説明

咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜

【課題】物性、栄養、外観の必要性を満たし、かつ、介護者にとっても使いやすく、便利な咀嚼困難者用の介護食品を提供することを課題とする
【解決手段】魚肉の練り肉をつなぎとして用いて、ペースト状の惣菜を元の惣菜に似せた外観に成型し、冷凍した冷凍成型惣菜である。惣菜が野菜及び/又は海藻を主原料とする惣菜であり、ペースト状の惣菜の重量と魚肉の練り肉の重量比は5:4〜1:4が好ましい。魚肉の練り肉は冷凍落し身を用いるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢のため咀嚼や嚥下に障害のある場合や、口内炎や歯の治療などで硬いものが一時的に食べられなくなった場合などに適する咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進むなか介護を要する階層も増加し、介護食品の需要が高まっている。また、高齢者以外にも咀嚼や嚥下に障害のある人や、口内炎や歯の治療などで硬いものが一時的に食べづらくなった人にも介護食品の需要がある。介護食品は、かむ力や飲み込む力が弱くなった方でも食べやすいように、食べ物の大きさを通常より小さくしたり、柔らかく加工したり、とろみをつけて飲み込みやすくすることがされている(特許文献1〜5参照)。
日本介護食品協議会では、加齢とともに「かむ力」や「飲み込む力」が弱まった高齢者から、歯の治療などで食事が不自由な一般の方にも食べやすいことから介護食品の名称を「ユニバーサルデザインフード」と命名している。さらに食品の選択がしやすいように、固形の大きさと材料の硬さの程度で食品を、「区分1:容易にかめる、区分2:歯ぐきでつぶせる、区分3:舌でつぶせる、区分4:かまなくてよい」の4段階の区分に分けることが提案されている。
惣菜とは広辞苑によれば、「日々の食事の副食物、飯のおかず、菜の物」である。本発明において、惣菜とは飯のおかずとして食される、味付けした主に野菜、海藻類を材料とした調理品である。
【0003】
【特許文献1】特公平6−97961号
【特許文献2】特開2005−229877号
【特許文献3】特開2005−151986号
【特許文献4】特開2001−197870号
【特許文献5】特開平10−248533号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
介護食品の条件として、咀嚼、嚥下が困難な人が、むせたりせずに、飲み込める食品であることが第一条件であり、エネルギー、栄養素、水分が必要量摂取できることも重要な条件である。さらに、QOL(生活の質)の観点からは、見た目にもきれいで食欲がわき、おいしいものであることが望まれる。本発明は、ペースト状食品や刻み食でなければ食べられない人が、見た目からも食べる喜びを感じることができる介護食品を提供することを課題とする。すなわち、物性、栄養、外観の必要性を満たした介護食品を提供することを課題とする。
さらに、介護する側の利便性も重要であり、介護者が使いやすい介護食品を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、高齢者が摂取すべき副菜として重要な野菜と魚肉を効率よく摂取することができ、咀嚼困難な場合であっても摂取できる、しかも、通常摂取する食品と同じような外観の食品について鋭意検討した結果、野菜ペーストと魚肉ペーストを用いることにより、栄養面、物性面、さらに外観においても優れた介護食品を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
本発明は、以下の(1)〜(8)の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜を要旨とする。
(1)魚肉の練り肉をつなぎとして用いて、ペースト状の惣菜を元の惣菜に似せた外観に成型し、冷凍したことを特徴とする咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
(2)惣菜が野菜及び/又は海藻を主原料とする惣菜である(1)の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
(3)元の惣菜に似せた外観が惣菜の主原料の野菜の身と皮をそれぞれの色につくり分けたものである(1)又は(2)の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
(4)元の惣菜に似せた外観が惣菜に含まれる2種類以上の野菜をそれぞれつくり分けて合わせたものである(1)又は(2)の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
(5)元の惣菜に似せた外観が惣菜を盛り付けたときの形状に似せた概観である(1)又は(2)の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
(6)ペースト状の惣菜の重量と魚肉の練り肉の重量比が5:4〜1:4である(1)ないし(5)いずれかの咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
(7)惣菜が、野菜または海藻の煮物、おひたし、いため煮、蒸し物のいずれかである(1)ないし(6)いずれかの咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
(8)魚肉の練り肉として冷凍落し身を用いたことを特徴とする(1)ないし(7)いずれかの咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、野菜ペーストと魚肉ペーストを原料とするので、少量の食品しか摂取できない高齢者においても野菜、魚肉の栄養を同時に摂取することができる。魚肉ペーストの水分保持能力、油分保持能力、ゲル形成能力を利用しているので、特にゲル化剤を使用しなくても、ペースト状の野菜を柔らかいゲル状の物性を有する食品を提供することができる。外観を元の惣菜の形状に似せて成型してあるので、栄養補給のためだけでなく、同時に食の楽しみを提供することができる。また、冷凍保存でき、必要な量だけを自然解凍すればそのままで惣菜として食することができるので、介護者の負担を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において、魚肉の練り肉とは、タラ類の冷凍すり身、冷凍落し身などの魚肉に食塩、調味料、油を添加して練ったものであり、加熱により柔らかなゲルを形成する。具体的には、例えば、冷凍落し身40重量%、食塩0.6重量%、でんぷん2.5重量%、水45重量%、植物油5重量%、その他(ガム、冷凍変性防止剤)を混合して製造する。油脂、糖アルコール、植物性タンパク質、ガム類を添加することにより、冷凍保存中の氷結晶の形成を抑制することができる。必要に応じて、乳化剤、増粘多糖類を添加してもよい。
本発明の原料の魚肉には、すり身やフィレ等どんな魚肉でも使用することができる。好ましくは、冷凍落し身である。糖を添加し、攪拌することにより落し身のトリメチルアミン-N-オキシドの分解が抑制され、タンパク質の変性が抑制される。このような落し身はすり身と比較して水溶性タンパク質及び塩溶性タンパク質を多く含むことから、保水性、保油性に優れているため、油脂や調味料の保持力に優れ、歩留まりも高い。トリメチルアミン-N-オキシドの分解が抑制され、タンパク質の変性が少ない落とし身としては、例えば、国際公開公報WO03/013280に記載されている、「ミンチ状に加工した魚肉、または、ミンチ状に加工した魚肉の脱水肉を原料とし、1種以上の冷凍変性防止剤が添加され、かつ、撹拌等による酸化によりトリメチルアミン−N−オキシドの分解が抑制された、無晒しまたは低晒し魚肉、例えば、ミンチ状魚肉に砂糖を、好ましくはさらにみりんを添加し、撹拌することによりトリメチルアミン−N−オキシドの分解が抑制された魚肉」が例示される。具体的には、スキンレスフィレから採肉、脱水、糖(または糖アルコール)添加、攪拌、凍結することにより得られる冷凍魚肉が本発明の原料として適している。
上述の冷凍落し身は、本発明の魚肉の練り肉として用いた場合、冷凍変性が抑制され、かつタンパク質は0.5M以下の低イオン強度下でも可溶化するため、塩摺り(塩により塩溶性タンパク質を溶解する工程)を必ずしも必要とせず、加熱時に本来魚肉の有する水分や脂質、また加工時に添加した液体を保持できる。通常の冷凍すり身を用いる場合、乳化剤等の添加が好ましいが、上述の冷凍落し身は、保水性、保油性に優れているので、乳化剤等を用いなくても、介護食品に適した物性の食品を製造することができる。本発明の介護食品は日本介護食品協議会の区分で「区分1:容易にかめる、区分2:歯ぐきでつぶせる」にあたる食品である。
【0009】
本発明において、ペースト状の惣菜とは、できあがった惣菜をペースト化したものでも、惣菜原料をペースト化して混合調理したものでもよい。ペースト化の程度は介護食品の対象により、好ましい粒子サイズにすればよいが、例えば、直径3mmのチョッパーで細断後、さらにカッターに5−10分間かけることにより滑らかなペースト状にすることができる。惣菜は調理されたものなので、柔らかいのでペースト状にすることは困難ではない。細かい粒子にするほど、滑らかな食感の食品になる。
本発明は、単に野菜ペーストを成型した素材の食品ではなく、味付けした最終製品としての惣菜のペーストを成型した食品である。したがって、自然解凍するだけでそのまま完成した惣菜として食することができる。介護が必要な場合、被介護者だけでなく介護者の負担も大きい、調理する必要がなく、解凍するだけですぐ利用できる惣菜は介護者の負担軽減に役に立つ。
【0010】
本発明において、元の惣菜に似せた外観に成型するとは、例えば、かぼちゃの煮物の場合、ペーストにしたかぼちゃを再度、一切れのかぼちゃの煮物の外観に成型することであり、かぼちゃの場合は黄色の身の部分と緑色の皮が特徴的であるから、かぼちゃに身の黄色のペーストとほうれん草など緑色のペーストの2種類を使って、緑色の皮がついたかぼちゃの外観に成型する。魚肉の練り肉を添加したこれらのペーストを耐熱性樹脂の型に2層に重ね合わせて押し出し、蒸煮することにより2層が一体化する。2色の蒲鉾を製造する装置などを用いて大量生産することができる。皮の部分は食用色素を添加して色づけすることもできる。このような方法により皮が特徴的な野菜である、かぼちゃ、サツマイモなどを原料とする惣菜を作ることができる。
あるいは、元の惣菜に似せた外観に成型するとは、元の惣菜を通常盛り付けるときの形に成型したものである。例えば、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼうを盛り付ける場合、一定サイズに切り揃えたほうれん草やゴボウを一定方向にそろえて盛り付ける。したがって、味付けしたペースト状のほうれん草やゴボウに魚肉練り肉を添加し、複数のノズルから棒状に押し出し、蒸煮することにより一体化させる。あるいは、縦に複数の溝が彫られた耐熱性樹脂の型に押し出し、蒸煮成型することにより、同様の形状に成型できる。ほうれん草やゴボウのペーストが入っているので、色は元の野菜の色であり、形状も元の惣菜に似たものができる。さらににんじん入りのきんぴらごぼうの場合は、にんじんのペーストとゴボウのペーストの2種類を用い、複数のノズルのうちのいくつかをにんじんペーストのものにすることにより、いかにもにんじん入りのきんぴらごぼうらしい外観のものができる。
さらに、元の惣菜に似せた外観に成型するとは、元の惣菜を盛り付けるときの外観に類似した型にペーストを入れて蒸煮し成型することでもある。ひじきの煮物のようにもともと特定の形状を有しないものは、小鉢に盛り付けたときの形状を模した型にいれて成型する。
【0011】
本発明の咀嚼困難者用の成型惣菜は冷凍耐性があり冷凍保存することができる。自然解凍で食することができる。冷蔵庫中に放置することにより解凍し、そのまま食することもできるし、蒸煮、電子レンジにより解凍、さらに温かくして食することもできる。
【0012】
本発明の惣菜としては、野菜及び/又は海藻を主原料とする惣菜が好ましい。高齢者に必要とされる栄養源として野菜と動物性タンパク特に魚の摂取が望ましいとされている。本発明では、つなぎとして魚肉の練り肉を用いるので、惣菜としては野菜、海藻を主原料とするものが栄養の面から好ましい。
【0013】
ペースト状の惣菜の重量と魚肉の練り肉の重量比は5:4〜1:4が適している。惣菜のpHが低いと魚肉つなぎを多くしないと固まらず成型できない。例えば、梅干のように非常に酸性の強いものではペースト状の惣菜(梅干)の重量と魚肉の練り肉の重量比を1:4くらいにしないと成型しない。漬物の場合は3:7程度が適している。通常の惣菜では1:1〜2:3程度が好ましい。
【0014】
惣菜の調理方法は問わない。野菜または海藻等を加熱調理し、調味されたものであればなんでも良い。また、蓄肉、魚肉、卵、きのこ、種子類、などその他の食品を副材料として用いた惣菜でも、それらがペースト状になっていれば問題ない。調味も醤油、味噌、砂糖、みりん、酢、その他制限はない。
【0015】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0016】
実施例1:かぼちゃの煮付け
カッターにて攪拌しながら、冷凍落し身(糖5%)400kgに食塩6kg、調味料(アイスクリーム用ガム2kg、植物たん白(ARCON)10kg、糖アルコール30kg、澱粉(もみじ)25kg、牛乳160kg、アミノ酸製剤14kg、水298kg)を順次添加し、撹拌してつなぎ肉を製造した。
冷凍かぼちゃ403kgを解凍し、調味料(砂糖14.3kg、薄口醤油18.2kg、水196.95kg、だし1.3kg、みりん14.95kg、塩1.3kg)を添加混合し、カッターで10分程度撹拌し、ストレーナーにかけてかぼちゃの身のペーストを製造した。かぼちゃの身のペーストと上記のつなぎ肉を4:6(重量比)で混合し、かぼちゃの身の配合とした。
また、上記つなぎ肉と調味ほうれん草ペースト(調味料0.5%)を6:4(重量比)で混合し、かぼちゃの皮の配合とした。
蒲鉾のような半円筒状(円の直径は約3cm、長さ25cm)の耐熱性樹脂の型にかぼちゃの身の配合とかぼちゃの皮の配合を85:15(重量比)で皮を下に、身を上に2層に重ね合わせるように押し出し、蒸煮した。2層は一体となって成型され、型からとりだすと、丸みを帯びた、黄色い身の上に緑色の皮ができたかぼちゃの外観を有する食品ができた。2-3cmの適当な長さに切ると、かぼちゃの一切れのようにみえる。冷凍保存後、自然解凍して食したところ、滑らかで柔らかい食感であり、咀嚼に不具合があっても問題なく摂取できるものであった。
【0017】
実施例2:ふかしさつまいも
さつまいもペースト280kgに、調味料(牛乳105kg、液糖45kg、かぼちゃピュレ70kg)を添加混合し、カッターで10分程度撹拌し、ストレーナーにかけてさつまいもの身のペーストを製造した。さつまいもの身のペーストと実施例1と同様のつなぎ肉を4:6(重量比)で混合し、さつまいもの身の配合とした。
また、実施例1のつなぎ肉55kgにムラサキイモペースト40kg、かぼちゃピュレ5kgを添加混合し、さつまいもの皮の配合とした。
実施例1と同様に、耐熱性樹脂の型にさつまいもの身の配合と皮の配合を押し出し、蒸煮、冷凍してふかしさつまいもの外観を有する食品ができた。冷凍保存後、自然解凍して食したところ、滑らかで柔らかい食感であり、咀嚼に不具合があっても問題なく摂取できるものであった。
【0018】
実施例3:ほうれん草のおひたし
冷凍ほうれん草(調味料0.5%)を3mmのチョッパーで細断し、カッターに10分間かけ、実施例1のつなぎ肉を4:6(重量比)添加撹拌した。それを蒲鉾のような半円筒状(円の直径は約3cm、長さ25cm)の耐熱性樹脂の型に複数のノズルで棒状に押しだし、蒸煮した。各棒状の練り肉は一体となって成型され、型からとりだすと、何本ものほうれん草の束のような外観の食品ができた。4−5cm程度の長さに切ると、一塊のほうれん草のおひたしのようにみえる。冷凍保存後、自然解凍して食したところ、滑らかで柔らかい食感であり、咀嚼に不具合があっても問題なく摂取できるものであった。
【0019】
実施例4:きんぴらごぼう
解凍した冷凍ゴボウ75kgに調味料(薄口醤油5.8kg、醸造調味料12.7kg、砂糖4kg、塩0.3kg、植物油2.2kg)を添加混合、加熱し、3mmのチョッパー処理後、カッターに10分間かけ、ゴボウペーストとした。ゴボウのペーストと実施例1のつなぎ肉を4:6(重量比)で混合し、ゴボウの配合とした。
短冊状にカットした生のにんじん75kgに調味料(薄口醤油5.8kg、醸造調味料12.7kg、砂糖4kg、塩0.3kg、植物油2.2kg)を添加混合、加熱し、3mmのチョッパー処理後、カッターに10分間かけ、にんじんペーストとした。にんじんのペーストと実施例1のつなぎ肉を4:6(重量比)で混合し、にんじんの配合とした。
実施例3と同様の方法で成型した。ゴボウの配合を複数のノズルから押し出すときに、一部のノズルからはにんじんの配合を押し出させることにより2色がほどよく合わせることができる。蒸煮すると各棒状の練り肉は一体となって成型され、型からとりだすと、ゴボウの束の中ににんじんが混じったような外観の食品ができた。4−5cm程度の長さに切ると、きんぴらごぼうを盛り付けたようにみえる。冷凍保存後、自然解凍して食したところ、滑らかで柔らかい食感であり、咀嚼に不具合があっても問題なく摂取できるものであった。
【0020】
実施例5:ひじきの煮物
水戻しした乾燥ひじき43kgに水45.8kg、調味料(だし0.6kg、醤油2.9kg、砂糖2.6kg、みりん3.4kg、植物油1.7kg)を加え、混合加熱し、3mmのチョッパーで細断し、カッターに10分間かけ、ひじきペーストを製造した。実施例1のつなぎ肉を4:6(重量比)で加え撹拌し、ひじきの配合とした。これをひじきを小鉢に盛り付けたような形状の型にいれ、蒸煮した。型からとりだすと、ひじきの煮物を盛り付けたようにみえる。冷凍保存後、自然解凍して食したところ、滑らかで柔らかい食感であり、咀嚼に不具合があっても問題なく摂取できるものであった。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の冷凍成型惣菜は、そのまま自然解凍するだけで完成した惣菜として食することができる咀嚼困難者用の食品である。病院、高齢者施設、或いは介護をしている家庭などで手間をかけず、咀嚼困難者に適した食品を提供することができる。栄養、物性、外観の面から高齢の咀嚼困難者に適した食品を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚肉の練り肉をつなぎとして用いて、ペースト状の惣菜を元の惣菜に似せた外観に成型し、冷凍したことを特徴とする咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【請求項2】
惣菜が野菜及び/又は海藻を主原料とする惣菜である請求項1の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【請求項3】
元の惣菜に似せた外観が惣菜の主原料の野菜の身と皮をそれぞれの色につくり分けたものである請求項1又は2の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【請求項4】
元の惣菜に似せた外観が惣菜に含まれる2種類以上の野菜をそれぞれつくり分けて合わせたものである請求項1又は2の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【請求項5】
元の惣菜に似せた外観が惣菜を盛り付けたときの形状に似せた概観である請求項1又は2の咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【請求項6】
ペースト状の惣菜の重量と魚肉の練り肉の重量比が5:4〜1:4である請求項1ないし5いずれかの咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【請求項7】
惣菜が、野菜または海藻の煮物、おひたし、いため煮、蒸し物のいずれかである請求項1ないし6いずれかの咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。
【請求項8】
魚肉の練り肉として冷凍落し身を用いたことを特徴とする請求項1ないし7いずれかの咀嚼困難者用の冷凍成型惣菜。

【公開番号】特開2008−141994(P2008−141994A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331710(P2006−331710)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000004189)日本水産株式会社 (119)
【Fターム(参考)】