説明

商品販売処理システムおよびその制御プログラム

【課題】 買物客の操作によるチェックアウト業務を的確かつ迅速に支援することができ、使い勝手の向上および稼働率の向上が図れる商品販売処理システムおよびその制御プログラムを提供する。
【解決手段】 セルフPOS端末1のタッチパネル付ディスプレイ2で表示されている操作案内画面のヘルプ釦63がタッチされると、買物客が次に操作すべき操作要領域をアテンダントPC端末20側のアテンダントの操作によって指定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、買物客が自らの操作でチェックアウト業務を行うセルフチェックアウト式の商品販売処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
量販店や小売店等では、店舗におけるチェックアウトの業務を支援するシステムとして、POS(Point Of Sales)システムが利用される。このPOSシステムでは、商品に固有の商品コードが割り当てられ、その商品コードに対応するバーコードが商品に付されるとともに、店舗のレジカウンタなどにPOS端末が設置される。
【0003】
POS端末は、商品のバーコードを読取り、読取ったバーコードから商品名や販売価格などの商品販売データを判別するもので、キャッシャと称される店員が操作してチェックアウト業務を行う有人式と、買物客が自らの操作でチェックアウト業務を行うセルフチェックアウト式とがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−146598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セルフチェックアウト式のPOS端末は、設置場所の占有面積が有人式のものに比べて小さくてすむ、キャッシャの数を減らすことができて人件費の削減が図れる、買物のプライバシーが守れるなどの利点がある反面、買物客にとっては使用中に使い方が分からなくなってチェックアウト業務が進まなくなることがある。
【0006】
本発明の実施形態の目的は、買物客の操作によるチェックアウト業務を的確かつ迅速に支援することができ、使い勝手の向上および稼働率の向上が図れる商品販売処理システムおよびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の商品販売処理システムは、買物客による商品登録操作を案内する画面データを表示する第1表示手段と、係員の操作によるデータ入力が可能な第2表示手段と、複数の操作領域および特定表示が含まれるデータ入力用の操作案内画面を前記第1表示手段で表示する第1制御手段と、前記第1表示手段で表示されている操作案内画面の特定表示が操作された場合に、その操作案内画面と同じ操作領域が含まれるサポート画面を前記第2表示手段で表示する第2制御手段と、前記第2表示手段で表示されるサポート画面内のいずれかの操作領域が操作された場合に、前記第1表示手段で表示されている操作案内画面の各操作領域のうち、その操作された操作領域と同じ操作領域を通常とは異なる表示形態で表示する第3制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態の全体的な構成を示す図。
【図2】一実施形態の制御回路を示すブロック図。
【図3】一実施形態におけるセルフPOS端末の操作案内画面を示す図。
【図4】一実施形態におけるセルフPOS端末のバーコード読取り後の操作案内画面を示す図。
【図5】一実施形態におけるセルフPOS端末のバーコードなし商品に対する操作案内画面を示す図。
【図6】図5でいずれかの商品が指定された場合の操作案内画面を示す図。
【図7】図6において商品の点数が入力された場合の操作案内画面を示す図。
【図8】図7に続く操作案内画面を示す図。
【図9】一実施形態におけるセルフPOS端末の制御を説明するためのフローチャート。
【図10】一実施形態におけるアテンダントPC端末の制御を説明するためのフローチャート。
【図11】一実施形態におけるセルフPOS端末の操作案内画面のヘルプ釦に対するタッチ操作を示す図。
【図12】一実施形態におけるアテンダントPC端末のサポート画面とそのサポート画面に対するタッチ操作を示す図。
【図13】一実施形態におけるセルフPOS端末の操作案内画面の操作要領域が通常と異なる表示形態に切換わった状態を示す図。
【図14】一実施形態におけるセルフPOS端末の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0009】
1…セルフPOS端末、2…タッチパネル付ディスプレイ、3…マイクロフォン、4…スキャナ、5…カード挿入口、6…レシート発行口、7…スピーカ、8…硬貨投入口、9…硬貨排出口、10…紙幣投入口、11…紙幣排出口、12…手持式スキャナ、13…商品載置台、14…商品載置台、20…アテンダントPC端末、21…操作部、22…ディスプレイ、23…CPU、25…音声入出力ユニット、30…サーバ、40…CPU、43…音声入出力ユニット
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1において、1は買物客が自らの操作でチェックアウト業務を行うセルフPOS(Point Of Sales)端末で、店舗の出口付近に配置される。
【0011】
このセルフPOS端末1は、買物客のタッチ操作によるデータ入力が可能なタッチパネル付ディスプレイ2(第1表示手段)、買物客の音声を取込むマイクロフォン3、買物客が翳す商品のバーコードをガラス面を通して光学的に読取るスキャナ4、買物客のポイントカードや精算用のICカードを挿入するカード挿入口5、チェックアウト業務の完了時にプリントされるレシートを排出するレシート発行口6、後述するアテンダントの音声を発するスピーカ7、精算用の硬貨を投入する硬貨投入口8、釣り硬貨を返却する硬貨排出口9、精算用の紙幣を投入する紙幣投入口10、釣り紙幣を返却する紙幣排出口11、買物客が手持ちで商品のバーコードを読取る場合に使用される手持式スキャナ12、未精算商品を載置するための商品載置台13、精算済み商品を載置するための商品載置台14などを有する。
【0012】
上記ディスプレイ2は、買物客が自らの操作でチェックアウト業務を行うのに必要なデータ入力用の操作案内画面を表示する。また、タッチパネルにより買物客の操作を検知する。商品載置台14は、袋吊下げ用のフック14a,14bを備える。
【0013】
このセルフPOS端末1に、LAN等の通信ネットワーク15を介して同じ店舗内のアテンダントPC端末20および上位ホストコンピュータとして機能するサーバ30が接続される。アテンダントPC端末20は、セルフPOS端末1から少し離れたところに常駐する係員いわゆるアテンダントの机に設置されたパーソナルコンピュータであり、多数のキーからなる操作部21およびタッチ操作によるデータ入力が可能なディスプレイ(第2表示手段)22を有する。このディスプレイ22の他に、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力データバス26を有する。サーバ30は、セルフPOS端末1およびアテンダントPC端末20の処理に必要な種々のデータおよび処理プログラムを記憶している。
【0014】
これらセルフPOS端末1、アテンダントPC端末20、サーバ30により、買物客の操作によりチェックアウト業務を行うセルフチェックアウト式の商品販売処理システムが構成される。この商品販売処理システムの制御回路を図2に示す。
まず、セルフPOS端末1は、主制御部としてマイクロコンピュータのCPU(Central Processing Unit)40を備える。このCPU40に、ディスプレイ2、スキャナ4、手持式スキャナ12、商品販売処理に必要なオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムが格納されたハードディスクドライブ(HDD)41、データ記憶用のRAM42、上記マイクロフォン3からの音声入力およびスピーカ7への音声出力を処理する音声入出力ユニット43、計時用のタイマ44、上記カード挿入口5に挿入されるカードに対するデータの読取りおよび書込みを行うカードリーダライタ45、上記硬貨投入口8へ投入される硬貨を処理する硬貨投入ユニット46、上記硬貨排出口9への排出硬貨を処理する硬貨排出ユニット47、上記紙幣投入口10へ投入される紙幣を処理する紙幣投入ユニット48、上記紙幣排出口11への排出紙幣を処理する紙幣排出ユニット49、商品載置台13に載置される商品の重量を計る未精算側計量ユニット50、商品載置台14に載置される商品の重量を計る精算済側計量ユニット51、レシート発行用のプリンタ52、アテンダントPC端末20およびサーバ30とのデータ送受信を行う通信ユニット53などが接続される。
【0015】
アテンダントPC端末20は、主制御部であるCPU23に上記操作部21、ディスプレイ22、セルフPOS端末1およびサーバ30とのデータ送受信を行う通信ユニット24、アテンダントからの音声入力およびアテンダントへの音声出力を処理する音声入出力ユニット25などが接続される。
【0016】
そして、セルフPOS端末1のCPU40は、主要な機能として次の(1)〜(7)の手段を有する。
(1)複数の操作領域およびヘルプ釦の表示(第1特定表示)が含まれるデータ入力用の操作案内画面をディスプレイ2で表示する制御手段(第1制御手段)。
【0017】
(2)ディスプレイ2で表示される操作案内画面へのタッチ操作に応じて商品販売処理のチェックアウト業務を実行する制御手段。
【0018】
(3)ディスプレイ2で表示されている操作案内画面のヘルプ釦がタッチ操作された場合に、ヘルプ指令をアテンダントPC端末20に送る制御手段。
【0019】
(4)ディスプレイ2で表示されている操作案内画面のヘルプ釦がタッチ操作された場合に、マイクロフォン3とスピーカ7を含む音声入出力ユニット43の通話機能をオンする制御手段。
【0020】
(5)アテンダントPC端末20のディスプレイ22で表示されるサポート画面内のいずれかの操作領域がアテンダントによりタッチ操作された場合に、ディスプレイ2で表示されている操作案内画面の各操作領域のうち、そのタッチ操作された操作領域と同じ操作領域を通常とは異なる表示形態で表示する制御手段(第3制御手段)。通常とは異なる表示形態とは、通常より目立つ表示形態のことであり、表示の明るさを増したり、表示の明るさを頻繁に増減したり、表示の色を変えたり、表示を点滅したり、表示領域を枠で囲むなど、そのいずれでもよい。
【0021】
(6)上記通常とは異なる表示形態で表示される操作領域がタッチ操作された場合に、その操作領域の表示を通常の表示形態に戻す制御手段。
【0022】
(7)上記通常とは異なる表示形態で表示される操作領域がタッチ操作された場合に、タッチ操作が完了した旨をアテンダントPC端末20に知らせるとともに、音声入出力ユニット43の通話機能をオフする制御手段。
【0023】
一方、アテンダントPC端末20のCPU23は、主要な機能として次の(11)〜(16)の手段を有する。
(11)セルフPOS端末1からヘルプ指令を受けた場合に、セルフPOS端末1のディスプレイ2で表示されている操作案内画面と同じ操作領域およびエマージェンシ釦の表示(第2特定表示)が含まれるサポート画面をディスプレイ22で表示する制御手段(第2制御手段)。
【0024】
(12)セルフPOS端末1からヘルプ指令を受けた場合に、音声入出力ユニット25の通話機能をオンする制御手段。
【0025】
(13)上記表示されるサポート画面内のいずれかの操作領域がタッチ操作された場合に、そのタッチ操作された操作領域をセルフPOS端末1に知らせる制御手段。
【0026】
(14)上記表示されるサポート画面内のエマージェンシ釦がタッチ操作された場合に、そのサポート画面内の各操作領域に対するタッチ操作を上記チェックアウト業務のためのデータ入力として取込む制御手段(第4制御手段)。
【0027】
(15)ディスプレイ2において通常とは異なる表示形態で表示されている操作領域に対する買物客のタッチ操作が完了した場合に、ディスプレイ22におけるサポート画面の表示を解除する制御手段。
【0028】
(16)ディスプレイ2において通常とは異なる表示形態で表示されている操作領域に対する買物客のタッチ操作が完了した場合に、音声入出力ユニット25の通話機能をオフする制御手段。
【0029】
つぎに、買物客によるチェックアウト業務について説明する。
セルフPOS端末1のディスプレイ2に表示されている図1に示すような初期画面が買物客の手指でタッチされると、その初期画面に代えて、図3に示す操作案内画面がディスプレイ2で表示される。
【0030】
この操作案内画面は、買物客への案内文を表示する案内文表示領域61、現在時刻を表示する時計表示領域62、買物客が困ったときにタッチする操作領域であるヘルプ釦63、タッチ操作による入力データを表示する入力データ表示領域64、購入しようとする商品の合計点数および合計料金を表示する合計表示領域65、バーコードなし商品を指定する場合にタッチする操作領域であるバーコード無商品指定領域66、大型商品を指定する場合にタッチする操作領域である大型商品指定釦67、店員を呼出すときにタッチする操作領域である店員呼出釦68、チェックアウト業務を中止したいときにタッチする操作領域である中止釦69を有する。上記入力データ表示領域64は、前の操作案内画面を表示したいときにタッチする操作領域として前ページ釦64a、次の操作案内画面を表示したいときにタッチする操作領域として次ページ釦64bを含む。バーコード無商品指定領域66は、種類別の“やさい釦”“くだもの釦”“魚介釦”“そうざいつめあわせ釦”“その他釦”を含む。
【0031】
案内文表示領域61の案内文『商品のバーコードをガラス面に近づけてください』に従って買物客が商品をスキャナ4に翳すと、その商品のバーコードが読取られる。このとき、図4に示すように、読取られたバーコードに対応する商品情報(商品名・点数・単価)64cが入力データ表示領域64の最上行に表示される。そして、商品の合計点数および合計金額が合計表示領域65で表示されるとともに、その合計表示領域65の横に会計釦70が表示される。
【0032】
買物客は、次の商品がバーコードのない例えば野菜である場合、バーコード無商品指定領域66の“やさい釦”に手指でタッチする。すると、図5に示すように、野菜の写真・名称・単価を種類別に記載した多数のラベル釦64d、および前の表示に戻りたいときにタッチする“もどる”釦64jが入力データ表示領域64に表示されるとともに、『商品のボタンを押してください』という案内文が案内文表示領域61に表示される。
【0033】
購入しようとする野菜が“きゅうり”であれば、買物客は“きゅうり”のラベル釦64dにタッチする。このとき、図6に示すように、“きゅうり”の名称・写真・単価のほかに数値入力キーボードを含む点数設定用窓64e、前のラベル釦64dの表示に戻りたいときにタッチする“もどる”釦64f、点数設定用窓64eの設定内容を確定するときにタッチする“OK”釦64gが入力データ表示領域64に表示されるとともに、『商品の点数を入力して[OK]ボタンを押してください』という案内文が案内文表示領域61に表示される。買物客が数値入力キーボードへのタッチにより点数を入力し且つ“OK”釦64gにタッチすると、図7に示すように、“きゅうり”の名称・写真・単価・点数・合計金額を含む入力確定窓64hが操作案内画面上にポップアップ表示されるとともに、『商品を袋に入れてください』という案内文が案内文表示領域61に表示される。
【0034】
買物客が“きゅうり”を商品載置台14のフック14a,14bに吊下げた袋に入れると、その重量増が精算済側計量ユニット51で計量される。この計量に伴い、図8に示すように、“きゅうり”に関する上記入力確定窓64hの表示内容に対応する商品情報(商品名・点数・単価)64iが入力データ表示領域64の上から2行目位置に表示される。そして、商品の合計点数および合計金額が合計表示領域65で表示されるとともに、その合計表示領域65の横に会計釦70が表示される。案内文表示領域61には『商品のバーコードをガラス面に近づけてください』という案内文が再び表示される。
【0035】
この状態で買物客が会計釦70にタッチすると、入力データ表示領域64および合計表示領域65の表示内容が確定され、買物客の現金投入またはカード使用による決済が行われる。
【0036】
ところで、買物客にとっては、セルフPOS端末1を使用しているとき、途中でどのような操作をすればよいか分からなくなることがある。例えば、1つ目の商品のバーコード読取りによるデータ入力が完了した時点の図4の操作案内画面において、次の商品がバーコードのない商品である場合に、次の操作として何をすべきか分からなくなることが多い。
【0037】
この場合、買物客は操作案内画面内のヘルプ釦63にタッチすればよい。ヘルプ釦63がタッチされた場合のセルフPOS端末1のCPU40の制御を図9のフローチャートに示し、アテンダントPC端末20のCPU23の制御を図10のフローチャートに示す。以下、これらの制御について説明する。
【0038】
セルフPOS端末1のCPU40は、図11のヘルプ釦63がタッチされると(ステップ101のYES)、ヘルプ指令をアテンダントPC端末20に送るとともに(ステップ102)、マイクロフォン3とスピーカ7を含む音声入出力ユニット43の通話機能をオンする(ステップ103)。
【0039】
アテンダントPC端末20のCPU23は、セルフPOS端末1からヘルプ指令を受けると(ステップ201のYES)、図12に示すように、セルフPOS端末1のディスプレイ2で表示されている操作案内画面と同じ操作領域およびエマージェンシ釦80の表示が含まれるサポート画面をディスプレイ22で表示するとともに、音声入出力ユニット25の通話機能をオンする(ステップ203)。
【0040】
アテンダントPC端末20の前に待機するアテンダントは、ディスプレイ22の表示がサポート画面に切換わったことで、セルフPOS端末1の前に立つ買物客が困っている状況にあることを察知し、オン状態の通話機能を用いてセルフPOS端末1側の買物客と通話する。この通話により、アテンダントは、次にデータ入力しようとする商品がバーコードのない商品であること、買物客が次の操作として何をするべきか分からず困っていることを把握する。そして、アテンダントは、この状況把握に基づき、次に操作すべき操作要領域がバーコード無商品指定領域66であることを判定し、図12に示すようにバーコード無商品指定領域66にタッチしてそのバーコード無商品指定領域66を指定する。
【0041】
アテンダントPC端末20のCPU23は、アテンダントのタッチ操作によりバーコード無商品指定領域66が指定されると(ステップ204のYES)、その指定されたバーコード無商品指定領域66をセルフPOS端末1に知らせる(ステップ205)。
【0042】
セルフPOS端末1のCPU40は、操作要領域の指定の知らせを受けると(ステップ104のYES)、図13にジグザグ線で囲んで示すように、指定された操作要領域であるバーコード無商品指定領域66の表示を通常より目立つ表示形態たとえば点滅表示に切換えるとともに(ステップ105)、『点滅領域にタッチしてください』という案内文を案内文表示領域61に表示する。
【0043】
買物客は、ディスプレイ2における操作案内画面のバーコード無商品指定領域66が点滅表示することにより、次に操作すべき操作領域がバーコード無商品指定領域66であることを的確かつ迅速に把握することができる。
【0044】
そして、セルフPOS端末1のCPU40は、指定された操作要領域であるバーコード無商品指定領域66が買物客によってタッチされると(ステップ106)、バーコード無商品指定領域66の表示を通常の表示形態に戻し(ステップ107)、図5のように多数のラベル釦64dを含む操作案内画面を表示する。さらに、指定された操作要領域に対するタッチ操作が完了した旨をアテンダントPC端末20に知らせるとともに、音声入出力ユニット43の通話機能をオフする(ステップ108)。
【0045】
アテンダントPC端末20のCPU23は、タッチ操作が完了した旨の知らせを受けると(ステップ206のYES)、サポート画面の表示を解除するとともに(ステップ207)、音声入出力ユニット25の通話機能をオフする(ステップ208)。
【0046】
なお、アテンダントPC端末20のCPU23は、操作要領域を指定してからタッチ操作完了の知らせを受けるまでの期間(ステップ206のNO、ステップ209のNO)、操作要領域の指定を含む全てのタッチ操作をチェックアウト業務のためのデータ入力としてセルフPOS端末1にデータ送信することはしない(ステップ210)。ただし、サポート画面内のエマージェンシ釦80がタッチ操作されると(ステップ209のYES)、サポート画面内の各操作領域に対するタッチ操作をチェックアウト業務のためのデータ入力としてセルフPOS端末1にデータを送信する(ステップ211)。これは、買物客のタッチ操作がなかなか進まない場合に、買物客に代わってアテンダントがチェックアウト業務を緊急的に進める処置である。
【0047】
尚、エマージェンシ釦30は、ディスプレイ2に表示するように構成してもよい。この場合、買物客の同意を得てアテンダントPC端末20よりセルフPOS端末1を操作することが可能となり、不正防止が可能となる。
【0048】
以上のように、セルフPOS端末1のディスプレイ2で表示されている操作案内画面のヘルプ釦63がタッチされると、買物客が次に操作すべき操作要領域をアテンダントPC端末20側のアテンダントのタッチ操作によって指定することにより、買物客の操作によるチェックアウト業務を的確かつ迅速に支援することができる。これにより、セルフPOS端末1の使い勝手の向上および稼働率の向上が図れる。
【0049】
なお、上記実施形態では、次の操作要領域をセルフPOS端末1から離れたところのアテンダントPC端末20から指定する構成としたが、図14に示すように、セルフPOS端末1の背面側にもう1つのディスプレイ90を設け、買物客は前面側のディスプレイ2を使用し、係員はディスプレイ90をアテンダントPC端末20のディスプレイ22に代えて使用し、そのディスプレイ90への係員のタッチ操作によって次の操作要領域を指定する構成としてもよい。この場合、係員がセルフPOS端末1の背面側に立つので、通話機能を用いることなく買物客と係員の会話が可能である。よって、マイクロフォン3およびスピーカ7が不要となる
なお、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。この実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
買物客による商品登録操作を案内する画面データを表示する第1表示手段と、
係員の操作によるデータ入力が可能な第2表示手段と、
複数の操作領域および特定表示が含まれるデータ入力用の操作案内画面を前記第1表示手段で表示する第1制御手段と、
前記第1表示手段で表示されている操作案内画面の特定表示が操作された場合に、その操作案内画面と同じ操作領域が含まれるサポート画面を前記第2表示手段で表示する第2制御手段と、
前記第2表示手段で表示されるサポート画面内のいずれかの操作領域が操作された場合に、前記第1表示手段で表示されている操作案内画面の各操作領域のうち、その操作された操作領域と同じ操作領域を通常とは異なる表示形態で表示する第3制御手段と、
を備えることを特徴とする商品販売処理システム。
【請求項2】
第1制御手段は、複数の操作領域および第1特定表示が含まれるデータ入力用の操作案内画面を前記第1表示手段で表示し、
第2制御手段は、前記第1表示手段で表示されている操作案内画面の第1特定表示が操作された場合に、その操作案内画面と同じ操作領域および第2特定表示が含まれるサポート画面を前記第2表示手段で表示し、
前記第2表示手段で表示されるサポート画面内の第2特定表示が操作された場合に、そのサポート画面内の各操作領域に対する操作を前記チェックアウト業務のためのデータ入力として取込む第4制御手段、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売処理システム
【請求項3】
前記第1特定表示は、ヘルプ釦の表示であり、
前記第2特定表示は、エマージェンシ釦の表示である、
ことを特徴とする請求項2記載の商品販売処理システム
【請求項4】
前記第1表示手段は、買物客の操作によりチェックアウト業務を行うセルフPOS端末のタッチパネル付ディスプレイである、
前記第2表示手段は、前記セルフPOS端末から離れたところに設置された係員用のアテンダントPC端末のディスプレイである、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品販売処理システム
【請求項5】
前記第1表示手段は、買物客の操作によりチェックアウト業務を行うセルフPOS端末の前面側に設けられたディスプレイであり、
前記第2表示手段は、前記セルフPOS端末の背面側に設けられたディスプレイである、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品販売処理システム
【請求項6】
買物客のタッチ操作によるデータ入力が可能な第1表示手段、係員のタッチ操作によるデータ入力が可能な第2表示手段、およびコンピュータを備え、買物客の操作によりチェックアウト業務を行うセルフチェックアウト式の商品販売処理システムにおいて、
前記コンピュータに、
複数の操作領域および特定表示が含まれるデータ入力用の操作案内画面を前記第1表示手段で表示する機能と、
前記第1表示手段で表示されている操作案内画面の特定表示がタッチ操作された場合に、その操作案内画面と同じ操作領域が含まれるサポート画面を前記第2表示手段で表示する機能と、
前記第2表示手段で表示されるサポート画面内のいずれかの操作領域がタッチ操作された場合に、前記第1表示手段で表示されている操作案内画面の各操作領域のうち、そのタッチ操作された操作領域と同じ操作領域を通常とは異なる表示形態で表示する機能と、
を実現させることを特徴とする商品販売処理システムの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−53590(P2012−53590A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194662(P2010−194662)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】