商品販売システム、ハンディターミナルおよびその制御プログラム
【課題】ＰＳＳ方式を採用した商品販売システムにおいて、一度登録された販売データを容易に取り消すことを可能とし、当該システムで用いられるハンディターミナルの操作性向上および操作ミス抑制を図ること。
【解決手段】スキャナにて検出した商品コードに基づいて当該商品の商品情報を特定し、特定した商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを記憶手段に登録する。この記憶手段に登録された販売データの取り消しが宣言されると、記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付けた後、選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける。そして、入力を受け付けた数量を、記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する。
【解決手段】スキャナにて検出した商品コードに基づいて当該商品の商品情報を特定し、特定した商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを記憶手段に登録する。この記憶手段に登録された販売データの取り消しが宣言されると、記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付けた後、選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける。そして、入力を受け付けた数量を、記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、商品販売店舗にて顧客自身が商品コードを入力し、チェックアウト業務を進行する商品販売システム、このシステムにて使用されるハンディターミナルおよびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の商品販売店舗におけるチェックアウト業務には、商品に付されたバーコードを読み取るバーコードスキャナを備えたＰＯＳ（Point Of Sales）端末等の商品販売データ処理装置が使用されている。
【０００３】
この種の装置は店員に操作され、上記バーコードスキャナにて商品に付されたバーコードを読み取って商品コードを入力し、この商品コードに基づいてストアサーバ等のデータベースから商品名や単価等で構成される商品情報を取得し、この商品情報に買い上げ点数等を付加してなる販売データをメモリに形成された所定の記憶エリアに登録していく。そして、一商取引にて登録された販売データに基づいて代金の算出やレシートの発行を行い、チェックアウト業務を完結する。
【０００４】
上記商品販売データ処理装置は、顧客がレジに運んだ商品の購入を思い止まり、購入の取り消しを申し出る事態を想定して、一度登録した商品の販売データを取り消すための機能を備えていることが通常である。（例えば、特許文献１を参照）
ところで近年では、チェックアウト業務に充てる人員を削減して業務の効率化を図るべく、顧客自身がバーコードの読み取り等を行うＰＳＳ（Personal Self Shopping）方式を採用した商品販売システムが普及しつつある。この種のシステムでは、来店した顧客に対してバーコードのスキャニング機能を備えたハンディターミナルが貸し渡され、このハンディターミナルを用いて顧客自身が買い物籠に商品を投入する際に該商品に付されたバーコードをスキャニングして商品コードを入力する。このとき、ハンディターミナルは無線通信にてストアサーバにアクセスし、データベースから商品コードに対応付けられた商品情報を取得し、この商品情報に基づいて販売データを生成してメモリ内の記憶エリアに登録していく。
【０００５】
かくして一連の商品を登録し終えたならば、ハンディターミナルに記憶された販売データをＰＯＳ端末に送信し、顧客自身あるいは店員の主導の下でチェックアウト業務を完結させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記システムにて使用される既存のハンディターミナルも、商品販売データ処理装置と同様に販売データを取り消すための機能を備えている。既存のハンディターミナルでは、操作部を操作して販売データの取り消しを宣言した後、再度商品に付されたバーコードをスキャニングして商品コードを入力すると、この商品コードに基づく販売データが記憶エリアから消去されるようになっている。
【０００７】
しかしながら、取り消し数量を指定する機能は備えておらず、多数の同一商品が登録されている場合であっても、いちいち全ての商品に付されたバーコードをスキャニングして各商品の販売データを取り消さなければならないのが現状であり、取り消しに係る手数が大変である。
【０００８】
また、いちいち買い物籠から商品を取り出してバーコードの印刷位置を特定し、スキャニングするのは顧客にとって手間であり、多数の商品に関して販売データを取り消す場合には多大な時間を要してしまう。
【０００９】
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、ＰＳＳ方式を採用した商品販売システムにおいて、一度登録された販売データを容易に取り消すことを可能とし、当該システムで用いられるハンディターミナルの操作性向上および操作ミス抑制を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明の第１の視点は、商品を識別する商品識別子に商品情報を対応付けてなるデータベースを有するサーバ装置、商品に付されたシンボルコードを読み取って前記商品識別子を検出する読取手段を備え、検出した商品識別子を前記サーバ装置に送信し前記サーバ装置から返信される商品情報に販売数量を付加してなる販売データを記憶手段に登録するハンディ端末、このハンディ端末の記憶手段に登録された販売データに基づいて取引の会計を処理する商品販売データ処理装置を有線又は無線にて通信接続してなる商品販売システムにおいて、前記ハンディ端末は、前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段とを備えていることを特徴とする商品販売システムである。
【００１１】
また、本発明の第２の視点は、商品を識別する商品識別子を検出し、該商品識別子に対応する商品情報を特定する商品情報特定手段と、この商品情報特定手段にて特定した商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを登録する記憶手段と、この記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段とを備えていることを特徴とするハンディ端末である。
【００１２】
また、本発明の第３の視点は、商品を識別する商品識別子を読み取る読取部を備えたハンディ端末の制御プログラムであって、前記ハンディ端末に、前記読取部にて読み取った商品識別子に基づいて当該商品の商品情報を特定する商品情報特定機能と、この商品情報特定機能により特定された商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを所定の記憶手段に登録する登録機能と、前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言機能と、この取消宣言機能により取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付機能と、この選択受付機能にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付機能と、この数量入力受付機能にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御機能とを実現させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【００１３】
かかる手段を講じた本発明によれば、ＰＳＳ方式を採用した商品販売システムにおいて、一度登録された販売データを容易に取り消すことを可能とし、当該システムで用いられるハンディターミナルの操作性向上および操作ミス抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の一実施形態における商品販売システムの構成図。
【図２】同実施形態におけるハンディターミナルの外観構成を示す模式図。
【図３】同実施形態におけるハンディターミナルの制御回路のブロック図。
【図４】同実施形態における販売データ登録エリアのデータ構造を示す模式図。
【図５】同実施形態における販売データ登録処理にてＣＰＵが実行する処理の流れ図。
【図６】同実施形態における販売データ取消処理にてＣＰＵが実行する処理の流れ図。
【図７】同実施形態における取消画面の一例を示す模式図。
【図８】同実施形態における取消数量選択画面の一例を示す模式図。
【図９】同実施形態における商品取消後の取消画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【００１６】
図１は、本実施形態における商品販売システムの構成図である。
当該商品販売システムは、ストアサーバ１と、ＰＯＳ端末２と、アクセスポイント３と、複数のハンディターミナル４とを備えている。ストアサーバ１、ＰＯＳ端末２およびアクセスポイント３は、ＬＡＮ（Local Area Network）５にて相互通信可能に接続されている。
【００１７】
ストアサーバ１は、本実施形態におけるサーバ装置として機能するものであり、当該商品販売システムが稼動する店舗における売上データや、ＰＬＵ（Price Look Up）ファイル６等を記憶管理する。上記ＰＬＵファイル６には、商品毎に一意に割り当てられた商品コード（商品識別子）に対して、商品名や単価等で構成される商品情報が記憶されている。
ＰＯＳ端末２は、本実施形態における商品販売データ処理装置として機能するものであり、後述の処理にて使用する決済用バーコード７が貼付されたレジカウンタに載置されている。その本体には、各種操作キーを配設してなるキーボード、各種情報を店員又は顧客に対して表示する表示ユニット、レシートを発行するレシートプリンタ、代金・釣銭の授受に使用される硬貨投入ユニット，紙幣投入ユニット，硬貨排出ユニット，紙幣排出ユニット等を備えている。当該ＰＯＳ端末２が設置されたレジカウンタには店員が配置されていない。すなわち、ＰＯＳ端末２は、顧客自身が操作して代金の支払い等の会計処理を行うセルフチェックアウト式のＰＯＳ端末である。
【００１８】
アクセスポイント３は、ハンディターミナル４から送信された電波を受信すると、この電波から得られる高周波信号に基づいてデジタルデータを生成し、ＬＡＮ５に送出する。また、ＬＡＮ５を介してハンディターミナル４宛ての送信データを受信すると、当該送信データに基づいて高周波信号を生成し、ハンディターミナル４に向けて電波として発信する。
【００１９】
ハンディターミナル４は、当該店舗に来店した顧客に貸し渡され、顧客の退店時に回収される。顧客は、ハンディターミナル４を用いて自分自身で商品に付されたバーコードを読み取る。
【００２０】
図２は、ハンディターミナル４の外観構成の一例を示す模式図である。ハンディターミナル４は、グリップ１０、操作ボタン１１０〜１１５にて構成される操作部１１、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）を採用した表示ユニット１２を備え、背面には図示しないスキャナ用の読取窓が設けられている。
【００２１】
図３にハンディターミナル４の制御回路を示している。この制御回路は、ハンディターミナル４の主制御部として機能するＣＰＵ２０に対して、ＲＯＭ（Read Only Memory）２１、ＲＡＭ（Random Access Memory）２２、電源ユニット２３、入力コントローラ２４、表示コントローラ２５、無線通信コントローラ２６、スキャナコントローラ２７をアドレスバスやデータバス等のバスライン３０にて接続して構成されている。
【００２２】
そして、電源ユニット２３にバッテリ２３ａを接続し、入力コントローラ２４に操作部１１を接続し、表示コントローラ２５に表示ユニット１２を接続し、無線通信コントローラ２６に無線通信ユニット２６ａを接続し、スキャナコントローラ２７にスキャナ２７ａを接続している。なお、スキャナ２７ａは、本実施形態における読取部として機能する。
【００２３】
ＲＯＭ２１は、不揮発性のメモリであり、ハンディターミナル４の動作に必要な基本的プログラムやＬＡＮ５に接続された各端末に割り当てられた一意の端末ＩＤ等を記憶している。
【００２４】
ＲＡＭ２２は、処理場面に応じて各種の作業用記憶エリアを形成する。例えば、販売データの登録処理が実行されている場合等には、本実施形態における記憶手段として機能する販売データ登録エリア２２ａが形成される。販売データ登録エリア２２ａは、商品情報を登録するための作業用記憶領域であり、たとえば図４に示したようなデータ構造を有している。すなわち、商品コード，商品名，単価などで構成される商品情報に対して当該商品の販売点数を付加してなる販売データの登録エリアが形成されている。図示した例では、ナンバ１のエリアに商品コード“１００１”，商品名“商品Ａ”，単価“２４５”円，点数“３”点の販売データが登録され、ナンバ２のエリアに商品コード“１００２”，商品名“商品Ｂ”，単価“１００”円，点数“５”点の販売データが登録され、商品コード“１００３”，商品名“商品Ｃ”，単価“９９”円，点数“３”点の販売データが登録されている。
【００２５】
電源ユニット２３は、バッテリ２３ａから動作電源を取り込んでハンディターミナル４の各部に供給する。また、図示せぬコネクタに商用交流電源等の外部電源が接続された際には、この外部電源から電源を取り込んでバッテリ２３ａに供給し、バッテリ２３ａを充電する。バッテリ２３ａは、ハンディターミナル４に着脱自在に取り付けられており、容易に筐体から取り外しての交換が可能である。
【００２６】
入力コントローラ２４は、操作部１１を構成する各操作ボタン１１０〜１１５の押下を監視し、押下された操作ボタンに応じた信号をＣＰＵ２０に通知する。操作部１１は、本実施形態における取消宣言手段としても機能する。
【００２７】
表示コントローラ２５は、ＣＰＵ２０から送られてくる画像データをビデオ信号に変換して表示ユニット１２に出力し、各種情報を選択的に表示させる。
【００２８】
無線通信コントローラ２６は、無線通信ユニット２６ａによるアクセスポイント３との無線通信を制御する。無線通信ユニット２６ａは、無線通信コントローラ２６から送られてくるデータを高周波信号に変調する送信部と、この送信部が変調した高周波信号に基づく電波を発するとともに、アクセスポイント３が発する電波に基づく高周波信号を生成するアンテナと、このアンテナが生成した高周波信号をデジタルデータに復調する受信部とを備えている。
【００２９】
スキャナコントローラ２７は、スキャナ２７ａを制御してバーコード（シンボルコード）の読み取りタイミングを制御し、スキャナ２７ａが検出するバーコードデータをＣＰＵ２０に通知する。スキャナ２７ａは、バーコードを光学的に読み取ってアナログ信号を出力するフォトセンサと、このフォトセンサから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器と、このＡ／Ｄ変換器から出力されるデジタル信号をバーコードデータにデコードするデコーダとを備えている。
【００３０】
かかる構成のハンディターミナル４において、ＣＰＵ２０は、各部とともに次の（１）〜（５）の機能を実現する。
【００３１】
（１）販売データの取り消しが宣言されたことに応じて販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付機能。
【００３２】
（２）選択受付機能にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付機能。
【００３３】
（３）数量入力受付機能にて入力を受け付けた数量を、販売データ登録エリア２２ａに登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御機能。
【００３４】
（４）商品を識別する商品コードを検出し、該商品コードに対応する商品情報を特定する商品情報特定機能。
【００３５】
（５）販売データの取り消しが宣言されたことに応じて販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データを表示ユニット１２に一覧表示する表示制御機能。
【００３６】
次に、上記のような構成のハンディターミナル４の動作について説明する。
顧客が来店し、ハンディターミナル４を貸し渡された後、販売データの登録を開始する際には、操作部１１に設けられた登録開始ボタンを押下する。これにトリガされて、ＲＯＭ２１に記憶された販売データ登録用の動作プログラムがＲＡＭ２２にロードされ、販売データ登録処理が開始される。
【００３７】
図５は、販売データ登録処理にてＣＰＵ２０が実行する処理の流れ図である。
先ず、ＣＰＵ２０は、スキャナ２７ａによるバーコードのスキャニングを受け付ける状態にて待機する（ステップＳ１，ステップＳ２）。
【００３８】
顧客の操作によりバーコードがスキャニングされた場合（ステップＳ３のＹｅｓ）、ＣＰＵ２０は、当該バーコードが決済用バーコード７であるか否かを判断する（ステップＳ３）。ＲＯＭ２１には予め決済用バーコード７のバーコードデータが記憶されており、スキャニングしたバーコードが決済用バーコードであるか否かは、ＲＯＭ２１に記憶されたバーコードデータと、スキャニングして検出したバーコードデータとの一致／不一致により判断される。
【００３９】
スキャニングして検出したバーコードデータと決済用バーコード７のバーコードデータとが一致しない場合には、スキャニングされたバーコードは決済用バーコードでないと判断する（ステップＳ３のＮｏ）。このとき、ＣＰＵ２０は、無線通信コントローラ２６を制御して無線通信ユニット２６ａを駆動させ、スキャニングにより検出したバーコードデータと自己の端末ＩＤとをストアサーバ１に送信し（ステップＳ４）、ストアサーバ１からの返信を待つ（ステップＳ５）。
【００４０】
無線通信ユニット２６ａから送信されたバーコードデータと端末ＩＤとを受信したアクセスポイント３は、これらのデータをＬＡＮ５を介してストアサーバ１に送信する。アクセスポイント３からデータを受信したストアサーバ１は、受信データ中のバーコードデータ（すなわち、商品コード）をＰＬＵファイル６から検索し、発見した商品コードに対応付けられた商品情報を受信データ中の端末ＩＤが示すハンディターミナル４に返信する。この返信データをＬＡＮ５を介して受信したアクセスポイント３は、当該データを電波によりハンディターミナル４に送信する。
【００４１】
かくして送信された返信データをハンディターミナル４が受信した場合（ステップＳ５のＹｅｓ）、ＣＰＵ２０は、受信した商品情報と販売点数とを組み合わせて販売データを作成し、ＲＡＭ２２に形成された販売データ登録エリア２２ａに登録する（ステップＳ６）。このとき、顧客が操作部１１を介して販売点数の指定をしている場合には、指定された販売点数と商品情報とを組み合わせた販売データが作成・登録される。なお、販売点数が指定されていない場合には、販売点数を“１”とした販売データが作成・登録される。
【００４２】
販売データを販売データ登録エリア２２ａに登録した後、ＣＰＵ２０は、販売データ登録エリア２２ａに登録されている各販売データの単価および販売点数に基づいて現在登録された商品の合計代金を算出し、算出した合計代金にて表示中の合計代金を更新し、新たに追加された販売データの内容を表示ユニット１２の表示内容に追加する（ステップＳ７）。しかる後、再びバーコードのスキャニングを受け付ける状態に移行して次のスキャニングを待つ（ステップＳ１，ステップＳ２）。
【００４３】
このようにして顧客が店舗内にて商品を選別しつつ買い上げ商品のバーコードをスキャニングしていき、代金を支払うべくＰＯＳ端末２が設置されたレジカウンタに到着した際には、上記決済用バーコード７をスキャニングする。このとき、スキャニングにより検出されたバーコードデータと決済用バーコード７のバーコードデータとが一致する。したがって、ＣＰＵ２０は、スキャニングされたバーコードが決済用バーコード７であると判断し（ステップＳ３のＹｅｓ）、販売データ登録エリア２２ａの登録内容と自己の端末ＩＤとをＰＯＳ端末２に送信し（ステップＳ８）、当該販売データ登録処理を終了する。
【００４４】
ハンディターミナル４から送信されたデータは、アクセスポイント３に中継されＬＡＮ５を介してＰＯＳ端末２に送信される。このデータを受信したＰＯＳ端末２は、本件取引の合計金額を算出して表示ユニットに表示する。顧客が紙幣投入ユニットおよび硬貨投入ユニットを介して代金を支払うと、紙幣排出ユニットおよび硬貨排出ユニットを介して釣銭が排出され、レシートプリンタによりレシートが印字発行されて、会計処理が完了する。
【００４５】
さて、顧客は、上記販売データ登録処理の実行中に操作部１１を操作して販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの取り消しを宣言することができる。当該宣言がなされると、ＲＯＭ２１に記憶された販売データ取消用の動作プログラムがＲＡＭ２２にロードされ、販売データ取消処理が開始される。
【００４６】
図６は、販売データ取消処理にてＣＰＵ２０が実行する処理の流れ図である。
先ず、ＣＰＵ２０は、販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの中から、取り消し対象の商品に関する販売データの選択を受付ける状態にて（ステップＳ２０）、取消実行の指示（ステップＳ２１）、あるいは商品登録再開の指示（ステップＳ２２）を待つ。
【００４７】
このとき、図４に示した販売データ登録エリア２２ａの登録内容に基づいて表示ユニット１２に表示される取消画面１２０の一例を図７に示している。当該画面１２０は、販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データが表示される販売データ表示エリア１２１と、販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの合計点数および合計金額を表示する合計金額等表示エリア１２２と、操作ボタン１１３〜１１５を押下した際の処理内容を知らせるガイダンス表示エリア１２３とを備えている。この例では、販売データ表示エリア１２１に“商品Ａ”（３点，７３５円），“商品Ｂ”（５点，５００円），“商品Ｃ”（３点，２９７円）の販売データが表示され、ガイダンス表示エリア１２３には、操作ボタン１１３の操作によって販売データ登録処理が再開される旨（“商品登録”）、および操作ボタン１１４の操作によって選択された商品の取り消しが実行される旨（“取消”）のガイダンスが表示されている。
【００４８】
販売データ表示エリア１２１に表示された販売データ中の選択部分１２１ａ（図７中では商品Ｂに係る販売データ）の背景は、他の販売データと区別し得るように彩色が変更されている。操作ボタン１１１を操作すると、販売データの選択部分１２１ａが上方向にスクロールされ、操作ボタン１１２を操作すると、販売データの選択部分１２１ａが下方向にスクロールされる。
【００４９】
このように操作ボタン１１１，１１２の操作により取り消し対象となる商品が選択された後、ガイダンス表示エリア１２４にてガイダンスされた取り消し実行用の操作ボタン１１４が操作されると、選択部分１２１ａに係る商品の販売点数が２点以上であるか否かを判断する（ステップＳ２３）。選択部分１２１ａに係る商品の販売点数が２点以上である場合（ステップＳ２３のＹｅｓ）、ＣＰＵ２０は、取り消し点数の選択を受け付ける状態にて待機する（ステップＳ２４，ステップＳ２５）。このとき表示ユニット１２に表示される取消数量選択画面１３０の一例を図８に示している。当該画面１３０は、取り消し数量の選択を促すメッセージを表示するメッセージ表示エリア１３１と、取り消し対象商品の商品名，取り消し数量，取消後点数，取消後金額を表示する取消対象商品表示エリア１３２と、取消計，合計点数，合計金額を表示する合計金額等表示エリア１３３と、操作ボタン１１３〜１１５を押下した際の処理内容を知らせるガイダンス表示エリア１３４とを備えている。この例では、取り消し対象商品として商品Ｂが選択されている。また、ガイダンス表示エリア１３４には、操作ボタン１１３の操作によって販売データ取消処理の中止が実行される旨（“中止”）、操作ボタン１１４の操作によって取消内容が確定される旨（“確定”）のガイダンスが表示されている。
【００５０】
操作ボタン１１１操作すると、取消対象商品表示エリア１３２内の取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値が１点ずつカウントアップし、操作ボタン１１２を操作すると、取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値が１点ずつカウントダウンする。このようにして取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値を変化させると、変化後の数値に応じた取消後点数，取消後金額，取消計，合計点数，合計金額が算出され、取消対象商品表示エリア１３２および合計金額等表示エリア１３３の表示内容が更新される。
【００５１】
かくして取消数量表示エリア１３２ａに数値が入力された後、ガイダンス表示エリア１３４にてガイダンスされた取消確定用の操作ボタン１１４が押下され、取り消しの確定が宣言されると（ステップＳ２５）、ＣＰＵ２０は、取消対象商品表示エリア１３２に表示された内容にて登録商品を取り消す（ステップＳ２６）。具体的には、取消数量表示エリア１３２ａに入力された数値を取り消し数量として受け付け、当該数量を販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの販売点数から減算し、取消数量選択画面１３０を消去して取消画面１２０を表示する。
【００５２】
図４に示した販売データ登録エリア２２ａから、商品Ｂを２点取り消した場合に表示される取消画面１２０の一例を図９に示している。この取消画面１２０では、図７に示した取消画面１２０の販売データ表示エリア１２１に表示された商品Ｂの販売点数が２点減算され、３点になっている。このとき、取り消しに係る販売データが一見して認識できるように、他の販売データと背景色や文字色を色分けして表示する（図９中の斜線部分１２１ｂ）。
【００５３】
このようにして販売データが取り消され取消画面１２０が表示された後、ＣＰＵ２０は、再度商品の選択を受け付ける状態にて（ステップＳ２０）、取消実行の指示あるいは商品登録再開の指示を待つ（ステップＳ２１，ステップＳ２２）。取り消しを所望する商品が存在しないならば、顧客は、商品登録を再開すべく取消画面１２０のガイダンス表示エリア１２３にてガイダンスされた商品登録再開のための操作ボタン１１３を押下する。このときＣＰＵ２０は、商品登録再開が指示されたと判断し（ステップＳ２２のＹｅｓ）、当該販売データ取消処理を終了して販売データ登録用の画面を表示ユニット１２に表示する。
【００５４】
以上説明したように、本実施形態における商品販売システムが備えるハンディターミナル４は、一度買い上げ商品として販売データが登録された商品であっても、再度バーコードをスキャニングするような作業を要せずに、簡便なボタン操作のみで販売データの取り消しが可能である。
【００５５】
また、多数の同一商品を登録した後、それらの販売データを取り消そうとする場合であっても、いちいち全ての商品に付されたバーコードをスキャニングする必要はなく、取消画面１２０を介して販売データを選択し、取消数量選択画面１３０を介して取り消したい数量を入力するだけでよい。
【００５６】
また、取り消し対象となる商品の販売数量が１点のみである場合には、取り消し数量の入力を要求せず（ステップＳ２３のＮｏ）、取り消し数量の選択の余地がある場合にのみ数量の入力を要求するので便宜である。
【００５７】
このような動作によって販売データの取り消しに係る操作性が大幅に向上するとともに、操作ミスを低減できる。さらに、顧客は快適に買い物ができるので、店舗の印象を向上させる効果が期待できる。
【００５８】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲内にて各構成要素を適宜変形して具体化することができる。
【００５９】
例えば、上記実施形態においては、スキャナにて商品に付されたバーコードをスキャニングして商品コードを検出するとしたが、バーコードに代えて２次元コード等他種のシンボルコードを用いてもよい。
【００６０】
また、ＰＬＵファイル６をハンディターミナル４が備えるＲＡＭ２２やハードディスクドライブ等の記憶手段に記憶し、ストアサーバ１にアクセスせずに前記記憶手段に記憶されたＰＬＵファイル６から商品情報を特定するようにしてもよい。
【００６１】
また、取り消し数量の入力態様は、必ずしも操作ボタン１１１，１１３を用いて取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値のカウントアップ，カウントダウンに限られず、操作部１１にテンキーを設けて所望の数値を直接入力するようにしてもよい。その他、表示ユニット１２にタッチパネルを設けて表示画面上に操作ボタンを表示し、そのタッチ操作により数値を入力可能にしてもよい。
【００６２】
また、決済用バーコード７を読み取ったことに応じてＰＯＳ端末２へ販売データを送信するとしたが、他のタイミングにて送信するようにしてもよい。例えば、操作部１１に販売データ送信用のボタンを設け、当該ボタンが操作された際に販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データをＰＯＳ端末２に送信するようにする。
【００６３】
また、ハンディターミナル４は、スキャナ２７ａにて商品に付されたシンボルコードを読み取って商品コードを検出し、当該商品コードに基づいて商品情報を特定するとしたが、他の方法にて商品情報を特定するようにしてもよい。例えば、商品に商品コードまたは商品情報を記憶したＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）タグを取り付け、ハンディターミナル４にこのＲＦＩＤタグと無線通信可能な通信ユニットを設け、当該通信ユニットを介して前記ＲＦＩＤタグと無線通信することで商品コードまたは商品情報を特定するようにしてもよい。その他、ＣＣＤカメラをハンディターミナル４に設け、当該ＣＣＤカメラにて商品を撮像し画像解析にて商品コードを認識するようにしてもよい。
【００６４】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全体構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合せてもよい。
【符号の説明】
【００６５】
１…ストアサーバ、２…ＰＯＳ端末、３…アクセスポイント、４…ハンディターミナル、５…ＬＡＮ、６…ＰＬＵファイル、１１…操作部、１２…表示ユニット、２０…ＣＰＵ、２１…ＲＯＭ、２２…ＲＡＭ、２２ａ…販売データ登録エリア、２６ａ…無線通信ユニット、２７ａ…スキャナ
【先行技術文献】
【特許文献】
【００６６】
【特許文献１】特開平５−３２５０４２号公報
【技術分野】
【０００１】
本発明は、商品販売店舗にて顧客自身が商品コードを入力し、チェックアウト業務を進行する商品販売システム、このシステムにて使用されるハンディターミナルおよびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の商品販売店舗におけるチェックアウト業務には、商品に付されたバーコードを読み取るバーコードスキャナを備えたＰＯＳ（Point Of Sales）端末等の商品販売データ処理装置が使用されている。
【０００３】
この種の装置は店員に操作され、上記バーコードスキャナにて商品に付されたバーコードを読み取って商品コードを入力し、この商品コードに基づいてストアサーバ等のデータベースから商品名や単価等で構成される商品情報を取得し、この商品情報に買い上げ点数等を付加してなる販売データをメモリに形成された所定の記憶エリアに登録していく。そして、一商取引にて登録された販売データに基づいて代金の算出やレシートの発行を行い、チェックアウト業務を完結する。
【０００４】
上記商品販売データ処理装置は、顧客がレジに運んだ商品の購入を思い止まり、購入の取り消しを申し出る事態を想定して、一度登録した商品の販売データを取り消すための機能を備えていることが通常である。（例えば、特許文献１を参照）
ところで近年では、チェックアウト業務に充てる人員を削減して業務の効率化を図るべく、顧客自身がバーコードの読み取り等を行うＰＳＳ（Personal Self Shopping）方式を採用した商品販売システムが普及しつつある。この種のシステムでは、来店した顧客に対してバーコードのスキャニング機能を備えたハンディターミナルが貸し渡され、このハンディターミナルを用いて顧客自身が買い物籠に商品を投入する際に該商品に付されたバーコードをスキャニングして商品コードを入力する。このとき、ハンディターミナルは無線通信にてストアサーバにアクセスし、データベースから商品コードに対応付けられた商品情報を取得し、この商品情報に基づいて販売データを生成してメモリ内の記憶エリアに登録していく。
【０００５】
かくして一連の商品を登録し終えたならば、ハンディターミナルに記憶された販売データをＰＯＳ端末に送信し、顧客自身あるいは店員の主導の下でチェックアウト業務を完結させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記システムにて使用される既存のハンディターミナルも、商品販売データ処理装置と同様に販売データを取り消すための機能を備えている。既存のハンディターミナルでは、操作部を操作して販売データの取り消しを宣言した後、再度商品に付されたバーコードをスキャニングして商品コードを入力すると、この商品コードに基づく販売データが記憶エリアから消去されるようになっている。
【０００７】
しかしながら、取り消し数量を指定する機能は備えておらず、多数の同一商品が登録されている場合であっても、いちいち全ての商品に付されたバーコードをスキャニングして各商品の販売データを取り消さなければならないのが現状であり、取り消しに係る手数が大変である。
【０００８】
また、いちいち買い物籠から商品を取り出してバーコードの印刷位置を特定し、スキャニングするのは顧客にとって手間であり、多数の商品に関して販売データを取り消す場合には多大な時間を要してしまう。
【０００９】
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、ＰＳＳ方式を採用した商品販売システムにおいて、一度登録された販売データを容易に取り消すことを可能とし、当該システムで用いられるハンディターミナルの操作性向上および操作ミス抑制を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明の第１の視点は、商品を識別する商品識別子に商品情報を対応付けてなるデータベースを有するサーバ装置、商品に付されたシンボルコードを読み取って前記商品識別子を検出する読取手段を備え、検出した商品識別子を前記サーバ装置に送信し前記サーバ装置から返信される商品情報に販売数量を付加してなる販売データを記憶手段に登録するハンディ端末、このハンディ端末の記憶手段に登録された販売データに基づいて取引の会計を処理する商品販売データ処理装置を有線又は無線にて通信接続してなる商品販売システムにおいて、前記ハンディ端末は、前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段とを備えていることを特徴とする商品販売システムである。
【００１１】
また、本発明の第２の視点は、商品を識別する商品識別子を検出し、該商品識別子に対応する商品情報を特定する商品情報特定手段と、この商品情報特定手段にて特定した商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを登録する記憶手段と、この記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段とを備えていることを特徴とするハンディ端末である。
【００１２】
また、本発明の第３の視点は、商品を識別する商品識別子を読み取る読取部を備えたハンディ端末の制御プログラムであって、前記ハンディ端末に、前記読取部にて読み取った商品識別子に基づいて当該商品の商品情報を特定する商品情報特定機能と、この商品情報特定機能により特定された商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを所定の記憶手段に登録する登録機能と、前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言機能と、この取消宣言機能により取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付機能と、この選択受付機能にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付機能と、この数量入力受付機能にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御機能とを実現させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【００１３】
かかる手段を講じた本発明によれば、ＰＳＳ方式を採用した商品販売システムにおいて、一度登録された販売データを容易に取り消すことを可能とし、当該システムで用いられるハンディターミナルの操作性向上および操作ミス抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の一実施形態における商品販売システムの構成図。
【図２】同実施形態におけるハンディターミナルの外観構成を示す模式図。
【図３】同実施形態におけるハンディターミナルの制御回路のブロック図。
【図４】同実施形態における販売データ登録エリアのデータ構造を示す模式図。
【図５】同実施形態における販売データ登録処理にてＣＰＵが実行する処理の流れ図。
【図６】同実施形態における販売データ取消処理にてＣＰＵが実行する処理の流れ図。
【図７】同実施形態における取消画面の一例を示す模式図。
【図８】同実施形態における取消数量選択画面の一例を示す模式図。
【図９】同実施形態における商品取消後の取消画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【００１６】
図１は、本実施形態における商品販売システムの構成図である。
当該商品販売システムは、ストアサーバ１と、ＰＯＳ端末２と、アクセスポイント３と、複数のハンディターミナル４とを備えている。ストアサーバ１、ＰＯＳ端末２およびアクセスポイント３は、ＬＡＮ（Local Area Network）５にて相互通信可能に接続されている。
【００１７】
ストアサーバ１は、本実施形態におけるサーバ装置として機能するものであり、当該商品販売システムが稼動する店舗における売上データや、ＰＬＵ（Price Look Up）ファイル６等を記憶管理する。上記ＰＬＵファイル６には、商品毎に一意に割り当てられた商品コード（商品識別子）に対して、商品名や単価等で構成される商品情報が記憶されている。
ＰＯＳ端末２は、本実施形態における商品販売データ処理装置として機能するものであり、後述の処理にて使用する決済用バーコード７が貼付されたレジカウンタに載置されている。その本体には、各種操作キーを配設してなるキーボード、各種情報を店員又は顧客に対して表示する表示ユニット、レシートを発行するレシートプリンタ、代金・釣銭の授受に使用される硬貨投入ユニット，紙幣投入ユニット，硬貨排出ユニット，紙幣排出ユニット等を備えている。当該ＰＯＳ端末２が設置されたレジカウンタには店員が配置されていない。すなわち、ＰＯＳ端末２は、顧客自身が操作して代金の支払い等の会計処理を行うセルフチェックアウト式のＰＯＳ端末である。
【００１８】
アクセスポイント３は、ハンディターミナル４から送信された電波を受信すると、この電波から得られる高周波信号に基づいてデジタルデータを生成し、ＬＡＮ５に送出する。また、ＬＡＮ５を介してハンディターミナル４宛ての送信データを受信すると、当該送信データに基づいて高周波信号を生成し、ハンディターミナル４に向けて電波として発信する。
【００１９】
ハンディターミナル４は、当該店舗に来店した顧客に貸し渡され、顧客の退店時に回収される。顧客は、ハンディターミナル４を用いて自分自身で商品に付されたバーコードを読み取る。
【００２０】
図２は、ハンディターミナル４の外観構成の一例を示す模式図である。ハンディターミナル４は、グリップ１０、操作ボタン１１０〜１１５にて構成される操作部１１、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）を採用した表示ユニット１２を備え、背面には図示しないスキャナ用の読取窓が設けられている。
【００２１】
図３にハンディターミナル４の制御回路を示している。この制御回路は、ハンディターミナル４の主制御部として機能するＣＰＵ２０に対して、ＲＯＭ（Read Only Memory）２１、ＲＡＭ（Random Access Memory）２２、電源ユニット２３、入力コントローラ２４、表示コントローラ２５、無線通信コントローラ２６、スキャナコントローラ２７をアドレスバスやデータバス等のバスライン３０にて接続して構成されている。
【００２２】
そして、電源ユニット２３にバッテリ２３ａを接続し、入力コントローラ２４に操作部１１を接続し、表示コントローラ２５に表示ユニット１２を接続し、無線通信コントローラ２６に無線通信ユニット２６ａを接続し、スキャナコントローラ２７にスキャナ２７ａを接続している。なお、スキャナ２７ａは、本実施形態における読取部として機能する。
【００２３】
ＲＯＭ２１は、不揮発性のメモリであり、ハンディターミナル４の動作に必要な基本的プログラムやＬＡＮ５に接続された各端末に割り当てられた一意の端末ＩＤ等を記憶している。
【００２４】
ＲＡＭ２２は、処理場面に応じて各種の作業用記憶エリアを形成する。例えば、販売データの登録処理が実行されている場合等には、本実施形態における記憶手段として機能する販売データ登録エリア２２ａが形成される。販売データ登録エリア２２ａは、商品情報を登録するための作業用記憶領域であり、たとえば図４に示したようなデータ構造を有している。すなわち、商品コード，商品名，単価などで構成される商品情報に対して当該商品の販売点数を付加してなる販売データの登録エリアが形成されている。図示した例では、ナンバ１のエリアに商品コード“１００１”，商品名“商品Ａ”，単価“２４５”円，点数“３”点の販売データが登録され、ナンバ２のエリアに商品コード“１００２”，商品名“商品Ｂ”，単価“１００”円，点数“５”点の販売データが登録され、商品コード“１００３”，商品名“商品Ｃ”，単価“９９”円，点数“３”点の販売データが登録されている。
【００２５】
電源ユニット２３は、バッテリ２３ａから動作電源を取り込んでハンディターミナル４の各部に供給する。また、図示せぬコネクタに商用交流電源等の外部電源が接続された際には、この外部電源から電源を取り込んでバッテリ２３ａに供給し、バッテリ２３ａを充電する。バッテリ２３ａは、ハンディターミナル４に着脱自在に取り付けられており、容易に筐体から取り外しての交換が可能である。
【００２６】
入力コントローラ２４は、操作部１１を構成する各操作ボタン１１０〜１１５の押下を監視し、押下された操作ボタンに応じた信号をＣＰＵ２０に通知する。操作部１１は、本実施形態における取消宣言手段としても機能する。
【００２７】
表示コントローラ２５は、ＣＰＵ２０から送られてくる画像データをビデオ信号に変換して表示ユニット１２に出力し、各種情報を選択的に表示させる。
【００２８】
無線通信コントローラ２６は、無線通信ユニット２６ａによるアクセスポイント３との無線通信を制御する。無線通信ユニット２６ａは、無線通信コントローラ２６から送られてくるデータを高周波信号に変調する送信部と、この送信部が変調した高周波信号に基づく電波を発するとともに、アクセスポイント３が発する電波に基づく高周波信号を生成するアンテナと、このアンテナが生成した高周波信号をデジタルデータに復調する受信部とを備えている。
【００２９】
スキャナコントローラ２７は、スキャナ２７ａを制御してバーコード（シンボルコード）の読み取りタイミングを制御し、スキャナ２７ａが検出するバーコードデータをＣＰＵ２０に通知する。スキャナ２７ａは、バーコードを光学的に読み取ってアナログ信号を出力するフォトセンサと、このフォトセンサから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器と、このＡ／Ｄ変換器から出力されるデジタル信号をバーコードデータにデコードするデコーダとを備えている。
【００３０】
かかる構成のハンディターミナル４において、ＣＰＵ２０は、各部とともに次の（１）〜（５）の機能を実現する。
【００３１】
（１）販売データの取り消しが宣言されたことに応じて販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付機能。
【００３２】
（２）選択受付機能にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付機能。
【００３３】
（３）数量入力受付機能にて入力を受け付けた数量を、販売データ登録エリア２２ａに登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御機能。
【００３４】
（４）商品を識別する商品コードを検出し、該商品コードに対応する商品情報を特定する商品情報特定機能。
【００３５】
（５）販売データの取り消しが宣言されたことに応じて販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データを表示ユニット１２に一覧表示する表示制御機能。
【００３６】
次に、上記のような構成のハンディターミナル４の動作について説明する。
顧客が来店し、ハンディターミナル４を貸し渡された後、販売データの登録を開始する際には、操作部１１に設けられた登録開始ボタンを押下する。これにトリガされて、ＲＯＭ２１に記憶された販売データ登録用の動作プログラムがＲＡＭ２２にロードされ、販売データ登録処理が開始される。
【００３７】
図５は、販売データ登録処理にてＣＰＵ２０が実行する処理の流れ図である。
先ず、ＣＰＵ２０は、スキャナ２７ａによるバーコードのスキャニングを受け付ける状態にて待機する（ステップＳ１，ステップＳ２）。
【００３８】
顧客の操作によりバーコードがスキャニングされた場合（ステップＳ３のＹｅｓ）、ＣＰＵ２０は、当該バーコードが決済用バーコード７であるか否かを判断する（ステップＳ３）。ＲＯＭ２１には予め決済用バーコード７のバーコードデータが記憶されており、スキャニングしたバーコードが決済用バーコードであるか否かは、ＲＯＭ２１に記憶されたバーコードデータと、スキャニングして検出したバーコードデータとの一致／不一致により判断される。
【００３９】
スキャニングして検出したバーコードデータと決済用バーコード７のバーコードデータとが一致しない場合には、スキャニングされたバーコードは決済用バーコードでないと判断する（ステップＳ３のＮｏ）。このとき、ＣＰＵ２０は、無線通信コントローラ２６を制御して無線通信ユニット２６ａを駆動させ、スキャニングにより検出したバーコードデータと自己の端末ＩＤとをストアサーバ１に送信し（ステップＳ４）、ストアサーバ１からの返信を待つ（ステップＳ５）。
【００４０】
無線通信ユニット２６ａから送信されたバーコードデータと端末ＩＤとを受信したアクセスポイント３は、これらのデータをＬＡＮ５を介してストアサーバ１に送信する。アクセスポイント３からデータを受信したストアサーバ１は、受信データ中のバーコードデータ（すなわち、商品コード）をＰＬＵファイル６から検索し、発見した商品コードに対応付けられた商品情報を受信データ中の端末ＩＤが示すハンディターミナル４に返信する。この返信データをＬＡＮ５を介して受信したアクセスポイント３は、当該データを電波によりハンディターミナル４に送信する。
【００４１】
かくして送信された返信データをハンディターミナル４が受信した場合（ステップＳ５のＹｅｓ）、ＣＰＵ２０は、受信した商品情報と販売点数とを組み合わせて販売データを作成し、ＲＡＭ２２に形成された販売データ登録エリア２２ａに登録する（ステップＳ６）。このとき、顧客が操作部１１を介して販売点数の指定をしている場合には、指定された販売点数と商品情報とを組み合わせた販売データが作成・登録される。なお、販売点数が指定されていない場合には、販売点数を“１”とした販売データが作成・登録される。
【００４２】
販売データを販売データ登録エリア２２ａに登録した後、ＣＰＵ２０は、販売データ登録エリア２２ａに登録されている各販売データの単価および販売点数に基づいて現在登録された商品の合計代金を算出し、算出した合計代金にて表示中の合計代金を更新し、新たに追加された販売データの内容を表示ユニット１２の表示内容に追加する（ステップＳ７）。しかる後、再びバーコードのスキャニングを受け付ける状態に移行して次のスキャニングを待つ（ステップＳ１，ステップＳ２）。
【００４３】
このようにして顧客が店舗内にて商品を選別しつつ買い上げ商品のバーコードをスキャニングしていき、代金を支払うべくＰＯＳ端末２が設置されたレジカウンタに到着した際には、上記決済用バーコード７をスキャニングする。このとき、スキャニングにより検出されたバーコードデータと決済用バーコード７のバーコードデータとが一致する。したがって、ＣＰＵ２０は、スキャニングされたバーコードが決済用バーコード７であると判断し（ステップＳ３のＹｅｓ）、販売データ登録エリア２２ａの登録内容と自己の端末ＩＤとをＰＯＳ端末２に送信し（ステップＳ８）、当該販売データ登録処理を終了する。
【００４４】
ハンディターミナル４から送信されたデータは、アクセスポイント３に中継されＬＡＮ５を介してＰＯＳ端末２に送信される。このデータを受信したＰＯＳ端末２は、本件取引の合計金額を算出して表示ユニットに表示する。顧客が紙幣投入ユニットおよび硬貨投入ユニットを介して代金を支払うと、紙幣排出ユニットおよび硬貨排出ユニットを介して釣銭が排出され、レシートプリンタによりレシートが印字発行されて、会計処理が完了する。
【００４５】
さて、顧客は、上記販売データ登録処理の実行中に操作部１１を操作して販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの取り消しを宣言することができる。当該宣言がなされると、ＲＯＭ２１に記憶された販売データ取消用の動作プログラムがＲＡＭ２２にロードされ、販売データ取消処理が開始される。
【００４６】
図６は、販売データ取消処理にてＣＰＵ２０が実行する処理の流れ図である。
先ず、ＣＰＵ２０は、販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの中から、取り消し対象の商品に関する販売データの選択を受付ける状態にて（ステップＳ２０）、取消実行の指示（ステップＳ２１）、あるいは商品登録再開の指示（ステップＳ２２）を待つ。
【００４７】
このとき、図４に示した販売データ登録エリア２２ａの登録内容に基づいて表示ユニット１２に表示される取消画面１２０の一例を図７に示している。当該画面１２０は、販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データが表示される販売データ表示エリア１２１と、販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの合計点数および合計金額を表示する合計金額等表示エリア１２２と、操作ボタン１１３〜１１５を押下した際の処理内容を知らせるガイダンス表示エリア１２３とを備えている。この例では、販売データ表示エリア１２１に“商品Ａ”（３点，７３５円），“商品Ｂ”（５点，５００円），“商品Ｃ”（３点，２９７円）の販売データが表示され、ガイダンス表示エリア１２３には、操作ボタン１１３の操作によって販売データ登録処理が再開される旨（“商品登録”）、および操作ボタン１１４の操作によって選択された商品の取り消しが実行される旨（“取消”）のガイダンスが表示されている。
【００４８】
販売データ表示エリア１２１に表示された販売データ中の選択部分１２１ａ（図７中では商品Ｂに係る販売データ）の背景は、他の販売データと区別し得るように彩色が変更されている。操作ボタン１１１を操作すると、販売データの選択部分１２１ａが上方向にスクロールされ、操作ボタン１１２を操作すると、販売データの選択部分１２１ａが下方向にスクロールされる。
【００４９】
このように操作ボタン１１１，１１２の操作により取り消し対象となる商品が選択された後、ガイダンス表示エリア１２４にてガイダンスされた取り消し実行用の操作ボタン１１４が操作されると、選択部分１２１ａに係る商品の販売点数が２点以上であるか否かを判断する（ステップＳ２３）。選択部分１２１ａに係る商品の販売点数が２点以上である場合（ステップＳ２３のＹｅｓ）、ＣＰＵ２０は、取り消し点数の選択を受け付ける状態にて待機する（ステップＳ２４，ステップＳ２５）。このとき表示ユニット１２に表示される取消数量選択画面１３０の一例を図８に示している。当該画面１３０は、取り消し数量の選択を促すメッセージを表示するメッセージ表示エリア１３１と、取り消し対象商品の商品名，取り消し数量，取消後点数，取消後金額を表示する取消対象商品表示エリア１３２と、取消計，合計点数，合計金額を表示する合計金額等表示エリア１３３と、操作ボタン１１３〜１１５を押下した際の処理内容を知らせるガイダンス表示エリア１３４とを備えている。この例では、取り消し対象商品として商品Ｂが選択されている。また、ガイダンス表示エリア１３４には、操作ボタン１１３の操作によって販売データ取消処理の中止が実行される旨（“中止”）、操作ボタン１１４の操作によって取消内容が確定される旨（“確定”）のガイダンスが表示されている。
【００５０】
操作ボタン１１１操作すると、取消対象商品表示エリア１３２内の取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値が１点ずつカウントアップし、操作ボタン１１２を操作すると、取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値が１点ずつカウントダウンする。このようにして取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値を変化させると、変化後の数値に応じた取消後点数，取消後金額，取消計，合計点数，合計金額が算出され、取消対象商品表示エリア１３２および合計金額等表示エリア１３３の表示内容が更新される。
【００５１】
かくして取消数量表示エリア１３２ａに数値が入力された後、ガイダンス表示エリア１３４にてガイダンスされた取消確定用の操作ボタン１１４が押下され、取り消しの確定が宣言されると（ステップＳ２５）、ＣＰＵ２０は、取消対象商品表示エリア１３２に表示された内容にて登録商品を取り消す（ステップＳ２６）。具体的には、取消数量表示エリア１３２ａに入力された数値を取り消し数量として受け付け、当該数量を販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データの販売点数から減算し、取消数量選択画面１３０を消去して取消画面１２０を表示する。
【００５２】
図４に示した販売データ登録エリア２２ａから、商品Ｂを２点取り消した場合に表示される取消画面１２０の一例を図９に示している。この取消画面１２０では、図７に示した取消画面１２０の販売データ表示エリア１２１に表示された商品Ｂの販売点数が２点減算され、３点になっている。このとき、取り消しに係る販売データが一見して認識できるように、他の販売データと背景色や文字色を色分けして表示する（図９中の斜線部分１２１ｂ）。
【００５３】
このようにして販売データが取り消され取消画面１２０が表示された後、ＣＰＵ２０は、再度商品の選択を受け付ける状態にて（ステップＳ２０）、取消実行の指示あるいは商品登録再開の指示を待つ（ステップＳ２１，ステップＳ２２）。取り消しを所望する商品が存在しないならば、顧客は、商品登録を再開すべく取消画面１２０のガイダンス表示エリア１２３にてガイダンスされた商品登録再開のための操作ボタン１１３を押下する。このときＣＰＵ２０は、商品登録再開が指示されたと判断し（ステップＳ２２のＹｅｓ）、当該販売データ取消処理を終了して販売データ登録用の画面を表示ユニット１２に表示する。
【００５４】
以上説明したように、本実施形態における商品販売システムが備えるハンディターミナル４は、一度買い上げ商品として販売データが登録された商品であっても、再度バーコードをスキャニングするような作業を要せずに、簡便なボタン操作のみで販売データの取り消しが可能である。
【００５５】
また、多数の同一商品を登録した後、それらの販売データを取り消そうとする場合であっても、いちいち全ての商品に付されたバーコードをスキャニングする必要はなく、取消画面１２０を介して販売データを選択し、取消数量選択画面１３０を介して取り消したい数量を入力するだけでよい。
【００５６】
また、取り消し対象となる商品の販売数量が１点のみである場合には、取り消し数量の入力を要求せず（ステップＳ２３のＮｏ）、取り消し数量の選択の余地がある場合にのみ数量の入力を要求するので便宜である。
【００５７】
このような動作によって販売データの取り消しに係る操作性が大幅に向上するとともに、操作ミスを低減できる。さらに、顧客は快適に買い物ができるので、店舗の印象を向上させる効果が期待できる。
【００５８】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲内にて各構成要素を適宜変形して具体化することができる。
【００５９】
例えば、上記実施形態においては、スキャナにて商品に付されたバーコードをスキャニングして商品コードを検出するとしたが、バーコードに代えて２次元コード等他種のシンボルコードを用いてもよい。
【００６０】
また、ＰＬＵファイル６をハンディターミナル４が備えるＲＡＭ２２やハードディスクドライブ等の記憶手段に記憶し、ストアサーバ１にアクセスせずに前記記憶手段に記憶されたＰＬＵファイル６から商品情報を特定するようにしてもよい。
【００６１】
また、取り消し数量の入力態様は、必ずしも操作ボタン１１１，１１３を用いて取消数量表示エリア１３２ａに表示された数値のカウントアップ，カウントダウンに限られず、操作部１１にテンキーを設けて所望の数値を直接入力するようにしてもよい。その他、表示ユニット１２にタッチパネルを設けて表示画面上に操作ボタンを表示し、そのタッチ操作により数値を入力可能にしてもよい。
【００６２】
また、決済用バーコード７を読み取ったことに応じてＰＯＳ端末２へ販売データを送信するとしたが、他のタイミングにて送信するようにしてもよい。例えば、操作部１１に販売データ送信用のボタンを設け、当該ボタンが操作された際に販売データ登録エリア２２ａに登録された販売データをＰＯＳ端末２に送信するようにする。
【００６３】
また、ハンディターミナル４は、スキャナ２７ａにて商品に付されたシンボルコードを読み取って商品コードを検出し、当該商品コードに基づいて商品情報を特定するとしたが、他の方法にて商品情報を特定するようにしてもよい。例えば、商品に商品コードまたは商品情報を記憶したＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）タグを取り付け、ハンディターミナル４にこのＲＦＩＤタグと無線通信可能な通信ユニットを設け、当該通信ユニットを介して前記ＲＦＩＤタグと無線通信することで商品コードまたは商品情報を特定するようにしてもよい。その他、ＣＣＤカメラをハンディターミナル４に設け、当該ＣＣＤカメラにて商品を撮像し画像解析にて商品コードを認識するようにしてもよい。
【００６４】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全体構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合せてもよい。
【符号の説明】
【００６５】
１…ストアサーバ、２…ＰＯＳ端末、３…アクセスポイント、４…ハンディターミナル、５…ＬＡＮ、６…ＰＬＵファイル、１１…操作部、１２…表示ユニット、２０…ＣＰＵ、２１…ＲＯＭ、２２…ＲＡＭ、２２ａ…販売データ登録エリア、２６ａ…無線通信ユニット、２７ａ…スキャナ
【先行技術文献】
【特許文献】
【００６６】
【特許文献１】特開平５−３２５０４２号公報
【特許請求の範囲】
【請求項１】
商品を識別する商品識別子に商品情報を対応付けてなるデータベースを有するサーバ装置、商品に付されたシンボルコードを読み取って前記商品識別子を検出する読取手段を備え、検出した商品識別子を前記サーバ装置に送信し前記サーバ装置から返信される商品情報に販売数量を付加してなる販売データを記憶手段に登録するハンディ端末、このハンディ端末の記憶手段に登録された販売データに基づいて取引の会計を処理する商品販売データ処理装置を有線又は無線にて通信接続してなる商品販売システムにおいて、
前記ハンディ端末は、
前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、
この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、
この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、
この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段と、
を備えていることを特徴とする商品販売システム。
【請求項２】
商品を識別する商品識別子を検出し、該商品識別子に対応する商品情報を特定する商品情報特定手段と、
この商品情報特定手段にて特定した商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを登録する記憶手段と、
この記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、
この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、
この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、
この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段と、
を備えていることを特徴とするハンディ端末。
【請求項３】
表示ユニットと、
前記取消宣言手段により販売データの取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データを前記表示ユニットに一覧表示する表示制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項２に記載のハンディ端末。
【請求項４】
操作部をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択受付手段により選択された取り消し対象商品の取り消し数量の入力欄を前記表示ユニットに表示させ、
前記数量入力受付手段は、前記操作部を介しての指示に応じて前記入力欄に数値を入力し、前記操作部を介して取り消し確定が宣言されたことに応じて前記入力欄に入力された数値を取り消し数量として受け付けることを特徴とする請求項３に記載のハンディ端末。
【請求項５】
前記表示制御手段は、前記取消制御手段により取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から取り消し数量が控除された後、当該取り消し対象商品の販売データを他の商品の販売データと区別可能に表示することを特徴とする請求項３又は４に記載のハンディ端末。
【請求項６】
商品を識別する商品識別子を読み取る読取部を備えたハンディ端末の制御プログラムであって、
前記ハンディ端末に、
前記読取部にて読み取られた商品識別子に基づいて当該商品の商品情報を特定する商品情報特定機能と、
この商品情報特定機能により特定された商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを所定の記憶手段に登録する登録機能と、
前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言機能と、
この取消宣言機能により取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付機能と、
この選択受付機能にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付機能と、
この数量入力受付機能にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御機能と、
を実現させるための制御プログラム。
【請求項１】
商品を識別する商品識別子に商品情報を対応付けてなるデータベースを有するサーバ装置、商品に付されたシンボルコードを読み取って前記商品識別子を検出する読取手段を備え、検出した商品識別子を前記サーバ装置に送信し前記サーバ装置から返信される商品情報に販売数量を付加してなる販売データを記憶手段に登録するハンディ端末、このハンディ端末の記憶手段に登録された販売データに基づいて取引の会計を処理する商品販売データ処理装置を有線又は無線にて通信接続してなる商品販売システムにおいて、
前記ハンディ端末は、
前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、
この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、
この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、
この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段と、
を備えていることを特徴とする商品販売システム。
【請求項２】
商品を識別する商品識別子を検出し、該商品識別子に対応する商品情報を特定する商品情報特定手段と、
この商品情報特定手段にて特定した商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを登録する記憶手段と、
この記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言手段と、
この取消宣言手段にて取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付手段と、
この選択受付手段にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付手段と、
この数量入力受付手段にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御手段と、
を備えていることを特徴とするハンディ端末。
【請求項３】
表示ユニットと、
前記取消宣言手段により販売データの取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データを前記表示ユニットに一覧表示する表示制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項２に記載のハンディ端末。
【請求項４】
操作部をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択受付手段により選択された取り消し対象商品の取り消し数量の入力欄を前記表示ユニットに表示させ、
前記数量入力受付手段は、前記操作部を介しての指示に応じて前記入力欄に数値を入力し、前記操作部を介して取り消し確定が宣言されたことに応じて前記入力欄に入力された数値を取り消し数量として受け付けることを特徴とする請求項３に記載のハンディ端末。
【請求項５】
前記表示制御手段は、前記取消制御手段により取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から取り消し数量が控除された後、当該取り消し対象商品の販売データを他の商品の販売データと区別可能に表示することを特徴とする請求項３又は４に記載のハンディ端末。
【請求項６】
商品を識別する商品識別子を読み取る読取部を備えたハンディ端末の制御プログラムであって、
前記ハンディ端末に、
前記読取部にて読み取られた商品識別子に基づいて当該商品の商品情報を特定する商品情報特定機能と、
この商品情報特定機能により特定された商品情報に当該商品の販売数量を付加してなる販売データを所定の記憶手段に登録する登録機能と、
前記記憶手段に登録された販売データの取り消しを宣言する取消宣言機能と、
この取消宣言機能により取り消しが宣言されたことに応じて前記記憶手段に登録された販売データの中から取り消し対象商品の選択を受け付ける選択受付機能と、
この選択受付機能にて選択を受け付けた商品の取り消し数量の入力を受け付ける数量入力受付機能と、
この数量入力受付機能にて入力を受け付けた数量を、前記記憶手段に登録された取り消し対象商品の販売データに付加された販売数量から控除する取消制御機能と、
を実現させるための制御プログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１１−１８２２４（Ｐ２０１１−１８２２４Ａ）
【公開日】平成２３年１月２７日（２０１１．１．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１６２９５０（Ｐ２００９−１６２９５０）
【出願日】平成２１年７月９日（２００９．７．９）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１月２７日（２０１１．１．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年７月９日（２００９．７．９）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
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