説明

周辺装置制御システムおよび周辺装置制御方法

【課題】CPUの複数の制御主体が制御対象を動的に切り替える周辺装置制御システムおよび周辺装置制御方法を提供する。
【解決手段】CPU10,20は制御信号108,208で周辺装置40,50を指定する。制御信号108,208が光電変換された制御光信号303は、アドレス/データ信号102,202が光電変換された多重化光信号106,206と光合波部70で合波されて多重化光信号305として送信される。光分波部81は、受信した多重化光信号305を多重化光信号110,210,307に分波して、周辺装置40,50,制御部60の各ブロックへ出力する。制御部60は制御信号117,217を周辺装置40,50のブロックへ出力して作動すべき波長を通知する。CPU10,20は制御信号108,208の内容を動的に変更して制御対象を動的に切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周辺装置制御に関し、特に、複数のCPUと複数の周辺装置の間で信号の授受を波長の異なる光で行なう周辺装置制御システムおよび周辺装置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CPUが一つの装置を制御する場合、本来の制御(装置制御)に加えて、その装置の動作に異常が無いかを監視するための監視制御を行うことがある。例えば、CPUが伝送装置を制御するとき、通信経路の切替などの装置制御と共に、伝送装置内の状態や対向する伝送装置との間の通信状態を監視することが多い。このような場合、一つのCPUでは装置制御と監視制御を同時に行うことができないので、装置制御用と監視制御用に別個のCPUを設けることになる。
【0003】
装置制御と監視制御は、処理量において一般的には前者が後者に比べて十分に多く、CPUの負荷にアンバランスが生じる。そこで、負荷の平準化のために、装置制御を行うCPUと、監視制御を行う別のCPUを動的に切り替えることが望ましい。
【0004】
装置の制御は、直接的にはCPUによる制御を受けて周辺装置が実行するが、上記のように複数のCPUを使用し、それぞれのCPUが周辺装置と個別に信号を授受したのでは信号数が多くなる。そこで、信号の授受を波長の異なる多重化された光に行なうことにより、物理的な部材を削減する方策が考えられる。この方策によれば、ノイズの削減と伝送速度の向上をも図ることができる。
【0005】
この種の従来技術に、メモリコントロールユニットが複数のメモリデバイスに対するアクセス信号をメモリデバイス毎に波長の異なる光信号に変換して多重化出力することにより、メモリコントロールユニットとメモリデバイスとの間で伝送される信号の伝送レートを最小限のコストで向上させたメモリシステムが公知である。
【0006】
しかし、この技術では、メモリデバイスをアクセスするのは1つのメモリコントロールユニットを想定しており、複数のアクセス主体がアクセス対象を動的に切り替えものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−219852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、光を使用した従来の周辺装置制御システムでは、複数の制御主体が制御対象を動的に切り替えることができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、制御信号を各アドレス/データ信号と合波して通信することにより、光伝送による利点の享受を維持しつつ、制御対象を定める制御信号の波長を動的に変更することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の周辺装置制御システムは、CPUと周辺装置の組合せごとに光信号の波長を変えることにより複数のCPUによって複数の周辺装置を個別に制御しつつ、制御対象を定める制御信号の波長を動的に変更することができるという利点がある。光伝送による利点を享受できることは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の周辺装置制御システムの実施例1を示すブロック図である。
【図2】本発明の動作の説明に用いるタイムチャートである。
【図3】本発明の動作の説明に用いる他のタイムチャートである。
【図4】CPUと周辺装置の光信号の波長の組合せを説明するための図である。
【図5】CPUと周辺装置の光信号の波長の組合せを説明するための他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
複数の制御主体が制御対象を動的に切り替えるという目的を、制御主体が出力し制御対象を指定する制御信号を、アドレスデータ信号とは異なる波長で光合波して制御対象に送信することにより実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の周辺装置制御システムの実施例1を示すブロック図である。この周辺装置制御システムは、2つのCPU10,20が2つの周辺装置40,50の何れかを同時に制御するものである。周辺装置40,50の先には、例えば伝送装置(図示せず)が接続されており、周辺装置40,50の一方は伝送装置の直接的な装置制御、他方は伝送装置の直接的な監視制御を実行する。
【0014】
即ち、CPU10が周辺装置40を制御し、CPU20が周辺装置50を制御することも、CPU10が周辺装置50を制御し、CPU20が周辺装置40を制御することもできる。その切替えは、CPU10,20側に設けられた制御部(CNT)30と、周辺装置40,50側に設けられた制御部(CNT)60により動的に行うことができる。これは、装置制御と監視制御の処理量の不均衡によるCPU10とCPU20の負荷のアンバランスを平準化するための措置である。
【0015】
CPU10,20側と周辺装置40,50側との間の信号の授受は、波長の異なる多重化(光合波)された光で行なうことにより混信を回避する。この方策によって、ノイズの削減と伝送速度の向上という効果の他に、物理的な部材の削減をも図ることもできる。このために、CPU,周辺装置,制御部それぞれに、電気−光変換部(E/O)と光−電気変換部(O/E)が設けられている。CPU,周辺装置は授受するデータを多重化し、更に、この多重化されたデータと制御部が授受するデータとも波長多重(光合波)する。
【0016】
CPU10とCPU20、周辺装置40と周辺装置50はそれぞれ同構成であるので、以下、CPU10側についての説明はCPU20側について省略し、周辺装置40側についての説明は周辺装置50側について省略することによって説明の重複を回避することがある。また、CPUから周辺装置へ向かう方向を“下り方向”、周辺装置からCPUへ向かう方向を“上り方向”と記す。
【0017】
CPU10とCPU20と制御部30はそれぞれ異なった波長の光信号を送受信し、周辺装置40と周辺装置50と制御部60はそれぞれ異なった波長の光信号を送受信する。なお、図1に示すように、“下り方向”と“上り方向”を別経路としない場合には、“下り方向”と“上り方向”についても異なる波長の光信号を使用することが必要であろう。
【0018】
先ずCPU側の構成について説明する。CPU10は、アドレス/データバスを介して多重化部(MUX)13と分離部(DMUX)14に接続されてアドレス/データバス信号101,102,103を授受し、制御部30と接続されて制御信号108を直接に授受する。ここで、アドレス/データバス信号101の内のアドレスバス信号は周辺装置40,50のアドレスを指定し、アドレス/データバス信号101の内のデータバス信号は周辺装置制御のためのデータおよび監視データを内容とする。制御信号108はCPU10が制御する対象(周辺装置40か周辺装置50)を示す。
【0019】
多重化部13は、CPU10からのアドレス/データバス信号101の内の“下り方向”のアドレス/データバス信号102を多重化し、電気−光変換部11に多重化信号104を出力する。電気−光変換部11は多重化信号104を多重化光信号106に変換する。一方、光−電気変換部12は、“上り方向”の多重化光信号107を多重化信号105に変換する。分離部14は多重化信号105を分離してアドレス/データバス信号103とする。アドレス/データバス信号103は周辺装置の制御の結果を内容とする。アドレス/データバス信号102とアドレス/データバス信号103のアドレス/データバス経由前後の信号がアドレス/データバス信号101である。なお、構成要素11〜14は制御信号109で指定される波長で作動する。
【0020】
制御部30は、CPU10からの制御信号108により制御対象(周辺装置40か50)を通知されると、構成要素11〜14へ制御信号109を出力するとともに、CPU20からの制御信号208と制御信号108により制御信号301を生成して電気−光変換部31へ出力する。制御信号109は制御対象固有の波長を指定し、多重化部13ではアドレス/データバス信号102の多重化のため、分離部14では多重化信号105からアドレス/データバス信号103を分離するため、電気−光変換部11では多重化光信号106の波長設定のため、光−電気変換部12では多重化光信号107を受信するために、その波長を使用する。また、制御信号301は周辺装置に対して波長を通知し、電気−光変換部31は制御信号301を制御光信号303に変換する。
【0021】
いま、周辺装置40を制御するときの波長をA、周辺装置50を制御するときの波長をBとし、制御部30および制御部60は波長Cで作動するものとする。CPU10が周辺装置40を制御しCPU20が周辺装置50を制御するときは、CPU10対応の電気−光変換部11,光−電気変換部12,多重化部13および分離部14は制御信号109により波長Aで作動する。また、CPU20対応の電気−光変換部21,光−電気変換部22,多重化部23および分離部24は制御信号209により波長Bで作動する。制御信号301は周辺装置40側に波長A、周辺装置50側に波長Bを通知することを内容とする。
【0022】
一方、CPU10が周辺装置50を制御しCPU20が周辺装置40を制御するときは、CPU10対応の電気−光変換部11,光−電気変換部12,多重化部13および分離部14は制御信号109により波長Bで作動する。また、CPU20対応の電気−光変換部21,光−電気変換部22,多重化部23および分離部24は制御信号209により波長Aで作動する。制御信号301は周辺装置40側に波長B、周辺装置50側に波長Aを通知することを内容とする。
【0023】
電気−光変換部11からの多重化光信号106と、電気−光変換部21からの多重化光信号206と、電気−光変換部31からの制御光信号303は、波長を異にしており、光合波部70は、これらを合波して“下り方向”の多重化光信号305を周辺装置側へ送る。
【0024】
光分波部71は、“上り方向”の多重化光信号306を分波して、多重化光信号107を光−電気変換部12、多重化光信号207を光−電気変換部22、制御光信号304を光−電気変換部32へそれぞれ出力する。信号107、207、304は同じ内容の信号である。光−電気変換部32は制御光信号304を制御信号302に変換して制御部30へ入力する。制御部30は、制御信号302により、制御信号109を構成要素11〜14へ、制御信号209を構成要素21〜24へ、制御信号108をCPU10、制御信号208をCPU20へそれぞれ出力する。
【0025】
光−電気変換部12と分離部14の機能については既に記載した。制御信号109は、この機能に必要な波長を通知する。即ち、波長A、B、Cが混在している多重化光信号107の中から例えば波長Aの信号のみについて作動するようにするのである。また、このときの制御信号108,208は、周辺装置を制御している波長をCPU10,CPU20へそれぞれ通知することを内容とする。
【0026】
次に、周辺装置側について説明する。図1を参照すれば明らかなように、CPUを周辺装置に置換すれば、周辺装置側はCPU側の構成に酷似しており、制御系を除いて、上述のCPU側についての説明は周辺
装置側についても略同様に当てはまる。以下、CPU側と異なる点を一部重複しつつ制御系を中心に説明する。
【0027】
光分波部81は、“下り方向”の多重化光信号305を分波して、多重化光信号110を光−電気変換部42、多重化光信号210を光−電気変換部52、制御光信号307を光−電気変換部62へそれぞれ出力する。信号110、210、307は同じ内容の信号である。制御光信号307は、制御光信号303を受信したものであって、周辺装置側に各構成要素が作動すべき波長を通知することを内容としている。光−電気変換部62は制御光信号307を制御信号309に変換し、制御部60は制御信号309から、周辺装置40側に対する制御信号117、周辺装置50側に対する制御信号217を出力する。
【0028】
周辺装置40側では、周辺装置40,電気−光変換部41,光−電気変換部42,多重化部43および分離部44に制御信号117が入力し、これらの構成要素40〜44はCPU側から通知された波長で作動することになる。例えば、CPU10が周辺装置40を制御する場合は、構成要素40〜44は波長Aで作動する。
【0029】
周辺装置40による制御の結果は、周辺装置40を起点とするアドレス/データ信号116を基にした多重化光信号111としてCPU側(“上り方向”)へ送信される。このとき、周辺装置40は制御信号117を制御部60へ出力して、多重化光信号111を受信すべき波長を通知する。制御部60は、制御信号117と周辺装置50からの制御信号217により制御信号310を生成して電気−光変換部61へ出力する。電気−光変換部61は制御信号310を制御光信号308に変換し、光合波部80は制御光信号308と多重化光信号111と多重化光信号211を合波して“上り方向”の多重化光信号306をCPU側へ送る。
【0030】
図2は、CPU10が周辺装置40を制御し、CPU20が周辺装置50を制御する場合における、CPU側から周辺装置側への信号の流れを示す。各電気−光変換部が出力する光信号の波長は、電気−光変換部11と光−電気変換部42、電気−光変換部21と光−電気変換部52、電気−光変換部31と光−電気変換部62ごとに異なる波長を予め決めておき、CPU10が周辺装置40、CPU20が周辺装置50、制御部30が制御部60と通信できるようにする。
【0031】
CPU10が出力するアドレス/データバス信号102は多重化部13、制御する対象を示す制御信号108は制御部30に入力する。同様に、CPU20が出力するアドレス/データバス信号202が多重化部23、制御する対象を示す制御信号208が制御部30に入力する。
【0032】
制御部30は、制御信号108により、多重化光信号106の光波長を制御対象の周辺装置40に応じた波長(Aとする)に変更するための制御信号109を電気−光変換部11と多重化部13に送り、また、制御信号208により、多重化光信号206の光波長を制御対象の周辺装置50に応じた波長(Bとする)に変更するための制御信号209を電気−光変換部21と多重化部23に送る。また、制御信号108と制御信号208により、周辺装置40、50側の各構成要素に波長を通知するための制御信号301を出力する。
【0033】
アドレス/データバス信号102は多重化部13で多重化されて多重化信号104となり、電気−光変換部11で多重化光信号106に変換される。このとき多重化信号106の光信号は波長Aにされる。波長Aは光−電気変換部42が受信可能な波長である。アドレス/データバス信号202は多重化部23で多重化されて多重化信号204となり、電気−光変換部21で多重化光信号206に変換される。このとき多重化信号206の光信号を波長Bにされる。波長Bは光−電気変換部52が受信可能な波長である。制御信号301は電気−光変換部31に入力され、多重化光信号106の波長Aおよび多重化光信号206の波長Bと異なる波長(C)の制御光信号303に変換される。波長Cは、光−電気変換部62が受信可能な波長である。
【0034】
多重化光信号106、206および303は、光合波部70によって波長多重(光合波)されて光多重信号305として光分波部81に入力される。光分波部81は同じ内容の多重化光信号110、210、307を光−電気変換部42、52、62に出力する。
【0035】
光−電気変換部42に入力された多重化光信号110は光−電気変換されて多重化信号112として出力される。多重化信号112は、分離部44においてアドレス/データバス信号114に分離され、アドレス/データバス信号116として周辺装置40に入力され周辺装置40を制御する。光−電気変換部52に入力された多重化光信号210は光−電気変換されて多重化信号212として出力される。多重化信号212は、分離部54においてアドレス/データバス信号214に分離され、アドレス/データバス信号216として周辺装置50に入力され周辺装置50を制御する。
【0036】
光−電気変換部62に入力された多重化光信号307は光−電気変換されて制御信号309として出力される。制御信号309は、制御部60において、構成要素40〜44を制御するための制御信号117と、構成要素50〜54を制御するための制御信号217とされて出力される。
【0037】
以上は、CPUから周辺装置への送信による制御についての説明であったが、周辺装置がCPUへ返信する場合も略同様である。図3は周辺装置40がCPU10へ返信し、周辺装置50がCPU20へ返信する場合における、周辺装置側からCPU側への信号の流れを示す。各電気−光変換部が出力する光信号の波長は、電気−光変換部41と光−電気変換部12、電気−光変換部51と光−電気変換部22、電気−光変換部61と光−電気変換部32ごとに異なる波長を予め決めておき、周辺装置40がCPU10、周辺装置50がCPU20、制御部60が制御部30と通信できるようにする。しかし、図1の例ではこれらの波長は前述のように、“下り方向”の通信時と同じであってよい。
【0038】
周辺装置40が出力するアドレス/データバス信号115は多重化部43、制御信号117は制御部60に入力される。周辺装置50が出力するアドレス/データバス信号215は多重化部53、制御信号217は制御部60にされる。アドレス/データバス信号115は多重化部43で多重化信号113とされ、電気−光変換部41で多重化光信号111に変換される。このとき多重化光信号111の光波長(A)は、光−電気変換部12が受信可能な波長である。アドレス/データバス信号215は多重化部53で多重化信号213とされ、電気−光変換部51で多重化光信号211に変換される。このとき多重化光信号211の光波長(B)は、光−電気変換部22が受信可能な波長である。
【0039】
制御回路60は、制御信号117と制御信号217により、CPU10、20側の各構成要素とCPU10、20に波長を通知するための制御信号310を出力する。制御信号310は、電気−光変換部61で、多重化光信号111と多重化光信号211と異なる光波長の制御信号308に変換される。このとき制御信号308の光波長(C)は、光−電気変換部32が受信可能な波長である。
【0040】
多重化光信号111、211および308は、光合波部80によって波長多重(光合波)されて光多重信号306として光分波部71に入力される。光分波部71は同じ内容の多重化光信号107、207、304を光−電気変換部12、22、32に出力する。
【0041】
光−電気変換部12に入力された多重化光信号107は光−電気変換されて多重化信号105として出力される。多重化信号105は、分離部14においてアドレス/データバス信号103に分離され、アドレス/データバス信号101としてCPU10に入力され、周辺装置40の制御の結果を報告する。光−電気変換部22に入力された多重化光信号207は光−電気変換されて多重化信号205として出力される。多重化信号205は、分離部24においてアドレス/データバス信号203に分離され、アドレス/データバス信号203としてCPU20に入力され、周辺装置50の制御の結果を報告する。
【0042】
光−電気変換部32に入力された多重化光信号304は光−電気変換されて制御信号302として出力される。制御信号302は、制御部30において、CPU10へ波長を通知するための制御信号108と、構成要素11〜14を制御するための制御信号109と、CPU20へ波長を通知するための制御信号208と、構成要素21〜24を制御するための制御信号209とされて出力される。
【0043】
以上はCPU10が周辺装置40を制御し、CPU20が周辺装置50を制御する場合についての説明であったが、CPU10が周辺装置50を制御し、CPU20が周辺装置40を制御する場合についても同様に考えてよい。CPU10、CPU20が周辺装置40と周辺装置50を制御するために使用する多重化光信号の波長は制御信号により動的に変更が可能であり、CPU10、CPU20による周辺装置40と周辺装置50の制御は自由に組み合わせることができる。制御部30は、光信号の波長が同じ波長にならないように調整する。
【0044】
図4は、CPU10が周辺装置40を制御し、CPU20が周辺装置50を制御する場合であって、“下り方向”と“上り方向”とで波長を違えるとした場合における光信号の波長の組合せを説明する図である。この場合は、CPU10側の電気−光変換部11が出力する多重化光信号106の波長はA、CPU20側の電気−光変換部21が出力する光信号である多重化光信号206の波長はBである。周辺装置40側の光−電気変換部42が多重化光信号305の内から受信する多重化光信号110の波長は波長A、周辺装置50側の光−電気変換部52が多重化光信号305の内から受信する多重化光信号210の波長はBである。CPU側の制御光信号303と周辺装置側の制御光信号307の波長はともにCである。
【0045】
周辺装置からの応答では、周辺装置40側の電気−光変換部41が出力する多重化光信号111の波長はD、周辺装置50側の電気−光変換部51が出力する多重化光信号211の波長はEである。CPU10側の光−電気変換部12が多重化光信号306の内から受信する多重化光信号107の波長はDで、CPU20側の光−電気変換部22が多重化光信号306の内から受信する多重化光信号207の波長はEである。周辺装置側の制御光信号308とCPU側の制御光信号303の波長はともにFである。
【0046】
図5は、CPU10が周辺装置50を制御し、CPU20が周辺装置40を制御する場合であって、“下り方向”と“上り方向”とで波長を違えるとした場合における光信号の波長の組合せを説明する図である。この場合は、CPU10側の電気−光変換部11が出力する多重化光信号106の波長はB、CPU20側の電気−光変換部21が出力する光信号である多重化光信号206の波長はAである。周辺装置40側の光−電気変換部42が多重化光信号305の内から受信する多重化光信号110の波長はA、周辺装置50側の光−電気変換部52が多重化光信号305の内から受信する多重化光信号210の波長はAである。CPU側の制御光信号303と周辺装置側の制御光信号307の波長はともにCである。
【0047】
周辺装置からの応答では、周辺装置40側の電気−光変換部41が出力する多重化光信号111の波長はE、周辺装置50側の電気−光変換部51が出力する多重化光信号211の波長はDである。CPU10側の光−電気変換部12が多重化光信号306の内から受信する多重化光信号107の波長はDで、CPU20側の光−電気変換部22が多重化光信号306の内から受信する多重化光信号207の波長はEである。周辺装置側の制御光信号308とCPU側の制御光信号303の波長はともにFである。
【0048】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0049】
(付記1)複数のCPUが複数の周辺装置の内の任意の周辺装置を光通信により制御する周辺装置制御システムにおいて、前記CPUが前記周辺装置を制御し又は当該周辺装置が前記CPUへ該制御の結果を通知するためのアドレス/データ信号の光波長を少なくとも前記周辺装置と1対1対応に定めることと、前記光通信に使用する光波長を各周辺装置ブロック(前記周辺装置および付随する光電変換部等)に通知し又は各周
辺装置ブロックが使用している光波長を返信するために前記CPUと前記周辺装置との間で授受される制御信号の光波長を前記各アドレス/データ信号の何れの光波長とも違えることと、前記各アドレス/データ信号と前記制御信号を光合波して送信し受信側で各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等)又は前記各周辺装置ブロックに光分波することと、前記光分波されたアドレス/データ信号および前記制御信号を前記CPUブロック又は前記周辺装置ブロックに入力することと、前記各CPUは前記各アドレス/データ信号の光波長の指定を前記制御信号により動的に変更できる周辺装置制御システム。
【0050】
(付記2)複数のCPUが複数の周辺装置の内の任意の周辺装置を光通信により制御する周辺装置制御システムにおいて:前記各CPUが前記周辺装置を制御し又は当該周辺装置が前記CPUへ該制御の結果を返信するための各アドレス/データ信号の光波長を少なくとも前記周辺装置と1対1対応に定め;前記各CPUから制御信号により通知される光波長を前記光通信に使用するようにする前記CPU共通の制御部ブロック(制御部および付随する光電変換部等)と、前記各アドレス/データ信号および前記制御信号を光合波して送信する前記CPU共通の光合波部と、前記各アドレス/データ信号,前記制御信号を受信して光分波する前記周辺装置共通の光分波部と、前記分波された各アドレス/データ信号を前記光分波した制御信号により各周辺装置ブロック(前記周辺装置および付随する光電変換部等)に出力し又は各周辺装置ブロックから返信用の制御信号を入力する前記周辺装置共通の制御部ブロックと、前記返信用の各アドレス/データ信号および各制御信号を光合波して送信する前記周辺装置共通の光合波部と、前記返信用のアドレス/データ信号,制御信号を受信して各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等),前記制御部ブロックに光分波する前記CPU共通の光分波部を設け;前記制御信号の光波長は前記各アドレス/データ信号の何れの光波長とも違え、かつ前記各CPUは前記各アドレス/データ信号の光波長の指定を前記制御信号により動的に変更できる周辺装置制御システム。
【0051】
(付記3)前記各アドレス/データ信号の光波長を前記CPUと1対1対応および前記周辺装置と1対1対応に定める、付記1〜2に記載の周辺装置制御システム。
【0052】
(付記4)複数のCPUが複数の周辺装置の内の任意の周辺装置を光通信により制御する周辺装置制御方法であって:前記各CPUが前記周辺装置を制御し又は当該周辺装置が前記CPUへ該制御の結果を返信するための各アドレス/データ信号の光波長を少なくとも前記周辺装置と1対1対応に定める手順と、前記光通信に使用する光波長を通知するための制御信号の光波長を前記各アドレス/データ信号の何れの光波長とも違える手順と、 前記各CPUから前記アドレス/データ信号および前記制御信号を出力し光合波して送信する手順と、各周辺装置ブロック(前記周辺装置および付随する光電変換部等)対応に前記各アドレス/データ信号および前記制御信号を受信して光分波する手順と、前記分波された各アドレス/データ信号および制御信号を前記光分波された制御信号により前記各周辺装置ブロックへ出力する手順と、前記各周辺装置ブロックから返信用のアドレス/データ信号および制御信号を入力し光合波して送信する手順と、前記返信用の各アドレス/データ信号および制御信号を受信して各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等)に光分波する手順と、前記分波された各アドレス/データ信号,制御信号を前記光分波された制御信号により各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等),制御部ブロック(制御部および付随する光電変換部等)に入力する手順と、前記各CPUは前記各アドレス/データ信号の光波長の指定を前記制御信号により動的に変更できる手順を有する周辺装置制御方法。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、複数のCPUと複数の周辺装置を自由に組み合わせて制御するような場合に、CPUと周辺装置が同一のプリント板に実装されていない場合や電気的に絶縁を必要とする場合に有効となる。
【符号の説明】
【0054】
10、20 CPU 11,21,31 電気−光変換部(E/O) 12、22,32 光−電気変換部(O/E) 13,23、43,53 多重化部(MUX) 14,24,44,54 分離部(DMUX) 30,60 制御部(CNT) 40,50 周辺装置 41,51、61 電気−光変換部(E/O) 42,52、62 光−電気変換部(O/E) 70、80 光合波部 71、81 光分波部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のCPUが複数の周辺装置の内の任意の周辺装置を光通信により制御する周辺装置制御システムにおいて、 前記CPUが前記周辺装置を制御し又は当該周辺装置が前記CPUへ該制御の結果を通知するためのアドレス/データ信号の光波長を少なくとも前記周辺装置と1対1対応に定めることと、 前記光通信に使用する光波長を各周辺装置ブロック(前記周辺装置および付随する光電変換部等)に通知し又は各周辺装置ブロックが使用している光波長を返信するために前記CPUと前記周辺装置との間で授受される制御信号の光波長を前記各アドレス/データ信号の何れの光波長とも違えることと、 前記各アドレス/データ信号と前記制御信号を光合波して送信し受信側で各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等)又は前記各周辺装置ブロックに光分波することと、 前記光分波されたアドレス/データ信号および前記制御信号を前記CPUブロック又は前記周辺装置ブロックに入力することと、 前記各CPUは前記各アドレス/データ信号の光波長の指定を前記制御信号により動的に変更できることを特徴とする周辺装置制御システム。
【請求項2】
複数のCPUが複数の周辺装置の内の任意の周辺装置を光通信により制御する周辺装置制御システムにおいて: 前記各CPUが前記周辺装置を制御し又は当該周辺装置が前記CPUへ該制御の結果を返信するための各アドレス/データ信号の光波長を少なくとも前記周辺装置と1対1対応に定め; 前記各CPUから制御信号により通知される光波長を前記光通信に使用するようにする前記CPU共通の制御部ブロック(制御部および付随する光電変換部等)と、 前記各アドレス/データ信号および前記制御信号を光合波して送信する前記CPU共通の光合波部と、 前記各アドレス/データ信号,前記制御信号を受信して光分波する前記周辺装置共通の光分波部と、 前記分波された各アドレス/データ信号を前記光分波した制御信号により各周辺装置ブロック(前記周辺装置および付随する光電変換部等)に出力し又は各周辺装置ブロックから返信用の制御信号を入力する前記周辺装置共通の制御部ブロックと、 前記返信用の各アドレス/データ信号および各制御信号を光合波して送信する前記周辺装置共通の光合波部と、 前記返信用のアドレス/データ信号,制御信号を受信して各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等),前記制御部ブロックに光分波する前記CPU共通の光分波部を設け; 前記制御信号の光波長は前記各アドレス/データ信号の何れの光波長とも違え、かつ前記各CPUは前記各アドレス/データ信号の光波長の指定を前記制御信号により動的に変更できることを特徴とする周辺装置制御システム。
【請求項3】
前記各アドレス/データ信号の光波長を前記CPUと1対1対応および前記周辺装置と1対1対応に定めることを特徴とする請求項1〜2に記載の周辺装置制御システム。
【請求項4】
複数のCPUが複数の周辺装置の内の任意の周辺装置を光通信により制御する周辺装置制御方法であって: 前記各CPUが前記周辺装置を制御し又は当該周辺装置が前記CPUへ該制御の結果を返信するための各アドレス/データ信号の光波長を少なくとも前記周辺装置と1対1対応に定める手順と、 前記光通信に使用する光波長を通知するための制御信号の光波長を前記各アドレス/データ信号の何れの光波長とも違える手順と、 前記各CPUから前記アドレス/データ信号および前記制御信号を出力し光合波して送信する手順と、 各周辺装置ブロック(前記周辺装置および付随する光電変換部等)対応に前記各アドレス/データ信号および前記制御信号を受信して光分波する手順と、 前記分波された各アドレス/データ信号および制御信号を前記光分波された制御信号により前記各周辺装置ブロックへ出力する手順と、 前記各周辺装置ブロックから返信用のアドレス/データ信号および制御信号を入力し光合波して送信する手順と、 前記返信用の各アドレス/データ信号および制御信号を受信して各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等)に光分波する手順と、 前記分波された各アドレス/データ信号,制御信号を前記光分波された制御信号により各CPUブロック(前記CPUおよび付随する光電変換部等),制御部ブロック(制御部および付随する光電変換部等)に入力する手順と、 前記各CPUは前記各アドレス/データ信号の光波長の指定を前記制御信号により動的に変更できる手順を有することを特徴とする周辺装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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