説明

呼気アルコール測定器

【課題】 周囲の気体中のアルコール濃度を誤って測定することを抑えることができる呼気アルコール測定器を提供する。
【解決手段】 呼気中のアルコール濃度の測定である呼気測定と、周囲の気体中のアルコール濃度の測定である周囲気体測定とを実行する呼気アルコール測定器は、呼気測定(S128)の開始前に周囲気体測定(S121)を実行し、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が呼気測定の実行の開始の中止のための所定の濃度以上である場合(S122でYES)、呼気測定の実行の開始を中止することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の呼気中のアルコール濃度を測定することができる呼気アルコール測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の呼気中のアルコール濃度を測定することができる呼気アルコール測定器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−121048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の呼気アルコール測定器においては、呼気アルコール測定器の周囲の気体中のアルコール濃度が高い場合、利用者の呼気中のアルコール濃度が低かったとしても、利用者の呼気中のアルコール濃度ではなく、測定前に呼気アルコール測定器の内部に入り込んでいた周囲の気体中のアルコール濃度を誤って測定してしまう可能性があるという問題がある。
【0005】
また、従来の呼気アルコール測定器においては、周囲の気体中のアルコール濃度が高い場合、利用者の呼気中の本当のアルコール濃度が低かったとしても、利用者によって吸い込まれてそのまま吐き出されただけの周囲の気体中のアルコール濃度を誤って測定してしまう可能性があるという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、周囲の気体中のアルコール濃度を誤って測定することを抑えることができる呼気アルコール測定器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の呼気アルコール測定器は、呼気中のアルコール濃度の測定である呼気測定を実行する呼気測定手段と、周囲の気体中のアルコール濃度の測定である周囲気体測定を実行する周囲気体測定手段とを備えており、前記周囲気体測定手段は、前記呼気測定の前に前記周囲気体測定を実行し、前記呼気測定手段は、前記周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が前記呼気測定の実行の中止のための所定の濃度以上である場合、前記呼気測定の実行を中止することを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、呼気測定の前に周囲気体測定を実行し、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上である場合に呼気測定の実行を中止するので、周囲の気体中のアルコール濃度を呼気測定において誤って測定することを抑えることができる。
【0009】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、気体中のアルコール濃度を測定する燃料電池式のアルコールセンサーを備えており、前記アルコールセンサーは、アルコールを燃焼させて起電力を発生させる触媒と、前記触媒を取り囲むケースとを備えており、前記呼気測定手段は、前記アルコールセンサーによって前記呼気測定を実行し、前記周囲気体測定手段は、前記アルコールセンサーによって前記周囲気体測定を実行しても良い。
【0010】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、アルコール濃度が高い呼気が呼気測定によってアルコールセンサーのケース内に残留した場合であっても、次回の周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上であるときに次回の呼気測定の実行を中止するので、ケース内に残留した呼気によって次回の呼気測定においてアルコール濃度を誤って測定することを抑えることができる。
【0011】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、吹き込まれた呼気を検知する呼気センサーを備えており、前記周囲気体測定手段は、前記呼気センサーによって検知された呼気の量が前記周囲気体測定の実行の中止のための所定の量以上である場合、前記周囲気体測定の実行を中止しても良い。
【0012】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、吹き込まれた呼気の量が所定の量以上である場合に周囲気体測定の実行を中止するので、周囲気体測定において呼気を吹き込むことによって呼気中のアルコール濃度を呼気測定前に把握するという不正の発生を抑えることができる。
【0013】
また、本発明の呼気アルコール測定器の前記呼気測定手段は、前記呼気センサーによって検知された呼気の量が前記呼気測定の実行のための所定の量以上である場合、前記呼気測定を実行しても良い。
【0014】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、周囲気体測定の実行の中止を判断するための呼気の量と、呼気測定の実行を判断するための呼気の量とを同一の呼気センサーによって検知するので、部品点数を抑えることができる。
【0015】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、前記周囲気体測定の実行が中止される場合に前記呼気センサーによる検知の結果を視覚的な通知方法および聴覚的な通知方法の少なくとも一方によって通知する呼気検知結果通知手段を備えていても良い。
【0016】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、呼気センサーによる検知の結果を利用者に認識させることができる。
【0017】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、前記周囲気体測定の実行が中止される場合に前記呼気センサーによる検知の結果を記憶する呼気検知結果記憶手段を備えていても良い。
【0018】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、呼気センサーによる検知の結果を残すことができる。
【0019】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、前記周囲気体測定の実行が中止される場合に前記呼気センサーによる検知の結果を外部に送信する呼気検知結果送信手段を備えていても良い。
【0020】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、呼気センサーによる検知の結果を外部の装置に利用させることができる。
【0021】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、前記呼気測定の実行が中止される場合に前記周囲気体測定の結果を視覚的な通知方法および聴覚的な通知方法の少なくとも一方によって通知する周囲気体測定結果通知手段を備えていても良い。
【0022】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、周囲気体測定の結果を利用者に認識させることができる。
【0023】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、前記呼気測定の実行が中止される場合に前記周囲気体測定の結果を記憶する周囲気体測定結果記憶手段を備えていても良い。
【0024】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、周囲気体測定の結果を残すことができる。
【0025】
また、本発明の呼気アルコール測定器は、前記呼気測定の実行が中止される場合に前記周囲気体測定の結果を外部に送信する周囲気体測定結果送信手段を備えていても良い。
【0026】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定器は、周囲気体測定の結果を外部の装置に利用させることができる。
【0027】
本発明の呼気アルコール測定方法は、呼気アルコール測定器による呼気中のアルコール濃度の測定である呼気測定の前に、前記呼気アルコール測定器の周囲の気体中のアルコール濃度の測定である周囲気体測定を前記呼気アルコール測定器によって実行し、前記周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が前記呼気測定の実行の中止のための所定の濃度以上である場合、前記呼気測定の実行を中止することを特徴とする。
【0028】
この構成により、本発明の呼気アルコール測定方法は、呼気測定の前に周囲気体測定を実行し、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上である場合に呼気測定の実行を中止するので、呼気アルコール測定器の周囲の気体中のアルコール濃度を呼気アルコール測定器による呼気測定において誤って測定することを抑えることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の呼気アルコール測定器は、周囲の気体中のアルコール濃度を誤って測定することを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態に係るアルコール測定システムの構成図である。
【図2】図1に示す呼気アルコール測定器の正面図である。
【図3】図1に示す呼気アルコール測定器のブロック図である。
【図4】図3に示すアルコールセンサーの断面図である。
【図5】図1に示す携帯通信端末のブロック図である。
【図6】図1に示す管理用コンピューターのブロック図である。
【図7】図1に示す呼気アルコール測定器の動作のフローチャートである。
【図8】図7の続きのフローチャートである。
【図9】図1に示す携帯通信端末の動作のフローチャートである。
【図10】図1に示す管理用コンピューターの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0032】
まず、本実施の形態に係るアルコール測定システムの構成について説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態に係るアルコール測定システム10の構成図である。
【0034】
図1に示すように、アルコール測定システム10は、利用者の呼気中のアルコール濃度を測定することができる呼気アルコール測定器20と、利用者によって携帯される携帯電話などの携帯通信端末40と、呼気アルコール測定器20による測定結果を管理するためのPC(Personal Computer)などの管理用コンピューター50とを備えている。呼気アルコール測定器20と、携帯通信端末40とは、例えば通信ケーブル11を介して互いに接続されることが可能である。携帯通信端末40および管理用コンピューター50は、例えばインターネット12を介して互いに接続されることが可能である。
【0035】
図2は、呼気アルコール測定器20の正面図である。
【0036】
図2に示すように、呼気アルコール測定器20は、本体ケース21と、本体ケース21に着脱可能なマウスピース22と、通信ケーブル11(図1参照。)を介して携帯通信端末40(図1参照。)と通信を行うための通信インターフェイス23と、各種の情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)などの表示器24と、音を出力するためのブザー25と、利用者からの操作を受け付けるスイッチ26とを備えている。
【0037】
図3は、呼気アルコール測定器20のブロック図である。
【0038】
図3に示すように、呼気アルコール測定器20は、呼気アルコール測定器20全体を制御する制御部27と、マウスピース22から吹き込まれる気体の量を測定する本発明の呼気センサーとしての流量センサー28と、マウスピース22から吹き込まれる気体中のアルコール濃度を測定する燃料電池式のアルコールセンサー29と、アルコールセンサー29の温度を測定する温度センサー30と、アルコールセンサー29を加熱するヒーター31と、呼気アルコール測定器20内に導入された気体のうち一定の体積の気体をアルコールセンサー29内に取り込むための吸引ポンプ32と、各種の情報を記憶するためのフラッシュメモリなどの記憶装置33と、本体ケース21(図2参照。)に着脱可能であって商用電源からの交流電力を直流電力に変換するACアダプター34と、ACアダプター34からの直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバーター35と、呼気アルコール測定器20が利用者によって携帯されることを可能にするために電力を蓄えるバッテリー36と、バッテリー36に充電を行う充電回路37とを備えている。
【0039】
呼気アルコール測定器20は、商用電源からACアダプター34およびDC−DCコンバーター35を介して供給される電力を充電回路37によってバッテリー36に充電することによって、バッテリー36から供給される電力によって動作することができる。また、呼気アルコール測定器20は、バッテリー36から供給される電力ではなく、商用電源からACアダプター34およびDC−DCコンバーター35を介して直接供給される電力によって動作することもできる。
【0040】
制御部27は、通信インターフェイス23、表示器24、ブザー25、スイッチ26、流量センサー28、アルコールセンサー29、温度センサー30、ヒーター31、吸引ポンプ32、記憶装置33、DC−DCコンバーター35、バッテリー36および充電回路37に接続されている。
【0041】
制御部27は、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられる書き換え可能な揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部27を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0042】
制御部27は、呼気アルコール測定器20内に導入された気体中のアルコール濃度を、アルコールセンサー29に発生した起電力と、吸引ポンプ32によってアルコールセンサー29内に取り込まれた気体の体積とに基づいて演算によって取得する。
【0043】
図4は、アルコールセンサー29の断面図である。
【0044】
図4に示すように、アルコールセンサー29は、エタノールを燃焼させて起電力を発生させる触媒29aと、触媒29aを取り囲むケースであるセル29bと、触媒29aに発生した起電力を外部に取り出すための電極29cとを備えている。セル29bは、気体の出入口29d、29eが形成されている。出入口29dは、マウスピース22(図2参照。)が本体ケース21(図2参照。)に装着された場合に、マウスピース22に連通するように配置されている。出入口29eは、吸引ポンプ32に連通している。
【0045】
図5は、携帯通信端末40のブロック図である。
【0046】
図5に示すように、携帯通信端末40は、携帯通信端末40全体を制御する制御部41と、通信ケーブル11(図1参照。)を介して呼気アルコール測定器20(図1参照。)と通信を行うための通信インターフェイス42と、インターネット12(図1参照。)を介して管理用コンピューター50(図1参照。)と通信を行うための無線通信部43と、各種の情報を表示するためのLCDなどの表示器44と、利用者からの操作を受け付けるキーパッドなどの操作部45と、各種の情報を記憶するためのフラッシュメモリなどの記憶装置46とを備えている。携帯通信端末40は、図示していないが呼気アルコール測定器20と同様に商用電源やバッテリーによって駆動するようになっている。
【0047】
制御部41は、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられる書き換え可能な揮発性の記憶装置であるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部41を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0048】
記憶装置46には、管理用コンピューター50によって電子メールを受信することができる管理用の電子メールアドレスが記憶されている。
【0049】
図6は、管理用コンピューター50のブロック図である。
【0050】
図6に示すように、管理用コンピューター50は、管理用コンピューター50全体を制御する制御部51と、インターネット12(図1参照。)を介して携帯通信端末40(図1参照。)と通信を行うための通信インターフェイス52と、各種の情報を表示するためのLCDなどの表示器53と、利用者からの操作を受け付けるキーボードやマウスなどの操作部54と、各種の情報を記憶するためのHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置55とを備えている。管理用コンピューター50は、図示していないが呼気アルコール測定器20と同様に商用電源やバッテリーによって駆動するようになっている。
【0051】
制御部51は、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられる書き換え可能な揮発性の記憶装置であるRAMとを備えている。CPUは、ROMや記憶装置55に記憶されているプログラムを実行することによって制御部51を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0052】
次に、アルコール測定システム10の動作について説明する。
【0053】
図7は、呼気アルコール測定器20の動作のフローチャートである。図8は、図7の続きのフローチャートである。
【0054】
呼気アルコール測定器20は、スイッチ26が押されることによって電源がONにされると、図7および図8に示す処理を開始する。
【0055】
図7および図8に示すように、呼気アルコール測定器20の制御部27は、アルコールセンサー29のウォームアップを開始する(S101)。ここで、ウォームアップとは、温度センサー30によってアルコールセンサー29の温度を測定しながら、ヒーター31によってアルコールセンサー29の温度を適正な温度に加熱することである。適正な温度とは、アルコールセンサー29が気体中のアルコール濃度を正確に測定することができるための所定の温度である。なお、制御部27は、アルコールセンサー29と同様に、流量センサー28のウォームアップを実行するようになっていても良い。
【0056】
次いで、制御部27は、アルコールセンサー29のウォームアップを開始してから15秒が経過するまで、アルコールセンサー29のウォームアップを開始してから15秒が経過したか否かを判断する(S102)。ここで、15秒という時間は、ウォームアップが完了するための十分な時間として予め設定されている時間である。
【0057】
次いで、制御部27は、アルコールセンサー29のウォームアップを開始してから15秒が経過したとS102において判断すると、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがあったか否かを判断する(S103)。ここで、制御部27は、流量センサー28が気体の流れを測定した場合に、呼気の吹き込みがあったと判断する。つまり、制御部27は、流量センサー28によって検知された呼気の量が後述する周囲気体測定の実行の中止のための所定の量以上であるか否か、すなわち、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがあったか否かを判断する。2秒という時間は、仮にアルコールを含んだ呼気の吹き込みがあって周囲気体測定において不合格になった場合であっても、周囲気体測定においてアルコールセンサー29のセル29b内に取り込まれてセル29b内に残留した呼気中のアルコールが触媒29aによって燃焼されることによって、次回の周囲気体測定および後述する呼気測定においてアルコール濃度を誤って測定することを抑えることができる十分な時間として予め設定されている時間である。
【0058】
制御部27は、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがあったとS103において判断すると、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがあったことを示す情報である呼気検知情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知し(S104)、呼気検知情報を記憶装置33に記憶し(S105)、呼気検知情報を通信インターフェイス23を介して携帯通信端末40に送信する(S106)。このように、制御部27は、流量センサー28による検知の結果である呼気検知情報を視覚的な通知方法および聴覚的な通知方法によって通知する(S104)ようになっており、本発明の呼気検知結果通知手段を構成している。また、制御部27は、呼気検知情報を記憶する(S105)ようになっており、本発明の呼気検知結果記憶手段を構成している。また、制御部27は、呼気検知情報を外部に送信する(S106)ようになっており、本発明の呼気検知結果送信手段を構成している。
【0059】
次いで、制御部27は、電源をOFFにする処理を開始して(S107)、図7および図8に示す処理を終了する。
【0060】
制御部27は、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがなかったとS103において判断すると、周囲の気体中のアルコール濃度の測定である周囲気体測定を実行する(S121)。具体的には、制御部27は、呼気アルコール測定器20の周囲の気体をマウスピース22を介してアルコールセンサー29のセル29b内に吸引ポンプ32によって取り込み、アルコールセンサー29の触媒29aに発生した起電力に基づいてアルコール濃度を演算によって取得する。なお、周囲気体測定において、セル29b内への気体の取り込みは一瞬で終了するが、触媒29aにおける起電力の発生と、制御部27によるアルコール濃度の演算とに時間を要する。そのため、周囲気体測定全体としては、5秒程度の時間が必要である。このように、制御部27は、周囲気体測定を実行するようになっており、本発明の周囲気体測定手段を構成している。
【0061】
次いで、制御部27は、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が呼気測定の実行の中止のための所定の濃度以上であるか否かを判断する(S122)。
【0062】
制御部27は、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上であるとS122において判断すると、周囲気体測定が不合格であることを示す情報である周囲気体NG情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知し(S123)、周囲気体NG情報を記憶装置33に記憶し(S124)、周囲気体NG情報を通信インターフェイス23を介して携帯通信端末40に送信する(S125)。このように、制御部27は、周囲気体測定の結果である周囲気体NG情報を視覚的な通知方法および聴覚的な通知方法によって通知する(S123)ようになっており、本発明の周囲気体測定結果通知手段を構成している。また、制御部27は、周囲気体NG情報を記憶する(S124)ようになっており、本発明の周囲気体測定結果記憶手段を構成している。また、制御部27は、周囲気体NG情報を外部に送信する(S125)ようになっており、本発明の周囲気体測定結果送信手段を構成している。
【0063】
次いで、制御部27は、電源をOFFにする処理を開始して(S107)、図7および図8に示す処理を終了する。
【0064】
制御部27は、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上ではないとS122において判断すると、利用者に対して呼気の吹き込みを表示器24およびブザー25によって促す(S126)。
【0065】
次いで、制御部27は、連続して3秒以上の呼気の吹き込みがあったと判断するまで、連続して3秒以上の呼気の吹き込みがあったか否かを判断する(S127)。ここで、制御部27は、流量センサー28が気体の流れを測定した場合に、呼気の吹き込みがあったと判断する。つまり、制御部27は、流量センサー28によって検知された呼気の量が呼気測定の実行のための所定の量以上であるか否か、すなわち、連続して3秒以上の呼気の吹き込みがあったか否かを判断する。
【0066】
制御部27は、連続して3秒以上の呼気の吹き込みがあったとS127において判断すると、呼気中のアルコール濃度の測定である呼気測定を実行する(S128)。具体的には、制御部27は、利用者によってマウスピース22を介して本体ケース21内に吹き込まれた呼気をアルコールセンサー29のセル29b内に吸引ポンプ32によって取り込み、アルコールセンサー29の触媒29aに発生した起電力に基づいてアルコール濃度を演算によって取得する。なお、呼気測定と、周囲気体測定とは、対象としている気体の種類が異なるが、動作自体は同じである。このように、制御部27は、呼気測定を実行するようになっており、本発明の呼気測定手段を構成している。
【0067】
次いで、制御部27は、呼気測定の結果を示す情報である呼気測定結果情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知し(S129)、呼気測定結果情報を記憶装置33に記憶し(S130)、呼気測定結果情報を通信インターフェイス23を介して携帯通信端末40に送信する(S131)。
【0068】
次いで、制御部27は、電源をOFFにする処理を開始して(S107)、図7および図8に示す処理を終了する。
【0069】
図9は、携帯通信端末40の動作のフローチャートである。
【0070】
携帯通信端末40は、操作部45からの操作によって呼気測定用のアプリケーションが起動されると、図9に示す処理を開始する。
【0071】
図9に示すように、携帯通信端末40の制御部41は、利用者にIDの入力を促す画面を表示器44に表示し(S141)、利用者による操作部45からのIDの入力が終了したと判断するまで、利用者による操作部45からのIDの入力が終了したか否かを判断する(S142)。
【0072】
次いで、制御部41は、呼気検知情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信したか否かを判断する(S143)。
【0073】
制御部41は、呼気検知情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信したとS143において判断すると、受信した呼気検知情報に、S142において入力されたIDを加える(S144)。
【0074】
次いで、制御部41は、S144においてIDを加えた呼気検知情報を記憶装置46に記憶する(S145)。
【0075】
次いで、制御部41は、無線通信部43を介してインターネット12に接続した後、S144においてIDを加えた呼気検知情報を管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信し(S146)、再びS141の処理に戻る。
【0076】
制御部41は、呼気検知情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信していないとS143において判断すると、周囲気体NG情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信したか否かを判断する(S147)。
【0077】
制御部41は、周囲気体NG情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信したとS147において判断すると、受信した周囲気体NG情報に、S142において入力されたIDを加える(S148)。
【0078】
次いで、制御部41は、S148においてIDを加えた周囲気体NG情報を記憶装置46に記憶する(S149)。
【0079】
次いで、制御部41は、無線通信部43を介してインターネット12に接続した後、S148においてIDを加えた周囲気体NG情報を管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信し(S150)、再びS141の処理に戻る。
【0080】
制御部41は、周囲気体NG情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信していないとS147において判断すると、呼気測定結果情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信したか否かを判断する(S151)。
【0081】
制御部41は、呼気測定結果情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信したとS151において判断すると、受信した呼気測定結果情報に、S142において入力されたIDを加える(S152)。
【0082】
次いで、制御部41は、S152においてIDを加えた呼気測定結果情報を記憶装置46に記憶する(S153)。
【0083】
次いで、制御部41は、無線通信部43を介してインターネット12に接続した後、S152においてIDを加えた呼気測定結果情報を管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信し(S154)、再びS141の処理に戻る。
【0084】
制御部41は、呼気測定結果情報を通信インターフェイス42を介して呼気アルコール測定器20から受信していないとS151において判断すると、再びS143の処理に戻る。
【0085】
図10は、管理用コンピューター50の動作のフローチャートである。
【0086】
管理用コンピューター50は、操作部54からの操作によって呼気測定の管理用のアプリケーションが起動されると、図10に示す処理を開始する。
【0087】
図10に示すように、管理用コンピューター50の制御部51は、定期的な電子メールのチェック時間が経過したと判断するまで、定期的な電子メールのチェック時間が経過したか否かを判断する(S161)。
【0088】
制御部51は、定期的な電子メールのチェック時間が経過したとS161において判断すると、通信インターフェイス52を介してインターネット12に接続した後、管理用の電子メールアドレス宛ての新着メールが図示していない電子メールサーバーに有るか否かを判断する(S162)。
【0089】
制御部51は、新着メールが無いとS162において判断すると、再びS161の処理に戻る。
【0090】
一方、制御部51は、新着メールが有るとS162において判断すると、管理用の電子メールアドレス宛ての新着メールを電子メールサーバーから受信する(S163)。
【0091】
次いで、制御部51は、S163において受信した電子メールの内容を表示器53に表示する(S164)。したがって、管理用コンピューター50を使用している管理者は、電子メールによって送信されてきた呼気検知情報、周囲気体NG情報または呼気測定結果情報を認識することができる。ここで、管理者は、これらの情報に含まれているIDによって、これらの情報が何れの利用者の情報であるのかを認識することができる。
【0092】
次いで、制御部51は、S163において受信した電子メールの内容を記憶装置55に記憶して(S165)、再びS161の処理に戻る。したがって、管理者は、電子メールによって送信されてきた呼気検知情報、周囲気体NG情報または呼気測定結果情報を何時でも確認することができる。
【0093】
呼気アルコール測定器20、携帯通信端末40および管理用コンピューター50が以上に説明したように動作するので、アルコール測定システム10全体としては以下のように動作する。
【0094】
利用者が携帯通信端末40の操作部45からの操作によって携帯通信端末40の呼気測定用のアプリケーションを起動すると、携帯通信端末40は、利用者にIDの入力を促す画面を表示器44に表示する(S141)。そして、利用者は、操作部45からの操作によってIDの入力を終了する(S142でYES)。なお、携帯通信端末40は、利用者がIDの入力を終了すると、利用者に呼気アルコール測定器20の電源をONにすることを促す画面を表示器44に表示するようになっていても良い。
【0095】
次いで、利用者が呼気アルコール測定器20のスイッチ26を押すことによって呼気アルコール測定器20の電源をONにすると、呼気アルコール測定器20は、アルコールセンサー29のウォームアップを開始した後(S101)、15秒が経過すると(S102でYES)、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがあったか否かを判断する(S103)。
【0096】
利用者が呼気アルコール測定器20の電源をONにしてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みを行っている場合(S103でYES)、呼気アルコール測定器20は、呼気検知情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知し(S104)、記憶装置33に記憶し(S105)、携帯通信端末40に送信して(S106)、電源をOFFにする(S107)。携帯通信端末40は、呼気検知情報を呼気アルコール測定器20から受信すると(S143でYES)、受信した呼気検知情報に、S142において入力されたIDを加えた後(S144)、呼気検知情報を記憶装置46に記憶し(S145)、管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信する(S146)。そして、管理用コンピューター50は、定期的な電子メールのチェック時間が経過した場合に(S161でYES)、管理用の電子メールアドレス宛ての新着メールが電子メールサーバーに有るとき(S162でYES)、新着メールを電子メールサーバーから受信した後(S163)、受信した電子メールの内容である呼気検知情報を表示器53に表示し(S164)、記憶装置55に記憶する(S165)。
【0097】
一方、利用者が呼気アルコール測定器20の電源をONにしてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みを行っていない場合(S103でNO)、呼気アルコール測定器20は、周囲気体測定を実行する(S121)。
【0098】
周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上である場合(S122でYES)、呼気アルコール測定器20は、周囲気体NG情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知し(S123)、記憶装置33に記憶し(S124)、携帯通信端末40に送信して(S125)、電源をOFFにする(S107)。携帯通信端末40は、周囲気体NG情報を呼気アルコール測定器20から受信すると(S147でYES)、受信した周囲気体NG情報に、S142において入力されたIDを加えた後(S148)、周囲気体NG情報を記憶装置46に記憶し(S149)、管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信する(S150)。そして、管理用コンピューター50は、定期的な電子メールのチェック時間が経過した場合に(S161でYES)、管理用の電子メールアドレス宛ての新着メールが電子メールサーバーに有るとき(S162でYES)、新着メールを電子メールサーバーから受信した後(S163)、受信した電子メールの内容である周囲気体NG情報を表示器53に表示し(S164)、記憶装置55に記憶する(S165)。
【0099】
一方、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上ではない場合(S122でNO)、呼気アルコール測定器20は、利用者に対して呼気の吹き込みを表示器24およびブザー25によって促す(S126)。そして、利用者が連続して3秒以上の呼気の吹き込みを行うと(S127でYES)、呼気アルコール測定器20は、呼気測定を実行した後(S128)、呼気測定結果情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知し(S129)、記憶装置33に記憶し(S130)、携帯通信端末40に送信して(S131)、電源をOFFにする(S107)。携帯通信端末40は、呼気測定結果情報を呼気アルコール測定器20から受信すると(S151でYES)、受信した呼気測定結果情報に、S142において入力されたIDを加えた後(S152)、呼気測定結果情報を記憶装置46に記憶し(S153)、管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信する(S154)。そして、管理用コンピューター50は、定期的な電子メールのチェック時間が経過した場合に(S161でYES)、管理用の電子メールアドレス宛ての新着メールが電子メールサーバーに有るとき(S162でYES)、新着メールを電子メールサーバーから受信した後(S163)、受信した電子メールの内容である呼気測定結果情報を表示器53に表示し(S164)、記憶装置55に記憶する(S165)。
【0100】
以上に説明したように、呼気アルコール測定器20は、呼気測定(S128)の前に周囲気体測定(S121)を実行し、周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上である場合に(S122でYES)呼気測定の実行を中止するので、周囲の気体中のアルコール濃度を呼気測定において誤って測定することを抑えることができる。
【0101】
呼気アルコール測定器20は、呼気測定の度にアルコールセンサー29のセル29b内に呼気を取り込む。呼気アルコール測定器20は、仮に周囲気体測定を実行しない構成である場合であっても、呼気測定においてセル29b内に取り込んだ呼気中のアルコール濃度が次回の呼気測定までに触媒29aによってアルコールが完全に燃焼される程度に低ければ、セル29b内に残留した呼気によって次回の呼気測定においてアルコール濃度を誤って測定することはない。一方、呼気アルコール測定器20は、仮に周囲気体測定を実行しない構成である場合に、呼気測定においてセル29b内に取り込んだ呼気中のアルコール濃度が次回の呼気測定までに触媒29aによってアルコールが完全に燃焼されない程度に高いとき、セル29b内に残留した呼気によって次回の呼気測定においてアルコール濃度を誤って測定してしまう。しかしながら、呼気アルコール測定器20は、アルコール濃度が高い呼気が呼気測定によってアルコールセンサー29のセル29b内に残留した場合であっても、次回の周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が所定の濃度以上であるときに次回の呼気測定の実行を中止するので、セル29b内に残留した呼気によって次回の呼気測定においてアルコール濃度を誤って測定することを抑えることができる。
【0102】
利用者の中には、呼気中のアルコール濃度が高いという結果が呼気測定において出ることを避けるために、周囲気体測定において呼気を吹き込むことによって呼気中のアルコール濃度を呼気測定前に把握するという不正を働こうとする者が現れる可能性がある。呼気中のアルコール濃度が高いことを呼気測定前に不正に把握した利用者は、呼気測定を拒否したり、場合によっては呼気測定の実行を不可能にするために呼気アルコール測定器20を壊したりする可能性もある。しかしながら、呼気アルコール測定器20は、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがあった場合(S103でYES)に周囲気体測定(S121)の実行を中止するので、周囲気体測定において呼気を吹き込むことによって呼気中のアルコール濃度を呼気測定前に把握するという不正の発生を抑えることができる。
【0103】
また、利用者が周囲気体測定において呼気を吹き込むことによって呼気中のアルコール濃度を呼気測定前に把握するという不正を働こうとする場合、呼気中のアルコール濃度が高い可能性が高い。呼気アルコール測定器20は、周囲気体測定においてセル29b内に取り込んだ気体中のアルコール濃度が次回の呼気測定までに触媒29aによってアルコールが完全に燃焼されない程度に高いとき、セル29b内に残留した呼気によって次回の呼気測定においてアルコール濃度を誤って測定してしまう。しかしながら、呼気アルコール測定器20は、起動されてから累積で2秒以上の呼気の吹き込みがあった場合(S103でYES)に周囲気体測定(S121)の実行を中止するので、セル29b内に残留した呼気によって次回の呼気測定においてアルコール濃度を誤って測定することを抑えることができる。
【0104】
また、呼気アルコール測定器20は、周囲気体測定の実行の中止を判断する(S103)ための呼気の量と、呼気測定の実行を判断する(S127)ための呼気の量とを同一の流量センサー28によって検知するので、部品点数を抑えることができる。
【0105】
また、呼気アルコール測定器20は、呼気検知情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知する(S104)ので、呼気検知情報を利用者に認識させることができる。また、呼気アルコール測定器20は、周囲気体NG情報を表示器24およびブザー25によって利用者に通知する(S123)ので、周囲気体NG情報を利用者に認識させることができる。
【0106】
また、呼気アルコール測定器20は、呼気検知情報を記憶装置33に記憶する(S105)ので、呼気検知情報を残すことができる。また、呼気アルコール測定器20は、周囲気体NG情報を記憶装置33に記憶する(S124)ので、周囲気体NG情報を残すことができる。
【0107】
また、呼気アルコール測定器20は、呼気検知情報を携帯通信端末40に送信する(S106)ので、呼気検知情報を携帯通信端末40に利用させることができる。また、呼気アルコール測定器20は、周囲気体NG情報を携帯通信端末40に送信する(S125)ので、周囲気体NG情報を携帯通信端末40に利用させることができる。
【0108】
なお、アルコール測定システム10は、本実施の形態において、呼気検知情報、周囲気体NG情報、呼気測定結果情報などの各種の情報を、管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信するようになっているが、管理用の電子メールアドレス宛てに電子メールによって送信しないようになっていても良い。すなわち、アルコール測定システム10は、利用者から離れた場所に設置されている管理用コンピューター50を備えていない構成であっても良い。
【0109】
また、呼気アルコール測定器20は、本実施の形態において本発明の呼気アルコール測定方法を制御部27によって実行するようになっているが、携帯通信端末40などの外部の装置によって制御されて本発明の呼気アルコール測定方法を実行するようになっていても良い。
【0110】
また、呼気アルコール測定器20は、本実施の形態において携帯通信端末40に接続されて動作するようになっているが、携帯通信端末40の機能を呼気アルコール測定器20自身で備えている構成であっても良い。
【0111】
また、呼気アルコール測定器20は、本実施の形態において、呼気が吹き込まれた時間によって呼気の量を判断しているが、時間以外の観点で呼気の量を判断する構成であっても良い。例えば、呼気アルコール測定器20は、呼気の実際の体積によって呼気の量を判断するようになっていても良い。
【0112】
また、本発明の呼気センサーは、本実施の形態において流量センサー28であるが、吹き込まれた呼気を検知するセンサーであれば、流量センサー以外のセンサーであっても良い。
【0113】
また、アルコールセンサー29は、本実施の形態において燃料電池式のアルコールセンサーであるが、気体中のアルコール濃度を測定するセンサーであれば、燃料電池式以外の方式のアルコールセンサーであっても良い。
【符号の説明】
【0114】
20 呼気アルコール測定器
27 制御部(呼気測定手段、周囲気体測定手段、呼気検知結果通知手段、呼気検知結果記憶手段、呼気検知結果送信手段、周囲気体測定結果通知手段、周囲気体測定結果記憶手段、周囲気体測定結果送信手段)
28 流量センサー(呼気センサー)
29 アルコールセンサー
29a 触媒
29b セル(ケース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気中のアルコール濃度の測定である呼気測定を実行する呼気測定手段と、周囲の気体中のアルコール濃度の測定である周囲気体測定を実行する周囲気体測定手段とを備えており、
前記周囲気体測定手段は、前記呼気測定の前に前記周囲気体測定を実行し、
前記呼気測定手段は、前記周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が前記呼気測定の実行の中止のための所定の濃度以上である場合、前記呼気測定の実行を中止することを特徴とする呼気アルコール測定器。
【請求項2】
気体中のアルコール濃度を測定する燃料電池式のアルコールセンサーを備えており、
前記アルコールセンサーは、アルコールを燃焼させて起電力を発生させる触媒と、前記触媒を取り囲むケースとを備えており、
前記呼気測定手段は、前記アルコールセンサーによって前記呼気測定を実行し、
前記周囲気体測定手段は、前記アルコールセンサーによって前記周囲気体測定を実行することを特徴とする請求項1に記載の呼気アルコール測定器。
【請求項3】
吹き込まれた呼気を検知する呼気センサーを備えており、
前記周囲気体測定手段は、前記呼気センサーによって検知された呼気の量が前記周囲気体測定の実行の中止のための所定の量以上である場合、前記周囲気体測定の実行を中止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の呼気アルコール測定器。
【請求項4】
前記呼気測定手段は、前記呼気センサーによって検知された呼気の量が前記呼気測定の実行のための所定の量以上である場合、前記呼気測定を実行することを特徴とする請求項3に記載の呼気アルコール測定器。
【請求項5】
前記周囲気体測定の実行が中止される場合に前記呼気センサーによる検知の結果を視覚的な通知方法および聴覚的な通知方法の少なくとも一方によって通知する呼気検知結果通知手段を備えていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の呼気アルコール測定器。
【請求項6】
前記周囲気体測定の実行が中止される場合に前記呼気センサーによる検知の結果を記憶する呼気検知結果記憶手段を備えていることを特徴とする請求項3から請求項5までの何れかに記載の呼気アルコール測定器。
【請求項7】
前記周囲気体測定の実行が中止される場合に前記呼気センサーによる検知の結果を外部に送信する呼気検知結果送信手段を備えていることを特徴とする請求項3から請求項6までの何れかに記載の呼気アルコール測定器。
【請求項8】
前記呼気測定の実行が中止される場合に前記周囲気体測定の結果を視覚的な通知方法および聴覚的な通知方法の少なくとも一方によって通知する周囲気体測定結果通知手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れかに記載の呼気アルコール測定器。
【請求項9】
前記呼気測定の実行が中止される場合に前記周囲気体測定の結果を記憶する周囲気体測定結果記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8までの何れかに記載の呼気アルコール測定器。
【請求項10】
前記呼気測定の実行が中止される場合に前記周囲気体測定の結果を外部に送信する周囲気体測定結果送信手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項9までの何れかに記載の呼気アルコール測定器。
【請求項11】
呼気アルコール測定器による呼気中のアルコール濃度の測定である呼気測定の前に、前記呼気アルコール測定器の周囲の気体中のアルコール濃度の測定である周囲気体測定を前記呼気アルコール測定器によって実行し、
前記周囲気体測定によって測定されたアルコール濃度が前記呼気測定の実行の中止のための所定の濃度以上である場合、前記呼気測定の実行を中止することを特徴とする呼気アルコール測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−159482(P2012−159482A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21359(P2011−21359)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【特許番号】特許第4785994号(P4785994)
【特許公報発行日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(302031454)東海電子株式会社 (34)
【Fターム(参考)】