説明

呼び出し子機

【課題】 各ベッドに備えられているナースコール用の呼び出し子機は、スピーカとマイクが内蔵されているため、重い、容量が大きい、場所を取り使用時以外のときは邪魔であるなど、 患者には必ずしも満足を得られていなかった。
【解決手段】 通常時、手元には呼び出しボタン2だけがあれば良く、通話に使用するスピーカ3とマイク5は患者から数十センチ離れていても充分利用できることから、呼び出し子機1の本体から呼び出しボタン2を着脱可能な構造とし、患者の手元近辺に置かれる呼び出しボタン2を小型で軽量にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や福祉・介護施設で使用されるナースコール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の様に、病院や福祉介護施設では主に看護師(福祉介護施設では介護士など)と患者が通話する為のナースコール装置が設置されている。 このナースコール装置では、患者が呼び出しに使用する呼び出し子機が各ベッドに備えられ、ナースステーションにはナースコール親機が設置されていて、その間で通話できるようになっている。(特許文献1を参照)
【特許文献1】特許第2887552
【特許文献2】特許公開2004−112017
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
各ベッドに備えられている呼び出し子機は、スピーカとマイクが内蔵されているため、重い、容量が大きい、場所を取り使用時以外のときは邪魔であるなど、 患者には必ずしも満足を得られていなかった。 しかし、いざという時に看護師を呼ぶ手段であるため、クリップやバンドで患者の手と呼び出し子機を結びつけて使用する等、常に手元近辺に置かれている。
【0004】
通常時、手元には呼び出しボタンだけがあれば良く、通話に使用するスピーカとマイクは患者から数十センチ離れていても充分利用できる。 呼び出し子機に外付けコネクタを取り付けて呼び出しボタンや離床センサーを外付けに拡張する提案(特許文献2を参照)が成されているが、患者の利便性を考慮した提案ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、呼び出し子機の本体から呼び出しボタンを着脱可能な構造とし、患者の手元近辺に置かれる呼び出しボタンを小型で軽量にする。
【発明の効果】
【0006】
従来の製品には、呼び出し子機にさらに呼び出しボタンを接続する構成を持つ製品があるが、呼び出しボタンを着脱可能にすることで、呼び出しボタンを1つにして安価にすることが出来る。
患者にとっては使い方に自由度が増し、手元に呼び出しボタンだけ置くことも、また呼び出しボタンを呼び出し子機に取り付けてベッドの柵に吊り下げて使用することも出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、呼び出し子機(1)の本体から呼び出しボタン(2)を取り外した外観図である。
図2は、ナースコール装置の全体を示す構成図であり、呼び出し子機(1)の使われている位置を示す。 図3は、従来の呼び出し子機(1)の外観図である。
【0008】
図1に於いて、呼び出しボタン(2)の形状に合わせて呼び出し子機(1)の本体に取り付け構造を形成し、本体の弾性材料を利用して、または別途弾性材料を取り付けて、または面ファスナーなどの接着部材を取り付けて 呼び出しボタン(2)を本体の取り付けスペース(8)へ容易に着脱を可能にしている。 図1では、呼び出しボタン(2)の形状を円筒形で示しているが、形状には拘らない。 呼び出しボタンの信号は、接続線(6)を通して接続用プラグ(7)で壁取り付け子機(22)に接続して伝達される。 接続経路は図2を参照されたい。
【0009】
図2において、患者が呼び出し子機(1)の呼び出しボタン(2)を押すと、その信号が壁取り付け子機(22)、廊下灯(21)へ伝達され、 さらに通信線(24)を経由してナースコール親機(20)へ通知される。 ナースコール親機(20)では、呼び出しがあった部屋番号、ベッド番号または患者名を表示すると共に鳴動音で看護師に報知する。 看護師がそれに応答すると、ナースコール親機(20)と呼び出し子機(1)の間に通話路が形成されて通話することが出来る。
【0010】
図4は、呼び出し子機(1)の本体に取り付け部材(9)を備え、その部分にゴムなどの弾性体やねじ溝を付けて呼び出しボタン(2)を着脱する形態を示す。 接続線(6)は着脱に邪魔にならない位置に取り付ける。
また、呼び出しボタン(2)の左右に小さな突起を付け、本体側に溝をつけて、溝に突起を差仕込んだ後回転させて取り付けることができる。
【0011】
図5は、 呼び出し子機(1)の本体と呼び出しボタン(2)の両方に着脱可能部材(10)を備え、それに拠る着脱ができる形態を示す。 着脱可能部材には、例えば磁石の吸引力を利用したり、面ファスナーを利用できる。
【0012】
図6は、呼び出し子機(1)の本体に取り付けホルダー(11)を備え、ホルダーに呼び出しボタン(2)をはめ込む形態を示す。 はめ込む方法の他に、ホルダーをポケット式にして呼び出しボタン(2)を中に収めることもできる。
【0013】
図7は、呼び出し子機(1)の本体にフック受け(12)を備え、呼び出しボタン(2)に取り付け用フック(13)を設けて、本体のフック受けに掛止めする形態をしめす。
呼び出しボタン(2)を本体から外して使用する時、取り付け用フックを患者の衣服の袖口やポケットなどに挟み込んで使用できる。
【0014】
図8は、呼び出しボタン(2)を腕巻きバンド(14)に取り付け、患者の手元で使用しない場合は、呼び出し子機(1)の本体に巻きつけておくことができる。 手元で使用する際は、患者の腕などに巻きつけて使用する。
【0015】
呼び出しボタン(2)を呼び出し子機(1)に取り付けるその他の方法として、 弾性材で挟みつける(洗濯バサミ式)方法や 呼び出し子機(1)に呼び出しボタン(2)を収納する部屋を備えスライド式の扉を取り付けて外に飛び出さない様にするなども考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】呼び出し子機の本体から呼び出しボタンを取り外した外観図
【図2】ナースコール装置の全体を示す構成図
【図3】従来の呼び出し子機の外観図
【図4】呼び出し子機の本体に取り付け部材を備えた外観図
【図5】呼び出し子機、呼び出しボタンに着脱可能部材を備えた外観図
【図6】呼び出し子機に取り付けホルダーを備えた外観図
【図7】呼び出し子機にフック受け、呼び出しボタンに取り付け用フックを備えた外観図
【図8】呼び出しボタンを腕巻きバンドに取り付けた外観図
【符号の説明】
【0017】
1.
呼び出し子機本体
2.
呼び出しボタン
3.
スピーカ内蔵
4.
呼び出し表示発光ダイオード
5.
マイクロフォン内蔵
6.
接続線
7.
接続用プラグ
8.
呼び出しボタン取り付けスペース
9.
取り付け部材(ネジや弾性体など)
10.
着脱可能部材(磁石、面ファスナーなど)
11.
取り付けホルダー
12.
フック受け
13.
取り付けフック
14.
腕巻きバンド
20.
ナースコール親機
21.
廊下灯
22.
壁取り付け子機
23.
握り押しボタン
24.
通信線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
病室内のベッド毎に設置された患者が看護師を呼び出して通話を行うための呼び出し子機と、病室内のベッド周辺の壁面に取り付けられ前記呼び出し子機と接続して廊下灯に信号を中継する壁取り付け子機と、病室の出入り口近傍に取り付けられ前記壁取り付け子機からの呼び出しを受けてナースコール親機との間で通信や通話回路を形成する前記廊下灯と、呼び出しの通知を受けると看護師に報知して前記呼び出し子機との間で通話が可能な前記ナースコール親機とで構成され、前記呼び出し子機には通話を行えるためのスピーカとマイクを備え、呼び出しボタンを前記呼び出し子機の本体から着脱可能にしたことを特徴とする呼び出し子機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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