説明

商品販売データ処理装置およびその制御プログラム

【課題】 購入した食品では十分に補えない栄養素を顧客に知らせ、栄養管理に対する顧客の利便に資するとともに、店舗への顧客の囲い込みを可能とすること。
【解決手段】 顧客が購入する商品の商品情報が入力されると、当該商品の栄養成分を特定する。そして、1商取引内で商品情報が入力されたそれぞれの商品について特定された栄養成分の総和と栄養成分に関する基準値とを比較し、不足している栄養素を選定する。選定した栄養素は、レシート40に印字して顧客に報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店等で使用され、入力された商品情報に基づいて買い上げ商品の販売データを処理するPOS(Point Of Sales)端末やECR(Electronic Cash Register)等の商品販売データ処理装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストア等で販売される調理済みの料理を購入して自宅や職場で食べる、いわゆる中食が増加している。中食は、外食よりも安価で都合のよい時間・場所で食べられる利便性が人気の反面、高カロリーであることや栄養バランスの偏り等が問題となっている。また、近年の健康ブームを反映して、カロリーや栄養バランスに関する国民の関心も高まりつつある。
【0003】
上記のような事実に鑑みて、栄養管理や健康の維持増進に関わる種々の発明がなされている。例えば、特許文献1には、飲食店での食事や調理済み商品の販売店にて購入した食品の総合的なエネルギーおよび栄養素の含有量を顧客に知らせることが可能な栄養成分データ表示付きレシートが記載されている。このレシートは、飲食店での食事や弁当店で購入された食品に含まれる全エネルギーおよび栄養素を印字したものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な客は、エネルギーや栄養に関する十分な知識がないことが多い。そのため、商品に付された栄養成分表示や上記特許文献1に記載されたレシートのようなものを確認しただけではどの栄養素が不足しているのかを知ることができないし、栄養成分を気にして食品を購入しようとしても着目すべき栄養成分が分からない。
【0005】
また、ある程度の栄養に関する知識を備えた者であっても、各栄養素の実際の摂取量と1日に必要な各栄養素の摂取量とを比較して不足しがちな栄養素を特定し、販売されている食品に付された栄養成分表示を確認しながら食品を品定めするとの作業が必要となる。このような作業は面倒であるし、買い物に時間がかかってしまう。
【0006】
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、購入した食品では十分に補えない栄養素を顧客に知らせ、栄養管理に対する顧客の利便に資するとともに、店舗への顧客の囲い込みを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の視点は、顧客が購入する商品の商品情報を入力する商品情報入力手段と、この商品情報入力手段により商品情報が入力された商品に含まれる栄養素の含有量を特定する含有量特定手段と、1商取引内で商品情報が入力された商品について前記含有量特定手段により特定された各栄養素の含有量の総和と、各栄養素に関する基準値とを比較して不足している栄養素を選定する栄養素選定手段と、この栄養素選定手段により選定された栄養素に関する情報を出力する出力手段とを備えた商品販売データ処理装置である。
【0009】
本発明の第2の視点は、取引明細を示すレシートを発行するレシート発行手段を備えた商品販売データ処理装置の制御プログラムであって、前記商品販売データ処理装置に、顧客が購入する商品の商品情報を入力する商品情報入力機能と、この商品情報入力機能により商品情報が入力された商品に含まれる栄養素の含有量を特定する含有量特定機能と、1商取引内で商品情報が入力された商品について前記含有量特定機能により特定された各栄養素の含有量の総和と、各栄養素に関する基準値とを比較して不足している栄養素を選定する栄養素選定機能と、この栄養素選定機能により選定された栄養素に関する情報を印字したレシートを前記レシート発行手段に発行させる出力機能とを実現させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
かかる手段を講じた本発明によれば、購入した食品では十分に補えない栄養素を顧客に知らせ、栄養管理に対する顧客の利便に資するとともに、店舗への顧客の囲い込みを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における商品販売データ処理装置の要部構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるPLUファイルのデータ構造の一例を示す模式図。
【図3】同実施形態におけるCPUの動作を示すフローチャート。
【図4】同実施形態における印字データ作成処理の詳細を示すフローチャート。
【図5】同実施形態において発行されるレシートの一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における商品販売データ処理装置1の要部構成を示すブロック図である。商品販売データ処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)2と、ROM(Read Only Memory)3と、RAM(Random Access Memory)4と、HDD(Hard Disk Drive)5と、キーボードコントローラ6と、キャッシャ側表示器コントローラ7と、客側表示器コントローラ8と、プリンタコントローラ9と、スキャナI/F(Interface)10とをアドレスバスやデータバスで構成されたバスライン11にて接続した制御回路を備えている。
【0013】
そして、キーボードコントローラ6にキーボード20を接続し、キャッシャ側表示器コントローラ7にキャッシャ側表示器21を接続し、客側表示器コントローラ8に客側表示器22を接続し、プリンタコントローラ9にレシートプリンタ23を接続し、スキャナI/F10にスキャナ24を接続している。
【0014】
CPU2は、商品販売データ処理装置1のメインの制御手段として機能するものであり、各種のソフトウェアを実行することで、情報処理装置を商品販売データ処理装置1として機能させる。
【0015】
ROM3は、BIOS(Basic Input/Output System)等の固定的データを記憶した不揮発性のメモリである。
【0016】
RAM4は、実行するアプリケーション等に応じて各種の作業用記憶領域を形成する。特に、商品登録業務用のアプリケーションが実行されているときには、顧客が購入しようとする商品の販売データを登録する販売データ登録エリア30と、当該エリア30に登録された販売データ中の単価や栄養素等の含有量の積算値を記憶する積算エリア31とを形成する。
【0017】
HDD5は、OS(Operating System)や各種アプリケーションファイル等のソフトウェアに加え、PLU(Price Look Up)ファイル32と、基準値ファイル33とを記憶している。図2は、PLUファイル32のデータ構造の一例を示す模式図である。PLUファイル32には、当該店舗にて販売される商品の商品データが登録されている。各商品データのレコードには、商品毎に割り当てられたPLUナンバ、商品名称、単価等が対応付けられており、食品に限っては当該食品のエネルギー(Kcal)と、たんぱく質(g),カルシウム(mg),鉄分(mg),ビタミンA(μg),ビタミンB1(mg),ビタミンB2(mg),ビタミンC(mg)の含有量からなる栄養成分情報とが対応付けられている。基準値ファイル33は、PLUファイル32中の各栄養素の1日に摂取すべき基準値を記憶している。基準値ファイル33に記憶される基準値には、例えば厚生労働省が作成する食事摂取基準に開示された性別、年齢、身長別の基準を平均した値を採用する。
【0018】
キーボード20は、文字入力用のアルファベットキー、数値入力用のテンキー、商品登録の開始を宣言するPLUキー等の操作キーを備え、押下げされた操作キーに応じた電気信号をキーボードコントローラ6に出力する。キーボードコントローラ6は、キーボード20から出力される電気信号に基づいて押下げられた操作キーの種別を示すデジタル信号を生成し、CPU2に通知する。
【0019】
キャッシャ側表示器コントローラ7は、CPU2から出力される表示データをビデオ信号に変換してキャッシャ側表示器21に出力する。キャッシャ側表示器21は、商品販売データ処理装置1の操作を担当する店員(以下、キャッシャと称す)に対して、キャッシャ側表示器コントローラ7から出力されるビデオ信号に基づく情報を表示するCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、OEL(Organic Electro-Luminescence)等のディスプレイである。
【0020】
客側表示器コントローラ8は、CPU2から出力される表示データをビデオ信号に変換して客側表示器22に出力する。客側表示器22は、商品販売データ処理装置1にて会計を行う顧客に対して、客側表示器コントローラ8から出力されるビデオ信号に基づく情報を表示するCRT、LCD、OEL等のディスプレイである。
【0021】
レシートプリンタ23は、例えばサーマルヘッドとプラテンローラとで感熱紙であるレシート用紙を狭持しつつ搬送ローラにて搬送するように構成した、いわゆるサーマルプリンタである。プリンタコントローラ9は、印字ユニットを駆動してCPU2から受信した印字データに基づくパターンをレシート用紙に形成して商品販売データ処理装置1の筐体面に設けられたレシート発行口から排出する。
【0022】
スキャナ24は、商品に付されたバーコード等のシンボルコードを光学的に読み取って得た信号をデコードして商品コード等のコードデータを生成し、スキャナI/F10を介してCPU2に通知する。
【0023】
CPU2は、ソフトウェアによる制御により、次の(1)〜(6)の機能を実現する。
【0024】
(1)顧客が購入する商品の商品情報を入力する商品情報入力機能。
【0025】
(2)商品情報入力機能により商品情報が入力された商品に含まれる栄養素の含有量を特定する含有量特定機能。
【0026】
(3)1商取引内で商品情報が入力された商品について含有量特定機能により特定された各栄養素の含有量の総和と、各栄養素に関する基準値とを比較して不足している栄養素を選定する栄養素選定機能。
【0027】
(4)栄養素選定機能により選定された栄養素に関する情報を出力する出力機能。
【0028】
(5)栄養成分特定機能により特定された栄養成分に関する図表を作成する図表作成機能。
【0029】
(6)栄養素選定機能により選定された栄養素を補う商品を選定する商品選定機能。
【0030】
次に、上記のような構成による作用について説明する。
顧客が購入しようとする商品を選定し、商品販売データ処理装置1が設置されたレジに運ぶと、キャッシャは、キーボード20に設置されたPLUキーを押下げて商品登録の開始を宣言する。これにトリガされて、CPU2は、図3のフローチャートに示した処理を実行する。なお、既述の通り、当該処理を開始するにあたってRAM4に前記販売データ登録エリア30と、前記積算エリア31とが形成される。
【0031】
先ず、CPU2は、商品コードの入力を受け付ける状態にて待機する(ステップS101)。このとき、キャッシャは、商品やその包装に付されたバーコードをスキャナ24にてスキャニングすることで、各商品の商品コードを入力できる。また、バーコードが付されていない商品に関しては、キャッシャ側表示器21に表示された指示に従ってキーボード20を操作し、商品コードを入力することもできる。
【0032】
商品コードが入力されると(ステップS101のYes)、CPU2は、入力された商品コードをPLUファイル32から検索し、当該商品コードに対応付けられた商品データを特定する(ステップS102)。商品データを特定すると、その商品データを販売データ登録エリア30に登録して積算エリア31の合計金額を更新し、その商品が食品である場合には、積算エリア31のエネルギーおよび各栄養素の含有量の合計値も更新する(ステップS103)。
【0033】
次に、CPU2は、キーボード20に設けられた小計キーが押下げられたか否かを判定する(ステップS104)。未だ小計キーが押下げられていない場合には(ステップS104のNo)、再び商品コードの入力を受け付ける状態に移行する(ステップS101)。このように、小計キーが押下げられるまで繰り返し商品コードの入力を受け付け、積算エリア31の合計金額、エネルギー,栄養素の含有量の合計値を更新していく。
【0034】
顧客がレジに運んだ全ての商品について商品コードの入力が完了すると、キャッシャは、前記小計キーを押下げる(ステップS104のYes)。このとき、CPU2は、積算エリア31に記憶されている合計金額をキャッシャ側表示器21および客側表示器22に表示し(ステップS105)、預り金額の入力を受け付ける状態に移行してキーボード20に設けられた預り/現計キーの押下げを待つ(ステップS106)。預かり金額が入力されて預り/現計キーが押下げられると(ステップS106のYes)、CPU2は、預かり金額から合計金額を減じて釣り銭額を算出し、キャッシャ側表示器21および客側表示器22に表示する(ステップS107)。
【0035】
しかる後、レシートの印字データ作成処理を実行し(ステップS108)、作成した印字データに基づいてプリンタコントローラ9にレシートプリンタ23を駆動させて当該取引のレシートを発行させる。以上で1商取引の会計処理が完了する。
【0036】
上記印字データ作成処理(ステップS108)の詳細を示すフローチャートを図4に示している。先ず、CPU2は、積算エリア31に記憶された当該取引における各栄養素の含有量の合計値と、基準値ファイル33に記憶された各栄養素の基準値とを比較し、摂取量が不足している1つまたは複数の栄養素を選定する(ステップS201)。不足している栄養素の選定方法には、種々の方法を採用し得る。例えば、基準値に対する含有量の合計値の充足割合が最も低い栄養素を選定する方法や、所定の充足割合(例えば50%)を割り込む全ての栄養素を選定する方法を用いる。
【0037】
続いて、CPU2は、ステップS201の処理にて選定した栄養素を補うのに適した食品をPLUファイル32から検索する(ステップS202)。当該処理では、種々の検索条件を採用することができる。例えば、ステップ201の処理にて選定した栄養素の含有量がPLUファイル32に記憶された商品データの中で最も多い食品であることを条件とする。その他、ステップS201の処理にて選定した栄養素の含有量の多さが上位である食品の中で、最も安価なものあるいは高価なものであることや、エネルギーが低いこと等を条件としてもよい。また、選定する食品は、1つに限らず複数であってもよい。
【0038】
次に、CPU2は、予めHDD5等に記憶されたレシートのフォーマットをRAM4に呼び出し、当該フォーマットのヘッダに続いて取引明細の印字データを追加する(ステップS203)。ここで追加される取引明細は、販売データ登録エリア30に登録された各販売データに含まれる商品名称と単価、また、食品である場合にはエネルギーを登録順に配置し、当該取引の合計金額,預り金額,総エネルギーを付加したものである。
【0039】
取引明細の印字データを追加した後、CPU2は、積算エリア31に記憶されたエネルギーおよび各栄養素の含有量の合計値に基づいてレーダーチャートを作成し、印字データに追加する(ステップS204)。さらに、ステップS201の処理にて選定した不足栄養素を知らせるメッセージと、ステップS202の処理にて選定したお勧め商品を知らせるメッセージとを生成して印字データに追加する(ステップS205)。
【0040】
最後に、ステップS202の処理にて選定したお勧め商品に対するクーポン券の印字データを追加して(ステップS206)、印字データ作成処理を終了する。クーポン券の印字データは、例えばHDD5に記憶されたクーポン印字用のフォーマットに対して、お勧め商品の名称、価格、値引き額あるいは割引率を配置した構成とする。また、値引き額や割引率の特定方法には、予め定められた値を用いる方法や、お勧め商品の価格帯に応じて所定の計算式やテーブルから算出する方法等を採用し得る。
【0041】
図3,図4を用いて説明した処理を経て発行されるレシートの一例を、図5に示している。このレシート40は、店舗名称やコマーシャル等にて構成されたヘッダ41と、取引明細エリア42と、栄養成分情報エリア43と、クーポン45とで構成されている。
【0042】
取引明細エリア42には、ステップS203の処理にて印字データが追加された“商品A”,“¥325”,“475Kcal”のような商品名称,単価,エネルギーで構成される販売データと、合計金額,総エネルギー,預り金額,釣り銭額等とが印字されている。
【0043】
栄養成分情報エリア43には、ステップS204の処理にて印字データが追加されたレーダーチャートと、ステップS205の処理にて印字データが追加された“ビタミンB1をもう少し摂取しましょう”との不足栄養素を知らせるメッセージおよび“商品E¥140がお勧めです”とのお勧め商品を知らせるメッセージが印字されている。レーダーチャートは、積算エリア31に記憶されたエネルギーおよび各栄養素の含有量の合計値のそれぞれについて、基準値ファイル33に記憶された基準値に対する充足率を示すものである。この例では、ビタミンB1の充足率が他の栄養素の充足率に比べて低くなっており、ビタミンB1が不足栄養素として選定され、ビタミンB1を補うお勧め商品として商品Eが選定されている。これに応じて、ビタミンB1が不足栄養素として報知され、商品Eがお勧め商品として報知されている。
【0044】
クーポン45には、ステップS206の処理にて印字データが追加されたクーポン情報が印字されている。この例では、商品Eがお勧め商品として選定されているため、商品Eを30円値引きする旨と、クーポン45の識別情報をコード化したバーコードが印字されている。このクーポン45を使用すべく顧客が商品Eをレジに運び、商品コードが販売データ登録エリア30に登録された状態でクーポン45のバーコードがスキャナ24にてスキャニングされると、商品販売データ処理装置1にクーポン45の識別情報が入力される。このとき、入力された識別情報に基づいてHDD5に記憶されたデータベース等からクーポン45の使用により商品Eが30円引きされる旨の情報が検出され、販売データ登録エリア30に登録される。この状態で預り現計キーが押下げられるとクーポン45の使用が確定し、その取引の合計金額から30円が値引きされる。なお、バーコードを用いずに、キャッシャがキーボード20を操作して合計金額から30円引きする旨を手入力するようにしてもよい。
【0045】
以上説明したように、商品販売データ処理装置1は、販売された食品のエネルギーおよび各栄養素の含有量の合計値を算出し、不足している栄養素を選定してレシートに印字する。これにより、顧客は、いちいち食品の包装等に付された栄養成分情報を確認することなく、レシートの情報を確認するだけで不足している栄養素を知ることができるので、栄養管理に要する手間が大幅に削減される。
【0046】
また、レシートには、購入された食品のエネルギーや各栄養素の合計値がレーダーチャートにて表示されるので、購入した食品で補える栄養素等の詳細を知ることができる。さらにエネルギーについては、個々の食品に関するものが各販売データに併記され、それらの合計値も印字されるので過剰摂取を防止し易くなる。
【0047】
また、レシートには、不足している栄養素を補うのに適した食品が併せて印字されるので、次回の買い物においてはバランスのとれた食品の選定を行うことができ、顧客にとって益々便利である。一方、店舗にとっては、顧客に当該食品を購入させるインセンティブを与えることができ、顧客の囲い込み乃至は売上の上昇が期待できる。
【0048】
また、レシートには、不足している栄養素を補うのに適した食品を購入する際に使用可能なクーポンが併せて印字される。これにより、顧客に当該食品を購入させるより強いインセンティブを与えることができる。
【0049】
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる
例えば、前記実施形態においては、レーダーチャート、不足している栄養素、当該栄養素を補うのに適した食品に関する情報をレシートに印字して発行するとしたが、他の方法にて各情報を出力するようにしてもよい。例えば、商品販売データ処理装置1に顧客が所持する携帯端末と有線または無線にて通信する通信ユニットを設け、各情報の電子データを前記携帯端末に送信する。この場合であっても、顧客が携帯端末を操作して不足している栄養素等を確認すれば、前記実施形態にて開示したものと同様の効果を得ることができる。また、取引明細を印字したレシートとは分離して別途レシートプリンタ23から不足している栄養素等の情報を印字した印字媒体を発行するようにしてもよい。
【0050】
また、前記実施形態においては、不足している栄養素として1つの栄養素を選定し、それを補うのに適した商品として1つの商品を選定する場合について説明したが、複数の栄養素および商品を選定してレシートに印字するようにしてもよい。
【0051】
また、前記実施形態においては、1商取引に係る食品のエネルギーおよび栄養素の含有量の合計値をレーダーチャートにて顧客に知らせる場合について説明したが、レーダーチャートに代えて他種の図表を用いてもよい。
【0052】
また、前記実施形態においては、レシートに印字される栄養成分をたんぱく質、カルシウム、鉄、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCで構成した例について説明したが、他の栄養素を加えてもよいし、いずれかを除外してもよい。
【0053】
この他、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…商品販売データ処理装置、2…CPU、3…ROM、4…RAM、23…レシートプリンタ、40…レシート、41…ヘッダ、42…取引明細エリア、43…栄養成分情報エリア、45…クーポン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平9−226273号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品の商品情報を入力する商品情報入力手段と、
この商品情報入力手段により商品情報が入力された商品に含まれる栄養素の含有量を特定する含有量特定手段と、
1商取引内で商品情報が入力された商品について前記含有量特定手段により特定された各栄養素の含有量の総和と、各栄養素に関する基準値とを比較して不足している栄養素を選定する栄養素選定手段と、
この栄養素選定手段により選定された栄養素に関する情報を出力する出力手段と、
を備えた商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、取引明細を示すレシートに前記栄養素選定手段により選定された栄養素に関する情報を印字することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記含有量特定手段により特定された各栄養素の含有量に関する図表を作成する図表作成手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記栄養素選定手段により選定された栄養素に関する情報とともに、前記図表作成手段により作成された図表を出力することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記栄養素選定手段により選定された栄養素を補う商品を選定する商品選定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記栄養素選定手段により選定された栄養素に関する情報とともに、前記商品選定手段により選定された商品に関する情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記商品選定手段により選定された商品に関する情報とともに、当該商品の購入時に付与すべき特典に関する情報を出力することを特徴とする請求項4に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
取引明細を示すレシートを発行するレシート発行手段を備えた商品販売データ処理装置の制御プログラムであって、
前記商品販売データ処理装置に、
顧客が購入する商品の商品情報を入力する商品情報入力機能と、
この商品情報入力機能により商品情報が入力された商品に含まれる栄養素の含有量を特定する含有量特定機能と、
1商取引内で商品情報が入力された商品について前記含有量特定機能により特定された各栄養素の含有量の総和と、各栄養素に関する基準値とを比較して不足している栄養素を選定する栄養素選定機能と、
この栄養素選定機能により選定された栄養素に関する情報を印字したレシートを前記レシート発行手段に発行させる出力機能と、
を実現させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−39746(P2011−39746A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185919(P2009−185919)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】