説明

商品検索システム、情報処理端末およびプログラム

【課題】 店舗内で販売される商品やその陳列位置を容易に確認可能とすること。
【解決手段】 一実施形態における商品検索システムは、表示部および操作部が設けられた情報処理端末を有し、記憶手段と、第1表示手段と、情報特定手段と、第2表示手段とを備えている。前記記憶手段は、店舗の売場地図と販売商品の商品情報および陳列位置とを記憶する。前記第1表示手段は、前記記憶手段に記憶された売場地図を前記表示部に表示させる。前記情報特定手段は、前記操作部の操作によって前記表示部に表示された売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場を陳列位置とする商品の商品情報を前記記憶手段から特定する。前記第2表示手段は、前記情報特定手段によって特定された商品情報を前記表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、各種店舗内の各売場で販売される商品を検索する商品検索システム、このシステムで使用される情報処理端末、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやホームセンター等の店舗には、食品や衣料等のカテゴリ別に多数の商品が陳列されており、特定の商品の陳列場所を把握しづらいことがある。そのため、欲しい商品の陳列場所を探し出せずに購入を諦める客もいるし、スムーズな買い物が妨げられて不快な思いをする客もいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−107183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、都市の郊外等に大型店舗が多く建設されている。このような大型店舗には1つのフロア内に多くの商品棚が配置され、客の通路も複雑になっていることが多い。したがって、特定の商品の陳列場所を把握することが、より困難である。
【0005】
また、客が来店した店舗にて欲しい商品を探し回ったにも関わらず、その商品が販売されていなければ、その客を失望させてしまう。このような場合、その店舗の品揃えが悪いとの印象を客に与えかねない。
【0006】
このような事情から、店舗内で販売される商品やその陳列位置を容易に確認可能とするための手段を講じる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態における商品検索システムは、表示部および操作部が設けられた情報処理端末を有し、記憶手段と、第1表示手段と、情報特定手段と、第2表示手段とを備えている。
前記記憶手段は、店舗の売場地図と販売商品の商品情報および陳列位置とを記憶する。前記第1表示手段は、前記記憶手段に記憶された売場地図を前記表示部に表示させる。前記情報特定手段は、前記操作部の操作によって前記表示部に表示された売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場を陳列位置とする商品の商品情報を前記記憶手段から特定する。前記第2表示手段は、前記情報特定手段によって特定された商品情報を前記表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態における商品検索システムの全体構成を示す模式図。
【図2】同実施形態における顧客端末の好適な形態を示す図。
【図3】同実施形態におけるサーバ装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態における顧客端末の要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態における商品マスタのデータ構造例を示す模式図。
【図6】同実施形態における売場に定められたカテゴリを説明するための図。
【図7】同実施形態における地図情報ファイルのデータ構造例を示す模式図。
【図8】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
【図9】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
【図10】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
【図11】同実施形態におけるディスプレイの画面例を示す図。
【図12】同実施形態におけるディスプレイの画面例を示す図。
【図13】同実施形態におけるディスプレイの画面例を示す図。
【図14】同実施形態におけるディスプレイの画面例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態において同一の構成には同一の符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
(システム構成)
図1は、本実施形態における商品検索システムの全体構成を示す模式図である。このシステムは、サーバ装置1と、本実施形態における情報処理端末として機能する複数の顧客端末2とを、インターネットや店舗内のLAN(Local Area Network)等のネットワーク3に接続して構成されている。
【0011】
サーバ装置1は、例えば当該商品検索システムによる商品検索の対象となる店舗のバックヤードに設けられたストアサーバである。あるいは、当該店舗を運営する本部に設けられたサーバ装置であってもよい。
【0012】
各顧客端末2は、客の自宅等に設置されたパーソナルコンピュータや携帯電話等の通信端末、あるいは店舗内で客に貸し渡される小型端末等であり、いずれも表示部と操作部とネットワーク3を介してサーバ装置1と相互通信する手段とを備える。
【0013】
店舗内で客に貸し渡される顧客端末2の好適な形態を図2に示している。この顧客端末2は、タッチパネル26(操作部)が設けられたLCD(Liquid Crystal Display)であるディスプレイ25(表示部)を備えており、店舗にて客に貸し出されるショッピングカート4に取り付けられている。
【0014】
ショッピングカート4は、フレーム40に対して4つの車輪41と、上方を開口した商品収納用の買い物籠42と、ハンドル43とを取り付けて構成されている。各車輪41により、このショッピングカート4は前後左右方向に自走可能となっている。顧客端末2は、ハンドル43を持つ客からディスプレイ25の表示画面が見え易いように、フレーム40のハンドル43と買い物籠42の間に位置する部分に対して取り付けられている。
【0015】
(サーバ装置)
図3は、サーバ装置1の要部構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、制御の中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)10と、通信部11と、メモリ12(記憶手段)と、表示コントローラ13と、入力コントローラ14と、表示コントローラ13に接続されたディスプレイ15と、入力コントローラ14に接続されたキーボードやマウス等の入力デバイス16とを備えている。CPU10と、通信部11、メモリ12、表示コントローラ13、入力コントローラ14とは、アドレスバスやデータバスで構成されるバスライン17を介して接続されている。
【0016】
通信部11は、ネットワーク3を介して行われる各顧客端末2との通信を制御する。メモリ12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)で構成され、CPU10が実行する制御プログラム、商品マスタ121、および地図情報ファイル122等を記憶している。商品マスタ121および地図情報ファイル122の詳細については、図5〜図7の説明にて後述する。
【0017】
ディスプレイ15は例えばLCDであり、表示コントローラ13はCPU10からの指示に応じて各種情報をディスプレイ15に表示させる。入力デバイス16はユーザの操作に応じた信号を出力し、入力コントローラ14は入力デバイス16から出力される信号を取り込んでCPU10に出力する。
【0018】
(顧客端末)
図4は、図2に示した顧客端末2の要部構成を示すブロック図である。この顧客端末2は、制御の中枢として機能するCPU20と、無線通信部21と、メモリ22と、表示コントローラ23と、入力コントローラ24と、表示コントローラ23に接続された上記ディスプレイ25と、入力コントローラ24に接続された上記タッチパネル26とを備えている。CPU20と、無線通信部21、メモリ22、表示コントローラ23、入力コントローラ24とは、アドレスバスやデータバスで構成されるバスライン27を介して接続されている。
【0019】
無線通信部21は、ネットワーク3に接続された図示せぬアクセスポイントと電波によって無線通信し、このアクセスポイントを介して行われるサーバ装置1との相互通信を制御する。メモリ22は、ROMやRAMで構成され、顧客端末2の制御プログラム等を記憶している。
【0020】
表示コントローラ23は、CPU20からの指示に応じて各種GUI(Graphical User Interface)を含む画面をディスプレイ25に表示させる。入力コントローラ24はタッチパネル26がタッチ操作位置に応じて出力する電気信号を取り込んでタッチ操作位置の座標を求め、その座標とディスプレイ25に表示された各GUIの表示位置座標とを比較し、座標が一致するGUIがあるならば該GUIが操作された旨をCPU20に知らせる。
【0021】
なお、顧客端末2の各部は、図示せぬバッテリから電源供給を受けて動作する。このバッテリは、例えば顧客端末2を搭載したショッピングカート4が店舗の出入り口等に設けられたカート置き場にて待機しているときに、所定のケーブルが接続されて充電される。
【0022】
(データ構造)
次に、商品マスタ121および地図情報ファイル122のデータ構造について説明する。
図5は、商品マスタ121のデータ構造例を示す模式図である。商品マスタ121は、当該店舗で販売される各商品の識別コードであるJANコードに対し、商品名や単価等の商品情報と、1または複数の陳列位置情報等とを設定したレコードによって構成されている。例えば図示した最上位のレコードでは、JANコード「JAN001」に対して商品名「たまねぎドレッシング130ml」、単価「399」、陳列位置情報「食料品−調味料−ドレッシング」,「食料品−肉−牛肉」等が設定されている。
【0023】
なお、当該商品検索システムの検索対象である店舗の売場には、例えば図6に示すように階層化されたカテゴリが定められている。図示した例において、「食料品」「日用品」「金物」「木材」等は最上位カテゴリである。これら各最上位カテゴリの下には中位カテゴリが定められている。例えば「食料品」の下には中位カテゴリとして「野菜」「肉」「調味料」「魚」等が定められている。さらに各中位カテゴリの下には最下位カテゴリが定められている。例えば「調味料」の下には最下位カテゴリとして「味噌」「醤油」「ドレッシング」「酢」等が定められている。これら最上位,中位,最下位からなる3つのカテゴリにて、商品マスタ121の各商品の陳列位置情報が記述される。例えば上記したJANコード「JAN001」の商品の陳列位置情報「食料品−調味料−ドレッシング」は、「食料品」の売場内にある「調味料」の売場の、「ドレッシング」の売場に当該商品が陳列されていることを示す。
【0024】
図7は、地図情報ファイル122のデータ構造例を示す模式図である。地図情報ファイル122は、1つの全売場地図122aと、上記最上位カテゴリに属する売場と同数の拡大売場地図122bと、上記中位カテゴリに属する売場と同数の詳細売場地図122cとで構成されている。全売場地図122aは、店舗全体の地図内に最上位カテゴリに属する各売場を配置してなる(図11参照)。拡大売場地図122bは、最上位カテゴリに属する売場毎に設けられ、各拡大売場地図122bは、対応する最上位カテゴリに属する中位カテゴリの各売場をやや拡大した店舗地図内に配置してなる(図12参照)。詳細売場地図122cは、中位カテゴリに属する売場毎に設けられ、各詳細売場地図122cは、対応する中位カテゴリに属する最下位カテゴリの各売場を拡大売場地図122bよりもさらに拡大した地図内に配置してなる(図13参照)。このように、当該店舗の売場地図は、店舗内の売場配置を大区分で示す全売場地図122aからより詳細な売場配置を示す拡大売場地図122b,詳細売場地図122cへと順次階層化して構成されている。
【0025】
(動作)
次に、サーバ装置1および顧客端末2の動作について説明する。なお、ここでは図2に示した顧客端末2の動作を例示する。
顧客端末2は、ショッピングカート4が上記カート置き場に置かれている際に、スタンバイモードにて動作開始を待っている。ショッピングカート4が来店した客により上記カート置き場から持ち出され、ディスプレイ25の画面がタッチされると、顧客端末2は動作を開始する。
【0026】
顧客端末2の動作開始後に顧客端末2のCPU20およびサーバ装置1のCPU10が実行する処理のフローチャートを図8,図9,および図10に示す。各図に示す処理は、CPU20がメモリ22に記憶された制御プログラムを実行し、CPU10がメモリ12に記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0027】
動作開始当初において、先ず顧客端末2のCPU20は、動作開始の通知を無線通信部21によって送信する(ステップS101)。この通知は、上記アクセスポイントに中継されてサーバ装置1に送られる。
【0028】
サーバ装置1のCPU10は、他の処理と並行して顧客端末2からの上記動作開始の通知の受信を待ち受けている(ステップS201のNo)。やがて、通信部11を介して上記通知を受信すると(ステップS201のYes)、CPU10は、地図情報ファイル122を構成する最上層の地図、すなわち全売場地図122aを通信部11によって返信する(ステップS202)。返信された全売場地図122aは、上記アクセスポイントに中継されて上記通知の送信元である顧客端末2に送られる。しかる後、CPU10は、ステップS201の処理に戻る。
【0029】
上記動作開始の通知を送信した後、顧客端末2のCPU20は、全売場地図122aの受信を待ち受けている(ステップS102のNo)。やがて上記のようにサーバ装置1から返信される全売場地図122aを無線通信部21によって受信すると(ステップS102のYes)、CPU20は、受信した全売場地図122aをディスプレイ25に表示させる(ステップS103)。このようにして、地図情報ファイル122から最上層の売場地図が読み出され、ディスプレイ25に表示される(第1表示手段)。
【0030】
全売場地図122aが表示されたディスプレイ25の画面例を、図11に示す。図示したように、ディスプレイ25に表示された全売場地図122aには、最上位カテゴリに属する「食料品」「日用品」「金物」「木材」等の各売場の位置に加え、当該店舗の会計場である「レジ」や「出入り口」の位置が表されている。
【0031】
このように全売場地図122aがディスプレイ25に表示された状態で、CPU20は、ディスプレイ25の表示画面に対する操作を受け付ける(ステップS104)。客が、ディスプレイ25の表示画面をタッチ操作すると、CPU20は、当該操作が「食料品」「日用品」「金物」「木材」等の売場の指定であるか否かを判定する(ステップS105)。売場の指定でない場合(ステップS105のNo)、CPU20は、操作に応じた処理を実行する。一方、ステップS104で受け付けた操作がいずれかの売場の表示位置へのタッチである場合、CPU20は、当該操作が売場の指定であると判定する(ステップS105のYes)。このときCPU20は、現在表示中の地図が最下層の地図、すなわち詳細売場地図122cであるか否かを判定する(ステップS106)。
【0032】
今、ディスプレイ25に表示されているのは全売場地図122aであるので、CPU20は表示中の地図が最下層の地図でないと判定する(ステップS106のNo)。このとき図9に示す処理に移り、CPU20は、指定された売場の識別情報とともに同売場の下層地図の要求コマンドを無線通信部21によって送信する(ステップS107)。この要求コマンド等は、上記アクセスポイントに中継されてサーバ装置1に送られる。
【0033】
サーバ装置1のCPU10は、他の処理と並行して顧客端末2からの上記識別情報および要求コマンドの受信を待ち受けている(ステップS211のNo)。やがて、通信部11によって上記識別情報および要求コマンドを受信すると(ステップS211のYes)、CPU10は、受信した識別情報で示される売場に対応する下層地図を地図情報ファイル122から特定する(ステップS212)。例えば図11の例において指定された売場が「食料品」である場合、要求された下層地図として、食料品売場を示す拡大売場地図122bが地図情報ファイル122から特定される。このように下層地図を特定すると、CPU10は、該下層地図を通信部11によって返信する(ステップS213)。返信された下層地図は、上記アクセスポイントに中継されて上記要求コマンド等の送信元である顧客端末2に送られる。しかる後、CPU10は、ステップS211の処理に戻る。
【0034】
上記下層地図の要求コマンド等を送信した後、顧客端末2のCPU20は、下層地図の受信を待ち受けている(ステップS108のNo)。やがて上記のようにサーバ装置1から返信される下層地図を無線通信部21によって受信すると(ステップS108のYes)、CPU20は、受信した下層地図をディスプレイ25に表示させる(ステップS109)。このようにして、地図情報ファイル122から下層の売場地図が読み出され、ディスプレイ25に表示される(第1表示手段)。
【0035】
拡大売場地図122bが表示されたディスプレイ25の画面例を、図12に示す。この例は、全売場地図122aから「食料品」の売場が指定された際の画面例である。図示したように、ディスプレイ25に表示された拡大売場地図122bには、食料品に属する中位カテゴリの売場である「野菜」「肉」「調味料」「魚」等の各売場の位置に加え、当該店舗の会計場である「レジ」や「出入り口」の位置が表されている。なお、この拡大売場地図122bにおいては、全売場地図122aの場合よりもレジ配置を詳しく表示している。
【0036】
このように拡大売場地図122bがディスプレイ25に表示された状態で、CPU20は、図8のステップS104の処理に戻って再びディスプレイ25の表示画面に対する操作を受け付ける。このとき客がディスプレイ25の表示画面をタッチ操作して表示中の拡大売場地図122bに含まれるいずれかの売場を指定すると(ステップS105のYes)、CPU20は、現在表示中の地図が最下層の地図、すなわち詳細売場地図122cであるか否かを判定する(ステップS106)。
【0037】
今、ディスプレイ25に表示されているのは拡大売場地図122bであるので、CPU20は表示中の地図が最下層の地図でないと判定する(ステップS106のNo)。このとき再び図9に示す処理に移り、CPU20は、指定された売場の識別情報とともに同売場の下層地図の要求コマンドをサーバ装置1に送信する(ステップS107)。なお、ここで送信される識別情報は、例えば「食料品−調味料」のように、表示中の拡大売場地図122bに対応する最上位カテゴリの売場を示す情報と、指定された中位カテゴリの売場を示す情報とで構成される。
【0038】
サーバ装置1のCPU10は、上記識別情報および要求コマンドを受信すると(ステップS211のYes)、受信した識別情報で示される売場に対応する下層地図を地図情報ファイル122から特定する(ステップS212)。例えば図12の例において「調味料」の売場が指定され、識別情報として「食料品−調味料」を受信した場合、要求された下層地図として、「食料品」の売場内にある「調味料」の売場を示す詳細売場地図122cが地図情報ファイル122から特定される。このように特定された下層地図は顧客端末2に返信される(ステップS213)。
【0039】
顧客端末2のCPU20は、サーバ装置1から返信される下層地図を受信すると(ステップS108のYes)、受信した下層地図をディスプレイ25に表示させる(ステップS109)。詳細売場地図122cを表示したディスプレイ25の画面例を、図13に示す。この例は、図12に示した拡大売場地図122bから「調味料」の売場が指定された際の画面例である。図示したように、ディスプレイ25に表示された詳細売場地図122cには、調味料に属する最下位カテゴリの売場である「味噌」「醤油」「ドレッシング」「酢」等の各売場の位置が表されている。
【0040】
このように詳細売場地図122cがディスプレイ25に表示された状態で、CPU20は、図8のステップS104の処理に戻って再びディスプレイ25の表示画面に対する操作を受け付ける(ステップS104)。このとき客がディスプレイ25の表示画面をタッチ操作して表示中の詳細売場地図122cに含まれるいずれかの売場を指定すると(ステップS105のYes)、CPU20は、現在表示中の地図が最下層の地図であるか否かを判定する(ステップS106)。
【0041】
今、ディスプレイ25に表示されているのは詳細売場地図122cであるので、CPU20は表示中の地図が最下層の地図であると判定する(ステップS106のYes)。このとき図10に示す処理に移り、CPU20は、指定された売場の識別情報とともに同売場の陳列商品の問合せコマンドを無線通信部21によって送信する(ステップS110)。なお、ここで送信される識別情報は、例えば「食料品−調味料−ドレッシング」のように、表示中の詳細売場地図122cに対応する最上位カテゴリの売場および中位カテゴリの売場を示す情報と、指定された最下位カテゴリの売場を示す情報とで構成される。送信された問合せコマンド等は、上記アクセスポイントに中継されてサーバ装置1に送られる。
【0042】
サーバ装置1のCPU10は、他の処理と並行して顧客端末2からの上記識別情報および問合せコマンドの受信を待ち受けている(ステップS221のNo)。やがて、通信部11によって上記識別情報および問合せコマンドを受信すると(ステップS221のYes)、CPU10は、受信した識別情報で示される売場に陳列された商品の商品情報を商品マスタ121から特定する(ステップS222:情報特定手段)。例えば図13の例において「ドレッシング」の売場が指定され、識別情報として「食料品−調味料−ドレッシング」を受信した場合、この識別情報と同一の陳列位置情報が設定されたレコードが商品マスタ121から特定される。
【0043】
このようにして陳列商品の商品情報を特定すると、CPU10は、特定した商品情報を通信部11によって返信する(ステップS223)。ここで返信される商品情報は、例えば上記特定された陳列商品に対応する商品マスタ121のレコードに記述された商品名および単価である。返信された商品情報は、上記アクセスポイントに中継されて上記問合せコマンド等の送信元である顧客端末2に送られる。しかる後、CPU10は、ステップS221の処理に戻る。
【0044】
上記問合せコマンド等を送信した後、顧客端末2のCPU20は、陳列商品の商品情報の受信を待ち受けている(ステップS111のNo)。やがて上記のようにサーバ装置1から返信される商品情報を無線通信部21によって受信すると(ステップS111のYes)、CPU20は、受信した商品情報をディスプレイ25に表示させる(ステップS112)。このようにして、商品マスタ121から陳列商品の商品情報が読み出され、ディスプレイ25に表示される(第2表示手段)。
【0045】
商品情報が表示されたディスプレイ25の画面例を、図14に示す。この例は、図13に示した詳細売場地図122cから「ドレッシング」の売場が指定された際の画面例である。図示したように、ディスプレイ25には、「たまねぎドレッシング130ml 399円(税込)」等のように「食料品−調味料−ドレッシング」で特定される売場に陳列された各商品の商品情報が表示される。
【0046】
このように商品情報がディスプレイ25に表示された状態で、CPU20は、図8のステップS104の処理に戻って再びディスプレイ25の表示画面に対する操作を受け付ける(ステップS104)。
【0047】
なお、CPU20は、ステップS104の処理において、図12,13のようにディスプレイ25に売場地図122b,122cが表示されているときに売場以外の位置がタッチ操作された場合には(ステップS104のNo)、表示中の地図に代えて直前に表示していた上層の地図を再表示する。また、図14のようにディスプレイ25に陳列商品の商品情報が表示されているときに商品情報以外の位置がタッチ操作された場合には、表示中の商品情報に代えて直前に表示していた詳細売場地図122cを再表示する。
【0048】
ステップS101〜S112の処理は、ショッピングカート4が上記カート置き場に返却されると終了する。
【0049】
なお、顧客端末2が客の自宅等に設置されたパーソナルコンピュータや携帯電話等の通信端末である場合であっても、上記ステップS101〜S112と同様の処理が実行される。その際、タッチパネルに代えてキーボードやマウス等の他の操作部にてディスプレイの表示画面を操作するようにしてもよい。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の商品検索システムにおいては、顧客端末2のディスプレイに表示された売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場に陳列された商品の商品情報が同ディスプレイに表示される。このような構成であれば、客が店舗の売場の配置状態や、各売場にて販売されている商品を容易に確認することができる。
【0051】
さらに、売場地図は店舗内の売場配置を大区分で示す地図からより詳細な売場配置を示す地図へと順次階層化して構成されており、顧客端末2のディスプレイに表示された地図の売場を順次指定していくことで、より詳細な売場配置を確認できる。このような構成であれば、全体の売場構成から詳細な売場構成まで視覚的に容易に認識できるので、商品検索の速度も向上する。
【0052】
(変形例)
なお、上記実施形態にて開示した構成は、種々変形実施可能である。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0053】
(1)前記実施形態では、各地図122a〜122cにて1つのフロア内の売場地図を階層化する場合を例示した。しかしながら、複数のフロアの売場地図を階層化して地図情報ファイル122を構成してもよい。例えば複数階からなる店舗を対象として商品検索システムを稼働させる場合には、最上層の売場地図として店舗の階構成図を地図情報ファイル122に追加してもよい。また、本館と別館のように複数の建物を擁する店舗を対象として商品検索システムを稼働させる場合には、最上層の売場地図として各建物の配置図を地図情報ファイル122に追加してもよい。
【0054】
(2)また、図14のように顧客端末2のディスプレイに各陳列商品の商品情報が表示された状態でいずれかの商品情報が指定されると、より詳細な商品情報が表示されるようにしてもよい。この場合に表示されるより詳細な商品情報としては、例えば製造元情報、原価からの値割引き額、商品の特徴説明など、種々の情報を採用し得る。
【0055】
(3)また、上記実施形態にてサーバ装置1のCPU10が実行するとして説明した処理の全てまたは一部を、顧客端末2のCPUに実行させてもよい。例えば、図8におけるステップS202にてサーバ装置1から顧客端末2に商品マスタ121と地図情報ファイル122が返信されるとし、ステップS212における下層地図の特定や、ステップS222における陳列商品の特定を顧客端末2のCPUに実行させてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1…サーバ装置、2…顧客端末、3…ネットワーク、4…ショッピングカート、10,20…CPU、12,22…メモリ、25…ディスプレイ、26…タッチパネル、121…商品マスタ、122…地図情報ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部および操作部が設けられた情報処理端末を有する商品検索システムであって、
店舗の売場地図と販売商品の商品情報および陳列位置とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された売場地図を前記表示部に表示させる第1表示手段と、
前記操作部の操作によって前記表示部に表示された売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場を陳列位置とする商品の商品情報を前記記憶手段から特定する情報特定手段と、
前記情報特定手段によって特定された商品情報を前記表示部に表示させる第2表示手段と、
を備えていることを特徴とする商品検索システム。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶される売場地図は、店舗の売場配置を大区分で示す地図からより詳細な売場配置を示す地図へと順次階層化して構成され、
前記第1表示手段は、前記表示部に表示中の売場地図が前記各地図のうちの最下層の地図でない場合に前記操作部によって表示中の売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場内のより詳細な売場配置を示す下層の地図を前記記憶手段に記憶された各地図の中から特定して前記表示部に表示させ、
前記情報特定手段は、前記表示部に表示中の売場地図が前記各地図のうちの最下層の地図である場合に前記操作部によって当該表示中の売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場を陳列位置とする商品の商品情報を前記記憶手段から特定し、
当該特定された商品情報を第2表示手段が前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の商品検索システム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、買い物籠を有するショッピングカートに取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品検索システム。
【請求項4】
表示部と、
操作部と、
店舗の売場地図と販売商品の商品情報および陳列位置とを記憶した記憶手段から前記売場地図を読出して前記表示部に表示させる第1表示手段と、
前記操作部の操作によって前記表示部に表示された売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場を陳列位置とする商品の商品情報を前記記憶手段から読出して前記表示部に表示させる第2表示手段と、
を備えていることを特徴とする情報処理端末。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶される売場地図は、店舗の売場配置を大区分で示す地図からより詳細な売場配置を示す地図へと順次階層化して構成され、
前記第1表示手段は、前記表示部に表示中の売場地図が前記各地図のうちの最下層の地図でない場合に前記操作部によって表示中の売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場内のより詳細な売場配置を示す下層の地図を前記記憶手段から読出して前記表示部に表示させ、
前記第2表示手段は、前記表示部に表示中の売場地図が前記各地図のうちの最下層の地図である場合に前記操作部によって当該表示中の売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場を陳列位置とする商品の商品情報を前記記憶手段から読出して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項4に記載の情報処理端末。
【請求項6】
表示部、操作部、および通信手段を備えたコンピュータに、
店舗の売場地図と販売商品の商品情報および陳列位置とを記憶した記憶手段から前記売場地図を読み出して前記表示部に表示させる第1表示機能と、
前記操作部の操作によって前記表示部に表示された売場地図に含まれる売場が指定されると、その売場を陳列位置とする商品の商品情報を前記記憶手段から読出して前記表示部に表示させる第2表示機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−79009(P2012−79009A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222473(P2010−222473)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】