説明

呼出ランプ制御装置

【課題】保守性および信頼性に優れたランプ制御装置を提供すること。
【解決手段】ランプ制御装置は、ランプと接続されており、第1入力ポート及び出力ポートを有する第1情報処理手段(10)と、第1情報処理手段(10)と通信可能に接続されており、第2入力ポートを有する第2情報処理手段(11)と、第1入力ポート、第2入力ポート及び出力ポートと接続された信号処理回路(16)と、を含む。第1情報処理手段(10)は、第2情報処理手段(11)に対して応答要求信号を送信した後に所定時間が経過しても第2情報処理手段(11)からの応答信号が得られないときに、出力ポートから第1信号を出力する。信号処理回路(16)は、第1信号が入力されたときに、第1入力ポート及び第2入力ポートに対して第2信号を出力する。第1情報処理手段(10)及び第2情報処理手段(11)は、各々、第2信号が入力されたときに再起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に用いて好適な呼出ランプ制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の従来例は、例えば特開平09−84947号公報(特許文献1)に開示されている。一般に、遊技機にはその遊技機の動作制御を行う外部ユニットとしての呼出ランプ制御装置が接続される。この呼出ランプ制御装置は、自装置に何らかの異常(誤動作等)が起きた場合にそれを外部に知らせるための呼出しランプを備える。そして、呼出ランプ制御装置または遊技機に異常が起きた場合には、呼出ランプ制御装置に備わったリセットスイッチを押すか、または電源を再投入することにより、呼出ランプ制御装置が復旧される。
【0003】
しかし、上記した従来例の呼出ランプ制御装置においては、異常発生時には手動で復旧する必要があり、復旧に人手と時間がかかり保守性が悪いという不都合があった。また、異常発生に気付くまでの時間が長引くと、呼出ランプ制御装置の異常動作により、呼出ランプ制御装置自身あるいは遊技機が破損する可能性も考えられ、信頼性の点で未だ改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−84947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る具体的態様は、保守性および信頼性に優れた呼出ランプ制御装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様の呼出ランプ制御装置は、(a)第1入力ポート及び出力ポートを有する第1情報処理手段と、(b)第1情報処理手段と接続されており、第2入力ポートを有する第2情報処理手段と、(c)第1入力ポート、第2入力ポート及び出力ポートと接続された信号処理回路と、を含み、(d)第1情報処理手段は、第2情報処理手段に対して応答要求信号を送信した後に所定時間が経過しても第2情報処理手段からの応答信号が得られないときに、出力ポートから第1信号を出力し、(e)信号処理回路は、第1信号が入力されたときに、第1入力ポート及び第2入力ポートに対して第2信号を出力し、(f)第1情報処理手段及び第2情報処理手段は、各々、第2信号が入力されたときに再起動する、呼出ランプ制御装置である。
【0007】
上記の呼出ランプ制御装置によれば、第1情報処理手段からの応答要求信号に対して所定時間が経過しても第2情報処理手段から応答信号が返信されない場合に、自律的にランプ制御装置を再起動し、早期に復旧することができる。これにより、システムの保守性、信頼性を向上させることができる。
【0008】
好ましくは、第1情報処理手段は、所定時間が経過しても第2情報処理手段から送信権信号が得られないときに、第2情報処理手段に対して応答要求信号を送信する。
【0009】
これにより、送信権信号が得られなくても直ちにランプ制御装置の再起動が実行されることがないため、頻繁な再起動の実行を回避できる。
【0010】
上述した呼出ランプ制御装置は、信号処理回路と接続されたリセットスイッチ、を更に含むことも好ましい。この場合に、信号処理回路は、第1信号が入力されたとき又はリセットスイッチが導通したときに、第1入力ポート及び第2入力ポートに対して第2信号を出力する。
【0011】
これにより、リセットスイッチを用いての手動によるリセット命令による再起動と、自律的な再起動と、を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態の呼出ランプ制御装置およびこれを備えた遊技機システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】CPUによって実行されるセルフリセット動作の手順を示すフローチャートである。
【図3】セルフリセットを行うのに好適な回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、一実施形態の呼出ランプ制御装置およびこれを備えた遊技機システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示す遊技機システムは、遊技機1と、この遊技機1の遊技状況を示すデータが集まる遊技機情報収集ノード1aと、この遊技機情報収集ノード1aと接続された呼出ランプ制御回路2と、さらにこのネットワークを介して呼出ランプ制御回路2と通信可能に接続された集中管理システム3と、を含んで構成されている。遊技機1とは、例えばパチンコ機またはパチスロ機である。集中管理システム3は、遊技機1における遊技状況を示すデータ等を集中管理する。
【0015】
呼出ランプ制御回路2は、CPU(第1情報処理手段)10、外部LSI(第2情報処理手段)11、電圧検出リセットIC12、リセットスイッチ13、ドライバ14および呼出しランプ15を含んで構成されている。CPU10は、呼出ランプ制御回路2の全体動作を制御する。外部LSI11は、CPU10と接続されており、呼出ランプ制御回路2と集中管理システム(外部装置)3との間の情報通信を制御する。電圧検出リセットIC12は、電源の投入時(リセット時含む)にシステムが正常に動き出せるように、CPU10にリセット信号を供給するためのものである。リセットスイッチ13は、手押し等の手動によってCPU10にリセット信号を与えるためのものである。ドライバ14は、CPU10からの制御信号に応じて呼出しランプ15を駆動する。
【0016】
本実施形態の遊技機システムにおける呼出ランプ制御回路2は、CPU10と外部LSI11との間においてトークンと呼ばれる送信権データ(送信権信号)を送受している。そして、CPU10は、このトークンを規定時間内に取得できない場合に、外部LSI11との間で再同期処理を行い、それでも同期が完了しないとき(外部LSI11からの応答ACKを受け取れないとき)には、CPU10が自らセルフリセット信号(第1信号)を供給し、CPU10および外部LSI11のリセットを行う。これをセルフリセットと呼び、以下に動作手順の詳細を説明する。
【0017】
図2は、CPU10によって実行されるセルフリセット動作の手順を示すフローチャートである。
【0018】
CPU10は、所定のメッセージを外部LSI11へ送信し(ステップS10)、外部LSI11からのトークンの送信待ち状態となる(ステップS11)。そして、トークンを取得できた場合には(ステップS12;YES)、CPU10はステップS10に戻り、以降の処理を続行する。
【0019】
また、トークンを取得できない場合には(ステップS12;NO)、CPU10は、規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS13)。例えば、CPU10は、ステップS10におけるメッセージ送信を実行してからの経過時間が所定値を超えた場合に、規定時間が経過したと判定する。規定時間が経過していない場合には(ステップS13;NO)、CPU10はステップS11に戻り、以降の処理を続行する。
【0020】
規定時間が経過した場合には(ステップS13;YES)、CPU10は、外部LSI11に対して再同期処理を実行する(ステップS14)。具体的には、CPU10は、外部LSI11に対して応答要求信号を送信する。その後、CPU10は、外部LSI11からの応答信号(ACK)の送信待ち状態となる(ステップS15)。そして、応答信号を取得できた場合には(ステップS15;YES)、CPU10はステップS10に戻り、以降の処理を続行する。
【0021】
一方、応答信号を取得できない場合には(ステップS16;NO)、CPU10は、規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS17)。例えば、CPU10は、ステップS14における再同期処理を実行してからの経過時間が所定値を超えた場合に、規定時間が経過したと判定する。規定時間が経過していない場合には(ステップS17;NO)、CPU10はステップS15に戻り、以降の処理を続行する。
【0022】
規定時間が経過した場合には(ステップS17;YES)、CPU10は、セルフリセット信号を出力することにより、システムリセットを実行する(ステップS18)。例えば、CPU10の出力ポートの1つが予めセルフリセット信号出力用に割り当てられおり、CPU10は、当該出力ポート(セルフリセット信号出力ポート)からセルフリセット信号を出力する。このセルフリセット信号に応じて、CPU10のリセット入力ポート(第1入力ポート)およびLSI11のリセット入出力ポート(第2入力ポート)のそれぞれにリセット信号(第2信号)が入力されることにより、システムリセットが実行される。すなわち、CPU10および外部LSI11が再起動する。
【0023】
図3は、セルフリセットを行うのに好適な回路(セルフリセット回路)の一例を示す回路図である。図3に示すセルフリセット回路16は、CPU10から出力されるセルフリセット信号に応じて、CPU10自身および外部LSI1にリセット信号を与えるためのものであり、CPU10および外部LSI11と、電圧検出リセットIC12およびリセットスイッチ13と、の間に接続されるものであり、アンド回路20、インバータ21、アンド回路22、インバータ23、トランジスタ24および抵抗素子25を含む。なお、このセルフリセット回路16が「信号処理回路」に相当する。
【0024】
アンド回路20は、一方の入力端子が電圧検出リセットIC12およびリセットスイッチ13と接続され、他方の入力端子が抵抗素子25の一方端と接続され、出力端子がCPU10のリセット入力ポートと接続されている。
【0025】
インバータ21は、入力端子がCPU10のセルフリセット信号出力ポートと接続され、出力端子がアンド回路22の一方の入力端子と接続されている。
【0026】
アンド回路22は、一方の入力端子がインバータ21の出力端子と接続され、他方の入力端子が電圧検出リセットIC12と接続され、出力端子がインバータ23の入力端子と接続されている。
【0027】
インバータ23は、入力端子がアンド回路22の出力端子と接続され、出力端子がトランジスタ24のベース端子と接続されている。
【0028】
トランジスタ24は、ベース端子がインバータ23の出力端子と接続され、コレクタ端子が抵抗素子25の一方端と接続され、エミッタ端子が接地端子(接地電位)と接続されている。
【0029】
抵抗素子25は、一方端がアンド回路20の入力端子およびトランジスタ24のコレクタ端子と接続され、他方端が電源と接続されている。
【0030】
次に、図3に示したセルフリセット回路16の動作について説明する。CPU10のセルフリセット信号出力ポートからセルフリセット信号としてのHレベル信号(相対的に高い電位の信号)が出力されると、このセルフリセット信号がインバータ21に入力される。インバータ21は、Hレベル信号を反転させ、出力端子からLレベル信号(相対的に低い電位の信号)を出力する。このLレベル信号はアンド回路22の一方の入力端子に入力される。
【0031】
アンド回路22は、いずれかの入力端子にLレベル信号が入力されると、出力端子からLレベル信号を出力する。ここでは、アンド回路22は、一方の入力端子にインバータ21からLレベル信号が入力されるので、出力端子からLレベル信号を出力する。
【0032】
アンド回路22から出力されたLレベル信号は、インバータ23に入力される。インバータ23は、このLレベル信号を反転させ、出力端子からHレベル信号を出力する。このHレベル信号はトランジスタ24のベース端子に入力される。これにより、トランジスタ24はオン状態となる(すなわち、コレクタ−エミッタ間が導通する)。
【0033】
トランジスタ24がオン状態となることで、Lレベル信号が外部LSI11のリセット入出力ポートに入力される。これにより、外部LSI11がリセットされる。また、当該Lレベル信号はアンド回路20の入力端子にも入力される。これにより、アンド回路20の出力端子からはLレベル信号が出力され、当該Lレベル信号がCPU10のリセット入力ポートに入力される。これにより、CPU10がリセットされる。つまり、システム全体がリセットされる(すなわち再起動する)。
【0034】
なお、上記のセルフリセット回路16においては、通常のリセット動作も支障なく実行することができる。すなわち、CPU10からセルフリセット信号が出力されていない場合であっても、リセットスイッチ13が押下された場合、又は電圧検出リセットIC12からLレベル信号が入力された場合には、アンド回路22の出力端子からLレベル信号が出力される。この場合にも、上記と同様の動作により、CPU10および外部LSI11にはリセット信号が入力される。
【0035】
以上の本実施形態によれば、遊技機システムに不具合が発生したときに、自律的にシステムを再起動し、早期に復旧することができる。これにより、システムの保守性、信頼性を向上させることができる。
【0036】
また、リセットの頻度を減らすことができるので、遊技機の遊技台情報表示が消える頻度を減らすことができる。したがって、遊技機の商品性の低下を回避することができる。
【0037】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上述した図3に示した回路構成は一例であり、同等の機能を実現し得る限りにおいて回路構成を種々に変更することも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…遊技機、1a…遊技機情報収集ノード、2…呼出ランプ制御回路、3…集中管理システム、10…CPU、11…外部LSI、12…電圧検出リセットIC、13…リセットスイッチ、20、22…アンド回路、21、23…インバータ、24…トランジスタ、25…抵抗素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の動作制御を行う呼出ランプ制御装置であって、
第1入力ポート及び出力ポートを有する第1情報処理手段と、
前記第1情報処理手段と接続されており、第2入力ポートを有する第2情報処理手段と、
前記第1入力ポート、前記第2入力ポート及び前記出力ポートと接続された信号処理回路と、
を含み、
前記第1情報処理手段は、前記第2情報処理手段に対して応答要求信号を送信した後に所定時間が経過しても前記第2情報処理手段からの応答信号が得られないときに、前記出力ポートから第1信号を出力し、
前記信号処理回路は、前記第1信号が入力されたときに、前記第1入力ポート及び前記第2入力ポートに対して第2信号を出力し、
前記第1情報処理手段及び前記第2情報処理手段は、各々、前記第2信号が入力されたときに再起動する、
呼出ランプ制御装置。
【請求項2】
前記第1情報処理手段は、所定時間が経過しても前記第2情報処理手段から送信権信号が得られないときに、前記第2情報処理手段に対して前記応答要求信号を送信する、
請求項1に記載の呼出ランプ制御装置。
【請求項3】
前記信号処理回路と接続されたリセットスイッチ、
を更に含み、
前記信号処理回路は、前記第1信号が入力されたとき又は前記リセットスイッチが導通したときに、前記第1入力ポート及び前記第2入力ポートに対して前記第2信号を出力する、
請求項1又は2に記載の呼出ランプ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−147699(P2011−147699A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12802(P2010−12802)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】