説明

商品販売データ処理装置およびそのプログラム

【課題】レジ袋を辞退した客に対し購入商品を収納するレジ袋サイズとその枚数に応じて特典を付与することが可能となる。
【解決手段】スキャナにより入力された商品コードに対し商品データに基づいて取引バッファに商品体積等の商品販売データを記憶する。レジ袋の提供を辞退するレジ袋キーによるレジ袋辞退宣言を受け付けると、取引バッファに記憶されている商品体積合計Vに基づいて前記レジ袋マスターファイルからレジ袋サイズとその必要枚数を算出する。そして、レジ袋サイズとその必要枚数からポイントを算出しレシートにプリンタにより印字出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、POS(Point Of Sales:販売時点データ管理)端末等の商品販売データ処理装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、環境保護に対してさまざまに取り組みがなされている。特に、ごみの処理の問題からスーパーマーケット等では商品購入により提供されるレジ袋の使用を低減させる取り組みがなされている。
【0003】
たとえば、スーパーマーケットで商品購入した買物客自身がマイバッグを持参し、決済時に店舗が用意したレジ袋を辞退した場合には、一定のポイントの付与や割引額等の特典が付与する店舗がある。
【0004】
このような店舗では、たとえば、レシートや客の所有する会員カード等に、POS端末等の商品販売データ処理装置により特典を付与することが可能なポイント処理方式が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−67274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のポイント処理方式では、買物客がマイバッグを持参した場合に、一定のポイントのみを買物客に付与する方式である。すなわち、買物客が購入した商品に対応したレジ袋の使用量に対応した特典が付与されるわけではない。
【0007】
このため、一定のポイントしか付与されないことによる不公平感から買物客は、レジ袋の使用の低減の取り組みに対して積極的に参加することなく、なかなかマイバッグの利用については浸透しないという課題があった。
【0008】
また、購入した商品に対応したレジ袋の選択をキャッシャが行うと、キャッシャの個々の感覚によるレジ袋の枚数や大きさに差が出る。これにより、キャッシャがレジ袋を選択するときに、キャッシャの感覚の違いによりポイントのバラッキが生じるために、買物客が不平感を感じることでクレームの原因となることやキャッシャの決済処理能力の低下等の要因となってしまう課題があった。
【0009】
本発明の実施形態は、レジ袋の提供を辞退した買物客に対して、購入した商品を収納するレジ袋に相当する特典を付与することが可能とする商品販売データ処理装置およびそのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置は、商品コードを入力する入力手段と、この入力手段により入力された前記商品コードに対する商品販売データの1商取引の決済締めを宣言する締め手段と、この締め手段により決済締めが宣言されると前記商品販売データに基づいて決済データ処理を行う商品販売データ処理装置において、レジ袋区分別に収納容量と特典情報を記憶するレジ袋情報記憶部と、前記商品コード毎に商品体積などの商品データを記憶する商品データ記憶部と、レジ袋の提供を辞退することを宣言するレジ袋辞退宣言手段と、前記入力手段により入力された前記商品コードの前記商品体積から商品体積合計を記憶する商品販売データ記憶部と、この商品販売データ記憶部に記憶されている前記商品体積合計に基づいて前記レジ袋情報記憶部からレジ袋区分と必要枚数のレジ袋情報を算出するレジ袋情報算出手段と、前記レジ袋辞退宣言手段によりレジ袋辞退宣言が実行されると、前記レジ袋情報算出手段により算出された前記レジ袋情報から当該特典情報を算出する特典情報算出手段と、この特典情報算出手段により算出された当該特典情報を記憶媒体に出力する特典情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置のプログラムは、商品コードを入力する入力手段と、この入力手段により入力された前記商品コードに対する商品販売データの1商取引の締めを宣言する締め手段と、この締め手段により締めが宣言されると前記商品販売データに基づいて決済データ処理を行う商品販売データ処理装置に、レジ袋区分別に収納容量と特典情報を記憶するレジ袋情報記憶機能と、前記商品コード毎に商品体積の商品データを記憶する商品データ記憶機能と、レジ袋の提供を辞退するレジ袋辞退宣言手段による宣言を受け付けるレジ袋辞退宣言機能と、前記入力手段により入力された前記商品コードに対して前記商品データ記憶機能に記憶された商品体積に基づき商品体積合計を記憶する商品販売データ記憶機能と、前記レジ袋辞退宣言機能によるレジ袋辞退宣言されると、前記商品販売データ記憶機能に記憶された前記商品体積合計に基づいて前記レジ袋情報記憶機能からレジ袋区分とその必要枚数のレジ袋情報を算出するレジ袋情報算出機能と、このレジ袋情報算出機能により算出された前記レジ袋情報の前記レジ袋区分とその枚数から特典情報を算出する特典情報算出機能と、この特典情報算出機能による算出された特典情報を記憶媒体に出力する特典情報出力機能と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るPOSシステムの主要部構成を示す一例の模式図。
【図2】同実施形態に係るストアコンピュータに形成された商品マスターファイルの主要なデータ構造の一例を示す模式図。
【図3】同実施形態に係るストアコンピュータのレジ袋マスターファイルの主要なデータ構造の一例を示す模式図。
【図4】同実施形態に係るPOS端末の主要部構成の一例を示すブロック図。
【図5】同実施形態に係るPOS端末のRAMの主要なデータ構造の一例を示す模式図。
【図6】同実施形態に係るPOS端末のキーボードの主要なキーレアウトの一例を示す平面図。
【図7】同実施形態に係る実施形態に係るPOS端末のCPUが実行する商品販売データ処理の主要なステップを示すフローチャート。
【図8】同実施形態に係るPOS端末のCPUが実行するレジ袋区分と必要枚数を算出処理の主要なステップを示すフローチャ―ト。
【図9】同実施形態に係るPOS端末の特典換算処理により換算されたポイントの一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置およびそのプログラムついて図面を用いて説明する。
【0014】
なお、本発明の実施形態は、スーパーマーケット等に設置されているPOSシステムのPOS端末などの商品販売データ処理装置に適用した場合について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係るPOSシステム11の一例を示す模式図である。
【0016】
図1に示すように、POSシステム11は、店舗のチェックアウトカウンタに設置された複数台のPOS端末12と、店舗のバックヤードに設置されたストアコンピュータ13とが通信回線であるLAN(Local Area Network)14を介して接続されている。
【0017】
前記ストアコンピュータ13には、商品マスターファイル15とレジ袋マスターファイル16とが設けられている。
【0018】
図2は商品データ等が格納された商品マスターファイル15の一例を示す説明図である。
【0019】
図2に示すように、商品マスターファイル15には、各商品につけられた固有の商品コードに対応して、商品名、単価および商品体積などの商品データが格納されている。ここで、商品マスターファイル15は、商品データ記憶部として機能する。
【0020】
図3はレジ袋区分データ等が格納されたレジ袋マスターファイル16の一例を示す説明図である。
【0021】
図3に示すように、レジ袋マスターファイル16には、レジ袋をサイズによって区分するレジ袋区分コードに対応して、収納容量(リットル)、割引額およびポイント等の情報が格納されている。ここで、レジ袋区分コードのサイズは、たとえば、2サイズ(A、B)としてレジ袋区分コードA、Bに分類されるレジ袋の最大の収納容量Amを10.0L(リットル)、レジ袋区分コードBに分類されるレジ袋の最大の収納容量Bmを5.0L(リットル)に設定している。
【0022】
また、レジ袋区分コードAには、たとえば、割引額を10円、ポイントを10に設定されている。レジ袋区分コードBには、割引額を5円、ポイントを5に設定されている。すなわち、レジ袋の収納容量が大きいほど大きな割引額およびポイント等の特典を付与するようにしている。ここで、レジ袋マスターファイル16は、レジ袋情報記憶部として機能する。
【0023】
なお、このレジ袋マスターファイル16は、POS端末12のRAM23(図4参照)にダウンロードされるようになっている。
【0024】
図4は、本実施形態に係るPOS端末12の主要部構成を示すブロック図である。
【0025】
図4に示すように、POS端末12は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)21を備えている。
【0026】
また、CPU21が制御する主記憶部としてプログラムデータ等の固定的データを予め格納したROM(Read Only Memory)22、商品の販売データを記憶するための各種メモリエリアの記憶部を形成するRAM(Random Access Memory)23とを備えている。
【0027】
また、POS端末12は、現在の日時を計時する時計部24、前記LAN14を介して外部機器とのデータ通信を制御する通信インターフェース(I/F)25、「登録」、「点検」、「精算」、「設定」等の各種業務モードを選択するためのモードスイッチ26から選択信号を入力するととともにドロワを自動開放させるドロワ装置27へ駆動信号を出力するI/Oポート28、商取引に関する商品データを入力する入力手段として各種キーが配設されたキーボード29から信号を取り込むキーボードコントローラ30、タッチパネル付ディスプレイの前面表示器31に商品販売データおよび1商取引の各種情報をキャッシャ向けに表示させる第1表示コントローラ32、タッチパネル付ディスプレイの客面表示器33に商品販売データおよび1商取引の各種情報を客向けに表示させる第2表示コントローラ34、プリンタ35によるレシート用紙へ印字とそれを制御するプリンタコントローラ36、商品に付けられた商品コードのバーコードを光学的に読み込み、商品コードのバーコードを入力する入力手段として機能するスキャナ37を接続して情報を取り込むスキャナインターフェース(I/F)38、カードリーダ39で読み取られたカードデータを読み取りデータの入力を行うカードリーダコントローラ40、HDD(Hard Disk Drive)41にデータを書き込み、読取を行うHDDコントローラ42を備えている。
【0028】
そして、前記CPU21と、ROM22、RAM23、時計部24、通信インターフェース(I/F)25、I/Oポート28、キーボードコントローラ30、第1表示コントローラ32、第2表示コントローラ34、プリンタコントローラ36、スキャナインターフェース(I/F)38、カードリーダコントローラ40、HDDコントローラ42等の各構成要素とは、アドレスバス、データバスなどのバスライン43により電気的に接続している。
【0029】
図5は、RAM23に形成される主要なメモリエリアの一例を示す模式図である。
【0030】
図5に示すように、RAM23には、1商取引で販売される商品の商品コードに対応し商品名、単価、販売点数、販売金額、商品体積および1商取引で販売される商品の小計金額、合計金額、商品体積合計V等のデータ項目からなる1商取引分の商品販売データを一時的に記憶する取引バッファ231と、レジ袋フラグFを記憶するレジ袋フラグメモリ232と、1商取引で販売された商品を収納するのに必要なレジ袋区分データを取得するためのレジ袋区分データメモリ233(レジ袋情報記憶手段)として、レジ袋区分コード「A」、「B」のサイズ別に、必要枚数「An」、「Bn」を計数エリアと、レジ袋区分コードごとに必要枚数を計数するカウンタ機能を有する判定回数nを形成している。
【0031】
また、レジ袋フラグメモリ232のレジ袋フラグFは、店舗が提供するレジ袋を辞退した買物客との商取引であるとき“1”にセットされる。
【0032】
図6は、本実施形態に係るキーボード29に設けられる主要なキーレアウトの一例を示す平面図である。
【0033】
キーボード29には、数値データを置数するための置数キー29a、レジ袋キー29b、×キー29c、クリアキー29d、取消キー29e、PLU(price look up)キー29f、小計キー29g、締め手段としての締めキー29h等のファンクションキーが配設されている。
【0034】
レジ袋キー29bは、購入商品を持ち帰るため店舗が提供するレジ袋の辞退を宣言するレジ袋辞退宣言手段として機能する。これらのキーの一部または、全部を、タッチパネル付の前面表示器31および客面表示器33上のタッチキーとして設けてもよい。
【0035】
次に、本実施形態のPOS端末12には、図7のフローチャートに例示する主要なステップでCPU21が1商取引に関する商品販売データ処理を実行するようにプログラム構成されている。CPU21は、ROM22に格納されたプログラムに従い1商取引の商品販売データ処理を実行するものとなっている。
【0036】
はじめに、CPU21は、商品に付けられた商品コードが入力されるのを待機する(ステップST11)。
【0037】
そして、CPU21は、スキャナ37などの入力手段を介して商品に付けられたバーコードから商品コードが入力されると(ステップST11のYES)、CPU21は、商品販売データ処理を実行する(ステップST12)。
【0038】
すなわち、CPU21は、前記スキャナ37などを介して入力された当該商品コードをストアコンピュータ13に通信I/F25を介して送信する。すると、ストアコンピュータ13では、当該商品コードから商品マスターファイル15を検索し、当該商品コードの商品名、単価および商品体積等の商品データを読み出し、これらの読み出された商品データを通信I/F25によってPOS端末12へ送信する。そして、POS端末12のCPU21は、その商品データを取得する。
【0039】
そして、CPU21は、取得された前記商品データの単価と販売点数(商品コードの入力直前に数値データが置数キー29aにより入力している場合にはその数値データを、また数値データが入力されていない場合には、1)とに基づいて商品販売データを生成し、この生成された商品販売データの当該商品コードに対する商品名、単価、販売点数、販売金額、商品体積等からなる商品販売データをRAM23の取引バッファ231に格納処理する。また、前面表示器31および客面表示器33に商品名、単価、販売点数および販売金額等を表示させる商品販売データ処理を実行する。
【0040】
次に、CPU21は、小計キー29gによる小計操作が実行されるのを待機する(ステップST13)。
【0041】
そして、小計キー29gが操作入力されない場合には(ステップST13のNO)、ステップST11の処理に戻り、小計操作が行われるまでの間、販売商品の当該商品コードを入力するごとに、商品販売データ処理を繰り返し実行する。
【0042】
CPU21は、小計キー29gの操作入力により小計操作が実行された場合には(ステップST13のYES)、小計処理を実行する(ステップST14)。
【0043】
すなわち、この小計処理において、CPU21は、小計金額および商品体積合計V等をRAM23の取引バッファ231に格納するとともに、小計金額を前面表示部31および客面表示部33に表示させる。
【0044】
次に、CPU21は、小計処理により算出された前記商品体積合計Vに基づいて、レジ袋マスターファイル16のレジ袋区分コードのA、Bの収納容量Lと前記商品体積合計Vとを比較し、その比較した結果に基づき演算処理を行い、各レジ袋区分コードとその必要枚数を算出する。そして、各レジ袋区分コードの必要枚数をRAM23のレジ袋区分データメモリ233に格納する(ステップST15)。
【0045】
次に、CPU21は、買物客がレジ袋の提供を辞退するレジ袋辞退操作が行われたか否かを判定する(ステップST16)。
【0046】
CPU21は、レジ袋辞退取引のレジ袋キー29bが操作入力された場合には(ステップST16のYES)、レジ袋フラグメモリ232のレジ袋フラグFを“0”から“1”にセットする(ステップST17)。
【0047】
レジ袋の提供を辞退するレジ袋キー29bが操作入力されていない場合には(ステップST16のNO)、ステップST18の処理に進む。
【0048】
そして、CPU21は、締めキー29hにより締め操作されたか否かを判定する(ステップST18)。ここで、CPU21は、締めキー29hの操作入力を検知した場合には(ステップST18のYES)、商品販売データの決済の締め処理を実行する(ステップST19)。たとえば、現金取引の場合には、RAM23の取引バッファ231に格納された1商取引の商品販売データから算出された合計金額と、置数キー29aにより入力された預かり金額から釣銭額を算出し、算出された釣銭額、預かり金額および合計金額等を前面表示器31および客面表示器33に表示させる。
【0049】
次に、CPU21は、レジ袋フラグメモリ232のレジ袋フラグFを調べる(ステップST20)。そして、レジ袋フラグFが“1”にセットされている場合には(ステップST20のYES)、買物客が店舗の提供するレジ袋を辞退するレジ袋辞退取引なので次に、特典換算処理を実行する(ステップST21)。
【0050】
この特典換算処理は、RAM23の取引バッファ231に格納されている各レジ袋区分コードと、その必要枚数から前記レジ袋マスターファイル16に格納されているレジ袋区分コード(A、B)に対応する特典情報である割引額またはポイントを必要に応じて読み出し、読み出された割引額またはポイントに対してその必要枚数を乗算し割引額またはポイントを算出する。
【0051】
たとえば、レジ袋区分コード「A」が必要枚数1、レジ袋区分コード「B」が必要枚数1の場合について説明をすると、レジ袋区分コード「A」が10ポイント×1枚数=10ポイント、レジ袋区分コード「B」が5ポイント×1枚数=5ポイントで合計15ポイントになる。すなわち、割引額も同様に、15円なるので割引額が15円を小計金額から割り引くことが可能になる。または、ポイントを15が付与されるようになる。このように、レジ袋辞退取引では、レジ袋区分コードのレジ袋のサイズやその必要枚数に対して、割引額の割引またはポイントを付与する特典が与えられることになる。なお、ポイントの付与は会員カードに記録することが可能となる。
【0052】
そして、CPU21は、カードリーダ39により図示しない会員カードから会員コードを読み取り、図示しない顧客ファイルにポイントを加算するとともに、プリンタ35により付与されたポイントと、加算されたポイントを含む取引明細データを印字したレシートを発行する(ステップST22)。
【0053】
一方、レジ袋フラグFが“0”にリセットされている場合には(ステップST20のNO)、CPU21は、レジ袋を買物客に対し提供するために、ステップST15で算出したレジ袋情報としての各レジ袋区分コードのサイズと必要枚数を、前面表示器31および客面表示器33に表示させる(ステップST23)。そして、1商取引の商品販売データとして商品データ、小計金額、合計金額、預かり金額、釣銭金額等の取引明細データのレシートデータを生成しプリンタ35によりレシート(記憶媒体)に印字発行する(ステップST24)。
【0054】
このように本実施形態によれば、レジ袋の提供を辞退した買物客との商取引においてのみ特典情報としてポイントおよび割引額を付与することで、レジ袋の無駄を削減することが可能になる。
【0055】
図8は、POS端末12のCPU21が実行するレジ袋情報を算出する処理について説明する。
【0056】
図3に示すように、店舗で使用するレジ袋区分コードをAとBの2種類とした場合に、必要枚数をそれぞれAnとBnとし、それぞれのレジ袋の最大の収納容量AmとBmとする。また、商品体積合計Vは、商品マスターファイル15に商品コードごとに設定されている商品体積を1商取引において合計したものである。判定回数nは、レジ袋区分コード(AおよびB)ごとに必要枚数を計数するためのカウンタである。
【0057】
図8に示すように、レジ袋情報算出処理として、CPU21は、商品体積合計Vとレジ袋区分コードAの収納容量Amとの比較を行う(ステップST51)。
【0058】
CPU21は、商品体積合計Vがレジ袋区分コードAの収納容量Amと同等または大きい場合には(ステップST51のYES)、判定回数nを“1”だけカウントアップする(ステップST52)。
【0059】
次に、商品体積総合計値Vからレジ袋区分コードAの収納容量Amを減算する(ステップST53)。
【0060】
そして、ステップST51に戻り、商品体積合計Vとレジ袋区分コードAの収納容量Amとの比較を再度行う(ステップST51)。
【0061】
こうして、商品体積合計Vがレジ袋区分コードAの収納容量Amより小さくなるまでステップST51〜ステップST53の処理を繰り返す。そして、商品体積合計Vがレジ袋区分コードAの収納容量Amより小さくなったならば判定回数nをレジ袋区分コードAの必要枚数Anとしてセットする(ステップST54)。
【0062】
次に、判定回数nを“0”にリセットする(ステップST55)。そして、CPU21は、商品体積合計Vとレジ袋区分コードBの収納容量Bmとの比較を行う(ステップST56)。
【0063】
商品体積合計Vがレジ袋区分コードBの収納容量Bmと同等または大きい場合には(ステップST56のYES)、判定回数nを“1”だけカウントアップする(ステップST57)。
【0064】
次に、商品体積合計Vからレジ袋区分コードBの収納容量Bmを減算する(ステップST58)。
【0065】
そして、ステップST56に戻り、商品体積合計Vとレジ袋区分コードBの収納容量Bmとの比較を再度行う(ステップST56)。
【0066】
こうして、商品体積合計Vがレジ袋区分コードBの収納容量Bmより小さくなるまでステップST56〜ステップST58の処理を繰り返す。そして、商品体積合計Vがレジ袋区分コードBの収納容量Bmより小さくなったならば(ステップST56のNO)、商品体積合計V=0を満たしているかどうかの判定を行う(ステップST59)。ここで、商品体積合計V≠0の場合には(ステップST59のNO)、さらに判定回数nを“1”だけカウントアップする(ステップST60)。そして、商品体積総合計値V=0の場合には(ステップST59のYES)、CPU21は、判定回数nをレジ袋区分コードBの必要枚数Bnとしてセットする(ステップST61)。
【0067】
以上で、取引バッファ231の商品体積合計Vに対するレジ袋区分コードAおよびBのサイズ別のレジ袋枚数An、Bnが換算される。
【0068】
次に、図7のステップST21に示す特典換算処理にいて説明する。
【0069】
特典換算処理は、図7に示すように、ステップST21として、図7のステップST15で算出された各レジ袋のレジ袋区分コード(A、B)とそれぞれの必要枚数から特典(ポイントまたは割引額)を換算するものである。
【0070】
たとえば、図3に示すように、各レジ袋区分コードA、BにはそれぞれポイントとしてAp、Bpが設定されている。(図4中ではAp=10、Bp=5)。すなわち、レジ袋区分コードAのポイントは、P1=Ap×An、同様にレジ袋区分コードBのポイントは、P2=Bp×Anとなる。
【0071】
各レジ袋区分コードのポイントP1、P2の合計が1商取引で使用されるレジ袋に対してのポイントPとなる。すなわち、1商取引のポイントP=P1+P2となる。
【0072】
このようなレジ袋情報算出処理および特典換算処理について、図9に示す内容の1商取引のデータの一例を用いて説明する。
【0073】
1商取引において、買物客が商品を6点購入し、キャッシャが商品についている商品コードであるバーコードをスキャナ37により入力する。これにより、商品の商品体積がストアコンピュータのレジ袋マスターファイル16から算出される。図9中では商品体積合計Vは、10.8Lとなる。これらの情報からレジ袋情報算出処理を行う。すなわち、商品数4個で商品体積が、8.5Lとなるためレジ袋区分コードAを1枚使用し、商品数2個で商品体積が2.3Lとなるため、レジ袋区分コードBを1枚使用するというレジ袋区分コードの選択がされる。
【0074】
この場合には、買物客がレジ袋辞退するとキャッシャに伝えることで、買物客には、ポイントP=10+5=15が付与されることになる。
【0075】
また、ポイントに換わる購入商品の代金である小計金額から15円の割引額を受けることも可能となる。
【0076】
このように、レジ袋辞退取引では、レジ袋区分コードのレジ袋のサイズとその必要枚数に対して、割引額の割引またはポイントを付与する特典が与えられることになる。
【0077】
なお、ポイントの付与は会員カードに記録することが可能となる。
【0078】
このようにすることで、買物客がマイバッグを持参することによりレジ袋の使用を低減させる取り組みが普及することとなる。
【0079】
このように本実施形態によれば、1商取引で買物客が購入した商品を収納するのに適したレジ袋のサイズと必要枚数と前面表示器に表示されるので、キャッシャが容易にレジ袋の提供を確認することが可能となる。
【0080】
また、レジ袋のサイズと必要枚数とに応じた特典(ポイントの付与または割引額の割引)を買物客にサービスすることが可能となる。
【0081】
これらの実施により店舗および買物客においては、使用するレジ袋を低減することとなるため、環境保護の点から有効なものとなる。
【0082】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0083】
たとえば、本実施形態では、POS端末12とオンラインで接続されたストアコンピュータ13が商品マスターファイル15、レジ袋マスターファイル16を設定管理したが、POS端末12自体がHDD41に記憶管理することによって、単体のPOS端末12により本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置を構成することも可能である。
【0084】
また、会員カードを所有してない買物客には、ポイントに代わり購入商品に対して割引額で決済処理を実行することが可能となる。
【0085】
以上説明したように、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、実施の段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
11…POSシステム、12…POS端末、13…ストアコンピュータ、15…商品マスターファイル、16…レジ袋マスターファイル、21…CPU、22…ROM、23…RAM、29…キーボード、29b…レジ袋キー(レジ袋辞退宣言手段)、29g…小計キー、29h…締めキー(締め手段)、31…前面表示器(表示器)、33…客面表示器(表示器)、35…プリンタ、37…スキャナ(入力手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品コードを入力する入力手段と、この入力手段により入力された前記商品コードに対する商品販売データの1商取引の決済締めを宣言する締め手段と、この締め手段により決済締めが宣言されると前記商品販売データに基づいて決済データ処理を行う商品販売データ処理装置において、
レジ袋区分別に収納容量と特典情報を記憶するレジ袋情報記憶部と、
前記商品コード毎に商品体積などの商品データを記憶する商品データ記憶部と、
レジ袋の提供を辞退することを宣言するレジ袋辞退宣言手段と、
前記入力手段により入力された前記商品コードの前記商品体積から商品体積合計を記憶する商品販売データ記憶部と、
この商品販売データ記憶部に記憶されている前記商品体積合計に基づいて前記レジ袋情報記憶部からレジ袋区分と必要枚数のレジ袋情報を算出するレジ袋情報算出手段と、
前記レジ袋辞退宣言手段によりレジ袋辞退宣言が実行されると、前記レジ袋情報算出手段により算出された前記レジ袋情報から当該特典情報を算出する特典情報算出手段と、
この特典情報算出手段により算出された当該特典情報を記憶媒体に出力する特典情報出力手段と、
を備えたことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
さらに、前面表示器および客面表示器を備え、
前記レジ袋の提供を辞退することを宣言するレジ袋辞退宣言手段と、
前記レジ袋辞退宣言手段により前記レジ袋の提供を辞退することが宣言されない場合には、前記レジ袋情報算出手段により算出された前記レジ袋区分とその必要枚数を前記前面表示器および客面表示器に表示するレジ袋情報表示手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
商品コードを入力する入力手段と、この入力手段により入力された前記商品コードに対する商品販売データの1商取引の締めを宣言する締め手段と、この締め手段により締めが宣言されると前記商品販売データに基づいて決済データ処理を行う商品販売データ処理装置に、
レジ袋区分別に収納容量と特典情報を記憶するレジ袋情報記憶機能と、
前記商品コード毎に商品体積の商品データを記憶する商品データ記憶機能と、
レジ袋の提供を辞退するレジ袋辞退宣言手段による宣言を受け付けるレジ袋辞退宣言機能と、
前記入力手段により入力された前記商品コードに対して前記商品データ記憶機能に記憶された商品体積に基づき商品体積合計を記憶する商品販売データ記憶機能と、
前記レジ袋辞退宣言機能によるレジ袋辞退宣言されると、前記商品販売データ記憶機能に記憶された前記商品体積合計に基づいて前記レジ袋情報記憶機能からレジ袋区分とその必要枚数のレジ袋情報を算出するレジ袋情報算出機能と、
このレジ袋情報算出機能により算出された前記レジ袋情報の前記レジ袋区分とその枚数から特典情報を算出する特典情報算出機能と、
この特典情報算出機能による算出された特典情報を記憶媒体に出力する特典情報出力機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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