設けられていることは好ましい。このことによって、ゲッタ材から放出される自由水素の輸送は、環状空間から効果的になされることができる。
【0031】
温度変化装置が前記部分に隣接していることは好ましい。このことによって、温度変化装置によって発生される温度変化は、熱伝導のための部分によって拡大された面を介して使用されることができる。それ故に、ゲッタ材の温度は、非常に効果的な方法で変化される。
【0032】
ベローズが1つまたは複数の襞を有してなる本発明の他の実施の形態では、温度変化装置は、少なくとも部分的に、ベローズの襞に延びている。このために必要な製造費用は僅かであり、更に、さほどの追加的な固定措置は、全然不要である。ベローズが少なくとも部分的に環状空間に隣接しているので、ここでは、ゲッタ材の温度の効果的な変化が可能である。
【0033】
温度変化装置が加熱装置として設計されていることは好ましい。この実施の形態では、膜または壁部部の冷却は不可能ではあるが、ゲッタ材の本発明に係わるローディング処理およびアンローディング処理は、技術的に簡単かつ市販の手段によって、効果的に行なうことができる。
【0034】
加熱装置が電熱線を有することは好ましい。電熱線は、該電熱線を柔軟に敷設し、かつ、吸収管における公比に適合することができるという利点を有する。特に、電熱線は、外輪の凹部に上手に敷設される。
【0035】
本発明に係わる吸収管の好ましい実施の形態では、加熱装置は、ゲッタ材を誘導加熱するための電気コイルおよび金属ディスクを有する。環状空間が気密に密閉されており、かつ真空化されるので、密封を損なうことなく、導線および電線を外側から環状空間に導くことが不可能であるか、あるいは、不釣合いに高い費用でのみ可能である。金属ディスクが環状空間の中にあるか、環状空間の外にあるかにかかわらず、電気コイルによって、金属ディスクを無接触で誘導加熱することができる。金属ディスクの適切な設置の際には、膜が今や間接的に加熱されるように、ゲッタ材を直接に加熱することが可能である。この場合、従って、温度変化装置からゲッタ材を介しての膜への温度変化が、なされる。
【0036】
温度変化装置が、ヒートパイプおよび/または光電池モジュールを有することは好ましい。この実施の形態では、一方では、熱が、比較的長い距離に亘って輸送される。かくして、両者は、熱を任意の箇所で発生させ、かつ、熱を必要とする箇所に運ぶことを可能にする。逆に、両者は、熱も、冷却されねばならない箇所から放出することができる。このことは、構造的な利点を有する。何故ならば、温度変化装置は、吸収管に直接的に設ける必要がないからである。このことによって、構造空間の不足から生じる問題を回避することができる。光電池モジュールによって、更に、熱を、好ましくかつ環境に優しい方法で利用することができる。
【0037】
吸収管の特に好ましい実施の形態では、温度変化装置は冷却装置を有する。この場合、利点は、熱を吸収管から活発に放出して、ゲッタ材の温度を調整することができることである。
【0038】
本発明の他の態様は、吸収管中の自由水素をゲッタ材へまたはゲッタ材から可逆的にロードおよびアンロードするための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-第1の温度で自由水素にゲッタ材をロードすること、
-温度変化装置によってゲッタ材を第2の温度に変化させること、
-第2の温度でゲッタ材から自由水素をアンロードすること、および
-温度変化装置によってゲッタ材の温度を第1の温度に変化させること、を有する方法に関する。
【0039】
この方法を、しばしば任意に適用することができる。それ故に、ゲッタ材を、繰り返し従ってまた、従来の技術から知られた吸収管の場合に知られているよりも著しく効果的に、使用することができる。従来の吸収管では、自由水素のための吸収能力の消尽までゲッタ材に自由水素が一度のみロードされる。吸収管の寿命を、本発明に係わる方法によって、著しく伸ばすことができる。それ故に、太陽熱発電所を、従来の技術より効果的に作動させることができる。
【0040】
通常使用されるゲッタ材の場合、自由水素に対する吸収能力は、温度の上昇につれて、減少する。従って、アンロードは、ゲッタ材の温度の増加によって、引き起こされる。従って、通常は、第2の温度は、第1の温度よりも高い。この場合、第1の温度は、大抵、ゲッタ材の組込み箇所に支配的である、吸収管の使用温度である。しかし、第1の温度を、温度変化装置によって、吸収管の使用温度より下にもたらすことができる。それ故に、ゲッタ材の吸収能力は一層増加される。
【0041】
本発明の他の態様は、吸収管の環状空間に設けられたゲッタ材の温度を変化させるための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-温度変化装置によって膜または壁部の温度を変化させること、および
-膜によってゲッタ材の温度を変化されること、を有する方法に関する。
【0042】
この場合、ゲッタ材の温度の変化は、温度変化装置から膜および/または壁部を通ってゲッタ材への道のりに沿ってなされる。従って、ゲッタ材は、膜および/または壁部を介して間接に加熱される。
【0043】
他の態様は、吸収管の膜および/または壁部の温度を変化させるための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-温度変化装置によってゲッタ材の温度を変化させること、および
-ゲッタ材によって膜および/または壁部の温度を変化させること、を有する方法に関する。
【0044】
この場合、膜および/または壁部の変化は、温度変化装置からゲッタ材を通って膜および/または壁部への道のりに沿ってなされる。従って、ゲッタ材は、膜および/または壁部を介して、間接に加熱される。
【0045】
本発明の他の態様は、自由水素を吸収管の環状空間から排出するための装置であって、
-請求項1ないし23のいずれか1項に記載の吸収管と、
-シース管の温度値を決定するための温度測定ユニットと、
-シース管の決定された温度値を、選択可能な臨界温度値と比較するための比較ユニットと、を具備する装置に関する。
【0046】
この装置によって、ゲッタ材へまたはゲッタ材から自由水素を自動的にロードおよびアンロードさせることが可能である。従って、吸収管は、常に、最適な範囲で作動され、ロードおよびアンロードをモニタする保守要員は不要である。
【0047】
更に他の態様は、自由水素を吸収管の環状空間から排出するための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-温度測定ユニットによってシース管の温度値を決定すること、
-比較ユニットによって、決定された温度値を、選択可能な臨界温度値と比較すること、および
-ゲッタ材に結合した水素が、解放されかつ前記環状空間から排出されるように、温度変化装置によって、ゲッタ材のおよび壁部のおよび/または膜の温度を変化させること、を有する方法に関する。
【0048】
本発明に係わる方法は、前記順序で実行されるが、他の順序も考えられる。この方法の利点は、自由水素を吸収管の環状空間から排出するための、適切な、本発明に係わる装置に関して記述された利点と一致する。
【0049】
今、本発明を、図面を参照して、好ましい実施の形態を基づいて詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ソーラコレクタの略図を示す。
【図2】本発明に係わる吸収管の第1の実施の形態を半断面図で示す。
【図3】本発明に係わる吸収管の第2の実施の形態を半断面図で示す。
【図4】本発明に係わる吸収管の第3の実施の形態を半断面図で示す。
【図5】本発明に係わる吸収管の第4の実施の形態を半断面図で示す。
【図6】本発明に係わる吸収管の第5の実施の形態を半断面図で示す。
【図7】本発明に係わる吸収管の第6の実施の形態を半断面図で示す。
【図8】本発明に係わる吸収管の第7の実施の形態を半断面図で示す。
【図9】本発明に係わる吸収管の第8の実施の形態を半断面図で示す。
【図10】ゲッタ材へまたはゲッタ材から自由水素を可逆的にロードおよびアンロードするための方法の図解を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1には、知られたタイプのソーラコレクタ10が示されている。該ソーラコレクタ10は集光ミラー12を有する。集光ミラーは、太陽放射線14を反射し、かつ、反射された太陽放射線16を吸収管18に向ける。集光ミラー12は、樋状に構成されている。それ故に、集光ミラーは、反射された太陽放射線を焦線に沿って集束させる。この焦線を通って、吸収管18の縦軸線20が延びている。吸収管18は、金属管22およびシース管24を有する。金属管22は、放射線吸収層で被覆されており、熱伝達媒体によって貫流される。シース管24は、金属管22とシース管24との間の環状空間26が形成されるように、金属管22を囲む。シース管24は、典型的には、ガラスから構成される。集光ミラー12の樋状の構成に基づいて、吸収管18は、集光ミラー12に向いた半体28と、集光ミラーから離隔した半体30とに分けることができる。
【0052】
熱伝達媒体の流れ方向は、矢印Pによって示されている。熱伝達媒体は、金属管22を貫流する際には、反射された太陽放射線16によって加熱される。到達可能な温度は、約400℃である。加熱された熱伝達媒体は、ここには詳述しないプロセスに供給される。このプロセスで、電気エネルギが得られる。吸収管18の、集光ミラー12から離隔した半体30は、混合対流によって、すなわち自然対流によっておよび例えば風により強制された対流によって、冷却される。このことは、熱損失をもたらし、従って、熱伝達媒体の加熱プロセスを悪化させる。従って、金属管22から外への熱の伝達を可能な限り減じることが試みられる。このことは、シース管24によって形成される環状空間26によって、なされる。該環状空間は、真空化されている。このことによって、環状空間を通る熱の伝達が減じられ、従って、熱損失が制限される。
【0053】
図2には、本発明に係わる吸収管18の第1の実施の形態が、半断面図で示されている。吸収管18は、壁部32を有する。該壁部は、図示した実施の形態では、移行要素34および外輪36からなり、移行要素34は、シース管24に結合されている。この壁部32は、環状空間26を、吸収管の縦軸線20の軸方向に、気密に閉じる。
【0054】
ゲッタ材38が充填された容器40は、例えば綴じること、はんだ付けまたは貼着によって、外輪36に固定されている。移行要素34への固定も、同様に実現可能である。環状空間26の外側では、容器40の隣に、温度変化装置42が取り付けられている。温度変化装置は、この装置が壁部32の温度、図示した例では外輪36の温度を変化させることができるように、設けられている。この目的のために、温度変化装置42は、加熱装置48および冷却装置49を有する。容器40が外輪36に固定されているので、特に熱伝導による、外輪36の温度の変化が、ゲッタ材38の温度の変化も引き起こす。
【0055】
更に、吸収管18は、接続要素44およびベローズ46を有する。接続要素は、金属管22に結合されており、ベローズは、吸収管18の動作中にシース管および金属管の膨張差を補償する。この実施の形態では、外輪36は接続要素44に接触しているが、接続要素上で軸方向に移動可能である。
【0056】
図3には、本発明に係わる吸収管18の第2の実施の形態が示されている。温度変化装置42は,同様にベローズ46の襞52に敷設されている電熱線50を有する加熱装置48として設計されている。ここでは、外輪36は、接続要素44に接触していない。それ故に、ベローズ46は、環状空間26から離隔した側で出し入れ可能である。ゲッタ材38が入っている容器40は、環状空間28でベローズ46上にある織物ストッキング(Gewebestrumpf)54としてデザインされている。移行要素34には膜56が設けられており、該膜56の温度を変化させる際には自由水素が膜を通って拡散することができる。電熱線50は、ベローズ46によって、まず、ゲッタ材38を加熱する。ゲッタ材は、同様に、膜56を加熱する。それ故に、膜56は、間接的に加熱される。
【0057】
図4には、吸収管18の第3の実施の形態が示されている。ここでは、ゲッタ材38は、同様に、容器40に入っている。該容器は、多数の孔58を有し、孔は、自由水素が良好に通過することができ、しかしながら、ゲッタ材38が容器40に留まるような寸法である。移行要素34のみならず、外輪36もまた、膜56を有する。温度変化装置42は、この場合、ヒートパイプとして、または光電池モジュール59として設計されている。両者は、比較的長い距離に亘る熱の輸送のために用いられる。かくして、両者は、任意の箇所で熱を発生し、かつ、熱を必要とする場所に案内することを可能にする。反対に、両者は、冷却される必要がある箇所から熱を排出することもできる。この場合、熱は、ヒートパイプ59の端部57で発生され、かつ、外輪36の膜56の直ぐ近くで放出される。このことによって、膜がまず加熱される。それ故に、ゲッタ材38は、ここでは、間接に加熱される。同様に、このことは、温度の低下にも当てはまる。光電池モジュール59は、更に、非常に好適なおよび環境に優しい発熱を可能にする。
【0058】
図5に示された第4の実施の形態では、外輪36は、ゲッタ材38に突入した突出部60と、突出部60の直ぐ近くに位置している凹部62とを有する。該凹部62には、加熱装置48の電熱線50が延びている。それ故に、ゲッタ材36の温度を非常に効率的に増加させることができる。更に、外輪36は、ドープ領域64を有する。該ドープ領域は、同様に、突出部60の直ぐ近くに位置しており、かつ、突出部60を含む。
【0059】
図6には、本発明に係わる吸収管18の第5の実施の形態が示されている。ここでは、外輪36は、開口部66を有する。開口部は、ゲッタ材38に突入し、かつ、膜56によって閉じられる。図示した例では、膜56は、開口部66を閉じるキャップ68として設計されている。温度変化装置42は、膜56のおよびゲッタ材38の温度を変化させることができるように、開口部66の直ぐ近くに設けられている。
【0060】
吸収管18の、図7に示した第6の実施の形態では、温度変化装置42は、電気コイル70および金属ディスク72を有する。金属ディスク72および電気コイル70は、金属ディスク72が電気コイル70で誘導加熱されることができるように、配置されている。この場合、金属ディスク72は、ゲッタ材38を直接に加熱することができるように、ゲッタ材38の中に設けられている。膜56は、この実施の形態では、ベローズ46に設けられており、かつ、ゲッタ材38を介して間接的に加熱される。
【0061】
図8には、自由水素を吸収管18の環状空間28から運び出すための装置74が略示されている。該装置は、図2に示した第6の実施の形態に示す吸収管18を有する。すべての他の実施の形態も使用可能である。温度変化装置42は、比較ユニット78に接続されている。比較ユニットは、同様に、温度測定ユニット78に接続されている。この場合、接続は、ケーブル80を介して実現されている。ワイヤレスの接続も同様に考えられる。比較ユニット76として、コンピュータまたはマイクロコンピュータを用いてもよい。温度測定ユニット78は、熱画像カメラまたは温度センサとして形成されていてもよい。
【0062】
温度測定ユニット78は、シース管24の温度の値を決定し、決定された値を、比較ユニット76に転送する。比較ユニットは、この値を、選択可能なかつ比較ユニット76に入力可能な臨界温度値と比較する。シース管24の、決定された温度値が臨界温度値を上回るとき、このことは、吸収管18の環状空間26内での自由水素の蓄積のあらわれであり、自由水素に関するゲッタ材38の吸収能力の消尽のあらわれである。この場合、比較ユニット76は、温度変化装置42に、ゲッタ材38の温度を低下させ、かくして、ゲッタ材の吸収能力を向上させる。この代わりに、比較ユニット76は、ゲッタ材38および壁部32の温度の上昇を引き起こすことができる。このことによって、ゲッタ材に結合した水素が、ゲッタ材38から分離され、かつ、膜56によって、環状空間26から除去される。
【0063】
図9に示した実施の形態では、外輪36は、ゲッタ材38を少なくとも部分的に囲む部分82を有する。膜56は、図示した例では、領域82に設けられている。例えば加熱装置48として設計されている温度変化装置42は、同様に、この領域82に設けられている。
【0064】
図10には、ゲッタ材38へまたはゲッタ材から自由水素を可逆的にロードおよびアンロードするための方法が図形で示されている。ここには、環状空間26における圧力pの依存性が、ゲッタ材38の第1の温度Tおよび第2の温度Tに対する、ゲッタ材38中の自由水素の濃度の等温的な増加に関して、描かれている。この場合、第1の温度Tは、第2の温度Tよりも低い。この場合、線Lは、自由水素に対するゲッタ材38の最大限の吸収能力を示す。低い温度Tにおけるゲッタ材38の吸収能力は、高い温度Tよりも高いことが明らかである(等温線と線Lとの交点)。
【0065】
環状空間に入り込む水素は、ゲッタ材38の最大吸収能力に達するまで、ゲッタ材38に結合される。このローディングは、図示した例では、温度Tで生じる。第1の温度Tにおいて最大限の吸収能力に達する際に、または、図示のように、達する直前に、温度変化装置42の作動によって、ゲッタ材38の温度は、第1の温度Tから第2の温度Tへ上昇される。最大限の吸収能力に達する前の、温度の上昇は、ゲッタ材の粒子形成を防止する。第2の温度Tでは、ゲッタ材38は、より低い吸収能力を有する。それ故に、ゲッタ材に結合された自由水素の多くは、第2の温度T2でゲッタ材38の最大限の吸収能力に達するまで、放出される。この点(等温線TとLとの交点)で、ゲッタ材38の温度は、第1の温度Tに低下される。該第1の温度では、吸収能力は高まる。それ故に、ゲッタ材38は、他の自由水素を吸収することができる。
【0066】
ゲッタ材38の温度の変化は、閉部32および/または膜56および/またはベローズ46の温度の変化を伴って生じる。壁部32は、通常、少なくとも部分的に金属から、特に、鉄含有の材料から製造されているので、壁部は、温度の上昇とともに増大する、温度依存の透過性を有する。同じことは、ベローズが金属材料で製造されている限りは、ベローズ46にも、ならびに壁部32のまたはベローズ46のドープ領域64にも当てはまる。
【0067】
本発明を、複数の好ましい実施の形態を参照して詳述した。明細書から当業者にとって明らかな変更例または変形例は、本発明の基礎になっている思想とは異ならず、かつ、以下の請求項によって定義される保護範囲によって包括される。
【符号の説明】
【0068】
10 ソーラコレクタ
12 集光ミラー
14 太陽放射線
16 反射された太陽放射線
18 吸収管
20 縦軸線
22 金属管
24 シース管
26 環状空間
28 吸収管の、集光ミラーに向いた半体
30 吸収管の、集光ミラーから離隔した半体
32 壁部
34 移行要素
36 外輪
38 ゲッタ材
40 容器
42 温度変化装置
44 接続要素
46 ベローズ
48 加熱装置
49 冷却装置
50 電熱線
52 襞
54 織物ストッキング
56 膜
57 端部
58 孔
59 ヒートパイプ、光電池モジュール
60 突出部
62 凹部
64 ドープ領域
66 外輪の開口部
68 キャップ
70 電気コイル
72 金属ディスク
74 装置
76 比較ユニット
78 温度測定ユニット
80 ケーブル
82 部分
L 線
第1の温度
第2の温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽熱発電所における、特にソーラコレクタ(10)のための、吸収管であって、
-熱伝達媒体を通しかつ加熱する金属管(22)と、
-真空可能な環状空間(26)を形成するための、前記金属管(22)を囲むシース管(24)と、
-前記環状空間(26)を密閉するための、前記シース管(24)と前記金属管との間に延びている壁部(32)と、
-前記環状空間(26)にある自由水素を結合させるためのゲッタ材(38)と、を具備する吸収管において、
前記ゲッタ材(38)および前記壁部(32)の温度を変化させるための温度変化装置(42)が設けられていることを特徴とする吸収管。
【請求項2】
前記ゲッタ材(38)は前記環状空間(26)に設けられていてなる供給管において、
前記温度変化装置(42)は、前記環状空間(26)の外側におよび前記ゲッタ材(38)の向かい側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸収管。
【請求項3】
前記自由水素を前記環状空間(26)から排出するための、前記自由水素が浸透可能である膜(56)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の吸収管。
【請求項4】
前記温度変化装置(42)は、前記膜(56)の温度を変化させることを特徴とする請求項3に記載の吸収管。
【請求項5】
前記壁部(32)は移行要素(34)および外輪(36)を有してなる供給管において、
前記膜(56)は、前記移行要素(34)および/または前記外輪(36)の中にまたは上に設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の吸収管。
【請求項6】
前記吸収管(18)は、前記シース管(24)および前記金属管(22)の異なった膨張を補償するためのベローズ(46)を有してなる供給管において、
前記膜(56)は前記ベローズ(46)の中にまたは上に設けられていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の吸収管。
【請求項7】
前記膜(56)は、鉄、パラジウムまたはニオブを含むことを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に帰しの吸収管。
【請求項8】
前記ベローズ(48)および/または前記壁部(32)は、前記自由水素のための透過性を増大させるためのドープ領域(64)を有することを特徴とする請求項6または7に記載の吸収管。
【請求項9】
前記ゲッタ材(38)は、前記外輪(36)および/または前記移行要素(34)に取り付けられている容器(40)の中に充填されていることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の吸収管。
【請求項10】
前記容器(40)は、前記環状空間(26)内の前記自由水素に対する前記ゲッタ材(38)の出入り可能性を増大させるための複数の孔(58)を有することを特徴とする請求項9に記載の吸収管。
【請求項11】
前記容器(40)は、織物ストッキング(54)として形成されていることを特徴とする請求項9に記載の吸収管。
【請求項12】
前記外輪(36)は、前記ゲッタ材(38)に突出している突出部(60)を有し、かつ、前記温度変化装置(42)は、前記突出部(60)の領域に設けられていることを特徴とする請求項5ないし11のいずれか1項に記載の吸収管。
【請求項13】
前記外輪(36)は、前記突出部(60)の領域に凹部(62)を有し、該凹部の中で、前記温度変化装置(42)が延びていることを特徴とする請求項12に記載の吸収管。
【請求項14】
前記外輪(36)は、前記ゲッタ材(38)に向いておりかつ前記膜(56)によって閉じられている開口部(66)を有することを特徴とする請求項5ないし13のいずれか1項に記載の吸収管。
【請求項15】
前記外輪(36)および/または前記移行要素(34)は、前記ゲッタ材(38)を少なくとも部分的に囲む部分(82)を有することを特徴とする請求項5ないし11のいずれか1項に記載の吸収管。
【請求項16】
前記膜(56)は、前記部分(82)に設けられていることを特徴とする請求項15に記載の吸収管。
【請求項17】
前記温度変化装置(42)は、前記部分(82)に隣接していることを特徴とする請求項15または16に記載の吸収管。
【請求項18】
前記ベローズ(46)は、1つまたは複数の襞(52)を有してなる吸収管において、
前記温度変化装置(42)は、少なくとも部分的に、前記ベローズ(46)の前記襞(52)に延びていることを特徴とする請求項6ないし17のいずれか1項に記載の吸収管。
【請求項19】
前記温度変化装置(42)は、加熱装置(48)として設計されていることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の吸収管。
【請求項20】
前記加熱装置(48)は、電熱線(50)を有することを特徴とする請求項19に記載の吸収管。
【請求項21】
前記加熱装置(48)は、前記ゲッタ材(38)を誘導加熱するための電気コイル(70)および金属ディスク(72)を有することを特徴とする請求項20に記載の吸収管。
【請求項22】
前記温度変化装置(42)は、ヒートパイプ(59)および/または光電池モジュール(59)を有することを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1項に吸収管。
【請求項23】
前記温度変化装置(42)は、冷却装置(49)を有することを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1項に吸収管。
【請求項24】
吸収管(18)の環状空間(26)に設けられたゲッタ材(38)の温度を変化させるための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-温度変化装置(42)によって膜(56)および/または壁部(32)の温度を変化させること、および
-前記膜(56)によって前記ゲッタ材(38)の温度を変化させること、を有する方法。
【請求項25】
吸収管の膜(56)の温度を変化させるための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-温度変化装置(42)によってゲッタ材(38)の温度を変化させること、および
-前記ゲッタ材(38)によって前記膜(56)の温度を変化させること、を有する。
【請求項26】
請求項1ないし23のいずれか1項に記載の吸収管中の自由水素をゲッタ材(38)へまたはゲッタ材から可逆的にロードおよびアンロードするための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-第1の温度(T)で自由水素に前記ゲッタ材(36)をロードすること、
-温度変化装置(42)によって前記ゲッタ材(36)を第2の温度(T)に変化させること、
-前記第2の温度(T)で前記ゲッタ材(38)から自由水素をアンロードすること、および
-前記温度変化装置(42)によって前記ゲッタ材(38)の温度を前記第1の温度(T)に変化させること、を有する方法。
【請求項27】
自由水素を吸収管の環状空間(26)から排出するための装置であって、
-請求項1ないし23のいずれか1項に記載の吸収管(18)と、
-前記シース管(24)の温度値を決定するための温度測定ユニット(78)と、
-前記シース管(24)の前記決定された温度値を、選択可能な臨界温度値と比較するための比較ユニット(76)と、を具備する装置。
【請求項28】
自由水素を吸収管の環状空間(26)から排出するための方法であって、
以下の工程、すなわち、
-温度測定ユニット(78)によって前記シース管(24)の温度値を決定すること、
-比較ユニット(76)によって、前記決定された温度値を、選択可能な臨界温度値と比較すること、および
-前記ゲッタ材(38)に結合した水素が、解放されかつ前記環状空間(26)から排出されるように、前記温度変化装置(42)によって、前記ゲッタ材(38)のおよび前記壁部(32)のおよび/または前記膜(56)の温度を変化させること、を有する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2013−508670(P2013−508670A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535793(P2012−535793)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066191
【国際公開番号】WO2011/051298
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(510139069)ショット・ゾラール・アーゲー (17)
【Fターム(参考)】