説明

咀嚼可能な固体単位剤形及び歯の咬合面への活性剤の送達方法

本発明は、ヒト又は他の動物への局所口腔投与のための、方法及び口腔ケア組成物に関し:a.水溶性親水性ガム類、水溶性親水性ポリマー類、及びこれらの混合物から成る群より選択される、組成物の約1重量%〜約40重量%の保持剤であって、前記保持剤は水又は唾液に曝されると水和する特性を有し、それによって組成物が約1〜約4の保持指数を与える完全な水和塊を形成する保持剤;並びにb.安全且つ有効な量の局所口腔ケアキャリアを含み、ここで、前記組成物は、非齲蝕原性、咀嚼可能な固体単位剤形であり、前記組成物は約65重量%未満の水不溶性粒子状物質類を含む。
本発明はさらに、口腔ケア歯磨き組成物に関し:a.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子状保持剤;b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;c.安全且つ有効な量の界面活性剤;d.安全且つ有効な量の緩衝剤を含み、ここで、前記組成物は咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、非齲蝕原性であり、ここで、前記組成物は約1〜約4の保持指数を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ化物又はその他の口腔ケア活性剤の口腔内での送達(特に持続した送達)のための、固体の咀嚼可能な単位剤形組成物、及び方法に関する。本組成物の最少量を歯の表面、特に歯の小窩、裂溝及び咬合面に付着させ保持するために、被験者がかじる又は噛む機械力が利用される。本組成物は、保持剤、並びに任意に、口腔ケア活性剤、研磨剤、起泡剤、着香料類/感覚剤類、及び/又は特定の緩衝系のような1以上の剤を含む。本発明は、歯の表面上又は歯の表面において及び口腔内でpH緩衝を提供する、固体の咀嚼可能な組成物及び方法にも関する。これらの組成物は咀嚼可能な歯磨き錠剤を含む。
【背景技術】
【0002】
虫歯の発生と歯垢の形成との両方を抑制又は予防するために、多くの試みがなされてきた。例えば、フッ化物溶液類又はゲル類が用いられ、それらは典型的には、歯医者において定期的だが頻繁ではない間隔で適用される。ストレプトコッカスミュータンスのような齲蝕原性細菌が集まってコロニーとなり、歯の表面上に沈着物を形成した場合に、歯垢が生ずる。細菌及び沈着物の存在は歯及び歯肉を損傷し、歯肉炎、虫歯、歯周病及び歯の欠損につながり得る。
【0003】
先行技術は、様々な口腔ケア状態の進行を改変させるために有用な、虫歯、抗菌剤、抗結石、麻酔剤、白色化、及び/又は抗炎症に対する有効性を提供する剤を含む種々の剤を教示している。特に、フッ化物供給化合物類が再石灰化プロセスの促進のための安全且つ有効な手段であることは、古くから知られている。
【0004】
さらに、先行技術は、種々の口腔ケア用途のための錠剤剤形を教示している。例えば、米国特許第4,753,792号(1988年6月28日発行)には、歯洗浄錠剤類が開示されている。具体的には、この参考文献は、咀嚼時に自己起泡及び自己クレンジングする歯洗浄錠剤であって、その錠剤が咀嚼時に歯ブラシで攪拌する必要なしに容易に泡を形成できるようにする、自己起泡性発泡性結合組成物(self-foaming effervescent couple composition)を含む歯洗浄錠剤を教示している。さらに、米国特許第3,962、417号(ハウウェル(Howell)ら)は、およそ70〜75重量%の酸中和剤、及びおよそ17〜20重量%の酸を含む錠剤を教示している。酸中和剤と酸との初期反応は、口の中での発泡作用を作り出す働きをし、次いで、得られる塩基性溶液が酸性のバチルスアシドフィリオス(Bacillus Acidophilios)を中和する。米国特許第5,496、541号(1996年3月5日発行)は、起泡力を大いに向上させるためにポロキサマー類、アニオン性多糖類、及び非イオン性セルロースエーテル類の三成分の界面活性剤系を利用した、錠剤形態であることができる歯科用製品類を教示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
口腔状態を治療するための上記の公知の先行技術及びテクノロジーにもかかわらず、前記先行技術は、咀嚼可能な固体単位剤形を用いて口腔ケア活性剤類を歯の小窩、裂溝、又は咬合面などの歯の表面に直接送達することに関する利益を、十分に評価し課題を解決してはこなかった。本発明は、固体単位剤形をかじり又は咀嚼することにより提供される機械的せん断を通じて、及び保持剤の使用を通じて、これらの利益を提供する。保持剤は組成物の歯の表面への付着及び接着を高める。先行技術はまた、歯の表面、特にほとんどの虫歯が形成される部位、歯の小窩、裂溝、及び咬合面の上、又はそれらの表面におけるpH緩衝を提供するための適切な手段を提案してこなかった。これらの利益は、例えば、本発明の成分の選択及び構成成分の濃度の選択を通して達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ヒト又はその他の動物への局所口腔投与のための口腔ケア組成物に関し:
a.水溶性親水性ガム類、水溶性親水性ポリマー類、及びこれらの混合物から成る群より選択される、組成物の約1重量%〜約40重量%の保持剤であって、前記保持剤は水又は唾液に曝されると水和する特性を有し、それによって組成物が約1〜約4の保持指数を与える完全な水和塊を形成する保持剤;並びに
b.安全且つ有効な量の局所口腔ケアキャリア
を含み、
ここで、前記組成物は非齲蝕原性、咀嚼可能な固体単位剤形であり、前記組成物は約65重量%未満の水不溶性粒子類を含む。
【0007】
本発明はさらに、口腔ケア歯磨き組成物に関し:
a.組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.安全且つ有効な量の緩衝剤
を含み、
ここで、前記組成物は咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、非齲蝕原性であり、ここで、前記組成物は約1〜約4の保持指数を有する。
【0008】
本発明はさらに、緩衝剤を含む上記の組成物を口腔に局所投与することによって、口腔唾液又は口腔環境を緩衝させることを必要としているヒト又は動物被験者の歯の表面上又は歯の表面において、口腔唾液又は口腔環境をpH約7〜約12に少なくとも約2分間緩衝させる方法に関する。
【0009】
本発明は、上記の組成物を口腔に局所投与することによって、口腔ケア活性剤、着香料、感覚剤、又は緩衝剤の持続した送達を、それを必要としているヒト又は動物被験者の口腔内で提供する方法にさらに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、以下の実施形態の詳細説明を、添付図面と共に参照することによってより理解され、これらの図面において同様の参照番号は同一の要素を示す。本発明を制限しようとするものではないが、本発明の実施形態は下記により詳細に記載される。
【0011】
(定義)
「天然歯列」とは、本明細書で使用するとき、天然の歯を有するヒト被験者、歯に1又は2箇所以下の修復箇所又は充填箇所、別の実施形態では3箇所以下の修復箇所又は充填箇所を有し少なくとも8個の臼歯(臼前歯を含む)を有する被験者を意味する。さらに、前記被験者は歯にシーラント又は、上薬やベニア(veneers)を有しておらず、それらの歯は通常のモルホロジー(morphology)を有しており、例えば彼らの臼歯上には比較的平らな面がない。歯ぎしりにより、尖端部が平坦になった比較的平らな臼歯面を生じ得る。修復とは歯冠及び充填を含む。
【0012】
「口腔ケア組成物」又は「口腔組成物」とは、本明細書で使用するとき、治療剤類の全身投与の目的で故意に飲み込まれず、一部の又は実質的に全ての歯の表面及び/又は口腔粘膜組織に口腔活性の目的で接触するのに十分な時間、口腔内に保持される製品を意味する。さらにこれらの用語は、故意に飲み込まれてもよいが、治療剤の全身投与の目的で飲み込まれるのではない製品を意味し得る。
【0013】
「口腔状態」とは、本明細書で使用するとき、虫歯、歯垢、息の悪臭、歯の侵食、歯肉炎、及び歯周病を含む口腔の疾患又は状態を意味する。口腔状態については、PCT国際公開特許WO02/02096A2(P&G、2002年1月10日公開)にさらに記載されている。
【0014】
「安全且つ有効な量」とは、本明細書で使用するとき、健全な医学/歯学的判断の範囲内で、治療すべき状態を著しく(よい方向に)改変するのに、又は所望の抗齲蝕効果をもたらすのに十分多いが、深刻な副作用を回避できるのに十分に少ない(適当な損益の比である)、構成成分の量を意味する。構成成分の安全且つ有効な量は、治療される特定の状態(例えば抗齲蝕活性又は再石灰化効果をもたらすための)、治療される患者の年齢及び身体状態、状態の重症度、治療期間、併用療法の性質、使用する特定の形態、並びに構成成分を適用するための特定のビヒクルによって異なる。
【0015】
「歯磨きペースト」とは、本明細書で使用するとき、特に指示のない限り、治療剤類の全身投与の目的で故意に飲み込まれないが、口腔活性の目的で一部の又は実質的に全ての歯の表面及び/又は粘膜組織に接触するのに十分な時間、口腔内に保持される製品を意味する。
【0016】
「歯(複数可)の表面」とは、本明細書で使用するとき、歯の小窩(pits)、裂溝(fissures)、咬合(occlusal)面、裂け目(cleft)、凹部(crevices)、溝(grooves)、陥凹(depressions)、割れ目(interstices)、凸凹(irregularities)、歯の間及び/若しくは歯肉線に沿った隣接面間、歯の平滑面、並びに/又は歯の破砕(grinding)面又はかじる(biting)面を意味する。
【0017】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「全身の健康」とは、心臓血管疾患、脳卒中、糖尿病、重度呼吸器感染、早産及び出産時低体重(神経/発育機能の分娩後機能不全を含む)を含めて、重大な全身性の疾患及び状態の発生の危険性、並びに関連する高い死亡危険性における減少を特徴とする、全体的な身体の健康を意味する。口腔の感染症は、全身性の感染症を引き起こし得ると考えられている。細菌は、口から血流中に入り、体の他の部分に広がって、ヒトの健康を危険に曝し得る。口腔の感染症が、心臓疾患、糖尿病、呼吸器疾患、及び早産による低体重児出産を含めて、多数の深刻な状態の発生を助長する場合がある。全身の健康、及び口腔感染症を治療することによるその促進については、PCT国際公開特許WO02/02063A2、PCT国際公開特許02/02096A2、PCT国際公開特許WO02/02128A2(全て2002年1月10日公開)にさらに記載されている。
【0019】
本明細書の以下で用いる全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量を基準とする。
本明細書の全ての測定は、他に明示されない限り25℃で行なわれる。
特に指定がない限り、本明細書で言及する成分の百分率、比率及び濃度は全て成分の実際の量に基づき、市販製品としてその成分に混合されていることがある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
本明細書に記載された全ての出版物、特許出願、及び発行された特許は、全て参考として本明細書に組み込まれる。いかなる参照文献の引用も、特許請求する本発明に対する従来技術としての有用性の決定に関する容認ではない。
【0020】
(保持剤)
本発明の必須成分は、安全且つ有効な量の保持剤である。保持剤は、被験者が固体単位剤形をかじった若しくは咀嚼した後(又は被験者が固体単位剤形をかじり若しくは咀嚼し、その後歯をそれでブラッシングした後)の最低時間、組成物の少なくとも最小量が歯の表面の一部上を包む(pack)ことができるように作用する。かじること又は咀嚼の機械力が、剤形の一部が歯の表面、特に小窩及び裂溝上を包む及びそれらの表面に付着するのを助ける。これらの組成物は、かじること又は咀嚼の機械力によって、歯の表面の一部の形状(topography)を包み(pack)又はそれに合致し、それにより歯の表面を細菌、酸類、食物、染み物質類、及び他の物質から保護するための一時的な物理的障壁又は封鎖を提供し得るとともに、口腔ケア活性剤の歯の表面への又は口腔内での広域の直接送達を提供し得る。保持剤は歯の表面に化学的及び/又は物理的に接着するのに十分な結合特性を有していなければならない。一実施形態では、歯磨きペースト固体単位剤形類に対して、保持剤は、歯の表面を包み(pack)又は歯の表面に付着されていない剤形の部分から、使用時に形成される審美的に心地よい粘性スラリーを提供しなければならない。一実施形態では、保持剤は口の中に嫌な感触又は存在感を与えてはならず、例えば過度にべたつく、ゴム様である、ぬるぬるしているなどであってはならない。
【0021】
一実施形態では、本明細書の組成物及び方法は平均保持指数(本明細書では「RI」)が約1〜約4であり、別の実施形態では約2〜約4である。RIは以下のように計算される。最初に、天然歯列を有する少なくとも約5人のヒト被験者(一実施形態では少なくとも約10人、別の実施形態では少なくとも約20人の被験者)を選択する。これらの被験者は2つの錠剤(口の各側で1錠剤)を約5秒〜約30秒間、咀嚼する。その後、被験者は手動のフラットヘッドソフト歯ブラシで約30秒間(別の実施形態では約1分間)歯をブラッシングする。被験者はその後ブラッシングで生じたスラリーを吐き出す。次に、被験者は所望により約10mlの水で漱ぎ、再び吐き出す。5分後、(別の実施形態では約8分後、また別の実施形態では約10分後)、被験者の歯の全ての表面を以下の基準に基づいて視覚的に採点する:
【0022】
【表1】

被験者が1つの歯の別個の面に、例えば歯肉線及び臼歯の小窩中に付着した物質を有する場合は、これらの面は別々に数えられる。「目に見える」とは本明細書では少なくとも肉眼で見えるのに十分な物質が付着していることを意味する。
【0023】
RIの測定の目的のために、白色錠剤類又は被験者の歯の色と同一若しくは類似の色を有する錠剤類に対して、被験者はスラリーを吐き出した後で、染料又は造影剤をも含有する5〜10mLの水溶液で漱ぐ。付着物質はその後、歯の色と対照的な色を有することになる。しかし、本明細書の固体単位剤形類はいかなる色又は形状であってもよいことに注意すべきである。
【0024】
一実施形態では、被験者による咀嚼の後(及び任意にブラッシング後)、初期組成物の約0.5重量%〜約20重量%が歯の表面の一部に付着し、別の実施形態では、初期組成物の約0.8重量%〜約15重量%、別の実施形態では約1重量%〜約10重量%、さらに別の実施形態では約1重量%〜約5重量%が付着する。一旦歯に付着すると、組成物の一部はいくつかの歯の表面に、少なくとも約2分間、別の実施形態では少なくとも約5分間、別の実施形態では少なくとも約10分間、別の実施形態では約1分間〜約1時間、別の実施形態では約10分間〜約35分間、さらに別の実施形態では約15分間〜約30分間、接着したままとなる。
【0025】
一実施形態では、保持剤は、水性流体(水又は唾液)で水和されると水和塊を形成する親水性水溶性のガム又はポリマー性物質である。一実施形態では、水又は唾液に曝された後、約1〜約120秒の間に、別の実施形態では約5〜約60秒の間に、ゲルの形成が起こる。適切な速さの水和により、歯の表面に付着した物質の溶解、離解、又は侵食が最小限に抑えられるとともに、水又は唾液の付着物質への更なる急速な浸透が最小限に抑えられる。一実施形態では、本組成物は、組成物の約1重量%〜約40重量%、別の実施形態では約2重量%〜約40%、別の実施形態では約7重量%〜約25重量%、別の実施形態では約8重量%〜約20重量%、さらに別の実施形態では約11重量%〜約18重量%の親水性水溶性のガム又はポリマー性の保持剤を含む。
【0026】
一実施形態では、保持剤はアカシア、カラヤゴム、グアーガム、ゼラチン、アルギン酸及びその塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、アクリルアミドポリマー類、架橋ポリアクリル酸、疎水変性ポリアクリル酸ポリマー類、ポリビニルアルコール、エチレンオキシドポリマー類、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー類、セルロース誘導体類、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース;キサンタンガム、カラギーナン、イナゴマメゴム、アラビアゴム、トラガカントゴム、プルラン、予めゼラチン化された及び部分的に予めゼラチン化されたデンブン、加水分解デンプン、マルトデキストリン及びコーンシロップ固形物類、水素添加マルトデキストリン、水素添加デンプンヒドロシレート(hydrogenated starch hydrosylates)、アミロース、アミロペクチン、デンプン誘導体類、並びにこれらの混合物から成る群より選択される。
【0027】
別の実施形態では、保持剤は、アカシア、カラヤゴム、グアーガム、ゼラチン、アルギン酸及びその塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ポリエチレンオキシド、アクリルアミドポリマー類、架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、イナゴマメゴム、アラビアゴム、トラガカントゴム、プルラン、予めゼラチン化された及び部分的に予めゼラチン化されたデンプン、加水分解デンプン、マルトデキストリン及びコーンシロップ固形物類、水素添加デンプンヒドロシレート(hydrogenated starch hydrosylates)類、アミロース、アミロペクチン、デンプン誘導体類、並びにこれらの混合物から成る群より選択される。
【0028】
別の実施形態では、保持剤は、アカシア、カラヤゴム、グアーガム、アルギン酸及びその塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、カラギーナン、イナゴマメゴム、アラビアゴム、トラガカントゴム、プルラン、並びにこれらの混合物から成る群より選択される。
別の実施形態では、保持剤は、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxyproplycellulose)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0029】
一実施形態では、保持剤は、例えばより高い相対親水性基置換度(例えば、約7%〜約12%ヒドロキシプロピル置換)及びより低い相対疎水性置換度(例えば約19%〜約24%メトキシ置換)を有する、比較的親水性のポリマー又はガム、例えばメトセル(Methocel)K(ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208型、ダウケミカル社(Dow Chemical Co.)より)、メトセルK4Mプレミアム、及びK100LVプレミアム等級(ダウケミカル社(Dow Chemical Company))などである。
【0030】
一実施形態では、保持剤は、比較的小さな粒径を有する(例えば、少なくとも75%のポリマーが200メッシュのふるいを通過し、別の実施形態では、少なくとも75%のポリマーが100メッシュのふるいを通過する)親水性ポリマー又はガム、例えば、メトセル(Methocel)K(ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208型、ダウケミカル社(Dow Chemical Co.)から)、高いヒドロキシプロピル置換度を有し低いメトキシ置換度を有するセルロースポリマー類、メトセルK4Mプレミアム及びK100LVプレミアム等級(ダウケミカル社(Dow Chemical Company))などである。
【0031】
一実施形態では、保持剤は、比が約1:1〜約1:2.5であるメトセル(Methocel)K4MプレミアムとK100LVプレミアム等級(ダウケミカル社(Dow Chemical Company))との混合物である。
別の実施形態では、保持剤は、メトセル(Methocel)E(ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910型、ダウケミカル社(Dow Chemical Co.)より)であり、これは、ヒドロキシプロピル置換度が7〜12%であり、メトキシ置換度が28〜30%である。
【0032】
一実施形態では、組成物は、粘度が約0.08Pa・s(80cps)〜約20Pa・s(20,000cps)、別の実施形態では、約0.1Pa・s(100cps)〜約15Pa・s(15,000cps)、さらに別の実施形態では約0.15Pa・s(150cps)〜約10Pa・s(10,000cps)の親水性水溶性ガム又はポリマー性物質である保持剤を、約1重量%〜約20重量%、別の実施形態では約1重量%〜約18重量%、別の実施形態では約3重量%〜約16重量%含む。これらの粘度は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのためのUSPオフィシャルモノグラフで与えられる方法、及び粘度の物理的試験により決定される。一実施形態において、これらのより低粘度の物質は、より高粘度のヒドロゲル材料(例えば、粘度が約21Pa・s(21,000cps)〜約100Pa・s(100,000cps)の粘度)と混合される。
【0033】
一実施形態では、保持剤は、アクアロン(Aqualon)から入手可能なナトラゾル(Natrasol)250、又はアクアロンから入手可能な中程度若しくはより高い粘度のヒドロキシエチルセルロースである。
一実施形態では、保持剤は、高粘度カルボキシメチルセルロース、例えばアクアロン(Aqualon)から入手可能なカルボキシメチルセルロース7H3(平均粘度、約3Pa・s(3,000cps))、アクアロンから入手可能なカルボキシメチルセルロース9H4(平均粘度、約4Pa・s(4,000cps))、及びアクアロンから入手可能なアクアソルブ(Aquasorb)A500である。
【0034】
一実施形態では、保持剤として、ペンタエリスリトールのアルキルエーテル若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマー類、又はカルボマー類の部類が挙げられる。カルボマー類は、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)からカルボポール(Carbopol)(登録商標)シリーズとして市販されている。特に好ましいカルボポール類としては、カルボポール(Carbopol)934、940、941、956、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
上記の保持剤の具体的な供給源は次の通りである。アカシア、グアーガム、トラガカント、キサンタンガム、イナゴマメゴム、グアーガム、及び寒天はグミックスインターナショナル(Gumix International)から種々の等級で入手可能である。それぞれ以下のように入手可能である:カラギーナン及びペクチン(商品名ゲヌ(Genu)(登録商標)、ケルコ(Kelco)から);カラヤゴム(ケルトロール(Keltrol)(登録商標)、ケルコから);コンニャク(FMC);ゼラチン(カインドアンドノックス(Kind and Knox));アルギン酸及びその塩類、例えばアルギン酸ナトリウム及びアルギン酸プロピレングリコール(プロタノール(Protanol)(登録商標)FMC及びケルコイド/ケルギン(Kelcoid/Kelgin)(登録商標)、ケルコ);ポリエチレングリコール(カルボワックス(Carbowax)(登録商標)、ユニオンカーバイド(Union Carbide));エチレンオキシドポリマー類、ポリエチレンオキシド(ポリオックス(Polyox)(登録商標)、ユニオンカーバイド)、ポリビニルアルコール(エルバノール(Elvanol)(登録商標)、デュポン(Du Pont));ポリビニルピロリドン及び誘導体類(プラスドン(Plasdone)(登録商標)、ISP);コリドン(Kollidone)(登録商標)、バスフ(BASF));架橋ポリアクリル酸類、それらの塩類及び誘導体類(カルボポール(Carbopol)(登録商標)、ノベオン(Noveon)、及びポリカルボフィル(Polycarbophil)(登録商標)、BFグッドリッチ/ノベオン(BF Goodrich/Noveon);疎水変性ポリアクリル酸ポリマー類(カルボポール(Carbopol)(登録商標)1342と1382、及びカルボポール(登録商標)ETD2020、並びにペムレン(Pemulen)(登録商標)TR−1、TR−2、1621、及び1622として販売、全てBFグッドリッチから入手可能)、カルボキシメチルセルロース(セコール(Cekol)(登録商標)、メタセルラ(Metsa-Serla));ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル(Natrosol)(登録商標)、アクアロン(Aqualon)(登録商標)/ハーキュレス(Hercules));ヒドロキシプロピルセルロース(クルーセル(Klucel)(登録商標)、アクアロン(登録商標)/ハーキュレス);ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース(メトセル(Methocel)(登録商標)、ダウ(Dow));予めゼラチン化された及び部分的に予めゼラチン化されたデンプン(ユニピュア(Unipure)(登録商標)/ナショナル(National)78−1551、ナショナルスターチ(National Starch);スターチ(Starch)1500、カラーコン(Colorcon));加水分解デンプン、マルトデキストリン及びコーンシロップ固形物類(マルトリン(Maltrin)(登録商標)、グレインプロセシング(Grain Processing));水素添加デンプンヒドロシレート類(hydrogenated starch hydrosylates)(ヒスター(Hystar)(登録商標)、SPIポリオール(SPI Polyols))。
【0036】
別の実施形態では、保持剤は、水溶解度が25℃で約1g/30g未満、別の実施形態では25℃で約1g/100g未満、さらに別の実施形態では25℃で約1g/1000g未満である、水不溶性粒子状保持剤であってもよい。粒子状保持剤類の濃度は、一般に、組成物の約65%未満、別の実施形態では約60重量%未満、別の実施形態では約30重量%〜約65重量%、別の実施形態では約30重量%〜約60重量%、別の実施形態では約35重量%〜約55重量%である。粒子状保持剤の例としては、炭酸カルシウム、雲母、チタン酸雲母、炭酸マグネシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
一実施形態では、粒子状保持剤は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及びこれらの混合物から成る群より選択される。
一実施形態では、本発明の組成物は、齲蝕原性であるとして知られているデンプン類、糖類、多糖類、又は発酵性糖類(例えばスクロースなど)を、約5重量%未満、別の実施形態では2重量%未満有しており、さらに別の実施形態では、それらを本質的に含まない。上記に挙げたデンプン類を保持剤として使用することによりもたらされる可能性のある齲蝕原性効果は、本組成物中にフッ化物イオン類、緩衝剤類を含めること、及び/又は非齲蝕原性の多糖類を使用することによって妨げることができる。
【0038】
本組成物の一実施形態は、発泡性組成物ではない。一実施形態では、保持剤は非齲蝕原性である。
一実施形態では、これらの組成物は、水溶解度が25℃で約1g/30g未満、別の実施形態では25℃で約1g/100g未満、さらに別の実施形態では25℃で約1g/1000g未満である水不溶性粒子類(例えば歯研磨剤類又はその他の粒子性キャリア類など)を、約65%未満、別の実施形態では約60%未満、別の実施形態では約55%未満を有する。
【0039】
(保持改変剤)
一実施形態においては、組成物の保持特性を増大又は減少させるために、組成物は任意に保持改変剤類を、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、別の実施形態では約2重量%〜約18重量%、別の実施形態では2重量%〜15重量%の濃度で含むことができる。これらの保持改変剤類は、ベントナイト類、ペクチン、脂肪類、ワックス類、セラック、エチルセルロース、不溶性ポリマー類、界面活性剤類、粘土類、ゼイン、シクロデキストリン類(クレプトーゼ(Kleptose)、ロケッテ(Roquette));タンパク質類及びタンパク質加水分解物類(例えば、クロテイン(Crotein)(登録商標)、クロダ(Croda)から)、アルキルビニルエーテル−マレイン酸又は無水コポリマー及びその塩類、並びにこれらの混合物から成る群より選択される。さらに、これらの保持改変剤類は、固体単位剤形に疎水性を付加して、付着物質からの活性剤の侵食又は溶解を低速化させることができる。アルキルビニルエーテル−マレイン酸又は無水コポリマー類は、それらの遊離酸類、又は部分的に若しくは完全に中和されたアルカリ金属塩類(例えば、亜鉛、マグネシウム、鉄、カルシウム、ストロンチウム、カリウム、及びナトリウム)、又はアンモニウム塩類、及びこれらの混合物の形態で使用され、これらは米国特許第6,475,498号(ラジャイア(Rajaiah)ら、2002年11月2日発行)、米国特許第6,475,497号(ラジャイア(Rajaiah)ら、2002年11月2日発行)に開示されており、これらには、ガフ社(GAF Corporation)のガントレツ(Gantrez)AN139(M.W.500,000)、A.N.119(M.W.250,000)、AN169、及びS−97医薬品等級(M.W.70,000)が挙げられる。
【0040】
(任意の緩衝剤及びpH)
本組成物は、任意に緩衝剤を含む。一実施形態では、本発明は、歯の表面上又は歯の表面における唾液又は環境をpH約7〜約12に緩衝するための組成物及び方法に関する。本発明の咀嚼可能な固体単位剤形類のこの緩衝作用は、口腔内での虫歯病巣の形成に対する有効性を改善することができる。改善された抗齲蝕有効性は、歯の表面、特に大部分の虫歯が形成される歯の小窩、裂溝、若しくは咬合面の上、又はそれらの表面において存在する酸環境を直接中和することによって達成されることができる。
【0041】
好適ないかなる緩衝剤も、本明細書で安全且つ効果的な量で用いるために選択されてよい。一実施形態では、緩衝剤は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムのような水溶性緩衝剤類、ホスフェート緩衝剤類、アラニン及びグリシンのようなアミノ酸緩衝剤類、並びにこれらの混合物から成る群より選択されてよい。別の実施形態では、緩衝剤は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム;ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸塩類、及びこれらの混合物から成る群より選択される。別の実施形態では、緩衝剤は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及びこれらの混合物である。緩衝剤はまた、水不溶性緩衝剤、例えば炭酸カルシウムを含むこともできる。
【0042】
一実施形態では、本組成物は、組成物の約0.1重量%〜約25重量%、別の実施形態では約1〜約20重量%、別の実施形態では約5〜18重量%の緩衝剤を含む。
リン酸二ナトリウムはまた、オルトリン酸二ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ソーダ、及び第二リン酸ナトリウム(secondary sodium phosphate)としても知られている。
【0043】
緩衝剤を含む本明細書の組成物を咀嚼した後、歯の表面上又は歯の表面における唾液及び/又は環境のpHは、約7〜約12、別の実施形態では約7.5〜約10、別の実施形態では約8〜約9である。本明細書で使用するとき、「歯の表面上又は歯の表面における環境」とは、歯の表面上に詰め込まれ又は付着された固体単位剤形に隣接しているが、歯の表面上に詰め込まれた物質に直接触れていない歯の表面を意味する。このpHは少なくとも約2分間、別の実施形態では少なくとも約5分間、別の実施形態では少なくとも約15分間、さらに別の実施形態では少なくとも約30分間持続される。別の実施形態では、このpHは、約5分間〜約60分間、別の実施形態では約5分間〜約30分間持続される。
【0044】
pHは以下の手順で測定されることができる。天然歯列を有する被験者が本発明の単位剤形を、その単位剤形が崩れるまで咀嚼する(例えば、約5秒間〜約30秒間咀嚼する)。所望により、その後、被験者は約30秒間、別の実施形態では約1分間、手動のフラットヘッドソフト歯ブラシで歯をブラッシングする。被験者はその後、吐き出し、任意に約10mLの水で漱いで、再度吐き出す。スポンジが先端に付いたクリティカル綿棒(Critical swab)を用いて唾液を収集する。スポンジ先端を歯の表面上又は歯の表面のあたりに置く。次に綿棒のハンドルを長さおよそ1.5mmに切断し、次いでミクロ遠心管に入れる(綿棒の末端部を上にして)。サンプルを1047rad/s(10,000rpm)で10分間遠心分離する。綿棒を管から取り除いて、唾液だけが残るようにする。この唾液のpHを、コーニングpHメーター(Corning pH meter)モデル430に接続されたミクロpH電極(例えばサーモオリオンミクロコンビネーション(Thermo Orion micro combination)#9810BN)を用いて測定する。pH測定は咀嚼及び付着後の様々な時間、すなわち5、10、15、30分後に行ってよい。
別の方法としては、唾液サンプル(2〜5mL)を口腔から取り出し、その唾液サンプルのpHを任意の適当なpH電極により測定する。
【0045】
(任意の口腔ケア活性剤)
本発明は、抗結石剤、フッ化物イオン源、抗菌剤、象牙質減感剤、麻酔剤、抗真菌剤、抗炎症剤、選択的H−2拮抗剤、抗齲蝕剤、再石灰化剤、白色化剤、抗侵食剤、ビタミン及びミネラル、並びにこれらの混合物から成る群より選択される、また別の実施形態では、抗結石剤、フッ化物イオン源、抗菌剤、抗齲蝕剤、及びこれらの混合物から成る群より選択される、安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤を任意に含んでもよい。これらの口腔ケア活性剤類は1以上の口腔状態を治療するために有用である。
【0046】
口腔ケア活性剤類は、好適な単位用量で固体剤形に存在できる。これらの量は当業者には既知となり、以下に開示されている。
一実施形態では、本発明の咀嚼可能な単位剤形の利点は、この組成物が、先行技術において従来から既知であり使用されている口腔ケア活性剤の用量よりも少ない用量で有効性を提供し得ることである。従来よりも少ない用量で有効性を提供し得るのは、この口腔ケア活性剤の用量が歯の表面に直接送達され、歯の表面上に保持されるためである。
【0047】
(抗齲蝕剤及びフッ化物イオン源)
本組成物は、安全且つ有効な量の抗齲蝕剤、再石灰化剤、及びこれらの混合物を任意に含んでもよい。一実施形態では、抗齲蝕剤はキシリトール、フッ化物イオン源、及びこれらの混合物から成る群より選択される。フッ化物イオン源は、組成物の咀嚼時に遊離フッ化物イオンを提供する。一実施形態では、口腔ケア活性剤は、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化インジウム、アミンフッ化物のような有機フッ化物類、及びモノフルオロリン酸ナトリウムから成る群より選択されるフッ化物イオン源である。フッ化ナトリウムは別の実施形態におけるフッ化物イオンである。米国特許第2,946,725号(ノリス(Norris)ら、1960年7月26日発行)及び米国特許第3,678,154号(ウィダー(Widder)ら、1972年7月18日発行)は、このようなフッ化物塩類、並びにフッ化物イオン源として使用できるその他のものを開示している。
【0048】
本発明の咀嚼可能な単位剤形類の利点は、この組成物がより少ない用量の口腔ケア活性剤で有効性を提供し得ることであり、これはこの口腔ケア活性剤の用量が歯の表面に直接送達されて、十分な時間歯の表面上に保持されることによる。例えば、フッ化物イオン源を歯の表面上に直接送達すること、及び大部分の虫歯が形成される領域、特に歯の小窩、裂溝、及び咬合面にフッ化物を直接接着させる手段を提供することにより、より少ない用量のフッ化物を使用することができ、これにより安全性の利点が提供される可能性がある。
【0049】
一実施形態では、フッ化物イオン源の濃度は、約5ppm〜約3500ppm、別の実施形態では約10ppm〜約3000ppm、別の実施形態では、約50ppm〜約2,800ppm、別の実施形態では、約100ppm〜約2,000ppm、別の実施形態では約300ppm〜約1,500ppm、及びさらに別の実施形態では、約850ppm〜約1,100ppm又は約200ppm〜約300ppmの遊離フッ化物イオンである。一実施形態では、錠剤のサイズは約250mg〜約1500mg、別の実施形態では、約250mg〜約1,000mg、別の実施形態では約250mg〜約500mgである。
【0050】
適当な口腔ケア活性剤用量が1錠で提供される一実施形態では、被験者が錠剤を半分に分割して1/2錠を口のそれぞれの側に置いてから咀嚼するように、錠剤の数を合わせてもよい。適当な用量が2錠で提供される一実施形態においては、その場合被験者は、咀嚼前に口の両側に1錠ずつを置くことができる。あるいは、適当な用量が1錠(1日2回)である場合には、被験者は、朝に1錠を口の一方の側で咀嚼し、夜、もう1錠を口のもう一方の側で咀嚼することができる。
【0051】
(再石灰化剤)
その他の任意の抗齲蝕剤として、エナメル質及び象牙質を再石灰化する剤が挙げられる。これらの再石灰化剤は虫歯のプロセスを予防し、治療し、及び/又は逆行させる。任意の再石灰化剤は、唾液に可溶であるか又は加熱若しくはpHの変化により可溶となるカルシウムイオン源、及び/又はホスフェートイオン源;フッ化物イオン源と不溶性若しくは可溶性カルシウムイオン源との錯体類及びそれらの非晶質形態類;フッ化物イオン源と不溶性若しくは可溶性ホスフェートイオン源との錯体類及びそれらの非晶質形態類;フッ化物イオン源と不溶性若しくは可溶性カルシウム及びホスフェートイオン源及びそれらの非晶質形態類;非晶質形態類;リン酸二カルシウム;ヒドロキシアパタイト(hydroxapatite);ナノ−ヒドロキシアパタイト;ストロンチウムEDTA錯体と可溶性フッ化物イオン源との組み合わせ;カゼイングリコマクロペプチド、並びにこれらの混合物から成る群より選択される。
【0052】
カルシウム、ホスフェート及び/又はフッ化物の組み合わせは、米国特許第5,037,639号(タン(Tung)1991年8月6日発行)、米国特許第6,000,341号(タン、1999年12月14日発行)、米国特許第5,258,167号(タン、1993年12月7日発行)、米国特許第6,303,104号(ウィンストン(Winston)ら、2001年10月16日発行)、米国特許第6,159,449号(ウィンストンら2000年12月12日発行)、米国特許第6,159,448号(ウィンストンら、2000年12月12日発行)、米国特許第6,036,944号(ウィンストンら、2000年3月14日発行)、米国特許第5,895,641号(ウーゼン(Usen)ら、1989年4月20日発行)、米国特許第5,866,102号(ウィンストンら、1999年2月2日発行)、米国特許第5,858,333号(ウィンストンら、1999年1月12日発行)、米国特許第5,833,957号(ウィンストンら、1998年11月10日発行)、米国特許第5,817,296号(ウィンストンら、1998年10月6日発行)、米国特許第5,614,175号(1997年3月25日発行)、米国特許第5,605,675号(ウーゼンら、1997年2月25日発行)、米国特許第5,571,502号(ウィンストンら、1996年11月5日発行)、米国特許第6,120,754号(リー(Lee)ら、2000年9月19日発行)、米国特許第6,214,321号(リーら、2001年4月10日発行)に開示されている。
【0053】
カゼイングリコマクロペプチド類は米国特許第5,853,704号(チャン(Zhang)ら、1998年12月29日発行)、米国特許第6,207,138号(チャンら、2001年3月27日発行)、米国特許第5,741,773号(チャンら、1998年4月21日発行)、米国特許第4,992,420号(ネッサー(Nesser)、1991年2月12日発行)に開示されている。
再石灰化剤は、米国特許第4,978,522号(バーベラ(Barbera)ら、1989年12月18日発行)に開示されているような、ストロンチウムEDTA錯体と可溶性フッ化物イオン源との組み合わせを含むことができる。
【0054】
平均サイズが0.5及び200nmであるナノ結晶性ヒドロキシアパタイトが、PCT国際公開特許WO00/03747(ドルチ(Dolci)ら、2000年1月27日公開)に開示されている。本発明のナノヒドロキシアパタイトには、米国特許第5,833,959号(アツミ(Atsumi)ら、サンギ社(Sangi Co.)、1998年11月10日発行)に開示されるものも含まれ、この特許は、歯の組織に使用するための、最低でも0.1重量%で、粒径が約1.0μmまで、通常は約0.05μm〜約1.0μmの範囲であるヒドロキシアパタイトを有する組成物を教示している。アツミ(Atsumi)らにおいては、ヒドロキシアパタイトはまた第三リン酸カルシウム(calcium teriary phosphate)とも称されている。本明細書で有用なその他のヒドロキシアパタイト物質としては、米国特許第4,923,683号(サクマ(Sakuma)ら、サンギ(Sangi)に譲渡、1990年5月8日発行)、米国特許第5,135,396号(クボキ(Kuboki)、サンギに譲渡、1992年8月4日発行)に記載されているものが挙げられる。
これらの再石灰化剤は、任意に、約0.1重量%〜20重量%、別の実施形態では、約0.5重量%〜約5重量%、さらに別の実施形態では、約1重量%〜約3重量%の濃度で用いられる。
【0055】
(生物学的抗齲蝕剤)
本発明はまた、任意に、安全且つ有効な量の生物学的物質、例えば、虫歯プロセスにおいてあまり損害を与えないものとなるように改質された、虫歯の発達の原因となる又はそれを助長する口腔細菌の一種を含んでいてもよい。例えば、ストレプトコッカスミュータンスは虫歯(歯の表面上の細菌と炭水化物類との相互作用により生ずる酸によって引き起こされる歯のミネラル部分の溶解によって特徴付けられる病気)における主要な病原体であると考えられている。変性細菌には、例えば、米国特許第特許5,607,672号(ヒルマン(Hillman)、1997年3月4日発行)に記載されているような、乳酸生成及び組替え型(recombinant)アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)の生成の欠乏によって特徴付けられる組替え型ストレプトコッカスミュータンス菌株類が挙げられる。これらのミュータント菌株類のいくつかは、ストレプトコッカスミュータンス菌株BHT−2(str)から分離されており、これは酵素、L(+)乳酸デヒドロゲナーゼの構造遺伝子における単一点突然変異を特徴とし、この酵素は、通常、この細菌による乳酸の生成に関する役割を担っている。例えば、米国特許第4,133,875号(ヒルマン(Hillman)、1979年1月9日発行)、及び米国特許第4,324,860号(ヒルマン、1982年4月13日発行)を参照のこと。これらの組替え型(recombinant)S.ミュータンス菌株類は、虫歯の予防又は治療に使用するのに好適である。
【0056】
(抗結石剤)
本発明の組成物は、任意に、安全で且つ有効な量の少なくとも1つの抗結石剤を含んでいてもよい。この量は、一般には組成物の約0.01重量%〜約40重量%、別の実施形態では組成物の約0.1重量%〜約25重量%、さらに別の実施形態では組成物の約4.5重量%〜約20重量%、及びさらに別の実施形態では組成物の約5重量%〜約15重量%である。有効量の抗結石剤が、固体単位剤形より放出される。抗結石剤はさらに、本質的には組成物のその他の成分と相溶性であるべきである。
【0057】
抗結石剤は、ポリホスフェート類及びそれらの塩類;ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びそれらの塩類;ポリオレフィンスルホネート類及びそれらの塩類;ポリビニルホスフェート類及びそれらの塩類;ポリオレフィンホスフェート類及びそれらの塩類;ジホスホネート類及びそれらの塩類;ホスホノアルカンカルボン酸及びそれらの塩類;ポリホスホネート類及びそれらの塩類;ポリビニルホスホネート類及びそれらの塩類;ポリオレフィンホスホネート類及びそれらの塩類;ポリペプチド類;並びにこれらの混合物から成る群より選択される。一実施形態では、前記塩類はアルカリ金属塩類である。その他の実施形態では、抗結石剤は、ポリホスフェート類及びそれらの塩類;ジホスホネート類及びそれらの塩類;並びにこれらの混合物から成る群より選択される。別の実施形態では、抗結石剤は、ピロホスフェート、ポリホスフェート、及びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0058】
(ポリホスフェート)
本発明の一実施例では、抗結石剤はポリホスフェートである。ポリホスフェートには、いくつかの環状誘導体が存在する場合もあるが、主として直鎖状構造に配置された2つ以上のホスフェート分子から成ると一般に理解されている。直鎖状ポリホスフェート類は、(XPO3nに相当し、式中、nは約2〜約125であり、好ましくはnは4よりも大きく、Xは、例えばナトリウム、カリウムなどである。(XPO3nについては、nが少なくとも3である場合、そのポリホスフェート類の性質はガラス質である。これらのホスフェート類の対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、C2〜C6のアルカノールアンモニウム及び塩の混合物であってよい。ポリホスフェート類は、一般には、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩類、及びそれらの混合物のような、全体的に又は部分的に中和されたそれらの水溶性アルカリ金属塩類として使用される。これらの無機ポリホスフェート塩類には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリリン酸、テトラポリホスフェート、二酸ジアルキル金属(例えば、ジナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、トリナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタホスフェート、並びにこれらの混合物が挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェート類は、普通は非晶性ガラス状物質として生じる。一実施例では、ポリホスフェート類は、FMC社(FMC Corporation)で製造され、ソダフォス(Sodaphos)(n≒6)、ヘキサフォス(Hexaphos)(n≒13)、及びグラスH(Glass H)(n≒21)、及びそれらの混合物として商業上知られているものである。本組成物は典型的に、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、一実施形態では約4重量%〜約15重量%、さらに別の実施形態では約6重量%〜約12重量%のポリホスフェートを含む。
【0059】
上記のホスフェート源は、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)著、工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)、第4版、18巻、ワイリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)(1996)、685〜707頁に詳細に記載されており、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)に組み入れられた全ての参考文献を含めて、それらの全てを本明細書に参考として組み入れる。
【0060】
一実施形態では、ポリホスフェート類は、次式を有する直鎖「ガラス状」ポリホスフェート類であり:
XO(XPO3n
式中、Xはナトリウム又はカリウムであり;nの平均は約6〜約125である。
【0061】
一実施形態では、nが上記のポリホスフェートの式のそれぞれについて少なくとも2であるとき、抗結石剤の濃度は組成物の約0.5重量%〜約40重量%、別の実施形態では約2重量%〜約25重量%、及びさらに別の実施形態では約5重量%〜約15重量%である。ポリホスフェート類は米国特許第4,913,895号に開示されている。
【0062】
(ピロホスフェート)
本発明の組成物に有用なピロホスフェート塩類としては、アルカリ金属ピロホスフェート類、ジ−、トリ−、及びモノカリウム又はナトリウムピロホスフェート、ジアルカリ金属ピロホスフェート塩類、テトラアルカリ金属ピロホスフェート塩類、並びにこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、ピロホスフェート塩は、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na2227)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na427)、ピロリン酸四カリウム(K427)、及びこれらの混合物から成る群より選択される。ピロホスフェート塩類は、米国特許第4,515,772号(1985年5月7日発行)及び米国特許第4,885,155号(1989年12月5日発行)(両方ともパラン(Parran)ら)に記載されている。ピロホスフェート塩類については、カーク(Kirk)及びオスマー(Othermer)著、工業化学百科事典(Encyclopeadia of Chemical Technology)、第3版、17巻、ワイリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)(1982)、685〜707頁に詳細に記載されている。
【0063】
一実施例では、本発明の組成物は、ピロリン酸四ナトリウムを含む。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形態若しくは十水和物の形態、又は本発明の組成物中で固体形態で安定な他のいかなる種類であってもよい。塩はその固体粒子状形態にあるが、その結晶性及び/又は非晶性状態であってもよく、その塩の粒径は好ましくは、審美的に受け入れ可能であるように、及び使用時に容易に溶解するように十分小さい。
【0064】
本発明の組成物におけるピロホスフェート塩の濃度は、いずれかの安全且つ有効な量であり、一般には組成物の約1.5重量%〜約15重量%、別の実施形態では約2重量%〜約10重量%、及びさらに別の実施形態では約3重量%〜約8重量%である。
【0065】
アザシクロアルカン−2,2−ジホスホン酸類は、米国特許第3,941,772号(プロジャー(Ploger)ら、ヘンケル社(Henkel)に譲渡、1976年3月2日発行)、及び米国特許第3,988,443号(プロジャー(Ploger)ら、1976年10月26日発行)に開示されている。
【0066】
ピロホスフェート塩の代わりに又はピロホスフェート塩と組み合わせて用いられる任意の剤としては、例えば米国特許第4,627,977号(ガファー(Gaffar)ら)に記載されているような、ポリアクリレート及び無水マレイン酸又はマレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー類(例えば、ガントレツ(Gantrez))を含む合成アニオン性ポリマー類として既知の物質などが挙げられ、並びに、例えばポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリホスフェート類(例えば、トリポリリン酸;ヘキサメタホスフェート)、ジホスホネート類(例えば、EHDP;AHP)、ポリペプチド類(ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸など)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
(抗侵食剤)
細菌作用により引き起こされる表面下の脱硬質化又は虫歯に対し、歯の侵食は、過酷な研磨及び酸のような化学作用による、表面からの歯の物質の永久的な損失である。歯の侵食は歯垢細菌を伴わない状態であり、したがって歯垢細菌によって発生する酸によって引き起こされる病気である虫歯とは区別される。歯の侵食は外因性の又は内因性の要因により引き起こされ得る。
【0068】
抗侵食剤は、これらに限定されないが、縮合ホスホリル化ポリマー類;ポリホスホネート類;ポリカルボキシレート類及びカルボキシ−置換ポリマー類;ホスフェート含有又はホスホネート含有モノマー類若しくはポリマー類とエチレン性不飽和モノマー類、アミノ酸類、又は、タンパク質類、ポリペプチド類、多糖類、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(エタクリレート)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(無水マレイン酸)、ポリ(マレアート)ポリ(アミド)、ポリ(エチレンアミン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルアセテート)若しくはポリ(ビニルベンジルクロライド)から選択されるその他のポリマー類とのコポリマー類から成る群より選択されるポリマー性ミネラル界面活性剤を含んでもよい。一実施形態では、抗侵食剤は、ポリホスフェート類(n=21(上述))、トリポリリン酸、及びこれらの混合物から成る群より選択される。スズ、亜鉛、銅、及びこれらの混合物から選択される金属イオン類もまた抗侵食剤として有用である。抗侵食剤は、米国特許2003/0165442A1(2003年9月4日公開)にさらに記載されている。
【0069】
(抗菌剤)
抗菌性坑歯垢剤もまた、任意に本組成物に存在してもよい。そのような剤には、これらに限定されないが、トリクロサン、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール(メルクインデックス(Merck Index)、11版(1989年)、1529頁(項目番号9573)、米国特許第3,506,720号、及び欧州特許出願第0,251,591号(ビーカム(Beecham)グループ、PLC、1988年1月7日公開)に記載);クロルヘキシジン(メルクインデックス、番号2090);アレキシジン(メルクインデックス、番号222);ヘキセチジン(メルクインデックス、番号4624);サンギナリン(メルクインデックス、番号8320);塩化ベンザルコニウム(メルクインデックス、番号1066);サリチルアニリド(メルクインデックス、番号8299);臭化ドミフェン(メルクインデックス、番号3411);塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルクインデックス、番号2024);塩化テトラデシルピリジニウム(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロライド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール、オクタピノール(octapinol)及びその他のピペリジノ誘導体類;効果的な抗菌量の精油類及びそれらの組み合わせ、例えば、シトラール、ゲラニアール及び、メントールとユーカリプトールとチモールとサリチル酸メチルとの組み合わせ;抗菌性金属類及びそれらの塩類、例えば、亜鉛イオン類、スズイオン類、銅イオン類、及び/又はこれらの混合物を与えるもの;ビスビグアニド類(bisbiguanides)又はフェノール樹脂類;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾールのような抗生物質類;並びに上記の抗菌性抗歯垢剤の類似体類及び塩類;カンジダアルビカンスの治療のためのもののような抗真菌剤を挙げることができる。存在する場合、これらの剤は一般に、安全且つ有効な量で、例えば本発明の組成物の約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0070】
(抗炎症剤)
抗炎症剤も、本発明の口腔用組成物中に存在してよい。このような剤には、アスピリン、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム及びメクロフェナム酸、バルデコキシブ、セロコキシブ及びロフェコキシブのようなCOX−2阻害剤、並びにこれらの混合物などの、非ステロイド性抗炎症剤を挙げることができるが、これらに限定されない。存在する場合には、抗炎症剤は一般に、本発明の組成物の約0.001重量%〜約5重量%を構成する。ケトロラクは米国特許第5,626,838号(1997年5月6日発行)に記載されている。
【0071】
(H−2拮抗剤)
本発明はまた、米国特許第5,294,433号(シンガー(Singer)ら、1994年3月15日発行)に開示されている化合物を含む、安全且つ有効な量の選択的H−2拮抗剤を含んでいてもよい。
【0072】
(白色化剤)
本発明の口腔ケア組成物に用いてもよい、歯の白色化活性剤は、過酸化物類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、過オキソ酸類、過硫酸類、亜塩素酸金属塩類、及びこれらの組み合わせのような漂白剤又は酸化剤を含む、安全且つ有効な量の漂白剤である。好適な過酸化物化合物には、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム及びこれらの混合物が挙げられる。過炭酸塩類の例は過炭酸ナトリウムである。他の好適な白色化剤には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸リチウム、並びに過ホウ酸塩一水和物及び四水和物、並びにピロリン酸ナトリウム過酸化水和物(sodium pyrophosphate peroxyhydrate)が挙げられる。好適な亜塩素酸金属塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。一実施形態では、亜塩素酸塩は亜塩素酸ナトリウムである。更なる白色化活性剤は、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素であってもよい。
白色化剤類の濃度は一般に、組成物の約0.5重量%〜約15重量%、別の実施形態では約1重量%〜約10重量%である。
【0073】
(ビタミン及びミネラル)
本発明はまた、安全且つ有効な量のビタミン類又はミネラル類を含んでいてもよい。この開示において使用するとき、用語ビタミンとは食事に必要とされる微量の有機物質を指す。本発明の目的のために、用語ビタミン(類)には、限定されないが、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKが挙げられる。それらの補酵素類もまた、用語ビタミンに含まれる。補酵素類は、ビタミン類の特定の化学形態である。補酵素類としては、チアミンピロホスフェート類(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMM)、フラビンアデニンジヌクレオチド(flavin adenine dinucleotive)(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)コエンザイム(Coenzyme)A(CoA)ピリドキサルホスフェート、ビオシチン、テトラヒドロ葉酸、コエンザイム(coenzyme)B12、リポイルリジン(lipoyllysine)、11−シス−レチナール、及び1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールが挙げられる。用語ビタミン(類)にはまた、コリン、カミチン(camitine)並びにα、β、及びγカロチン類も含まれる。
【0074】
本開示において使用するとき、用語「ミネラル」はヒトの食事において必要とされる無機物質類、金属類などを指す。したがって、用語「ミネラル」には、本明細書で使用するとき、限定されないが、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨード、マグネシウム、リン、マンガン、クロムなど、及びこれらの混合物が含まれる。
【0075】
ビタミン及びミネラルとしてはまた、薬剤の事実及び比較(Drug Facts and Comparisons)(ルーズリーフ薬剤情報サービス(loose leaf drug information service)、ウォルターズクルール社(Wolters Kluer Company)、ミズーリ州セントルイス(St.Louis,Mo.)(著作権)、1997年、54〜54e頁)に開示されているように、アミノ酸類、脂肪親和物質、魚油、及びこれらの混合物のような口腔栄養補助剤類が挙げられる。アミノ酸類には、L−トリプトファン、L−リシン、メチオニン、スレオニン、レボカルニチン又はL−カルニチン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪親和物質には、コリン、イノシトール、ベタイン、リノール酸、リノレン酸類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。魚油は、大量のオメガ3(N−3)多不飽和脂肪酸類、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する。
【0076】
ビタミン又はミネラルに関して使用するとき、用語「効果的な量」とは、患者に対するその特定の成分の米国の1日あたりの推奨摂取量(「RDA」)の、少なくとも約10%の量を意味する。例えば、意図された成分がビタミンCである場合、ビタミンCの効果的な量は、RDAの10%以上を供給するのに十分なビタミンCの量を含む。典型的には、錠剤がミネラル又はビタミンを含む場合、もっと多い量、好ましくは適用するRDAの約100%以上の量を組み込む。
【0077】
(咀嚼可能な固体単位剤形)
用語「咀嚼可能な固体単位剤形」とは、本明細書で使用するとき、咀嚼可能な錠剤、カプセル、ハードキャンディー及びソフトキャンディ菓子類、タフィー、ヌガー、歯ごたえのあるキャンディなどを意味する。一実施形態では、咀嚼可能な固体単位剤形は、圧縮錠、ソフトゼラチンカプセル、成形錠、溶融又は成形できる任意の製薬上許容できる賦形剤から作製された成形球形又は楕円形、ガミーベア型(gummy bear type)形態、押出し成形固体形態などである。別の実施形態では、咀嚼可能な固体単位剤形は、圧縮錠又はカプセルから成る群より選択される。一実施形態では、咀嚼可能な固体単位剤形は圧縮錠である。本明細書の固体単位剤形はまた、1以上の層を含む、層状形態であることができる。
【0078】
別の実施形態では、単位剤形は、任意の形状又は大きさの圧縮錠、例えば球形又は楕円形錠である。錠剤は、従来の装置及び方法を用いて圧縮され、例えば、リーバーマン(Lieberman)ら、薬品剤形:錠剤(Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets)(1980年)、第3章、109〜185頁を参照のこと。一実施形態では、本発明の単位剤形は、総重量約100mg〜約5g、別の実施形態では総重量約250mg〜約2g、さらに別の実施形態では総重量約500mg〜約1.5gの単位剤形を含む。
【0079】
一実施形態では、単位剤形はまた、不活性成形された球形又は楕円形基材を含んでいてもよい。本明細書で使用するとき、「成形」とは、溶融した又は半固体の、不活性で薬学上許容可能な物質を成形空洞に注入して固結させるプロセスを指す。したがって、成形空洞の寸法が基材の寸法を決定する。好適な物質としては、これらに限定されないが、蜜蝋、パラフィン、カルナバ蝋のような摂取可能で製薬上許容できるワックス類、及びトリステアリンのような融点が約50℃を超えるトリグリセリド類が挙げられる。活性剤は成形プロセスの間に基材に組み込まれてもよく、又は成形された基材類上にコーティングされてもよい。
【0080】
なおさらに好ましい単位剤形は、ハードカプセル(すなわち、デンプン、セルロース、又はゼラチンハードカプセル)である。デンプンカプセルを上述したような活性剤の固体形態で充填してもよい。上記の錠剤類、カプセル類、並びにハードキャンディー及びソフトキャンディの調製は、当該技術分野で周知である。圧縮歯磨き錠剤類のための一実施形態では、歯磨き用研磨剤の造粒は、使用される典型的には小さな粒径の研磨剤のために必要である。造粒は、その後の加工に流れを与えるために、またこれらの物質に成形性を付与するために、好ましい。湿潤造粒法は以下のように用いられ得る:
a)研磨剤及びソルビトール及び/又はマンニトール(又はその他の適切なバルク充填剤)をブレンドする。
b)結合剤を水又はその他の適切な溶媒に溶解させることにより結合剤溶液を調製する。
c)適当に湿潤するまで適切な混合/攪拌で、結合剤溶液b)を粉末ブレンドa)に加える。
d)所望により、物質を湿潤粉砕して大きな湿潤粒塊を破壊する。
e)適切な手段で適当な水/造粒溶媒含量となるまで乾燥させる(例えばトレー乾燥又は、流動床乾燥)。
f)所望により、この乾燥された造粒を乾燥粉砕して、適当な粒径の造粒を得る。
湿潤造粒は、他の加工手段、例えば、流動床造粒、湿潤塊押出成形、押出成形及び球状化(spheronization)、流動床輪転加工(fluid bed roto-processing)、並びにシュギ加工(shugi processing)よって達成することができる。
【0081】
一実施形態の造粒はまた、以下のような乾燥造粒法によって達成できる:
a)研磨剤及びソルビトール及び/又はマンニトール(又はその他の適当な圧縮可能バルク充填剤)をブレンドする。
b)大きな錠剤(スラッギングプレス)又はリボン/ブリケット(ローラー圧縮機)へと圧縮する。
c)b)の生成物を乾燥粉砕して適当な粒径の造粒を得る。
【0082】
乾式造粒法及び湿式造粒法の両方に関して、この工程に他の成分を含むことができる。例えば、特定の剤の適当な含量均一性を確保するように、活性剤を粉末ブレンド又は結合剤溶液に添加してもよい。着色剤、着香剤、界面活性剤、起泡剤、活性剤などもまた添加してよい。一実施形態では、錠剤化のための最終ブレンドは次のように調製される:
a)上記からの造粒を、潤滑剤を除く他の全ての残りの構成成分と組み合わせて、均一性を確保するように適当にブレンドする。
b)潤滑剤を加え、必要に応じてブレンドする。
【0083】
錠剤化は従来からの手段により達成でき、例えば、上記からの最終粉末ブレンドを錠剤化プレスで圧縮し、十分な硬さ及び破砕性のような適当な特性の圧縮物を形成する。
あるいは、処方構成成分のブレンドが十分な流動特性を有し、合理的な圧縮物を形成できる場合は、造粒工程を必要とせずに構成成分を単にブレンドして錠剤化する、直接圧縮法を用いることができる。
【0084】
(局所口腔ケアキャリア)
必須成分に加えて、本発明の組成物はまた、一般に、局所口腔ケアキャリアを含む。本明細書で使用するとき、「局所口腔ケアキャリア」又は「口腔キャリア」とは、被験者に投与するのに好適である、又は局所的口腔投与に好適である、1以上の相溶性固体若しくは液体充填剤希釈剤又はカプセル化物質を意味する。用語「相溶性」とは、本明細書で使用するとき、組成物の構成成分が、活性剤又は他の必須成分と、互いに、通常の使用状況下で組成物の有効性を実質的に減少させる相互作用がないような態様で、混和できることを意味する。口腔ケアキャリアは、もちろん、それらが治療される被験者に投与するために好適となるように、十分に高い純度及び十分に低い毒性のものでなければならない。口腔ケアキャリア類は、剤形への活性剤の組み込みを容易にし、剤形からの活性剤の放出を改変し、活性剤を安定化し、活性剤の吸収を高めるように作用することもある。口腔ケアキャリア類は、その処方において使用される濃度において、それらの意図する使用に対して安全でなければならない。活性剤及び口腔ケアキャリア類の処方は、所望の放出速度、安定性、吸収性を達成し、剤形の製造を容易にするように、当業者には周知の基準に従って選択される。
【0085】
一実施形態では、口腔ケアキャリアは、非齲蝕原性であり、低い吸湿性を有するか、又は全く吸湿性を有さない。
口腔ケアキャリア類には一般に、充填剤又は希釈剤、結合剤、崩壊剤、及び潤滑剤が含まれる。充填剤は、例えば一般に、ラクトース、スクロース、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトール、トレハロース、テガトース(tegatose)、硫酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、三塩基性硫酸カルシウム、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャカイモデンプン、水素添加デンプン加水分解物類、及びグリコール酸ナトリウムデンプン、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、並びにこれらの混合物から成る群より選択される。一実施形態では、充填剤は、非齲蝕原性多糖類、イソマルト、及びこれらの混合物である。齲蝕原性多糖類の使用については上述の説明を参照のこと。
【0086】
潤滑剤とは、本明細書で使用するとき、物質の圧縮及び排出時に、錠剤とダイ壁との境界面において発生する摩擦を低減させることのできる物質を意味する。潤滑剤類はまた、パンチ及びダイ壁への粘着を防ぐ働きをし得る。排出時に機能する物質を特に指すために、用語「抗接着剤(antiadherents)」が、使用される場合もある。しかし、本開示で使用するときは、用語「潤滑剤」が一般的に使用され、「抗接着剤(antiadherents)」を含む。
【0087】
潤滑剤類は内在性であっても又は外在性であってもよい。錠剤化の器具の表面に、ダイ空洞及び/又はパンチ面上に噴霧するなどして薄膜の形態で直接適用される潤滑剤は、外在性の潤滑剤として知られている。これらの使用は、しかしながら、費用を付加し生産性を低下させる複雑な適用装置及び方法を必要とする。内在性の潤滑剤類は、錠剤化される物質に組み込まれる。伝統的な内在性の潤滑剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、硬化及び部分硬化植物油類(例えば、ピーナッツオイル、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びカカオ油、ステロテックス(Sterotex))、動物脂類、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンモノステアレート、タルク、軽鉱物油類、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウムなど、並びにこれらの混合物が挙げられる。欧州特許出願番号0,275,834及び米国特許第3,042,531号(リール(Leal)ら)を参照のこと。
本発明による内在性の潤滑剤類は、任意に、効果的な量で、例えば全組成物の5重量%まで、別の実施形態では約0.25重量%〜約5重量%、別の実施形態では約0.5重量%〜約2重量%の量で使用できる。
【0088】
その他の局所口腔ケアキャリアとしては、ツウィーンズ(Tweens)(登録商標)のような乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムのような湿潤剤;着色剤;錠剤化剤;安定剤;酸化防止剤;防腐剤;発熱性物質非含有水;生理食塩水;及びホスフェート緩衝溶液が挙げられる。錠剤キャリアは、レミントンの薬剤科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、マックパブリッシング社(Mack Publishing Co.)(第19版、1995年);近代薬学(Modern Pharmaceutics)、第7巻、第9章及び第10章、バンカー・アンド・ローズ(Banker & Rhodes)(1979年);リーバーマン(Lieberman)らの薬剤剤形(Pharmaceutical Dosage Forms):錠剤(Tablets)(1981年);及びアンセル(Ansel)の薬剤剤形入門(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)、第2版(1976年)に記載されている。 それらの選択は、味、コスト、及び貯蔵性などのような第2の考慮事項に依存し、当業者に困難なく行うことができる。
本発明の組成物中に含まれてもよい別の種類の局所口腔キャリアを、具体的な非限定的例と共に以下に挙げる。
【0089】
(起泡剤/界面活性剤)
本組成物はまた、合理的に安定であり、広いpH範囲に渡って泡を形成するもののような好適な起泡剤を含有してもよい。起泡剤には、非イオン性、アニオン性、両性、カチオン性、双性イオン性の合成洗剤、及びこれらの混合物が挙げられる。多くの好適な非イオン性及び両性界面活性剤類が、米国特許第3,988,433号(ベネディクト(Benedict))、米国特許第4,051,234号(1977年9月27日発行)に記載されており、多くの好適な非イオン性界面活性剤類が、米国特許第3,959,458号(アグリコーラ(Agricola)ら、1976年5月25日発行)に開示されている。一実施形態では、保持剤の界面活性剤に対する比は約1より大きく、別の実施形態では約2より大きく、さらに別の実施形態では約3よりも大きい。
【0090】
本組成物は、任意に、安全且つ有効な量の起泡剤を含み、別の実施形態では組成物の約0.001重量%〜約20重量%、別の実施形態では約0.05重量%〜約9重量%、さらに別の実施形態では約0.1重量%〜約5重量%の起泡剤を含む。一実施形態では、起泡剤は、コカミドプロピルベタイン、アルキル硫酸ナトリウム、ポロキサマー、PEG−40ソルビタンイソステアレート、及びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0091】
(アニオン性界面活性剤)
本明細書で有用なアニオン界面活性剤としては、アルキルラジカルに8〜20個の炭素原子を有するアルキルスルフェート類の水溶性塩類(例えば、アルキル硫酸ナトリウム)、及び8〜20個の炭素原子を有する脂肪酸類のスルホン化モノグリセリド類の水溶性塩類が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム及びココナツモノグリセリドスルホン酸ナトリウムは、この種類のアニオン性界面活性剤の例である。他の好適なアニオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウムのようなサルコシネート類、タウレート類、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。アニオン性界面活性剤の混合物も使用できる。
【0092】
(研磨剤)
本組成物はまた、歯研磨剤を任意に含んでもよい。本発明の組成物で有用な歯研磨剤には、種々様々な物質が含まれる。選択される物質は、組成物内で相溶性であり、象牙質を過度に研磨しないものでなければならない。好適な研磨剤としては、例えば、ゲル類及び沈殿類を含むシリカ類、不溶性ポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、炭酸カルシウム、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム、及び尿素とホルムアルデヒドとの粒子状縮合生成物類のような樹脂性研磨剤物質類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0093】
本明細書に記載された組成物における任意の研磨剤の濃度は、一般には、組成物の約6重量%〜約70重量%、別の実施形態では約10重量%〜約60重量%の研磨剤、別の実施形態では約15重量%〜約50重量%、さらに別の実施形態では組成物の約15重量%〜約40重量%である。
一実施形態では、本発明の水不溶性粒子類(例えば、一部の研磨剤類、充填剤類など)の濃度は、組成物の約65重量%未満、別の実施形態では約60重量%未満、別の実施形態では約50重量%未満である。
【0094】
本組成物に用いる別の部類の研磨剤は、米国特許第3,070,510号(クーリー(Cooley)及びグレーベンシュテッター(Grabenstetter)、1962年12月25日発行)に記載されている粒子状熱硬化性重合樹脂類である。好適な樹脂としては、例えば、メラミン類、フェノール樹脂類、尿素類、メラミン−尿素類、メラミン−ホルムアルデヒド類、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド類、架橋エポキシド類、及び架橋ポリエステル類が挙げられる。
【0095】
様々な種類のシリカの歯研磨剤は、歯のエナメル質又は象牙質を過度に研磨することのない非常に優れた歯の洗浄及び艶出性能という特有の利益があるので好ましい。他の研磨剤と同様に、本明細書のシリカ研磨艶出物質は、一般に、約0.1〜約30ミクロン、好ましくは約5〜約15ミクロンの範囲の平均粒径を有する。研磨剤は、沈降シリカ、又はシリカキセロゲル類のようなシリカゲル類であることができ、米国特許第3,538,230号(ペイダー(Pader)ら、1970年3月2日発行)及び米国特許第3,862,307号(ディギュリオ(DiGiulio)、1975年1月21日発行)に記載されている。一実施形態では、シリカ研磨剤類はW.R.グレース・アンド・カンパニー(W.R.Grace & Company)、デイビソン化学部(Davison Chemical Division)により商品名「シロイド(Syloid)」で市販されているシリカキセロゲル類である。別の実施形態では、シリカ研磨剤類は、J.M.ヒューバー社(J. M. Huber Corporation)により商品名ゼオデント(Zeodent)(登録商標)で販売されているもののような沈殿シリカ物質であり、特に、表示名ゼオデント119(登録商標)をもつシリカである。練り歯磨きである、固体単位剤形に有用なシリカの歯研磨剤の種類は、米国特許第4,340,583号(ウェイソン(Wason)1982年7月29日発行)にさらに詳しく記載されている。
【0096】
特に好ましい沈殿シリカは、全てプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Co.)に譲渡された、米国特許第5,603,920号(1997年2月18日発行)、同第5,589,160号(1996年12月31日発行)、同第5,658,553号(1997年8月19日発行)、同第5,651,958号(1997年7月29日発行)に開示されているシリカである。
研磨剤類の混合物を使用してもよい。
【0097】
(着香剤及び甘味剤)
着香剤類もまた、組成物に任意に添加されてもよい。好適な着香剤類としては、ウインターグリーン油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブの芽の油、メントール、アネトール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、1−メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、オランダセリ油、オキサノン(oxanone)、α−イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、シナモン、バニリン、チモール、リナロール、CGAとして知られるシンナムアルデヒドグリセロールアセタール、及びこれらの混合物が挙げられる。着香剤類は、一般に組成物中で、組成物の約0.001重量%〜約5重量%の濃度で用いられる。
【0098】
任意に使用できる甘味剤としては、スクラロース、スクロース、グルコース、サッカリン、ブドウ糖、果糖、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩類、タウマチン、アスパルテーム、D−トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファム及びシクラメート塩類、特にシクラミン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、組成物は、これらの剤を本組成物の約0.1重量%〜約10重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約1重量%含む。
【0099】
本発明の組成物では、任意成分として、着香剤及び甘味剤に加え、冷却剤、唾液分泌剤、加温剤及び局部麻酔剤を使用することができる。これらの剤は組成物中に、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約1重量%の濃度で存在する。
【0100】
冷却剤は、様々な物質のいかなるものであることもできる。このような物質としては、カルボキサミド類、メントール、ケタール類、ジオール類、及びこれらの混合物が挙げられる。本組成物に好ましい冷却剤は、「WS−3」として商業的に既知であるN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、「WS−23」として既知であるN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタナミド、及びこれらの混合物などの、パラメンタンカルボキシアミド剤である。追加の冷却剤は、メントール、高砂(Takasago)製のTK−10として既知である3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、ハーマン・アンド・ライマー(Haarmann and Reimer)製のMGAとして既知であるメントングリセロールアセタール、及びハーマン・アンド・ライマー製のフレスコラト(Frescolat)(登録商標)として既知であるメンチルラクテートから成る群より選択されてよい。本明細書で使用するとき、メントール及びメンチルという用語には、これらの化合物の右旋性異性体及び左旋性異性体、並びにこれらのラセミ混合物が含まれる。TK−10については、米国特許第4,459,425号(アマノ(Amano)ら、1984年7月10日発行)に記載されている。WS−3及び他の剤は、米国特許第4,136,163号(ワトソン(Watson)ら、1979年1月23日発行)に記載されている。
【0101】
本発明の唾液分泌剤としては、高砂(Takasago)製のジャンブ(Jambu)(登録商標)が挙げられる。加温剤としては、トウガラシ、及びベンジルニコチネートのようなニコチネートエステル類が挙げられる。局部麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、及びエタノールが挙げられる。これらの剤の混合物を用いてもよい。
【0102】
(感応剤/麻酔剤)
抗痛み剤(anti-pain)又は減感剤もまた、任意に本発明の組成物中に存在してもよい。鎮痛剤は、意識を撹乱させることなく、又はその他の感覚様相を変えることなく、痛みの閾値を上げるように中枢的に作用することによって痛みを緩和する剤である。こうした剤には、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、アセトアニリド、フェナセチン、アセルトファン(acertophan)、チオルファン、スピラドリン(spiradoline)、アスピリン、コデイン、テバイン、レボルフェノール(levorphenol)、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、フェナゾシン、フェンタニル、ブプレノルフィン、ブタファノール(butaphanol)、ナルブフィン、ペンタゾシン、天然の薬草、例えば没食子、アサルム、クベビン(Cubebin)、ガランガ、オウゴン、リアングミアンツェン(Liangmianzhen)、バイジ(Baizhi)などが挙げられるが、これらに限定されない。アセトアミノフェン、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸トロラミン、リドカイン及びベンゾカインのような麻酔剤又は局所鎮痛剤も存在してもよい。これらの鎮痛活性剤は、カーク・オスマー(Kirk-Othmer)、工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)、第4版、2巻、ワイリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)(1992年)、729〜737頁に、詳細に記載されている。
【0103】
(種々の口腔ケアキャリア)
本発明の咀嚼可能な固体単位剤形は、一実施形態では約5%未満の崩壊剤類、別の実施形態では約3%未満の崩壊剤類、別の実施形態では約1%未満の崩壊剤類を有するか、又は本質的に崩壊剤類を含まない。
【0104】
(組成物の使用)
本組成物は、消費者が家庭で使用できる。本組成物は、一実施形態では1週間約1回〜1日約4回、別の実施形態では1週間約3回〜1日約3回、さらに別の実施形態では1日約1回〜1日約2回、使用される。このような治療の期間は、典型的には約1日から一生涯の範囲である。特定の口腔ケアの疾患又は状態では、治療の期間は、治療する口腔の疾患又は状態の重症度、使用する特定の送達形態、及び患者の治療に対する反応によって異なる。一実施形態では、治療の期間は約3週間〜約3ヶ月であるが、治療される状態の重症度、使用する特定の送達形態、及び患者の治療に対する反応によって、それより短いか又は長くてもよい。
【0105】
本発明は:
a.水溶性親水性ガム類、水溶性親水性ポリマー類、及びこれらの混合物から成る群より選択される、組成物の約1重量%〜約40重量%の保持剤であって、水又は唾液に曝されると水和する特性を有し、一実施形態ではそれにより組成物が約1〜約4の保持指数を与える完全な水和塊を形成する保持剤;並びにb.安全且つ有効な量の局所口腔ケアキャリアを含み、非齲蝕原性、咀嚼可能な固体単位剤形であり、約65重量%未満の水不溶性粒子状物質類を含む口腔ケア組成物を局所投与することによって、口腔状態のみの治療若しくは予防のため又は全身の健康を促進するための、口腔ケア活性剤の持続した送達を、それを必要としている被験者の口腔内で提供する方法にさらに関する。
【0106】
本発明は:a.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子状保持剤;b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;c.安全且つ有効な量の界面活性剤;d.着香料、感覚剤、緩衝剤、及びこれらの混合物から成る群より選択される安全且つ有効な量の口腔ケアキャリアを含み、非発泡性、非齲蝕原性の咀嚼可能な固体単位剤形であり、一実施形態では約1〜約4の保持指数を有する口腔ケア歯磨き組成物を局所投与することによって、口腔状態のみの治療若しくは予防のため又は全身の健康を促進するための、口腔ケア活性剤の持続した送達を、それを必要とする被験者の口腔内で提供する方法にさらに関する。
【0107】
本発明は:a.水溶性親水性ガム類、水溶性親水性ポリマー類、及びこれらの混合物から成る群より選択される、組成物の約1重量%〜約40重量%の保持剤であって、水又は唾液に曝されると水和する特性を有し、一実施形態ではそれにより約1〜約4の保持指数を提供する完全な水和塊を形成する保持剤;並びにb.着香料、感覚剤、緩衝剤及びこれらの混合物から成る群より選択される安全且つ有効な量の局所口腔ケアキャリアを含み、非齲蝕原性、咀嚼可能な固体単位剤形であり、約65重量%未満の水不溶性粒子状物質類を含む口腔ケア組成物を局所投与することによって、着香料、感覚剤又は緩衝剤の持続した送達を、それを必要とする被験者の口腔内で提供する方法にさらに関する。
【0108】
本発明は:a.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子状保持剤;b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;c.安全且つ有効な量の界面活性剤;d.着香料、感覚剤、緩衝剤、及びこれらの混合物から成る群より選択される安全且つ有効な量の口腔ケアキャリアを含み、非発泡性、非齲蝕原性の咀嚼可能な固体単位剤形であり、一実施形態では約1〜約4の保持指数を有する口腔ケア歯磨き組成物を局所投与することによって、着香料、感覚剤、又は緩衝剤の持続した送達を、それを必要としている被験者の口腔内で提供する方法にさらに関する。
【0109】
本発明の組成物は、ヒト及びその他の動物(例えば、ペット、動物園の動物又は家畜)の両方への適用に有用である。
【実施例】
【0110】
以下の非限定的な例により、本発明の範囲内の好ましい実施形態についてさらに説明する。本発明の範囲から逸脱することなく、これらの例の多くの変形形態が可能である。
【0111】
(実施例I)
フッ化ナトリウムを含有する以下の咀嚼可能な圧縮錠類を、従来の錠剤加工技術により以下のものを混合することによって作製する。
【0112】
【表2】

1プラスドン(Plasdone)XL、ISPより
【0113】
(実施例II)
モノフルオロリン酸ナトリウムを含有する以下の咀嚼可能な圧縮錠類を、従来の錠剤加工技術により以下のものを混合することによって作製する:
【0114】
【表3】

2プラスドン(Plasdone)XL、ISPより
【0115】
(実施例III)
フッ化第一スズを含有する以下の咀嚼可能な圧縮錠類を、従来の錠剤加工技術により以下のものを混合することによって作製する:
【0116】
【表4】

3n=21、FMCより
4プラスドン(Plasdone)XL、ISPより
【0117】
(実施例IV)
フッ化物イオン源を持たない以下の咀嚼可能な圧縮錠類を、従来の錠剤加工技術により以下のものを混合することによって作製する:
【0118】
【表5】

5n=21、FMCより
【0119】
(実施例V)
以下の咀嚼可能な圧縮錠類を、従来の錠剤加工技術により以下のものを混合することによって作製する:
【0120】
【表6】

【0121】
本発明の特定の実施形態を記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更及び修正が可能であることは、当業者には明らかである。本発明の範囲内にあるこのような全ての修正については、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】ヒト被験者が本発明の圧縮錠を咀嚼した後、歯をブラッシングし、吐き出し、口腔を水で漱いでから、それぞれおよそ5、15、30、45、及び60分後に撮られたその被験者の臼歯の写真。
【図2】ヒト被験者の歯の完全なセットの線図。赤色はその被験者が本発明を使用した後の付着した錠剤物質の位置を示している。各線図のすぐ下の写真は、錠剤物質が中に付着した2本の実際の臼歯の部分図に相当する。これらの線図及び写真は、被験者が本発明の圧縮錠を咀嚼した後、歯をブラッシングし、吐き出し、口腔を水で漱いでから、それぞれおよそ5、15、30、45、及び60分後に撮られる。
【図3】ヒト被験者の歯の完全なセットの線図。赤色はその被験者が本発明を使用した後の付着した錠剤物質の位置を示している。各線図のすぐ下の写真は、錠剤物質が中に付着した1本の実際の臼歯の部分図に相当する。これらの線図及び写真は、被験者が本発明の圧縮錠を咀嚼した後、歯をブラッシングし、吐き出し、口腔を水で漱いでから、それぞれおよそ5、15、30、45、及び60分後に撮られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔ケア歯磨き組成物であって:
a.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.安全且つ有効な量の緩衝剤
を含み、ここで、前記組成物は咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、非齲蝕原性であり、ここで、前記組成物は約1〜約4の保持指数を有する組成物。
【請求項2】
前記保持剤が、25℃で約1g/100g未満の水溶解度を有する、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記保持指数が約2〜約4である、請求項1の組成物。
【請求項4】
被験者による咀嚼後に、初期の前記組成物の約0.5重量%〜約20重量%が歯の表面の一部に付着する、請求項2の組成物。
【請求項5】
前記保持剤が前記組成物の約30重量%〜約60重量%の濃度である、請求項1の組成物。
【請求項6】
前記保持剤が、炭酸カルシウム、雲母、チタン酸化雲母、炭酸マグネシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項5の組成物。
【請求項7】
保持剤が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項6の組成物。
【請求項8】
前記口腔ケア活性剤が、抗結石剤、フッ化物イオン源、抗菌剤、象牙質減感剤、麻酔剤、抗真菌剤、抗炎症剤、選択的H−2拮抗剤、抗齲蝕剤、再石灰化剤、白色化剤、抗侵食剤、ビタミン、ミネラル、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1の組成物。
【請求項9】
前記活性剤が、約200ppm〜約300ppmのフッ化物イオンを提供するフッ化物イオン源である、請求項8の組成物。
【請求項10】
前記固体単位剤形が圧縮錠である、請求項1の組成物。
【請求項11】
前記緩衝剤が、水溶性緩衝剤類、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホスフェート緩衝剤類、アミノ酸緩衝剤類、アラニン、グリシン、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸塩類、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1の組成物。
【請求項12】
a.ヒト又は他の動物への局所口腔投与用口腔ケア歯磨き組成物であって:
1.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;及び
2.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
3.安全且つ有効な量の界面活性剤;
4.安全且つ有効な量の緩衝剤
を含む組成物;
b.前記組成物を咀嚼し、その後歯をブラッシングするための使用に関する説明書;並びに
c.容器
を含む口腔ケアキットであって、前記組成物は咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、及び非齲蝕原性である口腔ケアキット。
【請求項13】
口腔ケア組成物であって:
a.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.安全且つ有効な量の緩衝剤
を含み、咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、非齲蝕原性であり、約1〜約4の保持指数を有する口腔ケア組成物を口腔に局所投与することによって、口腔唾液又は口腔環境を緩衝させることを必要としている被験者の歯の表面上又は歯の表面において、口腔唾液又は口腔環境をpH約7〜約12に少なくとも約2分間緩衝させる方法。
【請求項14】
口腔ケア歯磨き組成物であって:
a.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.着香料、感覚剤、緩衝剤又はこれらの混合物から成る群より選択される、安全且つ有効な量の口腔ケアキャリア
を含み、咀嚼可能な固体単位剤形であり、非発泡性、及び非齲蝕原性である口腔ケア歯磨き組成物を局所投与することによって、口腔状態のみの治療若しくは予防のため又は全身の健康を促進するための、口腔ケア活性剤の持続した送達を、それを必要としている被験者の口腔内で提供する方法。
【請求項15】
前記保持剤が、25℃で約1g/100g未満の水溶解度を有する、請求項13の方法。
【請求項16】
口腔ケア歯磨き組成物であって:
a.前記組成物の約30重量%〜約65重量%の、水溶解度が25℃で約1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.着香料(flvor)、感覚剤、緩衝剤、及びこれらの混合物から成る群より選択される、安全且つ有効な量の口腔ケアキャリア
を含み、咀嚼可能な固体単位剤形であり、非発泡性、及び非齲蝕原性である口腔ケア歯磨き組成物を局所投与することによって、着香料、感覚剤又は緩衝剤の持続した送達を、それを必要としている被験者の口腔内で提供する方法。
【請求項17】
前記保持剤が、25℃で約1g/100g未満の水溶解度を有する、請求項16の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔ケア歯磨き組成物であって:
a.前記組成物の30重量%〜65重量%の、水溶解度が25℃で1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.安全且つ有効な量の緩衝剤
を含み、ここで、前記組成物は咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、非齲蝕原性であり、ここで、前記組成物は1〜4の保持指数を有する組成物。
【請求項2】
前記保持剤が前記組成物の30重量%〜60重量%の濃度である、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記保持剤が、25℃で1g/100g未満の水溶解度を有する、請求項1の組成物。
【請求項4】
前記固体単位剤形が圧縮錠である、請求項1の組成物。
【請求項5】
前記保持指数が2〜4である、請求項1の組成物。
【請求項6】
被験者による咀嚼後に、初期の前記組成物の0.5重量%〜20重量%が歯の表面の一部に付着する、請求項の組成物。
【請求項7】
前記保持剤が、炭酸カルシウム、雲母、チタン酸化雲母、炭酸マグネシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項の組成物。
【請求項8】
前記保持剤が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項の組成物。
【請求項9】
前記口腔ケア活性剤が、抗結石剤、フッ化物イオン源、抗菌剤、象牙質減感剤、麻酔剤、抗真菌剤、抗炎症剤、選択的H−2拮抗剤、抗齲蝕剤、再石灰化剤、白色化剤、抗侵食剤、ビタミン、ミネラル、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1の組成物。
【請求項10】
前記活性剤が、200ppm〜300ppmのフッ化物イオンを提供するフッ化物イオン源である、請求項の組成物。
【請求項11】
前記緩衝剤が、水溶性緩衝剤類、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホスフェート緩衝剤類、アミノ酸緩衝剤類、アラニン、グリシン、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸塩類、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1の組成物。
【請求項12】
a.ヒト又は他の動物への局所口腔投与用口腔ケア歯磨き組成物であって:
1.前記組成物の30重量%〜65重量%の、水溶解度が25℃で1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;及び
2.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
3.安全且つ有効な量の界面活性剤;
4.安全且つ有効な量の緩衝剤
を含む組成物;
b.前記組成物を咀嚼し、その後歯をブラッシングするための使用に関する説明書;並びに
c.容器
を含む口腔ケアキットであって、前記組成物は咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、及び非齲蝕原性である口腔ケアキット。
【請求項13】
口腔ケア組成物であって:
a.前記組成物の30重量%〜65重量%の、水溶解度が25℃で1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.安全且つ有効な量の緩衝剤
を含み、咀嚼可能な歯磨き固体単位剤形であり、非発泡性、非齲蝕原性であり、1〜4の保持指数を有する口腔ケア組成物を口腔に局所投与することによって、口腔唾液又は口腔環境を緩衝させることを必要としている被験者の歯の表面上又は歯の表面において、口腔唾液又は口腔環境をpH7〜12に少なくとも2分間緩衝させる方法。
【請求項14】
口腔ケア歯磨き組成物であって:
a.前記組成物の30重量%〜65重量%の、水溶解度が25℃で1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.着香料、感覚剤、緩衝剤又はこれらの混合物から成る群より選択される、安全且つ有効な量の口腔ケアキャリア
を含み、咀嚼可能な固体単位剤形であり、非発泡性、及び非齲蝕原性である口腔ケア歯磨き組成物を局所投与することによって、口腔状態のみの治療若しくは予防のため又は全身の健康を促進するための、口腔ケア活性剤の持続した送達を、それを必要としている被験者の口腔内で提供する方法。
【請求項15】
前記保持剤が、25℃で1g/100g未満の水溶解度を有する、請求項14の方法。
【請求項16】
口腔ケア歯磨き組成物であって:
a.前記組成物の30重量%〜65重量%の、水溶解度が25℃で1g/30g未満である水不溶性粒子保持剤;
b.安全且つ有効な量の口腔ケア活性剤;
c.安全且つ有効な量の界面活性剤;
d.着香料、感覚剤、緩衝剤、及びこれらの混合物から成る群より選択される、安全且つ有効な量の口腔ケアキャリア
を含み、咀嚼可能な固体単位剤形であり、非発泡性、及び非齲蝕原性である口腔ケア歯磨き組成物を局所投与することによって、着香料、感覚剤又は緩衝剤の持続した送達を、それを必要としている被験者の口腔内で提供する方法。
【請求項17】
前記保持剤が、25℃で1g/100g未満の水溶解度を有する、請求項16の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−509768(P2006−509768A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555783(P2004−555783)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/037880
【国際公開番号】WO2004/047785
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】