説明

品質解析方法、品質解析装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

【課題】 複数工程での処理を経て生産される製品に品質欠陥が発生したときに、簡潔な処理で精度良く原因工程を推定する。
【解決手段】 品質上の欠陥が生じた製品に対して、工程ごとに該製品の前後に処理された複数製品の品質に関するデータを、処理順序に従って一定製品個数分だけ並べ、解析対象とする各製品の品質上の欠陥の、該製品の品質上の欠陥との類似度を評価、計算し、前記欠陥類似度の高い製品が最も高い連続性をもって発生している工程を原因工程であると推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造工場における品質解析方法、品質解析装置、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、複数工程での処理を経て生産される製品の品質上の欠陥、特に鉄鋼製品である薄板コイルに表面欠陥が発生したときの原因工程推定に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、薄板コイルの様な鉄鋼製品に表面欠陥が発生したときの原因工程を特定するのは、通過する処理工程数も多く、非常に困難であることが多い。疑わしい工程の製造パラメータを変化させて処理を行い、その結果による欠陥発生状況の改善有無から判断することもできるが、工程ごとの製造パラメータの数が多いために、非常に手間のかかる作業となってしまう。
【0003】
これに対して、特許文献1には、欠陥の発生形態が類似している製品の製造実績データ、品質データを収集し、それらの製品が共通して通った工程を調べて、それが原因工程であると推定する手法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、各工程の製造パラメータ実績値を調査し、管理基準データとの比較により異常有無を判断する手法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−326816号公報
【特許文献2】特開平9−50949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、処理工程総数が多い場合に、共通して通過した工程が複数存在することも多く、原因工程を推定することは難しかった。
【0007】
また、特許文献2に開示された手法では、個別の製造パラメータの実績値は正常範囲から大きく外れていなくても、複数の製造パラメータの相乗作用で欠陥が発生することがあり、その様な欠陥発生の原因工程を推定することは難しかった。
【0008】
そこで本発明は、複数工程での処理を経て生産される製品に品質上の欠陥が発生したときに、簡潔な処理で精度良く原因工程を推定する手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の品質解析方法は、製造工場において複数工程での処理を経て生産される製品の品質上の欠陥について原因工程を推定する品質解析方法であって、品質上の欠陥が生じた製品(基準製品)に対して、工程ごとに基準製品の前後に処理された複数製品の品質に関するデータを入力するデータ入力ステップと、前記データ入力ステップにて入力した前記品質に関するデータを蓄積、保存するデータ蓄積ステップと、工程ごとに、基準製品の前及び/又は後に処理された前記複数製品の品質に関するデータを、処理順序に従って一連の所定の製品個数分だけ並べて解析対象データを得るデータソートステップと、前記解析対象データについて、各製品の品質上の欠陥と基準製品の品質上の欠陥との類似度を評価、計算する欠陥類似度計算ステップと、前記欠陥類似度の高い製品が最も高い連続性をもって発生している工程を原因工程であると推定する原因工程推定ステップと、前記推定結果を出力し、表示する出力・表示ステップとを有する点に特徴を有する。
本発明の品質解析装置は、製造工場において複数工程での処理を経て生産される製品の品質上の欠陥について原因工程を推定する品質解析装置であって、品質上の欠陥が生じた製品(基準製品)に対して、工程ごとに基準製品の前後に処理された複数製品の品質に関するデータを入力するデータ入力部と、前記データ入力部に入力した前記品質に関するデータを蓄積、保存するデータ蓄積部と、工程ごとに、基準製品の前及び/又は後に処理された前記複数製品の品質に関するデータを、処理順序に従って一連の所定の製品個数分だけ並べて解析対象データを得るデータソート部と、前記解析対象データについて、各製品の品質上の欠陥と基準製品の品質上の欠陥との類似度を評価、計算する欠陥類似度計算部と、前記欠陥類似度の高い製品が最も高い連続性をもって発生している工程を原因工程であると推定する原因工程推定部と、前記推定結果を出力し、表示する出力・表示部とを有する点に特徴を有する。
本発明のコンピュータプログラムは、製造工場において複数工程での処理を経て生産される製品の品質上の欠陥について原因工程を推定する品質解析処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、品質上の欠陥が生じた製品(基準製品)に対して、工程ごとに基準製品の前後に処理された複数製品の品質に関するデータを蓄積、保存するデータ蓄積処理と、工程ごとに、基準製品の前及び/又は後に処理された前記複数製品の品質に関するデータを、処理順序に従って一連の所定の製品個数分だけ並べて解析対象データを得るデータソート処理と、前記解析対象データについて、各製品の品質上の欠陥と基準製品の品質上の欠陥との類似度を評価、計算する欠陥類似度計算処理と、
前記欠陥類似度の高い製品が最も高い連続性をもって発生している工程を原因工程であると推定する原因工程推定処理と、前記推定結果を出力し、表示する出力・表示処理とをコンピュータに実行させる点に特徴を有する。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明のコンピュータプログラムを記憶した点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数工程での処理を経て生産される製品に品質欠陥が発生したときに、簡潔な処理で精度良く原因工程を推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の品質解析装置の概略構成を示す図である。また、図2は、図1の品質解析装置を用いて実行する品質解析方法の一例を示すフローチャートである。以下、図1と図2を用いて、鉄鋼製品の製造工場において、製品として薄板コイル(以下「コイル」と称する)の品質として表面疵を発生させる原因工程推定を例にとって説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の品質解析装置の外部に、品質データ蓄積サーバが設置されている。品質データ蓄積サーバには、疵検査装置等で計測された表面疵に関するデータが、各工程別・処理日別に、例えばコイル番号(各コイルにユニークに付される番号)順に、長期間分(例えば半年分)蓄積・保存される。複数の工程を経て最終工程での処理を終えて製造が完了したコイルに表面疵が発生している場合に、当該コイル(以下「基準コイル」と記す)が処理された工程ごとに、基準コイルのコイル番号から当該工程での処理日が検索され、同一日に処理された全コイルの表面疵に関するデータが、解析対象とするためにデータ入力部(101)に入力される(図2のデータ入力ステップ201に対応する)。下記データソートステップにおいて、より多くのコイルを対象とする場合は、基準コイルの処理日の前後複数日に処理されたコイルの表面疵に対するデータが入力される。
【0013】
次いで、入力されたデータは、以降の処理のためにデータ蓄積部(102)に蓄積・保存される(図2のデータ蓄積ステップ202に対応)。
【0014】
次に、データソート部(103)にて、工程ごとに基準コイルの前後に処理された複数コイルの上記表面疵に関するデータが処理順序に従って一連の所定の製品個数分だけ並べられる(図2のデータソートステップ203に対応)。これが以降の解析に用いられる解析対象データとなる。図3に示す簡単な事例で説明する。これは、表面疵に関するデータとして表面疵の疵種(A、B、C、D、Eの5種類)、及び、表面疵のグレード(1、2、3の3グレード)、工程を工程1から工程3の3工程とし、基準コイルの前後に処理されたコイルを処理順にそれぞれ前後5コイルづつ選定してソートされた解析対象データの一例である。
【0015】
尚、ソートの方法としては、処理順序に従い基準コイルの前後に連続した一定本数のコイルを選定する以外に、基準コイルの前だけ、或いは、後だけを選定することも可能であり、また、例えば1本おき等、間引いて選定することも可能であることは言うまでも無い。
【0016】
1コイルに複数の表面疵が発生している場合は、例えば疵種とグレードごとに疵個数を集計し、最も発生個数の多い表面疵の疵種とグレードを基準コイルの代表表面疵としてソートすれば良い。但し、1コイルに複数存在する表面疵からの代表表面疵の選定方法は、当該方法に限定されないことは言うまでも無い。
【0017】
解析対象データに基づいて、欠陥類似度計算部(104)にて各コイルの基準コイルとの欠陥類似度を計算する(図2の欠陥類似度計算ステップ204に対応)。例えば、疵種、グレードの両方が一致すれば2点、いずれか一方が一致すれば1点、いずれも一致しなければ0点として計算することができる。但し、欠陥類似度の計算方法は、当該方法に限定されないことは言うまでも無い。計算結果を図3の「欠陥類似度」の行にそれぞれ示す。
【0018】
上述の方法で計算された、工程ごとの各コイルの欠陥類似度の系列データから、原因工程推定部(105)にて、まず欠陥類似度の連続性を評価する(図2の原因工程推定ステップ205に対応)。具体的には、上記欠陥類似度が最大値である2を示すコイルを、欠陥類似度の高いコイルであるとし、基準コイルを含めた11本の解析対象コイルに対する、欠陥類似度の高いコイルの本数をもって欠陥類似度の連続性の指標とする。
【0019】
この値は以下の通りである。
工程1:2
工程2:5
工程3:4
この場合は工程2の欠陥類似度の連続性が最も高く、基準コイルの表面疵(疵種A)の原因工程であると推定される。
【0020】
最後に、出力・表示部(106)にて、工程2が原因工程であるという推定結果を外部に出力し、画面に表示する(図2の出力・表示ステップ206に対応)。
【0021】
(第2の実施形態)
また、図1の原因工程推定部(105)における欠陥類似度の連続性の評価方法として、上述したものとは別の方法で、図1の欠陥類似度計算部(104)で計算された欠陥類似度の、解析対象コイル11本についての合計値を求め、その値を欠陥類似度の連続性の指標としても良い。
【0022】
この様に計算した値は以下の通りである。
工程1:6
工程2:12
工程3:10
この結果から、工程2が原因工程であると推定される。
【0023】
(第3の実施形態)
さらに、図1の原因工程推定部(105)における欠陥類似度の連続性の評価方法として、図1の欠陥類似度計算部(104)で計算された欠陥類似度について、解析対象とする11本のコイルのうち任意の2本のコイルを選択し、両コイルの欠陥類似度の積に比例し、両コイルの処理間隔(例えば連続して処理される場合は1、間に1本別コイルが存在する場合は2と定義される)に反比例する値を計算し、それを全ての2本のコイルについて計算してその合計値を求め、それを欠陥類似度の連続性の指標としても良い。計算式を式(1)、式(2)に示す。
【0024】
【数1】

【0025】
この様に計算した値は以下の通りである。
工程1:9.2
工程2:62.1
工程3:34.6
この結果から、工程2が原因工程であると推定される。
【0026】
尚、上述の計算は、式(1)、式(2)において、0より大きな全ての欠陥類似度値のコイルを対象に計算を行った値であるが、計算を簡略にするために、欠陥類似度の最大値(図3に示す例では2)を持つコイルのみを対象に連続性指標の計算を行っても良い。
【0027】
図4は、上述した品質解析装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。図4において、400はコンピュータPCである。PC400は、CPU401を備え、ROM402又はハードディスク(HD)411に記憶された、或いはフレキシブルディスクドライブ(FD)412より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス404に接続される各デバイスを総括的に制御する。PC400のCPU401、ROM402又はハードディスク(HD)411に記憶されたプログラムにより、本実施形態の各機能手段が構成される。
【0028】
403はRAMで、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能する。405はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)409から入力される信号をシステム本体内に入力する制御を行う。406は表示コントローラ(CRTC)であり、表示装置(CRT)410上の表示制御を行う。407はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム(起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)411、及びフレキシブルディスク(FD)412とのアクセスを制御する。
【0029】
408はネットワークインタフェースカード(NIC)で、LAN413を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器或いは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
【0030】
(実施例)
薄板コイルの製造工程で発生した表面疵の原因工程推定を行った。表面疵が発生したコイルに対して、工程1から工程3の3工程において、その前に処理された43本、及び、その後に処理された49本のコイルの表面疵データを入力し、データソート、欠陥類似度計算を行った結果を図5に示す。ここでは、表面疵に関するデータとして、疵種、疵グレードに加えて、疵の長手方向位置、幅方向位置の4つを入力し、それぞれ基準コイルの表面疵と一致するかどうかで、0点から4点の欠陥類似度を計算した。尚、疵の長手方向位置、幅方向位置については、コイルの長さ方向、幅方向にそれぞれ10等分し、対応する同じ区分に存在する場合に一致すると判定した。連続性指標としては、上述した第3の実施形態で説明した方法を採用した。
【0031】
評価結果は以下の通りである。
工程1:1,763
工程2:1,903
工程3:1,341
上記の結果から工程2が原因工程であると推定された。また、本解析の後に詳細な調査を行った結果、工程2の設備故障が原因で表面疵が発生していたことが判明した。
【0032】
尚、本発明は複数の機器から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0033】
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0034】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0035】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0036】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施形態の品質解析装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の品質解析方法のフローチャートである。
【図3】データソートの方法を説明するための図である。
【図4】品質解析装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態におけるデータソート、欠陥類似度計算を行った結果を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
101:データ入力部
102:データ蓄積部
103:データソート部
104:欠陥類似度計算部
105:原因工程推定部
106:出力・表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工場において複数工程での処理を経て生産される製品の品質上の欠陥について原因工程を推定する品質解析方法であって、
品質上の欠陥が生じた製品(基準製品)に対して、工程ごとに基準製品の前後に処理された複数製品の品質に関するデータを入力するデータ入力ステップと、
前記データ入力ステップにて入力した前記品質に関するデータを蓄積、保存するデータ蓄積ステップと、
工程ごとに、基準製品の前及び/又は後に処理された前記複数製品の品質に関するデータを、処理順序に従って一連の所定の製品個数分だけ並べて解析対象データを得るデータソートステップと、
前記解析対象データについて、各製品の品質上の欠陥と基準製品の品質上の欠陥との類似度を評価、計算する欠陥類似度計算ステップと、
前記欠陥類似度の高い製品が最も高い連続性をもって発生している工程を原因工程であると推定する原因工程推定ステップと、
前記推定結果を出力し、表示する出力・表示ステップとを有することを特徴とする品質解析方法。
【請求項2】
前記製品が鉄鋼製品であることを特徴とする請求項1に記載の品質解析方法。
【請求項3】
前記欠陥が表面疵であることを特徴とする請求項2に記載の品質解析方法。
【請求項4】
前記原因工程推定ステップは、工程ごとの前記解析対象データ中の欠陥類似度の高い製品の個数を該工程の欠陥類似度連続性の指標として原因工程を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質解析方法。
【請求項5】
前記原因工程推定ステップは、工程ごとの前記解析対象データ中の欠陥類似度の総和又は部分和を該工程の欠陥類似度連続性の指標として原因工程を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質解析方法。
【請求項6】
前記原因工程推定ステップは、工程ごとの前記解析対象データ中で欠陥類似度の高い製品の個数が多いほど、かつ、前記欠陥類似度の高い製品間の処理間隔が狭いほど高い値を示す指標をもって該工程の欠陥類似度連続性の指標とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質解析方法。
【請求項7】
前記原因工程推定ステップは、工程ごとの前記解析対象データ中で存在する製品の欠陥類似度の合計値が多いほど、かつ、前記製品間の処理間隔が狭いほど高い値を示す指標をもって該工程の連続性の指標とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の品質解析方法。
【請求項8】
製造工場において複数工程での処理を経て生産される製品の品質上の欠陥について原因工程を推定する品質解析装置であって、
品質上の欠陥が生じた製品(基準製品)に対して、工程ごとに基準製品の前後に処理された複数製品の品質に関するデータを入力するデータ入力部と、
前記データ入力部に入力した前記品質に関するデータを蓄積、保存するデータ蓄積部と、
工程ごとに、基準製品の前及び/又は後に処理された前記複数製品の品質に関するデータを、処理順序に従って一連の所定の製品個数分だけ並べて解析対象データを得るデータソート部と、
前記解析対象データについて、各製品の品質上の欠陥と基準製品の品質上の欠陥との類似度を評価、計算する欠陥類似度計算部と、
前記欠陥類似度の高い製品が最も高い連続性をもって発生している工程を原因工程であると推定する原因工程推定部と、
前記推定結果を出力し、表示する出力・表示部とを有することを特徴とする品質解析装置。
【請求項9】
製造工場において複数工程での処理を経て生産される製品の品質上の欠陥について原因工程を推定する品質解析処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
品質上の欠陥が生じた製品(基準製品)に対して、工程ごとに基準製品の前後に処理された複数製品の品質に関するデータを蓄積、保存するデータ蓄積処理と、
工程ごとに、基準製品の前及び/又は後に処理された前記複数製品の品質に関するデータを、処理順序に従って一連の所定の製品個数分だけ並べて解析対象データを得るデータソート処理と、
前記解析対象データについて、各製品の品質上の欠陥と基準製品の品質上の欠陥との類似度を評価、計算する欠陥類似度計算処理と、
前記欠陥類似度の高い製品が最も高い連続性をもって発生している工程を原因工程であると推定する原因工程推定処理と、
前記推定結果を出力し、表示する出力・表示処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−252342(P2006−252342A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70025(P2005−70025)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】