説明

哺乳類細胞培養によって生産されるタンパク質のシアリル化を制御する方法

【課題】TNF介在性病状の治療に有用な製剤を含む治療組成物の提供。
【解決手段】哺乳類宿主細胞培養によって生産される哺乳類糖タンパク質のオリゴ糖側鎖上に存在するシアル酸の量を制御する方法であって、i)その細胞培養に0.1mM〜20mMの濃度の3〜6個の炭素原子を有するアルカン酸又はその塩を添加し、
ii)その細胞培養の重量オスモル濃度を250〜600mOsmに維持し、
iii)培養温度を30℃〜35℃の温度に維持することを特徴とする該培養の生産相で哺乳類宿主細胞を培養することを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【数1−1】

【背景技術】
【0002】
【数1−2】

【0003】
【数2】

【0004】
【数3】

【0005】
【数4−1−1】

【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって以下が提供される。
【0007】
【数4−1−2】

【0008】
【数4−1−3】

【0009】
【数4−1−4】

【0010】
【数4−2】

【0011】
【数5】

【0012】
【数6】

【0013】
【数7】

【0014】
【数8】

【0015】
【数9】

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【数10】

【0017】
【数11】

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【数13】

【0020】
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【0030】
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【0031】
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【数26】

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【0035】
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【0036】
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【数33】

【0040】
【数34】

【0041】
【数35】

【0042】
【数36】

【0043】
【数37】

【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1A及び図1B:図1Aと図1Bは、代表的細胞培養法の生産相における比生産能を計算するために使用した方法を示す。比生産能は、図1Aに示すように生存可能細胞数(生存可能細胞・日数)の関数として、あるいは図1Bに示すようにパック細胞容積(PCV)の関数として表わすことができる。比生産速度には90%の信頼区間が与えられる。
【図2】図2A及び図2B:図2A及び図2Bは、生産相における生存可能細胞・日数(図2A)及びパック細胞容量(PCV)(図2B)に基づく比生産能と収集した産物のシアル酸(NANA)含量の間の相関関係を示す。9種類の方法(A〜I)に関する値を示す。データ点は表Iに記載の独立した生産法を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類宿主細胞培養によって生産される哺乳類糖タンパク質のオリゴ糖側鎖上に存在するシアル酸の量を制御する方法であって、
i)その細胞培養に0.1mM〜20mMの濃度の3〜6個の炭素原子を有するアルカン酸又はその塩を添加し、
ii)その細胞培養の重量オスモル濃度を250〜600mOsmに維持し、
iii)培養温度を30℃〜35℃の温度に維持することを特徴とする該培養の生産相で哺乳類宿主細胞を培養することを含む方法。
【請求項2】
宿主細胞を1〜6mMの濃度の前記3〜6個の炭素原子を有するアルカン酸又はその塩で培養し、その重量オスモル濃度を300〜450mOsmに維持することによって細胞培養の細胞比生産能を減じ、糖タンパク質のオリゴ糖側鎖上に存在するシアル酸の量を増大させる請求項1の方法。
【請求項3】
宿主細胞がCHO細胞である請求項2の方法。
【請求項4】
前記3〜6個の炭素原子を有するアルカン酸又はその塩が酪酸ナトリウムである請求項3の方法。
【請求項5】
糖タンパク質が腫瘍壊死因子受容体−免疫グロブリンキメラである請求項1の方法。
【請求項6】
宿主細胞が可溶性1型腫瘍壊死因子受容体−免疫グロブリンTNFR1−IgGキメラをコードするcDNAを保持するベクターでトランスフェクションされた細胞である請求項5の方法。
【請求項7】
宿主細胞を6mM〜12mMの濃度の前記3〜6個の炭素原子を有するアルカン酸又はその塩で培養し、その重量オスモル濃度を450〜600mOsmに維持することによって細胞培養の細胞比生産能を増大させ、糖タンパク質のオリゴ糖側鎖上に存在するシアル酸の量を減少させる請求項1の方法。
【請求項8】
宿主細胞がCHO細胞である請求項7の方法。
【請求項9】
前記3〜6個の炭素原子を有するアルカン酸又はその塩が酪酸ナトリウムである請求項8の方法。
【請求項10】
糖タンパク質が腫瘍壊死因子受容体−免疫グロブリンキメラである請求項9の方法。
【請求項11】
宿主細胞が可溶性1型腫瘍壊死因子受容体−免疫グロブリンTNFR1−IgGキメラのcDNAを保持するベクターでトランスフェクションされた細胞である請求項10の方法。
【請求項12】
(i)6mM〜12mMの濃度の酪酸ナトリウムの存在下に、
(ii)重量オスモル濃度を450〜600mOsmに維持しながら、生産相で宿主細胞を培養することを含むヒト可溶性1型腫瘍壊死因子受容体−免疫グロブリンTNFR1−IgGキメラタンパク質を生産するための請求項1の方法。
【請求項13】
(i)0.1mM〜6mMの濃度の酪酸ナトリウムの存在下に、
(ii)重量オスモル濃度を300〜450mOsmに維持しながら、生産相で宿主細胞を培養することを含むヒト可溶性1型腫瘍壊死因子受容体−免疫グロブリンTNFR1−IgGキメラタンパク質を生産するための請求項1の方法。
【請求項14】
宿主細胞がCHO細胞である請求項13の方法。
【請求項15】
宿主細胞がdhfrCHO細胞である請求項14の方法。
【請求項16】
タンパク質に対するシアル酸のモル比が4〜7のTNFR1−IgG分子を含む請求項13の方法により製造されるTNFR1−IgG製剤。
【請求項17】
TNFR1−IgGタンパク質1モルにつき1〜2モルの露出したN一アセチルグルコサミン残基を持つTNFR1−IgG分子を含む請求項13の方法により製造されるTNFR1−IgG製剤。
【請求項18】
N−アセチルグルコサミンに対するシアル酸のモル比が0.35〜0.5であるTNFR1−IgG分子を含む請求項13の方法により製造されるTNFR1−IgG製剤。
【請求項19】
N−アセチルグルコサミンに対するシアル酸のモル比が0.39〜0.45である請求項18のTNFR1−IgG製剤。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれかのTNFR1−IgG製剤と医薬的に許容できる賦形剤とを含む治療用組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−190024(P2007−190024A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50848(P2007−50848)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【分割の表示】特願平9−501638の分割
【原出願日】平成8年6月6日(1996.6.6)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【出願人】(306021192)エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト (58)
【Fターム(参考)】