周囲光スクリプト・コマンドのコード化
ビデオ・コンテンツのエンハンスのための、インテリジェントな周囲照明の光スクリプト・コマンド・コード化によって、複数の周囲光装置について多くの制御動作パラメータを同時に指定することが可能になる。初期化コード又は設定コードが輝度、クロミナンス及び光特性を指定する一方、分離可能な変更コードは制御動作パラメータにおける変更を指定する。変更コードは、変更タイプ及び/又はレート・パラメータをはじめとする、所望の変更の機能的記述を備え得る。変更コードを用いれば、周囲光源によって、更なるコマンド・コード化なしで値の範囲にわたる変更が完全に実行され、帯域を削減することが可能である。設定コード及び変更コードをエントロピコード化し、パケット化して、2つの別個のデータ源を介した別個の通信と、サブコード又はメタ空間における記憶を可能にすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を用い、通常、ビデオ・ディスプレイなどからのビデオ・コンテンツに基づいているかそうしたビデオ・コンテンツに関連した周囲照明効果の生成及び設定に関する。特に、本発明は、光スクリプト・コマンドのコード化を用いて、複数の周囲光源にわたる動的制御の実行を可能にする信号ストリームを供給する方法に関し、所望の周囲照明効果及びそれに対する所望の経時的変更は、指定又は規定され、転送され、再生される。
【背景技術】
【0002】
技術者は長年、ビュ―画面及び投影領域の拡大、現実的な3次元効果のための音の変調、並びに、高品位(HD)ディジタルTVシステム及びビデオ・システムなどによるビデオ色域、分解能及びピクチャ・アスペクト比の拡充をはじめとする、ビデオ画像のエンハンスなどによって、ビデオ・コンテンツの消費によって得られる知覚体験を拡充しようとしてきている。更に、フィルム、TVやビデオの制作者も、色、シーン・カット、視野角、周辺風景及びコンピュータ支援グラフィカル表現などによる視聴覚手段を用いて視聴者の体験に影響を及ぼそうとしている。このことには、劇場の舞台照明もあげられるものである。例えば、照明効果は通常、スクリプトされており、すなわち、ビデオ又は再生のシーンと同期化されており、所望の手法によってコード化された適切なシーン・スクリプトによってプログラムされたマシン又はコンピュータの支援によって再生される。
【0003】
従来技術のディジタル分野では、計画されていない、又はスクリプトされていないシーンをはじめとする、シーンにおける高速な変動への照明の自動的な適合は、大部分は調整するのが簡単でなかったが、それは、現行のシステムを用いて必要である大容量高帯域ビットストリームのオーバヘッドが理由である。
【0004】
フィリップス(オランダ)や他の企業は、ビデオ・ディスプレイから離れた別個の光源を用いて、かつ、多くのアプリケーションのために、何らかの類の、所望の照明効果の事前スクリプト又はコード化を用いて、周囲照明又は周辺照明を変更して、通常の家庭アプリケーション用又はビジネス・アプリケーション用のビデオ・コンテンツを拡充する手段を開示している。ビデオ・ディスプレイ又はテレビに周囲照明を加えることによって、視聴者の疲労を軽減し、体験の現実性及び深さを向上させることが明らかになっている。
【0005】
知覚体験は必然的に、非常に高度な感覚及び神経の装置を用いて色効果及び光効果の感覚を生み出す、人間の視覚の局面の結果である。人間は大方、1千万の別々の色を区別することが可能である。人間の眼の中には、色受像視覚用又は明所視用に、大きく重なって、445nm、535nm及び565nmの光波長でのピークを有する吸収分布を有する錐体と呼ばれる約2百万個の感覚器の3つの群が存在する。これらの3つの錐体タイプは3刺激値系と呼ばれているものを構成し、歴史的な理由でB(青)、G(緑)及びR(赤)と呼ばれている。ピークは、ディスプレイ内で用いる原色のもの、例えば、通常用いるRGB蛍光体に必ずしも相当するものでない。棹体と呼ばれる暗所視体いわゆる暗視覚体に対する相互作用も存在する。人間の眼は、特に、ホーム・シアターにみられるものなどの、光が弱い状態の場合にビデオの体験に影響を及ぼす1億2千万個の錐体を有している。
【0006】
カラー・ビデオは人間の視覚の原理に基づいており、人間の視覚の周知の3色説及び反対色説が、元の画像又は所期の画像に対して高い忠実度を有する所望の色及び効果をみるよう眼に影響をどのようにして及ぼすかについての理解に組み入れられている。大半の色モデル及び色空間では、3次元又は3座標を用いて人間の視覚体験を表す。
【0007】
カラー・ビデオは、条件等色に全面的に頼り、それによって、所望の色及び特性の実際の光ではなく少数の基準刺激を用いて色認識をもたらすことが可能になる。このようにして、色域全体が、世界中のビデオ再生において用いられている周知のRGB(赤、緑、青)3刺激値系などの限られた数の基準刺激を用いて人間の意識の中に再生される。例えば、ほぼ全てのビデオ・ディスプレイが、各ピクセルすなわち画素内にほぼ等量の赤色光及び緑色光を生成することによって黄色のシーンライトを示すことは周知である。画素はそれが限定する立体角に対して小さく、眼は、黄色を認識させられ、実際に放送されている緑色や赤色を認識しない。
【0008】
ビデオ再生用に色を表し、規定するのに用いられる周知の国際照明委員会(CIE)の色座標系をはじめとする、色モデル、及び色を規定する方法が多く存在している。CIE L*U*V*(CIELUV)系やCIE L*a*b*(CIELAB)系などの反対色空間に施すことをはじめとする何れかの数の色モデルを本発明を用いて使用することが可能である。CIEは西暦1931年に全色の管理及び再生のための財団を設立しており、その結果、3つの座標、すなわちx、y及びzを用いた色度図が生まれた。最大明度でのこの3次元系のプロットはx及びyによって色を表すのに普遍的に用いられており、1931xy色度図と呼ばれているこのプロットは、人間において認識される色全てを表すことができるものと考えられている。このことは、眼及び脳をだますのに条件等色が用いられる色再生とは対照的である。多くの色モデル又は色空間、とりわけ、ISO RGB、Adobe
RGB、NTSC RGBが現在、3つの原色すなわち3つの原色蛍光体を用いて色を再生するのに用いられている。
【0009】
しかし、こうした3刺激値系を用いてビデオ・システムによって表される考えられる色全ての範囲は限定的であることに留意にすることが重要である。NTSC(全米テレビジョン方式委員会)のRGB系は、利用可能なものとして存在する色の範囲が比較的広いが、この系は、人間によって認識可能な色全てのうちの半分しか再生することが可能でない。多くの青色及び紫色、青緑色、並びにオレンジ色/赤色は、伝統的なビデオ・システムの利用可能なものとして存在する範囲を用いて適切にレンダリングされるものでない。
【0010】
更に、人間の視覚系は、どのビデオ・システムを企図するのにも理解が必要な補償及び識別の特性を備えている。人間における色は、いくつかの見えモード、とりわけ、物体モード及びイルミナント・モードにおいて生起し得る。
【0011】
物体モードでは、光刺激は光源によって照らされた物体からの反射光として認識される。イルミナント・モードでは、光刺激は光源とみなされる。イルミナント・モードは、他の刺激よりもずっと輝度が高い複合フィールド内の刺激を有している。イルミナント・モードは、明るさすなわち輝度が、刺激が物体モードにあるように見えるようにシーン又は視覚野の全体の明るさ以下である、ビデオ・ディスプレイなどの光源として知られている刺激を有するものでない。
【0012】
注目すべきことには、物体モードにしか現れない多くの色、とりわけ、茶色、オリーブ色、くり色、灰色、及びベージュ肌色が存在する。例えば、茶色の信号機などの、茶色の光を出す光源のようなものはない。
【0013】
この理由で、色を物体に加えようとする、ビデオ・システムに対する周囲照明の補足は、高輝度の直接光源を用いてこれを行うことが可能でない。近くにある高輝度の赤色光源及び緑色光源をいかに組み合わせても、茶色やくり色を再生することは可能でなく、このことは選択肢をかなり制限する。茶色の光源の直接観測によって再生することが可能であるのは、種々の強度及び彩度の、虹のスペクトル色のみである。このことは、光源から低強度輝度出力を供給するためなどの、周囲照明システムに対する微調整の必要性を強調するものである。この微調整には現在、現行のデータ・アーキテクチャの下で周囲照明がすばやく変わり、かつ巧妙であることを可能にするように対処されていない。
【0014】
従来技術における課題の1つは、光の設定及び効果の記述の生成及び記憶並びに再生が行われるシステムがないことである。
【0015】
従来技術における更に重大な課題は、周囲光源をビデオ・コンテンツの関数として駆動させ、かつ、カラー・マッチング及び光特性変調が要求される、所望のすばやく変わる周囲光環境に適合させるのに必要な伝送情報が大量であるということである。
【0016】
例えば、Lys他による米国特許第6,166,496号明細書では、周知の非同期DMX-512データ・プロトコルを用いて照明制御信号を周囲光源に供給することが記載されている。DMX-512プロトコルは、照明業界及び関連した舞台の業界によって用いられている最も一般的な通信標準であり、データ・リンク毎に最大512個の制御データ・チャネルを設けている多重化ディジタル信号を用いている。これらのデータ・チャネルのそれぞれは元々、光制御コンソール上のスライダのように、ランプ調光器レベルを制御することが意図されていた。ランプ毎に、所望の輝度が、0と255との間の値を有する8ビットの数としてデータ・リンクを介して送られる。値0は電球が完全にオフにされている状態に相当する一方、255は電球が完全にオンにされている状態に相当する。
【0017】
DMX-512標準や他の標準では、提供される特定性の幅はわずかであり、1つ又はいくつかのパラメータの制御しか可能でなく、所望の設定を全てのランプ装置ドライバに常に、ランプ状態にかかわらず再放送するのはリフレッシュ・タイプのシステムであり、このシステムには通常、IEEE RS-485の伝送標準を用いれば、毎秒25万ビットのデータ・ビットストリームが要求される。24チャネル(制御される周囲光源毎に1つ)が用いられる場合、リフレッシュ・レートは毎秒1000回である。512チャネルが用いられる場合、リフレッシュ・レートは毎秒44回である。更に、DMX-512標準では、5個のピンのXLRコネクタが必要であり、8ビット分解能のみが可能である。この分解能を一部の新たなアーキテクチャにおいて仮想的に用いて255の別々の照明効果をコード化しても、この機能は、所望のように周囲照明の輝度、クロミナンス及び光特性を変調するには数桁の単位で低すぎるものである。
【0018】
歴史的には、照明業界では、周囲照明を、ビデオとともに効果をもたらすうえでの高度な相手方として考えてきておらず、DMX512標準は、照明コンソールを照明調光器モジュールに接続するうえでの標準化手法として米国劇場技術協会(USITT)によって西暦1986年に作成されたものに過ぎない。数年後、この標準は西暦1990年に改訂されて柔軟性の向上が可能になったが、基本的にはなお、動作するために莫大な量のデータを必要とする単一パラメータのリフレッシュ・システムである。補助データ・サブ空間(例えば、放送ビデオの帰線消去期間や、コンパクト・ディスク上及びDVD上のサブコード空間)を用いようとする場合には、それが伝送するデータが数桁不足している。DMX-512プロトコルのようなシステムを用いたデータ伝送のビット・ストリーム・オーバヘッド又は帯域オーバヘッドによって、DVD、CDのような再生可能媒体の場合のデータのコード化、記憶及び取り出しや、インターネット伝送に関する、受け入れられない課題がもたらされる。
【0019】
経済的なデータ・プロトコルを用いて高度な周囲照明効果を処理するアーキテクチャは何ら存在しないので、高度な周囲照明効果を周囲空間に生じさせようとする、従来技術のシステムは、システム動作に別個の情報チャネルを必要とすることが多い(例えば、Lye他による米国特許第6,166,496号明細書に開示されている照明娯楽システムにおいて必要な別個の娯楽制御信号、Dowling他による米国特許出願公開第2003/0057884号明細書に開示されている、周囲照明を動作させるのに必要なコンピュータ・コード又はコンピュータ・アプリケーション。)。既存のビデオ放送システムはほとんど全く、NTSC放送システムにおける垂直帰線消去期間などの何れかのアナログ波形空間に周囲照明コード又は命令を入れず、ディジタル画像システム(例えば、DVD形式、MPEG4等)は、DVDサブ空間や複合ディジタル・ビデオ補助空間などの何れのサブコードにも周囲照明コードを入れないが、それは概ね、所要データ・オーバヘッド(例えば、ビット/秒単位でのビットストリーム)が大きすぎるからである。
【0020】
よって、周囲照明と通常の3刺激値ビデオ表示システムとによってもたらされることが考えられる色域を拡張させることが効果的である。人間の視覚の補償効果、感度や他の特性を効果的に利用する周囲照明システムを用いてビデオ・ユーザに供給される色及び光特性を変調又は変更することによって別々の色の相対明度における変動などの、人間の眼の特性を利用することも望まれている。光コマンド・スクリプトを、サブコード空間などの補助データ空間内又は、RF(無線周波数)ビットストリームやディジタル・ビットストリームなどの変調データ担体上に利用可能なものとして存在する空間内に記憶し、伝送することが可能であるように、複雑な現象をコード化するのに必要なデータ・ビットを圧縮し、短縮する既知の手法を利用するのに十分低いレベルまで所要ビットストリームを削減する光スクリプト・コマンドをコード化し、デコードするシステムを有することも効果的である。
【0021】
高度な周囲照明システムを駆動させるのに必要なデータを、別個に生成し、記憶し、取り出し、用いることが可能な2つの部分に駆動させ、NTSC、SECAM、PALやMPEG4のような既存の放送及び制作の標準との後方互換性をそうしたシステムに持たせることができることが更に望ましい。
【0022】
ビデオ及びテレビ技術、圧縮技術、データの転送及びコード化、人間の視覚、色の科学及び認識、色空間、並びに、ビデオ再生をはじめとする測色及び画像レンダリングについての情報は、内容全体を本明細書及び特許請求の範囲に援用する、文献[1]Color Perception, Alan R. Robertson, Physics Today, December 1992, Vol 45, No 12, pp. 24-29、文献[2]The Physics and Chemistry of Color, 2nd, Kurt Nassau, John Wiley & Sons, Inc., New York 2001、文献[3]Principles of Color Technology, 3ed, Roy S. Berns, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2000、及び文献[4]Standard Handbook of Video and Television Engineering, 4ed, Jerry Whitaker and K. Blair Benson, McGraw-Hill, New York 2003の文献で見つけることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、複数の周囲光装置について多くの制御動作パラメータを同時に規定することを可能にし、制御動作パラメータにおける変化が特定の光源について、光スクリプト・コマンド・コードがその光源に関して言及していなくても自動的に生じ得る、光スクリプト・コマンドのコード化に関する。USITT/ESTA標準DMX-512によって表されているような帯域集約的な、都度リフレッシュするシステムではなく、本明細書及び特許請求の範囲において教示されている光スクリプト・コマンド・コード化は、等間隔で指定又は送信する必要がある光スクリプト情報は何らなく、初期設定及び/又は変更を、全く異なるデータ・ソースとは別個に記憶又は送信されるファイル内にコード化することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、周囲光源を動的に制御するための光スクリプト・コマンド・コード化の方法を備える。この方法の工程は、(1)周囲光源によって利用可能な設定コードをコード化して、輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、(2)周囲光源によって利用可能な変更コードをコード化して制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する工程であって、変更コードが変更タイプとレート・パラメータとの少なくとも1つを備え、同じものを用いており、そのように動的に制御された周囲光源が、コマンドの更なるコード化なしで制御動作パラメータの値の範囲にわたって変更を完全に実行することが可能であるように設定コード及び変更コードのそれぞれが作成される工程とを備える。
【0025】
周囲光源は複数の個々の光源を備え得るものであり、設定コード及び/又は変更コードを更にコード化して、複数の光IDの何れかについて制御動作パラメータを指定することが可能である。
【0026】
考えられる第3の工程は、第1の変更コードに後続する別の変更コードをコード化する工程であって、周囲光源がコマンドの更なるコード化なしで第2の変更を完全に実行することが可能であるように設定コード及び第2の変更コードのそれぞれが作成される工程を備え、任意的には、考えられる別の工程は、(4)番組チャンネルの変更又は同様なユーザ要求変更の場合に光スクリプトのリフレッシュを可能にすることなどのために、第2の変更コード後に周囲光源によって利用可能なように作成される設定コードを繰り返したものをコード化する工程を備える。
【0027】
変更コードは、変更の開始時間及び停止時間を備え得るものであり、変更コード自体は、制御動作パラメータにおける変更を指定する変更タイプを備え得るものであり、変更タイプは、フェードインと、フェードアウトと、正弦出力と、三角関数出力と、スパイクと、波形と、動作パラメータの特定数学関数と、論理演算子又は算術演算子と、エンベロープとのうちの少なくとも1つを備える。
【0028】
変更コードは、例えば、制御動作パラメータにおける変更を指定又は通知するレート・パラメータを備え得るものであり、レート・パラメータは、テータなどの、関数の引数と、フェードインが生起するフェードイン期間と、フェードアウトが生起するフェードアウト期間と、関数の振幅と、関数の位相と、オフ期間と、オン期間と、ステップ周波数とのうちの少なくとも1つを備える。
【0029】
設定コード及び変更コードのうちの少なくとも一方の少なくとも一部のエントロピコード化を用いてデ―タ・ストリームを削減することが可能であり、コード化データをパケット化することが可能である。本発明を用いてコード化された光スクリプトはコンテンツ担体、同期データ担体若しくは非同期データ担体によって送信することが可能であり、かつ/又は光スクリプト・コードをコンピュータ判読可能媒体上で記録することが可能であり、これはビデオ・コンテンツの表示中に読み取ることが可能である。
【0030】
設定コード及び変更コードをパケット化し、そうして作成して、設定コード及び変更コードの別個の通信を可能にすることができる。
【0031】
本発明は、光スクリプト・コマンドのコード化を用いて周囲光源を動的に制御する方法を更に備え、考えられる工程は、
(1)周囲光源によって利用可能な設定を指定する設定コードをデコードする工程と、(2)設定コードのデコードを用いて、輝度と、クロミナンスと、光特性とのうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、(3)制御動作パラメータを用いて周囲光源を駆動させる工程と、
(4)制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する変更コードをデコードする工程であって、変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータの少なくとも一方を備える工程と、(5)光スクリプト・コマンドの更なるデコードなしで制御動作パラメータの値の範囲にわたる変更を用いて周囲光源を駆動させる工程とを備える。
【0032】
このようにして、光スクリプト・コマンドの更なるコード化なしで一定の範囲の値が生じる。上記方法は、別の工程、すなわち、工程(1)に先行して、設定コードを第1の信号源から導き出し、変更コードを第2の信号源から導き出すか、あるいは、工程(1)に先行して、コンピュータ判読可能媒体から設定コード及び変更コードの少なくとも一方を読み取る工程を更に備え得る。考えられる別の工程は、工程(4)後に、ユーザ選好と、ユーザ・インタフェースからの入力とのうちの一方のデコードに基づいて制御動作パラメータを更に変更する工程である。
【0033】
光スクリプト・コマンドのコード化はコンピュータ判読可能媒体上に記録することが可能である。このコード化は、(1)輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定するための、周囲光源によって利用可能なコンピュータ判読可能設定コードと、(2)制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定するための、周囲光源によって利用可能なコンピュータ判読可能変更コードであって、変更コードは変更タイプとレート・パラメータとの少なくとも一方を備え、周囲光源が、光スクリプト・コマンドのコード化の更なる読み取りを要することなく制御動作パラメータの値の範囲にわたって変更を完全に実行することが可能であるように設定コード及び変更コードのそれぞれが作成される。第2の変更コードは同様にコード化することが可能であり、それによって、周囲光源が、光スクリプト・コマンドのコード化の更なる読み取りを要することなく第2の変更を完全に実行することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下の定義を本明細書及び特許請求の範囲を通して用いるものとする。
【0035】
周囲光源は、特許請求の範囲では、それによって利用するための光スクリプト・コードをデコードするのに必要な照明生成回路又は照明生成ドライバを全て有するものとする。
【0036】
周囲空間は、ビデオ・ディスプレイ装置の外部の物体又は空気若しくは空間全てを意味するものとする。
【0037】
変更コードは、本発明による周囲照明効果の時間的変遷を指定するか、この時間的変遷を導き出すことを可能にすることができる、コード化されたパラメータ又はコードを有するものとする。変更コードは、変更タイプとレート・パラメータとの両方又は一方を備え得る。
【0038】
変更タイプは、何れかの数学的空間における関数又は演算子として表すことが可能な1つ又は複数の動作パラメータの変遷のタイプを表すものとする。変更タイプには、数量を上方又は下方に変えるフェードインやフェードアウトと、正弦変動と、三角関数変動と、急な増加、すなわちスパイクと、複合波形と、動作パラメータの特定関数と、限定関数、すなわちエンベロープがあげられる。変更タイプには、中断、打ち切り、及び変更タイプの組み合わせ、例えば、エンベロープによって制限される、図9に示す変調正弦関数があり得る。復号の、又は同様な回路、プロセッサ又はメモリによって認識され、処理される対象の変更タイプの定義だけが必要である。変更タイプを表す関数又は演算子は、レート・パラメータを利用することが可能である。
【0039】
クロミナンスは、周囲光源を駆動させる意味合いで、生成される光の色特性を指定する機械的、数値的又は物理的方法を表すものとし、NTSCやPALのテレビジョン放送において用いられているものなどの特定の方法論を意味しないものとする。
【0040】
コンピュータには、既知のアーキテクチャを使用するCPU(中央処理装置)などのプロセッサ全てのみならず、ディジタル光学装置や、同様な機能を行うアナログ電気回路などの、設定コード又は変更コードのコード化、デコード、読み取り、処理、実行を可能にすることができる何れかのインテリジェント装置もあげられるものとする。
【0041】
コンテンツ担体は、放送ビデオ/オーディオをはじめとする視聴覚担体などの、いくつかのデータのコンテンツ担持ソースと、インターネット又はネットワーク通信と、ケーブル又は衛星の伝送と、同期モードでの動作、非同期モードでの動作にかかわらず、光通信等との何れかを表すものとする。
【0042】
制御動作パラメータは、輝度、クロミナンス、又は、送出角や偏角分光指数などの光特性指数などの物理的数量又は物理的変数の表現としてコード化されたパラメータを表すものとする。
【0043】
偏角色度は、真珠光沢によって生成されるものなどの視野角又は観測角の関数として別々の色又は色度を与える特性を表すものとする。
【0044】
偏角分光度は、真珠母の光沢を持つ現象、きらめきの現象や再帰反射現象にみられるものなどの、視野角又は観測角の関数として別々の光強度、分光透過率及び/又は色を与える特性を表すものとする。
【0045】
光特性は、広い意味合いで、周囲光源によって生成されるものなどの光の特性の何れかの規定を意味するものとする。特許請求の範囲では、光特性は光の透過又は反射の度合いなどの、輝度及びクロミナンス以外の記述子全て、若しくは、周囲光源を観測する際に色、きらめきや他の既知の現象が視野角の関数として生じる度合いをはじめとする偏角分光度特性、ポインティングや他の伝搬ベクトルを規定することによって与えられるような指向性をはじめとする光出力方向の何れかの規定、
又は、1つ又は複数の立体角の分布関数などの、光の角分布の規定を表すものとする。この特性は、エレメント画素位置やランプ位置などの、周囲光源上の位置を規定するための1つ又は複数の座標も有し得る。
【0046】
輝度は、明るさ、強度、又は同等の尺度の何れかのパラメータ又は度合いを表すものとし、光の生成や測定の特定の方法や、精神生物学的解釈を意味しないものとする。
【0047】
値の範囲は、特許請求の範囲と同様に、正弦形態や他の機能的形態などの、パラメータの値の連続的又は非連続的な関数の群、及び/又は別個の値の群を表すものとする。これは、ランプ電圧を8ボルトから10ボルトに変えるか、8.01ボルトから8.02ボルトに変えるものなどの単一の増分又はステップに過ぎないものと対照的である。値の範囲はよって、正弦、スパイク、フェードイン/フェードアウトや、複数のあらかじめスクリプトされたステップである制御動作パラメータなどの、1を超えるステップ、又は、連続した変化を表すものとする。
【0048】
レート・パラメータは、sin2における2などの、関数の引数、フェードインやフェードアウトが生起するフェードイン期間(例えば、T=10秒)、F=KsintにおけるKなどの、関数の振幅、Fsint(Nt+b)におけるNなどの、関数の位相、オフの期間、オンの期間や、ステップ周波数(例えば、ヘルツ)などの、制御動作パラメータにおける変更の指定を支援するか、こうした変更を指定する何れかの単一のパラメータを表すものとする。
【0049】
設定コードは、本発明による周囲照明効果の初期設定を指定する、又は導き出すことを可能にするコード化パラメータ、又はコードを有するものとする。設定コードは、輝度、クロミナンス、及び光特性のうちの何れかを備え得る。
【0050】
時間は、特殊効果の停止時間などの特定の時間を適切なコード化によって絶対的に指定することが可能である、又は、あるいは、暗示された変更タイプ、レート・パラメータ若しくは変遷プロフィールによってコード化することが可能であるように理解されるものとする。例えば、既知の持続時間のフェードアウトの停止時間は、フェードアウトのレート・パラメータが指定されている、例えば、10秒のフェードアウトである場合に暗示されているものである。
【0051】
ビデオは、光の生成にエネルギを必要とするアクティブな装置であれ、オフィス・ビルの窓などの、画像情報を伝える何れかの透過性媒体であれ、画像情報が遠隔で得られる光導管であれ、何れかの視覚装置又は光生成装置を表すものとする。
【0052】
ビデオ信号は、その何れかのオーディオ部分を有する、ビデオ・ディスプレイ装置を制御するために供給される信号又は情報を表すものとする。よって、ビデオ・コンテンツ解析は、オーディオ部分のオーディオ・コンテンツ解析を場合によっては備えることが想定される。
【0053】
本発明による、光スクリプト・コマンドのコード化では、周囲照明の自由度の高い度合いの特定性を所望の場合に可能にすることが企図されている。この光コマンドのコード化は、本明細書の定義の項で定義した輝度、クロミナンス及び光特性の何れか又は全てを指定することを有する、1つ又は複数の個々の光源によって生成される光の特性の初期設定及び時間変遷をコード化することができるものである。周囲照明に考えられる光源は、LED(発光ダイオード)及び関連した半導体発光体を有する何れかの数の既知の照明装置、非半導体タイプを有する電界発光素子、ハロゲンや専門化学を用いた修正タイプを有する白熱ランプ、蛍光ランプ及びネオン・ランプをはじめとするイオン放電ランプ、LCD(液晶ディスプレイ)や他の光変調器を用いることによるものなどの、変調された光源、ディスプレイに機能的に似たアレイを有する、光ルミネセンス放出器、又は何れかの数の既知の制御可能な光源を有し得る。
【実施例】
【0054】
次に図1を参照すれば、本発明による、2エレメントの光スクリプト・コードの略図を示す。光スクリプト・コードC88は、図示するように設定コードS及び変更コードTの
2つの部分を備えることが想定されており、水平方向に配置されていることは時間的推移が左側から始まることを暗示している。光スクリプト・コードC88は、既知の手法を用いてコード化され、周囲照明システムによって用いるようデコードされる。設定コードS及び変更コードTは、周囲照明システム(図示せず)による所期応答について他方を必要とせずに、別個に解釈可能であり、それ自体で完全なものであり得る。設定コードSには、フラッシュ・ランプのフラッシュ再充電信号などの、起動に必要な何れかの情報を有する初期設定が表される。変更コードTでは、各光設定又は各効果の経時的な所望の変更の記述が表され、設定コードSによって指定される初期設定は変わらないか、所望の場合、取って代わられることがあり得る。
【0055】
コード化のタイプについては、何れかの数の既知の変調手法を用いた、無線周波数信号、アナログ波形及び量子化アナログ波形を有する電気信号、パルス幅変調、パルス数変調、パルス位置変調、PCM(パルス符号変調)及びパルス振幅変調を用いたものなどのディジタル(電気)信号や、全てがディジタル手法を用いることが可能な、音響信号、オーディオ信号や光信号などの他の信号などの何れかのタイプの信号を用いた何れかの数の既知の通信手法を使用することができる。コンピュータ・ベースのアプリケーションにおけるものなどの、他の情報の中に順次配置されるか、他の情報とともに順次配置されるに過ぎないデータも用いることが可能である。
【0056】
図2及び図3を次に参照すれば、設定コードS及び変更コードTの系列の略図を示す。本発明による手法では、光スクリプト・コードC88は、図2に示すようにいくつかの変更Tが後続する設定コードTを備えるものとする。よって、周囲照明システムにおける個々の周囲光群を初期化するのに必要なデータ又はビットストリームは非常に大きいことがあり得るが、ランプ又は光源の動作を更新するために繰り返されない。変更コードTの系列は、望まれるだけ頻繁にコード化し、利用することが可能である。図3に示すように、光スクリプト・コードC88は設定コードS1を備える系列と、これに続く、設定コードS1によって指定されたものから逸脱する周囲照明効果の変更及び時間変遷のパラメータのみを指定する変更コードT1、T2、T3、…等の系列とを備える。システムのロバスト性のために、ビデオ及びオーディオの圧縮手法、例えば、ATSC DTV(ディジタル・テレビ)に用いるイントラフレームコード化の周期的送信とそっくりで、図示するように期間P後周期的に、例えば毎秒をはじめとして時々設定コードS1又は第2設定コードS2を再送信してチャンネル又は番組の変更を可能にすることによってある程度の冗長性を有することができる。あるいは、S2を更新して、変更コードT1、T2、T3…等によって指定される最新の変更を反映することができる。又、所望の場合、設定コードのみの周期的な再設定を可能にするために変更コードTxは存在しないことがあり得る。
【0057】
次に図4を参照すれば、本発明による設定コードSの考えられるエレメントの略図を、MPEGコード化、オーディオPCMコード化等に用いるもののような既知のディジタル・データのフレーム又はパケットを用いて例証の目的で示す。データ・パケットが可変長の番組ストリームや、データ・パケットを均等に分割する伝送ストリームや、単一の番組伝送ストリームなどの他の手法などのデータ・パケットの既知のコード化手法を用いることが可能である。あるいは、本明細書に表すデータ・フレームは、非同期プロトコルをはじめとするコンピュータ・コードや他の通信標準を用いてエミュレートすることが可能である。
【0058】
設定コードSは、既知のパケット化装置又は符号器(図示せず)を用いて形成され、アドレス指定ビット、ルーティング、発信時間や他のデータなどを備え得るヘッダHを備えている。ヘッダHには、不良ビットの訂正を可能にし、正確である確率を向上させるためのCIRC(差し込みリード・ソロモン・コード)などの任意的な誤り訂正Eと、当該技術分野において知られているように必要であるか効果的であり得る任意的な変調Mビットが続く。誤り訂正コードを用いることと、データのインタリーブは当該技術分野において知られている。コンピュータ・コードによって生成されるコード化、又はここで示すものをエミュレートするソフトウェアでは、誤り訂正及び変調は必要がないことがあり得る、又は、特定の他の手段を介して別の場所で備え得る。
【0059】
次に、定義の項において定義した概括的なカテゴリである輝度Y、クロミナンス(x,y)及び光特性Gの少なくとも1つを表す種々の周囲光源の初期制御動作パラメータがコード化される。通常、これらの数量は、いくつかの個々の光源1‐Nについて定義されることになるが、そうでなくてもよい。輝度Yは、明度や何れかの同等な数量を指定する、周囲光源における明るさ、強度、ビーム電流、フィラメント電流、電子密度や何れかの他の数量をコード化する輝度係数Y(CIE3刺激値Y)であり得る。単一のパラメータは、個々の周囲光装置毎に、又は非モノクロ光源に用いることが可能であり、輝度Yを3刺激値色度毎に指定することが可能であるが、ASTM/CIE系では、これは通常必要でない。
【0060】
同様に、クロミナンス(x,y)をCIE色度x及びyを用いて、又は何れかの他の3刺激値系又は複数刺激値系を用いて指定することが可能である。図示するように、そうした色度を、各光源、すなわち、図示するようなx1、y1、x2、y2…の初期設定として、必要に応じて、相当する輝度群Y1、Y2(図示せず)とともにコード化して、CIE表色系の下での周囲光装置に完全な3座標指定(例えば、色合い、彩度及び明るさ)を与えることが可能である。
【0061】
最後に、何れかの数の初期光特性変数を、図示するような光特性Gにおいてコード化される何れかの数の初期制御動作パラメータを用いて設定することが可能である。例として、以下に更に説明するように、光特性Gは、周囲光装置内の光変調器を出ることが可能な光の量を指定することが可能な透過係数tと、光変調器から反射することが可能な光の量を指定することが可能な反射係数rと、偏角分光特性からの制御可能な物理変数又は最終結果を指定する偏角分光変数、アスペクト係数、又はテンソルgとを備え得るものであり、周囲光装置から生成される周囲光の特性(色、強度等)は、真珠母の光沢を持つ物体、きらめく物体や再帰反射物体にみられるものなどの、視野角又は観測角の関数としてのものである。
【0062】
光特性Gを、本明細書の定義の項で言及したように光の方向及び分布の情報を指定するようコード化することも可能である。このことには、更なる変数又は制御動作パラメータ(図示せず)が関係することになる。
【0063】
設定コードを指定するうえでの異なる所望の特定性、複雑度及び自由度は上方互換性を有し得る、例えば、輝度Yは使用する唯一のパラメータであり得るものであり、クロミナンス・パラメータは廃棄されるか、又は使用されない。同様に、光特性コード化Gに指定する制御動作パラメータの何れか又は全部を廃棄又は無視することが可能である。
【0064】
設定コードSは、変更コードTにおいてみられるような変更タイプFと同様に機能する任意的なエレメントとして機能し、以下に更に深く論ずる、図示したような変遷プロファイルJも備え得る。変遷プロファイルJは機能的には、図5の変更コードTにおける変更タイプFの代わりになり得るか、あるいは、周囲光が行うことになる想定任務の特徴付けを支援し得る。フラッシュ装置の場合、変遷プロファイルJは、コンデンサ又はエネルギ蓄積装置を充電することや、放電回路を起動させることなどによって一般的に1つ又は複数のフラッシュに備えるための、周囲照明フラッシュ装置に対する早期信号として機能し得る。このプロファイルは、一般的に周囲光回路を起動させること又はオンにすることも可能にし得る。
【0065】
最後に、設定コードSは、周囲光装置が識別される光ID(識別)についての更なる情報を備え得る。例えば、先行してコード化された変数である輝度Y、クロミナンス(x,y)及び光特性Gを、選択設定データの後に、該当する光IDを単に列挙することによって多数の光を同時にコード化することが可能である。このことによって、ビットストリームの経済性が向上してデータ・オーバヘッドが削減される。あるいは、コード化された制御動作パラメータを、選択された光IDを同じ順序で続けて、光IDによって配列することが可能である。考えられる第3の方法は、設定コードSに指定された各光IDに隣接する動作パラメータをコード化することである。コード化パラメータの配列は要すれば、変えて再配置することが可能であるか、又は、配列をヘッダHにおいて指定することが可能である。
【0066】
単純な周囲照明システムにおける多くのそうした物理変数に対する必要性は、高度なものに対する必要性よりも少ないが、指向性効果や偏角分光効果(例えば、真珠光沢においてみられるものなどの、色が視野角の関数として変わる偏角色度効果)などの光特性現象を、周囲照明スクリプト・コマンド・コード化システムにおいて補正することを要する理由に留意することが重要である。
【0067】
一般に、周囲光源は、フロスト表面若しくはグレーズ表面を有するランプ構造、筋ガラス若しくは筋プラスチック、又は個々の光源を囲む金属構造を用いることなどによる孔あき構造を用いることなどによる、光混合、及び半透明や他の現象をもたらす種々の拡散効果を実施することが可能である。関心を引き起こす効果を備えるために、生産及び製造が当業者によって知られている、小さな懸濁粒子からの散乱、曇らせたガラス又はレジン、長寿命有機混合物をはじめとする、1-5:m以下の、例えば、1:m未満のコロイド、エマルジョン又は小滴を用いた調剤、ゲル、及びゾルを利用することによって得られる何れかの数の既知の拡散若しくは散乱する材料又は現象を用いることが可能である。散乱現象は、周囲光の青色のエンハンスメントのための青色の生成などのための、可視波長のレイリー散乱を有するよう図り得る。生成される色は、床に設置された周囲ランプ上の青色光を生成する上部などの、特定の領域内全体の青みがかった色合い、又は領域の色合いのように領域的に規定することが可能である。
【0068】
周囲ランプには、ランプ構造内に、若しくはランプ構造と一体化させて形成するか、又はランプ構造内に挿入することが可能な円柱のプリズム又はレンズなどの偏角分光エレメントを合わせることも可能である。これによって、生成される光の特性が視聴者の位置の関数として変わる特殊効果が可能になることがあり得る。矩形、三角形若しくは不規則形のプリズム又は形状をはじめとする他の光学的な形状及び形態を用いることが可能であり、1つ又は複数の周囲光装置上又はこうした周囲光装置と一体化させて配置させることが可能である。その結果、等方性出力をもたらすのではなく、得られる効果を大きく変える、例えば、ビデオ・ディスプレイ装置上でシーンのエレメント、色及び強度が変わるにつれ、周囲光源の周りに配置させた、取り囲む壁上、物体上及び表面上に、関心を引き起こす光の帯を、投げかけ、暗くした部屋の中でライトショーのようなものを行うことが可能である。この効果は、ホーム・シアターの視聴時にいすを立つ際か、又は視聴位置を変える際の、青みがかった閃光に続く赤色光などの、視聴者の位置の関数として非常に高感度で光特性を変える劇場周囲照明エレメントであり得る。用いることが可能な偏角分光エレメントの数及びタイプは、プラスチック、ガラスをはじめとしてほぼ無制限であり、光学効果は摩損及び少し破壊的な製造手法によってもたらされる。周囲ランプは、別々の劇場効果に対して一意にすることが可能であり、相互交換可能にもすることが可能である。又、こうした効果は、偏角分光エレメントを通って進むことが可能な光の量を変えることや、周囲光装置の別々の部分を(例えば、サブランプ又はLED群を用いて)照明することなどによって変調可能であり得る。よって、特定の光源を照明するか否かを選択することによって、指向性や偏角分光効果などの光特性変数を選択することが可能である。
【0069】
設定コードS及び変更コードTには、必要な同期ビット及び連結ビット、パリティ・ビット、加えられたインタリーブ、並びに、コンパクト・ディスクに用いるEFM(8‐14変調)などの、コンピュータ判読可能媒体上に設定コード及び/又は変更コードをコード化するのに必要な何れかの特殊変調を何ら示していない。必要なクロック同期ビット、又は、ディジタル和値管理、バースト・ヘッダ、周囲照明効果の記述(例えば、「雷雨」、「日の出」等)などの所望のメタデータも何ら示していない。
【0070】
次に図5を参照すれば、本発明による、変更コードの考えられるエレメントの略図を示す。図4に示す設定コードSのデコード及び利用の後、周囲光源は、与えられた初期制御動作パラメータを施して、周囲光の放送に進むことが可能である。この手法を用いれば、設定コードSにおける開変数若しくは調節可能変数が変更されるか、又は、それに対する機能的変更が、変更コードTが根拠となる場合に指定又は設定される。
【0071】
一実施例では、変更コードTにおいて図で示すエレメントは設定コードSの一部であり得る。別の実施例では、図2に示すように別個のものであり、後続するものである。
【0072】
変更コードTは、放送信号、MPEG形式等において実施されるビデオなどの他のデータ・ストリームとコンテンツを同期化させるための何れかの数の既知のやり方をコード化し得る、図に示す時間コ―ドLを備え得る。時間コードLは、所望の場合、設定コードSの一部でもあり得る(図示せず)。変更コードTに必要なエレメントは、図示するように、変更タイプFとレート・パラメータQとの一方又は両方である。光IDを前述のようにやはり指定することが可能であり、任意的には、開始時間Toや停止時間Tfなどの更なる特定レート・パラメータを加えることが可能である。任意的には、サブコードWは追加エレメントであり得るものであり、それによって、特定の将来に利用にメタデータ又はデータをしまっておくことが可能になる。任意的なタグ又はフラグAによって、ルックアップ・テーブル、履歴テーブルや他の監視機能に用いるための、変更コードTのラベル化が可能になり得る。
【0073】
周囲光源の一部であり得る周囲光装置全てに、上記設定コードSに表すような制御動作パラメータの完全な記述を放送するのではなく、初期設定に対する時間的変遷又は変更に関する情報のみが与えられ、図9―11において論ずるように、コマンドの更なるコード化なしで一定の範囲の値にわたって1つ又は複数の制御動作パラメータを変更して、周囲光源が変更自体を実行することを可能にするように与えられる。
【0074】
単純な例として、指定された時間(例えば、10秒間)にわたるフェードインやフェードアウトなどの、輝度Yにおける変更をコード化する変更タイプ、及び正弦関数出力や他の三角関数出力や、定義の項に示す他の関数変更を指定することが可能である。同様に、レート・パラメータQは、関数F=sin2などの、変更タイプが処理する対象のテータ(2)などの、関数の1つ又は複数の引数を表すことが可能である。10秒間の間隔にわたるフェードイン、事実上線形増加である場合、フェードインは変更タイプであり得る一方、レート・パラメータは10秒であり得るか、あるいは、逆数、すなわち1/10秒であり得る。そうしたレート・パラメータQは、降下強度エンベロープ又は当初強度エンベロープを指定するパラメータ、例えば、関数e-xのxを備え得るか、又は、余弦変換又はフーリエ変換などの変換関数の引数を有し得る。変更タイプFは、ラベルを用いて、図6に表したデコード回路によって認識されるようにコード化し、レート・パラメータを設計上、又はデフォールトでそれ自体が有し得る。例えば、フェードイン、正弦増加、及びステップにはそれぞれ,デコード回路10によって認識される対象の単一のバイト値を割り当てることが可能である。光設定情報は、最小所要バイト数のみを用いる、同様に経済的な特性のものであり得る。輝度は、例えば、1から29すなわち512まで及ぶバイト値を用いて既知のやり方でコード化することが可能である。変更コードFの1つの考えられるデフォールト条件は、ゼロ値、すなわちF=0であり、それは、設定コード又は別の変更コードを用いて再設定するまで光特性が何ら変わらないことを意味する。
【0075】
既知のコード化手法を用いれば、ランレングス・コード化を用いて変更コードの効果性を更に圧縮することが可能であり、既知のエントロピコード化を用いて更に圧縮することが可能であり、それによって、頻繁に用いられる変更タイプ又はレート・パラメータが、たまにしか用いられない変更タイプ又はレート・パラメータよりも少ないビット数を用いてコード化される。
【0076】
次に図6を参照すれば、本発明の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図を示す。(それぞれSETTINGS及びCHANGE CODESとして示す)設定コードS及び変更コードTはデコード回路10に転送され、このデコード回路は既知の手法を用いて何れかの誤り訂正処理やエントロピ・デコード処理を備えて、光スクリプト・コードC88をデコードして、図示する周囲光装置1−Nを備える周囲光源88を管理するための制御動作パラメータについての未加工情報を供給する。
【0077】
デコード回路10は、圧縮解除エンジンを備え得るものであり、既知の設計の1つ又は複数のチャネル・バッファ(図示せず)を用いて、設定コードS及び変更コードTを伝えるビットストリームを管理する。
【0078】
デコード回路10は、ソフトウェアを用いて同じ機能を行うコンピュータ・システム内に機能的に備えることが可能であるが、データ伝送プロトコルによって送られるパケット化情報をデコードする場合、例えば、単純にコード化された16進バイトがフェードインに相当し、別のバイトが開始時間又は停止時間を指定することがあり得るように設定コード及び/又は変更コードの情報に対応する情報を備えるか、又は備えるよう更新されるメモリ(図示せず)がデコーダ回路内に存在し得る。このメモリは次いで、プロセッサ及びソフトウェアとともに、初期設定、変更タイプ及びレート・パラメータを実際の制御動作パラメータに変換し、この実際の制御動作パラメータは、図示した周囲照明生成回路18に通信することが可能である。周囲照明生成回路18は、デコード回路10から得られる制御動作パラメータを受け取り、次いで、何れかのユーザ・インタフェース及び何れかの生成選好メモリ(併せてU2として図示する)からの何れかの入力を補正して、図示した周囲照明空間ルックアップ・テーブルLUTを場合によっては照会した後に(印加電圧などの)実際の光出力制御パラメータを作成し、それによって、周囲光源88又は個々の周囲光源1‐Nの何れかの色空間に設定コードS及び変更コードTによって設定された制御動作パラメータによって指定された何れかの色空間が取り入れられる。この情報を装備して、周囲照明生成回路18は次いで、図示するように周囲光源88を直接制御又は供給するようランプ・インタフェース・ドライバDに命令することが可能である。この情報は、所望の場合、インタフェース装置、例えばDMX-512インタフェースに送ることが可能である。
【0079】
次に図7を参照すれば、複数の周囲光源からの周囲光が本発明による光スクリプトを用いて生成される部屋又は周囲空間AOの、一部が略図であり、一部が断面図である俯瞰図を示す。周囲空間AOには、ビデオ・ディスプレイBの視聴を可能にするために並べた座席及びテーブル7が図示するように配置されている。周囲空間AOには、ライト・スピーカ1-4、及びソファー又は座席の下のサブライトSL、並びにディスプレイBの周りに並べた、エミュレートする特殊な周囲光装置群、すなわち、センター・ライトCLxをはじめとする、本発明を用いて制御する対象の複数の周囲光装置も並べられている。こうした周囲光装置のそれぞれは、図において網掛けで示す周囲光A8を放出することが可能である。次に図8を参照すれば、ビデオ・ディスプレイBの表面を、ディスプレイの領域の周りに並べた6つの周囲光装置CL1―CL6とともに示す。図示したようなディスプレイBの左上部などの特定の領域が、図示したCL1などの隣接周囲光装置によってスクリプトされ、生成される周囲光に影響を及ぼすことになるということが必要ではないが想定される。
【0080】
光スクリプト・コマンドのコード化と、特に、光特性パラメータのコード化とを用いれば、ビデオ・ディスプレイBによって実際に放送されないがそのビデオ・ディスプレイから得られる色又は色度によってこうした周囲光装置からの周囲光を生成することが可能である。これによって、人間の眼及び視覚系の特性を利用することが可能になる。なお、種々の可視波長の検出感度を表す、人間の視覚系の明度関数は、光レベルの関数として変わる。
【0081】
例えば、棹体に頼る暗所視又は暗視覚は、青色及び緑色に対する感度がより高い傾向にある。錐体を用いる明所視は、赤色や黄色などのより長い波長の光の検出に、より適している。暗くしたホーム・シアターの環境では、光レベルの関数としての種々の色の相対明度におけるそうした変化は、周囲空間内のビデオ・ユーザに供給される色を変調又は変更することによってある程度打ち消すことが可能である。このことは、光変調器(図示せず)を用いてライト・スピーカ1-4などの周囲光装置から光を減らすこと、又はライト・スピーカ内の追加コンポーネント、すなわち光ルミネセンス放出器を用いて周囲放出前に光を更に修正することによって行うことが可能である。光ルミネセンス放出器は、光源からの入射光を吸収するか、又はこの入射光からの励起を受け、次いで、より長い所望の波長の光を再放出することによって色変換を行う。蛍光ピグメントなどの、光ルミネセンス放出器のこの励起及び再放出によって、元のビデオ画像又は光源に元々存在しておらず、ディスプレイBの動作に固有の色又は色域の範囲内にも場合によってはない新たな色のレンダリングが可能になり得る。
【0082】
新たな色の生成は、新たで、かつ興味を引き起こす視覚効果をもたらすことが可能である。例証する例は、利用可能なものとして存在する蛍光ピグメントが周知(文献(2)参照。)である、ハンターのオレンジ色と呼ばれるものなどのオレンジ色光の生成であり得る。上記例には、蛍光発光の一般的な現象、及び関連現象に対して、蛍光色が関係する。蛍光性のオレンジ色や他の蛍光色素種は、赤色及びオレンジ色における増量が長い波長に対する暗所視の感度の減少を打ち消すことが可能な低光量状態で特に有用であり得る。
【0083】
周囲光装置に用いることが可能な蛍光色素は、Day-Glo Color Corporation, Cleveland, Ohio, USAによって製造されるものなどのペリレン、ナフタルイミド、クマリン、チオキサンテン、アントラキノン、及び固有の色素類などの色素類における既知の色素を有し得る。利用可能なものとして存在する色として、アパッチイエロー色、チグリスイエロー色、サバンナイエロー色、ポコノイエロー色、モーホークイエロー色、ポトマックイエロー色、マリーゴールドイエロー色、オタワレッド色、ボルガレッド色、サケの身の色、及びコロンビアブルー色があげられる。これらの色素類は、既知の工程を用いてPS、PET及びABSなどの樹脂に組み入れることが可能である。
【0084】
蛍光性の色素及び材料によって視覚効果が向上されるが、それは、こうした色素及び材料が、同じ色度の非蛍光性材料よりもかなり明るくなるよう図ることが可能であるからである。蛍光色を生成するのに用いる伝統的な有機色素のいわゆる耐久性の課題は、過去20年間で、技術革新によって、太陽に露出した状態の下で7-10年間その鮮明な色合いを維持する耐久性蛍光色素の開発がもたらされるにつれ、概ね解決されてきている。こうした色素はよって、入ってくるUV光線が最小限であるホーム・シアター環境内ではほとんど破壊できない。
【0085】
あるいは、蛍光性光色素を用いることが可能であり、単に、波長が短い光を吸収し、赤色やオレンジ色などの波長が長いものとしてこの光を再放出することによって機能する。青色や紫色、例えば、400-440nmの光などの可視光を用いて励起を受ける、技術的に進んでいる無機色素は現在、容易に利用可能なものとして存在している。
【0086】
前述のように指定することが可能な他の光特性パラメータには、視野角の関数として種々の光の色、強度、及び特性を生成するための偏角分光効果及び偏角色度効果がある。この効果を実現するために、周囲光装置1-4並びにSL及びCLxは、金属及び真珠箔を透過する着色剤、周知の回折効果若しくは薄膜干渉効果を用いた、例えば、魚鱗エキスを用いた真珠光沢材料、グアニンの薄フレーク、又は保存剤を備えた2-アミノヒポキサンチンなどの既知の偏角分光エレメントを単独又は組み合わせで用いることが可能である。酸化物層、斑銅鉱若しくはクジャク銅鉱、金属フレーク、ガラス・フレーク若しくはプラスチック・フレーク、粒状物質、脂肪油、すりガラス及びすりプラスチックでできた真珠光沢材料などの、石英微粉や他の物質を用いた拡散体を用いることが可能である。
【0087】
光特性Gは、例えば、偏角分光エレメントを変調して、内部の光学素子(図示せず)の角度を変える電動式の偏角分光エレメントなどの、それによって生成される光の特性を変えるようコード化することが可能である。コード化されたパラメータは、単純な角度2であり得る。
【0088】
次に図9乃至図11を参照すれば、時間の関数としての制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットを、変更コードが指定されている光スクリプト・コ―ドの制御下での周囲光源について示す。例えば、図9では、周囲光源88又は、ライト・スピーカ1などの周囲光装置における相対発光強度や特定の他の制御動作パラメータが、秒単位の時間の関数として横軸上にプロットされている。設定コードSによって指定された値を表す約0.25の強度値を左側に示す。プロットの左側部分上に示す関数F1は、偽正弦的にこの値を変調する。例えば、変更タイプFを、y=msinNtなどの正弦関数として指定することが可能であり、ここでtは秒単位の時間であり、更に、振幅m及び位相Nはサイクル間でわずかに変動する。この変更タイプを用いて、例えば、ビデオ信号又はビデオ番組にみられる音楽ビートに対する、シンコペーションを用いた、又は不規則な伴奏を備えることが可能である。図示した関数F1には、関数F1を制動する乗算子として機能し得る、図示した制限関数又はエンベロープCに関数F1を、図示するようにスーパインポーズすることが可能である関数F2が続き得る。これらの関数は、変更コードTにおいて変更タイプFの下で、場合によってはレート・パラメータQも指定してコード化される。
【0089】
デコード回路10は、コード化され、表示される変更が、光スクリプト・コマンドの更なるコード化なしでRとして示す値の範囲に及び得るように変更タイプF及び何れかのレート・パラメータQを認識するよう構成される。
【0090】
前述のように、図10に示すフラッシュ及びステップの関数などの他の関数を指定することが可能である。(FLASHと示す)スパイク又はフラッシュは、図示するようにフラッシュ又は高強度スパイクを実行するよう光スクリプト・デコード回路に命令することが可能であり、ここではやはり、図示したような値Rの範囲を更なるコード化によって自動的に実行して、値を指定するか、補間数列を指定する。同様に、図示したフェードインFI又はフェードアウトFOを実行することが可能であり、図示した値Rの範囲にわたる数列を全てが表す、それらの間に示すステップを有し得る。図示したステップは、事実上、基線値を得て、制御動作パラメータに設定値を加算する(制御動作パラメータから設定値を減算する)演算子である変更タイプFによって引き起こすことが可能である。このステップ演算子は、図6、12、13に示すようなデコード回路10によってコード化、認識又はアクセスされる変更タイプFのライブラリにおいて指定することが可能である。上記図の更に右には、一連のステップLLを、最終フェードアウトFOとともに示す。ステップに対して、ステップ演算子は変更タイプFであり得るものであり、ステップ・サイズはレート・パラメータQであり得る。こうした変更のそれぞれは、論理的な単位で指定することが可能であるか、又は、あらかじめスクリプトされた変更群若しくはよく用いられる変更群を、変更タイプF及び/又はレート・パラメータQを用いてコード化することが可能である。デコード回路10、又はソフトウェアにおける同等物を、既知の方法で初期化して、変更タイプF及び/又はレート・パラメータQのライブラリを備えることが可能であり、設定コードSの変遷プロファイルJがこの機能を行うことが可能である。
【0091】
図11は、時間に対してプロットして示すように3つの相対クロミナンス・パラメータY、x、yを示し、ここでは、複雑な関数関係を示し、ここではやはり、各パラメータの値Rの範囲が更なる所要コード化によって実現される。変更タイプFは、連続であろうがなかろうか何れかの数学関数を表し、デコード回路10がそれを認識し、アドレス指定される1つ又は複数の制御動作パラメータに対する必要な変更の実行が周囲光源に影響を及ぼすことを可能にすることができる限り、何れかの適切な算術演算子又は論理演算子を表すことが可能である。
【0092】
次に図12を参照すれば、2つの別個の信号源からの、2つの部分によって構成される光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図を示す。媒体信号(例えば、DVD再生)などの信号源Uは図示するように変更コードTを生成することが可能である。これは、放送無線周波数アナログ波形や、設定コードSを送ることが可能な、ケーブル放送又は衛星放送から収集されたディジタル情報などの多くの形式を呈し得る、コンテンツ担体のような第2の信号源Vと組み合わせることが可能である。図示するように、設定コードS及び変更コードTは、図示するように多重化され、同じ通信チャネルを共有することが可能である。
【0093】
設定コードS及び変更コードTは、ネットワーク経由などの、種々のソースから種々の時点でくるものであり得る。そうしたネットワークは、OSI(オープン・システム相互接続)ネットワーク・モデルを備え得るものであり、ここで、データ伝送は、既知の物理層、データ・リンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層及びアプリケーション層を有し得るものであり、周期的セッションは、ビデオ番組の視聴中又は再生中に設定コードS及び変更コードTの一方又は両方をアクセスすることが可能である。
【0094】
特に、設定コードS及び変更コードTを、加入衛星サービス又は加入ケーブル・サービス、又は何れかのネットワーク配信システムに必要なビットストリームを最小にするように、かつ、固有のコンテンツの配信をサポートするビジネス・モデルの成功を最大にするようにエンド・ユーザに配信することが可能である。(図示するように)設定コードS又は変更コードTに埋め込む時間コードLによって、ビデオや他のコンテンツとの同期化が可能になる。
【0095】
次に図13を参照すれば、開信号源又は複数信号源からの、2つの部分によって構成される光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光装置を制御する考えられるシステムの略図を示す。
【0096】
図示するように、いくつかの信号入力又は情報入力の何れかを用いて、所望の場合、別個に通信される設定コードS及び変更コードTを備えることが可能である。設定コードS及び変更コードTの通信は、コンテンツ担体、同期データ担体、非同期データ担体又はコンピュータ判読可能媒体によって供給することが可能である。例えば、図示したような、インターネット・ベースの情報転送www(例えば、固有サイトからのダウンロード)、又は、ディジタル多用途ディスクやポータブル・メモリ・カードなどのコンピュータ判読可能媒体DVDからの取り出しは、同時に、又は既知のデータ・バッファを介して、設定コードS及び変更コードTの一方又は両方を個々に供給することが可能である。あるいは、配信システムからの視聴覚信号AVSは、既知の手法を用いて(コンテンツ解析として示す)ビデオ・コンテンツ解析を受けて、図示したようなメモリMEMに記憶された変更タイプF又はレート・パラメータQのライブラリを場合によっては用いて、ハード・ディスクHDとの間で光スクリプト・コマンド(図示したような設定コードS及び変更コードT)を記録し、転送することが可能である。これは、図示するようにハード・ディスクHD及び/又はメモリMEMからの光スクリプト・コマンドの別個の転送、並行した転送、直接転送、遅延転送、連続転送、周期的転送、又は非周期的転送を可能にし得るものであり、その結果、設定コードS及び変更コードTは柔軟な開データ・ストリーム又は複数データ・ストリーム5の一部であり得るものであり、1つ又は複数のソースを用いて柔軟なやり方又は所望のやり方で送信、記憶、取り出し又は使用を行うことが可能である。これは、インターネットwwwなどの公に利用可能なソースから設定コードSを得ることと、視聴覚信号AVSなどの固有ソースから変更コードTを得ることとを有し得る。必要な場合、デコード回路10は、変更タイプF及びレート・パラメータQを解釈するための、図示したようなデコーダ・ルックアップ・メモリMMを備え得るものであり、それによって、複雑な波形又は算術演算(図9参照)を、設定コードSの一定の再調節の再送信又は生成を要することなく実行することが可能である。
【0097】
これによって、輝度、クロミナンス、光特性等などの制御動作パラメータの必要な動きを常にリフレッシュし、指定することを必要とする、DMX-512プロトコルを用いることのような単純な光指定システムに対して、必要なビットストリーム又は同等物が節約される。
【0098】
単純な例は、特定の周囲光装置の輝度などの1つだけの制御動作パラメータを指定する伝統的なシステムである。単一の光スクリプト・コマンドである、日の出の間の照度の増加などの5秒間の持続時間の正弦変動を実行するために、(非常に単純なデータ構造を前提として)4バイトを送信してランプ輝度を更新することが必要であり得る。毎秒80回更新して正弦変動を画策し、指定することは、その場合、4バイト/更新x80更新/秒x5秒、すなわち1600バイトを要し得る。このタイプのシステムを用いることは、40バイトを用いて同じ結果を、設定コードSを指定し、次いで正弦関数の変更タイプFを指定する単一の変更コードTを指定し、次いで正弦関数の周期及び振幅を同様に指定するレート・パラメータを指定することによって達成し得る。そうした変更をもたらすのに必要な、バイト数のこうした節約によって、コンピュータ判読可能媒体(例えば、コンパクト・ディスク)上や補助データ空間上のサブコードなどのコンパクト・データ空間内での光スクリプト情報のコード化が可能になる。
【0099】
ランプID1…Nの代わりに、又はランプID1…Nに加えて設定コードS内ならびに変更コードT内に画素位置情報をコード化することが可能である。これによって、LED(発光ダイオード)アレイ上などのアレイ上にランプ制御動作パラメータへの選択的な変更の指定が可能になる。
【0100】
図示したユーザ・インタフェース及び選好メモリU2を用いれば、周囲照明生成回路18は、中央の場所を用いて、例えば、衛星システムをアクティブなフレーム・システム・メモリにダウンロードすることも可能な、ユーザ選好に基づいた種々の所望の効果の可能性を提供することができる。所望のビデオ・ディスプレイBのビデオ・コンテンツに対する色忠実度の変更や、光スクリプト・コマンド・コンテンツにおける変更の強度や他の特性の強調などによって、蛍光色、又は色域外の色が周囲空間に放送される程度、又はビデオ・コンテンツにおける変更に対する周囲光の応答の速度又は度合いをはじめとする華麗さの変更などの、システム特性に関する選好の変更に用いることが可能である。これは、特定の特性の映画又はコンテンツの色合いを弱めることが可能な高度なコンテンツ解析を備え得る。コンテンツにおいて多くの暗いシーンを備えるビデオ・コンテンツが、放送周囲光を調光させて、周囲光源88の特性に影響を及ぼすことができる一方、炎のような色合い又は明るい色合いを、多くの肌の色合いや明るいシーン(太陽の光がさんさんと降り注ぐ海岸、サバンナにいるトラ等)のような特定の他のコンテンツに用いることが可能である。このことは、設定コードS及び変更コードTを用いて書き込み又は生成されるにつれて達成することが可能であり、所望の変更は、光スクリプト・コマンド・コード化をさらに必要とすることなく周囲照明生成回路18によってもたらされる。
【0101】
本明細書で教示されているタイプの光スクリプト・コマンド・コードを、コンパクト・ディスクやDVD(ディジタル多用途ディスク)などの媒体のサブコードに、光効果を完全にもたらすのに必要な更なる情報の更なる要件の有無にかかわらず埋め込むことも可能である。本明細書において教示されている分離可能な設定コードS及び変更コードTを用いた光スクリプト・コマンドのモジュラー設計によってそうした柔軟性が可能になる。
【0102】
当業者が本発明を実施することを可能にするために本明細書に説明を記載している。多くの構成が本発明の教示を用いて考えられ、本明細書に表す構成及び装置は例証的なものに過ぎず、特に、明瞭にするために単純にしている。実際には、本発明による周囲光スクリプト・コード化は、娯楽センターやホーム・シアター・センターなどのより大規模のシステムの一部として現れ得る。このシステムを用いて輝度などの1つのみの制御動作パラメータをコード化することを何ら排除するものでない。
【0103】
本明細書に例証的に示したデータ・フレーム又はデータ・パケットを、ソフトウェア又はマシン・コードを用いて機能的に再生又はエミュレートすることが可能であり、当業者は、本明細書に教示されているコード化及びデコードが管理されるやり方にかかわらずこうした教示を用いることができるものであるということは周知である。
【0104】
当業者は、こうした教示に基づいて、本明細書に教示されており、特許請求の範囲に記載されている装置及び方法を修正し、よって、例えば、工程又はデータ構造を特定のアプリケーションに合うよう再編成し、本明細書で例証の目的で選んだものとの類似性をほとんど呈していないものであり得るシステムを作成することができよう。
【0105】
上記例を用いて開示した本発明は、前述の機能の一部のみを用いて実施することができる。又、他の構造又は機能要素を追加することを排除する、本明細書で教示されており、特許請求の範囲で記載されているものは何らないものとする。
【0106】
明らかに、本発明の多くの修正及び変形が上記教示に照らして考えられる。よって、特許請求の範囲記載の範囲内で、本明細書で特に記載又は示唆したやり方以外で実施することができるということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明による2エレメント光スクリプト・コードの略図である。
【図2】更なる変更コードが後続する設定コードを備える光スクリプト・コードの略図である。
【図3】変更コードの系列によって分離された周期的に生成される設定コードを備える光スクリプト・コードの略図である。
【図4】本発明による設定コードの考えられるエレメントの略図である。
【図5】本発明による変更コードの考えられるエレメントの略図である。
【図6】本発明の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図である。
【図7】複数の周囲光源からの周囲光が、本発明による光スクリプトを用いて生成される部屋の、一部が略図であり、一部が断面図である、俯瞰図である。
【図8】本発明による光スクリプトを用いて制御する対象の6つの周囲光源(センター・ライト)を備えたビデオ・ディスプレイの略表面図である。
【図9】変更コードが指定されている、光スクリプト・コードの制御下の周囲光源について時間の関数として制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットである。
【図10】変更コードが指定されている、光スクリプト・コードの制御下の周囲光源について時間の関数として制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットである。
【図11】変更コードが指定されている、光スクリプト・コードの制御下の周囲光源について時間の関数として制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットである。
【図12】2つの別個の信号源からの2部構成の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図である。
【図13】複数の信号源からの2部構成の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を用い、通常、ビデオ・ディスプレイなどからのビデオ・コンテンツに基づいているかそうしたビデオ・コンテンツに関連した周囲照明効果の生成及び設定に関する。特に、本発明は、光スクリプト・コマンドのコード化を用いて、複数の周囲光源にわたる動的制御の実行を可能にする信号ストリームを供給する方法に関し、所望の周囲照明効果及びそれに対する所望の経時的変更は、指定又は規定され、転送され、再生される。
【背景技術】
【0002】
技術者は長年、ビュ―画面及び投影領域の拡大、現実的な3次元効果のための音の変調、並びに、高品位(HD)ディジタルTVシステム及びビデオ・システムなどによるビデオ色域、分解能及びピクチャ・アスペクト比の拡充をはじめとする、ビデオ画像のエンハンスなどによって、ビデオ・コンテンツの消費によって得られる知覚体験を拡充しようとしてきている。更に、フィルム、TVやビデオの制作者も、色、シーン・カット、視野角、周辺風景及びコンピュータ支援グラフィカル表現などによる視聴覚手段を用いて視聴者の体験に影響を及ぼそうとしている。このことには、劇場の舞台照明もあげられるものである。例えば、照明効果は通常、スクリプトされており、すなわち、ビデオ又は再生のシーンと同期化されており、所望の手法によってコード化された適切なシーン・スクリプトによってプログラムされたマシン又はコンピュータの支援によって再生される。
【0003】
従来技術のディジタル分野では、計画されていない、又はスクリプトされていないシーンをはじめとする、シーンにおける高速な変動への照明の自動的な適合は、大部分は調整するのが簡単でなかったが、それは、現行のシステムを用いて必要である大容量高帯域ビットストリームのオーバヘッドが理由である。
【0004】
フィリップス(オランダ)や他の企業は、ビデオ・ディスプレイから離れた別個の光源を用いて、かつ、多くのアプリケーションのために、何らかの類の、所望の照明効果の事前スクリプト又はコード化を用いて、周囲照明又は周辺照明を変更して、通常の家庭アプリケーション用又はビジネス・アプリケーション用のビデオ・コンテンツを拡充する手段を開示している。ビデオ・ディスプレイ又はテレビに周囲照明を加えることによって、視聴者の疲労を軽減し、体験の現実性及び深さを向上させることが明らかになっている。
【0005】
知覚体験は必然的に、非常に高度な感覚及び神経の装置を用いて色効果及び光効果の感覚を生み出す、人間の視覚の局面の結果である。人間は大方、1千万の別々の色を区別することが可能である。人間の眼の中には、色受像視覚用又は明所視用に、大きく重なって、445nm、535nm及び565nmの光波長でのピークを有する吸収分布を有する錐体と呼ばれる約2百万個の感覚器の3つの群が存在する。これらの3つの錐体タイプは3刺激値系と呼ばれているものを構成し、歴史的な理由でB(青)、G(緑)及びR(赤)と呼ばれている。ピークは、ディスプレイ内で用いる原色のもの、例えば、通常用いるRGB蛍光体に必ずしも相当するものでない。棹体と呼ばれる暗所視体いわゆる暗視覚体に対する相互作用も存在する。人間の眼は、特に、ホーム・シアターにみられるものなどの、光が弱い状態の場合にビデオの体験に影響を及ぼす1億2千万個の錐体を有している。
【0006】
カラー・ビデオは人間の視覚の原理に基づいており、人間の視覚の周知の3色説及び反対色説が、元の画像又は所期の画像に対して高い忠実度を有する所望の色及び効果をみるよう眼に影響をどのようにして及ぼすかについての理解に組み入れられている。大半の色モデル及び色空間では、3次元又は3座標を用いて人間の視覚体験を表す。
【0007】
カラー・ビデオは、条件等色に全面的に頼り、それによって、所望の色及び特性の実際の光ではなく少数の基準刺激を用いて色認識をもたらすことが可能になる。このようにして、色域全体が、世界中のビデオ再生において用いられている周知のRGB(赤、緑、青)3刺激値系などの限られた数の基準刺激を用いて人間の意識の中に再生される。例えば、ほぼ全てのビデオ・ディスプレイが、各ピクセルすなわち画素内にほぼ等量の赤色光及び緑色光を生成することによって黄色のシーンライトを示すことは周知である。画素はそれが限定する立体角に対して小さく、眼は、黄色を認識させられ、実際に放送されている緑色や赤色を認識しない。
【0008】
ビデオ再生用に色を表し、規定するのに用いられる周知の国際照明委員会(CIE)の色座標系をはじめとする、色モデル、及び色を規定する方法が多く存在している。CIE L*U*V*(CIELUV)系やCIE L*a*b*(CIELAB)系などの反対色空間に施すことをはじめとする何れかの数の色モデルを本発明を用いて使用することが可能である。CIEは西暦1931年に全色の管理及び再生のための財団を設立しており、その結果、3つの座標、すなわちx、y及びzを用いた色度図が生まれた。最大明度でのこの3次元系のプロットはx及びyによって色を表すのに普遍的に用いられており、1931xy色度図と呼ばれているこのプロットは、人間において認識される色全てを表すことができるものと考えられている。このことは、眼及び脳をだますのに条件等色が用いられる色再生とは対照的である。多くの色モデル又は色空間、とりわけ、ISO RGB、Adobe
RGB、NTSC RGBが現在、3つの原色すなわち3つの原色蛍光体を用いて色を再生するのに用いられている。
【0009】
しかし、こうした3刺激値系を用いてビデオ・システムによって表される考えられる色全ての範囲は限定的であることに留意にすることが重要である。NTSC(全米テレビジョン方式委員会)のRGB系は、利用可能なものとして存在する色の範囲が比較的広いが、この系は、人間によって認識可能な色全てのうちの半分しか再生することが可能でない。多くの青色及び紫色、青緑色、並びにオレンジ色/赤色は、伝統的なビデオ・システムの利用可能なものとして存在する範囲を用いて適切にレンダリングされるものでない。
【0010】
更に、人間の視覚系は、どのビデオ・システムを企図するのにも理解が必要な補償及び識別の特性を備えている。人間における色は、いくつかの見えモード、とりわけ、物体モード及びイルミナント・モードにおいて生起し得る。
【0011】
物体モードでは、光刺激は光源によって照らされた物体からの反射光として認識される。イルミナント・モードでは、光刺激は光源とみなされる。イルミナント・モードは、他の刺激よりもずっと輝度が高い複合フィールド内の刺激を有している。イルミナント・モードは、明るさすなわち輝度が、刺激が物体モードにあるように見えるようにシーン又は視覚野の全体の明るさ以下である、ビデオ・ディスプレイなどの光源として知られている刺激を有するものでない。
【0012】
注目すべきことには、物体モードにしか現れない多くの色、とりわけ、茶色、オリーブ色、くり色、灰色、及びベージュ肌色が存在する。例えば、茶色の信号機などの、茶色の光を出す光源のようなものはない。
【0013】
この理由で、色を物体に加えようとする、ビデオ・システムに対する周囲照明の補足は、高輝度の直接光源を用いてこれを行うことが可能でない。近くにある高輝度の赤色光源及び緑色光源をいかに組み合わせても、茶色やくり色を再生することは可能でなく、このことは選択肢をかなり制限する。茶色の光源の直接観測によって再生することが可能であるのは、種々の強度及び彩度の、虹のスペクトル色のみである。このことは、光源から低強度輝度出力を供給するためなどの、周囲照明システムに対する微調整の必要性を強調するものである。この微調整には現在、現行のデータ・アーキテクチャの下で周囲照明がすばやく変わり、かつ巧妙であることを可能にするように対処されていない。
【0014】
従来技術における課題の1つは、光の設定及び効果の記述の生成及び記憶並びに再生が行われるシステムがないことである。
【0015】
従来技術における更に重大な課題は、周囲光源をビデオ・コンテンツの関数として駆動させ、かつ、カラー・マッチング及び光特性変調が要求される、所望のすばやく変わる周囲光環境に適合させるのに必要な伝送情報が大量であるということである。
【0016】
例えば、Lys他による米国特許第6,166,496号明細書では、周知の非同期DMX-512データ・プロトコルを用いて照明制御信号を周囲光源に供給することが記載されている。DMX-512プロトコルは、照明業界及び関連した舞台の業界によって用いられている最も一般的な通信標準であり、データ・リンク毎に最大512個の制御データ・チャネルを設けている多重化ディジタル信号を用いている。これらのデータ・チャネルのそれぞれは元々、光制御コンソール上のスライダのように、ランプ調光器レベルを制御することが意図されていた。ランプ毎に、所望の輝度が、0と255との間の値を有する8ビットの数としてデータ・リンクを介して送られる。値0は電球が完全にオフにされている状態に相当する一方、255は電球が完全にオンにされている状態に相当する。
【0017】
DMX-512標準や他の標準では、提供される特定性の幅はわずかであり、1つ又はいくつかのパラメータの制御しか可能でなく、所望の設定を全てのランプ装置ドライバに常に、ランプ状態にかかわらず再放送するのはリフレッシュ・タイプのシステムであり、このシステムには通常、IEEE RS-485の伝送標準を用いれば、毎秒25万ビットのデータ・ビットストリームが要求される。24チャネル(制御される周囲光源毎に1つ)が用いられる場合、リフレッシュ・レートは毎秒1000回である。512チャネルが用いられる場合、リフレッシュ・レートは毎秒44回である。更に、DMX-512標準では、5個のピンのXLRコネクタが必要であり、8ビット分解能のみが可能である。この分解能を一部の新たなアーキテクチャにおいて仮想的に用いて255の別々の照明効果をコード化しても、この機能は、所望のように周囲照明の輝度、クロミナンス及び光特性を変調するには数桁の単位で低すぎるものである。
【0018】
歴史的には、照明業界では、周囲照明を、ビデオとともに効果をもたらすうえでの高度な相手方として考えてきておらず、DMX512標準は、照明コンソールを照明調光器モジュールに接続するうえでの標準化手法として米国劇場技術協会(USITT)によって西暦1986年に作成されたものに過ぎない。数年後、この標準は西暦1990年に改訂されて柔軟性の向上が可能になったが、基本的にはなお、動作するために莫大な量のデータを必要とする単一パラメータのリフレッシュ・システムである。補助データ・サブ空間(例えば、放送ビデオの帰線消去期間や、コンパクト・ディスク上及びDVD上のサブコード空間)を用いようとする場合には、それが伝送するデータが数桁不足している。DMX-512プロトコルのようなシステムを用いたデータ伝送のビット・ストリーム・オーバヘッド又は帯域オーバヘッドによって、DVD、CDのような再生可能媒体の場合のデータのコード化、記憶及び取り出しや、インターネット伝送に関する、受け入れられない課題がもたらされる。
【0019】
経済的なデータ・プロトコルを用いて高度な周囲照明効果を処理するアーキテクチャは何ら存在しないので、高度な周囲照明効果を周囲空間に生じさせようとする、従来技術のシステムは、システム動作に別個の情報チャネルを必要とすることが多い(例えば、Lye他による米国特許第6,166,496号明細書に開示されている照明娯楽システムにおいて必要な別個の娯楽制御信号、Dowling他による米国特許出願公開第2003/0057884号明細書に開示されている、周囲照明を動作させるのに必要なコンピュータ・コード又はコンピュータ・アプリケーション。)。既存のビデオ放送システムはほとんど全く、NTSC放送システムにおける垂直帰線消去期間などの何れかのアナログ波形空間に周囲照明コード又は命令を入れず、ディジタル画像システム(例えば、DVD形式、MPEG4等)は、DVDサブ空間や複合ディジタル・ビデオ補助空間などの何れのサブコードにも周囲照明コードを入れないが、それは概ね、所要データ・オーバヘッド(例えば、ビット/秒単位でのビットストリーム)が大きすぎるからである。
【0020】
よって、周囲照明と通常の3刺激値ビデオ表示システムとによってもたらされることが考えられる色域を拡張させることが効果的である。人間の視覚の補償効果、感度や他の特性を効果的に利用する周囲照明システムを用いてビデオ・ユーザに供給される色及び光特性を変調又は変更することによって別々の色の相対明度における変動などの、人間の眼の特性を利用することも望まれている。光コマンド・スクリプトを、サブコード空間などの補助データ空間内又は、RF(無線周波数)ビットストリームやディジタル・ビットストリームなどの変調データ担体上に利用可能なものとして存在する空間内に記憶し、伝送することが可能であるように、複雑な現象をコード化するのに必要なデータ・ビットを圧縮し、短縮する既知の手法を利用するのに十分低いレベルまで所要ビットストリームを削減する光スクリプト・コマンドをコード化し、デコードするシステムを有することも効果的である。
【0021】
高度な周囲照明システムを駆動させるのに必要なデータを、別個に生成し、記憶し、取り出し、用いることが可能な2つの部分に駆動させ、NTSC、SECAM、PALやMPEG4のような既存の放送及び制作の標準との後方互換性をそうしたシステムに持たせることができることが更に望ましい。
【0022】
ビデオ及びテレビ技術、圧縮技術、データの転送及びコード化、人間の視覚、色の科学及び認識、色空間、並びに、ビデオ再生をはじめとする測色及び画像レンダリングについての情報は、内容全体を本明細書及び特許請求の範囲に援用する、文献[1]Color Perception, Alan R. Robertson, Physics Today, December 1992, Vol 45, No 12, pp. 24-29、文献[2]The Physics and Chemistry of Color, 2nd, Kurt Nassau, John Wiley & Sons, Inc., New York 2001、文献[3]Principles of Color Technology, 3ed, Roy S. Berns, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2000、及び文献[4]Standard Handbook of Video and Television Engineering, 4ed, Jerry Whitaker and K. Blair Benson, McGraw-Hill, New York 2003の文献で見つけることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、複数の周囲光装置について多くの制御動作パラメータを同時に規定することを可能にし、制御動作パラメータにおける変化が特定の光源について、光スクリプト・コマンド・コードがその光源に関して言及していなくても自動的に生じ得る、光スクリプト・コマンドのコード化に関する。USITT/ESTA標準DMX-512によって表されているような帯域集約的な、都度リフレッシュするシステムではなく、本明細書及び特許請求の範囲において教示されている光スクリプト・コマンド・コード化は、等間隔で指定又は送信する必要がある光スクリプト情報は何らなく、初期設定及び/又は変更を、全く異なるデータ・ソースとは別個に記憶又は送信されるファイル内にコード化することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、周囲光源を動的に制御するための光スクリプト・コマンド・コード化の方法を備える。この方法の工程は、(1)周囲光源によって利用可能な設定コードをコード化して、輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、(2)周囲光源によって利用可能な変更コードをコード化して制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する工程であって、変更コードが変更タイプとレート・パラメータとの少なくとも1つを備え、同じものを用いており、そのように動的に制御された周囲光源が、コマンドの更なるコード化なしで制御動作パラメータの値の範囲にわたって変更を完全に実行することが可能であるように設定コード及び変更コードのそれぞれが作成される工程とを備える。
【0025】
周囲光源は複数の個々の光源を備え得るものであり、設定コード及び/又は変更コードを更にコード化して、複数の光IDの何れかについて制御動作パラメータを指定することが可能である。
【0026】
考えられる第3の工程は、第1の変更コードに後続する別の変更コードをコード化する工程であって、周囲光源がコマンドの更なるコード化なしで第2の変更を完全に実行することが可能であるように設定コード及び第2の変更コードのそれぞれが作成される工程を備え、任意的には、考えられる別の工程は、(4)番組チャンネルの変更又は同様なユーザ要求変更の場合に光スクリプトのリフレッシュを可能にすることなどのために、第2の変更コード後に周囲光源によって利用可能なように作成される設定コードを繰り返したものをコード化する工程を備える。
【0027】
変更コードは、変更の開始時間及び停止時間を備え得るものであり、変更コード自体は、制御動作パラメータにおける変更を指定する変更タイプを備え得るものであり、変更タイプは、フェードインと、フェードアウトと、正弦出力と、三角関数出力と、スパイクと、波形と、動作パラメータの特定数学関数と、論理演算子又は算術演算子と、エンベロープとのうちの少なくとも1つを備える。
【0028】
変更コードは、例えば、制御動作パラメータにおける変更を指定又は通知するレート・パラメータを備え得るものであり、レート・パラメータは、テータなどの、関数の引数と、フェードインが生起するフェードイン期間と、フェードアウトが生起するフェードアウト期間と、関数の振幅と、関数の位相と、オフ期間と、オン期間と、ステップ周波数とのうちの少なくとも1つを備える。
【0029】
設定コード及び変更コードのうちの少なくとも一方の少なくとも一部のエントロピコード化を用いてデ―タ・ストリームを削減することが可能であり、コード化データをパケット化することが可能である。本発明を用いてコード化された光スクリプトはコンテンツ担体、同期データ担体若しくは非同期データ担体によって送信することが可能であり、かつ/又は光スクリプト・コードをコンピュータ判読可能媒体上で記録することが可能であり、これはビデオ・コンテンツの表示中に読み取ることが可能である。
【0030】
設定コード及び変更コードをパケット化し、そうして作成して、設定コード及び変更コードの別個の通信を可能にすることができる。
【0031】
本発明は、光スクリプト・コマンドのコード化を用いて周囲光源を動的に制御する方法を更に備え、考えられる工程は、
(1)周囲光源によって利用可能な設定を指定する設定コードをデコードする工程と、(2)設定コードのデコードを用いて、輝度と、クロミナンスと、光特性とのうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、(3)制御動作パラメータを用いて周囲光源を駆動させる工程と、
(4)制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する変更コードをデコードする工程であって、変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータの少なくとも一方を備える工程と、(5)光スクリプト・コマンドの更なるデコードなしで制御動作パラメータの値の範囲にわたる変更を用いて周囲光源を駆動させる工程とを備える。
【0032】
このようにして、光スクリプト・コマンドの更なるコード化なしで一定の範囲の値が生じる。上記方法は、別の工程、すなわち、工程(1)に先行して、設定コードを第1の信号源から導き出し、変更コードを第2の信号源から導き出すか、あるいは、工程(1)に先行して、コンピュータ判読可能媒体から設定コード及び変更コードの少なくとも一方を読み取る工程を更に備え得る。考えられる別の工程は、工程(4)後に、ユーザ選好と、ユーザ・インタフェースからの入力とのうちの一方のデコードに基づいて制御動作パラメータを更に変更する工程である。
【0033】
光スクリプト・コマンドのコード化はコンピュータ判読可能媒体上に記録することが可能である。このコード化は、(1)輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定するための、周囲光源によって利用可能なコンピュータ判読可能設定コードと、(2)制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定するための、周囲光源によって利用可能なコンピュータ判読可能変更コードであって、変更コードは変更タイプとレート・パラメータとの少なくとも一方を備え、周囲光源が、光スクリプト・コマンドのコード化の更なる読み取りを要することなく制御動作パラメータの値の範囲にわたって変更を完全に実行することが可能であるように設定コード及び変更コードのそれぞれが作成される。第2の変更コードは同様にコード化することが可能であり、それによって、周囲光源が、光スクリプト・コマンドのコード化の更なる読み取りを要することなく第2の変更を完全に実行することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下の定義を本明細書及び特許請求の範囲を通して用いるものとする。
【0035】
周囲光源は、特許請求の範囲では、それによって利用するための光スクリプト・コードをデコードするのに必要な照明生成回路又は照明生成ドライバを全て有するものとする。
【0036】
周囲空間は、ビデオ・ディスプレイ装置の外部の物体又は空気若しくは空間全てを意味するものとする。
【0037】
変更コードは、本発明による周囲照明効果の時間的変遷を指定するか、この時間的変遷を導き出すことを可能にすることができる、コード化されたパラメータ又はコードを有するものとする。変更コードは、変更タイプとレート・パラメータとの両方又は一方を備え得る。
【0038】
変更タイプは、何れかの数学的空間における関数又は演算子として表すことが可能な1つ又は複数の動作パラメータの変遷のタイプを表すものとする。変更タイプには、数量を上方又は下方に変えるフェードインやフェードアウトと、正弦変動と、三角関数変動と、急な増加、すなわちスパイクと、複合波形と、動作パラメータの特定関数と、限定関数、すなわちエンベロープがあげられる。変更タイプには、中断、打ち切り、及び変更タイプの組み合わせ、例えば、エンベロープによって制限される、図9に示す変調正弦関数があり得る。復号の、又は同様な回路、プロセッサ又はメモリによって認識され、処理される対象の変更タイプの定義だけが必要である。変更タイプを表す関数又は演算子は、レート・パラメータを利用することが可能である。
【0039】
クロミナンスは、周囲光源を駆動させる意味合いで、生成される光の色特性を指定する機械的、数値的又は物理的方法を表すものとし、NTSCやPALのテレビジョン放送において用いられているものなどの特定の方法論を意味しないものとする。
【0040】
コンピュータには、既知のアーキテクチャを使用するCPU(中央処理装置)などのプロセッサ全てのみならず、ディジタル光学装置や、同様な機能を行うアナログ電気回路などの、設定コード又は変更コードのコード化、デコード、読み取り、処理、実行を可能にすることができる何れかのインテリジェント装置もあげられるものとする。
【0041】
コンテンツ担体は、放送ビデオ/オーディオをはじめとする視聴覚担体などの、いくつかのデータのコンテンツ担持ソースと、インターネット又はネットワーク通信と、ケーブル又は衛星の伝送と、同期モードでの動作、非同期モードでの動作にかかわらず、光通信等との何れかを表すものとする。
【0042】
制御動作パラメータは、輝度、クロミナンス、又は、送出角や偏角分光指数などの光特性指数などの物理的数量又は物理的変数の表現としてコード化されたパラメータを表すものとする。
【0043】
偏角色度は、真珠光沢によって生成されるものなどの視野角又は観測角の関数として別々の色又は色度を与える特性を表すものとする。
【0044】
偏角分光度は、真珠母の光沢を持つ現象、きらめきの現象や再帰反射現象にみられるものなどの、視野角又は観測角の関数として別々の光強度、分光透過率及び/又は色を与える特性を表すものとする。
【0045】
光特性は、広い意味合いで、周囲光源によって生成されるものなどの光の特性の何れかの規定を意味するものとする。特許請求の範囲では、光特性は光の透過又は反射の度合いなどの、輝度及びクロミナンス以外の記述子全て、若しくは、周囲光源を観測する際に色、きらめきや他の既知の現象が視野角の関数として生じる度合いをはじめとする偏角分光度特性、ポインティングや他の伝搬ベクトルを規定することによって与えられるような指向性をはじめとする光出力方向の何れかの規定、
又は、1つ又は複数の立体角の分布関数などの、光の角分布の規定を表すものとする。この特性は、エレメント画素位置やランプ位置などの、周囲光源上の位置を規定するための1つ又は複数の座標も有し得る。
【0046】
輝度は、明るさ、強度、又は同等の尺度の何れかのパラメータ又は度合いを表すものとし、光の生成や測定の特定の方法や、精神生物学的解釈を意味しないものとする。
【0047】
値の範囲は、特許請求の範囲と同様に、正弦形態や他の機能的形態などの、パラメータの値の連続的又は非連続的な関数の群、及び/又は別個の値の群を表すものとする。これは、ランプ電圧を8ボルトから10ボルトに変えるか、8.01ボルトから8.02ボルトに変えるものなどの単一の増分又はステップに過ぎないものと対照的である。値の範囲はよって、正弦、スパイク、フェードイン/フェードアウトや、複数のあらかじめスクリプトされたステップである制御動作パラメータなどの、1を超えるステップ、又は、連続した変化を表すものとする。
【0048】
レート・パラメータは、sin2における2などの、関数の引数、フェードインやフェードアウトが生起するフェードイン期間(例えば、T=10秒)、F=KsintにおけるKなどの、関数の振幅、Fsint(Nt+b)におけるNなどの、関数の位相、オフの期間、オンの期間や、ステップ周波数(例えば、ヘルツ)などの、制御動作パラメータにおける変更の指定を支援するか、こうした変更を指定する何れかの単一のパラメータを表すものとする。
【0049】
設定コードは、本発明による周囲照明効果の初期設定を指定する、又は導き出すことを可能にするコード化パラメータ、又はコードを有するものとする。設定コードは、輝度、クロミナンス、及び光特性のうちの何れかを備え得る。
【0050】
時間は、特殊効果の停止時間などの特定の時間を適切なコード化によって絶対的に指定することが可能である、又は、あるいは、暗示された変更タイプ、レート・パラメータ若しくは変遷プロフィールによってコード化することが可能であるように理解されるものとする。例えば、既知の持続時間のフェードアウトの停止時間は、フェードアウトのレート・パラメータが指定されている、例えば、10秒のフェードアウトである場合に暗示されているものである。
【0051】
ビデオは、光の生成にエネルギを必要とするアクティブな装置であれ、オフィス・ビルの窓などの、画像情報を伝える何れかの透過性媒体であれ、画像情報が遠隔で得られる光導管であれ、何れかの視覚装置又は光生成装置を表すものとする。
【0052】
ビデオ信号は、その何れかのオーディオ部分を有する、ビデオ・ディスプレイ装置を制御するために供給される信号又は情報を表すものとする。よって、ビデオ・コンテンツ解析は、オーディオ部分のオーディオ・コンテンツ解析を場合によっては備えることが想定される。
【0053】
本発明による、光スクリプト・コマンドのコード化では、周囲照明の自由度の高い度合いの特定性を所望の場合に可能にすることが企図されている。この光コマンドのコード化は、本明細書の定義の項で定義した輝度、クロミナンス及び光特性の何れか又は全てを指定することを有する、1つ又は複数の個々の光源によって生成される光の特性の初期設定及び時間変遷をコード化することができるものである。周囲照明に考えられる光源は、LED(発光ダイオード)及び関連した半導体発光体を有する何れかの数の既知の照明装置、非半導体タイプを有する電界発光素子、ハロゲンや専門化学を用いた修正タイプを有する白熱ランプ、蛍光ランプ及びネオン・ランプをはじめとするイオン放電ランプ、LCD(液晶ディスプレイ)や他の光変調器を用いることによるものなどの、変調された光源、ディスプレイに機能的に似たアレイを有する、光ルミネセンス放出器、又は何れかの数の既知の制御可能な光源を有し得る。
【実施例】
【0054】
次に図1を参照すれば、本発明による、2エレメントの光スクリプト・コードの略図を示す。光スクリプト・コードC88は、図示するように設定コードS及び変更コードTの
2つの部分を備えることが想定されており、水平方向に配置されていることは時間的推移が左側から始まることを暗示している。光スクリプト・コードC88は、既知の手法を用いてコード化され、周囲照明システムによって用いるようデコードされる。設定コードS及び変更コードTは、周囲照明システム(図示せず)による所期応答について他方を必要とせずに、別個に解釈可能であり、それ自体で完全なものであり得る。設定コードSには、フラッシュ・ランプのフラッシュ再充電信号などの、起動に必要な何れかの情報を有する初期設定が表される。変更コードTでは、各光設定又は各効果の経時的な所望の変更の記述が表され、設定コードSによって指定される初期設定は変わらないか、所望の場合、取って代わられることがあり得る。
【0055】
コード化のタイプについては、何れかの数の既知の変調手法を用いた、無線周波数信号、アナログ波形及び量子化アナログ波形を有する電気信号、パルス幅変調、パルス数変調、パルス位置変調、PCM(パルス符号変調)及びパルス振幅変調を用いたものなどのディジタル(電気)信号や、全てがディジタル手法を用いることが可能な、音響信号、オーディオ信号や光信号などの他の信号などの何れかのタイプの信号を用いた何れかの数の既知の通信手法を使用することができる。コンピュータ・ベースのアプリケーションにおけるものなどの、他の情報の中に順次配置されるか、他の情報とともに順次配置されるに過ぎないデータも用いることが可能である。
【0056】
図2及び図3を次に参照すれば、設定コードS及び変更コードTの系列の略図を示す。本発明による手法では、光スクリプト・コードC88は、図2に示すようにいくつかの変更Tが後続する設定コードTを備えるものとする。よって、周囲照明システムにおける個々の周囲光群を初期化するのに必要なデータ又はビットストリームは非常に大きいことがあり得るが、ランプ又は光源の動作を更新するために繰り返されない。変更コードTの系列は、望まれるだけ頻繁にコード化し、利用することが可能である。図3に示すように、光スクリプト・コードC88は設定コードS1を備える系列と、これに続く、設定コードS1によって指定されたものから逸脱する周囲照明効果の変更及び時間変遷のパラメータのみを指定する変更コードT1、T2、T3、…等の系列とを備える。システムのロバスト性のために、ビデオ及びオーディオの圧縮手法、例えば、ATSC DTV(ディジタル・テレビ)に用いるイントラフレームコード化の周期的送信とそっくりで、図示するように期間P後周期的に、例えば毎秒をはじめとして時々設定コードS1又は第2設定コードS2を再送信してチャンネル又は番組の変更を可能にすることによってある程度の冗長性を有することができる。あるいは、S2を更新して、変更コードT1、T2、T3…等によって指定される最新の変更を反映することができる。又、所望の場合、設定コードのみの周期的な再設定を可能にするために変更コードTxは存在しないことがあり得る。
【0057】
次に図4を参照すれば、本発明による設定コードSの考えられるエレメントの略図を、MPEGコード化、オーディオPCMコード化等に用いるもののような既知のディジタル・データのフレーム又はパケットを用いて例証の目的で示す。データ・パケットが可変長の番組ストリームや、データ・パケットを均等に分割する伝送ストリームや、単一の番組伝送ストリームなどの他の手法などのデータ・パケットの既知のコード化手法を用いることが可能である。あるいは、本明細書に表すデータ・フレームは、非同期プロトコルをはじめとするコンピュータ・コードや他の通信標準を用いてエミュレートすることが可能である。
【0058】
設定コードSは、既知のパケット化装置又は符号器(図示せず)を用いて形成され、アドレス指定ビット、ルーティング、発信時間や他のデータなどを備え得るヘッダHを備えている。ヘッダHには、不良ビットの訂正を可能にし、正確である確率を向上させるためのCIRC(差し込みリード・ソロモン・コード)などの任意的な誤り訂正Eと、当該技術分野において知られているように必要であるか効果的であり得る任意的な変調Mビットが続く。誤り訂正コードを用いることと、データのインタリーブは当該技術分野において知られている。コンピュータ・コードによって生成されるコード化、又はここで示すものをエミュレートするソフトウェアでは、誤り訂正及び変調は必要がないことがあり得る、又は、特定の他の手段を介して別の場所で備え得る。
【0059】
次に、定義の項において定義した概括的なカテゴリである輝度Y、クロミナンス(x,y)及び光特性Gの少なくとも1つを表す種々の周囲光源の初期制御動作パラメータがコード化される。通常、これらの数量は、いくつかの個々の光源1‐Nについて定義されることになるが、そうでなくてもよい。輝度Yは、明度や何れかの同等な数量を指定する、周囲光源における明るさ、強度、ビーム電流、フィラメント電流、電子密度や何れかの他の数量をコード化する輝度係数Y(CIE3刺激値Y)であり得る。単一のパラメータは、個々の周囲光装置毎に、又は非モノクロ光源に用いることが可能であり、輝度Yを3刺激値色度毎に指定することが可能であるが、ASTM/CIE系では、これは通常必要でない。
【0060】
同様に、クロミナンス(x,y)をCIE色度x及びyを用いて、又は何れかの他の3刺激値系又は複数刺激値系を用いて指定することが可能である。図示するように、そうした色度を、各光源、すなわち、図示するようなx1、y1、x2、y2…の初期設定として、必要に応じて、相当する輝度群Y1、Y2(図示せず)とともにコード化して、CIE表色系の下での周囲光装置に完全な3座標指定(例えば、色合い、彩度及び明るさ)を与えることが可能である。
【0061】
最後に、何れかの数の初期光特性変数を、図示するような光特性Gにおいてコード化される何れかの数の初期制御動作パラメータを用いて設定することが可能である。例として、以下に更に説明するように、光特性Gは、周囲光装置内の光変調器を出ることが可能な光の量を指定することが可能な透過係数tと、光変調器から反射することが可能な光の量を指定することが可能な反射係数rと、偏角分光特性からの制御可能な物理変数又は最終結果を指定する偏角分光変数、アスペクト係数、又はテンソルgとを備え得るものであり、周囲光装置から生成される周囲光の特性(色、強度等)は、真珠母の光沢を持つ物体、きらめく物体や再帰反射物体にみられるものなどの、視野角又は観測角の関数としてのものである。
【0062】
光特性Gを、本明細書の定義の項で言及したように光の方向及び分布の情報を指定するようコード化することも可能である。このことには、更なる変数又は制御動作パラメータ(図示せず)が関係することになる。
【0063】
設定コードを指定するうえでの異なる所望の特定性、複雑度及び自由度は上方互換性を有し得る、例えば、輝度Yは使用する唯一のパラメータであり得るものであり、クロミナンス・パラメータは廃棄されるか、又は使用されない。同様に、光特性コード化Gに指定する制御動作パラメータの何れか又は全部を廃棄又は無視することが可能である。
【0064】
設定コードSは、変更コードTにおいてみられるような変更タイプFと同様に機能する任意的なエレメントとして機能し、以下に更に深く論ずる、図示したような変遷プロファイルJも備え得る。変遷プロファイルJは機能的には、図5の変更コードTにおける変更タイプFの代わりになり得るか、あるいは、周囲光が行うことになる想定任務の特徴付けを支援し得る。フラッシュ装置の場合、変遷プロファイルJは、コンデンサ又はエネルギ蓄積装置を充電することや、放電回路を起動させることなどによって一般的に1つ又は複数のフラッシュに備えるための、周囲照明フラッシュ装置に対する早期信号として機能し得る。このプロファイルは、一般的に周囲光回路を起動させること又はオンにすることも可能にし得る。
【0065】
最後に、設定コードSは、周囲光装置が識別される光ID(識別)についての更なる情報を備え得る。例えば、先行してコード化された変数である輝度Y、クロミナンス(x,y)及び光特性Gを、選択設定データの後に、該当する光IDを単に列挙することによって多数の光を同時にコード化することが可能である。このことによって、ビットストリームの経済性が向上してデータ・オーバヘッドが削減される。あるいは、コード化された制御動作パラメータを、選択された光IDを同じ順序で続けて、光IDによって配列することが可能である。考えられる第3の方法は、設定コードSに指定された各光IDに隣接する動作パラメータをコード化することである。コード化パラメータの配列は要すれば、変えて再配置することが可能であるか、又は、配列をヘッダHにおいて指定することが可能である。
【0066】
単純な周囲照明システムにおける多くのそうした物理変数に対する必要性は、高度なものに対する必要性よりも少ないが、指向性効果や偏角分光効果(例えば、真珠光沢においてみられるものなどの、色が視野角の関数として変わる偏角色度効果)などの光特性現象を、周囲照明スクリプト・コマンド・コード化システムにおいて補正することを要する理由に留意することが重要である。
【0067】
一般に、周囲光源は、フロスト表面若しくはグレーズ表面を有するランプ構造、筋ガラス若しくは筋プラスチック、又は個々の光源を囲む金属構造を用いることなどによる孔あき構造を用いることなどによる、光混合、及び半透明や他の現象をもたらす種々の拡散効果を実施することが可能である。関心を引き起こす効果を備えるために、生産及び製造が当業者によって知られている、小さな懸濁粒子からの散乱、曇らせたガラス又はレジン、長寿命有機混合物をはじめとする、1-5:m以下の、例えば、1:m未満のコロイド、エマルジョン又は小滴を用いた調剤、ゲル、及びゾルを利用することによって得られる何れかの数の既知の拡散若しくは散乱する材料又は現象を用いることが可能である。散乱現象は、周囲光の青色のエンハンスメントのための青色の生成などのための、可視波長のレイリー散乱を有するよう図り得る。生成される色は、床に設置された周囲ランプ上の青色光を生成する上部などの、特定の領域内全体の青みがかった色合い、又は領域の色合いのように領域的に規定することが可能である。
【0068】
周囲ランプには、ランプ構造内に、若しくはランプ構造と一体化させて形成するか、又はランプ構造内に挿入することが可能な円柱のプリズム又はレンズなどの偏角分光エレメントを合わせることも可能である。これによって、生成される光の特性が視聴者の位置の関数として変わる特殊効果が可能になることがあり得る。矩形、三角形若しくは不規則形のプリズム又は形状をはじめとする他の光学的な形状及び形態を用いることが可能であり、1つ又は複数の周囲光装置上又はこうした周囲光装置と一体化させて配置させることが可能である。その結果、等方性出力をもたらすのではなく、得られる効果を大きく変える、例えば、ビデオ・ディスプレイ装置上でシーンのエレメント、色及び強度が変わるにつれ、周囲光源の周りに配置させた、取り囲む壁上、物体上及び表面上に、関心を引き起こす光の帯を、投げかけ、暗くした部屋の中でライトショーのようなものを行うことが可能である。この効果は、ホーム・シアターの視聴時にいすを立つ際か、又は視聴位置を変える際の、青みがかった閃光に続く赤色光などの、視聴者の位置の関数として非常に高感度で光特性を変える劇場周囲照明エレメントであり得る。用いることが可能な偏角分光エレメントの数及びタイプは、プラスチック、ガラスをはじめとしてほぼ無制限であり、光学効果は摩損及び少し破壊的な製造手法によってもたらされる。周囲ランプは、別々の劇場効果に対して一意にすることが可能であり、相互交換可能にもすることが可能である。又、こうした効果は、偏角分光エレメントを通って進むことが可能な光の量を変えることや、周囲光装置の別々の部分を(例えば、サブランプ又はLED群を用いて)照明することなどによって変調可能であり得る。よって、特定の光源を照明するか否かを選択することによって、指向性や偏角分光効果などの光特性変数を選択することが可能である。
【0069】
設定コードS及び変更コードTには、必要な同期ビット及び連結ビット、パリティ・ビット、加えられたインタリーブ、並びに、コンパクト・ディスクに用いるEFM(8‐14変調)などの、コンピュータ判読可能媒体上に設定コード及び/又は変更コードをコード化するのに必要な何れかの特殊変調を何ら示していない。必要なクロック同期ビット、又は、ディジタル和値管理、バースト・ヘッダ、周囲照明効果の記述(例えば、「雷雨」、「日の出」等)などの所望のメタデータも何ら示していない。
【0070】
次に図5を参照すれば、本発明による、変更コードの考えられるエレメントの略図を示す。図4に示す設定コードSのデコード及び利用の後、周囲光源は、与えられた初期制御動作パラメータを施して、周囲光の放送に進むことが可能である。この手法を用いれば、設定コードSにおける開変数若しくは調節可能変数が変更されるか、又は、それに対する機能的変更が、変更コードTが根拠となる場合に指定又は設定される。
【0071】
一実施例では、変更コードTにおいて図で示すエレメントは設定コードSの一部であり得る。別の実施例では、図2に示すように別個のものであり、後続するものである。
【0072】
変更コードTは、放送信号、MPEG形式等において実施されるビデオなどの他のデータ・ストリームとコンテンツを同期化させるための何れかの数の既知のやり方をコード化し得る、図に示す時間コ―ドLを備え得る。時間コードLは、所望の場合、設定コードSの一部でもあり得る(図示せず)。変更コードTに必要なエレメントは、図示するように、変更タイプFとレート・パラメータQとの一方又は両方である。光IDを前述のようにやはり指定することが可能であり、任意的には、開始時間Toや停止時間Tfなどの更なる特定レート・パラメータを加えることが可能である。任意的には、サブコードWは追加エレメントであり得るものであり、それによって、特定の将来に利用にメタデータ又はデータをしまっておくことが可能になる。任意的なタグ又はフラグAによって、ルックアップ・テーブル、履歴テーブルや他の監視機能に用いるための、変更コードTのラベル化が可能になり得る。
【0073】
周囲光源の一部であり得る周囲光装置全てに、上記設定コードSに表すような制御動作パラメータの完全な記述を放送するのではなく、初期設定に対する時間的変遷又は変更に関する情報のみが与えられ、図9―11において論ずるように、コマンドの更なるコード化なしで一定の範囲の値にわたって1つ又は複数の制御動作パラメータを変更して、周囲光源が変更自体を実行することを可能にするように与えられる。
【0074】
単純な例として、指定された時間(例えば、10秒間)にわたるフェードインやフェードアウトなどの、輝度Yにおける変更をコード化する変更タイプ、及び正弦関数出力や他の三角関数出力や、定義の項に示す他の関数変更を指定することが可能である。同様に、レート・パラメータQは、関数F=sin2などの、変更タイプが処理する対象のテータ(2)などの、関数の1つ又は複数の引数を表すことが可能である。10秒間の間隔にわたるフェードイン、事実上線形増加である場合、フェードインは変更タイプであり得る一方、レート・パラメータは10秒であり得るか、あるいは、逆数、すなわち1/10秒であり得る。そうしたレート・パラメータQは、降下強度エンベロープ又は当初強度エンベロープを指定するパラメータ、例えば、関数e-xのxを備え得るか、又は、余弦変換又はフーリエ変換などの変換関数の引数を有し得る。変更タイプFは、ラベルを用いて、図6に表したデコード回路によって認識されるようにコード化し、レート・パラメータを設計上、又はデフォールトでそれ自体が有し得る。例えば、フェードイン、正弦増加、及びステップにはそれぞれ,デコード回路10によって認識される対象の単一のバイト値を割り当てることが可能である。光設定情報は、最小所要バイト数のみを用いる、同様に経済的な特性のものであり得る。輝度は、例えば、1から29すなわち512まで及ぶバイト値を用いて既知のやり方でコード化することが可能である。変更コードFの1つの考えられるデフォールト条件は、ゼロ値、すなわちF=0であり、それは、設定コード又は別の変更コードを用いて再設定するまで光特性が何ら変わらないことを意味する。
【0075】
既知のコード化手法を用いれば、ランレングス・コード化を用いて変更コードの効果性を更に圧縮することが可能であり、既知のエントロピコード化を用いて更に圧縮することが可能であり、それによって、頻繁に用いられる変更タイプ又はレート・パラメータが、たまにしか用いられない変更タイプ又はレート・パラメータよりも少ないビット数を用いてコード化される。
【0076】
次に図6を参照すれば、本発明の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図を示す。(それぞれSETTINGS及びCHANGE CODESとして示す)設定コードS及び変更コードTはデコード回路10に転送され、このデコード回路は既知の手法を用いて何れかの誤り訂正処理やエントロピ・デコード処理を備えて、光スクリプト・コードC88をデコードして、図示する周囲光装置1−Nを備える周囲光源88を管理するための制御動作パラメータについての未加工情報を供給する。
【0077】
デコード回路10は、圧縮解除エンジンを備え得るものであり、既知の設計の1つ又は複数のチャネル・バッファ(図示せず)を用いて、設定コードS及び変更コードTを伝えるビットストリームを管理する。
【0078】
デコード回路10は、ソフトウェアを用いて同じ機能を行うコンピュータ・システム内に機能的に備えることが可能であるが、データ伝送プロトコルによって送られるパケット化情報をデコードする場合、例えば、単純にコード化された16進バイトがフェードインに相当し、別のバイトが開始時間又は停止時間を指定することがあり得るように設定コード及び/又は変更コードの情報に対応する情報を備えるか、又は備えるよう更新されるメモリ(図示せず)がデコーダ回路内に存在し得る。このメモリは次いで、プロセッサ及びソフトウェアとともに、初期設定、変更タイプ及びレート・パラメータを実際の制御動作パラメータに変換し、この実際の制御動作パラメータは、図示した周囲照明生成回路18に通信することが可能である。周囲照明生成回路18は、デコード回路10から得られる制御動作パラメータを受け取り、次いで、何れかのユーザ・インタフェース及び何れかの生成選好メモリ(併せてU2として図示する)からの何れかの入力を補正して、図示した周囲照明空間ルックアップ・テーブルLUTを場合によっては照会した後に(印加電圧などの)実際の光出力制御パラメータを作成し、それによって、周囲光源88又は個々の周囲光源1‐Nの何れかの色空間に設定コードS及び変更コードTによって設定された制御動作パラメータによって指定された何れかの色空間が取り入れられる。この情報を装備して、周囲照明生成回路18は次いで、図示するように周囲光源88を直接制御又は供給するようランプ・インタフェース・ドライバDに命令することが可能である。この情報は、所望の場合、インタフェース装置、例えばDMX-512インタフェースに送ることが可能である。
【0079】
次に図7を参照すれば、複数の周囲光源からの周囲光が本発明による光スクリプトを用いて生成される部屋又は周囲空間AOの、一部が略図であり、一部が断面図である俯瞰図を示す。周囲空間AOには、ビデオ・ディスプレイBの視聴を可能にするために並べた座席及びテーブル7が図示するように配置されている。周囲空間AOには、ライト・スピーカ1-4、及びソファー又は座席の下のサブライトSL、並びにディスプレイBの周りに並べた、エミュレートする特殊な周囲光装置群、すなわち、センター・ライトCLxをはじめとする、本発明を用いて制御する対象の複数の周囲光装置も並べられている。こうした周囲光装置のそれぞれは、図において網掛けで示す周囲光A8を放出することが可能である。次に図8を参照すれば、ビデオ・ディスプレイBの表面を、ディスプレイの領域の周りに並べた6つの周囲光装置CL1―CL6とともに示す。図示したようなディスプレイBの左上部などの特定の領域が、図示したCL1などの隣接周囲光装置によってスクリプトされ、生成される周囲光に影響を及ぼすことになるということが必要ではないが想定される。
【0080】
光スクリプト・コマンドのコード化と、特に、光特性パラメータのコード化とを用いれば、ビデオ・ディスプレイBによって実際に放送されないがそのビデオ・ディスプレイから得られる色又は色度によってこうした周囲光装置からの周囲光を生成することが可能である。これによって、人間の眼及び視覚系の特性を利用することが可能になる。なお、種々の可視波長の検出感度を表す、人間の視覚系の明度関数は、光レベルの関数として変わる。
【0081】
例えば、棹体に頼る暗所視又は暗視覚は、青色及び緑色に対する感度がより高い傾向にある。錐体を用いる明所視は、赤色や黄色などのより長い波長の光の検出に、より適している。暗くしたホーム・シアターの環境では、光レベルの関数としての種々の色の相対明度におけるそうした変化は、周囲空間内のビデオ・ユーザに供給される色を変調又は変更することによってある程度打ち消すことが可能である。このことは、光変調器(図示せず)を用いてライト・スピーカ1-4などの周囲光装置から光を減らすこと、又はライト・スピーカ内の追加コンポーネント、すなわち光ルミネセンス放出器を用いて周囲放出前に光を更に修正することによって行うことが可能である。光ルミネセンス放出器は、光源からの入射光を吸収するか、又はこの入射光からの励起を受け、次いで、より長い所望の波長の光を再放出することによって色変換を行う。蛍光ピグメントなどの、光ルミネセンス放出器のこの励起及び再放出によって、元のビデオ画像又は光源に元々存在しておらず、ディスプレイBの動作に固有の色又は色域の範囲内にも場合によってはない新たな色のレンダリングが可能になり得る。
【0082】
新たな色の生成は、新たで、かつ興味を引き起こす視覚効果をもたらすことが可能である。例証する例は、利用可能なものとして存在する蛍光ピグメントが周知(文献(2)参照。)である、ハンターのオレンジ色と呼ばれるものなどのオレンジ色光の生成であり得る。上記例には、蛍光発光の一般的な現象、及び関連現象に対して、蛍光色が関係する。蛍光性のオレンジ色や他の蛍光色素種は、赤色及びオレンジ色における増量が長い波長に対する暗所視の感度の減少を打ち消すことが可能な低光量状態で特に有用であり得る。
【0083】
周囲光装置に用いることが可能な蛍光色素は、Day-Glo Color Corporation, Cleveland, Ohio, USAによって製造されるものなどのペリレン、ナフタルイミド、クマリン、チオキサンテン、アントラキノン、及び固有の色素類などの色素類における既知の色素を有し得る。利用可能なものとして存在する色として、アパッチイエロー色、チグリスイエロー色、サバンナイエロー色、ポコノイエロー色、モーホークイエロー色、ポトマックイエロー色、マリーゴールドイエロー色、オタワレッド色、ボルガレッド色、サケの身の色、及びコロンビアブルー色があげられる。これらの色素類は、既知の工程を用いてPS、PET及びABSなどの樹脂に組み入れることが可能である。
【0084】
蛍光性の色素及び材料によって視覚効果が向上されるが、それは、こうした色素及び材料が、同じ色度の非蛍光性材料よりもかなり明るくなるよう図ることが可能であるからである。蛍光色を生成するのに用いる伝統的な有機色素のいわゆる耐久性の課題は、過去20年間で、技術革新によって、太陽に露出した状態の下で7-10年間その鮮明な色合いを維持する耐久性蛍光色素の開発がもたらされるにつれ、概ね解決されてきている。こうした色素はよって、入ってくるUV光線が最小限であるホーム・シアター環境内ではほとんど破壊できない。
【0085】
あるいは、蛍光性光色素を用いることが可能であり、単に、波長が短い光を吸収し、赤色やオレンジ色などの波長が長いものとしてこの光を再放出することによって機能する。青色や紫色、例えば、400-440nmの光などの可視光を用いて励起を受ける、技術的に進んでいる無機色素は現在、容易に利用可能なものとして存在している。
【0086】
前述のように指定することが可能な他の光特性パラメータには、視野角の関数として種々の光の色、強度、及び特性を生成するための偏角分光効果及び偏角色度効果がある。この効果を実現するために、周囲光装置1-4並びにSL及びCLxは、金属及び真珠箔を透過する着色剤、周知の回折効果若しくは薄膜干渉効果を用いた、例えば、魚鱗エキスを用いた真珠光沢材料、グアニンの薄フレーク、又は保存剤を備えた2-アミノヒポキサンチンなどの既知の偏角分光エレメントを単独又は組み合わせで用いることが可能である。酸化物層、斑銅鉱若しくはクジャク銅鉱、金属フレーク、ガラス・フレーク若しくはプラスチック・フレーク、粒状物質、脂肪油、すりガラス及びすりプラスチックでできた真珠光沢材料などの、石英微粉や他の物質を用いた拡散体を用いることが可能である。
【0087】
光特性Gは、例えば、偏角分光エレメントを変調して、内部の光学素子(図示せず)の角度を変える電動式の偏角分光エレメントなどの、それによって生成される光の特性を変えるようコード化することが可能である。コード化されたパラメータは、単純な角度2であり得る。
【0088】
次に図9乃至図11を参照すれば、時間の関数としての制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットを、変更コードが指定されている光スクリプト・コ―ドの制御下での周囲光源について示す。例えば、図9では、周囲光源88又は、ライト・スピーカ1などの周囲光装置における相対発光強度や特定の他の制御動作パラメータが、秒単位の時間の関数として横軸上にプロットされている。設定コードSによって指定された値を表す約0.25の強度値を左側に示す。プロットの左側部分上に示す関数F1は、偽正弦的にこの値を変調する。例えば、変更タイプFを、y=msinNtなどの正弦関数として指定することが可能であり、ここでtは秒単位の時間であり、更に、振幅m及び位相Nはサイクル間でわずかに変動する。この変更タイプを用いて、例えば、ビデオ信号又はビデオ番組にみられる音楽ビートに対する、シンコペーションを用いた、又は不規則な伴奏を備えることが可能である。図示した関数F1には、関数F1を制動する乗算子として機能し得る、図示した制限関数又はエンベロープCに関数F1を、図示するようにスーパインポーズすることが可能である関数F2が続き得る。これらの関数は、変更コードTにおいて変更タイプFの下で、場合によってはレート・パラメータQも指定してコード化される。
【0089】
デコード回路10は、コード化され、表示される変更が、光スクリプト・コマンドの更なるコード化なしでRとして示す値の範囲に及び得るように変更タイプF及び何れかのレート・パラメータQを認識するよう構成される。
【0090】
前述のように、図10に示すフラッシュ及びステップの関数などの他の関数を指定することが可能である。(FLASHと示す)スパイク又はフラッシュは、図示するようにフラッシュ又は高強度スパイクを実行するよう光スクリプト・デコード回路に命令することが可能であり、ここではやはり、図示したような値Rの範囲を更なるコード化によって自動的に実行して、値を指定するか、補間数列を指定する。同様に、図示したフェードインFI又はフェードアウトFOを実行することが可能であり、図示した値Rの範囲にわたる数列を全てが表す、それらの間に示すステップを有し得る。図示したステップは、事実上、基線値を得て、制御動作パラメータに設定値を加算する(制御動作パラメータから設定値を減算する)演算子である変更タイプFによって引き起こすことが可能である。このステップ演算子は、図6、12、13に示すようなデコード回路10によってコード化、認識又はアクセスされる変更タイプFのライブラリにおいて指定することが可能である。上記図の更に右には、一連のステップLLを、最終フェードアウトFOとともに示す。ステップに対して、ステップ演算子は変更タイプFであり得るものであり、ステップ・サイズはレート・パラメータQであり得る。こうした変更のそれぞれは、論理的な単位で指定することが可能であるか、又は、あらかじめスクリプトされた変更群若しくはよく用いられる変更群を、変更タイプF及び/又はレート・パラメータQを用いてコード化することが可能である。デコード回路10、又はソフトウェアにおける同等物を、既知の方法で初期化して、変更タイプF及び/又はレート・パラメータQのライブラリを備えることが可能であり、設定コードSの変遷プロファイルJがこの機能を行うことが可能である。
【0091】
図11は、時間に対してプロットして示すように3つの相対クロミナンス・パラメータY、x、yを示し、ここでは、複雑な関数関係を示し、ここではやはり、各パラメータの値Rの範囲が更なる所要コード化によって実現される。変更タイプFは、連続であろうがなかろうか何れかの数学関数を表し、デコード回路10がそれを認識し、アドレス指定される1つ又は複数の制御動作パラメータに対する必要な変更の実行が周囲光源に影響を及ぼすことを可能にすることができる限り、何れかの適切な算術演算子又は論理演算子を表すことが可能である。
【0092】
次に図12を参照すれば、2つの別個の信号源からの、2つの部分によって構成される光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図を示す。媒体信号(例えば、DVD再生)などの信号源Uは図示するように変更コードTを生成することが可能である。これは、放送無線周波数アナログ波形や、設定コードSを送ることが可能な、ケーブル放送又は衛星放送から収集されたディジタル情報などの多くの形式を呈し得る、コンテンツ担体のような第2の信号源Vと組み合わせることが可能である。図示するように、設定コードS及び変更コードTは、図示するように多重化され、同じ通信チャネルを共有することが可能である。
【0093】
設定コードS及び変更コードTは、ネットワーク経由などの、種々のソースから種々の時点でくるものであり得る。そうしたネットワークは、OSI(オープン・システム相互接続)ネットワーク・モデルを備え得るものであり、ここで、データ伝送は、既知の物理層、データ・リンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層及びアプリケーション層を有し得るものであり、周期的セッションは、ビデオ番組の視聴中又は再生中に設定コードS及び変更コードTの一方又は両方をアクセスすることが可能である。
【0094】
特に、設定コードS及び変更コードTを、加入衛星サービス又は加入ケーブル・サービス、又は何れかのネットワーク配信システムに必要なビットストリームを最小にするように、かつ、固有のコンテンツの配信をサポートするビジネス・モデルの成功を最大にするようにエンド・ユーザに配信することが可能である。(図示するように)設定コードS又は変更コードTに埋め込む時間コードLによって、ビデオや他のコンテンツとの同期化が可能になる。
【0095】
次に図13を参照すれば、開信号源又は複数信号源からの、2つの部分によって構成される光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光装置を制御する考えられるシステムの略図を示す。
【0096】
図示するように、いくつかの信号入力又は情報入力の何れかを用いて、所望の場合、別個に通信される設定コードS及び変更コードTを備えることが可能である。設定コードS及び変更コードTの通信は、コンテンツ担体、同期データ担体、非同期データ担体又はコンピュータ判読可能媒体によって供給することが可能である。例えば、図示したような、インターネット・ベースの情報転送www(例えば、固有サイトからのダウンロード)、又は、ディジタル多用途ディスクやポータブル・メモリ・カードなどのコンピュータ判読可能媒体DVDからの取り出しは、同時に、又は既知のデータ・バッファを介して、設定コードS及び変更コードTの一方又は両方を個々に供給することが可能である。あるいは、配信システムからの視聴覚信号AVSは、既知の手法を用いて(コンテンツ解析として示す)ビデオ・コンテンツ解析を受けて、図示したようなメモリMEMに記憶された変更タイプF又はレート・パラメータQのライブラリを場合によっては用いて、ハード・ディスクHDとの間で光スクリプト・コマンド(図示したような設定コードS及び変更コードT)を記録し、転送することが可能である。これは、図示するようにハード・ディスクHD及び/又はメモリMEMからの光スクリプト・コマンドの別個の転送、並行した転送、直接転送、遅延転送、連続転送、周期的転送、又は非周期的転送を可能にし得るものであり、その結果、設定コードS及び変更コードTは柔軟な開データ・ストリーム又は複数データ・ストリーム5の一部であり得るものであり、1つ又は複数のソースを用いて柔軟なやり方又は所望のやり方で送信、記憶、取り出し又は使用を行うことが可能である。これは、インターネットwwwなどの公に利用可能なソースから設定コードSを得ることと、視聴覚信号AVSなどの固有ソースから変更コードTを得ることとを有し得る。必要な場合、デコード回路10は、変更タイプF及びレート・パラメータQを解釈するための、図示したようなデコーダ・ルックアップ・メモリMMを備え得るものであり、それによって、複雑な波形又は算術演算(図9参照)を、設定コードSの一定の再調節の再送信又は生成を要することなく実行することが可能である。
【0097】
これによって、輝度、クロミナンス、光特性等などの制御動作パラメータの必要な動きを常にリフレッシュし、指定することを必要とする、DMX-512プロトコルを用いることのような単純な光指定システムに対して、必要なビットストリーム又は同等物が節約される。
【0098】
単純な例は、特定の周囲光装置の輝度などの1つだけの制御動作パラメータを指定する伝統的なシステムである。単一の光スクリプト・コマンドである、日の出の間の照度の増加などの5秒間の持続時間の正弦変動を実行するために、(非常に単純なデータ構造を前提として)4バイトを送信してランプ輝度を更新することが必要であり得る。毎秒80回更新して正弦変動を画策し、指定することは、その場合、4バイト/更新x80更新/秒x5秒、すなわち1600バイトを要し得る。このタイプのシステムを用いることは、40バイトを用いて同じ結果を、設定コードSを指定し、次いで正弦関数の変更タイプFを指定する単一の変更コードTを指定し、次いで正弦関数の周期及び振幅を同様に指定するレート・パラメータを指定することによって達成し得る。そうした変更をもたらすのに必要な、バイト数のこうした節約によって、コンピュータ判読可能媒体(例えば、コンパクト・ディスク)上や補助データ空間上のサブコードなどのコンパクト・データ空間内での光スクリプト情報のコード化が可能になる。
【0099】
ランプID1…Nの代わりに、又はランプID1…Nに加えて設定コードS内ならびに変更コードT内に画素位置情報をコード化することが可能である。これによって、LED(発光ダイオード)アレイ上などのアレイ上にランプ制御動作パラメータへの選択的な変更の指定が可能になる。
【0100】
図示したユーザ・インタフェース及び選好メモリU2を用いれば、周囲照明生成回路18は、中央の場所を用いて、例えば、衛星システムをアクティブなフレーム・システム・メモリにダウンロードすることも可能な、ユーザ選好に基づいた種々の所望の効果の可能性を提供することができる。所望のビデオ・ディスプレイBのビデオ・コンテンツに対する色忠実度の変更や、光スクリプト・コマンド・コンテンツにおける変更の強度や他の特性の強調などによって、蛍光色、又は色域外の色が周囲空間に放送される程度、又はビデオ・コンテンツにおける変更に対する周囲光の応答の速度又は度合いをはじめとする華麗さの変更などの、システム特性に関する選好の変更に用いることが可能である。これは、特定の特性の映画又はコンテンツの色合いを弱めることが可能な高度なコンテンツ解析を備え得る。コンテンツにおいて多くの暗いシーンを備えるビデオ・コンテンツが、放送周囲光を調光させて、周囲光源88の特性に影響を及ぼすことができる一方、炎のような色合い又は明るい色合いを、多くの肌の色合いや明るいシーン(太陽の光がさんさんと降り注ぐ海岸、サバンナにいるトラ等)のような特定の他のコンテンツに用いることが可能である。このことは、設定コードS及び変更コードTを用いて書き込み又は生成されるにつれて達成することが可能であり、所望の変更は、光スクリプト・コマンド・コード化をさらに必要とすることなく周囲照明生成回路18によってもたらされる。
【0101】
本明細書で教示されているタイプの光スクリプト・コマンド・コードを、コンパクト・ディスクやDVD(ディジタル多用途ディスク)などの媒体のサブコードに、光効果を完全にもたらすのに必要な更なる情報の更なる要件の有無にかかわらず埋め込むことも可能である。本明細書において教示されている分離可能な設定コードS及び変更コードTを用いた光スクリプト・コマンドのモジュラー設計によってそうした柔軟性が可能になる。
【0102】
当業者が本発明を実施することを可能にするために本明細書に説明を記載している。多くの構成が本発明の教示を用いて考えられ、本明細書に表す構成及び装置は例証的なものに過ぎず、特に、明瞭にするために単純にしている。実際には、本発明による周囲光スクリプト・コード化は、娯楽センターやホーム・シアター・センターなどのより大規模のシステムの一部として現れ得る。このシステムを用いて輝度などの1つのみの制御動作パラメータをコード化することを何ら排除するものでない。
【0103】
本明細書に例証的に示したデータ・フレーム又はデータ・パケットを、ソフトウェア又はマシン・コードを用いて機能的に再生又はエミュレートすることが可能であり、当業者は、本明細書に教示されているコード化及びデコードが管理されるやり方にかかわらずこうした教示を用いることができるものであるということは周知である。
【0104】
当業者は、こうした教示に基づいて、本明細書に教示されており、特許請求の範囲に記載されている装置及び方法を修正し、よって、例えば、工程又はデータ構造を特定のアプリケーションに合うよう再編成し、本明細書で例証の目的で選んだものとの類似性をほとんど呈していないものであり得るシステムを作成することができよう。
【0105】
上記例を用いて開示した本発明は、前述の機能の一部のみを用いて実施することができる。又、他の構造又は機能要素を追加することを排除する、本明細書で教示されており、特許請求の範囲で記載されているものは何らないものとする。
【0106】
明らかに、本発明の多くの修正及び変形が上記教示に照らして考えられる。よって、特許請求の範囲記載の範囲内で、本明細書で特に記載又は示唆したやり方以外で実施することができるということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明による2エレメント光スクリプト・コードの略図である。
【図2】更なる変更コードが後続する設定コードを備える光スクリプト・コードの略図である。
【図3】変更コードの系列によって分離された周期的に生成される設定コードを備える光スクリプト・コードの略図である。
【図4】本発明による設定コードの考えられるエレメントの略図である。
【図5】本発明による変更コードの考えられるエレメントの略図である。
【図6】本発明の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図である。
【図7】複数の周囲光源からの周囲光が、本発明による光スクリプトを用いて生成される部屋の、一部が略図であり、一部が断面図である、俯瞰図である。
【図8】本発明による光スクリプトを用いて制御する対象の6つの周囲光源(センター・ライト)を備えたビデオ・ディスプレイの略表面図である。
【図9】変更コードが指定されている、光スクリプト・コードの制御下の周囲光源について時間の関数として制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットである。
【図10】変更コードが指定されている、光スクリプト・コードの制御下の周囲光源について時間の関数として制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットである。
【図11】変更コードが指定されている、光スクリプト・コードの制御下の周囲光源について時間の関数として制御光特性パラメータの実行のデカルト・プロットである。
【図12】2つの別個の信号源からの2部構成の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図である。
【図13】複数の信号源からの2部構成の光スクリプト・コードを利用して複数の周囲光源を制御する考えられるシステムの略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲光源を動的に制御する光スクリプト・コマンドのコード化の方法であって、
(1)前記周囲光源によって使用可能な設定コードをコード化して、輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、
(2)前記周囲光源によって使用可能な変更コードをコード化して、前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する工程であって、前記変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータのうちの少なくとも1つを備え、前記設定コード及び前記変更コードのそれぞれが、同じものを用いてそのように動的に制御される前記周囲光源が、更なるコマンド・コード化なしで前記制御動作パラメータの値の範囲にわたって前記変更を完全に実行することが可能であるように作成される工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記周囲光源が複数の個々の光源を備え、前記設定コードは、それぞれが前記個々の光源のうちの1つに相当する複数の光IDの何れかについて前記制御動作パラメータを指定するよう更にコード化されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記周囲光源が複数の個々の光源を備え、前記変更コードは、それぞれが前記個々の光源のうちの1つに相当する複数の光IDの何れかについて前記制御動作パラメータにおける前記変更を指定するよう更にコード化されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
(3)前記周囲光源によって使用可能な第2の変更コードをコード化して少なくとも前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの第2の変更を指定する工程であって、前記第2の変更コードが、第2の変更タイプ及び第2のレート・パラメータのうちの少なくとも1つを備え、前記設定コード及び前記第2の変更コードのそれぞれは、そのように動的に制御される前記周囲光源が更なるコマンド・コード化なしで前記第2の変更を完全に実行することが可能なように作成される工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、
(4)前記第2の変更コードの後に前記周囲光源によって使用可能であるよう作成される前記設定コードの繰り返しをコード化する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、前記変更コードは、前記変更の開始時間及び停止時間のうちの少なくとも一方を更にコード化するよう作成されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、前記変更コードは、前記制御動作パラメータにおける前記変更を指定する変更タイプを備え、前記変更タイプは、フェードイン、フェードアウト、正弦出力、三角関数出力、スパイク、波形、前記動作パラメータの指定関数、演算子及びエンベロープのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、前記変更コードは、前記制御動作パラメータにおける前記変更を指定するレート・パラメータを備えるものであり、前記レート・パラメータは、関数の引数と、フェードインが生起するフェードイン期間と、フェードアウトが生起するフェードアウト期間と、関数の振幅と、関数の位相と、オフ期間と、オン期間と、ステップ周波数とのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方の少なくとも一部のエントロピコード化を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方を備えるスクリプトをパケット化データに記録する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、コンテンツ担体、同期データ担体及び非同期データ担体のうちの少なくとも1つによって前記スクリプトを伝送する工程と、前記スクリプトをデコードして、前記周囲光源の前記動的制御を可能にする工程とを更に備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方を備えるスクリプトをコンピュータ判読可能媒体上に記録する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、ビデオ・コンテンツの表示中に前記コンピュータ判読可能媒体上の前記スクリプトを読み取る工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードを備えるスクリプトをパケット化データ内に記録する工程であって、前記パケット化データが、前記設定コード及び前記変更コードの別個の通信を可能にするように作成される工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
光スクリプト・コマンド・コード化を用いて周囲光源を動的に制御する方法であって、
(1)前記周囲光源によって使用可能な設定を指定する設定コードを復号化する工程と、
(2)前記設定コードの前記復号化を用いて、輝度と、クロミナンスと、光特性とのうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、
(3)前記制御動作パラメータを用いて前記周囲光源を駆動させる工程と、
(4)前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する変更コードを復号化する工程であって、前記変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータのうちの少なくとも一方を備える工程と、
(5)光スクリプト・コマンドの更なる復号化なしで前記制御動作パラメータの値の範囲にわたる前記変更を用いて前記周囲光源を駆動させる工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、工程(1)の前に、前記設定コードを第1の信号源から導き出し、前記変更コードを第2の信号源から導き出す工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法であって、工程(1)の前に、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方をコンピュータ判読可能媒体から読み取る工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15記載の方法であって、工程(4)の後に、ユーザ選好と、ユーザ・インタフェースからの入力とのうちの一方の復号化に基づいて前記制御動作パラメータを更に変更する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
製造物品であって、
周囲光源を動的に制御するためのコンピュータ判読可能光スクリプト・コマンド・コード化を有するコンピュータ判読可能媒体であって、該コンピュータ判読可能媒体は、
輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定するよう前記周囲光源によって使用可能なコンピュータ判読可能設定コードと、
前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定するよう前記周囲光源によって使用可能なコンピュータ判読可能変更コードであって、前記変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータのうちの少なくとも一方を備え、前記設定コード及び前記変更コードのそれぞれは、同じものを用い、そのように動的に制御される前記周囲光源が、前記光スクリプト・コマンド・コード化の更なる読み取りを要することなく前記制御動作パラメータの値の範囲にわたって前記変更を完全に実行することが可能であるように作成されるコンピュータ判読可能媒体を備えることを特徴とする物品。
【請求項20】
請求項19記載の物品であって、少なくとも前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの第2の変更を指定するよう前記周囲光源によって使用可能なコンピュータ判読可能な第2の変更コードであって、前記第2の変更コードが、第2の変更タイプ及び第2のレート・パラメータのうちの少なくとも一方を備え、前記設定コード及び前記第2の変更コードのそれぞれは、そのように動的に制御される前記周囲光源が前記光スクリプト・コマンド・コード化の更なる読み取りを要することなく前記第2の変更を完全に実行することが可能なように作成される変更コードを更に備えることを特徴とする物品。
【請求項1】
周囲光源を動的に制御する光スクリプト・コマンドのコード化の方法であって、
(1)前記周囲光源によって使用可能な設定コードをコード化して、輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、
(2)前記周囲光源によって使用可能な変更コードをコード化して、前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する工程であって、前記変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータのうちの少なくとも1つを備え、前記設定コード及び前記変更コードのそれぞれが、同じものを用いてそのように動的に制御される前記周囲光源が、更なるコマンド・コード化なしで前記制御動作パラメータの値の範囲にわたって前記変更を完全に実行することが可能であるように作成される工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記周囲光源が複数の個々の光源を備え、前記設定コードは、それぞれが前記個々の光源のうちの1つに相当する複数の光IDの何れかについて前記制御動作パラメータを指定するよう更にコード化されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記周囲光源が複数の個々の光源を備え、前記変更コードは、それぞれが前記個々の光源のうちの1つに相当する複数の光IDの何れかについて前記制御動作パラメータにおける前記変更を指定するよう更にコード化されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
(3)前記周囲光源によって使用可能な第2の変更コードをコード化して少なくとも前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの第2の変更を指定する工程であって、前記第2の変更コードが、第2の変更タイプ及び第2のレート・パラメータのうちの少なくとも1つを備え、前記設定コード及び前記第2の変更コードのそれぞれは、そのように動的に制御される前記周囲光源が更なるコマンド・コード化なしで前記第2の変更を完全に実行することが可能なように作成される工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、
(4)前記第2の変更コードの後に前記周囲光源によって使用可能であるよう作成される前記設定コードの繰り返しをコード化する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、前記変更コードは、前記変更の開始時間及び停止時間のうちの少なくとも一方を更にコード化するよう作成されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、前記変更コードは、前記制御動作パラメータにおける前記変更を指定する変更タイプを備え、前記変更タイプは、フェードイン、フェードアウト、正弦出力、三角関数出力、スパイク、波形、前記動作パラメータの指定関数、演算子及びエンベロープのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、前記変更コードは、前記制御動作パラメータにおける前記変更を指定するレート・パラメータを備えるものであり、前記レート・パラメータは、関数の引数と、フェードインが生起するフェードイン期間と、フェードアウトが生起するフェードアウト期間と、関数の振幅と、関数の位相と、オフ期間と、オン期間と、ステップ周波数とのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方の少なくとも一部のエントロピコード化を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方を備えるスクリプトをパケット化データに記録する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、コンテンツ担体、同期データ担体及び非同期データ担体のうちの少なくとも1つによって前記スクリプトを伝送する工程と、前記スクリプトをデコードして、前記周囲光源の前記動的制御を可能にする工程とを更に備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方を備えるスクリプトをコンピュータ判読可能媒体上に記録する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、ビデオ・コンテンツの表示中に前記コンピュータ判読可能媒体上の前記スクリプトを読み取る工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法であって、前記設定コード及び前記変更コードを備えるスクリプトをパケット化データ内に記録する工程であって、前記パケット化データが、前記設定コード及び前記変更コードの別個の通信を可能にするように作成される工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
光スクリプト・コマンド・コード化を用いて周囲光源を動的に制御する方法であって、
(1)前記周囲光源によって使用可能な設定を指定する設定コードを復号化する工程と、
(2)前記設定コードの前記復号化を用いて、輝度と、クロミナンスと、光特性とのうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定する工程と、
(3)前記制御動作パラメータを用いて前記周囲光源を駆動させる工程と、
(4)前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定する変更コードを復号化する工程であって、前記変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータのうちの少なくとも一方を備える工程と、
(5)光スクリプト・コマンドの更なる復号化なしで前記制御動作パラメータの値の範囲にわたる前記変更を用いて前記周囲光源を駆動させる工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、工程(1)の前に、前記設定コードを第1の信号源から導き出し、前記変更コードを第2の信号源から導き出す工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法であって、工程(1)の前に、前記設定コード及び前記変更コードのうちの少なくとも一方をコンピュータ判読可能媒体から読み取る工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15記載の方法であって、工程(4)の後に、ユーザ選好と、ユーザ・インタフェースからの入力とのうちの一方の復号化に基づいて前記制御動作パラメータを更に変更する工程を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
製造物品であって、
周囲光源を動的に制御するためのコンピュータ判読可能光スクリプト・コマンド・コード化を有するコンピュータ判読可能媒体であって、該コンピュータ判読可能媒体は、
輝度、クロミナンス及び光特性のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの制御動作パラメータを指定するよう前記周囲光源によって使用可能なコンピュータ判読可能設定コードと、
前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの変更を指定するよう前記周囲光源によって使用可能なコンピュータ判読可能変更コードであって、前記変更コードが変更タイプ及びレート・パラメータのうちの少なくとも一方を備え、前記設定コード及び前記変更コードのそれぞれは、同じものを用い、そのように動的に制御される前記周囲光源が、前記光スクリプト・コマンド・コード化の更なる読み取りを要することなく前記制御動作パラメータの値の範囲にわたって前記変更を完全に実行することが可能であるように作成されるコンピュータ判読可能媒体を備えることを特徴とする物品。
【請求項20】
請求項19記載の物品であって、少なくとも前記制御動作パラメータにおける少なくとも1つの第2の変更を指定するよう前記周囲光源によって使用可能なコンピュータ判読可能な第2の変更コードであって、前記第2の変更コードが、第2の変更タイプ及び第2のレート・パラメータのうちの少なくとも一方を備え、前記設定コード及び前記第2の変更コードのそれぞれは、そのように動的に制御される前記周囲光源が前記光スクリプト・コマンド・コード化の更なる読み取りを要することなく前記第2の変更を完全に実行することが可能なように作成される変更コードを更に備えることを特徴とする物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−525800(P2007−525800A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548517(P2006−548517)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050061
【国際公開番号】WO2005/069640
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050061
【国際公開番号】WO2005/069640
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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