商品登録処理システム
【課題】商品1品毎に無線タグを付すことなく、決済時間の短縮を図る。
【解決手段】各情報端末装置14は、対応する商品に手を伸ばしたユーザからIDコードを非接触により取得すると、対応する商品の登録入力を受付ける。対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報をサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、各情報端末装置14から受信した登録商品情報からIDコード別に商品販売情報を記憶管理する。決済装置15からIDコードが入力されると、そのIDコードに対応した商品販売情報を決済装置15に送信する。決済装置15は、サーバ装置11から受信した商品販売情報に基づいて決済処理を行なう。
【解決手段】各情報端末装置14は、対応する商品に手を伸ばしたユーザからIDコードを非接触により取得すると、対応する商品の登録入力を受付ける。対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報をサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、各情報端末装置14から受信した登録商品情報からIDコード別に商品販売情報を記憶管理する。決済装置15からIDコードが入力されると、そのIDコードに対応した商品販売情報を決済装置15に送信する。決済装置15は、サーバ装置11から受信した商品販売情報に基づいて決済処理を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット,コンビニエンスストア等の店舗で利用される商品登録処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、商品の陳列場所と決済場所とが区分されている。このような店では、買物客は、陳列場所に陳列されている商品の中から自身が購入する商品を選択し、買い物籠等に入れて決済場所まで運ぶ。決済場所には、POS(Point Of Sales:販売時点情報管理)端末等と称される決済装置が設置されている。しかして、キャッシャ等と称される決済担当の店員は、買物客から決済の申し出を受けると、その客が購入する商品を1品ずつ決済装置に登録する。登録は、通常、商品に付されているバーコード(商品コード)をスキャナで読取らせることによって行う。こうして、客が購入する全商品のバーコードの登録を終えると、全購入商品の代金が決済装置の表示部に表示されるので、店員は買物客から代金の支払いを受け、レシートを手渡す。
【0003】
従来は、通常、以上の作業手順により、1人の買物客との商取引の決済が完了していた。このため、買物客が購入する商品を決済装置に登録するために、買い物籠等から商品を店員が1品ずつ取り出し、その商品に付されたバーコードをスキャナで読取らせていたので、登録作業に時間がかかるという問題があった。
【0004】
そこでこのような問題を解決するために、近年、無線タグを利用した商品登録処理システムが提案されている。このシステムは、基本的には、各商品に1つずつ付される無線タグと、この無線タグに記憶された情報を非接触通信により読取る無線タグリーダと、この無線タグリーダで読取られた情報により決済処理を行なうPOS端末等の決済装置とから構成されている。無線タグは、RFIDタグ,ICタグ等とも称される。
【0005】
このシステムでは、アンチコリジョン(衝突防止)という機能を用いることによって、無線タグリーダの1つのアンテナの交信領域内に複数の無線タグが存在しても一括してデータの読込みが可能となるという特徴がある。そこで、各商品にそれぞれ付された無線タグに、その商品の商品コードなどを記憶させるとともに、決済場所の買い物籠載置部に無線タグリーダを設ける。
【0006】
こうすることにより、客が購入する商品を収容した買い物籠が買い物籠載置部に置かれると、その買い物籠内の各商品にそれぞれ付されている無線タグの情報、つまりは商品コード等が無線タグリーダによって一括して読取られ、決済装置に登録されるので、登録作業に係る時間を大幅に短縮できる効果を奏する(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、この無線タグを用いた商品登録処理システムの場合は、決済装置への商品の登録が自動的に行なわれるので、代金の授受も含めて全ての決済作業を客自身に行なわせるセルフチェックアウト方式の商品登録処理システムも既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10-049756号公報
【特許文献2】特開2003-272057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の無線タグを用いた商品登録処理システムにおいては、店で販売する全ての商品に対して1品毎に無線タグを付さなければならず、しかも各無線タグには、当該タグが付されている商品の商品コード等を書き込まなければならないという点で、手間がかかるという問題があった。
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、商品1品毎に無線タグを付すことなく、決済場所での商品登録に要する時間を大幅に短縮できる商品登録処理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部及びこの表示部に表示させる情報を受信する通信部を備えた複数の情報端末装置と、各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ送信する機能を有したサーバ装置と、商取引の決済処理を行なう決済装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品登録処理システムである。
このものにおいて、各情報端末装置は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報を非接触により取得するユーザ識別認識手段と、このユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に、対応する商品の登録入力を受付ける入力受付手段と、対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報を通信部から通信ネットワークを介してサーバ装置に送信する登録商品情報送信手段とをそれぞれ備える。
サーバ装置は、各情報端末装置から通信ネットワークを介して送信されてくる登録商品情報を受信する情報受信手段と、ユーザ識別情報別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段と、情報受信手段により登録商品情報を受信する毎に、当該登録商品情報に含まれる商品識別情報を取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の取引情報記憶領域に追加する登録商品情報処理手段と、決済装置からユーザ識別情報の問合せがあったことに応じて、取引情報記憶手段における当該ユーザ識別情報別取引情報記憶領域に記憶されている商品識別情報を一括して決済装置に転送する商取引情報転送手段とを備える。
【0011】
決済装置は、ユーザ識別情報の入力手段と、入力されたユーザ識別情報をサーバ装置に問合せるユーザ問合せ手段と、サーバ装置から転送されてきた商品識別情報により入力手段を介して入力されたユーザ識別情報で識別されるユーザとの商取引の決済処理を行なう決済処理手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
かかる手段を講じた本発明によれば、商品1品毎に無線タグを付すことなく、決済場所での商品登録に要する時間を大幅に短縮できる商品登録処理システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、電子棚札管理システムが構築されたスーパーマーケット等の店舗に、本発明の商品登録処理システムを適用した場合である。
【0014】
図1は本実施の形態における商品登録処理システム1の全体構成を示すブロック図である。本システム1は、その中枢部としてサーバ装置11を備えている。サーバ装置11は、インターネット2上で行なわれる各種機能に特化したWEBサーバ111、専用のネットワークで接続された本部システム3等の外部システムとのデータ通信に特化したネットワークサーバ112、棚札に関する情報管理に特化した棚札管理サーバ113,顧客に関する情報管理に特化した顧客管理サーバ114及び商品販売に関する情報管理に特化したPOSサーバ115等で構成されている。各サーバ111〜115は、通信回線116によって接続されている。
【0015】
棚札管理サーバ113は、電子棚札管理システムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線121を介して複数台の棚札コントローラ13を接続している。各棚札コントローラ13は、それぞれ店内に設置された複数の商品陳列棚に対応して設けられており、その商品陳列棚に陳列されている各種商品品目にそれぞれ対応して設けられた全ての電子棚札装置14を通信回線122を介して接続している。しかして、各棚札コントローラ13は、棚札管理サーバ113と各電子棚札装置14との間のデータ中継部としての機能を有する。
【0016】
棚札管理サーバ113には、棚札情報ファイルF1と取引情報ファイルF2が実装されている。棚札情報ファイルF1には、図2に示すデータ構造の棚札情報レコードが保存されている。すなわち棚札情報レコードは、棚札番号,商品コード,商品名,単価等のデータ項目を含む。棚札番号は、各電子棚札装置14を識別するために電子棚札装置14毎に予め設定された固有の番号である。なお、棚札番号は数字だけでなく、アルファベットなどの文字や記号を含むものであってもよい。また、文字や記号のみで表現されていてもよい。商品コード,商品名及び単価等の商品情報は、同一レコードの棚札番号で特定される電子棚札装置14に対応付けられた商品品目に関する情報である。
【0017】
取引情報ファイルF2には、図3に示すデータ構造の取引情報レコードが保存されている。すなわち取引情報レコードは、IDコード,顧客コード及び顧客個人情報と、商品コード,単価,点数及び金額の商品販売情報と、合計金額情報と、決済フラグ及び回収フラグのフラグ情報とを含む。IDコードは、来店した買物客を識別するためのコードである。顧客コードは、店舗と会員契約を結んでいる各顧客を識別するために顧客毎に予め設定された固有のコードである。顧客個人情報は、同一レコードの顧客コードによって特定される顧客の氏名,性別,年齢等である。商品販売情報は、同一レコードのIDコードによって特定される買物客が購入する商品の商品コード,単価,点数,金額等である。合計金額情報は、同一レコードのIDコードによって特定される買物客が購入する商品の合計金額である。フラグ情報のうちの決済フラグは、同一レコードのIDコードによって特定される買物客の決済が完了したか否かを識別するフラグであって、本実施の形態では、決済未完了のときを“0”とし、決済完了を“1”とする。また、回収フラグは、同一レコードのIDコードによって特定される買物客からIDコードを回収したか否かを識別するフラグであって、本実施の形態では、未回収のときを“0”とし、回収済を“1”とする。ここに、取引情報ファイルF2は、ユーザ識別情報(IDコード)別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段を構成する。
【0018】
POSサーバ115は、POSシステムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線123を介して複数台のPOS端末15を接続している。各POS端末15は、決済装置の一態様であって、顧客が買上げた商品の販売データを登録処理し、その代金を現金,クレジットカード,プリペイドカード,電子マネー,デビットカード等の種々の支払い方法に応じて決済処理するものである。
【0019】
POSサーバ115には、商品マスタファイルF3が実装されている。商品マスタファイルF3には、商品コード,品名,単価,商品分類コード,棚札番号等のデータ項目からなる商品情報レコードが保存されている。商品コードは、店で販売される各種商品品目を識別するために商品毎に予め設定された固有のコードである。品名,単価,商品分類コードは、同一レコードの商品コードによって特定される商品の情報である。棚札番号は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の陳列場所に設けられた電子棚札装置14を特定する番号である。
【0020】
顧客管理サーバ114は、顧客管理システムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線124を介して複数台のID発行端末16とID回収端末17を接続している。ID発行端末16は、ユーザ識別発行装置の一態様であって、ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5に、当該ブレスレット4を携帯する買物客(ユーザ)を識別するためのユーザ識別情報であるIDコードを非接触通信によって書き込む機能を有する。ID回収端末17は、ユーザ識別装置の一態様であって、ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5から上記IDコードを非接触通信によって読取る機能を有する。ここにIDコードは、買物客が買物をしている間だけ有効なコードとなる。
【0021】
顧客管理サーバ114には、顧客マスタファイルF4が実装されている。顧客マスタファイルF4には、顧客コードと、氏名,住所,連絡先電話番号,性別,年齢等の顧客個人情報と、サービスポイント累計データと、商取引履歴データとを含む顧客情報レコードが保存されている。
【0022】
図4はID発行端末16の要部構成を示すブロック図である。ID発行端末16は、通信部161,表示部162,生体認証部163,ID発行管理部164及び各部を制御する制御部165等で構成している。通信部161は、通信回線124を介して接続された顧客管理サーバ114とのデータ通信を司る。表示部162は、当該ID発行端末16を操作するユーザ6に対して操作ガイダンスなどを表示する。
【0023】
生体認証部163は、生体情報記憶部166と生体情報読取部167を備えている。生体情報記憶部166は、図5に示すように、顧客マスタファイルF4に顧客個人情報が登録されている各顧客をそれぞれ識別する顧客コードに対応して、予め登録されているその顧客の生態情報を記憶する。生体情報読取部167は、ユーザ6の生体情報を取込む。生体認証部163は、生体情報読取部167により読取られた生体情報と生体情報記憶部166に記憶されている各ユーザの生体情報とを照合して本人認証を行なう。
なお、この実施の形態では、生体情報として指紋を使用する。勿論、指紋以外の網膜、虹彩、掌形等の生体情報を用いてもよいのは言うまでもないことである。
【0024】
ID発行管理部164は、RFIDリーダライタ168を接続している。そして、制御部165からのID発行要求に応じて一意のIDコードを生成し、このIDコードをRFIDタグ5への書込データとしてRFIDリーダライタ168に送出する。RFIDリーダライタ168は、そのアンテナの交信領域内に存在するRFIDタグ5と非接触により通信を行って、当該RFIDタグ5のユーザメモリ部に上記IDコードを書き込む。
【0025】
ここに、生体情報記憶部166は生体情報記憶手段を構成し、生体情報読取部167は生体情報取込手段を構成し、生体認証部163は本人認証手段を構成し、ID発行管理部164及びRFIDリーダライタ168はユーザ識別発行手段を構成する。
【0026】
図6は制御部165の主要な制御手順を示す流れ図である。制御部165は、ST(ステップ)1として生体情報読取部167にてユーザ6の生体情報が読取られるのを待機している。そして、ST2として生体認証部163からの情報により生体情報が読取られたことを検知すると、ST3として生体認証部163に対して生体情報の照合を指令する。
【0027】
これにより、生体認証部163では、生体情報読取部167で読取られた生体情報と生体情報記憶部166に記憶されている生体情報との照合が行なわれ、一致する生体情報の有無が判断される。そして、その判断結果を示す情報が制御部165に与えられる。なお、制御部165が生体認証部163に生体情報の照合を指令するのでなく、生体情報読取部167にてユーザ6の生体情報が読取られたことを検知した生体認証部163が自主的に生体情報読取部167で読取られた生体情報と生体情報記憶部166に記憶されている生体情報との照合を行い、その照合結果を制御部165に通知するようにしてもよい。
【0028】
制御部165は、生体認証部163からの情報により生体情報の一致を確認すると、ST5としてその生体情報と関連付けられて記憶されている顧客コードを生体情報記憶部166から取得する。しかる後、制御部165は、ST6としてID発行管理部164に対してID獲得要求のコマンドを送信する。これにより、ID発行管理部164では、一意のIDコードが生成される。そして、このIDコードが制御部165に通知される。
【0029】
そこで制御部165は、ST7としてID発行管理部164から発行されたIDコードを獲得すると、ST8として今回のIDコードと顧客コードを含むID発行伝文を編集し、このID発行伝文を通信部161から顧客管理サーバ114に送信する。
【0030】
顧客管理サーバ114においては、通信回線124を介して上記ID発行伝文を受信する毎に、このID発行伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、顧客管理サーバ114を介してID発行伝文を受信する毎に、図9の流れ図に示す手順のID発行伝文受信処理を実行する。
【0031】
すなわち棚札管理サーバ113は、ID発行伝文を受信したことに応じて、ST41として受信したID発行伝文に含まれる顧客コードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST42として取引情報ファイルF2に当該顧客コードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該顧客コードを含む取引情報レコードが保存されていないと判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST43として正常応答伝文を顧客管理サーバ114に返信する。また、ST44として受信したID発行伝文に含まれるIDコードと顧客コードを含む取引情報レコードを生成し、この生成した取引情報レコードを取引情報ファイルF2に追加して、今回のID発行伝文受信処理を終了する。なお、この新たに追加された取引情報レコードには、顧客管理サーバ114の顧客マスタファイルF4から取得した当該顧客コードに対応する顧客個人情報が記憶されている。また、合計金額,決済フラグ及び回収フラグは、いずれも“0”に設定されている。
【0032】
一方、ST42にて取引情報ファイルF2に当該顧客コードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST45としてその当該顧客コードを含む取引情報レコードの回収フラグが“1”つまりは回収済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、回収フラグが“1”であった場合には、当該顧客コードを含む取引情報レコードは、当該顧客コードで特定される顧客が前回以前に買物をしたときの取引情報レコードなので、棚札管理サーバ113は、前記ST43,ST44の処理を実行する。これに対し、回収フラグが“0”であった場合には、当該顧客コードを含む取引情報レコードは、当該顧客コードで特定される顧客が今現在買物中であることを示す取引情報レコードであり、取引情報レコードの二重登録を禁止するために、棚札管理サーバ113は、ST46として異常応答伝文を顧客管理サーバ114に返信する。以上で、今回のID発行伝文受信処理を終了する。
【0033】
棚札管理サーバ113から返信される上記正常応答伝文または異常応答伝文は、顧客管理サーバ114を介して該当ID発行伝文送信元のID発行端末16に転送される。
【0034】
そこで、ID発行伝文を送信したID発行端末16の制御部165は、ST9として応答伝文を待機する。そして、顧客管理サーバ114から正常応答伝文を受信した場合のみ、ST10としてID発行管理部164にID発行指令のコマンドを送出する。これにより、ID発行管理部164では、直前に生成したIDコードがRFIDリーダライタ168に送出される。かくして、RFIDリーダライタ168のアンテナ交信領域内に存在するブレスレット4に設けられたRFIDタグ5のユーザメモリ部に対して当該IDコードが非接触通信により書き込まれる。
【0035】
図7はID回収端末17の要部構成を示すブロック図である。ID回収端末17は、RFIDリーダライタ171と、通信部173と、ブザー,発光素子等の報知部172と、各部を制御する制御部174等で構成している。RFIDリーダライタ171は、ブレスレット回収箱7にブレスレット4が収容されると、そのブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5と非接触通信を行って、当該RFIDタグ5のユーザメモリ部から前記ID発行端末132で書き込まれたIDコードを読取った後、ユーザメモリ部をクリアする動作を行なう。
【0036】
図8は制御部174の主要な制御手順を示す流れ図である。制御部174は、ST11としてRFIDリーダライタ171にてIDコードが読取られるのを待機している。そして、IDコードが読取られたならば、ST12としてそのIDコードを含むID回収伝文を編集し、このID回収伝文を通信部173から顧客管理サーバ114に送信する。
【0037】
顧客管理サーバ114においては、通信回線124を介して上記ID回収伝文を受信する毎に、このID回収伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、顧客管理サーバ114を介して上記ID回収伝文を受信する毎に、図10の流れ図に示す手順のID回収伝文受信処理を実行する。
【0038】
すなわち棚札管理サーバ113は、ユーザ識別受信手段によりID回収伝文を受信すると、それに応じて、ST51として受信したID回収伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST52として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST53としてその取引情報レコードの決済フラグが“1”つまりは決済完了済を示す情報であるか否かを判断する(完了有無判断手段)。ここで、決済フラグが“1”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済完了後にブレスレット4をブレスレット回収箱7に入れたので、ST54としてその取引情報レコードの回収フラグを“1”に更新する。これに対し、ST53にて決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了することなくブレスレット4をブレスレット回収箱7に入れたので、棚札管理サーバ113は、ST55として未決済応答伝文を顧客管理サーバ114に返信する(報知制御手段)。以上で、今回のID発行伝文受信処理を終了する。
【0039】
棚札管理サーバ113から返信される上記未決済応答伝文は、顧客管理サーバ114を介して該当ID回収伝文送信元のID回収端末17に転送されるものとなっている。
【0040】
そこで、ID回収伝文を送信したID回収端末17の制御部174は、ST15として応答伝文を待機する。そして、顧客管理サーバ114から未決済応答伝文を受信した場合には、ST16として報知部172を動作させて警告を行うものとなっている。なお、この警告は、IDコードの発行を受けた買物客が商取引の決済を行なうことなく当該IDコードが記憶されたRFIDタグ5付きのブレスレット4をブレスレット回収箱7に返却したことを警告するものである。
【0041】
ここに、ID回収端末17は、RFIDリーダライタ171によりユーザ識別取得手段を構成し、制御部174及び通信部173によりユーザ識別送信手段を構成し、制御部174及び報知部172により報知手段を構成する。
【0042】
図11は電子棚札装置14の正面図である。また、図12は電子棚札装置14の要部構成を示すブロック図である。電子棚札装置14は、ラベル状をなす筐体140の正面に、品名,価格等を表示するための表示部141と、「+」(プラス)ボタン,「−」(マイナス)ボタン及び矢印ボタンの3つのボタンからなる情報入力部142を設けている。また、RFIDリーダライタ143のアンテナ144を、筐体140の略外周に沿って埋設している。
【0043】
電子棚札装置14は、駆動源としてバッテリ145を搭載している。さらに、通信部146及び不揮発性の記憶部147と、前記表示部141,情報入力部142及びRFIDリーダライタ143を制御する制御部148を備えている。通信部146は、通信回線122を介して棚札コントローラ13との間で行われるデータ通信を司る。記憶部147は、品名,価格等の表示データを記憶する。また、各電子棚札装置14をそれぞれ識別するために棚札装置毎に割当設定された棚札番号を記憶部147で記憶保持している。ここに、電子棚札装置14は、本発明の情報端末装置として機能する。
【0044】
かかる構成の電子棚札装置14は、アンテナ144の指向性を筐体140の正面側に向けており、かつ正面から数cm〜数十cm程度の距離を交信距離としている。こうすることにより、図13に示すように、ユーザが商品陳列棚90に陳列されている商品「カレー」(図中ハッチングで示す)を取るために手91を伸ばすと、このユーザの手首に取り付けられたブレスレット4のRFIDタグ5が、当該商品に対応して商品陳列棚90に設けられている電子棚札装置14aのアンテナ144の交信領域内に入る。そうすると、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されているデータつまりはIDコードが、当該電子棚札装置14aのRFIDリーダライタ143によって非接触で読取られる。このとき、当該電子棚札装置14aの近傍に位置する他の電子棚札装置14b,14c,14dでは、各々のアンテナ144の交信領域内に当該RFIDタグ5が入らないので、IDコードが読取られることはない。ここに、RFIDリーダライタ143及びそのアンテナ144は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報(IDコード)を非接触により取得するユーザ識別認識手段を構成している。
【0045】
図14は電子棚札装置14の制御部148が実行するメイン処理の要部手順を示す流れ図である。初めに、各電子棚札装置14には、棚札管理サーバ113から棚札コントローラ13を介して、当該電子棚札装置14の棚札番号に対応して棚札情報ファイルF1に記憶されている商品名と価格の商品棚札情報がダウンロードされ、記憶部147にて保存されている。そこで制御部148は、ST21としてこの商品棚札情報を表示部141に表示させる。そして、ST22としてRFIDリーダライタ143によるRFIDタグ5の読取動作を開始させる。
【0046】
これにより、アンテナ144の交信領域内にRFIDタグ5が入ると、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されたIDコードがRFIDリーダライタ143によって非接触で読取られる。そこで制御部148は、ST23としてIDコードが読取られるのを待機している。そして、IDコードが読取られたことを検知したならば、制御部148は、ST24としてこのIDコードを記憶部147に一時記憶した後、RFIDリーダライタ143による読取動作を一時的に停止させる。しかる後、制御部148は、ST25として当該電子棚札装置14に対応する販売商品の登録または登録取消を買物客に確認する登録・取消確認画面を表示部141に表示させる。そして、情報入力部142を介して商品の登録または登録取消の情報入力が行なわれるのを待機する(入力受付手段)。
【0047】
上記登録・取消確認画面の一例を図17に示す。この例では、表示部141に表示されている商品を登録する買物客には、情報入力部142の第1の操作部である「+」ボタンを操作し、登録を取消す買物客には、情報入力部142の第2の操作部である「−」ボタンを操作するものとなっている。
【0048】
そこで制御部148は、登録・取消確認画面を表示させた後、ST26として一定時間が経過するのを待機し、その間に「+」ボタンまたは「−」ボタンが操作されなかった場合にはST1に戻って、表示部141の画面を品名と価格の商品棚札情報画面に戻す。
【0049】
一方、その一定時間内に、ST27として「+」ボタンが操作入力されたことを検知した場合には、当該電子棚札装置14に対応する商品の登録が指示されたので、制御部148は、ST29として当該電子棚札装置14の記憶部147に記憶されている棚札番号と直前にRFIDタグ5から読取ったIDコードとを含む登録商品情報伝文を編集し、この登録商品情報伝文を通信部146から棚札コントローラ13を介して棚札管理サーバ113に送信する(登録商品情報送信手段)。
【0050】
また、その一定時間内に、ST28として−ボタンが操作入力されたことを検知した場合には、当該電子棚札装置14に対応する商品の登録取消が指示されたので、制御部148は、ST30として当該電子棚札装置14の記憶部147に記憶されている棚札番号と直前にRFIDタグ5から読取ったIDコードとを含む取消商品情報伝文を編集し、この取消商品情報伝文を通信部146から棚札コントローラ13を介して棚札管理サーバ113に送信する(取消商品情報送信手段)。
【0051】
棚札管理サーバ113においては、いずれかの電子棚札装置14から上記登録商品情報伝文を受信する毎に、図15の流れ図に示す登録商品情報受信処理を実行するものとなっている。すなわち、棚札管理サーバ113は、情報受信手段により登録商品情報伝文を受信すると、それに応じて、ST61として受信した登録商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST62として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST63としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“1”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了しているので、この登録商品情報受信処理を終了する。
【0052】
これに対し、ST63にて決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了していないので、棚札管理サーバ113は、ST64として受信した登録商品情報伝文に含まれる棚札番号で棚札情報ファイルF1を検索する。そして、棚札情報ファイルF1から当該棚札番号を含む棚札情報レコードの商品コード及び単価を取得する。次いで、棚札管理サーバ113は、ST65として取引情報ファイルF2の当該IDコードを含む取引情報レコードに、取得した商品コード及び単価と、点数=1と、金額=単価とからなる商品販売情報を追加する(登録商品情報処理手段)。また、ST66として当該IDコードを含む取引情報レコードの合計金額に、今回追加した商品販売情報の金額を加算する(合計算出手段)。しかる後、ST67として今回追加した商品販売情報の金額を加算した後の合計金額を示す情報を、受信した登録商品情報伝文送信元の電子棚札装置14宛てに送信するものとなっている(合計金額転送手段)。
【0053】
また、棚札管理サーバ113においては、いずれかの電子棚札装置14から上記取消商品情報伝文を受信する毎に、図16の流れ図に示す取消商品情報受信処理を実行するものとなっている。すなわち、棚札管理サーバ113は、情報受信手段により取消商品情報伝文を受信すると、それに応じて、ST71として受信した取消商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST72として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST73としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“1”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了しているので、この取消商品情報受信処理を終了する。
【0054】
これに対し、ST73にて決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了していないので、棚札管理サーバ113は、ST74として受信した取消商品情報伝文に含まれる棚札番号で棚札情報ファイルF1を検索する。そして、棚札情報ファイルF1から当該棚札番号を含む棚札情報レコードの商品コード及び単価を取得する。次いで、棚札管理サーバ113は、ST75として取引情報ファイルF2の当該IDコードを含む取引情報レコードから、取得した商品コード及び単価を含む商品販売情報を削除する(取消商品情報処理手段)。また、ST76として当該IDコードを含む取引情報レコードの合計金額から、今回削除した商品販売情報の金額を減算する(合計算出手段)。しかる後、ST77として今回削除した商品販売情報の金額を減算した後の合計金額を示す情報を、受信した取消商品情報伝文送信元の電子棚札装置14宛てに送信するものとなっている(合計金額転送手段)。
【0055】
図14に説明を戻す。
ST29またはST30にて登録商品情報または取消商品情報を棚札管理サーバ113に送信した電子棚札装置14の制御部148は、ST31として合計金額を示す情報の受信を待機する。そして、棚札管理サーバ113から棚札コントローラ13を介して合計金額を示す情報を受信すると、ST32としてこの受信した情報で示される合計金額を表示部141に表示させる(合計表示制御手段)。
【0056】
上記合計金額表示画面の一例を図18に示す。この例では、合計金額を確認した買物客は情報入力部142のいずれかのボタンを操作することで確認操作がなされたものとみなすようになっている。
【0057】
そこで制御部148は、合計金額表示画面を表示させた後、ST33として一定時間が経過するのを待機し、その間に、ST34として情報入力部142のいずれかのボタンを操作されたことを検知するか、一定時間が経過したことを検知した場合にはST1に戻って、表示部141の画面を品名と価格の商品棚札情報画面に戻す。
【0058】
図19はPOS端末15の要部構成を示すブロック図である。POS端末15は、制御部本体としてCPU1501を備えている。また、記憶部としてROM1502及びRAM1503を備えている。さらに、時計部1504,通信コントローラ1505,スキャナインターフェイス1506,RFIDリーダライタ1507,キーボード1508,オペレータ用ディスプレイ1509,客用ディスプレイ1510,プリンタ1511,カードリーダ1512,ドロワ1513等を備えている。
【0059】
時計部1504は、現在の日付及び時刻を計時する。通信コントローラ1505は、通信回線123を介して接続されたPOSサーバ115とのデータ通信を制御する。スキャナインターフェイス1506は、バーコード等の光学読取コードを読取るためのスキャナを接続するものである。RFIDリーダライタ1507は、会計を行なう買物客が携帯するRFIDタグ5からIDコードを読取るためのものである。ここに、RFIDリーダライタ1507はユーザ識別情報(IDコード)の入力手段を構成する。
【0060】
キーボード1508には、商品コード,点数,金額などの商品販売情報を入力するためのキーや、1商取引の登録締めを宣言する締めキーとして機能する預/現計キー,クレジット計キー等の既存のPOS端末に設けられているキーの他、ID発行端末16からIDコードの発行を受けた買物客の決済開始を宣言する決済キーK1が設けられている。しかして、CPU1501は、上記決済キーK1の操作入力に応じて、図20の流れ図に示す決済キー入力処理を開始するものとなっている。
【0061】
すなわちCPU1501は、キーボード1508からの信号により決済キーK1が操作入力されたことを検知すると、ST81としてRFIDリーダライタ1507によるRFIDタグ5の読取動作を開始させる。そして、ST82としてRFIDタグ5のユーザエリアに記憶されているIDコードが読取られたことを検知すると、CPU1501は、ST83としてこのIDコードをRAM1503に一時記憶した後、RFIDリーダライタ1507による読取動作を一時的に停止させる。しかる後、CPU1501は、ST84としてRAM1503に一時記憶したIDコードを含む決済問合せ伝文を編集し、この決済問合せ伝文を通信コントローラ1505を介してPOSサーバ115に送信する(ユーザ問合せ手段)。
【0062】
POSサーバ115においては、各POS端末15から上記決済問合せ伝文を受信する毎に、この決済問合せ伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、POSサーバ115を介して上記決済問合せ伝文を受信する毎に、図21の流れ図に示す決済問合せ受信処理を実行する。
【0063】
すなわち、棚札管理サーバ113は、決済問合せ伝文を受信すると、それに応じて、ST101として受信した決済問合せ伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST102として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST103としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了していないので、棚札管理サーバ113は、ST104として当該IDコードを含む取引情報レコードに保存されている商品販売情報(商品コード,単価,点数,金額)を一括して読取る。そして、ST105としてこの一括して読取った全ての商品販売情報を、受信した決済問合せ伝文送信元のPOS端末15に送信するものとなっている(商取引情報転送手段)。
【0064】
棚札管理サーバ113から送信された商品販売情報は、POSサーバ115を介して当該決済問合せ伝文送信元のPOS端末15に送信される。
【0065】
そこで、決済問合せ伝文を送信したPOS端末15のCPU1501は、ST85として商品販売情報を待機している。そして、商品販売情報を受信したならば、ST86としてこの受信した商品販売情報をRAM1503に記憶するとともに、この商品販売情報の商品コードに対応する商品名,単価,点数,金額などの買上商品明細情報をオペレータ用ディスプレイ1509及び客用ディスプレイ150に表示させる。
【0066】
その後、CPU1501は、ST87として商品販売情報の訂正有無を判断する。そして、キーボード1508のキー操作あるいはスキャナによる光学読取コードの読取操作により、商品販売情報の追加,削除,変更などの訂正入力があった場合には、CPU1501は、ST88としてRAM1503に記憶している商品販売情報を訂正後の情報に更新する。また、オペレータ用ディスプレイ1509及び客用ディスプレイ150に表示されている買上げ商品明細情報も訂正後の内容に変更する。
【0067】
その後、CPU1501は、ST89として1商取引の登録締めを宣言する締めキーが操作入力されたことを検知したならば、ST90としてその締めキーの種類に応じた周知の決済方法、例えば現金,クレジットカード,プリペイドカード,電子マネー,デビットカード等の支払い方法に対する決済処理を実行する。なお、この決済処理には、RAM1503に記憶された商品販売情報に基づいて商品の売上データをRAM1503に登録する処理が含まれる。また、カードリーダ1512によってポイントカードのカードデータが読取られていた場合には、RAM1503に記憶された商品販売情報に基づいてサービスポイントを算出し、顧客別に累計する処理も含まれる(決済処理手段)。
【0068】
決済処理完了後、CPU1501は、ST91としてRAM1503に記憶されたIDコードを含む決済完了伝文を編集する。そして、この決済完了伝文を通信コントローラ1505を介してPOSサーバ115に送信する(完了ユーザ識別通知手段)。以上で、今回の決済キー入力処理を終了するものとなっている。
【0069】
POSサーバ115においては、各POS端末15から上記決済完了伝文を受信する毎に、この決済完了伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、POSサーバ115を介して上記決済完了伝文を受信する毎に、図22の流れ図に示す決済完了受信処理を実行する。
【0070】
すなわち、棚札管理サーバ113は、決済完了伝文を受信すると、それに応じて、ST111として受信した決済完了伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST112として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST113としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“0”であった場合には、ST114としてこの決済フラグを“1”に更新する(完了ユーザ識別管理手段)。以上で、この決済完了受信処理を終了する。
【0071】
このように構成された本実施の形態の商品登録処理システムが構築された店舗においては、予めポイント会員である顧客毎にその顧客の生体情報である指紋データを取得し、各ID発行端末16の生体情報記憶部166に当該顧客を識別する顧客コードと関連付けて記憶させておく。
【0072】
一方、来店した顧客は、先ず、店側からブレスレット4を受取り、腕に嵌めたならば、ID発行端末16に近付き、予め店側に登録している自身の指の指紋を生体情報読取部167で読取らせる。これにより、ID発行端末16において本人認証が行われ、成立したと判定されると、当該顧客に対して一意であり、かつ今回の買物でのみ有効なIDコードが生成される。そして、このIDコードがRFIDリーダライタ168を介して当該顧客のブレスレット4に設けられたRFIDタグ5に非接触で書き込まれる。また、このIDコードを含む取引情報レコードが取引情報ファイルF2に追加される。
【0073】
なお、ブレスレット4を受取る前にID発行端末16で指紋を読取らせ、そのID発行端末16によりIDコードがRFIDタグ5に書き込まれたブレスレット4を店側から受取るようにしてもよい。
【0074】
その後、顧客は店内で買物を行う。その際、購入する商品があると、その商品を手にするために商品陳列棚90にブレスレット4を嵌めた腕を伸ばす。そうすると、商品陳列棚90に取り付けられている各電子棚札装置14のうち、当該商品の品名,価格等が表示されている電子棚札装置14に設けられたアンテナ144の交信領域内に、当該顧客の腕に嵌められたブレスレット4に取り付けられているRFIDタグ5が入る。これにより、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されているIDコードが、当該電子棚札装置14に設けられたRFIDリーダライタ143によって読取られる。そして、当該電子棚札装置14の表示部141に、登録・取消確認画面が表示される。
【0075】
そこで買物客は、購入する商品を陳列棚90から取って買い物籠またはショッピングカードに入れるとともに、登録を指示するために「+」ボタンを操作する。そうすると、当該買物客が嵌めているブレスレット4のRFIDタグ5から読取ったIDコードと当該電子棚札装置14固有の棚札番号とを含む登録商品情報伝文が編集され、棚札管理サーバ113に伝送される。
【0076】
これにより、棚札管理サーバ113においては、上記登録商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2が検索され、当該IDコードを含む取引情報レコードに、上記登録商品情報伝文に含まれる棚札番号と関連付けられて棚札情報ファイルF1上で記憶管理されている商品コード及び単価と、点数=1と、金額=単価とからなる商品販売情報が追加される。また、同取引情報レコードで記憶保持されている全ての商品販売情報の合計金額が算出され、この合計金額を示す情報が上記登録商品情報伝文送信元の電子棚札装置14に送信される。そして、この情報に基づいて、電子棚札装置14の表示部141に上記合計金額が表示される。
【0077】
そこで、「+」ボタンを操作した買物客は、電子棚札装置14の表示部141に表示された合計金額を確認すると、当該電子棚札装置14の情報入力部142に設けられているいずれかのボタンを操作する。そうすると、当該電子棚札装置14は、当該電子棚札装置14に対応付けられている商品の品名と価格の表示状態に戻る。
【0078】
ここで、当該買物客が一旦登録した商品の購入を取り止めた場合、買物客は、ブレスレット4を嵌めた手で該当する商品を商品陳列棚90に戻す。このときも、当該商品の品名,価格等が表示されている電子棚札装置14に設けられたアンテナ144の交信領域内に、当該ブレスレット4に取り付けられているRFIDタグ5が入り、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されているIDコードが、当該電子棚札装置14に設けられたRFIDリーダライタ143によって読取られるので、当該電子棚札装置14の表示部141に、登録・取消確認画面が表示される。
【0079】
そこで買物客は、登録の取消を指示するために「−」ボタンを操作する。そうすると、当該買物客が嵌めているブレスレット4のRFIDタグ5から読取ったIDコードと当該電子棚札装置14固有の棚札番号とを含む取消商品情報伝文が編集され、棚札管理サーバ113に伝送される。
【0080】
これにより、棚札管理サーバ113においては、上記取消商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2が検索され、当該IDコードを含む取引情報レコードから、上記取消商品情報伝文に含まれる棚札番号と関連付けられて棚札情報ファイルF1上で記憶管理されている商品コード及び単価と、点数=1と、金額=単価とからなる商品販売情報が削除される。またこの場合も、同取引情報レコードで記憶保持されている全ての商品販売情報の合計金額が算出され、この合計金額を示す情報が上記登録商品情報伝文送信元の電子棚札装置14に送信される。そして、この情報に基づいて、電子棚札装置14の表示部141に上記合計金額が表示される。
【0081】
そこで、「−」ボタンを操作した買物客は、電子棚札装置14の表示部141に表示された合計金額を確認すると、当該電子棚札装置14の情報入力部142に設けられているいずれかのボタンを操作する。そうすると、当該電子棚札装置14は、当該電子棚札装置14に対応付けられている商品の品名と価格の表示状態に戻る。
【0082】
なお、登録・取消確認画面が表示された状態で、買物客がボタン操作を何もしなかった場合には、当該電子棚札装置14は一定時間経過後に品名と価格の表示状態に戻る。また、合計金額表示画面において、ボタン操作が行われなかった場合にも、当該電子棚札装置14は一定時間経過後に品名と価格の表示状態に戻る。
【0083】
このように、ブレスレット4を腕に嵌めた買物客は、商品陳列棚90から購入する商品を手に取る都度、その商品の品名,価格が表示されている電子棚札装置14の「+」ボタンを操作して登録を行なう。また、一旦登録した商品の購入を取消す場合には、その商品を商品陳列棚90に戻す毎に、その商品の品名,価格が表示されている電子棚札装置14の「−」ボタンを操作して登録の取消を行なう。こうすることにより、当該買物客が携帯するブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5のIDコードを含む取引情報レコードには、登録され、かつ取消されなかった商品の商品販売情報が一括して記憶保持される。
【0084】
こうして買物客は、その日に購入する商品を全て手にしたならば、その商品を持って決済場所に行き、キャッシャに決済を申し出る。キャッシャは、買物客からブレスレット4を受け取り、POS端末15に近づけるとともに、決済キーK1を操作する。そうすると、このPOS端末15に設けられたRFIDリーダライタ1507によって、当該ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5のIDコードが非接触で読取られる。そして、当該IDコードを含む決済問合せ伝文がPOS端末15から棚札管理サーバ113に送信される。
【0085】
これにより、棚札管理サーバ113においては、取引情報ファイルF2が検索される。そして、当該IDコードを含む取引情報レコードにて記憶保持されている商品販売情報が一括して読取られ、決済問合せ伝文元のPOS端末15に送信される。かくして、POS端末15のオペレータ用ディスプレイ1509及び客用ディスプレイ150には、棚札管理サーバ113から受信した商品販売情報の商品コードに対応する商品名と、単価,点数,金額などの買上商品明細情報が表示される。
【0086】
ここでキャッシャは、買物客が購入する商品と表示内容とを照合する。そして、一致しない場合には、キーボード1508やスキャナを操作して商品販売情報の追加,取消,訂正等を行なって一致させる。その後、客に代金の支払いを求める。そして、客の支払い種別に応じた締めキーを操作する。こうすることにより、当該POS端末15においては支払い種別に応じた決済処理が実行される。そして、この決済処理完了後、POS端末15から棚札管理サーバ113に対して、当該IDコードを含む決済完了伝文が送信される。これにより、棚札管理サーバ113においては、当該IDコードを含む取引情報レコードの決済フラグが“1”にセットされる。
【0087】
その後、キャッシャは、買物客から回収したブレスレット4をブレスレット回収箱7に入れる。そうすると、ID回収端末17に設けられたRFIDリーダライタ171によって、当該ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5のIDコードが読取られる。これにより、棚札管理サーバ113においては、当該IDコードを含む取引情報レコードの回収フラグが“1”にセットされる。また、RFIDタグ5のIDコードがクリアされる。これにより、ブレスレット4は次の買物客のために再利用される。
【0088】
このように本実施の形態によれば、買物客が購入商品を商品陳列棚90から手に取る際に、その商品に対応して設けられている電子棚札装置14を買物客自身で操作することによって、サーバ装置11において、その商品の販売情報を買物客別に記憶管理することができる。また、サーバ装置11上で買物客別に記憶管理された商品販売情報を、POS端末15において買物客毎に呼出すことによって、この商品販売情報に基づく決済処理が実行可能となる。したがって、POS端末15において、客が買上げる商品を1品ずつ登録する必要がないので、登録作業に係る時間を大幅に短縮することができる。この場合において、店で販売する全ての商品に対して1品毎に無線タグを付す必要がないので、無線タグを利用した商品登録処理システムよりも手間のかからないものとなる。
【0089】
また、買物客毎のユーザ識別情報であるIDコードが書き込まれたRFIDタグ5付のブレスレット4を嵌めた手で商品陳列棚90から購入する商品を取ったり、購入を取り焼けた商品を戻したりすれば、購入商品の登録やその登録の取消に必要な買物客の操作は、電子棚札装置14に設けられた情報入力部142のボタンをワンタッチ操作するだけなので、買物客が操作に著しい負担を感じることもない。したがって、混雑時になると決済場所の待ち時間が長かったスーパーマーケット等では、待ち時間が短縮されるという利点を顧客に提供でき、本システムを導入することによるメリットは大変大きなものとなる。
【0090】
また、買物客が電子棚札装置14を利用して購入商品の登録やその登録の取消を行なう都度、当該電子棚札装置14の表示部141に当該買物客の現時点までの購入商品の合計金額が表示される。したがって買物客は、買い過ぎを気にせずに安心して買い物を続けることができるので、利便性を向上させることができ、この点からも導入がしやすい。
【0091】
ところで、前記実施の形態では、決済装置であるPOS端末15をキャッシャが操作するようにしたが、決済装置への商品登録が自動的に行なわれるので、決済装置として既存のプリペイド式電子マネー決済装置,デビットカード決済装置,クレジット決済装置等を使用することによって、代金の授受も含めて全ての決済作業を客自身に行なわせるセルフチェックアウト方式を容易に導入できる利点もある。
【0092】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0093】
例えば、前記実施の形態では取引情報ファイルF2を棚札管理サーバ113が管理するようにしたが、POSサーバ115や顧客管理サーバ114等の他のサーバが管理するようにしてもよい。また、取引情報ファイルF2の管理の特化した専用のサーバをサーバ装置11内に設けてもよい。
【0094】
また、前記実施の形態では、買物客はブレスレット4を片手に嵌めるものとしたが、ID発行端末16によって同一のIDコードが書き込まれるRFIDタグ5付のブレスレット4を一対で用意し、両手にブレスレット4を嵌めて買物を行うようにしてもよい。こうすることにより、購入する商品を商品陳列棚90からどちらの手で取ってもその商品の販売情報がサーバ装置11に登録されるので、登録漏れをなくすことができる。また、ブレスレット4を用いずにRFIDタグ5を直接顧客の腕や指先,あるいは掌などに貼り付けるようにしてもよい。
【0095】
また、前記実施の形態ではブレスレット4を回収するものとしたが、回収しない運用であってもよい。この場合、ユーザ識別装置の別態様としては、店の出入口ゲートを通過するユーザのブレスレット4からIDコードを読取り、顧客管理サーバ114等のサーバ装置11に送信し、サーバ装置11にて決済完了の通知無しが判断されると報知動作するゲート装置が考えられる。
【0096】
また、前記実施の形態では、顧客が購入する商品を手にしてその商品に対応する電子棚札装置14から登録操作したり、登録の取消操作をしたりした際に、その顧客の現時点までの合計金額を当該電子棚札装置14の表示部141に自動的に表示させるようにしたが、上記合計金額は当該電子棚札装置14の情報入力部142の操作による顧客からの指示がないと表示されないようにしてもよい。
【0097】
また、前記実施の形態では、IDコードをユーザである顧客が買物をしている間だけ有効なデータとしたが、例えばポイント会員に対して発行されるポイントカードの代わりに、予め顧客コードが書き込まれたRFIDタグ5付のブレスレット4を配布し、この顧客コードをIDコードとして使用することによって、各実施の形態を実現することも可能である。この場合、商品登録処理システム1からID発行端末16やID回収端末17を省略することができる。
【0098】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施の形態における商品登録処理システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態において棚札情報ファイルに保存される棚札情報レコードのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態において取引情報ファイルに保存される取引情報レコードのデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態の商品登録処理システムを構成するID発行端末の要部構成を示すブロック図。
【図5】同ID発行端末が有する生体情報記憶部にて記憶されるデータの構造を示す模式図。
【図6】同ID発行端末の制御部が実行する主要な制御手順を示す流れ図。
【図7】本実施の形態の商品登録処理システムを構成するID回収端末の要部構成を示すブロック図。
【図8】同ID回収端末の制御部が実行する主要な制御手順を示す流れ図。
【図9】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する棚札管理サーバが実行するID発行伝文受信処理の要部を示す流れ図。
【図10】同棚札管理サーバが実行するID回収伝文受信処理の要部を示す流れ図。
【図11】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する電子棚札装置の平面図。
【図12】同電子棚札装置の要部構成を示すブロック図。
【図13】同電子棚札装置の一使用例を示す模式図。
【図14】同電子棚札装置の制御部が実行する主要な制御手順を示す流れ図。
【図15】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する棚札管理サーバが実行する登録商品情報受信処理の要部を示す流れ図。
【図16】同棚札管理サーバが実行する取消商品情報受信処理の要部を示す流れ図。
【図17】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する電子棚札装置に表示される登録・取消確認画面の一例を示す平面図。
【図18】同電子棚札装置に表示される合計金額表示画面の一例を示す平面図。
【図19】本実施の形態の商品登録処理システムを構成するPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図20】同POS端末のCPUが実行する決済キー入力処理の要部手順を示す流れ図。
【図21】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する棚札管理サーバが実行する決済問合せ受信処理の要部を示す流れ図。
【図22】同棚札管理サーバが実行する決済完了受信処理の要部を示す流れ図。
【符号の説明】
【0100】
1…商品登録処理システム、4…ブレスレット、5…RFIDタグ、11…サーバ装置、13…棚札コントローラ、14…電子棚札装置、15…POS端末、16…ID発行端末、17…ID回収端末、113…棚札管理サーバ、114…顧客管理サーバ、115…POSサーバ、F1…棚札情報ファイル、F2…取引情報ファイル、F3…商品マスタファイル、F4…顧客マスタファイル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット,コンビニエンスストア等の店舗で利用される商品登録処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、商品の陳列場所と決済場所とが区分されている。このような店では、買物客は、陳列場所に陳列されている商品の中から自身が購入する商品を選択し、買い物籠等に入れて決済場所まで運ぶ。決済場所には、POS(Point Of Sales:販売時点情報管理)端末等と称される決済装置が設置されている。しかして、キャッシャ等と称される決済担当の店員は、買物客から決済の申し出を受けると、その客が購入する商品を1品ずつ決済装置に登録する。登録は、通常、商品に付されているバーコード(商品コード)をスキャナで読取らせることによって行う。こうして、客が購入する全商品のバーコードの登録を終えると、全購入商品の代金が決済装置の表示部に表示されるので、店員は買物客から代金の支払いを受け、レシートを手渡す。
【0003】
従来は、通常、以上の作業手順により、1人の買物客との商取引の決済が完了していた。このため、買物客が購入する商品を決済装置に登録するために、買い物籠等から商品を店員が1品ずつ取り出し、その商品に付されたバーコードをスキャナで読取らせていたので、登録作業に時間がかかるという問題があった。
【0004】
そこでこのような問題を解決するために、近年、無線タグを利用した商品登録処理システムが提案されている。このシステムは、基本的には、各商品に1つずつ付される無線タグと、この無線タグに記憶された情報を非接触通信により読取る無線タグリーダと、この無線タグリーダで読取られた情報により決済処理を行なうPOS端末等の決済装置とから構成されている。無線タグは、RFIDタグ,ICタグ等とも称される。
【0005】
このシステムでは、アンチコリジョン(衝突防止)という機能を用いることによって、無線タグリーダの1つのアンテナの交信領域内に複数の無線タグが存在しても一括してデータの読込みが可能となるという特徴がある。そこで、各商品にそれぞれ付された無線タグに、その商品の商品コードなどを記憶させるとともに、決済場所の買い物籠載置部に無線タグリーダを設ける。
【0006】
こうすることにより、客が購入する商品を収容した買い物籠が買い物籠載置部に置かれると、その買い物籠内の各商品にそれぞれ付されている無線タグの情報、つまりは商品コード等が無線タグリーダによって一括して読取られ、決済装置に登録されるので、登録作業に係る時間を大幅に短縮できる効果を奏する(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、この無線タグを用いた商品登録処理システムの場合は、決済装置への商品の登録が自動的に行なわれるので、代金の授受も含めて全ての決済作業を客自身に行なわせるセルフチェックアウト方式の商品登録処理システムも既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10-049756号公報
【特許文献2】特開2003-272057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の無線タグを用いた商品登録処理システムにおいては、店で販売する全ての商品に対して1品毎に無線タグを付さなければならず、しかも各無線タグには、当該タグが付されている商品の商品コード等を書き込まなければならないという点で、手間がかかるという問題があった。
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、商品1品毎に無線タグを付すことなく、決済場所での商品登録に要する時間を大幅に短縮できる商品登録処理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部及びこの表示部に表示させる情報を受信する通信部を備えた複数の情報端末装置と、各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ送信する機能を有したサーバ装置と、商取引の決済処理を行なう決済装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品登録処理システムである。
このものにおいて、各情報端末装置は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報を非接触により取得するユーザ識別認識手段と、このユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に、対応する商品の登録入力を受付ける入力受付手段と、対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報を通信部から通信ネットワークを介してサーバ装置に送信する登録商品情報送信手段とをそれぞれ備える。
サーバ装置は、各情報端末装置から通信ネットワークを介して送信されてくる登録商品情報を受信する情報受信手段と、ユーザ識別情報別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段と、情報受信手段により登録商品情報を受信する毎に、当該登録商品情報に含まれる商品識別情報を取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の取引情報記憶領域に追加する登録商品情報処理手段と、決済装置からユーザ識別情報の問合せがあったことに応じて、取引情報記憶手段における当該ユーザ識別情報別取引情報記憶領域に記憶されている商品識別情報を一括して決済装置に転送する商取引情報転送手段とを備える。
【0011】
決済装置は、ユーザ識別情報の入力手段と、入力されたユーザ識別情報をサーバ装置に問合せるユーザ問合せ手段と、サーバ装置から転送されてきた商品識別情報により入力手段を介して入力されたユーザ識別情報で識別されるユーザとの商取引の決済処理を行なう決済処理手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
かかる手段を講じた本発明によれば、商品1品毎に無線タグを付すことなく、決済場所での商品登録に要する時間を大幅に短縮できる商品登録処理システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、電子棚札管理システムが構築されたスーパーマーケット等の店舗に、本発明の商品登録処理システムを適用した場合である。
【0014】
図1は本実施の形態における商品登録処理システム1の全体構成を示すブロック図である。本システム1は、その中枢部としてサーバ装置11を備えている。サーバ装置11は、インターネット2上で行なわれる各種機能に特化したWEBサーバ111、専用のネットワークで接続された本部システム3等の外部システムとのデータ通信に特化したネットワークサーバ112、棚札に関する情報管理に特化した棚札管理サーバ113,顧客に関する情報管理に特化した顧客管理サーバ114及び商品販売に関する情報管理に特化したPOSサーバ115等で構成されている。各サーバ111〜115は、通信回線116によって接続されている。
【0015】
棚札管理サーバ113は、電子棚札管理システムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線121を介して複数台の棚札コントローラ13を接続している。各棚札コントローラ13は、それぞれ店内に設置された複数の商品陳列棚に対応して設けられており、その商品陳列棚に陳列されている各種商品品目にそれぞれ対応して設けられた全ての電子棚札装置14を通信回線122を介して接続している。しかして、各棚札コントローラ13は、棚札管理サーバ113と各電子棚札装置14との間のデータ中継部としての機能を有する。
【0016】
棚札管理サーバ113には、棚札情報ファイルF1と取引情報ファイルF2が実装されている。棚札情報ファイルF1には、図2に示すデータ構造の棚札情報レコードが保存されている。すなわち棚札情報レコードは、棚札番号,商品コード,商品名,単価等のデータ項目を含む。棚札番号は、各電子棚札装置14を識別するために電子棚札装置14毎に予め設定された固有の番号である。なお、棚札番号は数字だけでなく、アルファベットなどの文字や記号を含むものであってもよい。また、文字や記号のみで表現されていてもよい。商品コード,商品名及び単価等の商品情報は、同一レコードの棚札番号で特定される電子棚札装置14に対応付けられた商品品目に関する情報である。
【0017】
取引情報ファイルF2には、図3に示すデータ構造の取引情報レコードが保存されている。すなわち取引情報レコードは、IDコード,顧客コード及び顧客個人情報と、商品コード,単価,点数及び金額の商品販売情報と、合計金額情報と、決済フラグ及び回収フラグのフラグ情報とを含む。IDコードは、来店した買物客を識別するためのコードである。顧客コードは、店舗と会員契約を結んでいる各顧客を識別するために顧客毎に予め設定された固有のコードである。顧客個人情報は、同一レコードの顧客コードによって特定される顧客の氏名,性別,年齢等である。商品販売情報は、同一レコードのIDコードによって特定される買物客が購入する商品の商品コード,単価,点数,金額等である。合計金額情報は、同一レコードのIDコードによって特定される買物客が購入する商品の合計金額である。フラグ情報のうちの決済フラグは、同一レコードのIDコードによって特定される買物客の決済が完了したか否かを識別するフラグであって、本実施の形態では、決済未完了のときを“0”とし、決済完了を“1”とする。また、回収フラグは、同一レコードのIDコードによって特定される買物客からIDコードを回収したか否かを識別するフラグであって、本実施の形態では、未回収のときを“0”とし、回収済を“1”とする。ここに、取引情報ファイルF2は、ユーザ識別情報(IDコード)別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段を構成する。
【0018】
POSサーバ115は、POSシステムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線123を介して複数台のPOS端末15を接続している。各POS端末15は、決済装置の一態様であって、顧客が買上げた商品の販売データを登録処理し、その代金を現金,クレジットカード,プリペイドカード,電子マネー,デビットカード等の種々の支払い方法に応じて決済処理するものである。
【0019】
POSサーバ115には、商品マスタファイルF3が実装されている。商品マスタファイルF3には、商品コード,品名,単価,商品分類コード,棚札番号等のデータ項目からなる商品情報レコードが保存されている。商品コードは、店で販売される各種商品品目を識別するために商品毎に予め設定された固有のコードである。品名,単価,商品分類コードは、同一レコードの商品コードによって特定される商品の情報である。棚札番号は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の陳列場所に設けられた電子棚札装置14を特定する番号である。
【0020】
顧客管理サーバ114は、顧客管理システムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線124を介して複数台のID発行端末16とID回収端末17を接続している。ID発行端末16は、ユーザ識別発行装置の一態様であって、ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5に、当該ブレスレット4を携帯する買物客(ユーザ)を識別するためのユーザ識別情報であるIDコードを非接触通信によって書き込む機能を有する。ID回収端末17は、ユーザ識別装置の一態様であって、ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5から上記IDコードを非接触通信によって読取る機能を有する。ここにIDコードは、買物客が買物をしている間だけ有効なコードとなる。
【0021】
顧客管理サーバ114には、顧客マスタファイルF4が実装されている。顧客マスタファイルF4には、顧客コードと、氏名,住所,連絡先電話番号,性別,年齢等の顧客個人情報と、サービスポイント累計データと、商取引履歴データとを含む顧客情報レコードが保存されている。
【0022】
図4はID発行端末16の要部構成を示すブロック図である。ID発行端末16は、通信部161,表示部162,生体認証部163,ID発行管理部164及び各部を制御する制御部165等で構成している。通信部161は、通信回線124を介して接続された顧客管理サーバ114とのデータ通信を司る。表示部162は、当該ID発行端末16を操作するユーザ6に対して操作ガイダンスなどを表示する。
【0023】
生体認証部163は、生体情報記憶部166と生体情報読取部167を備えている。生体情報記憶部166は、図5に示すように、顧客マスタファイルF4に顧客個人情報が登録されている各顧客をそれぞれ識別する顧客コードに対応して、予め登録されているその顧客の生態情報を記憶する。生体情報読取部167は、ユーザ6の生体情報を取込む。生体認証部163は、生体情報読取部167により読取られた生体情報と生体情報記憶部166に記憶されている各ユーザの生体情報とを照合して本人認証を行なう。
なお、この実施の形態では、生体情報として指紋を使用する。勿論、指紋以外の網膜、虹彩、掌形等の生体情報を用いてもよいのは言うまでもないことである。
【0024】
ID発行管理部164は、RFIDリーダライタ168を接続している。そして、制御部165からのID発行要求に応じて一意のIDコードを生成し、このIDコードをRFIDタグ5への書込データとしてRFIDリーダライタ168に送出する。RFIDリーダライタ168は、そのアンテナの交信領域内に存在するRFIDタグ5と非接触により通信を行って、当該RFIDタグ5のユーザメモリ部に上記IDコードを書き込む。
【0025】
ここに、生体情報記憶部166は生体情報記憶手段を構成し、生体情報読取部167は生体情報取込手段を構成し、生体認証部163は本人認証手段を構成し、ID発行管理部164及びRFIDリーダライタ168はユーザ識別発行手段を構成する。
【0026】
図6は制御部165の主要な制御手順を示す流れ図である。制御部165は、ST(ステップ)1として生体情報読取部167にてユーザ6の生体情報が読取られるのを待機している。そして、ST2として生体認証部163からの情報により生体情報が読取られたことを検知すると、ST3として生体認証部163に対して生体情報の照合を指令する。
【0027】
これにより、生体認証部163では、生体情報読取部167で読取られた生体情報と生体情報記憶部166に記憶されている生体情報との照合が行なわれ、一致する生体情報の有無が判断される。そして、その判断結果を示す情報が制御部165に与えられる。なお、制御部165が生体認証部163に生体情報の照合を指令するのでなく、生体情報読取部167にてユーザ6の生体情報が読取られたことを検知した生体認証部163が自主的に生体情報読取部167で読取られた生体情報と生体情報記憶部166に記憶されている生体情報との照合を行い、その照合結果を制御部165に通知するようにしてもよい。
【0028】
制御部165は、生体認証部163からの情報により生体情報の一致を確認すると、ST5としてその生体情報と関連付けられて記憶されている顧客コードを生体情報記憶部166から取得する。しかる後、制御部165は、ST6としてID発行管理部164に対してID獲得要求のコマンドを送信する。これにより、ID発行管理部164では、一意のIDコードが生成される。そして、このIDコードが制御部165に通知される。
【0029】
そこで制御部165は、ST7としてID発行管理部164から発行されたIDコードを獲得すると、ST8として今回のIDコードと顧客コードを含むID発行伝文を編集し、このID発行伝文を通信部161から顧客管理サーバ114に送信する。
【0030】
顧客管理サーバ114においては、通信回線124を介して上記ID発行伝文を受信する毎に、このID発行伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、顧客管理サーバ114を介してID発行伝文を受信する毎に、図9の流れ図に示す手順のID発行伝文受信処理を実行する。
【0031】
すなわち棚札管理サーバ113は、ID発行伝文を受信したことに応じて、ST41として受信したID発行伝文に含まれる顧客コードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST42として取引情報ファイルF2に当該顧客コードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該顧客コードを含む取引情報レコードが保存されていないと判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST43として正常応答伝文を顧客管理サーバ114に返信する。また、ST44として受信したID発行伝文に含まれるIDコードと顧客コードを含む取引情報レコードを生成し、この生成した取引情報レコードを取引情報ファイルF2に追加して、今回のID発行伝文受信処理を終了する。なお、この新たに追加された取引情報レコードには、顧客管理サーバ114の顧客マスタファイルF4から取得した当該顧客コードに対応する顧客個人情報が記憶されている。また、合計金額,決済フラグ及び回収フラグは、いずれも“0”に設定されている。
【0032】
一方、ST42にて取引情報ファイルF2に当該顧客コードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST45としてその当該顧客コードを含む取引情報レコードの回収フラグが“1”つまりは回収済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、回収フラグが“1”であった場合には、当該顧客コードを含む取引情報レコードは、当該顧客コードで特定される顧客が前回以前に買物をしたときの取引情報レコードなので、棚札管理サーバ113は、前記ST43,ST44の処理を実行する。これに対し、回収フラグが“0”であった場合には、当該顧客コードを含む取引情報レコードは、当該顧客コードで特定される顧客が今現在買物中であることを示す取引情報レコードであり、取引情報レコードの二重登録を禁止するために、棚札管理サーバ113は、ST46として異常応答伝文を顧客管理サーバ114に返信する。以上で、今回のID発行伝文受信処理を終了する。
【0033】
棚札管理サーバ113から返信される上記正常応答伝文または異常応答伝文は、顧客管理サーバ114を介して該当ID発行伝文送信元のID発行端末16に転送される。
【0034】
そこで、ID発行伝文を送信したID発行端末16の制御部165は、ST9として応答伝文を待機する。そして、顧客管理サーバ114から正常応答伝文を受信した場合のみ、ST10としてID発行管理部164にID発行指令のコマンドを送出する。これにより、ID発行管理部164では、直前に生成したIDコードがRFIDリーダライタ168に送出される。かくして、RFIDリーダライタ168のアンテナ交信領域内に存在するブレスレット4に設けられたRFIDタグ5のユーザメモリ部に対して当該IDコードが非接触通信により書き込まれる。
【0035】
図7はID回収端末17の要部構成を示すブロック図である。ID回収端末17は、RFIDリーダライタ171と、通信部173と、ブザー,発光素子等の報知部172と、各部を制御する制御部174等で構成している。RFIDリーダライタ171は、ブレスレット回収箱7にブレスレット4が収容されると、そのブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5と非接触通信を行って、当該RFIDタグ5のユーザメモリ部から前記ID発行端末132で書き込まれたIDコードを読取った後、ユーザメモリ部をクリアする動作を行なう。
【0036】
図8は制御部174の主要な制御手順を示す流れ図である。制御部174は、ST11としてRFIDリーダライタ171にてIDコードが読取られるのを待機している。そして、IDコードが読取られたならば、ST12としてそのIDコードを含むID回収伝文を編集し、このID回収伝文を通信部173から顧客管理サーバ114に送信する。
【0037】
顧客管理サーバ114においては、通信回線124を介して上記ID回収伝文を受信する毎に、このID回収伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、顧客管理サーバ114を介して上記ID回収伝文を受信する毎に、図10の流れ図に示す手順のID回収伝文受信処理を実行する。
【0038】
すなわち棚札管理サーバ113は、ユーザ識別受信手段によりID回収伝文を受信すると、それに応じて、ST51として受信したID回収伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST52として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST53としてその取引情報レコードの決済フラグが“1”つまりは決済完了済を示す情報であるか否かを判断する(完了有無判断手段)。ここで、決済フラグが“1”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済完了後にブレスレット4をブレスレット回収箱7に入れたので、ST54としてその取引情報レコードの回収フラグを“1”に更新する。これに対し、ST53にて決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了することなくブレスレット4をブレスレット回収箱7に入れたので、棚札管理サーバ113は、ST55として未決済応答伝文を顧客管理サーバ114に返信する(報知制御手段)。以上で、今回のID発行伝文受信処理を終了する。
【0039】
棚札管理サーバ113から返信される上記未決済応答伝文は、顧客管理サーバ114を介して該当ID回収伝文送信元のID回収端末17に転送されるものとなっている。
【0040】
そこで、ID回収伝文を送信したID回収端末17の制御部174は、ST15として応答伝文を待機する。そして、顧客管理サーバ114から未決済応答伝文を受信した場合には、ST16として報知部172を動作させて警告を行うものとなっている。なお、この警告は、IDコードの発行を受けた買物客が商取引の決済を行なうことなく当該IDコードが記憶されたRFIDタグ5付きのブレスレット4をブレスレット回収箱7に返却したことを警告するものである。
【0041】
ここに、ID回収端末17は、RFIDリーダライタ171によりユーザ識別取得手段を構成し、制御部174及び通信部173によりユーザ識別送信手段を構成し、制御部174及び報知部172により報知手段を構成する。
【0042】
図11は電子棚札装置14の正面図である。また、図12は電子棚札装置14の要部構成を示すブロック図である。電子棚札装置14は、ラベル状をなす筐体140の正面に、品名,価格等を表示するための表示部141と、「+」(プラス)ボタン,「−」(マイナス)ボタン及び矢印ボタンの3つのボタンからなる情報入力部142を設けている。また、RFIDリーダライタ143のアンテナ144を、筐体140の略外周に沿って埋設している。
【0043】
電子棚札装置14は、駆動源としてバッテリ145を搭載している。さらに、通信部146及び不揮発性の記憶部147と、前記表示部141,情報入力部142及びRFIDリーダライタ143を制御する制御部148を備えている。通信部146は、通信回線122を介して棚札コントローラ13との間で行われるデータ通信を司る。記憶部147は、品名,価格等の表示データを記憶する。また、各電子棚札装置14をそれぞれ識別するために棚札装置毎に割当設定された棚札番号を記憶部147で記憶保持している。ここに、電子棚札装置14は、本発明の情報端末装置として機能する。
【0044】
かかる構成の電子棚札装置14は、アンテナ144の指向性を筐体140の正面側に向けており、かつ正面から数cm〜数十cm程度の距離を交信距離としている。こうすることにより、図13に示すように、ユーザが商品陳列棚90に陳列されている商品「カレー」(図中ハッチングで示す)を取るために手91を伸ばすと、このユーザの手首に取り付けられたブレスレット4のRFIDタグ5が、当該商品に対応して商品陳列棚90に設けられている電子棚札装置14aのアンテナ144の交信領域内に入る。そうすると、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されているデータつまりはIDコードが、当該電子棚札装置14aのRFIDリーダライタ143によって非接触で読取られる。このとき、当該電子棚札装置14aの近傍に位置する他の電子棚札装置14b,14c,14dでは、各々のアンテナ144の交信領域内に当該RFIDタグ5が入らないので、IDコードが読取られることはない。ここに、RFIDリーダライタ143及びそのアンテナ144は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報(IDコード)を非接触により取得するユーザ識別認識手段を構成している。
【0045】
図14は電子棚札装置14の制御部148が実行するメイン処理の要部手順を示す流れ図である。初めに、各電子棚札装置14には、棚札管理サーバ113から棚札コントローラ13を介して、当該電子棚札装置14の棚札番号に対応して棚札情報ファイルF1に記憶されている商品名と価格の商品棚札情報がダウンロードされ、記憶部147にて保存されている。そこで制御部148は、ST21としてこの商品棚札情報を表示部141に表示させる。そして、ST22としてRFIDリーダライタ143によるRFIDタグ5の読取動作を開始させる。
【0046】
これにより、アンテナ144の交信領域内にRFIDタグ5が入ると、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されたIDコードがRFIDリーダライタ143によって非接触で読取られる。そこで制御部148は、ST23としてIDコードが読取られるのを待機している。そして、IDコードが読取られたことを検知したならば、制御部148は、ST24としてこのIDコードを記憶部147に一時記憶した後、RFIDリーダライタ143による読取動作を一時的に停止させる。しかる後、制御部148は、ST25として当該電子棚札装置14に対応する販売商品の登録または登録取消を買物客に確認する登録・取消確認画面を表示部141に表示させる。そして、情報入力部142を介して商品の登録または登録取消の情報入力が行なわれるのを待機する(入力受付手段)。
【0047】
上記登録・取消確認画面の一例を図17に示す。この例では、表示部141に表示されている商品を登録する買物客には、情報入力部142の第1の操作部である「+」ボタンを操作し、登録を取消す買物客には、情報入力部142の第2の操作部である「−」ボタンを操作するものとなっている。
【0048】
そこで制御部148は、登録・取消確認画面を表示させた後、ST26として一定時間が経過するのを待機し、その間に「+」ボタンまたは「−」ボタンが操作されなかった場合にはST1に戻って、表示部141の画面を品名と価格の商品棚札情報画面に戻す。
【0049】
一方、その一定時間内に、ST27として「+」ボタンが操作入力されたことを検知した場合には、当該電子棚札装置14に対応する商品の登録が指示されたので、制御部148は、ST29として当該電子棚札装置14の記憶部147に記憶されている棚札番号と直前にRFIDタグ5から読取ったIDコードとを含む登録商品情報伝文を編集し、この登録商品情報伝文を通信部146から棚札コントローラ13を介して棚札管理サーバ113に送信する(登録商品情報送信手段)。
【0050】
また、その一定時間内に、ST28として−ボタンが操作入力されたことを検知した場合には、当該電子棚札装置14に対応する商品の登録取消が指示されたので、制御部148は、ST30として当該電子棚札装置14の記憶部147に記憶されている棚札番号と直前にRFIDタグ5から読取ったIDコードとを含む取消商品情報伝文を編集し、この取消商品情報伝文を通信部146から棚札コントローラ13を介して棚札管理サーバ113に送信する(取消商品情報送信手段)。
【0051】
棚札管理サーバ113においては、いずれかの電子棚札装置14から上記登録商品情報伝文を受信する毎に、図15の流れ図に示す登録商品情報受信処理を実行するものとなっている。すなわち、棚札管理サーバ113は、情報受信手段により登録商品情報伝文を受信すると、それに応じて、ST61として受信した登録商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST62として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST63としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“1”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了しているので、この登録商品情報受信処理を終了する。
【0052】
これに対し、ST63にて決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了していないので、棚札管理サーバ113は、ST64として受信した登録商品情報伝文に含まれる棚札番号で棚札情報ファイルF1を検索する。そして、棚札情報ファイルF1から当該棚札番号を含む棚札情報レコードの商品コード及び単価を取得する。次いで、棚札管理サーバ113は、ST65として取引情報ファイルF2の当該IDコードを含む取引情報レコードに、取得した商品コード及び単価と、点数=1と、金額=単価とからなる商品販売情報を追加する(登録商品情報処理手段)。また、ST66として当該IDコードを含む取引情報レコードの合計金額に、今回追加した商品販売情報の金額を加算する(合計算出手段)。しかる後、ST67として今回追加した商品販売情報の金額を加算した後の合計金額を示す情報を、受信した登録商品情報伝文送信元の電子棚札装置14宛てに送信するものとなっている(合計金額転送手段)。
【0053】
また、棚札管理サーバ113においては、いずれかの電子棚札装置14から上記取消商品情報伝文を受信する毎に、図16の流れ図に示す取消商品情報受信処理を実行するものとなっている。すなわち、棚札管理サーバ113は、情報受信手段により取消商品情報伝文を受信すると、それに応じて、ST71として受信した取消商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST72として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST73としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“1”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了しているので、この取消商品情報受信処理を終了する。
【0054】
これに対し、ST73にて決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了していないので、棚札管理サーバ113は、ST74として受信した取消商品情報伝文に含まれる棚札番号で棚札情報ファイルF1を検索する。そして、棚札情報ファイルF1から当該棚札番号を含む棚札情報レコードの商品コード及び単価を取得する。次いで、棚札管理サーバ113は、ST75として取引情報ファイルF2の当該IDコードを含む取引情報レコードから、取得した商品コード及び単価を含む商品販売情報を削除する(取消商品情報処理手段)。また、ST76として当該IDコードを含む取引情報レコードの合計金額から、今回削除した商品販売情報の金額を減算する(合計算出手段)。しかる後、ST77として今回削除した商品販売情報の金額を減算した後の合計金額を示す情報を、受信した取消商品情報伝文送信元の電子棚札装置14宛てに送信するものとなっている(合計金額転送手段)。
【0055】
図14に説明を戻す。
ST29またはST30にて登録商品情報または取消商品情報を棚札管理サーバ113に送信した電子棚札装置14の制御部148は、ST31として合計金額を示す情報の受信を待機する。そして、棚札管理サーバ113から棚札コントローラ13を介して合計金額を示す情報を受信すると、ST32としてこの受信した情報で示される合計金額を表示部141に表示させる(合計表示制御手段)。
【0056】
上記合計金額表示画面の一例を図18に示す。この例では、合計金額を確認した買物客は情報入力部142のいずれかのボタンを操作することで確認操作がなされたものとみなすようになっている。
【0057】
そこで制御部148は、合計金額表示画面を表示させた後、ST33として一定時間が経過するのを待機し、その間に、ST34として情報入力部142のいずれかのボタンを操作されたことを検知するか、一定時間が経過したことを検知した場合にはST1に戻って、表示部141の画面を品名と価格の商品棚札情報画面に戻す。
【0058】
図19はPOS端末15の要部構成を示すブロック図である。POS端末15は、制御部本体としてCPU1501を備えている。また、記憶部としてROM1502及びRAM1503を備えている。さらに、時計部1504,通信コントローラ1505,スキャナインターフェイス1506,RFIDリーダライタ1507,キーボード1508,オペレータ用ディスプレイ1509,客用ディスプレイ1510,プリンタ1511,カードリーダ1512,ドロワ1513等を備えている。
【0059】
時計部1504は、現在の日付及び時刻を計時する。通信コントローラ1505は、通信回線123を介して接続されたPOSサーバ115とのデータ通信を制御する。スキャナインターフェイス1506は、バーコード等の光学読取コードを読取るためのスキャナを接続するものである。RFIDリーダライタ1507は、会計を行なう買物客が携帯するRFIDタグ5からIDコードを読取るためのものである。ここに、RFIDリーダライタ1507はユーザ識別情報(IDコード)の入力手段を構成する。
【0060】
キーボード1508には、商品コード,点数,金額などの商品販売情報を入力するためのキーや、1商取引の登録締めを宣言する締めキーとして機能する預/現計キー,クレジット計キー等の既存のPOS端末に設けられているキーの他、ID発行端末16からIDコードの発行を受けた買物客の決済開始を宣言する決済キーK1が設けられている。しかして、CPU1501は、上記決済キーK1の操作入力に応じて、図20の流れ図に示す決済キー入力処理を開始するものとなっている。
【0061】
すなわちCPU1501は、キーボード1508からの信号により決済キーK1が操作入力されたことを検知すると、ST81としてRFIDリーダライタ1507によるRFIDタグ5の読取動作を開始させる。そして、ST82としてRFIDタグ5のユーザエリアに記憶されているIDコードが読取られたことを検知すると、CPU1501は、ST83としてこのIDコードをRAM1503に一時記憶した後、RFIDリーダライタ1507による読取動作を一時的に停止させる。しかる後、CPU1501は、ST84としてRAM1503に一時記憶したIDコードを含む決済問合せ伝文を編集し、この決済問合せ伝文を通信コントローラ1505を介してPOSサーバ115に送信する(ユーザ問合せ手段)。
【0062】
POSサーバ115においては、各POS端末15から上記決済問合せ伝文を受信する毎に、この決済問合せ伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、POSサーバ115を介して上記決済問合せ伝文を受信する毎に、図21の流れ図に示す決済問合せ受信処理を実行する。
【0063】
すなわち、棚札管理サーバ113は、決済問合せ伝文を受信すると、それに応じて、ST101として受信した決済問合せ伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST102として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST103としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“0”であった場合には、当該IDコードが発行された買物客は商取引の決済を完了していないので、棚札管理サーバ113は、ST104として当該IDコードを含む取引情報レコードに保存されている商品販売情報(商品コード,単価,点数,金額)を一括して読取る。そして、ST105としてこの一括して読取った全ての商品販売情報を、受信した決済問合せ伝文送信元のPOS端末15に送信するものとなっている(商取引情報転送手段)。
【0064】
棚札管理サーバ113から送信された商品販売情報は、POSサーバ115を介して当該決済問合せ伝文送信元のPOS端末15に送信される。
【0065】
そこで、決済問合せ伝文を送信したPOS端末15のCPU1501は、ST85として商品販売情報を待機している。そして、商品販売情報を受信したならば、ST86としてこの受信した商品販売情報をRAM1503に記憶するとともに、この商品販売情報の商品コードに対応する商品名,単価,点数,金額などの買上商品明細情報をオペレータ用ディスプレイ1509及び客用ディスプレイ150に表示させる。
【0066】
その後、CPU1501は、ST87として商品販売情報の訂正有無を判断する。そして、キーボード1508のキー操作あるいはスキャナによる光学読取コードの読取操作により、商品販売情報の追加,削除,変更などの訂正入力があった場合には、CPU1501は、ST88としてRAM1503に記憶している商品販売情報を訂正後の情報に更新する。また、オペレータ用ディスプレイ1509及び客用ディスプレイ150に表示されている買上げ商品明細情報も訂正後の内容に変更する。
【0067】
その後、CPU1501は、ST89として1商取引の登録締めを宣言する締めキーが操作入力されたことを検知したならば、ST90としてその締めキーの種類に応じた周知の決済方法、例えば現金,クレジットカード,プリペイドカード,電子マネー,デビットカード等の支払い方法に対する決済処理を実行する。なお、この決済処理には、RAM1503に記憶された商品販売情報に基づいて商品の売上データをRAM1503に登録する処理が含まれる。また、カードリーダ1512によってポイントカードのカードデータが読取られていた場合には、RAM1503に記憶された商品販売情報に基づいてサービスポイントを算出し、顧客別に累計する処理も含まれる(決済処理手段)。
【0068】
決済処理完了後、CPU1501は、ST91としてRAM1503に記憶されたIDコードを含む決済完了伝文を編集する。そして、この決済完了伝文を通信コントローラ1505を介してPOSサーバ115に送信する(完了ユーザ識別通知手段)。以上で、今回の決済キー入力処理を終了するものとなっている。
【0069】
POSサーバ115においては、各POS端末15から上記決済完了伝文を受信する毎に、この決済完了伝文を棚札管理サーバ113に転送する。棚札管理サーバ113においては、POSサーバ115を介して上記決済完了伝文を受信する毎に、図22の流れ図に示す決済完了受信処理を実行する。
【0070】
すなわち、棚札管理サーバ113は、決済完了伝文を受信すると、それに応じて、ST111として受信した決済完了伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2を検索する。そして、ST112として取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されているか否かを判断する。ここで、取引情報ファイルF2に当該IDコードを含む取引情報レコードが保存されていると判断した場合には、棚札管理サーバ113は、ST113としてその取引情報レコードの決済フラグが“0”つまりは未決済を示す情報であるか否かを判断する。ここで、決済フラグが“0”であった場合には、ST114としてこの決済フラグを“1”に更新する(完了ユーザ識別管理手段)。以上で、この決済完了受信処理を終了する。
【0071】
このように構成された本実施の形態の商品登録処理システムが構築された店舗においては、予めポイント会員である顧客毎にその顧客の生体情報である指紋データを取得し、各ID発行端末16の生体情報記憶部166に当該顧客を識別する顧客コードと関連付けて記憶させておく。
【0072】
一方、来店した顧客は、先ず、店側からブレスレット4を受取り、腕に嵌めたならば、ID発行端末16に近付き、予め店側に登録している自身の指の指紋を生体情報読取部167で読取らせる。これにより、ID発行端末16において本人認証が行われ、成立したと判定されると、当該顧客に対して一意であり、かつ今回の買物でのみ有効なIDコードが生成される。そして、このIDコードがRFIDリーダライタ168を介して当該顧客のブレスレット4に設けられたRFIDタグ5に非接触で書き込まれる。また、このIDコードを含む取引情報レコードが取引情報ファイルF2に追加される。
【0073】
なお、ブレスレット4を受取る前にID発行端末16で指紋を読取らせ、そのID発行端末16によりIDコードがRFIDタグ5に書き込まれたブレスレット4を店側から受取るようにしてもよい。
【0074】
その後、顧客は店内で買物を行う。その際、購入する商品があると、その商品を手にするために商品陳列棚90にブレスレット4を嵌めた腕を伸ばす。そうすると、商品陳列棚90に取り付けられている各電子棚札装置14のうち、当該商品の品名,価格等が表示されている電子棚札装置14に設けられたアンテナ144の交信領域内に、当該顧客の腕に嵌められたブレスレット4に取り付けられているRFIDタグ5が入る。これにより、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されているIDコードが、当該電子棚札装置14に設けられたRFIDリーダライタ143によって読取られる。そして、当該電子棚札装置14の表示部141に、登録・取消確認画面が表示される。
【0075】
そこで買物客は、購入する商品を陳列棚90から取って買い物籠またはショッピングカードに入れるとともに、登録を指示するために「+」ボタンを操作する。そうすると、当該買物客が嵌めているブレスレット4のRFIDタグ5から読取ったIDコードと当該電子棚札装置14固有の棚札番号とを含む登録商品情報伝文が編集され、棚札管理サーバ113に伝送される。
【0076】
これにより、棚札管理サーバ113においては、上記登録商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2が検索され、当該IDコードを含む取引情報レコードに、上記登録商品情報伝文に含まれる棚札番号と関連付けられて棚札情報ファイルF1上で記憶管理されている商品コード及び単価と、点数=1と、金額=単価とからなる商品販売情報が追加される。また、同取引情報レコードで記憶保持されている全ての商品販売情報の合計金額が算出され、この合計金額を示す情報が上記登録商品情報伝文送信元の電子棚札装置14に送信される。そして、この情報に基づいて、電子棚札装置14の表示部141に上記合計金額が表示される。
【0077】
そこで、「+」ボタンを操作した買物客は、電子棚札装置14の表示部141に表示された合計金額を確認すると、当該電子棚札装置14の情報入力部142に設けられているいずれかのボタンを操作する。そうすると、当該電子棚札装置14は、当該電子棚札装置14に対応付けられている商品の品名と価格の表示状態に戻る。
【0078】
ここで、当該買物客が一旦登録した商品の購入を取り止めた場合、買物客は、ブレスレット4を嵌めた手で該当する商品を商品陳列棚90に戻す。このときも、当該商品の品名,価格等が表示されている電子棚札装置14に設けられたアンテナ144の交信領域内に、当該ブレスレット4に取り付けられているRFIDタグ5が入り、このRFIDタグ5のメモリ部に記憶されているIDコードが、当該電子棚札装置14に設けられたRFIDリーダライタ143によって読取られるので、当該電子棚札装置14の表示部141に、登録・取消確認画面が表示される。
【0079】
そこで買物客は、登録の取消を指示するために「−」ボタンを操作する。そうすると、当該買物客が嵌めているブレスレット4のRFIDタグ5から読取ったIDコードと当該電子棚札装置14固有の棚札番号とを含む取消商品情報伝文が編集され、棚札管理サーバ113に伝送される。
【0080】
これにより、棚札管理サーバ113においては、上記取消商品情報伝文に含まれるIDコードで取引情報ファイルF2が検索され、当該IDコードを含む取引情報レコードから、上記取消商品情報伝文に含まれる棚札番号と関連付けられて棚札情報ファイルF1上で記憶管理されている商品コード及び単価と、点数=1と、金額=単価とからなる商品販売情報が削除される。またこの場合も、同取引情報レコードで記憶保持されている全ての商品販売情報の合計金額が算出され、この合計金額を示す情報が上記登録商品情報伝文送信元の電子棚札装置14に送信される。そして、この情報に基づいて、電子棚札装置14の表示部141に上記合計金額が表示される。
【0081】
そこで、「−」ボタンを操作した買物客は、電子棚札装置14の表示部141に表示された合計金額を確認すると、当該電子棚札装置14の情報入力部142に設けられているいずれかのボタンを操作する。そうすると、当該電子棚札装置14は、当該電子棚札装置14に対応付けられている商品の品名と価格の表示状態に戻る。
【0082】
なお、登録・取消確認画面が表示された状態で、買物客がボタン操作を何もしなかった場合には、当該電子棚札装置14は一定時間経過後に品名と価格の表示状態に戻る。また、合計金額表示画面において、ボタン操作が行われなかった場合にも、当該電子棚札装置14は一定時間経過後に品名と価格の表示状態に戻る。
【0083】
このように、ブレスレット4を腕に嵌めた買物客は、商品陳列棚90から購入する商品を手に取る都度、その商品の品名,価格が表示されている電子棚札装置14の「+」ボタンを操作して登録を行なう。また、一旦登録した商品の購入を取消す場合には、その商品を商品陳列棚90に戻す毎に、その商品の品名,価格が表示されている電子棚札装置14の「−」ボタンを操作して登録の取消を行なう。こうすることにより、当該買物客が携帯するブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5のIDコードを含む取引情報レコードには、登録され、かつ取消されなかった商品の商品販売情報が一括して記憶保持される。
【0084】
こうして買物客は、その日に購入する商品を全て手にしたならば、その商品を持って決済場所に行き、キャッシャに決済を申し出る。キャッシャは、買物客からブレスレット4を受け取り、POS端末15に近づけるとともに、決済キーK1を操作する。そうすると、このPOS端末15に設けられたRFIDリーダライタ1507によって、当該ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5のIDコードが非接触で読取られる。そして、当該IDコードを含む決済問合せ伝文がPOS端末15から棚札管理サーバ113に送信される。
【0085】
これにより、棚札管理サーバ113においては、取引情報ファイルF2が検索される。そして、当該IDコードを含む取引情報レコードにて記憶保持されている商品販売情報が一括して読取られ、決済問合せ伝文元のPOS端末15に送信される。かくして、POS端末15のオペレータ用ディスプレイ1509及び客用ディスプレイ150には、棚札管理サーバ113から受信した商品販売情報の商品コードに対応する商品名と、単価,点数,金額などの買上商品明細情報が表示される。
【0086】
ここでキャッシャは、買物客が購入する商品と表示内容とを照合する。そして、一致しない場合には、キーボード1508やスキャナを操作して商品販売情報の追加,取消,訂正等を行なって一致させる。その後、客に代金の支払いを求める。そして、客の支払い種別に応じた締めキーを操作する。こうすることにより、当該POS端末15においては支払い種別に応じた決済処理が実行される。そして、この決済処理完了後、POS端末15から棚札管理サーバ113に対して、当該IDコードを含む決済完了伝文が送信される。これにより、棚札管理サーバ113においては、当該IDコードを含む取引情報レコードの決済フラグが“1”にセットされる。
【0087】
その後、キャッシャは、買物客から回収したブレスレット4をブレスレット回収箱7に入れる。そうすると、ID回収端末17に設けられたRFIDリーダライタ171によって、当該ブレスレット4に取り付けられたRFIDタグ5のIDコードが読取られる。これにより、棚札管理サーバ113においては、当該IDコードを含む取引情報レコードの回収フラグが“1”にセットされる。また、RFIDタグ5のIDコードがクリアされる。これにより、ブレスレット4は次の買物客のために再利用される。
【0088】
このように本実施の形態によれば、買物客が購入商品を商品陳列棚90から手に取る際に、その商品に対応して設けられている電子棚札装置14を買物客自身で操作することによって、サーバ装置11において、その商品の販売情報を買物客別に記憶管理することができる。また、サーバ装置11上で買物客別に記憶管理された商品販売情報を、POS端末15において買物客毎に呼出すことによって、この商品販売情報に基づく決済処理が実行可能となる。したがって、POS端末15において、客が買上げる商品を1品ずつ登録する必要がないので、登録作業に係る時間を大幅に短縮することができる。この場合において、店で販売する全ての商品に対して1品毎に無線タグを付す必要がないので、無線タグを利用した商品登録処理システムよりも手間のかからないものとなる。
【0089】
また、買物客毎のユーザ識別情報であるIDコードが書き込まれたRFIDタグ5付のブレスレット4を嵌めた手で商品陳列棚90から購入する商品を取ったり、購入を取り焼けた商品を戻したりすれば、購入商品の登録やその登録の取消に必要な買物客の操作は、電子棚札装置14に設けられた情報入力部142のボタンをワンタッチ操作するだけなので、買物客が操作に著しい負担を感じることもない。したがって、混雑時になると決済場所の待ち時間が長かったスーパーマーケット等では、待ち時間が短縮されるという利点を顧客に提供でき、本システムを導入することによるメリットは大変大きなものとなる。
【0090】
また、買物客が電子棚札装置14を利用して購入商品の登録やその登録の取消を行なう都度、当該電子棚札装置14の表示部141に当該買物客の現時点までの購入商品の合計金額が表示される。したがって買物客は、買い過ぎを気にせずに安心して買い物を続けることができるので、利便性を向上させることができ、この点からも導入がしやすい。
【0091】
ところで、前記実施の形態では、決済装置であるPOS端末15をキャッシャが操作するようにしたが、決済装置への商品登録が自動的に行なわれるので、決済装置として既存のプリペイド式電子マネー決済装置,デビットカード決済装置,クレジット決済装置等を使用することによって、代金の授受も含めて全ての決済作業を客自身に行なわせるセルフチェックアウト方式を容易に導入できる利点もある。
【0092】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0093】
例えば、前記実施の形態では取引情報ファイルF2を棚札管理サーバ113が管理するようにしたが、POSサーバ115や顧客管理サーバ114等の他のサーバが管理するようにしてもよい。また、取引情報ファイルF2の管理の特化した専用のサーバをサーバ装置11内に設けてもよい。
【0094】
また、前記実施の形態では、買物客はブレスレット4を片手に嵌めるものとしたが、ID発行端末16によって同一のIDコードが書き込まれるRFIDタグ5付のブレスレット4を一対で用意し、両手にブレスレット4を嵌めて買物を行うようにしてもよい。こうすることにより、購入する商品を商品陳列棚90からどちらの手で取ってもその商品の販売情報がサーバ装置11に登録されるので、登録漏れをなくすことができる。また、ブレスレット4を用いずにRFIDタグ5を直接顧客の腕や指先,あるいは掌などに貼り付けるようにしてもよい。
【0095】
また、前記実施の形態ではブレスレット4を回収するものとしたが、回収しない運用であってもよい。この場合、ユーザ識別装置の別態様としては、店の出入口ゲートを通過するユーザのブレスレット4からIDコードを読取り、顧客管理サーバ114等のサーバ装置11に送信し、サーバ装置11にて決済完了の通知無しが判断されると報知動作するゲート装置が考えられる。
【0096】
また、前記実施の形態では、顧客が購入する商品を手にしてその商品に対応する電子棚札装置14から登録操作したり、登録の取消操作をしたりした際に、その顧客の現時点までの合計金額を当該電子棚札装置14の表示部141に自動的に表示させるようにしたが、上記合計金額は当該電子棚札装置14の情報入力部142の操作による顧客からの指示がないと表示されないようにしてもよい。
【0097】
また、前記実施の形態では、IDコードをユーザである顧客が買物をしている間だけ有効なデータとしたが、例えばポイント会員に対して発行されるポイントカードの代わりに、予め顧客コードが書き込まれたRFIDタグ5付のブレスレット4を配布し、この顧客コードをIDコードとして使用することによって、各実施の形態を実現することも可能である。この場合、商品登録処理システム1からID発行端末16やID回収端末17を省略することができる。
【0098】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施の形態における商品登録処理システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態において棚札情報ファイルに保存される棚札情報レコードのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態において取引情報ファイルに保存される取引情報レコードのデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態の商品登録処理システムを構成するID発行端末の要部構成を示すブロック図。
【図5】同ID発行端末が有する生体情報記憶部にて記憶されるデータの構造を示す模式図。
【図6】同ID発行端末の制御部が実行する主要な制御手順を示す流れ図。
【図7】本実施の形態の商品登録処理システムを構成するID回収端末の要部構成を示すブロック図。
【図8】同ID回収端末の制御部が実行する主要な制御手順を示す流れ図。
【図9】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する棚札管理サーバが実行するID発行伝文受信処理の要部を示す流れ図。
【図10】同棚札管理サーバが実行するID回収伝文受信処理の要部を示す流れ図。
【図11】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する電子棚札装置の平面図。
【図12】同電子棚札装置の要部構成を示すブロック図。
【図13】同電子棚札装置の一使用例を示す模式図。
【図14】同電子棚札装置の制御部が実行する主要な制御手順を示す流れ図。
【図15】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する棚札管理サーバが実行する登録商品情報受信処理の要部を示す流れ図。
【図16】同棚札管理サーバが実行する取消商品情報受信処理の要部を示す流れ図。
【図17】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する電子棚札装置に表示される登録・取消確認画面の一例を示す平面図。
【図18】同電子棚札装置に表示される合計金額表示画面の一例を示す平面図。
【図19】本実施の形態の商品登録処理システムを構成するPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図20】同POS端末のCPUが実行する決済キー入力処理の要部手順を示す流れ図。
【図21】本実施の形態の商品登録処理システムを構成する棚札管理サーバが実行する決済問合せ受信処理の要部を示す流れ図。
【図22】同棚札管理サーバが実行する決済完了受信処理の要部を示す流れ図。
【符号の説明】
【0100】
1…商品登録処理システム、4…ブレスレット、5…RFIDタグ、11…サーバ装置、13…棚札コントローラ、14…電子棚札装置、15…POS端末、16…ID発行端末、17…ID回収端末、113…棚札管理サーバ、114…顧客管理サーバ、115…POSサーバ、F1…棚札情報ファイル、F2…取引情報ファイル、F3…商品マスタファイル、F4…顧客マスタファイル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部及びこの表示部に表示させる情報を受信する通信部を備えた複数の情報端末装置と、前記各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ送信する機能を有したサーバ装置と、商取引の決済処理を行なう決済装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品登録処理システムにおいて、
前記各情報端末装置は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報を非接触により取得するユーザ識別認識手段と、このユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に、対応する商品の登録入力を受付ける入力受付手段と、対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報を前記通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する登録商品情報送信手段とをそれぞれ具備し、
前記サーバ装置は、前記各情報端末装置から前記通信ネットワークを介して送信されてくる前記登録商品情報を受信する情報受信手段と、前記ユーザ識別情報別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段と、前記情報受信手段により前記登録商品情報を受信する毎に、当該登録商品情報に含まれる商品識別情報を前記取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の取引情報記憶領域に追加する登録商品情報処理手段と、前記決済装置からユーザ識別情報の問合せがあったことに応じて、前記取引情報記憶手段における当該ユーザ識別情報別取引情報記憶領域に記憶されている商品識別情報を一括して前記決済装置に転送する商取引情報転送手段とを具備し、
前記決済装置は、前記ユーザ識別情報の入力手段と、入力されたユーザ識別情報を前記サーバ装置に問合せるユーザ問合せ手段と、前記サーバ装置から転送されてきた商品識別情報により前記入力手段を介して入力されたユーザ識別情報で識別されるユーザとの商取引の決済処理を行なう決済処理手段とを具備したことを特徴とする商品登録処理システム。
【請求項2】
陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部及びこの表示部に表示させる情報を受信する通信部を備えた複数の情報端末装置と、前記各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ送信する機能を有したサーバ装置と、商取引の決済処理を行なう決済装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品登録処理システムにおいて、
前記各情報端末装置は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報を非接触により取得するユーザ識別認識手段と、このユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に、対応する商品の登録または登録取消の入力を受付ける入力受付手段と、対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報を前記通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する登録商品情報送信手段と、対応する商品の登録取消入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む取消商品情報を前記通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する取消商品情報送信手段とをそれぞれ具備し、
前記サーバ装置は、前記各情報端末装置から前記通信ネットワークを介して送信されてくる前記登録商品情報及び取消商品情報を受信する情報受信手段と、前記ユーザ識別情報別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段と、前記情報受信手段により前記登録商品情報を受信する毎に、当該登録商品情報に含まれる商品識別情報を前記取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の取引情報記憶領域に追加する登録商品情報処理手段と、前記情報受信手段により前記取消商品情報を受信する毎に、当該取消商品情報に含まれる商品識別情報を前記取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の記憶領域から削除する取消商品情報処理手段と、前記決済装置からユーザ識別情報の問合せがあったことに応じて、前記取引情報記憶手段における当該ユーザ識別情報別取引情報記憶領域に記憶されている商品識別情報を一括して前記決済装置に転送する商取引情報転送手段とを具備し、
前記決済装置は、前記ユーザ識別情報の入力手段と、入力されたユーザ識別情報を前記サーバ装置に問合せるユーザ問合せ手段と、前記サーバ装置から転送されてきた商品識別情報により前記入力手段を介して入力されたユーザ識別情報で識別されるユーザとの商取引の決済処理を行なう決済処理手段とを具備したことを特徴とする商品登録処理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置と通信ネットワークで接続され、予め登録された各ユーザの生体情報を記憶する生体情報記憶手段、ユーザの生体情報を取込む生体情報取込手段、この生体情報取込手段により取込んだ生体情報と前記生体情報記憶手段により記憶されている各ユーザの生体情報とを照合して本人認証を行なう本人認証手段、及びこの本人認証手段により前記ユーザの本人認証が成立したことを条件に当該ユーザに対してユーザ識別情報を発行するユーザ識別発行手段を具備したユーザ識別発行装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の商品登録処理システム。
【請求項4】
前記ユーザ識別発行手段は、本人認証が成立したユーザが携帯する非接触通信記憶媒体にそのユーザに対して発行されるユーザ識別情報を非接触通信により書き込む手段であることを特徴とする請求項3記載の商品登録処理システム。
【請求項5】
前記サーバ装置と通信ネットワークで接続され、非接触通信記憶媒体に書き込まれているユーザ識別情報を読取るユーザ識別取得手段、このユーザ識別取得手段により取得したユーザ識別情報を前記サーバ装置に送信するユーザ識別送信手段、及び報知手段を具備したユーザ識別装置をさらに備え、
前記決済装置は、前記決済処理手段による決済処理を完了したユーザ識別情報を前記サーバ装置に通知する完了ユーザ識別通知手段をさらに具備し、
前記サーバ装置は、前記決済装置から決済完了の通知を受けたユーザ識別情報に関する情報を記憶管理する完了ユーザ識別管理手段と、前記ユーザ識別装置から前記通信ネットワークを介して送信されてくるユーザ識別情報を受信するユーザ識別受信手段と、このユーザ識別受信手段によりユーザ識別情報を受信する毎に前記完了ユーザ識別管理手段によって当該ユーザ識別情報に関する情報が記憶管理されているか否かを判断する完了有無判断手段と、この完了有無判断手段により当該ユーザ識別情報に関する情報が記憶管理されていないと判断されると、当該ユーザ識別情報送信元の前記ユーザ識別装置における報知手段を報知動作させる報知制御手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項4記載の商品登録処理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、取引情報記憶手段によりユーザ識別情報別に記憶される商品識別情報を元に前記ユーザ識別情報別の商取引合計金額を算出する合計算出手段と、この合計算出手段により算出される商取引合計金額のデータを前記情報受信手段により受信した前記登録商品情報または取消商品情報送信元の前記情報端末装置に転送する合計金額転送手段とをさらに具備し、
前記各情報端末装置は、前記サーバ装置から転送されてきた商取引合計金額データに基づいて前記表示部に商取引合計金額を表示させる合計表示制御手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2記載の商品登録処理システム。
【請求項7】
前記各情報端末装置は、第1の操作部と、第2の操作部をさらに備え、
前記入力受付手段は、前記ユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に前記第1及び第2の操作部の操作入力を可能とし、前記第1の操作部の操作を検知すると対応する商品の登録入力があったものとして処理し、前記第2の操作部が操作されたことを検知すると対応する商品の登録取消入力があったものとして処理することを特徴とする請求項1または2記載の商品登録処理システム。
【請求項8】
前記各情報端末装置は、商品陳列棚に設けられ、その棚に陳列されている商品の価格を表示する電子棚札装置であることを特徴とする請求項1,2,6または7のいずれかに記載の商品登録処理システム。
【請求項1】
陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部及びこの表示部に表示させる情報を受信する通信部を備えた複数の情報端末装置と、前記各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ送信する機能を有したサーバ装置と、商取引の決済処理を行なう決済装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品登録処理システムにおいて、
前記各情報端末装置は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報を非接触により取得するユーザ識別認識手段と、このユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に、対応する商品の登録入力を受付ける入力受付手段と、対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報を前記通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する登録商品情報送信手段とをそれぞれ具備し、
前記サーバ装置は、前記各情報端末装置から前記通信ネットワークを介して送信されてくる前記登録商品情報を受信する情報受信手段と、前記ユーザ識別情報別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段と、前記情報受信手段により前記登録商品情報を受信する毎に、当該登録商品情報に含まれる商品識別情報を前記取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の取引情報記憶領域に追加する登録商品情報処理手段と、前記決済装置からユーザ識別情報の問合せがあったことに応じて、前記取引情報記憶手段における当該ユーザ識別情報別取引情報記憶領域に記憶されている商品識別情報を一括して前記決済装置に転送する商取引情報転送手段とを具備し、
前記決済装置は、前記ユーザ識別情報の入力手段と、入力されたユーザ識別情報を前記サーバ装置に問合せるユーザ問合せ手段と、前記サーバ装置から転送されてきた商品識別情報により前記入力手段を介して入力されたユーザ識別情報で識別されるユーザとの商取引の決済処理を行なう決済処理手段とを具備したことを特徴とする商品登録処理システム。
【請求項2】
陳列されている各種商品にそれぞれ対応して設けられその対応する商品に関する情報を表示する表示部及びこの表示部に表示させる情報を受信する通信部を備えた複数の情報端末装置と、前記各情報端末装置の表示部に表示させる情報を情報端末装置毎に編集し、編集した情報を該当する情報端末装置へ送信する機能を有したサーバ装置と、商取引の決済処理を行なう決済装置とを、通信ネットワークで接続してなる商品登録処理システムにおいて、
前記各情報端末装置は、対応する商品に手を伸ばしたユーザから当該ユーザを識別するユーザ識別情報を非接触により取得するユーザ識別認識手段と、このユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に、対応する商品の登録または登録取消の入力を受付ける入力受付手段と、対応する商品の登録入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む登録商品情報を前記通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する登録商品情報送信手段と、対応する商品の登録取消入力を受付けると、取得したユーザ識別情報と当該情報端末装置に対応する商品を識別する商品識別情報とを含む取消商品情報を前記通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する取消商品情報送信手段とをそれぞれ具備し、
前記サーバ装置は、前記各情報端末装置から前記通信ネットワークを介して送信されてくる前記登録商品情報及び取消商品情報を受信する情報受信手段と、前記ユーザ識別情報別の取引情報記憶領域を備えてなる取引情報記憶手段と、前記情報受信手段により前記登録商品情報を受信する毎に、当該登録商品情報に含まれる商品識別情報を前記取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の取引情報記憶領域に追加する登録商品情報処理手段と、前記情報受信手段により前記取消商品情報を受信する毎に、当該取消商品情報に含まれる商品識別情報を前記取引情報記憶手段における当該登録商品情報に含まれるユーザ識別情報の記憶領域から削除する取消商品情報処理手段と、前記決済装置からユーザ識別情報の問合せがあったことに応じて、前記取引情報記憶手段における当該ユーザ識別情報別取引情報記憶領域に記憶されている商品識別情報を一括して前記決済装置に転送する商取引情報転送手段とを具備し、
前記決済装置は、前記ユーザ識別情報の入力手段と、入力されたユーザ識別情報を前記サーバ装置に問合せるユーザ問合せ手段と、前記サーバ装置から転送されてきた商品識別情報により前記入力手段を介して入力されたユーザ識別情報で識別されるユーザとの商取引の決済処理を行なう決済処理手段とを具備したことを特徴とする商品登録処理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置と通信ネットワークで接続され、予め登録された各ユーザの生体情報を記憶する生体情報記憶手段、ユーザの生体情報を取込む生体情報取込手段、この生体情報取込手段により取込んだ生体情報と前記生体情報記憶手段により記憶されている各ユーザの生体情報とを照合して本人認証を行なう本人認証手段、及びこの本人認証手段により前記ユーザの本人認証が成立したことを条件に当該ユーザに対してユーザ識別情報を発行するユーザ識別発行手段を具備したユーザ識別発行装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の商品登録処理システム。
【請求項4】
前記ユーザ識別発行手段は、本人認証が成立したユーザが携帯する非接触通信記憶媒体にそのユーザに対して発行されるユーザ識別情報を非接触通信により書き込む手段であることを特徴とする請求項3記載の商品登録処理システム。
【請求項5】
前記サーバ装置と通信ネットワークで接続され、非接触通信記憶媒体に書き込まれているユーザ識別情報を読取るユーザ識別取得手段、このユーザ識別取得手段により取得したユーザ識別情報を前記サーバ装置に送信するユーザ識別送信手段、及び報知手段を具備したユーザ識別装置をさらに備え、
前記決済装置は、前記決済処理手段による決済処理を完了したユーザ識別情報を前記サーバ装置に通知する完了ユーザ識別通知手段をさらに具備し、
前記サーバ装置は、前記決済装置から決済完了の通知を受けたユーザ識別情報に関する情報を記憶管理する完了ユーザ識別管理手段と、前記ユーザ識別装置から前記通信ネットワークを介して送信されてくるユーザ識別情報を受信するユーザ識別受信手段と、このユーザ識別受信手段によりユーザ識別情報を受信する毎に前記完了ユーザ識別管理手段によって当該ユーザ識別情報に関する情報が記憶管理されているか否かを判断する完了有無判断手段と、この完了有無判断手段により当該ユーザ識別情報に関する情報が記憶管理されていないと判断されると、当該ユーザ識別情報送信元の前記ユーザ識別装置における報知手段を報知動作させる報知制御手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項4記載の商品登録処理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、取引情報記憶手段によりユーザ識別情報別に記憶される商品識別情報を元に前記ユーザ識別情報別の商取引合計金額を算出する合計算出手段と、この合計算出手段により算出される商取引合計金額のデータを前記情報受信手段により受信した前記登録商品情報または取消商品情報送信元の前記情報端末装置に転送する合計金額転送手段とをさらに具備し、
前記各情報端末装置は、前記サーバ装置から転送されてきた商取引合計金額データに基づいて前記表示部に商取引合計金額を表示させる合計表示制御手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2記載の商品登録処理システム。
【請求項7】
前記各情報端末装置は、第1の操作部と、第2の操作部をさらに備え、
前記入力受付手段は、前記ユーザ識別認識手段によりユーザ識別情報を取得したことを条件に前記第1及び第2の操作部の操作入力を可能とし、前記第1の操作部の操作を検知すると対応する商品の登録入力があったものとして処理し、前記第2の操作部が操作されたことを検知すると対応する商品の登録取消入力があったものとして処理することを特徴とする請求項1または2記載の商品登録処理システム。
【請求項8】
前記各情報端末装置は、商品陳列棚に設けられ、その棚に陳列されている商品の価格を表示する電子棚札装置であることを特徴とする請求項1,2,6または7のいずれかに記載の商品登録処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−122448(P2007−122448A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314369(P2005−314369)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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