説明

呼吸による動きを補正する機能を備えた放射線治療システム及びその制御方法

患者の呼吸による動きを補正することができる放射線治療システム及びその制御方法が開示される。前記方法は、(a)患者の呼吸による放射線治療部位の動きを補正する移動ファントム(100)上に横たわる患者の治療部位に放射線を照射する段階、(b)該患者の治療部位から各超音波センサ(101)までの距離を、超音波を用いて測定する段階、(c)該測定された距離に基づいて前記患者の治療部位の動きを抽出する段階、(d)該抽出された治療部位の動きを補正するための動き補正情報を生成する段階、及び(e)該動き補正情報に基づいて前記移動ファントムを移動させて前記治療部位の動きを補正する段階を含む。前記放射線治療システムは、超音波センサを用いて患者の呼吸による動きを獲得し、獲得した値の逆値を用いて、移動ファントム(例えば、患者ベッド)の位置を調節することで、患者の自然な呼吸による動きを把握し、放射線の照射体積を減少させて患者の安全を保証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の呼吸による動きを補正する機能を備えた放射線治療システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療において、治療間(inter−fraction)と治療中(intra−fraction)に腫瘍の位置を正確に測ることは、放射線治療の精度を向上させる上で非常に重要な要素である。
【0003】
腫瘍位置の正確さに影響を与える要素としては、解剖学的対象と表面標識子との対応、治療間の内部臓器変化、治療中の内部臓器の動きなどがある。このうち、内部臓器の動きは、患者の呼吸によって引き起こされる。
【0004】
特に、肺や肝臓のような、患者の上腹部に位置した腫瘍に対して放射線治療を適用する場合には、患者の呼吸による腫瘍の変位(例えば、気道腫瘍の変位)が生じ、標的の体積が増加することで、正常組職に対する放射線の毒性及び線量が増加する。
【0005】
また、放射線治療中、患者の姿勢は、該患者の呼吸などによって変化することを避けられないので、腫瘍の正確な位置を把握しにくいという問題がある。したがって、病巣部位を正確に特定して、標的に適切な線量を集中的に投入できるシステムが要求されている。
【0006】
患者の呼吸による内部臓器の動きを補正できる呼吸補正型の放射線治療技術としては、定量された呼吸データに基づく放射線治療、X線画像に基づく放射線治療、人工追跡子で誘導する放射線治療、皮膚標識子で誘導する放射線治療などが存在する。
【0007】
しかし、このような技術は、高価な治療装置を別に備える必要があり、特定の放射線治療装置と共に用いるしかないので、これらの技術を一般に適用するのは制限される。
【0008】
更に、既存の呼吸補正型放射線治療システムは、放射線の照射においてオン/オフ切換え方式を採用しており、これはシステムの寿命を縮めるので、地域での使用に適していない。
【0009】
特に、定量された呼吸データを用いる放射線治療は、人工呼吸制御のようないくらかの危険要素を伴う。このことから、いかなる危険要素も含まず、効果的に患者の正常な呼吸を考慮して放射線治療を行うことができるシステムが要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑み、患者の呼吸による動きを補正することができる放射線治療システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するため、本発明は、患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムの制御方法であって、(a)患者の呼吸による放射線治療部位の動きを補正する移動ファントム(100)に横たわる該患者の治療部位に放射線を照射する段階、(b)該患者の治療部位と各超音波センサ(101)との距離を、超音波を用いて測定する段階、(c)該測定された距離に基づいて前記患者の治療部位の動きを抽出する段階、(d)該抽出された治療部位の動きを補正する動き補正情報を生成させる段階、及び(e)該動き補正情報に基づいて前記移動ファントムを移動させて前記治療部位の動きを補正する段階を含むことを特徴とする。
【0012】
前記(b)段階には、前記患者の治療部位に対応する皮膚(表皮)に前記超音波を既定の周期で複数回送信する段階、該皮膚から反射される超音波を受信する段階、及び該皮膚と各超音波センサとの距離を測定する段階を含むことが好ましい。
【0013】
本発明のもう1つの態様は、患者の呼吸による動きを補正する機能を備えた放射線治療システムであって、患者の所定の治療部位に対応する皮膚部位の位置が該患者の呼吸によって変わらないように該患者の位置を補正する動き補正部(103)と、超音波センサ(101)を用いて該皮膚部位と該超音波センサとの距離を測定するデータ収集部(1021)、及び該測定された距離に対応する該皮膚部位の動きを補正する動き補正情報を受信して該動き補正部を制御する駆動部(1022)を含む制御部(102)を備えた移動ファントム部(100)と、前記データ収集部(1021)から前記測定された距離についての情報を受信し、該受信した情報に基づいて該皮膚部位の動きを抽出する動き分析部(201)と、該動き分析部(201)から該抽出された動きについての情報を受信し、該動きと反対方向の動き補正情報を生成し、該生成された動き補正情報を前記駆動部(1022)に提供する補正情報提供部(200)と、該患者の治療部位に放射線を照射する放射線照射部(900)とを備えることを特徴とする。
【0014】
前記超音波センサ(101)は、X軸、Y軸及びZ軸方向に該患者の皮膚部位と各超音波センサとの距離を測定できるように複数の超音波センサからなり、前記動き補正部(103)は、該X軸、Y軸及びZ軸方向に該患者の位置を補正することが好ましい。
【0015】
前記移動ファントム(100)は、前記患者が横たわることができるベッド部(10312)及び前記制御部(102)の制御信号に従ってX軸又はY軸方向に移動可能な第1移動手段(10311)を含む第1移動部(1031)と、該第1移動部(1031)を下側で支持し、前記制御部(102)の制御信号に従って前記第1移動部(1031)の移動方向と直交するX軸又はY軸方向に移動可能な第2移動手段を含む第2移動部(1032)と、該第2移動部(1032)を下側で支持し、前記制御部(102)の制御信号に従って、垂直方向を示すZ軸方向に移動可能な第3移動手段(10331)を含む第3移動部(1033)と、該第3移動部(1033)を下側で支持し、互いに隣接する二面のX軸、Y軸及びZ軸方向で該患者の皮膚部位と前記超音波センサ各々との距離を測定する超音波センサ(101)を支持するセンサ支持部(1011)を含む底部(104)とを備えることが好ましい。
【0016】
前記第1移動手段(10311)、第2移動手段(10321)又は第3移動手段(10331)は、ラック/ピニオン、傘歯車、ウォームギア、ピストンのうち何れか一つであることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の放射線治療システム及び方法によれば、超音波センサによって獲得した呼吸による患者の動きの逆値を用いて移動ファントム(例えば、患者ベッド)の位置を調節することによって、患者の自然な呼吸による動きを把握し、放射線の照射体積を減少させて患者の安全を保証できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明により患者の呼吸による動きを補正することができる放射線治療システムを説明するための外観図である。
【0020】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態による放射線治療システムは、移動ファントム部100及び補正情報提供部200を含む。
【0021】
前記移動ファントム部100は、患者の治療部位に対応する皮膚部位の動きを測定して、該患者の動きが相殺されるように該患者の位置を変化させる。
【0022】
前記補正情報提供部200は、前記測定された皮膚部位の動き情報を受信し、該皮膚部位の動き情報に基づいて該患者の位置を変化させうる動き補正情報を生成し、生成した動き補正情報を前記移動ファントム部100に提供する。
【0023】
また、本発明による放射線治療システムには、患者の患部(治療標的部位)に放射線を照射する放射線照射部900(図1には示さず)を含む。前記放射線照射部900は、従来の放射線治療器の放射線照射装置と同等であるから、以下では詳細な説明を省略する。
【0024】
図2は、本発明の好ましい実施形態による放射線治療システムのブロック構成図である。
【0025】
図2を参照して、前記移動ファントム部100は、超音波センサ101、制御部102、動き補正部103を含む。前記制御部102は、データ収集部1021及び駆動部1022を含む。前記動き補正部103は、第1移動部1031及び第2移動部1032を含む。必要であれば、前記動き補正部103は、第3移動部1033を含んでもよい。
【0026】
本発明によれば、補正情報提供部200は、動き分析部201及び動き補正情報生成部202を含む。必要であれば、前記動き補正情報提供部200は、動きパターン入力部203をさらに含んでもよい。
【0027】
前記超音波センサ101は、放射線治療を受ける患者の患部に対応する皮膚部位と超音波センサ自体との距離を、超音波を用いて測定する。必要であれば、X軸、Y軸及びZ軸に対応する方向に複数個の超音波センサ101を配置してもよい。
【0028】
前記データ収集部1021は、上述した超音波センサ101を制御して、上述した皮膚部位と超音波センサ101との距離を測定する。必要であれば、前記データ収集部1021は、既定の周期(例えば、10ms)で複数回、前記超音波センサと上述した皮膚部位の距離を測定し、結果値に基づいて前記超音波センサ101と前記皮膚部位との最終的な距離を決定する。
【0029】
前記駆動部1022は、動き補正情報生成部202又は動きパターン入力部203から動き補正情報を受信し、動き補正部103を制御して、X軸、Y軸又はZ軸方向に前記患者の位置を変化させる。
【0030】
前記動き補正部103は、前記駆動部1022の制御信号に従って患者の位置を変化させる。
【0031】
前記第1移動部1031及び第2移動部1032は、X軸又はY軸方向に前記患者の位置を変化させる。前記第3移動部1033は、Z軸方向に患者の位置を変化させる。
【0032】
前記動き分析部201は、前記データ収集部1021から測定された距離情報を受信し、該受信した距離情報に基づいて、前記皮膚部位のX軸、Y軸及びZ軸方向への各動きを抽出する。
【0033】
前記動き補正情報生成部202は、前記動き分析部201により抽出されたX軸、Y軸及びZ軸方向への皮膚部位の動き情報を受信し、該X軸、Y軸及びZ軸方向と反対方向に前記患者を移動させることができる動き補正情報を生成させる。
【0034】
患者の位置を一定のパターンで患者の位置を調整又は変化させる必要がある場合、前記動きパターン入力部203は、外部から患者の位置を移動させる動き補正情報を受信し、該動き補正情報を前記駆動部1022に提供する。
【0035】
前記放射線照射部900は、患者の治療部位に放射線を照射する。
【0036】
図3は、本実施形態により患者の呼吸による動きを補正することができる放射線治療システムの制御方法を説明するフローチャートである。
【0037】
図3を参照して、前記超音波センサを用いて、患者の患部(例えば、皮膚)と該超音波センサとの距離を測定する(ステップ302)。前記放射線治療システムは、従前に測定された距離情報と現在測定された距離情報とを用いてX軸、Y軸又はZ軸方向への患者の患部の動きを分析する(ステップ303)。
【0038】
その後、前記放射線治療システムは、前記患部の動きと反対方向に前記患者の位置を変化させることができる動き補正情報を生成(ステップ304)させた後、該患者の患部の動きを補正するような該生成された動き補正情報に基づいて患者が横たわっている移動ファントムを移動させる(ステップ305)。
【0039】
この場合、前記放射線治療システムは、前記ステップ302〜305を実行する間に、患者の患部に放射線を照射するステップ301を実行する。
【0040】
図4のA及びBは、それぞれ本発明により患者の呼吸による動きを補正することができる放射線治療システムの移動ファントムの斜視図及び側面図である。図4A〜図4Bを参照して、本発明における移動ファントムの構造を説明する。
【0041】
図4A〜Bに示すように、前記第1移動部1031は、その上部に患者が横たわるベッド部10312を備え、その下部には制御部102の制御信号に従ってX軸又はY軸方向に移動できる第1移動手段10311を備えている。
【0042】
図4A〜Bは、第1移動手段10311として、ラックとピニオンを用いた例を示す。この場合、ラックは、第2移動手段の上部面に形成されているピニオンに沿って、第1移動部1031をX軸又はY軸の方向に移動させうる車輪の形態で構成される。前記ラックの軸には、制御部102から受信した電力及び制御信号に従って駆動されるサーボモータが接続される。前記サーボモータは、第1移動部1031内に備えられる。
【0043】
前記第2移動部1032は、第1移動部1031を下側で支持する。前記第2移動部1032は、第2移動手段10321を備える。前記第2移動手段10321は、前記制御部102の制御信号に従って、前記第1移動部1031の移動方向と直交する水平方向に移動させることができる。例えば、前記第1移動部1031がX軸方向に移動する場合、前記第2移動部1032はY軸方向に移動する。
【0044】
図4A〜4Bは、第2移動手段10321をラックとピニオンで構成した例を示す。この場合、前記ラックは、前記第3移動手段又は前記底部104のどちらかの上部面に形成されたピニオンに沿って、前記第2移動部1032をX軸又はY軸に移動させうる車輪の形態で構成される。前記ラックの軸には制御部102から受信した電力及び制御信号に従って、駆動されるサーボモータが接続される。前記サーボモータは、前記第2移動部1031内に備えられる。
【0045】
第3移動部1033は、前記第2移動部1032を下側で支持する。前記第3移動部1033は、第3移動手段10331を備える。前記第3移動手段10331は、前記制御部102の制御信号に従って垂直方向(Z軸方向)に移動する。図4A〜4Bは、前記第3移動部1033としてピストンを用いた例を示す。
【0046】
前記第1移動手段10311、第2移動手段10321又は第3移動手段10331は、傘歯車、ラック/ピニオン、ウォームギア又はピストンなどを用いて実施してもよい。
【0047】
前記底面部104は、前記第2移動部1032又は第3移動部1033を下側で支持する。二方向(例えば、X軸及びY軸方向)の側面には前記超音波センサ101を支持するセンサ支持部1011が備えられる。
【0048】
図5は、患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムにより得られた動き情報と、本発明による動き補正情報とを比較・説明するためのグラフである。図6は、患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムによって得られた動き情報と、本発明による動き補正情報とを比較・説明するための三次元グラフである。図7は、患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムにより得られた動き情報と、本発明による動き補正情報との経時的な変化を説明するグラフである。図8は、患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムによって得られた動き情報と、本発明による動き補正情報との経時的な変化を説明する表である。
【0049】
図5〜8における実験結果は、モルモット(Guinea−pig、約500g)の呼吸による体表面の動きを取得し又は補正したものである。より詳しくは、前記モルモットの周期的な呼吸による体表面の動きデータを得るために、局部麻酔下で、該動きデータを80秒の間獲得した。
【0050】
上述した実験の結果、前記獲得データと、それに対応する補正データ間の遅延時間は、超音波センサが超音波を放出−受信する時間と動き補正情報を生成させる時間との和に等しく、約2.34x10−4秒である。
【0051】
図5を参照すれば、前記動き測定データと前記動き補正データとの間の正確さを、時間に対してX軸、Y軸及びZ軸方向の各動きと比較すると、各方向別の獲得データと補正データとが一対一に対応することが分かる。
【0052】
図6は、前記獲得−補正されたデータを3次元空間上に表示するグラフである。その為、各方向別の動きを視覚的に評価することができる。
【0053】
図7は、モルモットの前記呼吸により引き起こされる体表面の動きの獲得データの変化と、前記動きの側面からの獲得データの逆値によって得られた補正データの変化を説明するための動きの経時変化を示すグラフである。図8は、上述した獲得データ及び補正データの変化を系時的に説明するための表である。
【0054】
図7及び8に示すように、上述の獲得データは、左右、上下方向の動きはほとんどなく、前後方向の動きは最大5mmであり、呼吸周期は1.1秒である。
【0055】
獲得データ及び補正データ間の正確さを時間に対する距離値で比較すると、該獲得データ及び該補正データは、各方向別に±1%以内の正確性を有しながら一対一に対応することが分かる。
【0056】
本発明による方法は、コンピュータで実行させうるコンピュータプログラムとして実施することができる。前記コンピュータプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体(例えば、コンパクトディスク、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、及び各種メモリ装置など)に記録することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の放射線治療システム及びその制御方法は、超音波センサを用いて、患者の呼吸による動きを取得し、その動きの逆値を用いて、移動ファントム(患者ベッド)の位置を調節するものである。そのため、患者の自然な呼吸によって生じる動きを認識し、標的の体積を減少させて患者の安全を保証することができる。
【0058】
本発明の好ましい実施形態は、説明を目的として開示されているが、当業者であれば、特許請求の範囲に記載した発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な改良、追加及び置換が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明により患者の呼吸による動きを補正することができる放射線治療システムの外観図。
【図2】本発明の好ましい実施形態による放射線治療システムのブロック図。
【図3】本発明の好ましい実施形態による放射線治療システムの制御方法を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明により患者の呼吸による動きを補正することができる放射線治療システムの移動ファントムの斜視図(A)及び側面図(B)。
【図5】患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムで得られた動き情報と本発明による動き補正情報との比較を説明するためのグラフ。
【図6】患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムにより得られた動き情報と本発明による動き補正情報との比較を説明するための3次元グラフ。
【図7】患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムにより得られた動き情報と、本発明による動き補正情報との、経時的な変化を説明するためのグラフ。
【図8】患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムにより得られた動き情報と、本発明による動き補正情報との、経時的な変化を説明するための表。
【符号の説明】
【0060】
100・・・移動ファントム部、101・・・超音波センサ、102・・・制御部、103・・・動き補正部、104・・・底面部、200・・・補正情報提供部、201・・・動き分析部、202・・・動き補正情報生成部、203・・・動きパターン入力部、900・・・放射線照射部、1011・・・センサ支持部、1021・・・データ収集部、1022・・・駆動部、1031・・・第1移動部、1032・・・第2移動部、1033・・・第3移動部、10311・・・第1移動手段、10312・・・ベッド部、10321・・・第2移動手段、10331・・・第3移動手段。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の呼吸による動きを補正する機能を備える放射線治療システムの制御方法であって、
(a)患者の呼吸による放射線治療部位の動きを補正する移動ファントム(100)上に横たわる患者の治療部位に放射線を照射する段階、
(b)該患者の治療部位から各超音波センサ(101)までの距離を、超音波を用いて測定する段階、
(c)該測定された距離に基づいて前記患者の治療部位の動きを抽出する段階、
(d)該抽出された治療部位の動きを補正するための動き補正情報を生成する段階、及び
(e)該動き補正情報に基づいて前記移動ファントムを移動させて前記治療部位の動きを補正する段階を含むことを特徴とする、放射線治療システムの制御方法。
【請求項2】
前記(b)段階は、
前記患者の治療部位に対応する皮膚(表皮)に前記超音波を既定の周期で複数回送信する段階、
該皮膚から反射される超音波を受信する段階、及び
該皮膚と前記超音波センサの各々との距離を測定する段階
を含むことを特徴とする、請求項1記載の放射線治療システムの制御方法。
【請求項3】
請求項1又は2の方法を実行可能なコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項4】
患者の呼吸による動きを補正する機能を備えた放射線治療システムであって、
患者の所定の治療部位に対応する皮膚部位の位置が該患者の呼吸によって変わらないように該患者の位置を補正する動き補正部(103)と、
超音波センサ(101)を用いて該皮膚部位と該超音波センサとの距離を測定するデータ収集部(1021)、及び該測定された距離に対応する該皮膚部位の動きを補正するための動き補正情報を受信して前記動き補正部を制御する駆動部(1022)を含む制御部(102)を備えた移動ファントム部(100)と、
該データ収集部(1021)から前記測定された距離に関する情報を受信し、該受信した情報に基づいて該皮膚部位の動きを抽出する動き分析部(201)と、
該動き分析部(201)から前記抽出された動きの情報を受信し、該動きと反対方向の動き補正情報を生成し、該生成された動き補正情報を前記駆動部(1022)に提供する補正情報提供部(200)と、
前記患者の治療部位に放射線を照射する放射線照射部(900)と
を備えることを特徴とする放射線治療システム。
【請求項5】
前記超音波センサ(101)は、前記患者の皮膚部位と該超音波センサ各々との距離をX軸、Y軸及びZ軸の方向で測定できるように複数の超音波センサからなり、
前記動き補正部(103)は、前記患者の位置を前記X軸、Y軸又はZ軸の方向で補正することを特徴とする、請求項4記載の放射線治療システム。
【請求項6】
前記移動ファントム(100)は、
前記患者が横たわることができるベッド部(10312)及び前記制御部(102)の制御信号に従ってX軸又はY軸の方向に移動可能な第1移動手段(10311)を含む第1移動部(1031)と、
該第1移動部(1031)を下側で支持し、該制御部(102)の制御信号に従って該第1移動部(1031)の移動方向と直交するX軸又はY軸の方向に移動可能な第2移動手段を含む第2移動部(1032)と、
該第2移動部(1032)を下側で支持し、前記患者の皮膚部位と前記超音波センサの各々との距離を、互いに隣接する二面のX軸、Y軸及びZ軸の方向で測定する超音波センサ(101)を支持するセンサ支持部(1011)を含む底部(104)と
を備えることを特徴とする、請求項4記載の放射線治療システム。
【請求項7】
前記第2移動部(1032)を下側で支持し、垂直方向を示すZ軸方向に前記制御部(102)の制御信号に従って移動可能な第3移動手段(10331)を含む第3移動部(1033)と、該第3移動部を下側で支持する前記底部(104)とを含むことを特徴とする、請求項6記載の放射線治療システム。
【請求項8】
前記第1移動手段(10311)、第2移動手段(10321)又は第3移動手段(10331)は、ラック/ピニオン、傘歯車、ウォームギア、ピストンのうち何れか一つに対応することを特徴とする、請求項7記載の放射線治療システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−522711(P2008−522711A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545370(P2007−545370)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004153
【国際公開番号】WO2006/062335
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505176556)コリア ユニバーシティ インダストリアル アンド アカデミック コラボレイション ファウンデーション (29)
【Fターム(参考)】