説明

商品情報提供システム

【課題】 JAN規格のバーコードを用いて、ビジネスとして実施できる商品情報提供システムを提供する。
【解決手段】 商品または前記商品のパッケージ等に表示されたJAN規格のバーコードを読み取って、読み取ったバーコードを管理サーバ3に送信して商品に関する情報の配信要求を行なう端末装置1a等と、バーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する情報蓄積サーバ4等とを備えたインターネットを利用した商品情報提供システムである。管理サーバ3は、予め設定された固有の識別番号ごとに、バーコードに関する情報と、このバーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する情報蓄積サーバのURLとを登録した情報配信管理テーブル3D1と、端末装置1a等から送信されたバーコードに関する情報から、情報配信管理テーブル3D1を参照してこのバーコードに対応して登録されている情報蓄積サーバのURLを求めて、このURLに蓄積されている商品に関する情報の配信を制御する手段3S4を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般の販売店等で販売されている商品に関する情報を、インターネットを利用してユーザに提供する商品情報提供システム、特に、情報配信業者が商品の製造元から配信依頼された商品に関する情報を、一つのビジネスとして配信するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴ない、電気製品、薬品等の流通商品について、Webサイトを利用してこれら商品に関する情報をユーザの端末装置に提供することが提案されている。ユーザに提供する情報としては、商品の取扱説明書や保証書等に関する情報、薬品についてはその処方箋に関する情報等が扱われている。また、ユーザの端末装置としては、パーソナルコンピュータの他に、インターネット接続機能を備えた携帯電話機を利用したシステムが提案されている。
【0003】
ユーザがこのような商品情報提供システムを利用して、商品に関する情報を得る(配信要求する)場合には、まず、端末装置にインストールされているプラウザを起動して、商品の製造元が管理運営しているWebサイト等のURL(Uniform Resource Locator)を入力して、このWebサイトをアクセスする必要があった。
【0004】
このユーザの端末装置にプラウザを起動して表示された画面に、WebサイトのURLを入力する操作は、面倒、かつ注意力を要する。このため、ユーザの端末装置からWebサイトをアクセスする方法として、バーコードにWebサイトのURLをアクセスするための情報を表現しておき、ユーザの端末装置が備えているバーコード読取装置によりこのバーコードを読み取ってWebサイトをアクセスすることが提案されている。
【0005】
このようなバーコードを読み取ってWebサイトをアクセスし、アクセスした端末装置に情報を提供する方法として、次のような携帯電話機を利用したシステムが提案され実用化されている。
すなわち、商品の製造元は、WebサイトのURLや商品コードに関する情報等を表現した2次元バーコードであるQRコード(登録商標)を印刷物等に表示しておく。一方、ユーザは、QRコード(登録商標)読み取り機能とインターネット接続機能を備えた携帯電話機を使用して、このQRコード(登録商標)を読み取ってWebサイトをアクセスする。これにより、Webサイトは、アクセスしたユーザの携帯電話機に商品に関する情報を表示するようにしたシステムである。
【0006】
市場に流通している電気製品、薬等の商品には、通常、その商品の製造元または販売元(以下、メーカーという)は、その商品または商品のパッケージ等に、その商品のメーカー、商品名(アイテム)を表示した一次元バーコードを表示している。この一次元バーコードとしては、JIS(JIS−X−0501)により規格化されたJAN(Japan ArticleNumber)規格のバーコードが使用されている。
【0007】
ユーザの端末装置で上記した一次元バーコードを読み取って、商品等に関する情報をこの端末装置に提供するシステムも提案されている。この一次元バーコードを利用した商品情報提供システムとしては、例えば、下記特許文献1〜特許文献2が提案されている。
【0008】
【特許文献1】 特開2002−108740号公報
【特許文献2】 特開2003−308266号公報
【0009】
上記特許文献1〜特許文献2に記載の商品情報提供システムは、商品等に表示されている一次元バーコードを端末装置が備えているバーコードリーダにより読み取って、この読み取ったバーコードに関する情報をWebサーバに送信する。一方、Webサーバは、バーコード情報ごとにこのバーコードが付与された商品に関する情報を蓄積するURLを登録したデータベースを備えている。これにより、Webサーバは、端末装置から取得したバーコード情報に基づいてデータベースを検索(参照)して、このバーコード情報に対応するURLを求めて、このURLに蓄積されている情報をユーザの端末装置に表示させるように制御するシステムである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した特許文献1および2に記載の発明は、QRコード(登録商標)を使用しなくても、従来から使用されている一次元バーコードを利用してユーザの端末装置に商品情報を提供できるというメリットを有している。
【0011】
現在、市場に流通している商品または商品のパッケージに一次元バーコードであるJAN規格のバーコードを表示している商品は多数存在し、そのメーカーも多数ある。このため、これら商品に関する情報をユーザの端末装置、特に携帯電話機に提供するシステムの運営を一つのビジネスとして構築することが考えられる。すなわち、メーカーは商品に関する情報の配信と管理等を情報配信業者に委託し、情報配信業者はメーカーから情報の配信等に対して手数料等の収入を得るようにするビジネスである。
【0012】
上記のように、商品に関する情報提供システムをビジネスとして実施する場合には、複数のメーカーについてその多数種の商品に関する情報をユーザに提供する必要が生じる。このためには、バーコード情報に対応して、このバーコードが付与された商品に関する情報を蓄積している情報蓄積サーバのURL等、ビジネスとして情報を配信し管理するためのデータベースの構成を適切に設定することが重要になる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上記した従来の商品情報提供システムをさらに改善して、ビジネスとして実施できるようにした商品情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、商品または前記商品のパッケージ等に表示されたJAN規格のバーコードを読み取って、前記読み取ったバーコードに関する情報を管理サーバに送信して、前記商品に関する情報の配信要求を行なう端末装置と、
前記バーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する情報蓄積サーバと、を備えたインターネットを利用した商品情報提供システムであって、
前記管理サーバは、
予め設定された固有の識別番号ごとに、前記バーコードに関する情報と、前記バーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する前記情報蓄積サーバのURLとを登録した情報配信管理テーブルと、
前記端末装置から送信された前記バーコードに関する情報から、前記情報配信管理テーブルを参照して前記バーコードに対応して登録されている前記情報蓄積サーバのURLを求めて、前記URLに蓄積されている前記商品に関する情報を、前記端末装置への配信を制御する手段と、
を備えている商品情報提供システムである。
【0015】
さらに、本発明は、前記管理サーバは、
前記バーコードが付与された商品に関して、複数の情報種類のそれぞれのデータを蓄積する情報蓄積サーバのURLを登録した情報配信管理テーブルと、
前記端末装置が前記管理サーバをアクセスして前記商品に関する情報の配信要求を行なったときに、前記端末装置に表示するWebページであって、前記バーコードを入力して前記管理サーバに送信するためのバーコード入力用Webページと、前記バーコード入力用Webページから前記バーコードに関する情報を取得すると、前記複数の情報種類の名称を表示して、該表示された情報種類の名称のなかからいずれか一つを選択して該選択情報を前記管理サーバに送信するための情報種類選択用Webページと、
前記端末装置から取得した前記バーコードに関する情報と前記選択情報に基づいて、前記情報配信管理テーブルを参照して、前記取得したバーコードと選択情報に対応して前記情報配信管理テーブルに登録されている前記情報蓄積サーバのURLを求めて、前記URLに蓄積されている前記商品に関する情報を、前記端末装置への配信を制御する手段と、
を備えている商品情報提供システムである。
【0016】
さらに、本発明は、前記固有の識別番号は、前記バーコードごとに、かつ前記バーコードが付与された商品の製造元あるいは販売元等に対して、前記商品に関する情報の配信期間にわたって設定される番号とされている商品情報提供システムである。
【0017】
さらに、本発明は、前記端末装置は、前記バーコードを読み取る機能とインターネット接続機能を有する携帯電話機とされている商品情報提供システムである。
【0018】
上記したJAN規格のバーコードとは、JIS−X−0501により規格化された一次元バーコードであって、13桁から構成される標準タイプのバーコードを示す。この13桁のJAN規格のバーコードにおいては、2桁の国コード、5裄のメーカーコード、5桁の商品コード、1桁のチェックデジットから構成されている。
【0019】
なお、上記した携帯電話機は、インターネット接続機能を備え、さらに、バーコード読み取り機能と、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の仕様に準拠した機能を備えて動画像を再生する機能を備えていることが望ましい。この理由は、本システムは、ユーザの携帯電話機に動画像も配信可能にしたシステムになされているからである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の商品情報提供システムは、次のような効果を有している。
(1)管理サーバ3の情報配信管理データテーブル3D1には、予め、情報配信業者が設定した固有の識別番号(チャンネル番号)ごとに、商品に付与されているバーコードに関する情報と、このバーコードが付与された商品に関する情報を蓄積している情報蓄積サーバ4、5、6のURLに関する情報を登録している。また、このチャンネル番号は、商品一つごとに、かつ情報の配信契約を行ったメーカーに対して、配信契約期間中に貸与される識別番号としている。これにより、情報配信業者は、このチャンネル番号のメーカーへの貸与に対して手数料を受け取るようなビジネスとして、本発明のシステムを運営することが可能になる。
【0021】
(2)情報配信業者は、情報配信管理データテーブル3D1への各種データの登録操作、および登録データの削除、変更等の保守操作は、チャンネル番号を基にして行うことが可能になる。特に、本システムにより複数のメーカーについて多数の商品に関する情報を取り扱う場合には、情報配信管理データテーブル3D1への上記した操作に対してミスの発生を防止することが可能になるので、このメリットは大きくなる。
【0022】
(3)本システムにおいては、テキスト情報の他に、ユーザの選択により音声を含む動画像等、複数の種類の情報をユーザの端末装置に配信することを可能にしている。特に、音声を含む動画像データをユーザの端末装置に配信すると、その商品に対するPR効果は一層向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を実施するためのシステム構成の一例を示す図である。図1において、1a、1b、1cは、本発明のシステムを利用して商品に関する情報の配信要求と、その配信された情報を画面に表示するユーザの端末装置である。端末装置1a、1bは携帯電話機、端末装置1cはパーソナルコンピュータから構成されている。このように、本発明においてユーザの端末装置は、携帯電話機、パーソナルコンピュータを利用することができる。
【0024】
携帯電話機1a、1bは、インターネット接続機能を備えている必要がある。さらに、携帯電話機1a、1bは、JAN規格から構成される一次元バーコード(以下、バーコードという)をカメラにより撮像して読み取る機能と、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の仕様に準拠した機能を備えて、動画像を再生することが可能な携帯電話機であることが望ましい。なお、パーソナルコンピュータ1cには、バーコードリーダ2が接続されている。
【0025】
また、パーソナルコンピュータ1cには、Windows(Microsoft社)等のOSの他に、Webページを閲覧するためのソフトウエア(Webプラウザ)であるInternet Explorer(Microsoft社)、電子メール用のソフトウエアであるOutlook Express(Microsoft社)、映像蓄積サーバから配信されたストリーミング映像のデータを受信して再生するためのソフトウエアであるWindows Media Player(Microsoft社)、あるいはReal Player(RealNetworks社)、Quick Time Player(アップルコンピュータ)等を、予めインストールしておく。
【0026】
3は、パーソナルコンピュータあるいはワークステーション等から構成される管理サーバであって、本システムを運営する業者、例えば、管理サーバ3を管理・運営する情報配信業者(以下、本システムを運営する業者を情報配信業者という)が所有しているサーバである。ユーザの端末装置1a等がインターネットを介して管理サーバ3をアクセスすると、管理サーバ3は端末装置1a等から商品に関するバーコード情報を取得する。そして、管理サーバ3プログラム処理により、この受信したバーコード情報に対応してデータベースに登録されている情報蓄積サーバのURLを求める。続いて、管理サーバ3は、この情報蓄積サーバのURLに記録されている情報を、ユーザの端末装置1a等に表示させるための配信制御を行なう。
【0027】
3aは、情報配信業者が所有する端末装置であって、管理サーバ3をアクセスして、管理サーバ3が備えているデータベースに新規データの登録やメンテナンス等を行なうための端末装置である。
【0028】
4、5、6は、パーソナルコンピュータあるいはワークステーション等から構成される情報蓄積サーバである。情報蓄積サーバ4、5、6の外部記憶装置には、商品に関する情報がファイル名を付与して記憶されている。この商品に関する情報とは、各商品の取扱い方法(取扱説明書)をテキストデータで表現した情報、静止画像のデータに関する情報、動画像のデータに関する情報、等である。
【0029】
情報蓄積サーバ4、5、6は、情報配信業者が所有するサーバ、商品の製造元であるメーカーが所有しているサーバ、あるいは、第3者が運営するWebサーバを情報配信業者等がレンタルしたレンタルサーバ、等を使用することができる。
【0030】
上記した端末装置1c、管理サーバ3、端末装置3a、情報蓄積サーバ4、5、6は、各地に存在するインターネット・サービス・プロバイダ7を介して通信網であるインターネット8に接続されている。また、ユーザの携帯電話機1a、1bは、携帯電話サービス会社の地上基地局9とインターネット接続サーバ(情報センター)10を介してインターネット8に接続されている。なお、図1には表示していないが、各商品の製造元のWebサーバもインターネット8に接続されている。
【0031】
管理サーバ3は、図2に示すように、そのハードディスク装置等の記憶領域内にソフトウエア部3Sとデータベース部3Dを備えている。
ソフトウエア部3Sは、管理サーバ3を作動させるための各種のプログラムが記憶されている。ソフトウエア部3Sに記憶されているプログラムは、図2に示すように、Windows(Microsoft社)等のOSである3S1、Webプラウザ3S2、電子メール用ソフトウエア3S3、配信制御プログラム3S4、データベース登録保守プログラム3S5、各種のWebページ3S6、等から構成されている。これらの各プログラムは、実行されるときには管理サーバ3の主記憶装置に読み込まれる。
【0032】
データベース部3Dは、管理サーバ3の配信制御プログラム3S4がその処理を行なうときに参照するデータベース(以下、テーブルという)であって、情報配信管理テーブル3D1、メーカーテーブル3D2、等から構成されている。メーカーテーブル3D2は、本システムに加入しているメーカーについて、その名称、住所、メールアドレス、等の属性情報を登録したデ−タベースである。
【0033】
情報配信管理データテーブル3D1は、予め、情報配信業者が設定した固有の識別番号ごとに、商品に付与されているバーコードに関する情報と、このバーコードが付与された商品に関する情報を蓄積している情報蓄積サーバ4、5、6のURLに関する情報を登録したデータベースである。
【0034】
そして、ユーザの端末装置1a等が管理サーバ3をアクセスして商品に付与されているバーコードに関する情報を送信すると、管理サーバ3は配信制御プログラム3S4により、取得したバーコードに関する情報に対応してこの情報配信管理テーブル3D1を検索して、情報配信管理データテーブル3D1に登録されている情報蓄積サーバ4、5、6のいずれかのURLを求める処理を行なう。続いて、配信制御プログラム3S4は、この処理により求めたURLを、管理サーバ3をアクセスしたユーザの端末装置1a等に送信する処理を行なう。これにより、ユーザの端末装置1a等は、商品に付与されているバーコードに関する情報を管理サーバ3に送信することにより、情報蓄積サーバ4、5、6等に蓄積されているこの商品に関する情報を端末装置1a等の画面に表示させることが可能になる。
【0035】
続いて、情報配信管理テーブル3D1のデータ構成について説明する。図3に示す情報配信管理テーブル3D1には、識別番号h1、メーカー名h2、バーコード情報(数字で表現されるバーコード情報)h3、情報蓄積サーバh4、配信期間(配信開始日時と配信終了日時)h5、等に関するデータが予め登録されている。
【0036】
情報配信管理データテーブル3D1に登録されている識別番号h1は、5〜12桁程度の数字または英数字から構成される固有の識別番号であって、情報配信業者が設定する番号である。予め、情報配信業者はこの一つの識別番号h1ごとに、各メーカーが商品に付与したバーコード情報h3と、このバーコードh3が付与された商品に関する情報を記憶(蓄積)した情報蓄積サーバ4、5、6のURLを割り付けて、データベース登録保守プログラム3S5を稼動させて、これら情報を情報配信管理データテーブル3D1に登録する操作を行なう。また、商品に関する情報については、ユーザに配信する配信期間h5、すなわち、配信開始日時と配信終了日時も情報配信管理データテーブル3D1に登録するようにする。
【0037】
情報配信管理データテーブル3D1の情報蓄積サーバのURL欄に登録されるURL(h4)は、スキーム名、ドメイン名、ディレクトリ名とパス名とから構成され、このパス名がユーザの端末装置1a等に配信する情報データを記憶しているファイル名を示すことになる。
【0038】
情報配信管理データテーブル3D1のバーコードh3欄に登録されるJAN規格に基づくバーコード情報は、2桁の国コード、5桁のメーカーコード、5桁の商品コード、1桁のチェックデジットからなる13桁の数字データから構成される。これにより、13桁のJAN規格で表されるバーコード情報は、メーカー名が異なっていても一つ一つのバーコードは、固有の情報となる。
【0039】
上記したように、管理サーバ3は、端末装置1a等からの配信要求に対して、情報配信管理データテーブル3D1に登録しているバーコード情報から、このバーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する情報蓄積サーバのURLを検索することにより、ユーザの端末装置1a等に情報を配信することが可能になる。
しかし、本発明は、商品に関する情報提供システムをビジネスとして実施することを目的にしているため、複数のメーカーについてその多数種の商品に関する情報をユーザに提供する必要が生じる。このためには、情報配信業者は固有のバーコード情報ごとに、さらに、固有の識別番号h1(以下、チャンネル番号という)を設定すると、ビジネスとして商品に関する情報の配信とその管理の業務を、下記理由により実施し易くなる。
【0040】
(1)情報配信業者は、メーカーとの契約により、バーコードを付与した商品に関する情報をユーザに配信(提供)するサービス業務に対して、その手数料を得ることが可能になる。例えば、あるメーカーと100種の商品に対して1年間、この商品に関する情報をユーザに配信する業務の契約を行なう場合である。このような契約を行なう場合、情報配信業者は商品一つごとに上記した識別番号h1であるチャンネル番号を、この例では100種のチャンネル番号をこのメーカーに1年間ほど貸与して、この1年間のチャンネル番号の貸与(レンタル)に対して手数料を受け取るようなビジネスにすることができる。
【0041】
(2)上記(1)に記載したチャンネル番号h1をメーカーに所定の配信期間ほど貸与するようなビジネスシステムにすると、情報配信業者はチャンネル番号h1に基づいて情報配信管理データテーブル3D1への新規データの登録操作、あるいは登録データの削除、変更等の保守操作が容易になるというメリットが生じる。特に、本システムで複数のメーカー名の商品に関する情報を取り扱う場合には、このメリットは大きくなる。また、メーカー側は貸与されたチャンネル番号について、希望する情報の配信を情報配信業者に依頼することが可能になる。
【0042】
図4は、情報配信管理テーブル3D1について、他のデータ構成の例を示している。図4に示す情報配信管理テーブル3D1は、チャンネル番号h1ごとに設定されているバーコード情報h3に、このバーコードが付与された商品に関する複数の情報種類を、それぞれ蓄積する情報蓄積サーバのURLを登録したことに特徴がある。この複数の情報種類とは、情報の種類(カテゴリ)を示し、例えば、図4に示すように、取扱説明書のようにテキスト情報から作成された情報(図4に示す情報種類1)、動画像に関する情報(図4に示す情報種類2)を示す。
【0043】
管理サーバ3に、図4に示すデータ構成の情報配信管理テーブル3D1を備え、さらに、ユーザの端末装置1a等が商品に関する情報の配信要求を行うときに、管理サーバ3にこの商品に付与されているバーコードと上記した情報種類に関する情報を送信する手段を設けることにより、ユーザは好みの情報種類に関する情報の配信要求を行うことが可能になる。
【0044】
本発明のシステムを構築して稼動させるために、情報配信業者や商品の製造元あるいは販売元は、予め下記の事項(1)〜(5)を行っておく必要がある。以下、この内容について説明する。
【0045】
(1)情報配信業者は、本システムに加入するメーカーを募集する。
(2)本システムに加入するメーカーが決定すると、情報配信業者はメーカー側と打ち合せの上、バーコードが付与され商品であってこの商品に関する情報をユーザに配信する商品と配信期間を決める。そして、商品に関する情報をユーザに配信する商品数が決まると、情報配信業者は、この商品数に対応するチャンネル番号数をメーカー側に配信期間中に貸与する契約を行う。
【0046】
(3)次に、情報配信業者は、メーカー側に貸与したチャンネル番号についてその番号値を決める。このメーカー側に貸与するチャンネル番号値は、例えば、図3に示すAA社に100個のチャンネル番号、すなわち、100種の商品に関する情報を配信する場合には、「0000001」〜「000100」のように、連続したチャンネル番号を貸与する。このように、メーカー側に連続したチャンネル番号を貸与すると、情報配信管理テーブル3D1への各種データの登録や保守作業が容易になる。また、情報配信業者は、このメーカーに貸与するチャンネル番号をメーカー側に連絡する。
【0047】
(4)メーカー側は、貸与されたチャンネル番号ごとに、商品に付与されているバーコードに関する情報を割付けて情報配信業者に連絡する。このとき、ユーザに配信する商品に関する情報について、メーカー側のWebサーバに登録されている情報を利用する場合には、メーカー側はこの商品に関する情報を蓄積しているWebサーバのURLを、チャンネル番号とこの商品に付与されているバーコード情報に対応付けて情報配信業者に連絡する。これにより、商品に付与されているバーコード情報とこの商品に関する情報を蓄積する情報蓄積サーバのURLとの関連付けのミスの発生を防止することが可能になる。
【0048】
(5)情報配信業者は、メーカー側から連絡されたバーコードごとに、このバーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する情報蓄積サーバのURLを決定する。
【0049】
(6)情報配信業者は、テータベース登録保守プログラム3S5を稼動させて、情報配信管理テーブル3D1に、チャンネル番号(識別番号)h1ごとに、メーカー名h2、バーコード情報h3、情報蓄積サーバのURL(h3)、配信期間h5、・・・に関するデータを登録する操作を行う。
【0050】
(7)情報配信業者は、商品ごとに、ユーザに配信する情報を、情報配信管理テーブル3D1に登録されている情報蓄積サーバのURLにアップロードする作業を行なう。このアップロードする情報は、メール等にメーカー側から提供された情報、あるいは情報配信業者側がメーカー側と打ち合わせの上作成した情報とする。
【0051】
(8)なお、ユーザに配信する音声を含む動画像であって、メーカー側あるいは情報配信業者側が携帯電話機で撮像した動画像データを、情報蓄積サーバの4、5、6のいずれかにアップロードする手順は、例えば、次の手順により実施することができる。まず、携帯電話機で撮像した動画像データを、携帯電話機のメールの添付ファイルとして管理サーバ3、または端末装置3aに送信する。続いて、情報配信業者はこの受信した動画像データを、端末装置3a等から配信管理テーブル3D1に登録されている情報蓄積サーバのURL(h4)にアップロードする。
【0052】
(9)パーソナルコンピュータから構成されるユーザの端末装置1cに動画像を配信する場合、この動画像のデータの撮像とアップロードする操作は、例えば、次のように行なうことができる。
メーカー側または情報配信業者は、デジタルビデオカメラ等を使用して動画像を撮像する。そして、パーソナルコンピュータを使用して、この撮像した映像をストリーミング映像として配信できるデータに変換する作業を行う。撮像した映像をストリーミング映像として配信できるデータに変換するためのソフトウエアとしては、例えば、Windows Media Encoder(Microsoft社)、RealProducer(RealNetworks社)、QuickTime Pro(アップルコンピュータ)等を使用することができる。続いて、このストリーミング映像として配信できるデータ形式に変換した映像データを、端末装置3a等から配信管理テーブル3D1に登録されている情報蓄積サーバのURL(h4)にアップロードする。
【0053】
(10)メーカー側は、必要に応じて、ユーザが本システムを利用するためのWebサイトのURLを表すQRコード(登録商標)を製品カタログ等に印刷する。そして、ユーザは、携帯電話機1a、1bによりこのQRコード(登録商標)を撮像することにより、本システムを利用するためのWebページ(携帯電話機用サイト)をアクセスできるようにする。また、製品カタログの他に、メーカーまたは情報配信業者は、販売店の店頭に、ユーザが本システムを利用するためのWebページのURLを表すQRコード(登録商標)を印刷したポスター等を掲示してもよい。
【0054】
続いて、ユーザが販売店等において、携帯電話機1a等を使用して、管理サーバ3に商品に関する情報の配信要求を行なう手順と、この手順に伴う管理サーバ3の処理内容について説明する。ユーザが配信要求を行なう手順は、図5に示すようになる。以下、図5に示す手順t1〜t5に基づいて説明する。
【0055】
(手順t1)
まず、ユーザは、携帯電話1a等を使用して、本システムを利用するために管理サーバ3が公開する携帯電話機用のWebサイトをアクセスする。ユーザの携帯電話機がこのWebサイトをアクセスする方法は、次の方法を採用することができる。
【0056】
(1)メーカー側は、本システムを利用するためのWebサイトのURLを表すQRコード(登録商標)を製品カタログ等に印刷しておく、あるいは、販売店の店頭等にユーザが本システムを利用するためのWebサイトのURLを表すQRコード(登録商標)を印刷したポスター等を掲示しておく。そして、ユーザは、携帯電話1a等によりこの印刷物に印刷されたQRコード(登録商標)を撮像して、携帯電話機用のWebページをアクセスする。そして、一度このQRコード(登録商標)を撮像すると、携帯電話機1a等にこの情報を登録しておくようにする。
【0057】
(2)メーカーまたは情報配信業者は、パーソナルコンピュータからなる端末装置1c上に、本システムを利用するためのWebサイトを公開し、そのWebページに上記したQRコード(登録商標)を表示する。そして、ユーザは、携帯電話1a等により端末装置1cの画面に表示されたQRコード(登録商標)を撮像して、携帯電話機用のWebページをアクセスする。また、撮像したQRコード(登録商標)に関する情報を、携帯電話機1a等に登録しておくようにする。
【0058】
(3)情報配信業者は、本システムを利用するためのWebサイトを、携帯電話機サービス会社の公式サイトに登録する。そして、ユーザは携帯電話機によりこの公式サイトをアクセスし、そのメニュー画面から本システムを利用するためのWebサイトを選択する。
【0059】
(手順t1)により、ユーザの携帯電話機1a等が携帯電話機用のWebサイトをアクセスすると、管理サーバ3の配信制御プログラム3S4は、図6に示すバーコード入力用WebページG1を携帯電話機1a等に表示する。バーコード入力用WebページG1は、ユーザにその表示領域G1a内にバーコードに関する情報の入力を促すためのWebページである。また、バーコード入力用WebページG1は、その表示領域G1b、G1c内に、ユーザに選択させる情報種類の名称を示す「テキスト」と「動画像」を表示している。
【0060】
(手順t2)
ユーザの携帯電話機1a等がバーコードを撮像する機能を備えている場合には、この携帯電話機の機能ボタンを押して、表示された機能メニューのなかから「バーコードリーダ」を選択する。
【0061】
(手順t3)
ユーザは、商品またはこの商品のパッケージに表示されているバーコードを、携帯電話機1a等で撮像する。携帯電話機1a等でバーコードを撮像すると、携帯電話機は撮像したバーコードのイメージ情報を数字情報(バーコード情報)に変換する。管理サーバ3は携帯電話機1a等からこの変換したバーコード情報を取得することができるので、管理サーバ3の配信制御プログラム3S4は、図7に示す情報種類選択用WebページG2を携帯電話機1a等に表示する。この情報種類選択用WebページG2の表示領域G1a内には、ユーザが撮像したバーコード情報を表示する。
なお、ユーザの携帯電話機1a等がバーコードを撮像する機能を備えていない場合には、携帯電話機の押しボタン入力機能を利用して、直接、バーコード情報を表示領域G1a内に入力することができるようにする。
【0062】
(手順t4)
ユーザは、情報種類選択用WebページG2の表示領域G1b、G1c内に表示されている「テキスト」と「動画像」とのいずれか一方を、ボタン操作によりクリックして指定する。この操作は、商品に関する情報について、テキスト情報と動画像からユーザの希望を一つ選択させるための手段である。
【0063】
管理サーバ3は、情報種類選択用WebページG2を記述するプログラムにより、ユーザが上記した情報種類の名称である「テキスト」と「動画像」のいずれを選択したかを判定することができる。これにより、管理サーバ3の配信制御プログラム3S4は、携帯電話機1a等から取得したバーコード情報について情報配信管理テーブル3D1を検索する処理を行う。このような処理により、配信制御プログラム3S4は、該当するバーコード情報を登録している情報配信管理テーブル3D1について、携帯電話機1a等から取得した情報種類のデータを基にして、このユーザが選択した情報種類に関する情報を蓄積している情報蓄積サーバのURL(h4)を求めることができる。
【0064】
(手順t5)
配信制御プログラム3S4は、情報配信管理テーブル3D1を検索してユーザが選択した情報種類に関する情報を蓄積している情報蓄積サーバのURLを求めると、ユーザの携帯電話機1a等が管理サーバ3をアクセスした日時が、情報配信管理テーブル3D1の配信期間h5を満たしているか否かを判定する処理を行なう。そして、配信期間h5を満たしている場合には、このURLに関する情報をアクセスした携帯電話機1a等に送信する。そして、携帯電話機1a等は、そのインターネット接続機能によりこのURL情報を基にして情報蓄積サーバとリンクをとることができる。これにより、携帯電話機1a等の画面に、ユーザが選択した情報種類に関する情報を表示することが可能になる。
このようにして、ユーザは、販売店等において商品のパッケージを開けることなく、この商品またはパッケージに記載されていない情報を、携帯電話機1a等の画面を介して得ることができる。
【0065】
上記した本発明に実施形態の説明においては、ユーザの端末装置は携帯電話機を使用する例について説明したが、ユーザの端末装置として自宅に設置されたパーソナルコンピュータ(図1に示す端末装置1c)を使用することも可能である。
この場合には、ユーザは端末装置1cに接続しているバーコードリーダ2を用いて、商品またはパッケージに表示されているバーコードを読み取って管理サーバ3に送信する。そして、例えば、管理サーバ3の情報配信管理テーブル3D1において、情報蓄積サーバのURL(h4)を登録する欄には、パーソナルコンピュータ用に配信する情報を蓄積する情報蓄積サーバのURLを登録しておく。また、図6および図7に示すWebページもパーソナルコンピュータ用のWebページを作成する。このような手段を採用することにより、ユーザの端末装置としてパーソナルコンピュータを使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】 本発明のシステム構成について、その一例を説明するための図である。
【図2】 図1に示す管理サーバについて、ソフトウエア部とデータベース部の構成例を説明するための図である。
【図3】 図1に示す管理サーバが備えている情報配信管理テーブルについて、そのデータ構成の一例を説明するための図である。
【図4】 図3に示す情報配信管理テーブルについて、他のデータ構成例を説明するための図である。
【図5】 本発明のシステムを利用するユーザが、情報の配信要求を行なう手順を説明するための図である。
【図6】 本発明のシステムを利用するユーザが、携帯電話機を利用して情報の配信要求を行ったときに、携帯電話機の画面に表示される画面の一例を説明するための図である。
【図7】 同じく、本発明のシステムを利用するユーザが、携帯電話機を利用して情報の配信要求を行ったときに、携帯電話機の画面に表示される他の画面の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0067】
1a、1b、:携帯電話機
1c :端末装置
2 :バーコードリーダ
3 :管理サーバ
3D1:情報配信管理テーブル
3S4:配信制御プログラム
4、5、6:情報蓄積サーバ
8 :インターネット
G1 :バーコード入力用Webページ
G2 :情報種類選択用Webページ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品または前記商品のパッケージ等に表示されたJAN規格のバーコードを読み取って、前記読み取ったバーコードに関する情報を管理サーバに送信して、前記商品に関する情報の配信要求を行なう端末装置と、
前記バーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する情報蓄積サーバと、を備えたインターネットを利用した商品情報提供システムであって、
前記管理サーバは、
予め設定された固有の識別番号ごとに、前記バーコードに関する情報と、前記バーコードが付与された商品に関する情報を蓄積する前記情報蓄積サーバのURLとを登録した情報配信管理テーブルと、
前記端末装置から送信された前記バーコードに関する情報から、前記情報配信管理テーブルを参照して前記バーコードに対応して登録されている前記情報蓄積サーバのURLを求めて、前記URLに蓄積されている前記商品に関する情報を、前記端末装置への配信を制御する手段と、
を備えていることを特徴とする商品情報提供システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
前記バーコードが付与された商品に関して、複数の情報種類のそれぞれのデータを蓄積する情報蓄積サーバのURLを登録した情報配信管理テーブルと、
前記端末装置が前記管理サーバをアクセスして前記商品に関する情報の配信要求を行なったときに、前記端末装置に表示するWebページであって、前記バーコードを入力して前記管理サーバに送信するためのバーコード入力用Webページと、前記バーコード入力用Webページから前記バーコードに関する情報を取得すると、前記複数の情報種類の名称を表示して、該表示された情報種類の名称のなかからいずれか一つを選択して該選択情報を前記管理サーバに送信するための情報種類選択用Webページと、
前記端末装置から取得した前記バーコードに関する情報と前記選択情報に基づいて、前記情報配信管理テーブルを参照して、前記取得したバーコードと選択情報に対応して前記情報配信管理テーブルに登録されている前記情報蓄積サーバのURLを求めて、前記URLに蓄積されている前記商品に関する情報を、前記端末装置への配信を制御する手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の商品情報提供システム。
【請求項3】
前記固有の識別番号は、前記バーコードに関する情報ごとに、かつ前記バーコードが付与された商品の製造元あるいは販売元等に対して、前記商品に関する情報の配信期間にわたって設定される番号であることを特徴とする請求項1に記載の商品情報提供システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記バーコードを読み取る機能とインターネット接続機能を有する携帯電話機であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品情報提供システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate