説明

商品販売データ処理装置及びレシートシステム

【課題】レシート用紙を消費しないでレシート情報を顧客に提供する。
【解決手段】商品販売データ処理装置は、入力された商品コードに対応する商品情報を取得して(S102)、単価に基づき決済金額を算出し(S104)、商品情報と決済金額とを含むレシート情報を内容とするレシートデータを生成してウェブサーバに送信する(S106)。ウェブサーバは、このレシートデータを記述するウェブページを携帯電話機のブラウザ機能によって表示可能な形式で生成して(S202)、このウェブページを特定するURLを送信する(S203)。商品販売データ処理装置は、このURLを記述するコードシンボルを生成して表示させる(S108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストア等の店舗に導入されて使用されるPOS端末等の商品販売データ処理装置及び顧客にレシート情報を提供するレシートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジーの観点から、繰り返し使用できるトートバッグ等をマイバッグとしてコンビニエンスストア等の店舗に持参して、取引終了後にPOS端末のオペレータから手渡されるレジ袋を拒否する顧客が増えている。このようなマイバッグの使用は、レジ袋の消費量の削減につながるため、環境問題の改善に効果があると言われている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−241527公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、環境問題のより一層の改善のために、レシートの発行を中止してしまうことが考えられる。これによれば、レシート用紙の膨大な消費量を大幅に削減することができるため、環境問題の改善に非常に大きな効果が期待できる。
【0005】
しかしながら、取引後にレシートの受け取りを拒否する顧客は一部にはいるものの、大部分の顧客はレシートを要求するため、レシートの発行を完全に中止してしまうことは困難である。
【0006】
なお、特許文献1は、取引後にその取引に関連する情報をレシート以外で顧客に提供するという観点から見出された文献である。しかし、特許文献1に記載された技術は、レシートに印刷されたコードシンボルを携帯電話機のデコード機能によってデコードし、そのブラウザ機能によって取引に関連する情報を表示するようにしたものである。つまり、一度はレシートが発行されるため、レシート用紙の消費量を削減することはできない。
【0007】
本発明の目的は、レシート用紙を消費しないでレシート情報を顧客に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の商品販売データ処理装置は、情報処理を実行する情報処理部と、商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力部と、顧客に対して情報を表示する客用表示部と、ウェブサーバとの間でデータ通信を可能にする通信部と、前記情報処理部が、商品コードと単価を含む商品情報とを対応付けて記憶する商品データファイルから前記商品コード入力部によって入力された商品コードに対応する商品情報を取得してこの商品情報が含む単価に基づき決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記取得した商品情報と前記算出した決済金額とを含むレシート情報を内容とするレシートデータを生成して、このレシートデータを前記通信部によって前記ウェブサーバに送信する手段と、前記情報処理部が、前記通信部によって送信したレシートデータが携帯電話機のブラウザ機能によって表示可能な形式で記述されたウェブページのURLを前記ウェブサーバから前記通信部によって受信して、当該受信したURLを記述するコードシンボルを生成して前記客用表示部に表示させる手段と、を備える。
【0009】
本発明のレシートシステムは、情報処理を実行するサーバ情報処理部と、外部機器との間でデータ通信を可能にするサーバ通信部と、を有するウェブサーバと、情報処理を実行する情報処理部と、商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力部と、顧客に対して情報を表示する客用表示部と、前記ウェブサーバとの間でデータ通信を可能にする通信部と、を有する商品販売データ処理装置と、前記商品販売データ処理装置の前記情報処理部が、商品コードと単価を含む商品情報とを対応付けて記憶する商品データファイルから前記商品コード入力部によって入力された商品コードに対応する商品情報を取得してこの商品情報が含む単価に基づき決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する手段と、前記商品販売データ処理装置の前記情報処理部が、前記取得した商品情報と前記算出した決済金額とを含むレシート情報を内容とするレシートデータを生成して、このレシートデータを前記通信部から前記ウェブサーバに送信する手段と、前記ウェブサーバの前記サーバ情報処理部が、前記送信されたレシートデータを受信して当該受信したレシートデータを記述するウェブページを携帯電話機のブラウザ機能によって表示可能な形式で生成し、当該生成したウェブページを特定するURLを前記サーバ通信部から前記商品販売データ処理装置に送信する手段と、前記商品販売データ処理装置の前記情報処理部が、前記送信されたURLを受信して、当該受信したURLを記述するコードシンボルを生成して前記客用表示部に表示させる手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、顧客は、客用表示部に表示されたURLを記述したコードシンボルを自分の携帯電話機のデコード機能にデコードさせ、さらにこのURLによって特定されるウェブページをブラウザ機能によって携帯電話機に表示させることにより、レシート情報を取得できる。したがって、レシート用紙を消費しないでレシート情報を顧客に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図1ないし図10に基づいて説明する。
【0012】
図1は、レシートシステム11を示すシステム構成図である。本実施の形態のレシートシステム11は、インターネット51に接続されたウェブサーバ301とPOSシステム501とを主体に構成されている。また、一般的な形態の携帯電話機401がこのインターネット51に接続可能となっている。
【0013】
POSシステム501は、コンビニエンスストアの店舗に導入されており、店舗のレジカウンタに設置された複数台の商品販売データ処理装置としてのPOS端末101と、店舗のバックヤードに設置されたストアサーバ201とが有線LANであるネットワーク回線502を介してデータ通信自在に接続されて構成されている。そして、ネットワーク回線502は、インターネット51に接続されている。
【0014】
ウェブサーバ301は、一般的なサーバコンピュータの形態を有しており、一例として、インターネットサービスプロバイダのサーバルームに設置されている。
【0015】
図2は、ウェブサーバ301のハードウェア構成を示すブロック図である。ウェブサーバ301は、各種演算処理を実行し各部を制御する情報処理部としてのCPU351を備えている。CPU351には、バスライン352を介して固定データを固定的に記憶保存するROM353及び可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM354が接続されている。
【0016】
また、CPU351には、サーバ通信部としての通信インターフェース356がバスライン352を介して接続されている。通信インターフェース356は、インターネット51への接続を実現している。したがって、ウェブサーバ301は、通信インターフェース356によって、インターネット51に接続した外部機器との間でデータ通信が可能となり、外部機器の一つであるPOS端末101を送信先としてデータ送信をすることができる。
【0017】
さらに、CPU351には、バスライン352を介してHDD355が接続されている。HDD355には、インターネット51で用いられているウェブによる情報送信機能を有するウェブサーバソフトウェア(図示せず)が記憶されている。また、HDD355には、ウェブページのデータ(図示せず)が記憶される。HDD355に記憶されるウェブページのデータは所定の通信端末が有するブラウザ機能によって取得される。そして、ブラウザ機能によって通信端末の表示部にウェブページが表示される。このような通信端末は、一例として、携帯電話機401である。
【0018】
図1に基づく説明に戻る。次に携帯電話機401について説明する。本実施の形態の携帯電話機401は、ヒンジ403によって開閉自在なハウジング402を有し、ハウジング402の閉じられる面には、ユーザのキー操作による情報入力を受け付けるキー入力部404と情報を表示する表示部405とが設けられている。キー入力部404は、文字や数字を入力するためのテンキー、表示部405に表示された情報の選択や表示部405に表示された画面の移動を可能にする十字キー、操作を決定するための決定キー等を含む。表示部405は、一例として、LCDである。また、ハウジング402の表示部405とは反対側の面には、点滅発光により着信を報知するライト459(図3参照)が設けられ、ハウジング402のキー入力部404とは反対側の面には、画像情報を入力するカメラ460(図3参照)が設けられている。さらに、ハウジング402には、電波を送受信するアンテナ458(図3参照)、無線通信の送受信を制御する無線部457(図3参照)、音声信号を出力するスピーカ455(図3参照)、及び、ユーザから音声信号を入力するマイク456(図3参照)が内蔵されている。
【0019】
図3は、携帯電話機401のハードウェア構成を示すブロック図である。携帯電話機401は、各種演算処理を実行し各部を制御する情報処理部としてのCPU451を備えている。CPU451には、所定のプログラムや通信制御データ等の固定データを固定的に記憶保存するROM453、及び、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM454がバスライン452を介して接続されている。RAM454は、その一部が不揮発性メモリであるEEPROMからなる。そして、CPU451には、キー入力部404、表示部405、ライト459、カメラ460、無線部457、スピーカ455、及び、マイク456がバスライン452を介して接続されており、プログラムに従い動作するCPU451による制御を受ける。
【0020】
本実施の形態の携帯電話機401は、カメラ460から入力されるコードシンボルを読み取って、そのコードシンボルが記述する情報にデコードするデコード機能を有する。このデコード機能によって読み取りデコード可能なコードシンボルは、一例として、二次元コードシンボルである。
【0021】
また、本実施の携帯の携帯電話機401は、ブラウザ機能を有する。ブラウザ機能は、ウェブサーバ301を含むサーバコンピュータとHTTP等を用いて通信をして、携帯電話機401に入力されて指定されたURLに対応するデータを取得し、取得したデータをその種類(HTML、CHTML、画像、テキスト等)に応じて解析し、解析結果に基づきテキストや画像を適切に配置したりテキストの文字サイズ調整等をしたりして、表示部405への表示を行うものである。
【0022】
このようなデコード機能とブラウザ機能とは、ROM453等に記憶されているプログラムをCPU451が実行することにより実現されるものである。また、これらの機能は、市場に流通している携帯電話機に一般的な機能であるため、その詳細な説明については、省略する。
【0023】
次に、POSシステム501を構成するPOS端末101について説明する。なお、POS端末101の上位装置としてのストアサーバ201は、一般的なサーバコンピュータと同様の構成を有するものであるため、その説明は省略する。
【0024】
図4は、POS端末101を示す外観斜視図である。図5は、他の方向から見たPOS端末101を示す外観斜視図である。POS端末101は、店舗のレジカウンタに載置されたドロワ102の上に載置されており、ドロワ102の引出し103の開放動作を制御することができる。
【0025】
図4に示すように、POS端末101のハウジング101aの上面には、オペレータに向けて情報を表示する表示部としてのオペレータ用表示部105が設けられている。オペレータ用表示部105は、一例としてLCDである。オペレータ用表示部105の手前側には、POS端末101に情報を入力するためのキー入力部104が設けられている。キー入力部104は、例えば、上面に数字が印字された数字を入力するためのテンキー、上面に「小計」と印字された仮締めキー、上面に「預/現計」と印字された締めキー等を含んでいる。締めキーは、POS端末101で実行される後述する商品販売データ処理の終了を宣言するために押下されるキーである。
【0026】
また、POS端末101には、JAN等のコードシンボルの形態で商品に付された商品コードを光学的に読み取る商品コード入力部としてのコードリーダ111が接続されており、オペレータ用表示部105の左側には、このコードリーダ111が一時的に配置されている。コードリーダ111は、所定パターンの可視光半導体レーザを照射し、コードシンボルからの反射光を受光素子が受光する。そして、受光素子の出力信号に基づくコードシンボルの受光信号をデコードし、そのコードシンボルが記述する商品コードを取得し、POS端末101のCPU151(図6参照)に出力する。
【0027】
図5に示すように、POS端末101のハウジング101aの客側の面には、顧客に向けて情報を表示する表示部としての客用表示部107が設けられている。客用表示部107は、一例としてLCDである。さらに、顧客側から見て客用表示部107の右側には、RFIDリーダライタ112がハウジング101aと一体的に設けられている。RFIDリーダライタ112は、RFIDリーダライタ112と正対する位置に位置付けられたパッシブタイプのRFIDタグ(図示せず)と通信を確立して、このRFIDタグのICチップ(図示せず)に対してデータの読み書きを実行する。RFIDタグは、一例として、樹脂製の会員カードや電子マネーカードであり、携帯電話機401に搭載されている場合もある。RFIDリーダライタ112は、ICチップに記憶されている顧客コードや電子マネーのデータを取得して、POS端末101のCPU151(図6参照)に出力する。
【0028】
図6は、POS端末101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末101は、各種演算処理を実行し各部を制御する情報処理部としてのCPU151を備えている。CPU151には、バスライン152を介して固定データを固定的に記憶保存するROM153及び可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM154が接続されている。
【0029】
CPU151には、ドロワ102、キー入力部104、オペレータ用表示部105、客用表示部107、コードリーダ111、RFIDリーダライタ112がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続され、CPU151によって動作制御される。
【0030】
また、CPU151には、通信インターフェース113がバスライン152を介して接続されている。通信インターフェース113は、ネットワーク回線502を介してストアサーバ201やインターネット51への接続を実現している。したがって、POS端末101は、通信インターフェース113によって、インターネット51に接続したウェブサーバ301との間でデータ通信が可能となり、ウェブサーバ301を送信先としてデータ送信をすることができる。
【0031】
さらに、CPU151には、バスライン152を介してHDD155が接続されている。HDD155には、オペレーティングシステム、コンピュータプログラム、各種ファイル等が記憶されており、POS端末101の起動時に、その全部又は一部がRAM154にコピーされて使用される。CPU151は、RAM154にコピーされたコンピュータプログラムに従った処理を実行する。
【0032】
なお、POS端末101のマザーボード(図示せず)上には、計時専用のチップであるリアルタイムクロック(図示せず)が設けられている。オペレーティングシステムは、その起動時にリアルタイムクロックから日時を取得し、その後は独自に計時する。
【0033】
CPU151がコンピュータプログラムに従って実行する処理は、一例として、商品販売データ処理である。商品販売データ処理は、概略的には、コードリーダ111から出力される商品コードに基づいて決済金額を算出する処理である(図7参照)。
【0034】
HDD155に記憶されているファイルの一例は、商品データファイルF1である。商品データファイルF1は、商品を特定する商品コードに対応付けてその商品の単価、商品名、値引情報等の商品情報を記憶するファイルである。商品販売データ処理中にCPU151によってデータアクセスされる。
【0035】
HDD155に記憶されているファイルの別の一例は、広告コンテンツファイルF2である。広告コンテンツファイルF2は、商品販売データ処理の実行中に客用表示部107に表示される広告情報表示B1(図8参照)のデータを記憶するファイルである。客用表示部107に表示される広告情報表示B1は、POSシステム501が導入されている店舗で販売されている又は販売予定の商品を顧客に広告するものであり、その商品の画像、商品名、単価等を表示するものである。したがって、広告情報表示B1のデータは、テキストデータ、画像データ等を含み、レイアウト情報も含んでいる。
【0036】
HDD155に記憶されているファイルのさらに別の一例は、公共コンテンツファイルF3である。公共コンテンツファイルF3は、広告情報表示B1と同様に、商品販売データ処理の実行中に客用表示部107に表示される公共情報表示B3(図8参照)のデータを記憶するファイルである。客用表示部107に表示される公共情報表示B3は、POSシステム501が導入されている店舗付近の公共情報(例えば天気予報)を顧客に報知するものであり、主にテキストデータによって構成されている。
【0037】
商品データファイルF1、広告コンテンツファイルF2、公共コンテンツファイルF3は、POS端末101とデータ通信可能に接続されたストアサーバ201から配信されて、POS端末101のHDD155に格納されている。公共コンテンツファイルF3は、インターネット51からPOS端末101に直接配信されても良い。
【0038】
ところで、本実施の形態のPOS端末101では、商品販売データ処理の実行に伴って、取引毎に後述するレシートデータがCPU151によって生成される。レシートデータには、固有のレシートコードが含まれる。
【0039】
「レシートコード」は、POS端末101を識別する「POS端末コード」と取引を識別する「取引コード」との組合せによって構成される。例えば、「POS端末コード」が「02」であり、「取引コード」が「1234」である場合に、「レシートコード」は、「POS端末コード」と「取引コード」とが組み合わされて、「021234」となる。ここで、「POS端末コード」と「取引コード」とは、POS端末101のRAM154に記憶保持されている。このとき、「POS端末コード」は不変なデータである一方で、「取引コード」は一取引毎にCPU151によってインクリメントされる。したがって、同じPOS端末101で次に生成されるレシートデータに含まれる「レシートコード」は、「021235」となる。
【0040】
図7は、商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。POS端末101のCPU151は、コードシンボルを読み取ったコードリーダ111から出力される商品コードの入力に待機している(ステップS101)。そして、商品コードの入力を判定したならば(ステップS101のY)、CPU151は、入力された商品コードをRAM154に一時記憶させ、この商品コードに対応する商品情報を商品データファイルF1から取得する(ステップS102)。取得した商品情報は、RAM154に一時記憶される。このとき、POS端末101のCPU151は、取得した商品情報に基づく商品情報表示B22(図8参照)を客用表示部107に表示させる。
【0041】
図8は、客用表示部107の画面表示の一例を示す模式図である。客用表示部107の全域には、取引中に表示される取引中画面Aが表示されている。取引中画面Aは、画面左側部分を占有する広告領域A1と、画面右側を占有するユーザ領域A2と、画面下側部分を占有する横長の公共領域A3とを有する。広告領域A1には、広告コンテンツファイルF2に記憶されているデータに基づく広告情報表示B1が表示されている。また、公共領域A3には、公共コンテンツファイルF3に記憶されているデータに基づく公共情報表示B3が表示されている。
【0042】
図8に例示する広告情報表示B1は、「こだわり弁当」の広告をその内容とするものであり、「こだわり弁当」の詳細を広告するウェブページを特定するURLのテキストと、このURLを記述した二次元コードシンボルとを含んでいる。このとき、携帯電話機401が有するデコード機能を発揮させて、広告情報表示B1が含む二次元コードシンボルをカメラ460で読み取ってURLにデコードすることができる。また、携帯電話機401が有するブラウザ機能を発揮させて、デコードしたURLを指定してウェブページのデータを取得し、表示部405に「こだわり弁当」の広告を記述するウェブページを表示させることができる。なお、時間の経過に応じて、「こだわり弁当」以外の商品を広告する別の広告情報表示B1が広告領域A1に出現するようにしても良い。
【0043】
また、図8に例示する公共情報表示B3は、「東京」の「明日の天気」をその内容とするものであり、テキストによって構成されている。なお、公共情報表示B3が画面中を右から左にスクロール移動して、「東京」以外の「明日の天気」を内容とするテキストによって構成された別の公共情報表示B3が次々と公共領域A3に出現するようにしても良い。
【0044】
そして、図8に例示するユーザ領域A2の上方部分には、オペレーティングシステムが計時する日時に基づく時刻表示B21が表示されている。時刻表示B21が示す時刻は現在時刻である。
【0045】
さらに、前述したように、ユーザ領域A2の下方部分には、商品情報表示B22が表示されている。商品情報表示B22は、コードリーダ111からの商品コードに基づき商品データファイルF1から取得された商品情報のテキスト表示である。
【0046】
図7に基づく説明に戻る。ステップS101及びステップS102の処理は、キー入力部104が有する「小計」と表示された仮締めキーが押下されるまで(ステップS103のY)繰り返し実行される。そして、CPU151は、仮締めキーの押下を判定したならば(ステップS103のY)、RAM154に一時記憶されている単価に基づいて決済金額を算出してこれをRAM154に一時記憶させる(ステップS104)。決済金額は、基本的には単価の合計金額である。しかし、ステップS102で商品データファイルF1から取得した商品情報に値引情報が含まれている場合には、この値引情報が反映された金額となる。
【0047】
また、POS端末101のCPU151は、算出した決済金額を金額情報表示B23(図9参照)として客用表示部107に表示させる。顧客は客用表示部107に表示された決済金額を見て、現金又は電子マネーによって金銭の支払をすることになる。顧客の支払が現金である場合、オペレータは顧客から預った金額をキー入力部104のテンキーを操作してPOS端末101に入力する。CPU151は、入力された金額を預り金額としてRAM154に一時記憶させ、預り金額から決済金額を減算して釣銭金額を算出し、算出した釣銭金額をRAM154に一時記憶させる。一方で、顧客の支払が電子マネーである場合、オペレータは、RFIDタグである電子マネーカードやRFIDタグが内蔵された携帯電話機401をRFIDリーダライタ112にかざすように促す。これにより、RFIDリーダライタ112とRFIDタグとは通信可能状態となり、この状態でRFIDリーダライタ112はICチップに記憶されている電子マネーを引き落としする。そして、POS端末101のCPU151は、引き落としされた電子マネーの金額を預り金額としてRAM154に一時記憶させる。POS端末101のCPU151は、預り金額、釣銭金額についても金額情報表示B23(図9参照)として客用表示部107に表示させる。
【0048】
次に、POS端末101のCPU151は、キー入力部104の「預/現計」と表示された締めキーの押下を待機し(ステップS105)、締めキーが押下されたならば(ステップS105のY)、レシートデータを生成する(ステップS106)。CPU151が生成するレシートデータは、RAM154に一時記憶されている商品情報、決済金額、預り金額、釣銭金額を含み、現在時刻も取引を特定する取引日時として含まれる。さらに、レシートデータには、図6に基づいて説明した固有のレシートコードが含まれる。そして、CPU151は、ウェブサーバ301を送信先としてインターネット51を経由させて、作成したレシートデータを送信する(ステップS106)。
【0049】
ウェブサーバ301のCPU351は、POS端末101から送信されたレシートデータを通信インターフェース356を介して受信すると(ステップS201のY)、受信したレシートデータに基づくレシート情報を記述するウェブページのデータを生成する(ステップS202)。つまり、生成されるウェブページのデータは、レシートデータが含む商品情報、決済金額、預り金額、釣銭金額、取引日時、レシートコード等の情報のテキストデータやHTMLによるレイアウト情報等によって構成されている。生成したウェブページのデータは、ウェブサーバ301のHDD355に記憶される。このとき、ウェブページのデータは、一例として、「receipt」という名のフォルダにレシートコードである「021234」という名が付けられて格納される。
【0050】
そして、ウェブサーバ301のCPU351は、生成したウェブページのデータを特定するためのURLをPOS端末101に対して送信する(ステップS203)。送信先となるPOS端末101は、レシートデータを送信したPOS端末101である。
【0051】
このURLは、英数字のテキストによって構成され、一例として、「http://xxx.co.jp/receipt/021234」となる。このURL中の「xxx.co.jp」は、ホストであるウェブサーバ301を表すホスト名であり、これに続く「/receipt/021234」は、ウェブサーバ301に格納されたウェブページを特定するための詳細である。
【0052】
POS端末101のCPU151は、ウェブサーバ301から送信されたURLを通信インターフェース113を介して受信すると(ステップS107のY)、このURLを記述する二次元コードシンボルを生成する(ステップS108)。したがって、POS端末101のHDD355には、URLのような英数字のテキストを二次元コードシンボル化するコンピュータプログラムが記憶されている。次いで、POS端末101のCPU151は、生成した二次元コードシンボルを含むリンク情報表示B24(図9参照)を生成して、客用表示部107に表示されている取引中画面Aのユーザ領域A2に表示させる(ステップS108)。
【0053】
図9は、客用表示部107の画面表示の別の一例を示す模式図である。なお、取引中画面A中の広告領域A1に表示されている広告情報表示B1、ユーザ領域A2に表示されている時刻表示B21、公共領域A3に表示されている公共情報表示B3については、図8に基づいて説明したものと変わるものではないため、その説明は省略する。
【0054】
図9に示すように、ユーザ領域A2の下方位置には、商品情報表示B22(図8参照)に変えて金額情報表示B23が表示されている。金額情報表示B23は、仮締めによって算出してRAM154に記憶させた決済金額を「合計」というテキストの右側に配置して表示している。また、同じくRAM154に記憶された預り金額を「お預り」というテキストの右側に、釣銭金額を「お釣り」というテキストの右側にそれぞれ配置して表示している。
【0055】
そして、図9に示すように、ユーザ領域A2には、金額情報表示B23の上方位置に位置させて、リンク情報表示B24が表示されている。リンク情報表示B24は、前述したように、ウェブサーバ301から送信されたURLを記述する二次元コードシンボルを含んでいる。このとき、携帯電話機401が有するデコード機能を発揮させて、リンク情報表示B24が含む二次元コードシンボルをカメラ460で読み取ってURLにデコードすることができる。また、携帯電話機401が有するブラウザ機能を発揮させて、デコードしたURLを指定してウェブサーバ301から対応するウェブページのデータを取得し、表示部405にレシート情報を記述するウェブページWP(図10参照)を表示させることができる。なお、リンク情報表示B24は、ウェブサーバ301から送信されたURLを示すテキストも表示している。そのため、携帯電話機401のキー入力部404によってURLを直接入力しても良い。
【0056】
図10は、ウェブページWPが表示部405に表示された携帯電話機401を示す正面図である。表示部405の画面に表示されているウェブページWPは、レシートコード「021234」によって特定されるレシートデータに基づくレシート情報を記述している。そのため、「レシートコード 021234」という一行のテキストで表示されたレシートコードWP1が、ウェブページWPにおける店舗ロゴWP2の下方位置に表示されている。なお、店舗ロゴWP2もテキストであり、ウェブページWPのデータが生成される際に含まれる。
【0057】
図10(a)に示すウェブページWPは、表示部405の画面範囲が小さいため、記述内容の一部のみが表示されて、下側部分は表示されていない。具体的には、店舗ロゴWP2及びレシートコードWP1の他に、取引日時WP3と商品情報WP4とが表示されて、金額情報WP5はその一部のみが表示されている。そこで、携帯電話機401のキー入力部404における十字キーの下方向部分を押下すると、ウェブページWPは表示部405の画面中を上方向にスクロール移動する。これにより、図10(b)に示すように、金額情報WP5は、その全部が表示部405に表示される。このとき、店舗ロゴWP2とレシートコードWP1とは表示部405の画面中には表示されなくなる。このようにして、顧客はレシート情報を記述したウェブページWPを閲覧することが可能となるので、取引後にその取引内容を示すレシート情報を取得することができる。
【0058】
なお、ウェブページWPのデータについては、携帯電話機401に一般的な機能によってRAM454に保存することができ、さらに、このデータを読み出していつでも表示部405にウェブページWPを表示させることができる。そのため、所定の有効期限が過ぎた場合には、携帯電話機401のブラウザ機能によってウェブサーバ301から対応するデータを取得することができなくなるようにしてもよい。
【0059】
以上説明したように本実施の形態によれば、レシート用紙を消費しないでレシート情報を顧客に提供できる。これにより、レシート用紙の膨大な消費量が削減されるため、環境問題の改善に対する大きな効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】レシートシステムを示すシステム構成図である。
【図2】ウェブサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】POS端末を示す外観斜視図である。
【図5】他の方向から見たPOS端末を示す外観斜視図である。
【図6】POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】客用表示部の画面表示の一例を示す模式図である。
【図9】客用表示部の画面表示の別の一例を示す模式図である。
【図10】ウェブページが表示部に表示された携帯電話機を示す正面図である。
【符号の説明】
【0061】
11…レシートシステム,101…POS端末(商品販売データ処理装置),107…客用表示部,111…コードリーダ(商品コード入力部),113…通信インターフェース(通信部),151…CPU(情報処理部),301…ウェブサーバ,351…CPU(サーバ情報処理部),356…通信インターフェース(サーバ通信部),401…携帯電話機,F1…商品データファイル,WP…ウェブページ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する情報処理部と、
商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力部と、
顧客に対して情報を表示する客用表示部と、
ウェブサーバとの間でデータ通信を可能にする通信部と、
前記情報処理部が、商品コードと単価を含む商品情報とを対応付けて記憶する商品データファイルから前記商品コード入力部によって入力された商品コードに対応する商品情報を取得してこの商品情報が含む単価に基づき決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記取得した商品情報と前記算出した決済金額とを含むレシート情報を内容とするレシートデータを生成して、このレシートデータを前記通信部から前記ウェブサーバに送信する手段と、
前記情報処理部が、前記通信部から送信したレシートデータが携帯電話機のブラウザ機能によって表示可能な形式で記述されたウェブページのURLを前記ウェブサーバから受信して、当該受信したURLを記述するコードシンボルを生成して前記客用表示部に表示させる手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記商品販売データ処理の終了を宣言するための締めキーを備え、
前記情報処理部は、前記締めキーの押下に応じて前記レシートデータの生成及び送信をするようにした、
請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記URLを記述するコードシンボルは、二次元コードシンボルである、
請求項1又は2記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
情報処理を実行するサーバ情報処理部と、外部機器との間でデータ通信を可能にするサーバ通信部と、を有するウェブサーバと、
情報処理を実行する情報処理部と、商品を特定する商品コードを入力するための商品コード入力部と、顧客に対して情報を表示する客用表示部と、前記ウェブサーバとの間でデータ通信を可能にする通信部と、を有する商品販売データ処理装置と、
前記商品販売データ処理装置の前記情報処理部が、商品コードと単価を含む商品情報とを対応付けて記憶する商品データファイルから前記商品コード入力部によって入力された商品コードに対応する商品情報を取得してこの商品情報が含む単価に基づき決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する手段と、
前記商品販売データ処理装置の前記情報処理部が、前記取得した商品情報と前記算出した決済金額とを含むレシート情報を内容とするレシートデータを生成して、このレシートデータを前記通信部から前記ウェブサーバに送信する手段と、
前記ウェブサーバの前記サーバ情報処理部が、前記送信されたレシートデータを受信して当該受信したレシートデータを記述するウェブページを携帯電話機のブラウザ機能によって表示可能な形式で生成し、当該生成したウェブページを特定するURLを前記サーバ通信部から前記商品販売データ処理装置に送信する手段と、
前記商品販売データ処理装置の前記情報処理部が、前記送信されたURLを受信して、当該受信したURLを記述するコードシンボルを生成して前記客用表示部に表示させる手段と、
を備えるレシートシステム。
【請求項5】
前記商品販売データ処理装置は、前記商品販売データ処理の終了を宣言するための締めキーを備え、
前記商品販売データ処理装置の前記情報処理部は、前記締めキーの押下に応じて前記レシートデータの生成及び送信をするようにした、
請求項4記載のレシートシステム。
【請求項6】
前記URLを記述するコードシンボルは、二次元コードシンボルである、
請求項4又は5記載のレシートシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−251669(P2009−251669A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95342(P2008−95342)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】