説明

周辺監視装置

【課題】 調光ミラーを用いて撮像手段の視線方向を切り換えることにより、車両からの広範囲に渡る視野の監視を迅速且つ的確に行うことを可能とした周辺監視装置を提供する。
【解決手段】 現在の車両2の状態を検出し、その検出結果に基づいてカメラ3の視線方向に位置する調光ミラー6の状態を電気化学作用により透明状態(図2(A)参照)と鏡状態(図2(B)参照)とで変化させ、カメラ3の視線方向を切り換えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設置された撮像手段によって撮像される車両周辺の画像を車室内の表示装置に表示することにより車両の周辺を監視する周辺監視装置に関し、特に、調光ミラーを用いて撮像手段の視線方向を切り換えることにより、車両からの広範囲に渡る視野の監視を迅速且つ的確に行うことを可能とした周辺監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーションシステムの普及にともなって、車両の周辺の状況を車室内の表示装置に表示する周辺監視装置を搭載する車両が増加している。車両の周辺の状況としては、例えば、他車の位置、障害物の状況、センターラインや停止線等の道路標示等があるが、車両の後方や、前方のバンパー下及びコーナー部等の死角は通常運転者からは認識することが困難となっている。従って、周辺監視装置はこれらの死角における周辺の状況を、車両に設置したカメラ等の撮像装置によって撮像し、車両を右折、左折又はバック等をさせる際に表示装置に表示することにより、運転者の補助を行うものである。
このような周辺監視装置は、車両運転時に運転者の負担の軽減を図るものであり、運転中に運転者が取得することが必要な情報の多さに鑑みると、視認性に優れ、違和感なく一見して運転者が必要な情報を取得できる画像を取得できる画像を表示することが望ましい。そして、当然にその画像の視野は広いことが望ましい。ここで、一般的に人間の静体視野は、両目で一点を注視している状態で約200度である。この内、赤、青、黄色等の色彩を含めて確認できるのは70度くらいまでと言われている。さらに、動きながら物を見る場合の動体視野は、動体速度に応じて狭くなり、車両速度が時速40km程度で、静体視野の半分の約100度まで低下する。これを補うため、運転者は通常、一点を注視しないようにして視野角を広く保つように努めているが、上記のような周辺監視装置は、このような人間の生理的限界や努力を好適に補完するものであることが望まれている。
【0003】
しかしながら、一般的にカメラによって撮影される画像の視野角は、50〜65度程度と狭く、単にカメラを車両に設置しただけでは十分な視野角を得ることができない。そこで、これを補うための様々な方法が提案されている。例えば、特開2000−272418号公報には、運転席のコントロールパネルに設けたカメラ方向切換スイッチの操作に基づいてカメラ駆動機構ユニットを制御することにより、カメラ装置の撮像角度の切り換えを可能とし、カメラ装置の限られた視野角度によって車体前方と前輪周辺部の両方を確認することが可能な車両用周辺確認装置について記載されている。
【特許文献1】特開2000−272418号公報(第3頁〜第4頁、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車両用周辺確認装置では、カメラ装置を駆動させるカメラ駆動機構ユニットをカメラ装置とともに車両に設置しなくてはならず、その小型化が困難となっていた。また、カメラ装置を車両に対して回動可能に支持する構造が必要となり、その支持構造部分は他の部分に比べて強度の保持が困難となる。従って、外部からの衝撃によってカメラ装置の駆動機構に不具合が発生してしまう虞が高くなっていた。
更に、特許文献1に記載された車両用周辺確認装置では、駆動モータを用いた機械的駆動手段によりカメラ装置の角度を徐々に変更することから、表示する画像の切り換えに一定の時間が必要となり、様々な状況下で運転者の瞬時の判断が必要となる車両の運転に用いるのには不適切であった。
【0005】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、調光ミラーを用いて撮像手段の視線方向を切り換えることにより、車両からの広範囲に渡る視野の監視を迅速且つ的確に行うことを可能とした周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願の請求項1に周辺監視装置は、車両に配置され、車両の周辺を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像を表示する画像表示手段と、を備え、前記画像表示手段により車両の周辺を監視する周辺監視装置において、前記撮像手段の視線方向に配置され、所定の電圧を負荷すること又は所定のガスを導入することにより透過率の変更が可能な調光ミラーと、所定のタイミングで前記調光ミラーの透過率を変更することにより前記撮像手段の視線方向を複数方向に切り換える切換手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る周辺監視装置は、請求項1に記載の周辺監視装置において、前記車両の状態を検出する状態検出手段を有し、前記切換手段は、前記状態検出手段の検出結果に基づいて前記調光ミラーの透過率を変更することを特徴とする。
ここで、「車両の状態」とは、例えば車両の進行速度や、旋回角度、地図上における車両の位置(駐車場や交差点等)、車両の周囲に位置する障害物(人や自転車)との距離等を含む。
【0008】
また、請求項3に係る周辺監視装置は、請求項2に記載の周辺監視装置において、前記状態検出手段は、前記車両の進行方向を検出する方向検出手段を備え、前記切換手段は、前記方向検出手段により前記車両が右折又は左折をすると検出された場合に前記撮像手段の視線方向を前記車両の後方から側方に切り換えるように前記調光ミラーの透過率を変更することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る周辺監視装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の周辺監視装置において、運転者に操作可能な切換操作部を有し、前記切換手段は、前記切換操作部の操作に基づいて前記調光ミラーの透過率を変更することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る周辺監視装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の周辺監視装置において、前記調光ミラーは、反射面の前記撮像手段の視線方向に対する角度が垂直以外であることを特徴とする。
【0011】
更に、請求項6に係る周辺監視装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の周辺監視装置において、前記調光ミラーは、前記撮像手段の視線方向に対して反射面の傾斜角度が異なる複数枚の調光ミラーからなり、前記切換手段は、前記複数枚の調光ミラーの透過率をそれぞれ変更することにより前記撮像手段の視線方向を複数方向に切り換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前記構成を有する請求項1の周辺監視装置では、撮像手段の視線方向に配置され、所定の電圧を負荷すること又は所定のガスを導入することにより透過率の変更が可能な調光ミラーを備え、所定のタイミングで調光ミラーの透過率を変更することにより撮像手段の視線方向を複数方向に切り換えるので、車両からの広範囲に渡る視野の監視を迅速且つ的確に行うことが可能となり、障害物(人や自転車等)との接触事故を防止する。
また、撮像手段により撮像する画像を切り換えるのに際して、撮像手段を駆動させる駆動機構を必要としないので、耐久性が向上する。
【0013】
また、請求項2の周辺監視装置では、車両の状態を検出し、その検出結果に基づいて調光ミラーの透過率を変更するので、現在の車両の状態に応じて的確な視線方向の画像を撮像することが可能となる。従って、車両からの広範囲に渡る視野の監視を的確に行うことが可能となり、障害物(人や自転車等)との接触事故を防止する。
【0014】
また、請求項3の周辺監視装置では、車両が右折又は左折をすると検出された場合に撮像手段の視線方向を車両の後方から側方に切り換えるので、車両が右折又は左折する際の状態に応じて的確な視線方向の画像を撮像することが可能となる。従って、車両からの広範囲に渡る視野の監視を的確に行うことが可能となり、障害物(人や自転車等)との巻き込み事故や接触事故を防止する。
【0015】
また、請求項4の周辺監視装置では、運転者に操作可能な切換操作部を有し、切換操作部の操作に基づいて調光ミラーの透過率を変更するので、運転手の意志で車両の周囲を撮像した画面を切り換えることが可能となるので、より複雑な状況下で適切な画像の切換が可能となり、利便性が向上する。
【0016】
また、請求項5の周辺監視装置では、調光ミラーは反射面の撮像手段の視線方向に対する角度が垂直以外であるので、車両からの広範囲に渡る視野の監視を迅速且つ的確に行うことが可能となり、障害物(人や自転車等)との接触事故を防止する。
【0017】
更に、請求項6の周辺監視装置では、撮像手段の視線方向に対して反射面の傾斜角度が異なる複数枚の調光ミラーを有し、複数枚の調光ミラーの透過率をそれぞれ変更することにより撮像手段の視線方向を複数方向に切り換えるので、車両からのより広範囲に渡る視野の監視を迅速且つ的確に行うことが可能となり、障害物(人や自転車等)との接触事故を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る周辺監視装置について具体化した第1及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る周辺監視装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る周辺監視装置1の概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る周辺監視装置1は、車両2に対して設置されたカメラ(撮像手段)3と、画像処理部4と、液晶ディスプレイ(画像表示手段)5と、調光ミラー6と、調光ミラー制御部(切換手段)7と、車両ECU(状態検出手段、方向検出手段)8等で構成されている。
【0020】
カメラ3は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたものであり、車両2の左側面部に対して略垂直方向に略水平に固定されている。そして、第1実施形態に係る周辺監視装置1では、後述の調光ミラー6を介して車両の後方と側方の2方向の画像を切り換えて撮像することが可能となっており、撮像した画像データは画像処理部4に対して送信される。
【0021】
また、画像処理部4はカメラ3により撮像した画像データを受信するとともに、受信した画像データに対して所定の画像処理を行うことにより、液晶ディスプレイ5に表示可能な適当な画像データを作成する処理装置である。
【0022】
液晶ディスプレイ5は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、カメラ3の撮像画像を表示する。尚、液晶ディスプレイ5は、ナビゲーション装置に使用するものと兼用してもよい。
従って、カメラ3にて撮像した画像は前記画像処理部4における画像処理を行った結果、車内に設置される液晶ディスプレイ5に表示されることとなる。そして、運転者はこのモニター画像を見ることで車両の周辺の情報について確認することができる。
【0023】
また、調光ミラー6は、光学的な反射率を変えることのできる薄板部材であり、その透過率を水素・酸素の雰囲気制御や電気化学作用等により変更することが可能となっている。そして、透過率を下げ、鏡のように入射された光を反射する鏡状態と、透過率を上げ、透明ガラスのように入射された光を透過する透明状態との間でその状態を自由に変化させることが可能である。また、調光ミラー6は車両2の側部に設けられたミラーケース10の内部において、カメラ3の視線方向に対してその反射面6Aが45度の角度をなす位置に固定されている(図2(A)及び図2(B)参照)。
【0024】
以下、調光ミラー6についてより具体的に説明すると、調光ミラーには大きく2種類の方式があり、一方は、水素と酸素を含むガスを用いるガスクロミック方式であり、他方は電解質を用いて電気的にスイッチングを行うエレクトロクロミック方式でである。
ガスクロミック方式では、先ずマグネシウム・ニッケル合金薄膜が蒸着された面が内側になるように、もう一枚のガラスとスペーサーで張り合わせペアガラスとする。そこにアルゴンで1%程度に希薄した水素を導入すると水素化が起こり、透明状態に変化する。また酸素を含むガスを導入すると、脱水素化が起こって鏡状態に戻る。
一方、エレクトロクロミック方式では、例えばNaOH等を電解液として2枚のガラスの間に封入し、それぞれのガラスの表面に蒸着された導電膜に対して電圧を負荷することにより透過率を変化させる。そして、電圧を負荷した状態では電気化学反応により透明状態に変化する。また、電圧を負荷しない状態では鏡状態に戻る。そして、第1実施形態に係る調光ミラー6は、特にエレクトロクロミック方式が用いられている。ここで、エレクトロクロミック方式では電気的にスイッチングが出来るため、ガスクロミック方式に比べてコントロール性が良くなる利点がある。尚、調光ミラー6の具体的な内部構造に関しては、既に公知であるのでその詳細の説明は省略する。
【0025】
一方、調光ミラー制御部7は、車両2の状態及び切換スイッチ(切換操作部)11の操作信号に基づいて調光ミラー6の透過率を制御する制御ユニットである。例えば、第1実施形態に係る周辺監視装置1では、後述の車両ECU8の検出結果に基づいて車両2が左折を開始したと判定した場合に、調光ミラー6に対して電圧を負荷し、透過率を上げて透明状態とし、左折が完了したと判定した場合に、調光ミラー6に対する電圧を解除し、透過率を下げて元の鏡状態とする。また、切換スイッチ11のスイッチング操作に基づいて電圧を負荷又は解除する。
【0026】
そして、車両ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)8は、エンジン、変速機、ブレーキ等の作動を制御する車両2の電子制御ユニットであり、また、車速センサ12及び操舵角センサ13が接続されている。ここで、車速センサ12は、車両2の車輪に取り付けられたアクティブ車輪速センサからなり、車輪の回転速度を検出して車両ECU8に速度信号を出力する。また、操舵角センサ13は、ステアリング装置の内部に取り付けられており、ステアリングホイールを転舵した場合の舵角を検出して操舵角信号を車両ECU8に出力する。ここで、操舵角センサ13は、ステアリングコラムシャフトの回転量を光学センサ等で検出するように構成されている。
その結果、車両ECU8は車速センサ12の出力信号に基づいて車両2の現在の車速を検出し、操舵角センサ13の出力信号に基づいて車両2の舵角を検出する。
【0027】
次に、第1実施形態に係る周辺監視装置1の調光ミラー6を用いたカメラ3の視線方向の切り換え構造について説明する。図2(A)及び図2(B)は、第1実施形態に係る周辺監視装置1の視線変換のイメージ図である。
【0028】
図2(A)及び図2(B)に示すように、調光ミラー6は反射面6Aがカメラ3の視線方向であるA1方向に対して45度の角度をなす位置でミラーケース10に対して固定されている。更に、ミラーケース10には、車両2の側方と後方に位置する壁面にそれぞれ撮影窓15、16が設けられている。
【0029】
そして、図2(A)は、調光ミラー制御部7によって調光ミラー6に対して電圧が負荷され、調光ミラー6の透過率を上げて透明状態とした場合のカメラ3の視線方向を示す。図2(A)に示すように、調光ミラー6が透明状態にある場合には、カメラ3の視線方向は調光ミラー6を通過してA1方向となる。従って、カメラ3は車両2の側方を撮像することとなる。
【0030】
一方、図2(B)は、調光ミラー制御部7によって調光ミラー6に対して電圧が負荷されず、調光ミラー6の透過率を下げて鏡状態とした場合のカメラ3の視線方向を示す。図2(B)に示すように、調光ミラー6が鏡状態にある場合には、カメラ3の視線方向は調光ミラー6によって変更され、A1方向に対して垂直方向をなすA2方向となる。従って、カメラ3は車両2の後方を撮像することとなる。
尚、第1実施形態に係る周辺監視装置1では、調光ミラー6は反射面6Aがカメラ3の視線方向であるA1方向に対して45度の角度をなす位置に固定されているが、その角度は45度である必要はなく、垂直以外の角度であればどの角度(例えば、30度)であっても良い。
【0031】
次に、第1実施形態に係る周辺監視装置1の制御系に係る構成について図3に基づき説明する。図3は第1実施形態に係る周辺監視装置1の制御系を模式的に示すブロック図である。
図3において、周辺監視装置1の制御系は、画像処理部4と、調光ミラー制御部7と、車両ECU8の各制御手段を基本にして構成され、各制御手段に対して所定の周辺機器が接続されている。
【0032】
ここで、特に調光ミラー制御部7について説明すると、調光ミラー制御部7はCPUを核として構成されており、更にCPUには記憶手段であるROM及びRAMが接続されている。そして、ROMには後述する調光ミラー自動切換処理プログラム、調光ミラー手動切換処理プログラム、その他調光ミラー6の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAMはCPUで演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0033】
また、調光ミラー制御部7には調光ミラー6と切換スイッチ11が接続されており、画像処理部4は、車両ECU8から車両2が左折を開始したことを検出する検出信号が送信された際に、調光ミラー6に対して電圧を負荷し、調光ミラー6を透明状態(図2(A)参照)とする。一方、車両ECU8から車両2が左折を終了したことを検出する検出信号が送信された際には、調光ミラー6に対して電圧を解除し、調光ミラー6を鏡状態(図2(B)参照)とする。
また、切換スイッチ11は、「側方」と「後方」のいずれか一方を選択することが可能なスイッチであり、切換スイッチ11からの操作信号に基づいて、「側方」が選択されていると判定した場合には、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を負荷し、調光ミラー6を透明状態(図2(A)参照)とする。一方、「後方」が選択されていると判定した場合には、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を解除し、鏡状態(図2(B)参照)とする。
【0034】
また、画像処理部4にはカメラ3と液晶ディスプレイ5が接続されており、画像処理部4はカメラ3で撮像した画像データを液晶ディスプレイ5に適切に表示可能な画像データに変換する。そして、変換された画像データに基づいて液晶ディスプレイ5は、カメラ3により撮像された画像を表示する。
【0035】
また、車両ECU8には車速センサ12と操舵角センサ13が接続されており、各センサ12、13から送信された速度信号及び操舵角信号とに基づいて、車両2の現在の車速と舵角を検出する。ここで、特に車両2が左折を開始したこと及び左折を終了したことを検出した場合には、該当する検出信号をそれぞれ調光ミラー制御部7に対して送信する。
【0036】
続いて、前記構成を有する第1実施形態に係る周辺監視装置1の調光ミラー制御部7が実行する調光ミラー自動切換処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は第1実施形態に係る周辺監視装置1における調光ミラー自動切換処理プログラムのフローチャートである。尚、図4にフローチャートで示されるプログラムは調光ミラー制御部7が備えているROMやRAM等に記憶されている。
【0037】
ここで、調光ミラー自動切換処理プログラムは、車両ECU8の検出結果に基づいて調光ミラー6にかける電圧を変化させ、液晶ディスプレイ5に表示される車両2の周囲の画像を車両2の後方を表示した画像と、車両2の側方を表示した画像とで自動に切り換える処理を行うものである。
【0038】
調光ミラー自動切換処理では、先ずステップ(以下、Sと略記する)1において、調光ミラー制御部7は、車両ECU8からの検出信号に基づいて車両2が左折を開始したか否かを判定する。
【0039】
そして、車両2が左折を開始していないと判定された場合(S1:NO)には、左折が開始されたと判定されるまで待機される一方、左折が開始されたと判定された場合(S1:YES)には、S2ヘ移行する。
【0040】
S2においては、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を負荷し、調光ミラー6を鏡状態(図2(B)参照)から透明状態(図2(A)参照)とする。ここで、図5は交差点において車両2が左折を開始する前のカメラ3の撮像状態を示した模式図である。また、図6は交差点において車両2が左折を行っている途中のカメラ3の撮像状態を示した模式図である。
【0041】
例えば、図5に示すように車両2が交差点で左折を行う前の段階では、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を負荷しておらず、調光ミラー6は鏡状態(図2(B)参照)となっている。従って、カメラ3によって車両2の後方を撮像することが可能であり、液晶ディスプレイ5には走行中の自転車41が表示される。それによって、運転者は車両2の左折前において、車両2の後方に自転車41が位置することが容易に判断可能であり、左折時の巻き込み事故を防止することが可能となる。
【0042】
また、図6に示すように車両2が交差点で左折を行っている段階では、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を負荷し、調光ミラー6は透明状態(図2(A)参照)となっている。従って、カメラ3によって車両2の左側方を撮像することが可能であり、液晶ディスプレイ5には交差点の左側に設けられた横断歩道を手前側へ徒歩で渡る歩行者42と、横断歩道へ進入する自転車41が表示される。それによって、運転者は車両2の左折時において、進行方向の横断歩道上に歩行者42が位置すること、並びに自転車41が近々横断歩道を通過することが容易に判断可能であり、左折時の接触事故を防止することが可能となる。
【0043】
続いて、S3において調光ミラー制御部7は、車両ECU8からの検出信号に基づいて車両2が左折を完了したか否かを判定する。
【0044】
そして、車両2が左折を完了していないと判定された場合(S3:NO)には、左折が完了されたと判定されるまで待機される一方、左折が完了したと判定された場合(S3:YES)には、S4ヘ移行する。
【0045】
S4においては、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を解除し、調光ミラー6を透明状態(図2(A)参照)から鏡状態(図2(B)参照)へと戻す。その後、S1の判定処理へと戻り、上記の各処理を繰り返し継続して行う。ここで、図7は交差点において車両2が左折を完了した後のカメラ3の撮像状態を示した模式図である。
【0046】
例えば、図7に示すように車両2が交差点で左折を完了した後の段階では、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を解除し、調光ミラー6は鏡状態(図2(B)参照)となっている。従って、カメラ3によって車両2の後方を撮像することが可能であり、液晶ディスプレイ5には横断歩道を渡った後の歩行者42が表示される。
そして、次回に車両2が交差点等で左折する際には、再び車両2の後方に位置する障害物(人や自転車等)を容易に判断可能となる。
【0047】
続いて、第1実施形態に係る周辺監視装置1の調光ミラー制御部7が実行する調光ミラー手動切換処理プログラムについて図8に基づき説明する。図8は第1実施形態に係る周辺監視装置1における調光ミラー手動切換処理プログラムのフローチャートである。尚、図8にフローチャートで示されるプログラムは調光ミラー制御部7が備えているROMやRAM等に記憶されている。
【0048】
この調光ミラー手動切換処理プログラムは、前記調光ミラー自動切換処理プログラムの処理が行われている最中に一定時間間隔毎、例えば4ms毎に行われる。そして、切換スイッチが操作された際に、それに基づいて調光ミラー6にかける電圧を変化させ、液晶ディスプレイ5に表示される車両2の周囲の画像を車両2の後方を表示した画像と、車両2の側方を表示した画像とで切り換えるスイッチング操作を行うものである。
【0049】
調光ミラー手動切換処理では、先ず、S11において、調光ミラー制御部7は切換スイッチ11からの操作信号に基づいて、切換スイッチ11が「側方」に入力されたか否か判定する。そして、「側方」に入力されたと判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。
【0050】
S12では、調光ミラー6に対して電圧が負荷された状態であるか否かが判定され、電圧が負荷されている状態、即ち調光ミラー6が透明状態(図2(A)参照)であり、既に液晶ディスプレイ5に車両2の側方の画像が表示されている状態であると判定された場合(S12:YES)には、その状態で当該調光ミラー手動切換処理を終了する。
【0051】
一方、電圧が負荷されていない状態、即ち調光ミラー6が鏡状態(図2(B)参照)であり、現在、液晶ディスプレイ5に車両2の後方の画像が表示されている状態であると判定された場合(S12:NO)には、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を負荷し、調光ミラー6を透明状態(図2(A)参照)とする(S13)。その後、S14へと移行する。
【0052】
一方、「側方」に入力されなかった判定された場合(S11:NO)には、続いて、S14で切換スイッチ11が「後方」に入力されたか否か判定する。そして、「後方」に入力されたと判定された場合(S14:YES)には、S15へと移行する。
【0053】
S15では、調光ミラー6に対して電圧が負荷された状態であるか否かが判定され、電圧が負荷されていない状態、即ち調光ミラー6が鏡状態(図2(B)参照)であり、既に液晶ディスプレイ5に車両2の後方の画像が表示されている状態であると判定された場合(S15:NO)には、その状態で当該調光ミラー手動切換処理を終了する。
【0054】
一方、電圧が負荷されている状態、即ち調光ミラー6が透明状態(図2(A)参照)であり、現在、液晶ディスプレイ5に車両2の側方の画像が表示されている状態であると判定された場合(S15:YES)には、調光ミラー制御部7は調光ミラー6に対して電圧を解除し、調光ミラー6を鏡状態(図2(B)参照)とする(S16)。その後、当該調光ミラー手動切換処理を終了する。
【0055】
一方、「後方」にも入力されなかったと判定された場合(S14:NO)には、当該調光ミラー手動切換処理を終了する。
従って、運転手の手動操作によっても車両2の後方を撮像した画面と側方を撮像した画面とを切り換えることが可能となるので、より複雑な状況下で適切な画像の切換が可能となり、利便性が向上する。
【0056】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る周辺監視装置1では、現在の車両2の状態を検出し、その検出結果に基づいてカメラ3の視線方向に位置する調光ミラー6の状態を電気化学作用により透明状態(図2(A)参照)と鏡状態(図2(B)参照)とで変化させるので、液晶ディスプレイ5に表示される画像を車両2の後方の画像と側方の画像とで迅速に切り換えることが可能となる。従って、車両2からの広範囲に渡る視野の監視を的確に行うことが可能となり、障害物(人や自転車等)との接触事故を防止する。
また、画像を切り換えるのに際して、カメラ3を駆動させる駆動機構を必要としないので、耐久性が向上する。
また、車両2が交差点等において左折する際に、先ず車両2の後方の画像を表示させ、左折を開始した後には車両2の左側方の画像を表示させるように調光ミラー制御部7によって自動的に切り換えるので、運転者は車両2の左折前において、車両2の後方に障害物が位置することが容易に判断可能であり、左折時の巻き込み事故を防止することが可能となる。また、運転者は車両2の左折時において、進行方向の横断歩道等に障害物が位置することが容易に判断可能であり、左折時の接触事故を防止することが可能となる。
更に、切換スイッチ11の操作により、運転手の意志で車両2の後方を撮像した画面と側方を撮像した画面とを任意に切り換えることが可能となるので、より複雑な状況下で適切な画像の切換が可能となり、利便性が向上する。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る周辺監視装置50について図9及び図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係る周辺監視装置1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る周辺監視装置1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0058】
この第2実施形態に係る周辺監視装置50の概略構成は、第1実施形態に係る周辺監視装置1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る周辺監視装置1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に係る周辺監視装置1が、カメラ3の視線方向に、その視線方向と所定角度(第1実施形態では45度)傾斜して反射面6Aが位置された調光ミラー6を一枚配置していたのに対し、第2実施形態に係る周辺監視装置50は、カメラ3の視線方向に、その視線方向とそれぞれ異なる角度傾斜して各反射面が位置された4枚の調光ミラーを配置する点で前記第1実施形態に係る周辺監視装置1と異なっている。
【0059】
先ず、第2実施形態に係る周辺監視装置50の制御系に係る構成について図9に基づき説明する。図9は第2実施形態に係る周辺監視装置50の制御系を模式的に示すブロック図である。
図9において、周辺監視装置50の制御系は、第1実施形態に係る周辺監視装置1と同様に画像処理部4と、調光ミラー制御部7と、車両ECU8の各制御手段を核として構成され、各制御手段に対して所定数の周辺機器が接続されている。
【0060】
また、調光ミラー制御部7には4枚の調光ミラー(第1調光ミラー51、第2調光ミラー52、第3調光ミラー53、第4調光ミラー54)と切換スイッチ55が接続されている。ここで、切換スイッチ55は、「前方」と「後方」と「側方」と「斜前方」と「斜後方」の内、いずれかを選択することが可能なスイッチである。そして、後述のように調光ミラー制御部7は、切換スイッチ55からの操作信号に基づいて、各調光ミラー51〜54の内、所定の調光ミラーのみに対して電圧を負荷し、調光ミラー51〜54をそれぞれ透明状態(図2(A)参照)又は鏡状態(図2(B)参照)とする。
【0061】
次に、第2実施形態に係る周辺監視装置50の概略構成、及び4枚の調光ミラー(第1調光ミラー51〜第4調光ミラー54)を用いたカメラ3の視線方向の切り換え構造について図10を用いて説明する。図10は第2実施形態に係る周辺監視装置50の視線変換のイメージ図である。
【0062】
図9に示すように、第2実施形態に係る周辺監視装置50において、第1調光ミラー51は反射面51Aがカメラ3の視線方向であるB1方向に対して45度の角度をなす位置でミラーケース10に対して固定されている。また、第2調光ミラー52は反射面52Aがカメラ3の視線方向であるB1方向に対して−45度の角度をなす位置でミラーケース10に対して固定されている。また、第3調光ミラー53は反射面53Aがカメラ3の視線方向であるB1方向に対して30度の角度をなす位置でミラーケース10に対して固定されている。更に、第4調光ミラー54は反射面54Aがカメラ3の視線方向であるB1方向に対して−30度の角度をなす位置でミラーケース10に対して固定されている。
尚、調光ミラーが4枚設けられていることを除いては図1に示す第1実施形態に係る周辺監視装置1と同様の構成を有する。
【0063】
そして、切換スイッチ55が「側方」に入力されていることを調光ミラー制御部7が検出した場合には、第1調光ミラー51〜第4調光ミラー54の全ての調光ミラーに対して電圧を負荷し、透過率を上げて透明状態とする。それによって、カメラ3の視線方向は第1調光ミラー51〜第4調光ミラー54を通過して、B1方向となる。従って、カメラ3は車両2の側方を撮像することとなる。
【0064】
また、切換スイッチ55が「斜前方」に入力されていることを調光ミラー制御部7が検出した場合には、第1調光ミラー51〜第3調光ミラー53に対して電圧を負荷し、第4調光ミラー54に対する電圧を解除する。それによって、カメラ3の視線方向は第1調光ミラー51〜第3調光ミラー53を通過し、第4調光ミラー54によってB1方向から60度前方向のB2方向に変更される。従って、カメラ3は車両2の斜め前方を撮像することとなる。
【0065】
また、切換スイッチ55が「斜後方」に入力されていることを調光ミラー制御部7が検出した場合には、第1調光ミラー51〜第2調光ミラー52に対して電圧を負荷し、第3調光ミラー53〜第4調光ミラー54に対する電圧を解除する。それによって、カメラ3の視線方向は第1調光ミラー51〜第2調光ミラー52を通過し、第3調光ミラー53によってB1方向から60度前方向のB3方向に変更される。従って、カメラ3は車両2の斜め後方を撮像することとなる。
【0066】
また、切換スイッチ55が「前方」に入力されていることを調光ミラー制御部7が検出した場合には、第1調光ミラー51に対して電圧を負荷し、第2調光ミラー52〜第4調光ミラー54に対する電圧を解除する。それによって、カメラ3の視線方向は第1調光ミラー51を通過し、第2調光ミラー52によってB4方向に変更される。従って、カメラ3は車両2の前方を撮像することとなる。
【0067】
また、切換スイッチ55が「後方」に入力されていることを調光ミラー制御部7が検出した場合には、第1調光ミラー51〜第4調光ミラー54に対する電圧を解除する。それによって、カメラ3の視線方向は、第1調光ミラー51によってB5方向に変更される。従って、カメラ3は車両2の後方を撮像することとなる。
【0068】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る周辺監視装置50では、複数枚の調光ミラー51〜54をカメラ3の視線方向に配置させ、調光ミラー51〜54の状態を電気化学作用により透明状態(図2(A)参照)又は鏡状態(図2(B)参照)に変化させることにより、液晶ディスプレイ5に表示される画像を車両2の5方向の画像の間で迅速に切り換えることが可能となる。従って、車両2からの広範囲に渡る視野の監視を的確に行うことが可能となり、障害物(人や自転車等)との接触事故を防止する。
また、画像を切り換えるのに際して、カメラ3を駆動させる駆動機構を必要としないので、耐久性が向上する。
また、切換スイッチ55の操作により、運転手の意志で車両2の複数方向を撮像した画面を切り換えることが可能となるので、より複雑な状況下で適切な画像の切換が可能となり、利便性が向上する。
【0069】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、周辺監視装置1、50に対して車両の位置検出機能を有するナビゲーション装置を構成要素として追加し、調光ミラー制御部7は地図上における現在の車両の位置情報(例えば、交差点に位置すること、駐車場に位置すること等)に基づいて調光ミラーを制御し、カメラの視線方向を切り換えることとしても良い。
【0070】
また、第1実施形態に係る周辺監視装置1では、車両2の左側面にカメラ3と調光ミラー6を設け、車両2が左折した際に(S1:YES)調光ミラー6を鏡状態(図2(B)参照)から透明状態(図2(A)参照)とし(S2)、更に車両2が左折を完了した際に(S3:YES)鏡状態から再び透明状態とすることにより(S4)、車両2の左後方から左側方を撮像することとしているが、車両2の右側面にもカメラと調光ミラーを設け、同様の処理を行っても良い。具体的には、車両2が右折した際に右側面に設けられた調光ミラーを鏡状態から透明状態とし、車両2の右折が完了した際に再び透明状態から鏡状態とすることにより、右側面に設けられたカメラによって車両2の右後方から右側方を撮像することが可能となる。それによって、右折時の接触事故を防止することが可能となる。
また、左側面と右側面の両側面に対してカメラと調光ミラーを設けた場合には、左折時においては左側面に設けられたカメラで撮像した画像を液晶ディスプレイ5に表示し、右折時においては右側面に設けられたカメラで撮像した画像を液晶ディスプレイ5に表示するようにするのが好ましい。更に、液晶ディスプレイ5の画面を左右に分割し、左側面のカメラと右側面のカメラで撮像した画像をそれぞれ同時に表示することとしても良い。
【0071】
また、第2実施形態に係る周辺監視装置50では、切換スイッチ55の操作に基づいて調光ミラー制御部7が調光ミラー51〜54の透過率を変更し、カメラ3の視線方向を切り換えることとしていたが、車両ECU8の車両の車速や舵角の検出結果に基づいて調光ミラー制御部7が調光ミラー51〜54の透過率を変更するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1実施形態に係る周辺監視装置の概略構成図である。
【図2】(A)は調光ミラーを透明状態とした場合のカメラの視線方向を示した図、(B)は調光ミラーを鏡状態とした場合のカメラの視線方向を示した図である。
【図3】第1実施形態に係る周辺監視装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る周辺監視装置における調光ミラー自動切換処理プログラムのフローチャートである。
【図5】交差点において車両が左折を開始する前のカメラの撮像状態を示した模式図である。
【図6】交差点において車両が左折を行っている途中のカメラの撮像状態を示した模式図である。
【図7】交差点において車両が左折を完了した後のカメラの撮像状態を示した模式図である。
【図8】第1実施形態に係る周辺監視装置における調光ミラー手動切換処理プログラムのフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係る周辺監視装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図10】第2実施形態に係る周辺監視装置の視線変換のイメージ図である。
【符号の説明】
【0073】
1、50 周辺監視装置
2 車両
3 カメラ
5 液晶ディスプレイ
6 調光ミラー
7 調光ミラー制御部
8 車両ECU
11、55 切換スイッチ
51 第1調光ミラー
52 第2調光ミラー
53 第3調光ミラー
54 第4調光ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に配置され、車両の周辺を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を表示する画像表示手段と、を備え、
前記画像表示手段により車両の周辺を監視する周辺監視装置において、
前記撮像手段の視線方向に配置され、所定の電圧を負荷すること又は所定のガスを導入することにより透過率の変更が可能な調光ミラーと、
所定のタイミングで前記調光ミラーの透過率を変更することにより前記撮像手段の視線方向を複数方向に切り換える切換手段と、を有することを特徴とする周辺監視装置。
【請求項2】
前記車両の状態を検出する状態検出手段を有し、
前記切換手段は、前記状態検出手段の検出結果に基づいて前記調光ミラーの透過率を変更することを特徴とする請求項1に記載の周辺監視装置。
【請求項3】
前記状態検出手段は、前記車両の進行方向を検出する方向検出手段を備え、
前記切換手段は、前記方向検出手段により前記車両が右折又は左折をすると検出された場合に前記撮像手段の視線方向を前記車両の後方から側方に切り換えるように前記調光ミラーの透過率を変更することを特徴とする請求項2に記載の周辺監視装置。
【請求項4】
運転者に操作可能な切換操作部を有し、
前記切換手段は、前記切換操作部の操作に基づいて前記調光ミラーの透過率を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の周辺監視装置。
【請求項5】
前記調光ミラーは、反射面の前記撮像手段の視線方向に対する角度が垂直以外であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の周辺監視装置。
【請求項6】
前記調光ミラーは、前記撮像手段の視線方向に対して反射面の傾斜角度が異なる複数枚の調光ミラーからなり、
前記切換手段は、前記複数枚の調光ミラーの透過率をそれぞれ変更することにより前記撮像手段の視線方向を複数方向に切り換えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の周辺監視装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate