説明

商品の盗難防止装置

【課題】商品の窃盗を防止するために防犯タグを設けた盗難防止装置を提供する。
【解決手段】防犯タグを備えたケーシング3の駆動室4にローター5及びラチェットホイール30が回転自在に内装され、ローターの回転により結束ワイヤー6a,6bを巻取り又は繰り出すように構成し、ラチェット機構は、作動状態と解除状態が選択可能となるように構成されている。ケーシング3に連設されたシリンダー32にスライダー33が進退自在に挿入されており、スライダー33を作動位置に前進させたとき前記ラチェット機構が作動状態とされ、遊休位置に後退させたとき前記ラチェット機構が解除状態とされる。スライダー33とシリンダー32の間に施錠手段を設けており、スライダー33を作動位置で施錠ロックする。解錠キーにより施錠手段を解錠したときにのみ、スライダー33を遊休位置に移動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店内に展示された商品が万引き等の不正者により窃盗され、店外に持ち出されることを未然に防止するための盗難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の小売店等においては、展示商品の盗難を防止するため、各商品に防犯タグを貼着している。そこで、防犯タグを貼着したまま商品を店外に持ち出そうとすると、出入口ゲートに設置された検知装置が警報を発し、盗難を防止する。
【0003】
しかしながら、通常、防犯タグは、粘着剤により商品に貼着されており剥離可能であるから、店外に持ち出す前に商品から剥離して廃棄されてしまうと、盗難防止の効果がない。
【0004】
このため、防犯タグをケーシングの内部に設け、ケーシングに設けた吊下げワイヤーを折曲することによりループを形成し、該ループを商品に取付けるようにした吊下げワイヤー式の盗難防止装置が提供されている。
【0005】
このような吊下げワイヤー式の盗難防止装置は、例えば、商品が提手を有するバッグの場合、ループ状に折曲された吊下げワイヤーを提手に通すことにより商品に吊下げられる。吊下げワイヤーは、基端部をケーシングに固着されており、該ワイヤーを商品の被取付個所に挿通した後、ワイヤーを折曲することにより先端部をケーシングに戻してループ状に形成し、該ワイヤーの先端部をケーシングに挿入する。ワイヤーの先端部は、ケーシングに挿入した状態で取り外し不能にロックされ、専用の解錠キーを使用しなければ抜き取ることができない。
【0006】
正当な顧客が商品を購入するときは、レジカウンター等において、店員が専用の解錠キーを使用することにより吊下げワイヤーの先端部をケーシングから抜き取り、盗難防止装置を取り外した後、商品を顧客に引き渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許開2002−74529号公報
【特許文献2】特許開2002−304676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の吊下げワイヤー式の盗難防止装置は、基端部がケーシングに固着された吊下げワイヤーの先端部をケーシングに挿入しロックする構成であるから、該ワイヤーを折曲することにより形成されるループの大きさが常に同じ形状及び寸法とされる。従って、商品の大きさに応じて、長短異なる長さのワイヤーを使用しなければ見栄えが悪いものとなる。例えば、大型のバッグに取付けるための盗難防止装置は、長いワイヤーが使用されているため、これを小型のバッグに取付けると、ワイヤーを折曲することにより形成されたループが大き過ぎて、展示された商品の美観を損ねてしまう。反対に、短いワイヤーを備えた盗難防止装置は、大型の商品に取付けることができない。このため、長短異なる長さのワイヤーを備えた他種類の盗難防止装置を店内に備える必要があるという不便がある。
【0009】
しかも、展示された商品にループ状のワイヤーが吊下げられているので、見栄えが悪いばかりか、隣接状態で陳列された商品のワイヤーが相互に絡まるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、商品に結束ワイヤーを巻掛けた状態から、ケーシングに設けたローターで該ワイヤーを巻取ることにより商品の外周に緊締させるように構成した商品の盗難防止装置を提供する。
【0011】
これにより、1つの盗難防止装置を大型の商品と小型の商品に共用することができ、しかも、結束ワイヤーが商品の外周面に緊締され、同時にケーシングが商品の表面に密接状態で固定されるので、展示商品の見栄えを損なうことがない。
【0012】
また、このような結束式のため、複数の商品がパッケージとして販売される場合、複数商品を結束する結束手段としても兼用できる利点がある。
【0013】
そこで、本発明が手段として構成したところは、防犯タグを備えるケーシングと、該ケーシングの駆動室に設けられた回転自在なローターと、前記駆動室内でローターと同行回転するラチェットホイールと、前記ケーシングの外部からローターを回転可能とする操作手段と、両端を前記ケーシングの外部から内部に挿通されると共にローターに連結された少なくとも1本の結束ワイヤーとから成り、前記結束ワイヤーを商品の外周に巻掛けた状態で前記ローターを正転させ、結束ワイヤーをローターにより巻取り緊締する構成において、前記駆動室に連通する案内路を形成するシリンダーを前記ケーシングに連設すると共に、前記ラチェットホイールに近接する作動位置と離隔する遊休位置との間で進退移動自在なスライダーを前記案内路に内装し、前記スライダーは、作動位置に保持された状態で、ラチェットホイールのラチェット歯に進退自在に噛合し、該ラチェットホイールの正転は許すが逆転を許さないラチェット爪を設けており、前記シリンダーとスライダーの間に施錠手段を設け、該施錠手段は、前記スライダーを作動位置に前進した状態で該スライダーを後退不能に施錠すると共に、前記スライダーの解錠路に解錠キーを挿入したとき該スライダーを遊休位置に後退可能に解錠するように構成されて成る点にある。
【0014】
前記スライダーは、プラスチックにより一体成形され、先端に可撓性ヒンジを介してラチェット爪を延設しており、スライダーを作動位置に保持した状態でラチェットホイールを正転したとき、ラチェット爪が前記可撓性ヒンジの撓み弾性によりラチェット歯に対して進退自在となるように構成されている。
【0015】
前記施錠手段は、シリンダーに固設された施錠爪と、スライダーに設けられて施錠方向と解錠方向に揺動自在とされた施錠アームにより構成することが好ましい。前記施錠アームは、前記施錠爪に係止される係止孔を設け、前記施錠方向に弾発付勢されると共に、解錠方向から磁着可能な磁性片を設けている。前記施錠爪は、スライダーを遊休位置から作動位置に向けて前進させたとき、施錠アームの先端を前記解錠方向に押動させるガイド面と、前記施錠アームの先端がガイド面を乗り越えたとき前記係止孔に係止する爪部を設けている。前記解錠キーは、スライダーの解錠路に挿入したとき前記磁性片を磁着することにより施錠アームを解錠方向に揺動させる永久磁石を備えている。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、前記施錠爪の爪部は、スライダーの前進方向に突出する掛け止め部を形成しており、該スライダーが作動位置に臨んだ状態で、施錠アームを解錠方向に揺動不能とするように前記掛け止め部を施錠アームに係止する。解錠に際しては、解錠キーによりスライダーを作動位置から更に前進したアンロック位置まで移動させると、施錠アームを掛け止め部から解放することができる。
【0017】
前記ケーシングは、商品の表面に添設される底面に防犯タグの収納部を形成し、該収納部を開閉する蓋を設けている。これにより、商品の外周を結束ワイヤーで結束したとき、前記蓋がケーシングと商品の間に挟着される。
【0018】
前記ローターは、筒状の駆動軸の下端に前記ラチェットホイールを一体に形成し、前記ケーシングの駆動室の底壁から立設された支持軸に前記駆動軸を回転自在に外挿している。この際、前記駆動室は、前記案内路の連通部を除いて、ラチェットホイールの周面に近接すると共に該周面の円周に沿って延びる保護壁を形成することが好ましい。前記保護壁の上方領域には、該保護壁よりも大径とされた巻取り室が形成される。
【0019】
この際、前記スライダーは、作動位置に保持された状態で、前記連通部に臨むラチェットホイールのラチェット歯を上方から覆う保護板を前記ラチェット爪の上部に延設することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の本発明によれば、商品の外周に巻掛けた結束ワイヤー6a、6bを巻取ることにより緊締するように構成した盗難防止装置1を提供するものであるから、1つの盗難防止装置1を大型の商品と小型の商品に共用することができ、しかも、結束ワイヤー6a、6bをケーシング3の内部に巻取る構成であるから、展示商品の見栄えを損なうことがない。しかも、複数商品を結束する結束バンドとしても兼用できる利点がある。
【0021】
この際、ケーシング3に連設したシリンダー32にスライダー33を作動位置P1と遊休位置P2の間で進退移動自在に挿入し、スライダー33に設けたラチェット爪36をケーシング3に内装したラチェットホイール30に係脱自在に噛合させることにより、ラチェット機構の作動と解除を選択することが可能となるように構成しているので、商品に対して、結束ワイヤー6a、6bの巻取りによる盗難防止装置1の取付け作業と、結束ワイヤー6a、6bの繰り出しによる盗難防止装置1の取外し作業とが、スライダー33の位置を変更するだけで、簡単容易に行うことができるという効果がある。
【0022】
そして、シリンダー32とスライダー33の間に設けた施錠手段42により、スライダー33を作動位置P1で後退不能に施錠ロックし、解錠キー2で施錠を解錠するだけで、スライダー33を遊休位置P2に移動可能とした構成であるから、構造が簡単であると共に、施錠と解錠の作業を容易に行えるという実益がある。
【0023】
請求項2に記載の本発明によれば、スライダー33をプラスチックで一体成形し、可撓性ヒンジ38により進退自在とされたラチェット爪36を形成しているので、部品点数が少なく、組立容易な構造とすることにより、安価に提供することができ、しかも、スライダー33の進退移動を繰り返しても故障のおそれがなく、耐用性に優れた装置を提供することができる。
【0024】
請求項3に記載の本発明によれば、施錠手段42は、シリンダー32に固設された施錠爪44と、スライダー33に設けられて施錠方向Fと解錠方向Bに揺動自在とされた施錠アーム45により構成され、スライダー33を作動位置P1に前進させたとき、前記施錠方向Fに弾発付勢された施錠アーム45の先端が施錠爪44のガイド面48を乗り越えた後、係止孔46を施錠爪44に係止させる構成であるから、スライダー33を遊休位置P2から作動位置P1に前進させるだけで、ワンタッチで施錠手段42による施錠が可能になるという利点がある。そして、解錠キー2の永久磁石を備えたロッド部54を解錠路43に挿入すると、施錠アーム45に設けた磁性片47を前記永久磁石に磁着させることにより前記施錠手段42の施錠を解錠させる構成であるから、解錠キー2を後退方向に移動させたとき、スライダー33を追従して遊休位置P2まで移動させることができ、施錠手段42の解錠と、スライダー33の遊休位置P2への後退移動をワンタッチで行うことができる利点がある。
【0025】
請求項4に記載の本発明によれば、前記施錠爪44の爪部49は、スライダー33の前進方向に突出する掛け止め部50を形成しており、該スライダー33を作動位置P1に臨ませた状態で、前記掛け止め部50により施錠アーム45を解錠方向Bに揺動不能とするように係止する構成であるから、不正者が解錠路43に永久磁石を挿入しても、施錠アーム45が解錠方向Bに揺動することはなく、同様に、解錠路43に針金等を挿入することにより施錠アーム45を揺動させようとしても、施錠アーム45が解錠方向Bに揺動することはなく、盗難防止効果が優れたものとなる。そして、解錠キー2を使用することにより施錠手段1を解錠するときは、解錠キー2を強く押し込むことによりスライダー33をアンロック位置P3まで移動させれば、前記掛け止め部50の係止が解かれるので、解錠キー2の使用者に煩雑な作業を強いることはなく、容易に施錠手段42の解錠とスライダー33の後退移動を可能とする。
【0026】
請求項5に記載の本発明によれば、盗難防止装置1は、商品の表面に添設されるケーシング3の底面に防犯タグ24の収納部25を形成すると共に、該収納部25を蓋26により閉鎖し、商品の外周を結束ワイヤー6a、6bで結束した状態で、前記蓋26をケーシング3と商品の間に挟着するように構成しているので、結束ワイヤー6a、6bが緊締されている限り、不正者により防犯タグ24が抜き取られるおそれはなく、優れた防犯効果を有する。
【0027】
請求項6に記載の本発明によれば、ケーシング3に内装されたラチェットホイール30に対して、該ラチェットホイール30の周面に近接して沿う保護壁39を形成しているので、ラチェットホイール30のラチェット歯35が巻取り室に臨ませた構成とされている場合でも、巻取り中又は繰り出し中の結束ワイヤー6a、6bがラチェット歯35に咬み込まれることはない。そして、該保護壁39の上方領域には、大径とされた巻取り室を形成するので、十分な巻取り容量を確保することが可能となる。
【0028】
請求項7に記載の本発明によれば、スライダー33に設けたラチェット爪36の上部に保護板41を延設し、相互に噛合するラチェット歯35とラチェット爪36の上部を保護板41により覆うように構成しているので、該歯35と爪36の間に結束ワイヤー6a、6bが咬み込まれることはなく、円滑な巻取り動作を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る盗難防止装置の1実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の盗難防止装置を商品に取付けた状態の1例を示す斜視図である。
【図3】本発明の1実施形態に係る盗難防止装置を分解状態で示す斜視図である。
【図4】ケーシングの裏面を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る盗難防止装置の1実施形態を示しており、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
【図6】ラチェットホイールとラチェット爪の関係を示しており、(A)は噛合状態を示す横断面図、(B)は作動状態を示す横断面図である。
【図7】ケーシングとラチェットホイールとスライダーの関係を部分的に断面で示す斜視図である。
【図8】スライダーと解錠キーを示す斜視図である。
【図9】シリンダーに挿入されたスライダーを遊休位置から作動位置まで前進させたときの作用を示しており、(A)は遊休位置にある状態を示す縦断面図、(B)は中途位置まで前進させた状態を示す縦断面図、(C)は作動位置まで前進させた状態を示す縦断面図である。
【図10】スライダーを解錠キーにより作動位置から遊休位置まで後退させるときの作用を示しており、(A)は解錠キーを挿入する前の状態を示す縦断面図、(B)は解錠キーを挿入することにより施錠手段を解錠させた状態を示す縦断面図、(C)は解錠キーを引き抜き方向に移動することによりスライダーを遊休位置まで後退させた状態を示す縦断面図である。
【図11】本発明の盗難防止装置を商品に取付けた状態の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0031】
図1は、盗難防止装置1と、解錠キー2を示している。盗難防止装置1は、図1ないし5に示すように、それぞれプラスチックにより形成されたケーシング3と、該ケーシング3の駆動室4に設けられる回転自在なローター5と、後述するようなローター5の正転R1は許すが逆転R2を許さないラチェット機構と、両端を前記ケーシング3の外部から内部に挿通されると共にローター5に連結される少なくとも1本の結束ワイヤー6とから構成されている。図示実施形態の場合、2本の結束ワイヤー6a、6bが設けられ、それぞれのワイヤー6a、6bの端部7をローター5の周方向に巻取り自在に連結すると共に、両ワイヤー6a、6bの中間の折返し部8、8を連結手段9の対向部に摺動自在に挿通させることにより連結している。
【0032】
従って、図2に示すように、例えば、ほぼ直方体形状とされた商品M1の外周に結束ワイヤー6a、6bを巻掛けた状態で前記ローター5を正転R1させると、結束ワイヤー6a、6bが該ローター5に巻取られ、商品M1の表面に緊締される。図示実施形態の場合、盤状に形成された前記連結手段9を商品M1の底面ほぼ中央に配置すると共に、ケーシング3を商品M1の上面ほぼ中央に配置し、この状態から結束ワイヤー6a、6bをローター5により巻取ることにより、商品M1の各辺に対して結束ワイヤー6a、6bが十文字状に掛け渡された状態で緊締される。これにより、緊締された結束ワイヤー6a、6bは、商品M1から取外し不能となる。
【0033】
前記ラチェット機構は、後述するように、施錠手段を備えたスライダーにより作動状態と解除状態を選択的に設定可能とされており、従って、ラチェット機構を解除することによりローター5の逆転R2を可能としたときは、結束ワイヤー6a、6bをローター5から繰り出し自在とすることにより、結束ワイヤー6a、6bを商品M1から取外すことができるように構成している。
【0034】
前記ケーシング3は、ほぼ矩形の支持板10から筒壁11を立設することにより上部開口状の駆動室4を形成し、該駆動室4の底壁から支持軸12を立設しており、該支持軸12にローター5を回転自在に軸支する。
【0035】
前記ローター5は、筒状の駆動軸13の下端に下輪14を設けると共に上端に上輪15を設け、前記駆動軸13の周方向に等間隔をあけて連結片16を備えており、前記駆動軸13を前記支持軸12に回転自在に外挿することにより駆動室4に収容され、前記上輪15により前記駆動室4の上部開口を塞ぐように構成されている。尚、図例の場合、筒壁11の上部開口縁にリング部材17を嵌着することにより、上輪15の周縁上部を覆うように構成している。
【0036】
前記結束ワイヤー6a、6bは、筒壁11の周方向に間隔をあけて貫設された挿通孔18を介して該ワイヤーの端部7を駆動室4に導かれ、該端部をローター5の連結片16の孔に挿通すると共に、該挿通端に抜止め具19をカシメ固着することにより抜止め状に連結固定される。
【0037】
前記ローター5の上輪15は、上面に径方向に延びる摘み片20を設けることにより、ケーシング3の外部からローター5を回転自在とする操作手段21を構成している。従って、ユーザが指先を摘み片20に係止してローター5を正転R1させることにより、結束ワイヤー6a、6bを駆動軸13の周囲に巻取り、これにより、図2に示すように、ワイヤー6a、6bを商品M1の外周に緊締することができる。この点に関して、図示実施形態の場合、ケーシング3の支持板10の両側縁に沿って、商品M1の表面から浮き上がる(換言すれば支持板10の底面よりも上側に偏位する)ように翼片22が形成され、該翼片22の上下方向に貫通するガイド孔23を設け、前記挿通孔18と商品M1の縁部との間で結束ワイヤー6a、6bをガイド孔23に挿通させている。これにより、結束ワイヤー6a、6bを商品M1の上面に可及的近接した状態で緊締させることが可能となる。
【0038】
図4に示すように、前記ケーシング3は、底面に防犯タグ24を格納している。図示実施形態の場合、支持板10の裏面に皿状の収納部25を形成し、該収納部25を開閉自在に閉鎖する板状の蓋26が薄肉ヒンジ27を介して支持板10に一体に形成されている。蓋26は、薄肉ヒンジ27により図示矢印のように回動自在とされ、収納部25に防犯タグ24を収納した状態で蓋26を閉じると、蓋26の自由端に設けた嵌着片28がケーシング3の底面の被嵌着部29に着脱自在に嵌着される。
【0039】
ケーシング3の底面が開放された状態では、指先で前記嵌着片28を被嵌着部29から離脱させることにより蓋26を開けることができるが、本発明の盗難防止装置1は、上述のようにケーシング3の底面が商品M1の表面に添設され、その状態で結束ワイヤー6a、6bを緊締することによりケーシング3の底面を商品M1に圧接するので、盗難防止装置1を商品M1に取付けた状態においては、不正者が防犯タグ24を抜き取ることは不可能とされる。
【0040】
前記ローター5の下輪14は、ラチェットホイール30を構成し、駆動室4の底壁に近接した状態で配置される。ラチェットホイール30は、ローター5の下輪14と別に構成しても良いが、このように下輪14と兼用することにより、該下輪14と上輪15の間に広い巻取り空間を形成することができる。
【0041】
ラチェット機構を構成するため、図5及び図7に示すように、ケーシング3は、駆動室4に連通する案内路31を形成するシリンダー32を連設しており、前記ラチェットホイール30に近接する作動位置P1と離隔する遊休位置P2との間で進退移動自在なスライダー33を前記案内路31に内装している。
【0042】
前記スライダー33は、作動位置P1に保持された状態で、駆動室4と案内路31の連通部34に臨むラチェットホイール30のラチェット歯35に噛合するラチェット爪36を備えている。ラチェット爪36は、スライダー33の先端からほぼL形に延設された可撓性のアーム37に設けられており、該アーム37の可撓性ヒンジ38の撓み弾性によりラチェット歯35に対して進退自在に構成されている。従って、図6(B)に鎖線で示すように、ラチェットホイール30の正転R1に関しては、ラチェット爪36を好適に後退させながら該正転R1を可能とするが、ラチェットホイール30の逆転R2に関しては、ラチェット爪36をラチェット歯35に噛合させることにより該逆転R2を不可能とする。
【0043】
これにより、スライダー33を作動位置P1に保持した状態で、前記ラチェット爪36がラチェット歯35に進退自在に噛合し、ラチェットホイール30の正転R1は許すが逆転R2を許さないワンウエイ機構としてのラチェット機構が構成される。
【0044】
従って、スライダー33を作動位置P1に保持させた状態で、ローター5を正転R1することにより、結束ワイヤー6a、6bを巻取りながら商品M1の外周に緊締させ、緊締状態を保持することができる。そして、スライダー33を遊休位置P2に移動させると、前記ラチェット機構が解除され、ローター5が自由に回転し、逆転R2を可能にするので、該ローター5に巻取られた結束ワイヤー6a、6bを繰り出すことができる。例えば、商品M1を緊締した結束ワイヤー6a、6bを弛めて取外す際は、スライダー33を作動位置P1から遊休位置P2に移動させ、ケーシング3を商品M1の上方に持ち上げるだけで、ローター5から結束ワイヤー6a、6bが繰り出され、緊締状態を解くことができる。
【0045】
上述のように、ラチェットホイール30がローター5の下輪14を兼用しているため、結束ワイヤー6a、6bを駆動軸13に巻取る際、該ワイヤーがラチェットホイール30のラチェット歯31に咬み込まれるおそれがあるので、図5及び図7に示すように、前記連通部34を除く駆動室4の円周上に位置して、ラチェットホイール30の周面に近接すると共に該周面の円周に沿って延びる保護壁39が形成されている。図例の場合、駆動室4の底壁に支持軸12と同心円を描く環状リブ40が突設され、これによりラチェットホイール30の摩擦抵抗を軽減しており、該駆動室4の底壁の内周縁に沿って支持軸12と同心円を描くように筒壁11の内側を分厚く形成することにより前記保護壁39を設けている。従って、ラチェット歯35の先端と保護壁39の内面との間にはほとんど隙間がなく、結束ワイヤー6a、6bを咬み込むことはない。尚、保護壁39の上方領域は、筒壁11の肉厚を薄くすることにより、前記保護壁39よりも大径とされた巻取り室が形成され、結束ワイヤー6a、6bの巻取り容量を可及的大きくするように構成されている。
【0046】
前記保護壁39は、前記連通部34に臨む部分において分断されている。このため、スライダー33のアーム37は、ラチェット爪36の上部から先端方向に向けて延びる庇状の保護板41を設けている。スライダー33を作動位置P1に保持させることにより前記ラチェット機構を作動状態としたとき、前記保護板41は、連通部34に臨むラチェット歯35とラチェット爪36の上方を覆い、その間に結束ワイヤー6a、6bが咬み込むことを防止する。
【0047】
前記シリンダー32とスライダー33の間には施錠手段42が設けられ、該施錠手段42は、スライダー33を作動位置P1に前進した状態で該スライダー33を後退不能に施錠すると共に、スライダー33の解錠路43に解錠キー2を挿入したとき該スライダー33を遊休位置P2に後退可能に解錠するように構成されている。
【0048】
前記施錠手段42は、シリンダー32に固設された施錠爪44と、スライダー33に設けられて施錠方向Fと解錠方向Bに揺動自在とされた施錠アーム45により構成されている。前記施錠アーム45は、前記施錠爪44に係止される係止孔46を設け、前記施錠方向Fに弾発付勢されると共に、解錠方向Bから磁着可能な鉄板等から成る磁性片47を設けている。これに対して、前記施錠爪44は、スライダー33を遊休位置P2から作動位置P1に向けて前進させたとき、施錠アーム45の先端を前記解錠方向Bに押動させるガイド面48と、前記施錠アーム45の先端がガイド面48を乗り越えたとき前記係止孔46に係止する爪部49と、該爪部49からスライダー33の前進方向に突出する掛け止め部50を形成している。
【0049】
図5及び図7に示すように、シリンダー32の側壁32aとスライダー33の側壁33aの相互には、スライダー33の進退移動範囲を規制する長孔51と突起52が設けられており、これにより、スライダー33は、後退した遊休位置P2から前進した作動位置P1と、更に、該作動位置P1から前記掛け止め部50の突出量に相当して前進したアンロック位置P3との間で進退移動可能とされる。
【0050】
上記のようにケーシング3の底面に防犯タグ24を格納し、該ケーシング3に内装したローター5に結束ワイヤー6a、6bを巻取り自在に連結し、シリンダー32にスライダー33を挿入した状態で、盗難防止装置1が提供される。これに対して、解錠キー2は、図8に示すように、ホルダ53から突設された永久磁石を備えたロッド部54を設けており、前記ロッド部54は、スライダー33の鍵孔部55から解錠路43に挿入されるように構成されている。この際、解錠キー2のロッド部54の断面形状と鍵孔部55の形状は、単純な円形や矩形ではなく、異形とするのが好ましく、図例の場合は三角形としたものを示しているが、五角形や星形のような複雑な形状とすることができる。後述するように、ロッド部54を解錠路43に挿入したとき、該ロッド部54の先端を当接させる受部56がスライダー33の解錠路43の奥端に設けられている。
【0051】
防犯タグ24を格納した盗難防止装置1を商品M1に取付けるときは、予め、スライダー33を遊休位置P2に位置させ、ラチェット機構を解除した状態で、ローター5を逆転R2させることにより、結束ワイヤー6a、6bを繰り出して長く延ばし、その後、スライダー33を作動位置P1まで前進させることにより、施錠手段42を施錠し、ラチェット機構を作動状態とする。そして、この状態から、上述のようにケーシング3の底面を商品M1の上面に添設すると共に、結束ワイヤー6a、6aを商品M1の外周に巻掛け、操作手段21を介してローター5を正転R1することにより該ワイヤーを巻取ると共に、商品M1の外周に緊締させれば良い。
【0052】
反対に盗難防止装置1を商品M1から取外すときは、スライダー33の鍵孔部55から解錠路43に対して解錠キー2のロッド部54を挿入することにより、後述のように施錠手段42を解錠し、解錠キー2に磁着したスライダー33を遊休位置P2まで移動させる。これにより、ラチェット機構が解除され、ローター5が自由に逆転R2するので、上述のようにケーシング3を引き上げれば結束ワイヤー6a、6bが繰り出され、商品M1から取外し可能とする。
【0053】
(スライダーの施錠方法)
上述のように、本発明の盗難防止装置1は、ラチェット機構を作動させることにより、不正者が結束ワイヤー6a、6bを弛めることができないように構成している。そこで、ラチェット機構を作動させるためのスライダー33の作用に関して、スライダー33を遊休位置P2から前進させ、作動位置P1に保持させるまでの作用を図9に基づいて説明する。
【0054】
図9(A)は、スライダー33が遊休位置P2で停止した状態を示しており、突起52が長孔51の後端に当接し、スライダー33をシリンダー32から引き抜き不能な状態で保持している。スライダー33のラチェット爪36はラチェットホイール30のラチェット歯35から遠ざかり、従って、ラチェット機構は解除されている。
【0055】
図9(B)に示すように、指先等でスライダー33の尾端を押すことにより遊休位置P2から前進させると、施錠アーム45の先端が施錠爪44のガイド面48に沿って摺動することにより押動され、該施錠アーム45の先端が施錠爪44を乗り越えるまでスライダー33を前進させる。
【0056】
スライダー33は、前進により作動位置P1に到達するとラチェット爪36をラチェットホイール30のラチェット歯35に噛合するが、可撓性ヒンジ38を撓ませることにより、更に作動位置P1を超えたアンロック位置P3まで前進させられる。スライダー33がアンロック位置P3まで前進すると、突起52が長孔51の前端に当接することにより前進を阻止する。このとき、施錠アーム45の先端は掛け止め部50を乗り越え、該掛け止め部50を含む施錠爪44の全体を係止孔46に対面させるので、弾発された施錠アーム45が上述の施錠方向Fに向けて揺動し、係止孔46に施錠爪44を挿入させる。
【0057】
そこで、指先からスライダー33を放すと、撓み変形された可撓性ヒンジ38の復元力により、図9(C)に示すように、スライダー33は、アンロック位置P3から作動位置P1まで後退し、係止孔46の前縁を施錠爪44に係止することにより、抜止め状に施錠された状態を保持する。この状態で、施錠アーム45の先端が掛け止め部50に係止されているので、不正者が解錠路43に永久磁石を挿入しても、施錠アーム45が解錠方向Bに揺動することはない。同様に、解錠路43に針金等を挿入することにより施錠アーム45を揺動させようとしても、施錠アーム45が解錠方向Bに揺動することはない。
【0058】
(スライダーの解錠方法)
本発明の盗難防止装置1は、商品を購入した正当な顧客がレジカウンターで支払いを行う際、店員が解錠キー2を用いてラチェット機構を解除することにより、結束ワイヤー6a、6bを繰り出し、商品から取外し可能とするように構成している。そこで、ラチェット機構を解除するためのスライダー33の作用に関して、スライダー33を作動位置P1から遊休位置P2に移動させるまでの作用を図10に基づいて説明する。
【0059】
図10(A)は、スライダー33が作動位置P1に保持された状態を示しており、スライダー33のラチェット爪36がラチェットホイール30のラチェット歯35に噛合している。
【0060】
この状態から、図10(B)に示すように、解錠キー2のロッド部54を解錠路43に挿入し、該ロッド部54の先端を受部56に当接すると、該ロッド部54の永久磁石が施錠アーム45の磁性片47を磁着するので、施錠アーム45は解錠方向Bに揺動しようとする。しかしながら、この状態では、掛け止め部50により施錠アーム44の揺動が阻止されている。そこで、図10(B)に示すように、ロッド部54を強く押し込むことにより、可撓性ヒンジ38の撓みを介してスライダー33をアンロック位置P3まで前進させると、掛け止め部50の係止が解かれるので、施錠アーム45が解錠方向Bに揺動し、施錠手段42の施錠を解錠し、スライダー33を後退移動可能とする。
【0061】
そこで、解錠キー2を後退方向に移動させると、前記磁性片47がロッド部54の永久磁石に磁着されているので、スライダー33がロッド部54に追従して移動し、図10(C)に示すように、スライダー33を遊休位置P2まで移動させる。この状態で、突起52が長孔51の後端に当接し、スライダー33の後退移動を阻止するストッパーとして機能するので、ロッド部54を解錠路43から引き抜くことができる。このように、解錠キー2を引き抜いた後も、スライダー33は、シリンダー32の案内路31の内部に残置され、該シリンダー32から分離することはない。従って、再び盗難防止装置1を別の商品に取付けて使用するために、ラチェット機構を作動状態にする際は、図9に示したように、スライダー33をシリンダー32に押し込むだけで足りる。
【0062】
(別の実施形態)
図11は、結束ワイヤー6a、6bによる商品の結束方法に関する別の実施形態を示している。2本の結束ワイヤー6a、6bは、それぞれ上記実施形態のような連結手段9により連結されておらず、それぞれの結束ワイヤー6a、6bに一対の係止具57を設けている。係止具57は、偏平な筒体58に孔付きのブラケット59を固設しており、該ブラケット59の孔に結束ワイヤー6a、6bを摺動自在に挿通させている。
【0063】
商品M2は、例えば、ブリスターパックで知られるような台紙等の基板60の片面に商品パッケージ61を一体化させたものとされている。
【0064】
そこで、この実施形態によれば、盗難防止装置1の底面を前記基板60に添設すると共に、前記係止具57の筒体58を前記基板60の各コーナー部分に配置し、該コーナー部分を筒体58に挿入した状態で、結束ワイヤー6a、6bを巻上げ緊締させることにより、ブリスターパックのような商品M2にも取付けることが可能となる。
【符号の説明】
【0065】
1 盗難防止装置
2 解錠キー
3 ケーシング
4 駆動室
5 ローター
6a、6b 結束ワイヤー
9 連結手段
10 支持板
11 筒壁
12 支持軸
13 駆動軸
16 連結片
18 挿通孔
19 抜止め具
20 摘み片
21 操作手段
22 翼片
23 ガイド孔
24 防犯タグ
25 収納部
26 蓋
30 ラチェットホイール
31 案内路
32 シリンダー
33 スライダー
34 連通部
35 ラチェット歯
36 ラチェット爪
37 アーム
38 可撓性ヒンジ
39 保護壁
40 環状リブ
41 保護板
42 施錠手段
43 解錠路
44 施錠爪
45 施錠アーム
46 係止孔
47 磁性片
48 ガイド面
49 爪部
50 掛け止め部
51 長孔
52 突起
53 ホルダ
54 ロッド部
55 鍵孔部
56 受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防犯タグ(24)を備えるケーシング(3)と、該ケーシングの駆動室(4)に設けられた回転自在なローター(5)と、前記駆動室内でローターと同行回転するラチェットホイール(30)と、前記ケーシングの外部からローターを回転可能とする操作手段(21)と、両端を前記ケーシングの外部から内部に挿通されると共にローターに連結された少なくとも1本の結束ワイヤー(6)とから成り、前記結束ワイヤーを商品の外周に巻掛けた状態で前記ローターを正転させ、結束ワイヤーをローターにより巻取り緊締する構成において、
前記駆動室(4)に連通する案内路(31)を形成するシリンダー(32)を前記ケーシング(3)に連設すると共に、前記ラチェットホイール(30)に近接する作動位置(P1)と離隔する遊休位置(P2)との間で進退移動自在なスライダー(33)を前記案内路(31)に内装し、
前記スライダー(33)は、作動位置(P1)に保持された状態で、ラチェットホイールのラチェット歯(35)に進退自在に噛合し、該ラチェットホイールの正転は許すが逆転を許さないラチェット爪(36)を設けており、
前記シリンダー(32)とスライダー(33)の間に施錠手段(42)を設け、該施錠手段(42)は、前記スライダー(33)を作動位置(P1)に前進した状態で該スライダーを後退不能に施錠すると共に、前記スライダー(33)の解錠路(43)に解錠キー(2)を挿入したとき該スライダーを遊休位置(P2)に後退可能に解錠するように構成されて成ることを特徴とする商品の盗難防止装置。
【請求項2】
前記スライダー(33)は、プラスチックにより一体成形され、先端に可撓性ヒンジ(38)を介してラチェット爪(36)を延設しており、スライダー(33)を作動位置(P1)に保持した状態でラチェットホイール(30)を正転したとき、ラチェット爪(36)が前記可撓性ヒンジ(38)の撓み弾性によりラチェット歯(35)に対して進退自在となるように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の商品の盗難防止装置。
【請求項3】
前記施錠手段(42)は、シリンダー(32)に固設された施錠爪(44)と、スライダー(33)に設けられて施錠方向(F)と解錠方向(B)に揺動自在とされた施錠アーム(45)により構成され、
前記施錠アーム(45)は、前記施錠爪(44)に係止される係止孔(46)を設け、前記施錠方向(F)に弾発付勢されると共に、解錠方向(B)から磁着可能な磁性片(47)を設け、
前記施錠爪(44)は、スライダー(33)を遊休位置(P2)から作動位置(P1)に向けて前進させたとき、施錠アーム(45)の先端を前記解錠方向(B)に押動させるガイド面(48)と、前記施錠アーム(45)の先端がガイド面(48)を乗り越えたとき前記係止孔(46)に係止する爪部(49)を設けており、
前記解錠キー(2)は、スライダー(33)の解錠路(43)に挿入したとき前記磁性片(47)を磁着することにより施錠アーム(45)を解錠方向(B)に揺動させる永久磁石(54)を備えて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品の盗難防止装置。
【請求項4】
前記施錠爪(44)の爪部(49)は、スライダー(33)の前進方向に突出する掛け止め部(50)を形成しており、該スライダー(33)が作動位置(P1)に臨んだ状態で、施錠アーム(45)を解錠方向(B)に揺動不能とするように前記掛け止め部(50)を施錠アーム(45)に係止し、
前記解錠キー(2)によりスライダー(33)を作動位置(P1)から更に前進したアンロック位置(P3)まで移動させたとき、施錠アーム(45)を掛け止め部(50)から解放するように構成して成ることを特徴とする請求項3に記載の商品の盗難防止装置。
【請求項5】
前記ケーシング(3)は、商品の表面に添設される底面に防犯タグ(24)の収納部(25)を形成し、該収納部を開閉する蓋(26)を設けており、商品の外周を結束ワイヤー(6)で結束した状態で、前記蓋(26)がケーシング(3)と商品の間に挟着されるように構成して成ることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の商品の盗難防止装置。
【請求項6】
前記ローター(5)の筒状の駆動軸(13)の下端に前記ラチェットホイール(30)を一体に形成し、前記ケーシング(3)の駆動室(4)の底壁から立設された支持軸(12)に前記駆動軸(13)を回転自在に外挿した構成において、
前記駆動室(4)は、前記案内路(31)の連通部(34)を除いて、ラチェットホイール(30)の周面に近接すると共に該周面の円周に沿って延びる保護壁(39)を形成し、該保護壁の上方領域に該保護壁よりも大径とされた巻取り室を形成して成ることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の商品の盗難防止装置。
【請求項7】
前記スライダー(33)は、作動位置(P1)に保持された状態で、前記連通部(34)に臨むラチェットホイール(30)のラチェット歯(35)を上方から覆う保護板(41)を前記ラチェット爪(36)の上部に延設して成ることを特徴とする請求項6に記載の商品の盗難防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−257843(P2011−257843A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129983(P2010−129983)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(392025238)株式会社サンエイ (43)
【Fターム(参考)】