説明

呼吸をモニタするシステム及び方法

被験者の気道の又は被験者の気道の近くのガスの組成に関する情報を決定するために、ガスの副流のサンプリングが実行される。斯様な情報から被験者12の一つ以上の呼吸のパラメータ(例えば呼吸数、呼気終末期のCO2、等々)が決定され、呼吸イベント(例えば呼吸障害、無呼吸、等々)が識別され、器材の故障及び/若しくは器材の誤用が識別され、並びに/又は複数の機能が実行される。これらの決定の一つ以上の精度を改善するために、被験者の気道の又は被験者の気道の近くの圧力に関する情報が組込まれる。この情報は副流サンプリング・セルの又は同セルの近くで検出された圧力を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、副流サンプリング・チャンバ内で呼気ガスの組成の検出が実施される、被験者の呼吸のモニタリングに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
副流をもつ構造を用いて呼吸回路中のガスの組成をサンプリングする複数のシステムが知られている。これらのシステムにおけるガスの組成の検出が、一つ以上の呼吸のパラメータを決定するために通常使われる。しかしながら、副流サンプリング・チャンバ内の圧力又は流れに関する情報は、呼吸パラメータの決定を強化する及び/又は可能にする際に役に立たないことが概して信じられている。何故ならば、同チャンバを通して呼吸回路からのガスをサンプリングするために、副流チャンバが通常はポンプ圧送されているからである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様が、被験者の呼吸をモニタするよう構成されたシステムに関する。一実施例では当該システムは、試料セル、組成検出器、圧力検出器、及び一つ以上のプロセッサを有する。試料セルは導管と流体連通しており、当該導管は被験者の気道と係合するインタフェース機器によって被験者の気道と流体連通し、試料セルは導管から試料セルへと受け入れられたガスを排出するよう構成される。組成検出器は、導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するよう構成される。圧力検出器は、導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するよう構成される。一つ以上のプロセッサは、複数のコンピュータプログラムのモジュールを実行するよう構成される。一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールは、インタフェース分類モジュールと、呼吸パラメータ・モジュールとを有する。インタフェース分類モジュールは、圧力検出器により生成された出力信号に基づいてインタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプを決定するよう構成される。呼吸パラメータ・モジュールは、組成検出器により生成された出力信号に基づいて、及びインタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプに関するインタフェース分類モジュールによる決定に基づいて、一つ以上の呼吸パラメータを決定するよう構成される。
【0004】
本発明の別の態様が、被験者の呼吸をモニタする方法に関する。一実施例において当該方法は、
被験者の気道と係合するインタフェース機器によって被験者の気道と流体連通する場所に置かれた導管からのガスを試料セルへと受け入れるステップと、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいてインタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプを決定するために、一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及びインタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプの決定に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するために、一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、を含む。
【0005】
本発明の更に別の態様が、被験者の呼吸をモニタするよう構成されたシステムに関する。一実施例において当該システムは、
被験者の気道と係合するインタフェース機器によって被験者の気道と流体連通する場所に置かれた導管からのガスを試料セルへと受け入れるための手段と、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、インタフェース機器がもつ当該インタフェース機器のタイプを決定するための手段と、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及びインタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプの決定に基づいて、一つ以上の呼吸パラメータを決定するための手段と、を有する。
【0006】
本発明の更に別の態様が、被験者の呼吸をモニタするよう構成されたシステムに関する。一実施例において、当該システムは試料セルと、組成検出器と、圧力検出器と、一つ以上のプロセッサと、を有する。試料セルは被験者の気道と連通する導管と流体連通しており、導管から試料セルへと受け入れられたガスを排出するよう構成される。組成検出器は、導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するよう構成される。圧力検出器は、導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するよう構成される。一つ以上のプロセッサは、複数のコンピュータプログラムのモジュールを実行するよう構成される。一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールは、呼吸識別モジュールと、呼吸パラメータ・モジュールと、を有する。呼吸識別モジュールは、圧力検出器により生成された出力信号に基づいて呼吸を識別するよう構成される。呼吸パラメータ・モジュールは、組成検出器により生成された出力信号に基づいて、及び呼吸識別モジュールにより識別された呼吸に基づいて、一つ以上の呼吸のパラメータを決定するよう構成される。
【0007】
もう一つの更に別の本発明の態様が、被験者の呼吸をモニタする方法に関する。一実施例において当該方法は、
被験者の気道と連通する導管からのガスを試料セルへと受け入れるステップと、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて呼吸を識別するために、一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び識別された呼吸に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するために、一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、を含む。
【0008】
本発明の別の態様が、被験者の呼吸をモニタするよう構成されたシステムに関する。一実施例において当該システムは、
被験者の気道と連通する導管からのガスを試料セルへと受け入れるための手段と、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて呼吸を識別するための手段と、
導管から試料セルへと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び識別された呼吸に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するための手段と、を有する。
【0009】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴、及び特性が、操作方法、構造に関連するエレメントの機能、部品の組合せ、及び製造コストと共に、全てが本願明細書の仕様の一部を形成する添付の図面を参照して以下の説明及び添付の請求項を考察すると一層明らかになることであろう。ここで、様々な図において同じ参照番号は対応する部品を指し示す。本発明の一実施例では、本願明細書で例示された構造的なコンポーネントは縮尺通りに描かれている。しかしながら、複数の図面が例示目的及び説明目的のためにだけあり、本発明を限定してはいないことは、はっきりと理解されたい。加えて、本願明細書における実施例のどれか一つにおいて示されたか又は説明された構造の特徴が、他の実施例においても同様に使うことができる点が理解されるべきである。しかしながら、複数の図面が例示目的及び説明目的のためにだけあり、本発明の限度を規定するものとして意図されてはいないことを、はっきりとよく理解されたい。明細書及び請求項において用いられているように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、前後関係がそうではないとはっきり記述していない限りは複数も指し示すことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】被験者の呼吸をモニタするように構成された、本発明の一つ以上の実施例によるシステムを例示する。
【0011】
【図2】本発明の一つ以上の実施例による圧力のプロットと、副流サンプリング・チャンバ内の流れとを例示する。
【0012】
【図3】本発明の一つ以上の実施例による圧力のプロットと、副流サンプリング・チャンバ内の流れとを例示する。
【0013】
【図4】本発明の一つ以上の実施例による機械による換気及び自然換気の際の試料セルの圧力のプロットを例示する。
【0014】
【図5】本発明の一つ以上の実施例による機械による換気及び自然換気の際のCO2のプロットを例示する。
【0015】
【図6】本発明の一つ以上の実施例による圧力のプロットと、副流サンプリング・チャンバ内の流れとを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、被験者12の呼吸をモニタするよう構成されたシステム10を例示する。一実施例においては、被験者12の気道の又は同気道の近くのガスの組成に関する情報を決定するために副流のカプノメトリを実行するようシステム10が構成される。斯様な情報に基づいてシステム10は、被験者12の一つ以上の呼吸のパラメータ(例えば呼吸数、呼気終末期のCO2、等々)を決定し、呼吸イベント(例えば呼吸障害、無呼吸、等々)を識別し、器材の故障及び/若しくは誤用を識別し、及び/又は他の機能を実行する。これらの決定の一つ以上の精度を改善するためにシステム10は、被験者12の気道の又は同気道の近くの圧力に関する情報を更に組込むことができる。一実施例においてシステム10は、試料セル14、組成検出器16、圧力検出器18、電子記憶装置20、ユーザ・インタフェース22、一つ以上のプロセッサ24、及び/又は他のコンポーネントを含む。
【0017】
複数の異なる治療シナリオにおいて、被験者12の気道と流体連通する導管26を配置するために被験者12の気道が係合される。インタフェース機器28によって被験者12の気道が係合され、導管26と流体連通する。インタフェース機器28は、封止された態様か又は封止されてはいない態様で、被験者12の気道の一つ以上の開口部と係合する。インタフェース機器28の幾つかの例は、例えば気管内チューブ、鼻・カニューレ、気管切開チューブ、鼻マスク、鼻/口のマスク、全面マスク、全体マスク、部分的再呼吸マスクを含み、又はガスの流れを被験者の気道と連通する他のインタフェース機器を含む。本発明がこれらの例に限定されることはなく、あらゆる被験者とのインタフェースの実装を想定している。
【0018】
一実施例においては、加圧された呼吸可能なガスの流れを被験者12の気道に供給するよう導管26が構成される。例えば導管26は、呼吸可能なガスの流れを被験者12の気道に別途供給するために被験者12の気道に正圧による支援を提供するよう構成された圧力発生器と連通している。しかしながら、上記は限定することを意図してはいない。例えば一実施例では、導管26は周囲の大気と流体連通している。
【0019】
本願明細書で用いているような導管26は、加圧されたガス流をインタフェース機器28へと、及び/又は同機器から搬送するチューブ又は他の中空体に必ずしも限定されるというわけではない。導管26は、何らかの中空体、容器、及び/又はインタフェース機器28によって被験者12の気道と流体連通する位置に置かれたチャンバを含む。例えば本願明細書で引用されている導管26が、実際のインタフェース機器28の場所にあるチャンバとして形成されてもよい。このチャンバがガス供給源及び/又は周囲の大気と流体連通してもよい。
【0020】
試料セル14は大気から隔離された状態でガスを保持するよう構成され、引入口34と放出口36とを含む。試料セル14は、引入口34を通して導管26からガスを受け入れるために導管26と流体連通している。ガスは試料セル14から放出口36を通して排出される。ガスは例えば大気中へ排出されてもよいし、導管26へと戻るよう排出されてもよいし、及び/又は別途排出されてもよい。一実施例において、試料セル14を通して導管26からガスを引き出すために、放出口36と流体連通している位置にポンプ38が置かれる。
【0021】
インタフェース機器28が被験者12に装着されると共に、試料セル14と導管26との間の流体連通によって、試料セル14は一つ以上のガスのパラメータをもつガスを保持する。同パラメータは導管26内及び/又は被験者12の気道にあるガスのパラメータと同じであるか、又は被験者12の気道にあるガスのパラメータによって影響を受ける。例えば試料セル14内のガスの組成は、導管26内のガスと類似しているか又は同じである。理想的には、試料セル14を通してガスを吸引するポンプ38の動作によって試料セル14内のガスの圧力及び/又はガスの流れは一定のままであろう。しかしながら実際には、試料セル14内のガスの圧力及びガスの流れは、導管26内の圧力の変化及び/又は流れの変化と共に幾分揺らぐ。これらの圧力の揺らぎ及び/又は流れの揺らぎは、被験者12の呼吸とポンプとによって生じる。被験者12の呼吸によって生じる試料セル14内の圧力の変化及び/又は流れの変化は、通常は導管26中の対応する圧力の変化及び/又は流れの変化に比べて非常に小さい。にもかかわらず、試料セル14内の圧力又は流れ(又は、これらに関するパラメータ)が、導管26内の圧力及び/又は流れについての推測をするために、及び導管26内の圧力の変化及び/又は流れの変化を引き起こす現象を推測するために使われることができる。
【0022】
理解されるように、(引入口34と導管26との間の接続部を除いて)導管26から完全に隔てられている試料セル14の具体例が本発明を限定することを意図してはいない。一実施例では試料セル14は導管26の壁の中に形成される。一実施例では試料セル14は導管26自身に形成される。一実施例では試料セル14は導管26から隔てられ、引入口34と導管26との間の接続部が両者を接続する菅腔によって形成される。
【0023】
導管26から試料セル14へと受け入れられたガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するよう、組成検出器16が構成される。ガスの組成に関する情報が、導管26から受け入れたガス中にある一つ以上の成分の分子種の濃度を含んでいてもよい。例えば、組成検出器16により生成された出力信号が、試料セル14内のガスの二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)、及び/又は他の分子種の濃度を伝達してもよい。試料セル14内のガスの組成に関する情報を検出するために、組成検出器16は試料セル14の内部にある(例えば、試料セル14の中に位置する)ガスと直接接触する一つ以上の部品を含む。限定的ではない例の態様で、試料セル14内のガスと直接接触し、且つ試料セル14内に配置された光ルミネッセント材を組成検出器16が含んでもよい。
【0024】
圧力検出器18は、導管26内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するよう構成される。一実施例において圧力検出器18は、試料セル14内に配置された、導管26と試料セル14との間に配置された、及び/又は試料セル14の放出口36の下流側に配置された一つ以上の圧力センサを含む。当該実施例においては、圧力検出器18により生成された出力信号は試料セル14内の圧力を知らせる。上に記したように、この圧力の揺らぎが導管26内の圧力変化を推測するために使われることができ、及び/又は導管26内の圧力変化を生じさせる傾向がある、被験者12の気道の若しくは同気道の近くの圧力変化及び/又は流れの変化などの現象を識別するために使われることができる。
【0025】
一実施例において、導管26内からのガスを受け入れる独立したスプール(図示せず)がシステム10に含まれてもよい。導管26内から引込口34へとガスを導くこの独立したスプールと菅腔とが、二重の菅腔として形成されてもよい。独立したスプールは圧力検出器18に対して閉じていなければならない(例えば「行き止まり」でなければならない)。
【0026】
一実施例において圧力検出器18は、導管26の内部のガスと直接接触している場所にある一つ以上の圧力センサを含む(例えば、一つ以上の圧力センサが導管26内に配置される)。導管26の内部と直接接触している一つ以上の圧力センサの設置場所は、選択的に移動可能である。
【0027】
一実施例では、電子記憶装置20は電子的に情報を記憶する電子記憶媒体を有する。電子記憶装置20の電子記憶媒体は、システム10と一体化して備えられた(即ち、実質的に取り外し不可能な)システム記憶装置、及び/又は例えば(USBポート、ファイヤワイヤ・ポート、等々の)ポート又はポータブルドライブ(例えばディスクドライブ、等々)を介してシステム10に着脱自在に接続可能なリムーバブル記憶装置の一方若しくは両方を含む。電子記憶装置20が、光学的に読み取り可能な記憶媒体(例えば光ディスク、等々)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(例えば磁気テープ、磁気ハードディスク、フロッピー(登録商標)・ドライブ、等々)、電荷ベースの記憶媒体(例えばEEPROM、RAM、等々)、ソリッドステートの記憶媒体(例えばフラッシュドライブ、等々)、及び/又は他の電子的に読み取り可能な記憶媒体のうちの一つ以上を含んでもよい。電子記憶装置20が、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサ24で測定された情報、ユーザ・インタフェース22を介して受信した情報、組成検出器16及び/若しくは圧力検出器18により生成された出力信号、及び/又はシステム10を適切に機能させることを可能にする他の情報を記憶してもよい。電子記憶装置20はシステム10内にある別個のコンポーネントでもよいし、又は電子記憶装置20がシステム10の一つ以上の他のコンポーネント(例えばプロセッサ24)と一体化されて提供されてもよい。
【0028】
ユーザ・インタフェース22は、システム10とユーザ(例えば被験者12、介護者、研究者、等々)との間のインタフェースを提供するよう構成される。同インタフェースを通じてユーザがシステム10へと情報を提供することができ、且つシステム10から情報を受け取ることができる。これは(ひとまとめにして「情報」と呼ばれる)データ、結果、及び/又は命令、及び他のあらゆる伝達可能なアイテムがユーザとシステム10との間で伝達されることを可能にする。ユーザ・インタフェース22に含まれるのに適するインタフェイス・デバイスの例としては、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、表示画面、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロホン、表示灯、警報音、及びプリンタが挙げられる。一実施例では、ユーザ・インタフェース22は実際には複数の独立したインタフェースを含む。
【0029】
有線又は無線の何れかである他の通信技術も、ユーザ・インタフェース22として本発明において想定されていることを理解されたい。例えば本発明は、電子記憶装置20に備えられた着脱可能な記憶インタフェースとユーザ・インタフェース22が一体化されることを想定している。この例では、情報が着脱可能な記憶装置(例えばスマートカード、フラッシュドライブ、リムーバブル・ディスク、等々)からシステム10へとロードされることができ、ユーザがシステム10の実行をカスタマイズすることができる。ユーザ・インタフェース22としてシステム10と共に使われるよう適応する他の典型的な入力デバイス及び入力技術は、RS-232のポート、RFリンク、IRリンク、(電話、有線又はその他の)モデムを含むが、これらに限定されることはない。要するに、システム10と情報通信するあらゆる技術が本発明によるユーザ・インタフェース22として考えられる。
【0030】
一つ以上のプロセッサ24が、システム10の情報処理能力を提供するよう構成される。このように、プロセッサ 24はデジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するよう設計されたデジタル回路、情報を処理するよう設計されたアナログ回路、状態マシン、及び/又は情報を電子的に処理するための他のメカニズムのうちの一つ以上のものを含む。プロセッサ24が単一の存在として図1に示されているものの、これは例示目的にすぎない。幾つかの実装例において、プロセッサ24は複数の処理ユニットを含む。これらの処理ユニットは同じデバイス内に物理的に位置してもよいし、又はプロセッサ24が、共同で作動している複数のデバイスの処理機能を代表してもよい。
【0031】
図1に示されているように、プロセッサ24は一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するよう構成される。一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールは、呼吸識別モジュール40、インタフェース分類モジュール42、呼吸パラメータ・モジュール44、警報モジュール46、及び/又は一つ以上の他のモジュールを含む。プロセッサ24は、モジュール40、同42、同44、及び/又は同46をソフトウェアによって、ハードウェアによって、ファームウェアによって、幾つかのソフトウェア、ハードウェア、及び/若しくはファームウェアの組合せによって、並びに/又はプロセッサ24で処理能力をもつよう構成された他のメカニズムによって実行するよう構成される。
【0032】
モジュール40、同42、同44、及び同46が単一の処理ユニット内にあるものとして図1において例示されているものの、プロセッサ24が複数の処理ユニットを含む実施例では、モジュール40、同42、同44、及び/又は同46の一つ以上が他のモジュールから離れた場所にあってもよいことを理解されたい。以下で説明される種々異なるモジュール40、同42、同44、及び/又は同46が備えている機能の説明は例示目的のためであり、限定することを意図してはいない。何故ならばモジュール40、同42、同44、及び/又は同46のいずれも、説明される機能を多かれ少なかれ提供するからである。例えばモジュール40、同42、同44、及び/又は同6の一つ以上が削除されてもよく、当該モジュールの機能の一部又は全てが、モジュール40、同42、同44、及び/又は同46の他の一つによって提供されてもよい。別の例としては、モジュール40、同42、同44、及び/又は同46のうちの一つに対して、以下に帰属する機能の一部若しくは全部を実行できる一つ以上の追加のモジュールを実行するよう、プロセッサ24が構成される。
【0033】
呼吸識別モジュール40は、被験者12の呼吸(例えば呼吸の移行、呼吸の存在、等々)を識別するよう構成される。被験者12の呼吸の識別が圧力検出器18によって生成された出力信号に基づいてもよい。
【0034】
一実施例では、圧力検出器18は実際に試料セル14の中に位置する一つ以上の圧力センサを含む。これまでに記されたように導管26内の圧力の揺らぎによって、対応する揺らぎが試料セル14内の圧力に生じる。試料セル14内の圧力の揺らぎは導管26内の圧力の揺らぎよりも小さいものの、試料セル14内の揺らぎは依然として、導管26内での圧力を変化させる呼吸を識別するための幾つかの基礎を提供できる。限定的ではない例の態様で、揺らぎの量の一般的な傾向は被験者12が現在呼吸していることを示す。別の例として、圧力検出器18の出力信号において示される圧力の低下が、呼気から吸気への呼吸の移行を識別するようプログラムされる。同様に、圧力の増大は吸気から呼気への呼吸の移行を識別するようプログラムされる。
【0035】
一実施例において圧力検出器18は、導管26及び引入口34の間と、放出口36の上流側(例えば放出口36及びポンプ38の間)との両方の場所にある圧力センサを含む。この実施例では呼吸識別モジュール40は、試料セル14を含む流路中の上記2箇所の位置の間の圧力差を取り込む。(例えば吸気から呼気へと移行する際に)導管26内の圧力が増した場合に、圧力差は減少する傾向があろう。対照的に(例えば呼気から吸気へと移行する際に)導管26内の圧力が減じた場合に、圧力差は増す傾向があろう。(圧力検出器18により生成された出力信号から)この圧力差をモニタすることによって、呼吸識別モジュール40は被験者12による呼吸を識別できる。
【0036】
一実施例では、圧力検出器18の圧力センサを試料セル14の反対側に配置するのではなく、流れ制限部(図示せず)が導管26及び試料セル14の引入口34の間に、又は試料セル14の引入口34に、同流れ制限部の両側に配置された圧力センサと共に配置される。上で説明された圧力差と同様の態様で、流れ制限部の両側の場所の間の圧力差は、導管26内部の圧力と共に変化する傾向があるだろう。この実施例では、被験者12の呼吸の移行を識別するために、呼吸識別モジュール40は流れ制限部の両方の側の間の圧力差を(圧力検出器18により生成された出力信号から)モニタする。
【0037】
上で説明された圧力差は(例えば試料セル14全体に、及び/又は流れ制限部全体に)限定することを意図してはいない点を理解されたい。圧力検出器18が、試料セル14を含む流路内の(又は導管26と平行するスプール内の)複数の場所であって、これらの場所の間でガスの流れが圧力差を生じる複数の場所の何れかの組合せにて配置された二つ以上の圧力センサを含んでもよい。
【0038】
図2は(図1に示され、上で説明された)圧力検出器18と類似の又は同じ圧力検出器の出力信号のプロットである。図2から見て取れるように、圧力検出器18により検出された圧力の揺らぎは呼吸の識別を可能にしており、個々の呼吸移行の識別さえも可能にしている。図2に例示された実施例では圧力検出器は、試料セルを通るガスの流れに関する出力信号を生成する一つ以上のセンサを含む。このガスの流れは鼻・カニューレを通した被験者の呼吸に伴う揺らぎも示している。
【0039】
呼吸の移行を検出するために、図1に示され且つ上で説明されたシステム10の動作は、「封止する」インタフェース(例えば挿管、完全密封されたマスク、等々)を通じてガスが被験者の気道と連通している実施例において有効なだけではない。例えば図3は鼻・カニューレを通して被験者の気道とガスが連通していて、被験者が口と鼻とで自由に呼吸することが可能な実施例における、(図1に示され、且つ上で説明されている)圧力検出器18と類似する又は同じ圧力検出器の出力信号のプロットである。
【0040】
図1に戻ると、ポンプ38は試料セル14を通してガスを規則的にサンプルするよう作動する。一実施例ではポンプ38は、パルス幅変調(PWM)を用いて制御されるダイアフラムポンプを含む。これらのパルスはポンプモータの駆動サイクルに応じて発生する。このポンプ38の動作は、ポンプ38のパルスで圧力の揺らぎが生じることによって圧力検出器18により生成された出力信号にノイズを生じさせる場合がある(例えば、斯様な揺らぎが図2及び図3に示されるプロットにおいて観察されることができる)。このノイズを減じるために、圧力検出器18により生成された出力信号がポンプモータの駆動サイクルに相当する割合又は周波数でサンプリングされてもよいし、及び/又はフィルタリングされてもよい。
【0041】
呼吸を識別するために、圧力検出器18の出力信号を組込むことに加えて、呼吸識別モジュール40は更に、呼吸の識別を組成検出器16によって生成された出力信号に基づいて決定してもよい。被験者12が呼吸すると共に、インタフェース機器28への被験者12の呼気は、導管26内の幾つかの分子の成分の濃度の増大を引き起こし、及び導管26内の他の分子の成分の濃度の減少を引き起こす(例えばCO2は増し、O2は減じる)。同様に、被験者12による吸気は幾つかの濃度の増大を引き起こし、他の幾つかの濃度の減少を引き起こす。
【0042】
インタフェース分類モジュール42は、組込まれたインタフェース機器28のタイプを決定するよう構成される。被験者12の気道と封止された係合関係にあるインタフェース機器28(例えば挿管、密封されたマスク、等々)を使用する際に、導管26内の圧力の揺らぎは、導管26と被験者の気道との間のガスの連通がガスのリークが可能なインタフェース機器28を通して行われる実施態様よりも、及び/又は一つ以上の気道の開口部(例えば鼻・カニューレ)を通して自由呼吸ができる実施態様よりも大きく、及び/又は一層目ざましい傾向がある。
【0043】
実例として図4は、導管26及び/又は試料セル14が測定する圧力揺らぎの大きさが、被験者とのインタフェースのタイプによってどのように影響するかについて示す圧力のプロットである。第1の時間48の間に、被験者は実質的に封止された気道に挿管される。第2の時間50の間に、被験者は気道を封止することはない鼻・カニューレを通して呼吸する。図4から見て取れるように、第1の時間48の間に換気/呼吸によって生じる圧力の揺らぎは、第2の時間50の間よりも大きな振幅をもっている。この振幅の差から、(図1に示され且つ上で説明された)インタフェース分類モジュール48と同じ又は類似するインタフェース分類モジュールは、第1の時間48の間は、気道を封止するインタフェース機器によって被験者の気道が係合されていたことを検出し、及び第2の時間50の間は、気道を封止しないインタフェース機器を通して呼吸していたことを検出する。
【0044】
一実施例において、導管26及び/又は試料セル14によって測定された圧力揺らぎの振幅をモニタする代わりに、またはモニタリングに加えて、インタフェース分類モジュールは、基本圧力、圧力中央値、及び/又は平均圧力をモニタする。図4から見て取れるように、被験者により使用されたインタフェース機器が被験者の気道を封止する場合、導管26内の圧力最低値は、被験者の気道を封止しないインタフェース機器で測定された圧力最低値よりも低い傾向がある。異なるタイプのインタフェース機器によって生じた導管26内の圧力の差に基づいて、インタフェース機器モジュールは、使用されたインタフェース機器のインタフェースのタイプを決定する。
【0045】
図1に戻ると、呼吸パラメータ・モジュール44は被験者12の呼吸の一つ以上の呼吸パラメータを決定するよう構成される。呼吸パラメータ・モジュール44は、組成検出器16により生成された一つ以上の出力信号に基づいて、圧力検出器18によって生成された出力信号に基づいて、呼吸識別モジュール40によって識別された呼吸及び/若しくは呼吸の移行に基づいて、インタフェース分類モジュール42によるインタフェース機器の分類の判定(例えば封止されている又は封止されてはいない)に基づいて、及び/又は他の基準に基づいて、一つ以上の呼吸パラメータを決定する。呼吸パラメータ・モジュール44で測定された一つ以上の呼吸パラメータが、例えば呼気終末期のCO2、呼吸数、及び/又は他の呼吸パラメータを含んでもよい。
【0046】
呼吸パラメータのうちの一つを決定する際に、呼吸パラメータ・モジュール44は呼吸パラメータを、組成検出器16により生成された出力信号及び/又は圧力検出器18により生成された出力信号の関数として、組成検出器16により生成された出力信号及び/又は圧力検出器18により生成された出力信号と呼吸パラメータとの間の予め定められた関係に基づいて決定する。例えば、被験者12の呼吸数と組成検出器16により生成された出力信号との間の予め定められた関係に基づいて、呼吸数が呼吸パラメータ・モジュール44によって決定されることができる。しかしながら、組成検出器16によって生成された出力信号と呼吸数との間の関係は、被験者12が気道を封止するインタフェース機器を使用しているか、又は封止することなく気道と係合するインタフェース機器を使用しているかどうかに応じて異なるかも知れない。
【0047】
限定的ではない例の態様で、図5は、気道を封止してはいないインタフェース機器を使用したときの被験者の気道の、又は同気道の近くのCO2のプロット52を示し、及び気道が封止された係合を生じるインタフェース機器を使用したときの被験者の気道の、又は同気道の近くのCO2のプロット54を示す。図5から見て取れるように、被験者の気道の、又は同気道の近くのCO2と呼吸数との間の関係は、前記二つの状況で非常に異なってふるまう傾向がある。このように呼吸数の算出は、どのタイプのインタフェース機器が実装されているかどうかに関係なく、呼吸数を記述している単一の関数が、組成検出器により生成された出力信号の関数であるかどうかによって影響を受ける。
【0048】
図1に戻り、一実施例においては、組成検出器16及び/又は圧力検出器18によって生成された出力信号と一つ以上の呼吸パラメータとの間の第1の関係のセットを実行することによって、インタフェース分類モジュール42がインタフェース機器28と被験者12の気道とが封止された係合を生じてはいないと判定した場合、呼吸パラメータ・モジュール44が被験者12の一つ以上の呼吸パラメータを決定するよう構成される。この実施例では、インタフェース機器28と被験者12の気道とが封止された係合を生じていると判定したインタフェース分類モジュール42に応答して、一つ以上の呼吸パラメータと、インタフェース機器28に合わせて調整された圧力検出器18及び/又は組成検出器16により生成された出力信号との間の第2の関係のセットを、呼吸パラメータ・モジュール44が実行する。
【0049】
限定的ではない例の態様で、インタフェース機器28が被験者12の気道を封止してはいないとインタフェース分類モジュール42が判定した場合、呼吸パラメータ・モジュール44は、組成検出器16により生成された出力信号の関数として呼気終末期のCO2を決定するために(第1の予め定められた関係に基づく)第1のアルゴリズムを実行する。しかしながら、インタフェース機器28が被験者12の気道を封止しているとインタフェース分類モジュール42が判定した場合、呼吸パラメータ・モジュール44は、組成検出器16により生成された出力信号の関数として呼気終末期のCO2を決定するために(第2の予め定められた関係に基づく)第2のアルゴリズムを実行する。
【0050】
一実施例において、インタフェース分類モジュール42は、被験者12の気道と封止された係合を生じることの無い異なるタイプのインタフェース機器を区別できる。限定的ではない例の態様で、インタフェース分類モジュール42は鼻・カニューレと非侵襲性の換気マスクとの間を区別できる。この実施例では、呼吸パラメータ・モジュール44が、一つ以上の呼吸パラメータと、インタフェース分類モジュール42が検出できる様々なタイプのインタフェース機器に合わせて調整された組成検出器16及び/又は圧力検出器18により生成された出力信号との間の異なる関係のセットを実行できる。
【0051】
警報モジュール46が、呼吸イベントを示し、及び/又は器材の故障を示す一つ以上の警報を生成するよう構成される。警報はユーザ・インタフェース22を介して一人以上のユーザに通知される。警報モジュール46に一つ以上の警報を生成させる呼吸イベント及び/又は器材の故障は、組成検出器16及び/又は圧力検出器18により生成された出力信号に基づいて識別される。限定的ではない例の態様で、下記の表1は、インタフェース機器28が鼻・カニューレである場合において、呼吸イベント及び/又は器材の故障に関する警報を起動するために、組成検出器16及び圧力検出器18によって生成された信号が実行される態様を例示している。
【表1】

【0052】
圧力検出器18の出力信号が警報を起動する場合を示す更なる例示の態様にて、図6は、被験者による2回の連続した呼吸の際のサンプリング・チャンバ内の圧力及び流れのプロットを示す。第1の呼吸においては、被験者とのインタフェース機器が被験者に誤って取り付けられており、第2の呼吸では、被験者とのインタフェース機器が正しく取り付けられている。図6に示されたプロットから明らかなように、誤った取付けはサンプリング・チャンバ内の圧力の変化及び/又は流れの変化の振幅及び/又は周波数を減少させる。圧力の変化及び/又は流れの変化の振幅及び/又は周波数が、図2又は図3の何れかのプロットに示されているのと同じレベルから図6に示されるレベルへと落ちたとの検出に基づいて、警報モジュール46と類似する又は同じ警報モジュールは、(例えば、誤った取付けに起因する)器材の故障を示す警報、又は呼吸イベント(例えば呼吸障害)を示す警報を生成する。
【0053】
一実施例において、ポンプ38を制御するために、プロセッサ24は圧力検出器18単独の出力を使用するか、又は呼吸識別モジュール40、インタフェース分類モジュール42、及び呼吸パラメータ・モジュール44の出力の一部若しくは全てと組み合わせて、圧力検出器18の出力を使用する。インタフェース機器28と試料セル14との間の経路の何れかの部分が分離可能である場合、これは望ましい。例えば、試料セル14の引入口34が導管26から分離されるかも知れないからである。圧力検出器18の出力、呼吸識別モジュール40の出力、インタフェース分類モジュール42の出力、及び/又は呼吸パラメータ・モジュール44の出力は、プロセッサ24内の規則エンジン、プロセッサ24内のフィルタ、及び/又はインタフェース機器28と試料セル14との間の流路の分離及び/若しくは取り外しを検出するよう構成された他の処理メカニズムへの入力として使うことができる。
【0054】
一実施例では、プロセッサ24は、圧力検出器18の信号からの圧力揺らぎの検出能力を強化するようポンプ38を制御する(例えばポンプ38からの吸引がないと、圧力検出は信頼性が一層高い)。一実施例では、プロセッサ24は(例えば電池によって動作する実施例において)動作の間にポンプ38によって費やされる電力を減じるようポンプ38を制御する。圧力検出器18によって生成された出力信号にしたがってポンプ38を制御するための他の理由も考えられる。
【0055】
何が最も実際的であり、且つ好ましい実施例であると現在考えられるかに基づいて、本発明が例示目的のために詳細に説明されたにもかかわらず、斯様な詳細は単に例示目的に過ぎず、本発明が開示された実施例に限定されることはない。しかし、これに反して、添付の請求項の範囲及び意図の範囲内である改変及び等価な構成を本発明がカバーすることを意図していることを理解すべきである、例えば本発明は、可能な限り、あらゆる実施例の一つ以上の特徴も他のあらゆる実施例の一つ以上の特徴と組み合わせることができるよう考慮している点を理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の呼吸をモニタするシステムであって、当該システムは、
前記対象の気道と連通する導管と流体連通する試料セルであって、前記導管から当該試料セルへと受け入れられたガスを排出する試料セルと、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成する組成検出器と、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成する圧力検出器と、
複数のコンピュータプログラムのモジュールを実行する一つ以上のプロセッサであって、当該一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールが、
前記圧力検出器により生成された出力信号に基づいて呼吸を識別する呼吸識別モジュールと、
前記組成検出器により生成された出力信号に基づいて、及び前記呼吸識別モジュールにより識別された呼吸に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定する呼吸パラメータ・モジュールと、
から構成されるプロセッサと、
を有する、システム。
【請求項2】
前記呼吸識別モジュールが、前記組成検出器により生成された出力信号に更に基づいて呼吸を識別する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一つ以上の呼吸パラメータが、呼吸数及び/又は呼気終末期のCO2の一方か若しくは両方を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のコンピュータプログラムのモジュールが更に、呼吸イベントを示す、及び/又は前記組成検出器及び前記圧力検出器により生成された出力信号に基づいて器材の故障を示す一つ以上の警報を生成する警報モジュールを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記呼吸識別モジュールによる呼吸の識別が呼吸移行の識別を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
対象の呼吸をモニタする方法であって、当該方法は、
前記対象の気道と連通する導管からのガスを試料セルへと受け入れるステップと、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて呼吸を識別するために、一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び識別された呼吸に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するために、前記一つ以上のプロセッサ上で前記一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に更に基づいて呼吸が識別される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記一つ以上の呼吸パラメータが、呼吸数及び/又は呼気終末期のCO2の一方か若しくは両方を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて呼吸イベントを示す、及び/又は器材の故障を示す一つ以上の警報を生成するために、前記一つ以上のプロセッサ上で前記一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記呼吸を識別するステップが、呼吸移行を識別するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
対象の呼吸をモニタするシステムであって、当該システムは、
前記対象の気道と連通する導管からのガスを試料セルに受け入れるための手段と、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて呼吸を識別するための手段と、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び前記識別された呼吸に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するための手段と、
を新規に有する、システム。
【請求項12】
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に更に基づいて呼吸が識別される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記一つ以上の呼吸パラメータが、呼吸数及び/又は呼気終末期のCO2の一方か若しくは両方を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて呼吸イベントを示す、及び/又は器材の故障を示す一つ以上の警報を生成するための手段を更に有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
呼吸を識別するための前記手段が、呼吸移行を識別するための手段を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
対象の呼吸をモニタするシステムであって、当該システムは、
前記対象の気道と係合するインタフェース機器によって当該対象の気道と流体連通することを特徴とする導管と流体連通している試料セルであって、前記導管から当該試料セルへと受け入れられたガスを排出することを特徴とする試料セルと、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成する組成検出器と、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成する圧力検出器と、
複数のコンピュータプログラムのモジュールを実行する一つ以上のプロセッサであって、当該一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールが、
前記圧力検出器により生成された出力信号に基づいて、前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプを決定するインタフェース分類モジュールと、
前記組成検出器により生成された出力信号に基づいて、及び前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプに関する、前記インタフェース分類モジュールによる決定に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定する呼吸パラメータ・モジュールと、
から構成されるプロセッサと、
を新規に有する、システム。
【請求項17】
前記インタフェース分類モジュールが、前記圧力検出器により生成された出力信号により伝達される圧力の変動の大きさから前記インタフェース機器のタイプを決定する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記インタフェース分類モジュールによる前記インタフェース機器のタイプの決定が、当該インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じるかどうかにより決定される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記一つ以上の呼吸パラメータが、呼吸数及び/又は呼気終末期のCO2の一方か若しくは両方を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記呼吸パラメータ・モジュールは、
前記インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じているとの前記インタフェース分類モジュールによる判定に応答して、前記組成検出器及び前記一つ以上の呼吸パラメータにより生成された出力信号の間の予め定められた第1の関係のセットを実行するステップと、
前記インタフェース機器及び前記対象の気道の間の係合が封止されてはいないとの前記インタフェース分類モジュールによる判定に応答して、前記組成検出器及び前記一つ以上の呼吸パラメータにより生成された出力信号の間の予め定められた第2の関係のセットを実行するステップと、
によって、前記組成検出器により生成された出力信号に基づいて前記一つ以上の呼吸パラメータを決定する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
対象の呼吸をモニタする方法であって、当該方法は、
前記対象の気道と係合するインタフェース機器によって当該対象の気道と流体連通する場所にあることを特徴とする導管からのガスを試料セルへと受け入れるステップと、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するステップと、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプを決定するために、一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプの決定に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するために、前記一つ以上のプロセッサ上で前記一つ以上のコンピュータプログラムのモジュールを実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプの決定が、前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号により示される圧力変動の大きさに基づいて成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記インタフェース機器のタイプを決定するステップが、当該インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じているかどうかを判定するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記一つ以上の呼吸パラメータが、呼吸数及び/又は呼気終末期のCO2の一方か若しくは両方を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプの決定に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するステップが、
前記インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じているとの前記インタフェース分類モジュールによる判定に応答して、前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号及び前記一つ以上の呼吸パラメータの間の予め定められた第1の関係のセットを実行するステップと、
前記インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じてはいないとの判定に応答して、前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号及び前記一つ以上の呼吸パラメータの間の予め定められた第2の関係のセットを実行するステップと、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
対象の呼吸をモニタするシステムであって、当該システムは、
前記対象の気道と係合するインタフェース機器によって当該対象の気道と流体連通する場所に置かれることを特徴とする導管からのガスを試料セルへと受け入れるための手段と、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号を生成するための手段と、
前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプを決定するための手段と、
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプの決定に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するための手段と、
を新規に有する、システム。
【請求項27】
前記インタフェース分類モジュールが、前記導管内の圧力に関する情報を伝達する出力信号によって示される圧力変動の大きさから、前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプを決定する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記インタフェース機器のタイプを決定するための手段が、当該インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じているかどうかを判定する、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記一つ以上の呼吸パラメータが、呼吸数及び/又は呼気終末期のCO2の一方か若しくは両方を有する、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号に基づいて、及び前記インタフェース機器が備えている当該インタフェース機器のタイプの決定に基づいて一つ以上の呼吸パラメータを決定するための手段が、
前記インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じているとの判定に応答して、前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号及び前記一つ以上の呼吸パラメータの間の予め定められた第1の関係のセットを実行し、
前記インタフェース機器が前記対象の気道と封止された係合を生じてはいないとの判定に応答して、前記導管から前記試料セルへと受け入れられた前記ガスの組成に関する情報を伝達する出力信号及び前記一つ以上の呼吸パラメータの間の予め定められた第2の関係のセットを実行する手段を有する、請求項28に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−509903(P2013−509903A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535972(P2012−535972)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054599
【国際公開番号】WO2011/055250
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】