説明

問題点管理システム

【課題】問題点管理システムにおいて、バージョン管理に着眼した視覚的および直感的な
理解と操作が可能なユーザーインターフェースを提供すること。
【解決手段】サーバー201に、クライアント206がネットワークを介して通信自在に接続される問題点管理システムであって、クライアント206は、ソフトウェアのバージョンが変更になった際に、次のバージョンの問題点として継承させるべく、前のバージョンに属する未解決の問題点の内容全てを複写してサーバー201のデータベース203に保存する手段と、継承した際に前のバージョンと次のバージョンの問題点の継承関係の情報をデータベース203に保存する手段と、データベース203から所定の情報を抽出することにより、保存された継承関係の情報に基づいて、これらの問題点を1件または全件の切り替えが可能な形態で表示する手段と、これらの問題点を各々選択すると、問題点各々の詳細を表示する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にソフトウェア開発工程における問題点の管理において、操作性、表示形態、データ構造の改善および向上を図ることにより問題点管理を容易にする問題点管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、ソフトウェア開発工程においては、テストや評価工程において摘出された問題点は一元的に管理し、それらを分析することにより、ソフトウェアの品質向上に役立てる。問題点の一元管理という観点から、クライアントサーバーの形態のものがほとんどである。
これまで使用してきた問題管理のソフトウェアの特徴としては、リリース時期が古く、Microsoftが提供する現在のWindows(登録商標) GUIのコンポーネントを使用していない
ため、表現、操作性が乏しいという一面がある。また、データベースを使用していないため、データ量の増加に概ね正比例してデータアクセスに時間を要するという一面もある。また、それ以外の多くの問題点管理のソフトウェアはWebアプリケーションであり、表現、操作性が乏しいという一面がある。
【0003】
また、ソースプログラム管理のソフトウェアも存在するが、これらはソースプログラムの管理に特化しており、問題点管理としての運用には向いていない。
さらに、最近では、問題点管理とソースプログラム管理の連携が可能なソフトウェアも存在するが、導入が煩雑、メンテナンスが困難という一面がある。
なお、本発明に関連する公知技術文献としては例えば下記の特許文献1〜4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−149414号公報
【特許文献2】特開2002−108610号公報
【特許文献3】特開2002−091553号公報
【特許文献4】特開平10−240813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、ソフトウェアの開発工程における問題点管理システムでは、問題点を一元的に保存し、複数のユーザーによって編集、検索を実現するものは存在するものの、視覚的および直感的な理解と操作性を実現しているものは少ない。特に、多くのソフトウェアはバージョンによって管理されるため、バージョン間における差異が重要な管理要素になっており、バージョンという観点からのユーザーインターフェースの構成が望ましいが、実際には少ない。また、バージョン更新時に、未解決の問題点が、未解決のまま次のバージョンに持ち越された場合に、この問題点の経緯を容易に一目で確認できるものは現在ない。
【0006】
また、テストおよび評価工程で摘出された複数の問題点どうしに関連性が見られる場合、あるいは全く同一の場合、これらの関連性、同一性に関する情報を保存して管理できることが望ましい。キーワード検索によって、関連があると思われる問題点をリストアップし、グルーピングすることは可能であったが、前述のようなユーザーの判断による関連性の指定ができるものは現在ない。
【0007】
さらに、近年では、1つのソフトウェアが複数のオペレーションシステム(以降、OSと省略する)上の動作を保障している場合が多く、また、問題点が、特定のOSで発生する場合も多いため、1つの問題点であっても、OS毎に管理されるのが望ましい。さらに、このような場合には、併せて、複数のOSでの動作確認を行う必要があり、これらの管理を実現できるシステムは現在ない。
そして、問題点個々に対して連絡事項、依頼事項などのメッセージを作成し、ユーザー間でやり取りを行う機能を有するものは現在ない。
また、特定の問題点を監視の対象に指定することができ、さらに、その問題点が他のユーザーによって更新された際に通知される機能を有するものは現在ない。
【0008】
さらに、近年、開発環境の充実により、短期間で比較的安定した品質のソフトウェアの開発が容易になった。このため、1つのバージョンに対して多くの時間とコストをかけて十分な品質向上を実施した上でリリースし、扱うバージョン数を少なくするという従来のスタイルよりも、素早く機能拡張、不良修正を実施して、短期間でリリースし、複数のバージョンを並行で扱うというスタイルが、現在のソフトウェア市場においては主流になってきている。そこで、ソフトウェアの問題点管理システムにおいて、バージョン間における差異が重要な管理要素になっており、バージョン間における差異という観点からのユーザーインターフェースの構成が望ましいが、実際には少ない。
【0009】
以上の現状に鑑み、本発明は、問題点管理システムにおいて、(1)バージョン管理に着眼した視覚的および直感的な理解と操作が可能なユーザーインターフェースを提供すること、(2)1つの問題点に対して、OS毎に管理可能なユーザーインターフェースを提供すること、(3)複数の問題点の間に存在する関連性の管理が可能なユーザーインターフェースを提供すること、(4)問題点個々に対してメッセージを作成して、ユーザー間でやりとりを可能にするユーザーインターフェースを提供すること、(5) 特定の問題点を監視の対象に指定することにより、その問題点が、他のユーザーによって更新されたことが通知されるユーザーインターフェースを提供することを目的とする。
また、本発明は、ソフトウェアの問題点管理システムにおいて、複数のバージョンを並行で扱うという観点で視覚的および直感的な理解と操作が可能なユーザーインターフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1記載の発明は、データベースを備えたサーバーに、ユーザーが使用する1乃至複数のクライアントがネットワークを介して通信自在に接続される問題点管理システムであって、
前記クライアントは、ソフトウェアのバージョンが変更になった際に、次のバージョンの問題点として継承させるべく、前のバージョンに属する未解決の問題点の内容全てを複写して前記サーバーの前記データベースに保存する手段と、
継承した際に前のバージョンと次のバージョンの問題点の継承関係の情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記未解決の問題点及び前記継承関係の情報を抽出し、前記継承関係の情報に基づいて、前記未解決の問題点を1件または全件の切り替えが可能な形態で表示する手段と、
表示された前記未解決の問題点を各々選択すると、前記データベースから前記未解決の問題点の詳細を抽出し、抽出された前記未解決の問題点の詳細を表示する手段とを備えることを特徴とする問題点管理システムを提供するものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記クライアントは、問題点毎に、問題点が発生したバージョンが指定されると、指定された発生バージョンの情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記発生バージョンの情報を抽出し、抽出された発生バージョンの情報を、全てのバージョンの関係を把握できるように階層的に表示された画面上で強調表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記クライアントは、問題点毎に、問題点の対策予定バージョンが指定されると、指定された対策予定バージョンの情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記対策予定バージョンの情報を抽出し、抽出された対策予定バージョンの情報を、全てのバージョンの関係が把握できるように階層的に表示された画面上で強調表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記クライアントは、問題点が発生したオペレーティングシステムの種類が指定されると、指定されたオペレーティングシステムの種類の情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記オペレーティングシステムの種類の情報を抽出し、複数のオペレーティングシステムが一覧表示された画面で、問題点が発生したオペレーティングシステムの種類の情報を区別表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記クライアントは、問題点が対策済みであることが確認されたオペレーティングシステムの種類が指定されると、指定されたオペレーティングシステムの情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記オペレーティングシステムの情報を抽出し、複数のオペレーティングシステムが一覧表示された画面で、対策済みであることが確認されたオペレーティングシステムの種類の情報を区別表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記クライアントは、複数の問題点が同一の問題を指し示す場合に、これらの問題点が同件として指定されると、1つの問題点を選択することによって、選択された問題点以外の問題点を、システム上、無効とし、件数に換算されなくする手段と、
同件として指定された問題点どうしの関連性の情報、および、無効の情報を前記データベースに保存する手段と、
同件として指定された問題点各々を選択すると、前記データベースから問題点各々の詳細を抽出し、抽出した問題点の詳細を表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0016】
請求項7記載の発明は、前記クライアントは、複数の問題点どうしに関連性があると指定されると、指定された問題点どうしの関連性の情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから問題点どうしの関連性の情報を抽出し、抽出した問題点の全てを階層的および連鎖的に表示する手段と、
関連性があるとして指定された問題点各々を選択すると、前記データベースから選択された問題点の詳細を抽出し、抽出した問題点の詳細を表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0017】
請求項8記載の発明は、前記クライアントは、他のユーザーへのメッセージを作成する手段と、
問題点に関するメッセージを、第1ユーザーが第2ユーザーに対して作成すると、作成されたメッセージを前記サーバーの前記データベースに保存する手段と、
前記第2ユーザーが前記サーバーへアクセスした際に、保存された前記メッセージが前記第2ユーザーに通知される手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0018】
請求項9記載の発明は、前記クライアントは、第3ユーザーが任意の問題点を監視の対象に指定すると、監視の対象に指定した問題点が第4ユーザーによって更新された場合に、前記第3ユーザーが前記サーバーへアクセスした際に、監視の対象に指定した前記問題点が更新されたことを、前記第3ユーザーに通知する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0019】
請求項10記載の発明は、前記クライアントは、管理するバージョンを追加する際に、継承するバージョンを任意の数だけ指定することができる手段と、
バージョンが任意の数だけ指定されると、指定されたバージョンに属する未解決の問題点の全てを複写し、追加するバージョンに追加して、前記データベースに保存する手段と、
未解決の問題点各々と複写して追加した問題点各々の継承関係の情報を前記データベースに保存する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0020】
請求項11記載の発明は、前記クライアントは、第1問題点の発生バージョンを変更した際に、前記第1問題点が属するバージョンと継承関係のある複数のバージョンの範囲において、変更された発生バージョンより下位のバージョン全てに対して、前記第1問題点を複写した第2問題点を追加して、前記データベースに保存する手段と、
前記第1問題点と前記第2問題点との継承関係の情報を前記データベースに保存する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0021】
請求項12記載の発明は、前記クライアントは、第3問題点の発生バージョンを変更した際に、前記第3問題点が属するバージョンと継承関係のある複数のバージョンの範囲において、変更された発生バージョンより上位のバージョンに既に存在する前記第3問題点を複写して前記データベースに追加された前記第4問題点を削除または無効化する手段と、
前記データベースに保存された前記第3問題点と前記第4問題点との継承関係の情報を、削除または無効化する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【0022】
請求項13記載の発明は、前記クライアントは、前記データベースに保存された問題点の継承関係の情報に基づき、継承関係のある問題点を1件または全件の切り替えが可能な形態で表示する手段を備えることを特徴とする請求項10乃至11のうちいずれか一に記載の問題点管理システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、次のような効果がある。
(1)バージョン管理に着眼した視覚的および直感的な理解と操作性を実現するユーザーインターフェースにより、複数バージョンに跨る未解決問題点の経緯の参照が容易になり、また、問題点の発生バージョン、対策予定バージョンの把握も容易になる。
(2)1つの問題点に対して、OS毎に管理可能なユーザーインターフェースにより、複数のOSをサポートするソフトウェアの問題点管理が容易になる。
(3)複数の問題点の間に存在する関連性の情報を管理するユーザーインターフェースにより、問題点を個別に独立したものとして捉えるだけではなく、ソフトウェア全体としての問題点の傾向を把握し、分析することが可能になる。
(4)問題点個々に対するメッセージをユーザー間でのやり取りを管理するユーザーインターフェースにより、問題点単位で、意見の交換、用件の伝達が容易になる。また、問題点の特定に要する検索作業を行う必要がなくなり、対応を行う問題点の対象の間違いを防止できる。
(5)特定の問題点を監視することにより、他のユーザーによって問題点が更新された際に通知を受けとり、問題点の状況および経過を観察することができる。
(6)複数のバージョンに跨る問題点において、バージョンによって状況や対策が異なっても個別に管理することができる。
(7)複数のバージョンに跨る問題点において、発生バージョンを変更すると、バージョンの継承関係に基づいて、この問題点の跨るバージョンも変更され、各々のバージョンにおける問題点を漏れなく管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態例を示す問題点管理システムのシステム物理構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態例を示す問題点管理システムのシステム構成図である。
【図3】本発明の第1実施例のバージョン更新時の問題点の継承のイメージ図である。
【図4】本発明の第1実施例の複数のバージョンで継承された問題点の一覧表示例を示した図である。
【図5】本発明の第1実施例の問題点の発生バージョンおよび対策予定バージョンの表示例を示した図である。
【図6】本発明の第1実施例の問題点のオペレーティングシステム毎の状況表示例を示した図である。
【図7】本発明の第1実施例の他のユーザーへのメッセージ作成画面例を示した図である。
【図8】本発明の第1実施例の受信したメッセージ一覧およびメッセージに関連付けられた問題点の表示例を示した図である。
【図9】本発明の第1実施例の監視に指定した問題点一覧の表示例を示した図である。
【図10】本発明の第1実施例の定期チェック結果の通知例を示した図である。
【図11】本発明の第1実施例の問題点どうしの関連性のイメージを示した図である。
【図12】本発明の第1実施例の問題点どうしの関係の情報の表示例を示した図である。
【図13】本発明の第1実施例の問題点管理システムのメイン画面の表示例を示した図である。
【図14】本発明の第2実施例の問題点の継承のイメージ図である。
【図15】本発明の第2実施例のバージョンの継承に伴う問題点の継承のイメージを示した図である。
【図16】本発明の第2実施例の発生バージョンを上位のバージョンに変更した場合のイメージを示した図である。
【図17】本発明の第2実施例の発生バージョンを下位のバージョンに変更した場合のイメージを示した図である。
【図18】本発明の第2実施例の継承関係がある問題点一覧の表示の一例を示した図である。
【図19】本発明の第2実施例の問題点の表示の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
尚、上記各手段は、上記サーバー及びクライアントのCPUが必要なコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより実現される手段である。
【実施例1】
【0026】
本発明の第1実施例の問題点管理システムについて説明する。
図1は、主にソフトウェア開発工程における、本発明の実施の形態の一例を示す問題点管理システムのシステム物理構成図である。本システムはサーバー(101)とクライアント(110)から構成されるクライアントサーバーシステムである。サーバー(101)1台に対して、クライアント(110)の数に上限はない。サーバー(101)は、マザーボード(102)、CPU(中央処理ユニット)(103)、NIC(ネットワークカード)(104)、RAM(主記憶装置)(113)、HDD(ハードディスクドライブ)(114)から構成されている。クライアント(110)は、マザーボード(107)、CPU(中央処理ユニット)(108)、NIC(ネットワークカード)(106)、RAM(主記憶装置)(115)、HDD(ハードディスクドライブ)(116)、ディスプレイ(109)、キーボード(112)、マウス(111)から構成されている。サーバー(101)とクライアント(110)はネットワークケーブル(105)で接続されており、互いに通信が可能な状態である。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態の一例を示すシステム構成図である。サーバー(201)(図1に於いてサーバー101に相当。)はデータベース(203)(図1に於いてHDD114に格納される。)が稼動しており、DBMS(データベース管理システム)(202)によって制御されている。クライアント(206)(図1に於いてクライアント110に相当。)は、問題点管理システムのプログラム(205)が稼動している。サーバー(201)とクライアント(206)はTCP/IC接続(204)が可能である。
【0028】
図3は、バージョン更新時の問題点の継承のイメージを示している。バージョン1で発生された問題点A(301)はバージョン更新処理(304)によって、問題点A’(302)に継承される。このとき、問題点A’(302)は問題点A(301)と同一の内容ではあるが、別のオブジェクトとして複写により新規に生成され、データベース(203)に保存される。このとき、問題点A(301)と問題点A’(302)の継承関係の情報もデータベース(203)に保存される。このとき、問題点A(301)は編集不可となる。同様にして、問題点A’(302)はバージョン更新処理(305)によって、問題点A’’(303)に継承される。このとき、問題点A’’(303)は問題点A’(302)と同一の内容ではあるが、別のオブジェクトとして複写により新規に生成される。このとき、問題点A(301)と問題点A’(302)の継承関係の情報がデータベース(203)に保存される。このとき、問題点A’(302)は編集不可となる。このようにして、複数のバージョンを跨って問題点が未解決の場合は、各々のバージョンでの変更が保存され、継承された後でも継承関係の情報に基づき参照することが可能になる。
【0029】
図4は、複数のバージョンで継承された問題点の一覧表示の一例を示している。
複数バージョンで継承された問題点(402)は、行の左側に[+]マーク(401)が表示される。このマークが表示される状態は、任意の1つのバージョンに属する問題点のみを表示した状態である。このとき、この問題点と継承関係にあり、複数バージョンに属する問題点は非表示状態である。この[+]マーク(401)をマウスでクリックすると、[-]マーク(403)に変化し、この問題点と継承関係にあり、複数バージョンに属する問題点全てが、展開表示される(404)。このようにして、複数バージョンに跨る問題点の経過の観察が容易になる。
【0030】
図5は、問題点の発生バージョンと対策予定バージョンを、全てのバージョンを階層的に表示した画面上で強調表示する一例を示している。予め、クライアント(206)によって、問題点が発生したバージョンが指定され、指定した発生バージョンの情報がデータベース(203)に保存される。又、問題点が対策済みであることが確認されたオペレーティングシステムの種類が指定され、指定されたオペレーティングシステムの情報がデータベース(203)に保存される。その情報を前記データベース(203)から抽出することにより、図5に示す画面表示が可能になる。図5に於いて、全てのバージョンを階層的に表示した画面(501)で、問題点の発生バージョン(502)が、赤字および「[発生]」ラベルで強調表示されている。また、問題点の対策予定バージョン(503)が、青字および「[対策予定]」ラベルで強調表示されている。
この図の例では、「v6.2.0 HFA2」が発生バージョン、「v6.3.1 HFA3」が対策予定バージョンであることを意味している。
【0031】
図6は、問題点のオペレーティングシステム毎の状況表示の一例を示している。予め、複数のオペレーティングシステム(601)毎に、発生の情報、および対策済みであることの確認の情報を指定する。対策済みであることの確認の情報として「動作確認ユーザ」(602)、「動作確認日時」(603)を指定する。この図の例では、OS「XP(SP2)」で問題が発生し、対策済みのOS「XP(SP3)」「2000(SP4)」で、時刻「2008年9月2日 10時34分39秒」にユーザー「セ設3(大久保)」によって、動作確認されたことを意味している。これにより、複数のオペレーティングシステムが一覧表示された画面で、問題点が発生したオペレーティングシステムの種類の情報、又は、対策済みであることが確認されたオペレーティングシステムの種類の情報を区別して表示することができる。
【0032】
図7は、他のユーザーへのメッセージ作成画面の一例を示している。任意の1つの問題点(706)を選択し、プルダウンメニューによって「他のユーザに通知...」(701)を選択すると、「メッセージの作成」ダイアログ(702)が表示されるので、「通知先ユーザー」(703)を選択し、「通知内容」(704)を入力し、「OK」ボタン(705)を押下してメッセージを送信する。
【0033】
図8は、受信したメッセージ一覧および関連付けられた問題点の表示の一例を示している。受信したメッセージ一覧が「受信メッセージ一覧ビュー」(801)に表示され、任意の1つの受信メッセージ(805)を選択すると、メッセージの内容が「メッセージ内容表示ビュー」(802)に表示される。「問題を参照...」ボタン(803)を押下すると、メッセージに関連付けられている問題点が「問題点詳細ビュー」(804)に表示される。
【0034】
図9は、監視に指定した問題点一覧の表示の一例を示している。任意の1つの問題点(903)を選択してプルダウンメニューによって「「監視中」に追加」(901)を選択すると、「監視ビュー」(902)に追加される。監視の対象に指定した任意の1つの問題点(904)を選択すると、「問題点詳細ビュー」(905)に選択した問題点の詳細が表示される。
【0035】
図10は、定期チェック結果の通知の一例を示している。プログラムが、定期的に、未読メッセージのチェック、および他のユーザーによって更新された監視中の問題点のチェックを実行し、タスクトレイ上のアイコンが、それぞれ「未読メッセージチェック結果」(1001)と「監視中の問題点の他のユーザーによる更新チェック結果」(1002)をユーザーに通知する。なお、未読メッセージは図8の「受信メッセージ一覧ビュー」(801)で「未読」と表示され識別することが可能である。監視中の問題点が他のユーザーによって変更された場合は、図9の「監視ビュー」(902)上で強調表示されて識別することが可能である。
【0036】
図11は、継承関係のない問題点の間の関係のイメージを示している。問題点A(1101)は、他の問題点と大別して2種類の関係を持つ。1つは「同件」の関係(1107)であり、もう1つは「関連」の関係(1108)である。図11においては、問題点B(1102)、問題点C(1103)と「同件」の関係を持っている。この場合、問題点A(1101)、問題点B(1102)、問題点C(1103)のうち1つが、システム上、有効であり、残りの2つの問題点は、システム上、無効である。一方、問題点A(1101)は、問題点D(1104)に対して「関連」の関係を持っている。
同様に、問題点D(1104)は問題点E(1105)に対して「関連」の関係を持ち、更に、問題点D(11041004)は問題点F(1106)に対して「関連」の関係を持っている。このようにして、1つの問題に着眼したときの他の問題点の間の関係が定義される。
【0037】
図12は、問題点どうしの関係の表示の一例を示している。この図の例では、「[CaseID]398165」と「[HSK番号]590」が同件として定義され、「[CaseID]22223」が「[SR番号]234122」および「[CaseID]08722」と関連として定義され、さらに「[SR番号]234122」が「[CaseID]08722」と関連として定義されていることを意味している。また、任意の1つの問題点(1201)を選択すると、「問題点詳細ビュー」(1202)に選択した問題点の詳細が表示される。
【0038】
図13は、問題点管理システムのメイン画面の一例を示している。全てのバージョンを階層的に表示する画面(1301)と、監視の対象に指定した問題点を表示する画面(1302)と、問題点の一覧を表示する画面(1303)と、問題点の詳細を表示する画面(1304)、問題点どうしの関係を表示する画面(1305)と、問題点の発生バージョンと対策予定バージョンを表示する画面(1306)と、問題点が対策済みであることをOS毎に表示する画面(1307)と、未読メッセージ、および監視の対象に指定した問題点の他ユーザーによる更新チェック結果を表示する画面(1308)から構成されている。この図の例では、任意の1つのバージョン(1309)を選択すると、このバージョンに属する全ての問題点が、問題点の一覧を表示する画面(1303)に一覧表示され、任意の1つの問題点(1310)を選択すると、この問題点に関する情報が、問題点の詳細を表示する画面(1304)と、問題点どうしの関係を表示する画面(1305)と、問題点の発生バージョンと対策予定バージョンを表示する画面(1306)と、問題点が対策済みであることをOS毎に表示する画面(1307)に表示されていることを示している。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の第2実施例の問題点管理システムについて説明する。
本発明の第2実施例の問題点管理システムに於けるシステム物理構成図及びシステム構成図は、前図1及び図2と同じであるので、その図面及び説明を省略する。
図14は、問題点の継承のイメージを示している。バージョン1で発生した問題点A(1401)は継承関係のあるバージョン2の問題点A'(1402)に継承される。このとき、問題点A'(1402)は問題点A(1401)が複写されて(1404)データベース(図2に於いて203)に追加保存され、問題点A(1401)と問題点A'(1402)の継承関係の情報もデータベース(図2に於いて203)に保存される。同様に、バージョン2の問題点A'(1402)は継承関係のあるバージョン3の問題点A''(1403) に継承され、問題点A'' (1403)は問題点A'(1402)を複写されて(1405)データベース(図2に於いて203)に追加保存され、問題点A'(1402)と問題点A''(1403)の継承関係の情報もデータベース(図2に於いて203)に保存される。したがって、問題点A(1401)と問題点A'(1402)と問題点A''(1403)は、この順番で継承関係があることになる。
【0040】
図15は、バージョンの継承に伴う問題点の継承のイメージを示している。バージョン1(1501)には問題点A(1502)と問題点B(1503)の2つの問題点が登録されている。次に、バージョン2(1504)はバージョン1(1501)を継承するため問題点A(1502)と問題点B(1503)の2つの問題点が継承の対象の候補となる。ここで、問題点A(1502)のステータスは「未解決」であり、問題点B(1503)のステータスは「解決」である。従って、バージョン2(1504)へは問題点A(1502)のみが複写されて問題点A'(1505)としてデータベース(図2に於いて203)に追加保存される。同様に、バージョン3(1506)はバージョン1(1501)を継承するため、問題点A(1502)が複写されて問題点A''(1507)としてデータベース(図2に於いて203)に追加保存される。問題点A'(1505)と問題点A''(1507)は別々に管理することなり、一方の内容を変更しても他方の内容が変更されることはない。
次に、バージョン4(1508)はバージョン1(1501)とバージョン3(1506)の2つのバージョンを継承しているため、同様にして、問題点A'(1505)と問題点A''(1507)の2つの問題点が継承の対象の候補となる。ここで、問題点A'(1505)と問題点A''(1507)はいずれも問題点A(1502)から複写されたものであり、同一の問題点として扱われる。従って、この場合、問題点A'(1505)と問題点A''(1507)のうち新しい方が選択され、複写されて問題点A'''(1509)としてデータベース(図2に於いて203)に追加保存される。
【0041】
図16は、問題点の発生バージョンを上位のバージョンに変更した場合のイメージを示している。発生バージョンをバージョン3(1605)からバージョン1(1601)に変更した場合、バージョン1(1601)と継承関係がある下位のバージョンすべてに問題点A(1602)の複写が追加保存される。ここで、バージョン4(1607)には問題点A'(1608)が既に存在するので、この場合、問題点A(1606)の複写が、バージョン1(1601)には問題点A''(1602)として、バージョン2(1603)には問題点A'''(1604)として追加され、バージョン4(1607)には追加されない。
【0042】
図17は、問題点の発生バージョンを下位のバージョンに変更した場合のイメージを示している。発生バージョンをバージョン1(1702)からバージョン3(1705)に変更した場合、バージョン1(1702)と継承関係がある下位のバージョンから削除または無効化される。この場合、発生バージョンをバージョン3(1705)に変更したので、バージョン3(1705)より下位のバージョンからは削除または無効化されない。従って、この場合、バージョン1(1701)の問題点A(1702)とバージョン2(1703)の問題点A'(1704)が削除または無効化される。
【0043】
図18は、継承関係がある問題点一覧の表示の一例を示している。バージョンが階層表示されたツリービューからバージョンV1.2(1801)を選択すると、問題点一覧に問題点B(1802)と問題点A'(1803)が表示される。問題点B(1802)は、[+]マークが表示されていないので、継承関係のある問題点が存在していないことを示している。一方で、問題点A'(1803)は[+]マーク(1804)が表示されて、継承関係のある問題点が存在することを示している。同様に、バージョンV1.1-/A(1805)を選択すると、問題点一覧に問題点A'' (1806)が表示される。問題点A'(1803)の[+]マーク(1804)、または問題点A''(1806)の[+]マーク(1807)をクリックすると、問題点A' (1803)または問題点A''(1806)と継承関係のある問題点が展開表示される(1808)。これにより、継承関係のある問題点に関して、各々のバージョンでの状況を容易に把握することが可能になる。
【0044】
図19は、問題点の表示の一例を示している。この問題点は、画面上の項目「バージョン」(1901)を参照すると、バージョンV1.2での問題点であることがわかる。しかし、この問題点は、画面上の項目「バージョンツリービュー」(1902)を参照すると、発生バージョンがV1.0であることがわかる。したがって、バージョンV1.0とバージョンV1.2は継承関係にあり、バージョンV1.0の問題点が複写されて追加されたことがわかる。
【符号の説明】
【0045】
101,201 サーバー
110,206 クライアント
203 データベース
601 オペレーティングシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースを備えたサーバーに、ユーザーが使用する1乃至複数のクライアントがネットワークを介して通信自在に接続される問題点管理システムであって、
前記クライアントは、ソフトウェアのバージョンが変更になった際に、次のバージョンの問題点として継承させるべく、前のバージョンに属する未解決の問題点の内容全てを複写して前記サーバーの前記データベースに保存する手段と、
継承した際に前のバージョンと次のバージョンの問題点の継承関係の情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記未解決の問題点及び前記継承関係の情報を抽出し、前記継承関係の情報に基づいて、前記未解決の問題点を1件または全件の切り替えが可能な形態で表示する手段と、
表示された前記未解決の問題点を各々選択すると、前記データベースから前記未解決の問題点の詳細を抽出し、抽出された前記未解決の問題点の詳細を表示する手段とを備えることを特徴とする問題点管理システム。
【請求項2】
前記クライアントは、問題点毎に、問題点が発生したバージョンが指定されると、指定された発生バージョンの情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記発生バージョンの情報を抽出し、抽出された発生バージョンの情報を、全てのバージョンの関係を把握できるように階層的に表示された画面上で強調表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の問題点管理システム。
【請求項3】
前記クライアントは、問題点毎に、問題点の対策予定バージョンが指定されると、指定された対策予定バージョンの情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記対策予定バージョンの情報を抽出し、抽出された対策予定バージョンの情報を、全てのバージョンの関係が把握できるように階層的に表示された画面上で強調表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の問題点管理システム。
【請求項4】
前記クライアントは、問題点が発生したオペレーティングシステムの種類が指定されると、指定されたオペレーティングシステムの種類の情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記オペレーティングシステムの種類の情報を抽出し、複数のオペレーティングシステムが一覧表示された画面で、問題点が発生したオペレーティングシステムの種類の情報を区別表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項5】
前記クライアントは、問題点が対策済みであることが確認されたオペレーティングシステムの種類が指定されると、指定されたオペレーティングシステムの情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから前記オペレーティングシステムの情報を抽出し、複数のオペレーティングシステムが一覧表示された画面で、対策済みであることが確認されたオペレーティングシステムの種類の情報を区別表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項6】
前記クライアントは、複数の問題点が同一の問題を指し示す場合に、これらの問題点が同件として指定されると、1つの問題点を選択することによって、選択された問題点以外の問題点を、システム上、無効とし、件数に換算されなくする手段と、
同件として指定された問題点どうしの関連性の情報、および、無効の情報を前記データベースに保存する手段と、
同件として指定された問題点各々を選択すると、前記データベースから問題点各々の詳細を抽出し、抽出した問題点の詳細を表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項7】
前記クライアントは、複数の問題点どうしに関連性があると指定されると、指定された問題点どうしの関連性の情報を前記データベースに保存する手段と、
前記データベースから問題点どうしの関連性の情報を抽出し、抽出した問題点の全てを階層的および連鎖的に表示する手段と、
関連性があるとして指定された問題点各々を選択すると、前記データベースから選択された問題点の詳細を抽出し、抽出した問題点の詳細を表示する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項8】
前記クライアントは、他のユーザーへのメッセージを作成する手段と、
問題点に関するメッセージを、第1ユーザーが第2ユーザーに対して作成すると、作成されたメッセージを前記サーバーの前記データベースに保存する手段と、
前記第2ユーザーが前記サーバーへアクセスした際に、保存された前記メッセージが前記第2ユーザーに通知される手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項9】
前記クライアントは、第3ユーザーが任意の問題点を監視の対象に指定すると、監視の対象に指定した問題点が第4ユーザーによって更新された場合に、前記第3ユーザーが前記サーバーへアクセスした際に、監視の対象に指定した前記問題点が更新されたことを、前記第3ユーザーに通知する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項10】
前記クライアントは、管理するバージョンを追加する際に、継承するバージョンを任意の数だけ指定することができる手段と、
バージョンが任意の数だけ指定されると、指定されたバージョンに属する未解決の問題点の全てを複写し、追加するバージョンに追加して、前記データベースに保存する手段と、
未解決の問題点各々と複写して追加した問題点各々の継承関係の情報を前記データベースに保存する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項11】
前記クライアントは、第1問題点の発生バージョンを変更した際に、前記第1問題点が属するバージョンと継承関係のある複数のバージョンの範囲において、変更された発生バージョンより下位のバージョン全てに対して、前記第1問題点を複写した第2問題点を追加して、前記データベースに保存する手段と、
前記第1問題点と前記第2問題点との継承関係の情報を前記データベースに保存する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項12】
前記クライアントは、第3問題点の発生バージョンを変更した際に、前記第3問題点が属するバージョンと継承関係のある複数のバージョンの範囲において、変更された発生バージョンより上位のバージョンに既に存在する前記第3問題点を複写して前記データベースに追加された前記第4問題点を削除または無効化する手段と、
前記データベースに保存された前記第3問題点と前記第4問題点との継承関係の情報を、削除または無効化する手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。
【請求項13】
前記クライアントは、前記データベースに保存された問題点の継承関係の情報に基づき、継承関係のある問題点を1件または全件の切り替えが可能な形態で表示する手段を備えることを特徴とする請求項10乃至11のうちいずれか一に記載の問題点管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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