説明

商品包装袋

【課題】商品包装袋に印刷する収納商品に関する必要な印刷情報が少ない場合等、特に多品種で小ロット商品の商品包装袋の場合に、商品包装袋の製造に用いる長尺のロール巻き印刷フイルムでの印刷効率を向上させ、商品包装袋の製造原価に占める印刷経費を低減できる商品包装袋を提供する。
【解決手段】1枚の無印刷熱可塑性樹脂フイルムA上縁Lに対応する位置で折り曲げ、上縁Lの折り目部の下方を該上縁Lと平行する水平熱シールDで区切ってヘッダー部を形成した商品包装袋で、前記ヘッダー部Bの内側に、印刷面を外側にして半折された印刷フイルム芯材Hが、折り目を無印刷熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部上縁Lの折り目の内側に密着させた状態で収納されてなり、かつ、無印刷熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部の両側縁と内側の半折印刷フイルム芯材Hの両側縁がヘッダー部側縁F上において4枚同時に一体的に溶着固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物商品のプラスチックフイルム製商品包装袋に関する。さらに詳しくは、本発明は、多品種小ロットの商品の包装に適した商品包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、比較的安価な小物商品の販売は、ヘッダー付きプラスチック製商品包装袋に包装して運送され、小売店で陳列販売されている。
通常、ヘッダー付きプラスチック製商品包装袋は、商品の名称、品質、使用方法等の収納商品に関する情報が、袋体フイルム及びヘッダー部の両方に印刷されている。
そして、ヘッダー部の印刷も、ヘッダー部の芯材に印刷することはなく、袋体部のフイルムから連続しているヘッダー部の外側のフイルムに印刷している。その理由は、商品包装袋を連続製造工程で製造する場合に、原材料のヘッダー部の芯材と袋体フイルムの両方に印刷を施工すると、ヘッダー部の印刷と袋体部の印刷のパターンがずれるのを防止することが困難になるからである。
一般に、プラスチック製商品包装袋は、連続製造工程で製造され、安価に製造できるのが特徴である。
そして、ヘッダー付き商品包装袋の連続製造工程においては、長尺の商品包装袋の高さの約2倍の幅の帯状フイルムを、連続的に印刷して、印刷された帯状印刷フイルムを一旦ロール巻き状にして用意する。商品包装袋においては、収納商品の情報の印刷は必須の要件であり、袋体部面及びヘッダー部面の印刷は、上述の理由によって、全て、原材料の帯状フイルムに印刷される。
商品包装袋の連続製造方法では、ロール巻き印刷帯状フイルムを、商品包装袋の連続製造工程の折り曲げ工程に送り出し、これを連続的に折り曲げて帯状重合フイルムを形成し、該帯状重合フイルムの上縁の折り目の内側に、無地白色ヘッダー芯材テープを連続的に挟み込みながら、ヘッダー芯材テープの下縁を熱シールで区切ってヘッダー部を形成し、次いで、帯状重合フイルムをワンピッチ移動に切り替えて溶断工程に移送し、袋体の側縁を溶断分離して、商品包装袋を連続的に製造する。
商品包装袋の製造において、収納する商品によっては、商品に関する情報が少なく、例えば、商品の名前と製造元の名前のみで十分な場合などは、ヘッダー部の面積があれば、商品に関する必要な情報の印刷が可能である。
しかし、このような印刷情報が少ない場合でも、商品包装袋の連続製造方法においては、商品包装袋の高さの約2倍の幅の幅広帯状フイルムのヘッダー部に重なる部分の幅だけ印刷されて、フイルム幅の大部分は、無地のままの印刷を施工した帯状印刷フイルムを一旦ロール巻き状にして用意する必要がある。無地部分が大部分の印刷フイルムを、印刷工程にかけて、一部印刷帯状フイルムのロール巻きを製造して保存することは、非常に印刷効率の悪い印刷工程となる。
また、多品種で、小ロットの商品の商品包装袋を使用する場合に、商品の種類ごとに、商品包装袋の高さの約2倍の幅の帯状フイルムを印刷して、商品のロット毎に、多数の種類のロール状の帯状印刷フイルムを在庫として保存しなければならないという印刷経費が嵩む問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−254776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、商品包装袋に印刷する収納商品に関する必要な印刷情報が少ない場合等、特に多品種で、小ロットの商品の商品包装袋の場合に、商品包装袋の製造に用いる長尺のロール巻き印刷フイルムの印刷効率を向上させ、商品包装袋の製造原価に占める印刷経費を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、袋体の印刷情報が少ない場合、特に多品種小ロットの商品の商品包装袋の場合において、印刷情報の印刷面をヘッダー部の面のみに限定して、商品包装袋の袋体部には無印刷又は反復柄模様印刷のフイルムを用い、商品包装袋のヘッダー部に、ヘッダー幅の2倍幅の印刷フイルムを二つ折りにした半折印刷フイルム芯材を挿入した構造の商品包装袋にすることによって、袋体部の材料となる幅広のフイルムを無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の帯状フイルムをそのまま製造工程に使用できる。そのため、従来の袋体用の幅広帯状フイルムの無印刷部分若しくは反復柄模様印刷部分の大部分の印刷工程は不要となり、替わりに、ヘッダー幅の2倍の細幅の印刷フイルム芯材だけを効率的に印刷することで、商品包装袋の印刷効率を顕著に向上させることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、
(1)1枚の無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムAを袋体のヘッダー部Bの上縁Lに対応する位置で折り曲げてなる重合フイルムであって、該重合フイルムの上縁Lの折り目部の下方を該上縁Lと平行する水平熱シールDで区切ってヘッダー部Bが上部に形成されてなり、該重合フイルムの左右両側縁を溶着して溶着下部を袋体部側縁Eとし、溶着上部をヘッダー部側縁Fとして形成し、重合フイルムの下方を開口部Gとする商品包装袋において、前記水平熱シールDで区切って形成されたヘッダー部Bの内側に、印刷面を外側にして半折された半折印刷フイルム芯材Hが、該半折印刷フイルム芯材Hの折り目を無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部の上縁Lの折り目の内側に密着させた状態で収納されてなり、かつ、無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部の両側縁と内側の半折印刷フイルム芯材Hの両側縁がヘッダー部側縁F上において4枚同時に一体的に溶着固定されていることを特徴とする商品包装袋、
(2)1枚の長方形無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムAを袋体の底部Mに対応する位置で長方形の中央をずらして折り曲げてなる長方形重合フイルムであって、重合フイルムの長さが長い方のフイルムの先端をヘッダー部Bの上縁Lに対応する位置で折り返されて、折り返されたフイルムの先端部を上縁Lに平行な水平熱シールDによって重合フイルム2枚を溶着固定してヘッダー部Bが形成されてなり、前記重合フイルムの左右両側縁を溶着して、溶着下部を袋体部側縁Eとし、溶着上部をヘッダー部側縁Fとして形成し、重合フイルムの長さが短い方の先端縁Pと、ヘッダー部の下縁Kとの間を開口部Gとする商品包装袋において、前記水平熱シールDで区切って形成されたヘッダー部Bの内側に、印刷面を外側にして半折された半折印刷フイルム芯材Hが、該半折印刷フイルム芯材Hの折り目を無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部上縁Lの折り目の内側に密着させた状態で収納されてなり、かつ、無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部の両側縁と内側の半折印刷フイルム芯材Hの両側縁がヘッダー部側縁F上において4枚同時に一体的に溶着固定されていることを特徴とする商品包装袋、
(3)長尺の幅広の帯状フイルムを印刷工程に送り出して、幅広の帯状フイルム幅方向を複数列に区分して、各列毎に、所定の袋体の幅の繰り返し間隔をあけて、ヘッダー部の表側又は裏側にそれぞれ表示されるべき反復繰り返しパターンを並列的に印刷施工して、ロール状に幅広の帯状フイルムを巻き取る工程において、各列の反復繰り返しパターンは各列の中心線によって、ヘッダー部の表側又は裏側にそれぞれ表示されるべき反復繰り返しパターンが区切られている数列の印刷模様を有するロール巻き状の印刷フイルム芯材を製造して、次に、ロール巻き状の幅広印刷フイルムを各印刷模様の列毎にロール巻き状のままで切断して、各列の単一の印刷模様を有するロール巻き状の印刷フイルム芯材を各列毎に分離して、該単一の印刷模様を有するロール巻き状の印刷フイルム芯材を中心線で半折して、第(1)項又は第(2)項記載のヘッダー部Bの内側に収納する半折印刷フイルム芯材Hとして用いる第(1)項又は第(2)項記載の商品包装袋、
(4)文字を含む反復繰り返しパターンの印刷が、長尺幅広の熱可塑性樹脂フイルムに施工されたベタ地印刷の上に印刷されたものである第(3)項記載の商品包装袋、及び、
(5)該商品包装袋の商品を入れる包装袋部に空気孔を有し、野菜類の包装に用いる第(1)〜(4)項のいずれか記載の商品包装袋、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明による商品包装袋は、多品種で、小ロットの商品の商品包装袋ヘッダー部の表示の印刷を効率的に施工することができる。
また、ヘッダー部の面積だけでは、必要情報が印刷できない場合は、印刷シートを袋体に挿入するなどして、ヘッダー部には、商品名と会社名のみにして、本発明の商品包装袋を適用することができる。
また、本発明の商品包装袋に用いる半折印刷フイルム芯材Hを、幅広の帯状フイルム幅方向を複数列に区分して印刷したロール巻き印刷フイルムをスライスして印刷フイルム芯材Hのロール巻きを作成する方法を併用することによって、1回の印刷工程の作業だけで、多数のヘッダー部の印刷が可能になるとともに、この複数列の印刷のパターンを小ロットの商品に応じて、互いに異なる印刷列にすることができる。さらに、小ロットに対応して、少量の印刷パターンのロール巻き印刷フイルムを容易に作成することができる。
この場合は、同一の商品包装袋の製造工程において、印刷フイルム芯材Hのロール巻きを、他の印刷フイルム芯材Hのロール巻きに取り替えるだけで、他のロットの商品包装袋の製造に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の包装袋の一態様の正面図である。
【図2】本発明の包装袋の一態様の断面図である。
【図3】本発明の包装袋の一態様の正面図である。
【図4】本発明の包装袋の一態様の断面図である。
【図5】本発明の包装袋ヘッダー部印刷後の一態様の斜視図である。
【図6】本発明の包装袋ヘッダー部印刷スリット後の一態様の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の商品包装袋に用いる無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムAは、商品包装袋の袋体部、ヘッダー部の外面被覆フイルム及び開口部に設ける封口片を構成するフイルムであり、1枚の連続フイルムによって構成することができる。
本発明の無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムAは、収納商品に関する情報の印刷が印刷されていないフイルムであり、無印刷、ベタ印刷又は単なる反復柄模様の印刷とすることができる。ベタ印刷とは、一色の地色印刷であり、柄模様としては、図形及び文字が柄模様としてフイルム表面に一定間隔毎に反復模様を呈しているものである。反復柄模様の印刷は、特定の会社又は一定のジャンルの商品の袋体部フイルムとしてまとめて印刷しておき、これを、複数の小ロットの商品に対して使用することができるので、反復柄模様の印刷は効率的に実施できる。
無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムA及びヘッダー部Bの内側に収納する半折印刷フイルム芯材Hの材質は、熱可塑性樹脂フイルムであれば、特に制限無く使用できるが、熱溶着性の点から、ポリプロピレン系、ポリエチレン系樹脂が好適であり、印刷が映える点及び透明性の観点から、ポリプロピレンフイルムが特に好ましい。
無印刷熱可塑性樹脂フイルムAの厚さは、30〜100μmのものを使用することができる。また、半折印刷フイルム芯材Hの厚さは、ヘッダー部の腰を強くするために、20〜200μmの厚さのもの、好ましくは40〜70μmの厚さのものを使用することができる。半折重合するので、重合フイルムの厚さは2倍以上となる。
以下の説明では、無印刷熱可塑性樹脂フイルムAを用いた場合について説明するが、この無印刷熱可塑性樹脂フイルムAを反復柄模様の印刷フイルムAに置き換えることができる。
本発明の第1の態様は、図1〜2に示される開口部が下部にある商品包装袋である。
図の無印刷熱可塑性樹脂フイルムAは、図2のヘッダー部Bの上縁Lに対応する位置で折り曲げられて、表裏2枚の重合フイルムを形成し、重合フイルムの上部は、ヘッダー部Bの両外面を形成し、重合フイルムの下部は、袋体部の両面を形成している。そして、重合フイルムの上縁Lの折り目部の下方を該上縁Lと平行する水平熱シールDで表裏の重合フイルムを溶着して溶着線によってヘッダー部Bが作られている。
そして、重合フイルムの左右両側縁を溶着して、その溶着下部を袋体部側縁Eとし、溶着上部をヘッダー部側縁Fとして、袋体部の側縁及びヘッダー部側縁を形成している。重合フイルムの下方は開放したままで、商品を収納する開口部Gとしている。
【0009】
図1〜2の商品包装袋は、前記水平熱シールDで区切って形成されたヘッダー部Bの内側に、印刷面を外側にして半折された半折印刷フイルム芯材Hが、図2に示すように、半折印刷フイルム芯材Hの折り目を無印刷熱可塑性樹脂フイルムAのヘッダー部の上縁Lの折り目の内側にぴったりと密着させた状態で収納されている。そして、無印刷熱可塑性樹脂フイルムAのヘッダー部の両側縁と内側の半折印刷フイルム芯材Hの両側縁がヘッダー部側縁F上において4枚同時に一体的に溶着固定されている。
図1の開口部Gには、封口片Jが設けられていて、封口片Jには、粘着剤Rが塗布されていて、その上に剥離紙Qが貼着されている。
図1の袋体部には、空気抜きの孔Nが設けられている。
空気抜きの孔Nは、野菜等の湿気ある商品を収納した場合に、袋体内部に湿気がこもり、微細な水滴で曇ることを防止するための空気抜きである。野菜を収納する商品包装袋は、商品の名前と生産者の名前があればよく、本発明の商品包装袋の適用例の袋体として、必要な印刷情報が少ない場合に該当する典型的な商品包装袋であり、野菜の包装においては、必然的に要請される空気抜き孔Nが図1に設けられている。
本発明の第2の態様は、図3〜4に示される開口部が上部にある商品包装袋である。
本発明の第2態様は、1枚の長方形無印刷熱可塑性樹脂フイルムAを袋体の底部Mに対応する位置で、無印刷熱可塑性樹脂フイルムAの長方形の中央をずらして折り曲げて長方形重合フイルムを形成している。重合フイルムの長さが長い方のフイルムの先端を、図4のヘッダー部Bの上縁Lに対応する位置で折り返されていて、折り返されたフイルムの先端部は、上縁Lに平行な水平熱シールDによって重合フイルム2枚を溶着固定してヘッダー部Bが形成されている。図3〜4の商品包装袋は、重合フイルムの左右両側縁を溶着して、溶着下部を袋体部側縁Eとし、溶着上部をヘッダー部側縁Fとして形成し、重合フイルムの長さが短い方の先端縁Pと、ヘッダー部の下縁の水平熱シールDとの間を開口部Gとする商品包装袋である。
水平熱シールDで区切って形成されたヘッダー部Bの内側には、図1〜2のヘッダー部と同一の印刷面を外側にして半折された半折印刷フイルム芯材Hが収納されている。
ヘッダー部の構造は図1〜2と同一である。
【0010】
本発明の商品包装袋のヘッダー部に収納する半折印刷フイルム芯材Hは、図5に示す。同時に印刷された複数列の繰り返し印刷パターンの印刷フイルムのロール巻き印刷フイルムを、図6のように、各列毎に切断して分離した単列のロール巻き印刷フイルムから、印刷フイルムを引き出して、これを単列の中心線で半折して、本発明の商品包装袋の半折印刷フイルム芯材Hとして用いるのが好ましい。
図5に示す複数列の繰り返し印刷パターンの印刷フイルムのロール巻き印刷フイルムは、長尺の幅広の帯状フイルムを印刷工程に送り出して、幅広の帯状フイルムの幅方向を複数列に区分して、各列毎に、所定の袋体の幅の繰り返し間隔をあけて、ヘッダー部の表側又は裏側にそれぞれ表示されるべき反復繰り返しパターンを並列的に印刷施工して、ロール状に幅広の帯状フイルムを巻き取る工程によって製造することができる。
そして、この印刷工程においては、各列の反復繰り返しパターンは各列の中心線によって、ヘッダー部の表側又は裏側にそれぞれ表示されるべき反復繰り返しパターンが区切られている。
図5は、商品包装袋のヘッダー部の表側に、「商品名イロ」を表示して、ヘッダー部の裏側に「××株式会社製」を表示する一例である。
図5では、「商品名イロ」は、第1列の区分の中心線より上に、文字の方向が中心線に向かって順方向に印刷されているので、結果として文字が逆さに印刷されている。そして「××株式会社製」は、中心線の下に、中心線に向かって順方向に印刷されていて、正常な方向上下方向で印刷されている。
第1列の区分の印刷列をスリットして分離したロール巻き印刷フイルムを半折して形成して、半折印刷フイルムを商品包装袋のヘッダー部の内側に印刷面を外側に向けてぴったりと密着させて収納させると、ヘッダー部の表側には、「商品名イロ」の印刷が上下が順方向に表示され、ヘッダー部の裏側には、「××株式会社製」の印刷が表示される。
このように、ヘッダー部にのみに印刷表示を設ける場合は、各列の反復繰り返しパターンには、名詞又は形容詞の文字を含む反復繰り返しパターンになることが多い。
この場合は、名詞又は形容詞の文字を含む反復繰り返しパターンの文字は、各列の中心線を挟んで、文字の方向が互いに逆方向になる。
図5の複数列の繰り返し印刷パターンの印刷フイルムのロール巻き印刷フイルムは、各列毎に商品名は異なるが、会社名は同一である。
図5のロール巻き印刷フイルムは、同一の寸法であるが、機能が少し異なる複数の商品を、小ロット単位で包装して販売する場合に好適である。
商品包装袋の連続製造工程において、図5の複数列のロール巻き印刷フイルムから分離した単列のロール巻き印刷フイルムを用いて、必要数量の商品包装袋が製造できたときに、商品包装袋製造工程において、別の異なる単列のロール巻き印刷フイルムに交換するだけで、別の小ロットの商品用の商品包装袋を連続的に製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、商品包装袋に印刷する収納商品に関する必要な印刷量が少ない場合、特に多品種で、小ロットの商品の商品包装袋の場合に有効な商品包装袋に用いられる。
【符号の説明】
【0012】
A 無印刷熱可塑性樹脂フイルム
B ヘッダー部
D 水平熱シール
E 袋体部側縁
F ヘッダー部側縁
G 開口部
H 印刷フイルム芯材
J 封口片
K ヘッダー部の下縁
L 上縁
M 袋体の底部
N 空気抜きの孔
P 先端縁
Q 剥離紙
R 粘着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムAを袋体のヘッダー部Bの上縁Lに対応する位置で折り曲げてなる重合フイルムであって、該重合フイルムの上縁Lの折り目部の下方を該上縁Lと平行する水平熱シールDで区切ってヘッダー部Bが上部に形成されてなり、該重合フイルムの左右両側縁を溶着して溶着下部を袋体部側縁Eとし、溶着上部をヘッダー部側縁Fとして形成し、重合フイルムの下方を開口部Gとする商品包装袋において、前記水平熱シールDで区切って形成されたヘッダー部Bの内側に、印刷面を外側にして半折された半折印刷フイルム芯材Hが、該半折印刷フイルム芯材Hの折り目を無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部の上縁Lの折り目の内側に密着させた状態で収納されてなり、かつ、無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部の両側縁と内側の半折印刷フイルム芯材Hの両側縁がヘッダー部側縁F上において4枚同時に一体的に溶着固定されていることを特徴とする商品包装袋。
【請求項2】
1枚の長方形無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムAを袋体の底部Mに対応する位置で長方形の中央をずらして折り曲げてなる長方形重合フイルムであって、重合フイルムの長さが長い方のフイルムの先端をヘッダー部Bの上縁Lに対応する位置で折り返されて、折り返されたフイルムの先端部を上縁Lに平行な水平熱シールDによって重合フイルム2枚を溶着固定してヘッダー部Bが形成されてなり、前記重合フイルムの左右両側縁を溶着して、溶着下部を袋体部側縁Eとし、溶着上部をヘッダー部側縁Fとして形成し、重合フイルムの長さが短い方の先端縁Pと、ヘッダー部の下縁Kとの間を開口部Gとする商品包装袋において、前記水平熱シールDで区切って形成されたヘッダー部Bの内側に、印刷面を外側にして半折された半折印刷フイルム芯材Hが、該半折印刷フイルム芯材Hの折り目を無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部上縁Lの折り目の内側に密着させた状態で収納されてなり、かつ、無印刷、ベタ印刷若しくは反復柄模様印刷の熱可塑性樹脂フイルムのヘッダー部の両側縁と内側の半折印刷フイルム芯材Hの両側縁がヘッダー部側縁F上において4枚同時に一体的に溶着固定されていることを特徴とする商品包装袋。
【請求項3】
長尺の幅広の帯状フイルムを印刷工程に送り出して、幅広の帯状フイルム幅方向を複数列に区分して、各列毎に、所定の袋体の幅の繰り返し間隔をあけて、ヘッダー部の表側又は裏側にそれぞれ表示されるべき反復繰り返しパターンを並列的に印刷施工して、ロール状に幅広の帯状フイルムを巻き取る工程において、各列の反復繰り返しパターンは各列の中心線によって、ヘッダー部の表側又は裏側にそれぞれ表示されるべき反復繰り返しパターンが区切られている数列の印刷模様を有するロール巻き状の印刷フイルム芯材を製造して、次に、ロール巻き状の幅広印刷フイルムを各印刷模様の列毎にロール巻き状のままで切断して、各列の単一の印刷模様を有するロール巻き状の印刷フイルム芯材を各列毎に分離して、該単一の印刷模様を有するロール巻き状の印刷フイルム芯材を中心線で半折して、請求項1又は請求項2記載のヘッダー部Bの内側に収納する半折印刷フイルム芯材Hとして用いる請求項1又は請求項2記載の商品包装袋。
【請求項4】
文字を含む反復繰り返しパターンの印刷が、長尺幅広の熱可塑性樹脂フイルムに施工されたベタ地印刷の上に印刷されたものである請求項3記載の商品包装袋。
【請求項5】
該商品包装袋の商品を入れる包装袋部に空気孔を有し、野菜類の包装に用いる請求項1〜4のいずれか記載の商品包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−126571(P2011−126571A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286651(P2009−286651)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【特許番号】特許第4527195号(P4527195)
【特許公報発行日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(390036629)株式会社ヤマガタグラビヤ (30)
【Fターム(参考)】