説明

営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラム

【課題】顧客からの預かり物件を効率的に管理するための営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラムを提供する。
【解決手段】携帯端末10から音声データを受信した営業支援サーバ20は、話者照合認証処理を実行する。認証ができた場合、営業支援サーバ20は、訪問情報を携帯端末10から取得する。そして、この訪問情報に応じて辞書を選択する。携帯端末10から音声データを受信した営業支援サーバ20は、この辞書を用いて、音声認識処理を実行する。そして、携帯端末10から預かり物件情報を取得して記録する。一方、帰店通知を受信した営業支援サーバ20は、ユーザ認証を行ない、預かり物件を抽出する。そして、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷データを生成し、プリンタ装置31において、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客から預かり物件の管理を支援するための営業支援システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、銀行等の金融機関における渉外活動において、渉外担当者が顧客を訪問し、訪問先で預金や通帳記帳等を代行するサービスを行なうことによりサービス向上を図っている。ここで、通帳と現金を顧客より預かった場合、渉外担当者は訪問先において預り証を発行し、帰店後未記帳の記帳や預金処理(通帳入金・定期新規等)を行なう。
【0003】
このような渉外担当者の作業を効率化するために、各種技術が検討されている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
特許文献1に記載の技術では、金融機関の渉外担当者が持ち帰った通帳・現金を処理する装置に関する。渉外担当者が持ち帰ってきた携帯型端末等のデータを装置側へ転送し、通帳と現金を一括して装置へセットする。これにより、預金処理・未記帳の記帳処理を渉外担当者が関与することなく、自動的に処理を完了し、保管できる。
【0004】
また、特許文献2に記載の技術では、戸別訪問先において、振込関連情報を携帯端末に設定する。そして、預かり書を発行し、預かり書発行情報と振込人指定振込金額情報とを振込関連情報に対応付けて記録する。そして、振込先預貯金口座への振込人指定振込金額の入出金処理を行なう。これにより、振込人の申し出により金融機関側から担当者が出向き、振込人が在宅のままで振込用紙による請求に対して振込みが行なうことができる。
【0005】
更に、特許文献3に記載の技術では、渉外担当者が所持し、顧客等の訪問先で操作する渉外モバイル端末と渉外モバイルサーバとがネットワークを介して接続される。渉外モバイルサーバは、渉外担当者が顧客等の訪問先で行なう取引で生じる入出金を記録する渉外口座を管理する渉外口座データベースを備える。そして、渉外モバイル端末から送信されてくる各種の取引のデータに対して、渉外口座を用いて取引のための情報処理を実施する。これにより、金融機関等の渉外担当者による渉外活動により発生する取引の業務を訪問先で完了させることができる。
【特許文献1】特開平9−330452号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2005−92633号公報(第1〜3頁、図1、図4)
【特許文献3】特開2006−127391号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術では、渉外担当者が帰店するまでは顧客から預かった物件を特定することができない。
また、渉外担当者は顧客から多様な物件を預かる場合がある。しかし、特許文献2に記載の技術では、渉外担当者が多様な顧客物件を預かる場合には対応できない。
【0007】
更に、特許文献3に記載の技術では、渉外担当者が顧客物件を預かる場合を想定していない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、顧客からの預かり物件を効率的に管理するための営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、携帯端末とネットワークを介して接続される制御手段と、利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を登録する顧客物件情報記憶手段とを備え、顧客からの預かり物件を管理する営業支援システムであって、前記制御手段が、携帯端末から利用者特定情報を取得してユーザ認証を行なう手段、前記携帯端末から顧客の預かり物件に関する音声情報を取得する手段、前記音声情報に基づいて音声認識処理を実行し、認識結果を前記携帯端末に送信する手段、前記携帯端末から前記認識結果の確定情報を取得し、ユーザ認証された利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を顧客物件情報記憶手段に記録する手段、利用者識別子を特定した出力指示を取得した場合には、前記顧客物件情報記憶手段から顧客物件情報を抽出し、確認リストを出力する手段を備えることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の営業支援システムにおいて、前記制御手段は、前記顧客物件情報記憶手段に記録される顧客物件情報について預かり書の印刷許可情報を前記携帯端末に送信する手段を更に備えることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の営業支援システムにおいて、前記制御手段は、前記携帯端末から位置情報を取得する手段を更に備え、前記顧客物件情報には前記位置情報を含めて記録することを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の営業支援システムにおいて、前記制御手段は、前記携帯端末から訪問情報を取得する手段、前記訪問情報に基づいて、前記音声認識処理を実行する場合の辞書を特定する手段を更に備えることを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の営業支援システムにおいて、前記制御手段は、前記携帯端末から預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報を取得する手段、顧客物件情報には前記容器識別情報を含めて記録する手段を更に備えることを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の営業支援システムにおいて、前記制御手段は、前記出力指示を取得した場合には、クライアント端末から預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報を取得する手段、前記容器識別情報を用いて、前記顧客物件情報記憶手段に登録された顧客物件情報の照合を行なう手段を更に備えることを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の営業支援システムにおいて、前記ユーザ認証は、前記携帯端末から取得した音声情報を用いて実行することを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の営業支援システムにおいて、前記顧客物件情報記憶手段には、返却する預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報と預かり書識別情報とを関連付けて記録し、前記預かり書には、預かり書識別情報が印字され、前記携帯端末から、前記預かり書識別情報と、返却物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報とを取得し、前記顧客物件情報記憶手段を用いて両者を照合できた場合に、返却情報を登録する手段を更に備えることを要旨とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、携帯端末とネットワークを介して接続される制御手段と、利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を登録する顧客物件情報記憶手段とを備えた営業支援システムを用いて、顧客からの預かり物件を管理する営業支援方法であって、前記制御
手段が、携帯端末から利用者特定情報を取得してユーザ認証を行なう段階と、前記携帯端末から顧客の預かり物件に関する音声情報を取得する段階と、前記音声情報に基づいて音声認識処理を実行し、認識結果を前記携帯端末に送信する段階と、前記携帯端末から前記認識結果の確定情報を取得し、ユーザ認証された利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を顧客物件情報記憶手段に記録する段階と、利用者識別子を特定した出力指示を取得した場合には、前記顧客物件情報記憶手段から顧客物件情報を抽出し、確認リストを出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、携帯端末とネットワークを介して接続される制御手段と、利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を登録する顧客物件情報記憶手段とを備えた営業支援システムを用いて、顧客からの預かり物件を管理する営業支援プログラムであって、前記制御手段を、携帯端末から利用者特定情報を取得してユーザ認証を行なう手段、前記携帯端末から顧客の預かり物件に関する音声情報を取得する手段、前記音声情報に基づいて音声認識処理を実行し、認識結果を前記携帯端末に送信する手段、前記携帯端末から前記認識結果の確定情報を取得し、ユーザ認証された利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を顧客物件情報記憶手段に記録する手段、利用者識別子を特定した出力指示を取得した場合には、前記顧客物件情報記憶手段から顧客物件情報を抽出し、確認リストを出力する手段として機能させることを要旨とする。
【0018】
(作用)
請求項1、9又は10に記載の発明によれば、制御手段が、携帯端末から利用者特定情報を取得してユーザ認証を行なう。次に、携帯端末から顧客の預かり物件に関する音声情報を取得し、音声情報に基づいて音声認識処理を実行し、認識結果を携帯端末に送信する。携帯端末から認識結果の確定情報を取得し、ユーザ認証された利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を顧客物件情報記憶手段に記録する。そして、利用者識別子を特定した出力指示を取得した場合には、顧客物件情報記憶手段から顧客物件情報を抽出し、確認リストを出力する。これにより、音声を利用しながら効率的に顧客からの預かり物件についての顧客物件情報を登録することができる。そして、確認リストを用いて、持ち帰った預かり物件を速やかに確認することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、顧客物件情報記憶手段に記録される顧客物件情報について預かり書の印刷許可情報を携帯端末に送信する。これにより、確実に預かり書を出力することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、携帯端末から位置情報を取得し、顧客物件情報には位置情報を含めて記録する。これにより、顧客から物件を預かった場所を記録し、トレーサビリティを確保することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、携帯端末から訪問情報を取得し、この訪問情報に基づいて、音声認識処理を実行する場合の辞書を特定する。これにより、訪問情報として取得した訪問者情報や訪問先情報に応じて、音声認識の精度を向上させることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、携帯端末から預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報を取得し、顧客物件情報には容器識別情報を含めて記録する。これにより、預かり物件を格納した保管容器を効率的に特定することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、出力指示を取得した場合には、クライアント端末から預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報を取得する。容器識別情報を用いて、顧客物件情報記憶手段に登録された顧客物件情報の照合を行なう。これにより、効率的かつ的確に現物とデータとを照合することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、ユーザ認証は、携帯端末から取得した音声情報を用いて実行することにより、携帯端末のユーザを的確に認証することができる。従って、携帯端末のセキュリティを向上し、各種情報の漏洩や携帯端末の悪用を抑制することができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、預かり物件を顧客に返却する場合、携帯端末から、預かり書識別情報と、返却物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報とを取得する。そして、顧客物件情報記憶手段を用いて両者を照合できた場合に、返却情報を登録する。これにより、物件を返却する顧客と、この顧客に返却する物件を確認して、確実な返却を行なうことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、顧客からの預かり物件を効率的に管理するための営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図17に従って説明する。本実施形態では、金融機関の渉外担当者が、顧客から物件を預かり、営業店(拠点)に持ち帰り、所定の業務の後で、預かった物件を返却する場合に用いる営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラムとして説明する。ここでは、図1に示すように、営業支援サーバ20を用いて、顧客から預かった物件の管理支援処理を実行する。この営業支援サーバ20は、ネットワークとしての携帯電話網を介して携帯端末10に接続される。更に、営業支援サーバ20は、LANを介してクライアント端末(30、32)に接続される。
【0028】
本実施形態では、顧客から物件(例えば記帳前通帳や現金等)を預かった渉外担当者は、顧客毎に、保管容器としての保管袋500に格納して封入する。この保管袋500には、各保管袋を特定するための識別コード(容器識別情報)をコード化した2次元コード画像が貼付されている。また、顧客に物件(記帳済み通帳等)を返却する場合には、顧客毎に返却物件が格納されている保管袋500を、顧客訪問時に持参する。
【0029】
携帯端末10は、各渉外担当者に割り当てられた携帯電話端末であり、渉外担当者が携帯する。この携帯端末10は、図2に示すように、端末制御部11、訪問先データ記憶部12、無線通信部10a、表示部10b、操作部10c、音声入力部10d、撮像部10e、ローカル通信部10f、GPS機能部10gを備える。
【0030】
携帯端末10の端末制御部11は、CPU、RAM、ROM等からなる制御手段により構成される。そして、携帯端末10のメモリには、各携帯端末10を識別するための端末コード、渉外担当者の氏名、オフラインモード時に用いるパスワードに関するデータが記録されている。また、携帯端末10内のメモリには、後述する端末制御プログラムが格納される。そして、この端末制御プログラムが起動されることにより、この携帯端末10の端末制御部11は、セキュリティ管理手段111、ユーザ支援処理手段112、プリンタ制御手段113等の各手段として機能する。
【0031】
セキュリティ管理手段111は、この携帯端末10の利用権限を確認するための処理を実行する。そして、利用権限を確認できない場合には、携帯端末10の各機能を利用できないように設定する。
【0032】
ユーザ支援処理手段112は、顧客を訪問する渉外担当者の業務を支援するための各処理を実行する。
プリンタ制御手段113は、携帯端末10に接続されたプリンタ端末15の制御処理を実行する。このプリンタ端末15は、預かり書や受領書を印字するために用いられる。このプリンタ端末15のメモリには、プリンタコードに関するデータが記録されている。
【0033】
無線通信部10aは、携帯電話網を介して、営業支援サーバ20との間での通信処理を行なう。
表示部10bは、ディスプレイによって、操作メニュー表示や、携帯端末10が受信した電子メールやウェブページを出力する。本実施形態では、営業支援サーバ20から受信した情報等を出力する。
【0034】
操作部10cは、ダイヤル番号ボタン、セレクタボタン、モード変更ボタン等から構成され、利用者の操作入力を受け付ける処理を行なう。モード変更ボタンは、各モード(例えば、電話モード)から他のモード(例えば、プログラム実行モード)に切り替える機能を実現する。セレクタボタンは、ポインタ移動機能と項目選択機能とを実現する。すなわち、セレクタボタンを用いて方向指示を行なうことによりポインタを移動させることができ、セレクタボタンを押すことにより、ポインタが示している項目を選択することができる。
【0035】
音声入力部10dは、マイクにより利用者の音声を取得する処理を行なう。
撮像部10eは、カメラにより被写体を撮影する処理を行なう。
ローカル通信部10fは、例えば、「Bluetooth (登録商標)」等のようなローカル通信方式により、他の端末との間での通信処理を行なう。ここでは、渉外担当者が携帯するプリンタ端末15との間での通信に用いられる。
GPS機能部10gは、全地球測位システム(Global Positioning Systems:GPS)により、携帯端末の位置情報を取得する。
【0036】
訪問先データ記憶部12には、図3に示すように、渉外担当者が訪問する顧客についての訪問先レコード120が記録される。この訪問先レコード120は訪問前に生成される。この訪問先レコード120は、訪問先顧客コード、氏名・名称、住所、予定日、確認フラグ、訪問ステータスに関するデータを含んで構成される。更に、訪問先レコード120は、返却物件に関する情報として、返却物件保管袋識別コード、返却物件預かり書コード、返却物件内容、返却ステータスに関するデータを含んで構成される。また、訪問先レコード120は、預かり物件(顧客物件)に関する情報として、預かり物件保管袋識別コード、預かり物件預かり書コード、預かり物件内容、預かり日時に関するデータを含んで構成される。
【0037】
訪問先顧客コードデータ領域には、訪問予定の顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名・名称データ領域には、この訪問先顧客の氏名・名称に関するデータが記録される。
【0038】
住所データ領域には、この訪問先顧客の住所に関するデータが記録される。
予定日データ領域には、この顧客を訪問する日付に関するデータが記録される。
確認フラグデータ領域には、訪問時に携帯端末10を起動させた場所を確認するためのデータが記録される。
【0039】
訪問ステータスデータ領域には、この訪問先への訪問状況に関するデータが記録される。具体的には、訪問時に「済」フラグが記録される。
返却物件保管袋識別コードデータ領域には、返却物件を格納した保管袋を特定するための識別コードに関するデータが記録される。
【0040】
返却物件預かり書コードデータ領域には、返却物件を預かったときに顧客に渡した預かり書を特定するための識別子に関するデータが記録される。
返却物件内容データ領域には、この訪問先において返却予定の物件に関するデータが記録される。
【0041】
返却ステータスデータ領域には、この物件の返却状況に関するデータが記録される。具体的には、返却時に「済」フラグが記録される。
預かり物件保管袋識別コードデータ領域には、預かり物件を格納した保管袋を特定するための識別コードに関するデータが記録される。
【0042】
預かり物件預かり書コードデータ領域には、顧客に渡す預かり書を特定するための識別子に関するデータが記録される。
預かり物件内容データ領域には、この訪問先において預かった物件に関するデータが記録される。
預かり日時データ領域には、この訪問先において物件を預かった時刻に関するデータが記録される。
【0043】
一方、営業支援サーバ20は、携帯端末10、クライアント端末30との間でデータの送受信を行なうとともに、各種データ処理を行なうコンピュータシステムである。この営業支援サーバ20は、図4に示すように制御部21を備える。この制御部21は管理サーバの制御手段(CPU、RAM、ROM等)によって実現される。そして、この制御部21は、後述する処理(ユーザ認証段階、音声情報取得段階、認識結果送信段階、顧客物件情報記録段階、確認リスト出力段階等の各処理等)を行なう。そのための営業支援プログラムを実行することにより、制御部21は、ユーザ認証処理手段211、スケジュール管理手段212、預かり処理手段213、返却処理手段214、音声認識処理手段215、プリンタ認証処理手段216、帰店処理手段217として機能する。
【0044】
ユーザ認証処理手段211は、携帯端末10の利用者(渉外担当者)を認証する処理を実行する。
スケジュール管理手段212は、ユーザ認証された携帯端末10に対して、携帯端末10を携帯する渉外担当者のスケジュールデータをダウンロードする。
【0045】
預かり処理手段213は、顧客からの預かり物件の管理支援処理を実行する。
返却処理手段214は、顧客に対する返却物件の管理支援処理を実行する。
音声認識処理手段215は、携帯端末10から取得した音声の認識処理を実行する。具体的には、音声認識処理手段215は、入力された音声信号を音響的に分析する。そして、分析により得られた特徴量から音素に対する類似度を計算し、いくつかの音素を配列した単語として候補を抽出する。
【0046】
プリンタ認証処理手段216は、携帯端末10に接続されたプリンタ端末15の認証処理を実行する。
帰店処理手段217は、渉外担当者が営業店に戻ったときの業務の支援処理を実行する。
【0047】
更に、営業支援サーバ20は、渉外担当者データ記憶部22、顧客データ記憶部23、辞書データ記憶部24、スケジュールデータ記憶部25、預かり物件データ記憶部26、返却物件データ記憶部27を備えている。ここで、預かり物件データ記憶部26、返却物件データ記憶部27とが顧客物件情報記憶手段として機能する。
【0048】
渉外担当者データ記憶部22には、図5(a)に示すように、渉外担当者を認証するために用いる渉外担当者レコード220が記録される。この渉外担当者レコード220は、渉外担当者の登録申請が行なわれた場合に記録される。この渉外担当者レコード220は、渉外担当者コード、パスワード、端末コード、パスワード、音声特徴量、プリンタコードに関するデータを含んで構成される。
【0049】
渉外担当者コードデータ領域には、各渉外担当者を特定するための利用者識別子に関するデータが記録される。
パスワードデータ領域には、この渉外担当者のユーザ認証を行なうための認証用データが記録される。
【0050】
端末コードデータ領域には、この渉外担当者が利用する携帯端末10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
パスワードデータ領域には、この渉外担当者を認証するために用いるパスワードに関するデータが記録される。
【0051】
音声特徴量データ領域には、この渉外担当者を話者照合によってユーザ認証するために用いる音声パラメータの特徴量に関するデータが記録される。
プリンタコードデータ領域には、この渉外担当者の携帯端末10に接続されるプリンタ端末15を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0052】
顧客データ記憶部23には、図5(b)に示すように、この金融機関の顧客に関する顧客レコード230が記録される。この顧客レコード230は、顧客の登録申請を行なわれた場合に記録される。顧客レコード230は、顧客コード、氏名・名称、住所、取引種別に関するデータを含んで構成される。
【0053】
顧客コードデータ領域には、各顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名・名称データ領域には、この顧客の氏名・名称に関するデータが記録される。
【0054】
住所データ領域には、この顧客の住所に関するデータが記録される。
取引種別データ領域には、この顧客との間で行なわれる取引の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0055】
辞書データ記憶部24には、図5(c)に示すように、各取引を行なうための業務において利用される用語についての辞書レコード240が記録される。この辞書レコード240は、取引用語が登録された場合に記録される。辞書レコード240は、渉外担当者コード、用語に関するデータを含んで構成される。
【0056】
渉外担当者コードデータ領域には、各渉外担当者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
用語データ領域には、この渉外担当者の業務において利用される単語に関するデータが記録される。例えば、この渉外担当者の担当顧客の氏名や名称、渉外担当者が取扱う業務に関する用語を記録しておく。
【0057】
スケジュールデータ記憶部25には、図5(d)に示すように、渉外担当者の訪問予定についてのスケジュールレコード250が記録される。このスケジュールレコード250は、渉外担当者の訪問予定が登録された場合に記録される。スケジュールレコード250は、渉外担当者コード、予定日、訪問先顧客コードに関するデータを含んで構成される。
【0058】
渉外担当者コードデータ領域には、各渉外担当者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
予定日データ領域には、訪問予定日に関するデータが記録される。
訪問先顧客コードデータ領域には、この予定日に渉外担当者が訪問する顧客を特定する識別子に関するデータが記録される。
【0059】
預かり物件データ記憶部26には、図6(a)に示すように、顧客から預かった物件を管理するための預かり物件レコード260が記録される。この預かり物件レコード260は、渉外担当者の携帯端末10において預かり処理が行なわれた場合に生成される。預かり物件レコード260は、渉外担当者コード、顧客コード、日時、預かり物件内容、預かり書コード、保管袋識別コード、ステータスに関するデータを含んで構成される。
【0060】
渉外担当者コードデータ領域には、顧客から物件を預かった渉外担当者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
顧客コードデータ領域には、訪問先において物件を預かった顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0061】
日時データ領域には、この顧客から物件を預かった日時に関するデータが記録される。
預かり物件内容データ領域には、この顧客から預かった物件の内容に関するデータが記録される。
【0062】
預かり書コードデータ領域には、この顧客に渡した預かり書を特定するための識別子に関するデータが記録される。
保管袋識別コードデータ領域には、この顧客から預かった物件を格納した保管袋を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0063】
ステータスデータ領域には、この預かり物件レコード260が登録されたときの状態に関するデータが記録される。本実施形態では、ユーザ認証ができなかった携帯端末10によって登録された場合には「注意」フラグが記録される。
【0064】
返却物件データ記憶部27には、図6(b)に示すように、顧客から預かった物件に対応して、顧客に返却する物件を管理するための返却物件レコード270が記録される。この返却物件レコード270は、顧客から預かった物件について処理を終えて、顧客に対して返却する物件が、所定の保管庫(返却物件保管庫)に格納された場合に生成される。返却物件レコード270は、顧客コード、返却物件内容、預かり書コード、保管袋識別コード、ステータスに関するデータを含んで構成される。
【0065】
顧客コードデータ領域には、物件を返却する顧客を特定する識別子に関するデータが記録される。
返却物件内容データ領域には、返却を行なう物件の内容に関するデータが記録される。
【0066】
預かり書コードデータ領域には、預かり処理時に顧客に渡した預かり書を特定するための識別子に関するデータが記録される。
保管袋識別コードデータ領域には、顧客に返却する物件を格納した保管袋を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ステータスデータ領域には、返却時の状態に関するデータが記録される。本実施形態では、受領書を発行した場合には「受領書発行」フラグが記録される。
【0067】
また、クライアント端末(30、32)は、渉外担当者が配属された営業店に設置されたコンピュータ端末である。このクライアント端末30は、渉外担当者によって外出前や
帰店後に用いられる。このクライアント端末32は、渉外担当者の管理者によって用いられる。
【0068】
クライアント端末(30、32)は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有する。このため、このクライアント端末(30、32)は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。更に、クライアント端末30はコードリーダを備えており、保管袋500の2次元コード画像を読み取る。また、このクライアント端末30には、プリンタ装置31に接続されている。
【0069】
次に、本実施形態における認証処理について、図7〜図17に従って説明する。ここでは、まず、ユーザ認証処理(図7)、プリンタ認証処理(図8)、音声認識処理(図9)を説明する。そして、訪問前処理(図10)、訪問時確認処理(図11)、預かり処理(図12)、オフラインモード処理(図13、図14)、帰店処理(図15)、返却処理(図16)、受取書対応処理(図17)の順番に説明する。
【0070】
(ユーザ認証処理)
まず、図7を用いて、話者照合によって行なわれるユーザ認証処理について説明する。ユーザ認証処理は、携帯端末10が営業支援サーバ20に接続された場合に実行される。具体的には、携帯端末10が起動されて、営業支援サーバ20に対してアクセス要求を送信した場合に実行される。携帯端末10は、このアクセス要求に端末コードに関するデータを含める。この場合、制御部21のユーザ認証処理手段211は、携帯端末10から受信した端末コードを用いて、渉外担当者データ記憶部22から抽出した渉外担当者レコード220を利用する。
【0071】
このアクセス要求を受信した営業支援サーバ20の制御部21は、音声入力要求処理を実行する(ステップVA−1)。具体的には、制御部21のユーザ認証処理手段211は、携帯端末10に対して、音声の入力を指示するメッセージデータを送信する。このデータを受信した携帯端末10の端末制御部11は、このメッセージを出力する。このメッセージを確認した利用者は、携帯端末10の音声入力部10dに対して音声を発する。
【0072】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、音声送信処理を実行する(ステップVA−2)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、音声入力部10dにおいて取得した音声データ(利用者特定情報)を営業支援サーバ20に送信する。
【0073】
音声データを受信した営業支援サーバ20の制御部21は、話者照合認証処理を実行する(ステップVA−3)。具体的には、制御部21のユーザ認証処理手段211は、音声データの入力音声の特徴量を算出する。次に、ユーザ認証処理手段211は、渉外担当者レコード220に記録された音声特徴量と、入力音声から算出した特徴量とを比較する。そして、ユーザ認証処理手段211は、音声特徴量の一致度に応じて認証可否を判断する。すなわち、音声特徴量の一致度が基準値以上の場合には、ユーザ認証を完了し、一致度が基準値よりも低い場合には、認証不可と判断する。
【0074】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、ユーザ認証結果の送信処理を実行する(ステップVA−4)。具体的には、制御部21のユーザ認証処理手段211は、認証完了フラグあるいは認証不可フラグのいずれかを含めたユーザ認証結果を携帯端末10に送信する。この場合、携帯端末10の端末制御部11は、認証完了フラグをメモリに保存することにより認証結果に応じて、後述する各処理を実行する。なお、本実施形態では、この認証完了フラグは、1つの処理期間(セッション)中は有効として、各処理の実行が許容される。そして、セッション終了後に認証完了フラグは削除され、新たな処理を実行する
場合には、新たに認証完了フラグを取得する。
【0075】
(プリンタ認証処理)
次に、図8を用いて、プリンタ認証処理について説明する。プリンタ認証処理は、携帯端末10においてプリンタ端末15が利用される場合に実行される。具体的には、携帯端末10において、営業支援サーバ20に対してプリンタ利用要求を送信した場合に実行される。この場合、制御部21のプリンタ認証処理手段216は、携帯端末10から受信した端末コードを用いて、渉外担当者データ記憶部22から抽出した渉外担当者レコード220を利用する。
【0076】
このプリンタ利用要求を受信した営業支援サーバ20の制御部21は、プリンタコード要求処理を実行する(ステップPA−1)。具体的には、制御部21のプリンタ認証処理手段216は、携帯端末10に対して、プリンタコードの送信要求を、携帯電話網を介して送信する。
【0077】
この送信要求を受信した携帯端末10の端末制御部11は、プリンタコード送信処理を実行する(ステップPA−2)。具体的には、端末制御部11のプリンタ制御手段113は、ローカル通信部10fを介して接続されているプリンタ端末15からプリンタコードを取得する。そして、端末制御部11は、このプリンタコードを、無線通信部10aを介して営業支援サーバ20に送信する。
【0078】
プリンタコードを受信した営業支援サーバ20の制御部21は、プリンタコード照合処理を実行する(ステップPA−3)。具体的には、制御部21のプリンタ認証処理手段216は、渉外担当者レコード220に記録されたプリンタコードと、携帯端末10から受信したプリンタコードとを比較する。そして、プリンタ認証処理手段216は、プリンタコードの一致不一致に応じて認証可否を判断する。すなわち、プリンタコードが一致する場合には、プリンタ認証を完了し、一致しない場合には、認証不可と判断する。
【0079】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、プリンタ認証結果の送信処理を実行する(ステップPA−4)。具体的には、制御部21のプリンタ認証処理手段216は、認証完了フラグ(印刷許可情報)あるいは認証不可フラグのいずれかのプリンタ認証結果を携帯端末10に送信する。この場合、携帯端末10の端末制御部11は、認証完了フラグをメモリに保存することにより認証結果に応じて、後述する各処理を実行する。なお、本実施形態では、この認証完了フラグは、1つの文書の出力中は有効とする。そして、出力終了後に認証完了フラグは削除され、新たにプリンタ端末15を利用する場合には、新たに認証完了フラグを取得する。
【0080】
(音声認識処理)
次に、図9を用いて、音声認識処理について説明する。音声認識処理は、携帯端末10において音声認識による入力処理を行なう場合に実行される。
【0081】
ここでは、まず、携帯端末10の端末制御部11は、訪問情報の送信処理を実行する(ステップVR−1)。具体的には、端末制御部11は、訪問情報として、後述する訪問時確認処理において特定された渉外担当者コード(訪問者情報)や訪問先顧客の顧客コード(訪問先情報)を、携帯電話網を介して営業支援サーバ20に送信する。
【0082】
訪問情報を受信した営業支援サーバ20の制御部21は、辞書選択処理を実行する(ステップVR−2)。具体的には、制御部21の音声認識処理手段215は、ユーザ認証処理によって認証された渉外担当者コードを取得する。次に、音声認識処理手段215は、この渉外担当者コードを訪問情報として利用して、渉外担当者コードに対応する辞書レコ
ード240を辞書データ記憶部24から抽出する。以下の処理では、音声認識処理手段215は、この辞書レコード240に記録された単語を優先して、音声からテキストへの変換(音声認識)を行なう。
【0083】
そして、携帯端末10の利用者(ここでは、渉外担当者)は、音声入力部10dに対して音声を発する。この場合、携帯端末10の端末制御部11は、音声送信処理を実行する(ステップVR−3)。具体的には、端末制御部11の無線通信部10aは、音声入力部10dが取得した音声データ(音声情報)を、携帯電話網を介して営業支援サーバ20に送信する。
【0084】
音声データを受信した営業支援サーバ20の制御部21は、音声認識処理を実行する(ステップVR−4)。具体的には、制御部21の音声認識処理手段215は、取得した音声データを、辞書レコード240を利用しながらテキスト変換処理を行なう。具体的には、音声認識処理手段215は、音声データを用いて特徴量が近い変換候補を特定する。この変換候補の中に辞書レコード240に含まれる単語を検知した場合には、この単語を変換テキストとして特定する。一方、この変換候補の中に辞書レコード240に含まれる単語がない場合には、音声認識処理手段215は、特徴量が最も近い単語を変換テキストとして特定する。
【0085】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、変換候補の送信処理を実行する(ステップVR−5)。具体的には、制御部21の音声認識処理手段215は、特定した変換テキストを含めた認識結果を、携帯電話網を介して携帯端末10に送信する。
【0086】
認識結果を受信した携帯端末10の端末制御部11は、変換候補の確認処理を実行する(ステップVR−6)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、営業支援サーバ20から受信した変換テキストを表示部10bに出力する。この場合、渉外担当者は、表示部10bに出力された変換テキストを確認して、確定入力を行なう。なお、変換テキストに間違いがある場合には、この変換テキストを削除する。そして、変換テキストを削除した場合や、更に他の単語の音声認識を継続する場合(ステップVR−7において「NO」の場合)には、再度、音声送信処理(ステップVR−3)を行なうことにより音声認識を繰り返す。
【0087】
音声認識処理を終了させる場合には、携帯端末10の操作部10cを用いて、確定指示を入力する。この場合(ステップVR−7において「YES」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、変換文字を確定し、音声認識処理を終了する。
【0088】
(訪問前処理)
次に、図10を用いて、訪問前処理について説明する。この訪問前処理は、渉外担当者が顧客を訪問するために外出する前に、携帯端末10を起動してクライアント端末30に接続した場合に実行される。ここでは、渉外担当者は、携帯端末10の表示部10bに出力されたメニュー画面において、「訪問前処理」のアイコンを選択する。
【0089】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、営業支援サーバ20へのアクセス処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、ローカル通信部10fを用いて、クライアント端末30に接続する。そして、クライアント端末30は、携帯端末10と営業支援サーバ20との通信を仲介する。この場合、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、携帯端末10の端末コードを営業支援サーバ20に送信する。
【0090】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、図7に示すユーザ認証処理を実行する(
ステップS1−2)。
ここで、営業支援サーバ20から認証不可フラグが記録されたユーザ認証結果を受信した場合(ステップS1−3において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、利用拒否処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、端末制御部11の各機能を利用できないように設定する。
【0091】
一方、営業支援サーバ20から認証完了フラグのユーザ認証結果を受信した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、営業支援サーバ20からのデータ受信を待機する。
【0092】
また、ユーザ認証ができなかった場合(ステップS1−5において「NO」の場合)、営業支援サーバ20の制御部21は、訪問前処理を終了する。
一方、ユーザ認証を完了した場合(ステップS1−5において「YES」の場合)、営業支援サーバ20の制御部21はスケジュールの特定処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段212は、スケジュールデータ記憶部25から、ユーザ認証された渉外担当者コード、現在日付が予定日として記録されているスケジュールレコード250を抽出する。
【0093】
次に、営業支援サーバ20の制御部21は、訪問先の特定処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段212は、このスケジュールレコード250に記録されている訪問先顧客コードを抽出する。
【0094】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、訪問先情報の送信処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段212は、スケジュールレコード250を用いて特定した訪問先顧客コードが記録されている顧客レコード230を顧客データ記憶部23から抽出する。更に、スケジュール管理手段212は、この訪問先顧客コードが記録されている返却物件レコード270を返却物件データ記憶部27から抽出する。そして、スケジュール管理手段212は、抽出した顧客レコード230及び返却物件レコード270を用いて、訪問先顧客コード、氏名・名称、住所、予定日、返却物件情報(返却物件保管袋識別コード、返却物件預かり書コード、返却物件内容)を含めた訪問先情報を生成する。そして、スケジュール管理手段212は、生成した訪問先情報を、クライアント端末30を介して携帯端末10に送信する。
【0095】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、訪問先情報の表示処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、クライアント端末30からローカル通信部10fにおいて受信した訪問先情報を表示部10bに出力する。更に、ユーザ支援処理手段112は、受信した訪問先情報を訪問先データ記憶部12に記録する。
【0096】
そして、渉外担当者は、営業支援サーバ20から取得して、携帯端末10の表示部10bに出力された訪問先のスケジュールを確認する。更に、渉外担当者は、表示部10bに出力された返却物件情報を用いて、各訪問先に持参すべき保管袋500を、所定の返却物件保管庫から取得する。
【0097】
(訪問時確認処理)
次に、図11を用いて、訪問時確認処理について説明する。渉外担当者が訪問先に到着した場合には、携帯端末10を起動する。そして、携帯端末10の表示部10bに出力されたメニュー画面において、「訪問時確認処理」のアイコンを選択する。
【0098】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、通信状態の確認処理を実行する(ステッ
プS2−1)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、携帯電話網を介して営業支援サーバ20との通信を行なうために、無線通信部10aを介して電波状態を検知する。
【0099】
ここで、電波状態が悪く無線を利用することができない場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、後述するオフラインモード処理を実行する(ステップS2−3)。
【0100】
一方、無線を利用することができる場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、アクセス要求処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、無線通信部10aにより、携帯電話網を介して営業支援サーバ20にアクセス要求を送信する。この場合、セキュリティ管理手段111は、このアクセス要求に端末コードに関するデータを含める。
【0101】
アクセス要求を受信した営業支援サーバ20の制御部21は、図7に示すユーザ認証処理を実行する(ステップS2−5)。
そして、営業支援サーバ20から認証不可フラグが記録されたユーザ認証結果を受信した場合(ステップS2−6において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、利用拒否処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、端末制御部11の各機能を利用できないように設定する。
【0102】
一方、認証完了フラグが記録されたユーザ認証結果を受信した場合(ステップS2−6において「YES」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、位置情報の取得処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、GPS機能部10gから現在の位置情報を取得する。
【0103】
また、携帯端末10の端末制御部11は、訪問先顧客の特定処理を実行する(ステップS2−9)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、訪問先データ記憶部12から、訪問ステータスとして「済」フラグが記録されていない訪問先レコード120を抽出する。そして、ユーザ支援処理手段112は、この訪問先レコード120に記録された訪問先顧客の氏名・名称を、表示部10bに一覧表示する。そして、渉外担当者は、この一覧表示の中から、訪問する顧客のアイコンを、操作部10cのセレクタボタンを用いて選択する。この場合、ユーザ支援処理手段112は、この顧客の訪問先レコード120を特定し、訪問ステータスとして「済」フラグを記録する。
【0104】
そして、携帯端末10の端末制御部11は、顧客住所確認処理を実行する(ステップS2−10)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、GPS機能部10gから取得した現在の位置と、訪問先レコード120に記録された訪問先顧客の住所とを比較して所定距離内にあるかどうかを確認する。
【0105】
ここで、現在の位置が訪問先顧客の住所の所定距離内にない場合(ステップS2−10において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、注意フラグ記録処理を実行する(ステップS2−11)。具体的には、ユーザ支援処理手段112は、この顧客の訪問先レコード120の確認フラグとして「注意」フラグを記録する。一方、現在の位置が訪問先顧客の住所の所定距離内にある場合(ステップS2−10において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、訪問時確認処理を終了する。そして、後述する預かり処理に引き継がれる。
【0106】
(預かり処理)
次に、図12を用いて、預かり処理について説明する。渉外担当者が顧客から物件を預
かる場合には、携帯端末10の表示部10bに出力されたメニュー画面において、「預かり処理」のアイコンを選択する。
【0107】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、預かり物件の入力画面の表示処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、メモリから預かり物件入力画面データを取得し、表示部10bに出力する。この場合、渉外担当者は、セレクタボタンを用いて、預かり物件入力画面の入力欄を選択する。
【0108】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、前述した音声認識処理を実行する(ステップS3−2)。この場合、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、営業支援サーバ20から取得した認識結果を、預かり物件入力画面の入力欄に出力する。渉外担当者が所望の預かり物件情報を入力欄に設定できた場合には、セレクタボタンを用いて確定指示を入力する。この場合、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、入力内容を確定して音声認識処理を終了する。そして、ユーザ支援処理手段112は、確定された預かり物件に関する情報を、この訪問先の訪問先レコード120に記録する。
【0109】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、保管袋の識別コードの取得処理を実行する(ステップS3−3)。ここでは、渉外担当者は、顧客から預かった物件を、未利用の保管袋500に格納して封入する。そして、携帯端末10の撮像部10eを用いて、この保管袋500に貼付されている2次元コード画像を撮影する。この場合、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、撮影された2次元コード画像をデコードして保管袋識別コードを取得する。そして、ユーザ支援処理手段112は、取得した保管袋識別コードを、この訪問先の訪問先レコード120に記録する。
【0110】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、預かり物件情報の送信処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、取得した保管袋識別コードに関するデータを含めた預かり物件情報を、無線通信部10aを用いて営業支援サーバ20に送信する。この預かり物件情報には、預かり物件入力画面において確定された預かり物件に関する情報、及び預かり物件を格納した保管袋の識別コードに関するデータを含める。
【0111】
この場合、営業支援サーバ20の制御部21は、預かり物件情報登録処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の預かり処理手段213は、携帯端末10から受信した預かり物件情報を用いて、預かり物件レコード260を生成し、預かり物件データ記憶部26に記録する。
【0112】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、プリンタ利用要求処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、端末制御部11のプリンタ制御手段113は、ローカル通信部10fを介して接続されるプリンタ端末15の利用要求を、無線通信部10aを介して営業支援サーバ20に送信する。
【0113】
この場合、営業支援サーバ20の制御部21は、図8に示すプリンタ認証処理を実行する(ステップS3−7)。
そして、営業支援サーバ20から認証不可フラグが記録されたプリンタ認証結果を受信した場合(ステップS3−8において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、プリンタ端末15の利用拒否処理を実行する(ステップS3−9)。具体的には、端末制御部11のプリンタ制御手段113は、ローカル通信部10fを利用できないように設定してプリンタ端末15の利用を拒否する。
【0114】
一方、認証完了フラグが記録されたプリンタ認証結果を受信した場合(ステップS3−
8において「YES」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、預かり書の出力処理を実行する(ステップS3−10)。具体的には、端末制御部11のプリンタ制御手段113は、まず、預かり書コードを生成する。次に、プリンタ制御手段113は、預かり書を印字するための印刷データを生成する。この印刷データには、訪問先データ記憶部12に記録された預かり物件に関する情報、渉外担当者の氏名、現在日時に関するデータを含める。更に、プリンタ制御手段113は、預かり書コードから2次元コード画像を生成して、印刷データに含める。そして、プリンタ制御手段113は、プリンタ端末15に対して、ローカル通信部10fを介して印刷データを供給する。この場合、プリンタ端末15は、印刷データを用いて預かり書を印字する。
【0115】
(オフラインモード)
次に、オフラインモードにおける入力処理(図13)、アップロード処理(図14)を説明する。この処理は、電波状態が悪く、携帯端末10が営業支援サーバ20と無線通信を行なうことができない場合に実行される。まず、図13を用いてオフラインモードにおける入力処理を説明する。
【0116】
ここでは、携帯端末10の端末制御部11は、パスワード要求処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、表示部10bにパスワードを入力するためのユーザ認証画面を出力する。渉外担当者は、このユーザ認証画面の入力欄にパスワードを設定する。
【0117】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、ユーザ認証処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、メモリに保持しているパスワードと入力されたパスワードとを比較することによりユーザ認証を行なう。
【0118】
両者が一致せず、ユーザ認証ができない場合(ステップS4−3において「NO」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、利用拒否処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、端末制御部11の各機能を利用できないように設定する。
【0119】
一方、両者のパスワードが一致することにより、ユーザ認証を完了した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、キー入力モード処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、ユーザ支援処理手段112に対して情報取得を許可する。
【0120】
ここでは、ユーザ支援処理手段112は、訪問先データ記憶部12から、訪問ステータスとして「済」フラグが記録されていない訪問先レコード120を抽出する。そして、ユーザ支援処理手段112は、この訪問先レコード120に記録された訪問先顧客の氏名・名称を、表示部10bに一覧表示する。そして、渉外担当者は、この一覧表示の中から、訪問する顧客のアイコンを、操作部10cのセレクタボタンを用いて選択する。
【0121】
この場合、ユーザ支援処理手段112は、この顧客の訪問先レコード120を特定し、訪問ステータスとして「済」フラグを記録する。更に、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、訪問先レコード120の確認フラグとして「オフラインモード:未送信」フラグを記録する。
【0122】
更に、携帯端末10の表示部10bに出力されたメニュー画面において、「預かり処理」のアイコンが選択されることにより、携帯端末10の端末制御部11は、預かり物件の入力画面を表示する。この場合、渉外担当者は、セレクタボタンを用いて、預かり物件入
力画面上の入力欄を選択する。そして、渉外担当者は、操作部10cを用いて、預かり物件情報を入力する。この場合、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、操作部10cを用いて入力された情報を、訪問先データ記憶部12の訪問先レコード120に記録する。
【0123】
このようにして、入力完了指示が指示される(ステップS4−6において「NO」)まで、オフラインモードにおける入力処理が実行される。そして、携帯端末10の操作部10cを用いて、入力完了指示が指示された場合(ステップS4−6において「YES」の場合)には、保管袋識別コードの記録処理を実行する(ステップS4−7)。ここでも、渉外担当者は、顧客から預かった物件を、未利用の保管袋500に格納して封入する。そして、携帯端末10の撮像部10eを用いて、この保管袋500に貼付されている2次元コード画像を撮影する。この場合、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、撮影された2次元コード画像をデコードして保管袋識別コードを取得する。そして、ユーザ支援処理手段112は、取得した保管袋識別コードを、この訪問先の訪問先レコード120に記録する。以上により、携帯端末10の端末制御部11は、オフラインモードにおける入力処理を終了する。
【0124】
次に、図14を用いてオフラインモードにおけるアップロード処理を説明する。このアップロード処理は、オフラインモードにおける入力処理が行なわれた場合に実行される。
ここでは、携帯端末10の端末制御部11は、通信状態の確認処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112が、無線通信部10aを介して、電波状態を確認する。そして、無線を利用できない場合(ステップS5−2において「NO」の場合)には、端末制御部11は、通信状態の確認処理(ステップS5−1)を定期的に実行する。
【0125】
一方、無線通信部10aが無線を利用できる状態を検知した場合(ステップS5−2において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、アップロード処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、確認フラグとして「オフラインモード:未送信」フラグが記録された訪問先レコード120を訪問先データ記憶部12から抽出する。そして、セキュリティ管理手段111は、無線通信部10aを用いて、訪問先レコード120に記録された情報を含めたアップロードデータの送信を行なう。そして、セキュリティ管理手段111は、訪問先レコード120の確認フラグを「オフラインモード:送信済」フラグに変更する。
【0126】
アップロードデータを受信した営業支援サーバ20の制御部21は、預かり物件情報の仮登録処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の預かり処理手段213は、携帯端末10から受信した預かり物件情報を用いて、預かり物件レコード260を生成し、預かり物件データ記憶部26に登録する。
【0127】
次に、営業支援サーバ20の制御部21は、図7に示すユーザ認証処理を実行する(ステップS5−5)。
そして、営業支援サーバ20から認証不可フラグが記録されたユーザ認証結果を受信した場合(ステップS5−6において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、利用拒否処理を実行する(ステップS5−7)。具体的には、端末制御部11のセキュリティ管理手段111は、端末制御部11の各機能を利用できないように設定する。
【0128】
一方、営業支援サーバ20から認証完了フラグが記録されたユーザ認証結果を受信した場合(ステップS5−6において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、営業支援サーバ20からのデータ受信を待機する。
【0129】
ここで、ユーザ認証処理において認証不可であった場合(ステップS5−8において「NO」の場合)、営業支援サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部21のユーザ認証処理手段211は、この預かり物件レコード260に「注意」フラグを記録する。更に、ユーザ認証処理手段211は、管理者のクライアント端末32に、ユーザ認証ができなかった携帯端末10による預かり物件レコード260が登録されたことを通知する。
【0130】
一方、ユーザ認証を完了した場合(ステップS5−8において「YES」の場合)、営業支援サーバ20の制御部21は、預かり物件情報登録の完了通知処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部21の預かり処理手段213は、預かり物件情報を登録したことを通知するメッセージを、携帯端末10に対して送信する。
【0131】
そして、携帯端末10の端末制御部11は、登録結果表示処理を実行する(ステップS5−11)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、預かり物件情報登録の完了したことを表示部10bに出力する。以上により、オフラインモードにおけるアップロード処理を終了する。
【0132】
(帰店処理)
次に、図15を用いて、帰店処理について説明する。この処理は、渉外担当者が営業店に戻ってきた場合にクライアント端末30を用いて実行される。
【0133】
ここでは、まず、クライアント端末30において、帰店入力処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、渉外担当者は、クライアント端末30を起動し、ユーザ認証画面において、渉外担当者コード、パスワードを入力する。この場合、クライアント端末30は、入力された渉外担当者コード、パスワードを含めたログイン要求を営業支援サーバ20に送信する。ログイン要求を受信した制御部21のユーザ認証処理手段211は、ログイン要求に含まれる渉外担当者コード、パスワードが渉外担当者データ記憶部22に登録されているかどうかを確認する。渉外担当者データ記憶部22に登録されている場合には、ユーザ認証処理手段211は、クライアント端末30にメニュー画面データを送信する。
【0134】
ここで、渉外担当者によって、クライアント端末30のディスプレイに出力されたメニュー画面において帰店ボタンが選択された場合、クライアント端末30は、帰店通知を営業支援サーバ20に送信する。
【0135】
帰店通知を受信した営業支援サーバ20の制御部21は、預かり物件の抽出処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部21の帰店処理手段217が、この渉外担当者コード及び現時日付を用いて、預かり物件データ記憶部26から、この渉外担当者について本日登録された預かり物件レコード260を抽出する。そして、帰店処理手段217は、預かり物件レコード260に記録された顧客コード及び預かり物件情報を用いて、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷データを生成する。そして、帰店処理手段217は、これらの印刷データをクライアント端末30に供給する。
【0136】
次に、クライアント端末30は、顧客別預かり一覧、回付用伝票の出力処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、クライアント端末30は、受信した印刷データをプリンタ装置31に供給して、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷を実行する。この顧客別預かり一覧には、顧客から預かった物件の内容が印字されている。そして、この顧客別預かり一覧を用いることにより、保管袋500の中身を照合し確認することができる。
【0137】
次に、クライアント端末30は、保管袋500の識別コードの取得処理を実行する(ス
テップS6−4)。具体的には、クライアント端末30は、渉外担当者が持ち帰った保管袋500の2次元コード画像の読み取り指示をディスプレイに出力する。ここで、渉外担当者は、コードリーダを用いて保管袋500の2次元コード画像を読み取る。この場合、クライアント端末30は、コードリーダにおいて読み取った2次元コード画像をデコードして、保管袋識別コードを取得する。そして、持ち帰ったすべての保管袋500の2次元コード画像を読み取った場合、渉外担当者はクライアント端末30において読み取り完了入力を行なう。この場合、クライアント端末30は、取得した保管袋識別コードを営業支援サーバ20に送信する。
【0138】
クライアント端末30から保管袋識別コードを取得した営業支援サーバ20の制御部21は、保管袋識別コードの照合処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21の帰店処理手段217は、この渉外担当者について抽出した預かり物件レコード260に記録された保管袋識別コードと、クライアント端末30から取得した保管袋識別コードとを比較する。
【0139】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、照合結果の記録処理を実行する(ステップS6−6)。具体的には、制御部21の帰店処理手段217は、クライアント端末30から取得した保管袋識別コードが記録されている預かり物件レコード260のステータスデータ領域に確認フラグを記録する。
【0140】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、照合結果の通知処理を実行する(ステップS6−7)。具体的には、制御部21の帰店処理手段217は、預かり物件レコード260において不一致がある保管袋500についての照合結果リストを作成し、クライアント端末30に送信する。
【0141】
すべての保管袋識別コードが一致した場合(ステップS6−8において「YES」の場合)には、クライアント端末30は、完了表示を出力して、帰店処理を終了する(ステップS6−9)。
【0142】
一方、一致しない保管袋識別コードが存在する場合(ステップS6−8において「NO」の場合)には、クライアント端末30は、アラーム処理を実行する(ステップS6−10)。この場合、渉外担当者は不一致の保管袋500の確認を行なう。
【0143】
(返却処理)
次に、図16を用いて、返却処理について説明する。この処理は、訪問先において、顧客から預かった物件を、この顧客に返却する場合に実行される。ここでは、顧客が預かり書を保持している場合と保持していない場合とで処理が異なる。具体的には、携帯端末10の表示部10bに出力されたメニュー画面において、「返却処理」のアイコンを選択する。この場合、携帯端末10の端末制御部11は、返却要求を営業支援サーバ20に送信する。
【0144】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、預かり書確認画面の表示処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、制御部21の返却処理手段214は、預かり書の有無を入力するための預かり書確認画面データを携帯端末10に送信する。そして、携帯端末10の端末制御部11は、表示部10bに預かり書確認画面を出力する。この場合、渉外担当者は、セレクタボタンを用いて、預かり書の有無を選択する。
【0145】
顧客から預かり書の提示がなく、預かり書確認画面において「預かり書なし」が選択された場合、携帯端末10の端末制御部11は、「預かり書なし」の通知を営業支援サーバ20に送信する。この場合(ステップS7−2において「NO」の場合)、営業支援サー
バ20の制御部21は、後述する受取書対応処理を実行する(ステップS7−3)。
【0146】
一方、顧客から預かり書の提示があり、預かり書確認画面において「預かり書あり」が選択された場合、携帯端末10の端末制御部11は、「預かり書あり」の通知を営業支援サーバ20に送信する。この場合(ステップS7−2において「YES」の場合)には、営業支援サーバ20の制御部21は、預かり書の読み取り指示処理を実行する(ステップS7−4)。具体的には、制御部21の返却処理手段214は、携帯端末10に対して、預かり書を撮影する指示を含めたメッセージを送信する。この場合、渉外担当者は、携帯端末10の撮像部10eを用いて、預かり書に印字された2次元コード画像を撮影する。そして、端末制御部11は、撮影した2次元コード画像をデコードして預かり書コードを取得する。次に、端末制御部11は、この預かり書コードを無線通信部10aを用いて営業支援サーバ20に送信する。これにより、営業支援サーバ20は、預かり書コードを取得する。
【0147】
次に、営業支援サーバ20の制御部21は、保管袋の識別コードの読み取り指示処理を実行する(ステップS7−5)。具体的には、制御部21の返却処理手段214は、携帯端末10に対して、返却物件を格納した保管袋500の識別コードを撮影する指示を含めたメッセージを送信する。この場合、渉外担当者は、携帯端末10の撮像部10eを用いて、保管袋500に貼付された2次元コード画像を撮影する。そして、端末制御部11は、撮影した2次元コード画像をデコードして保管袋識別子コードを取得する。次に、端末制御部11は、この保管袋識別子コードを無線通信部10aを用いて営業支援サーバ20に送信する。これにより、営業支援サーバ20は、保管袋識別子コードを取得する。
【0148】
この場合、営業支援サーバ20の制御部21は、照合処理を実行する(ステップS7−6)。具体的には、制御部21の返却処理手段214は、返却物件レコード270に記録された保管袋識別子コードと預かり書コードとが一致するかどうかを確認する。ここで、返却物件レコード270に記録された保管袋識別子コードと預かり書コードとが一致しない場合(ステップS7−7において「NO」の場合)には、営業支援サーバ20の制御部21は、携帯端末10に不一致を知らせるアラームを送信する(ステップS7−8)。このアラームは、携帯端末10の表示部10bに出力される。渉外担当者は、このアラームにより、返却物件の確認作業を行なう。
【0149】
一方、返却物件レコード270に記録された保管袋識別子コードと預かり書コードとが一致した場合(ステップS7−7において「YES」の場合)には、営業支援サーバ20の制御部21は、返却情報の登録処理を実行する(ステップS7−9)。具体的には、制御部21の返却処理手段214は、この返却物件レコード270のステータスデータ領域に返却フラグを記録する。
【0150】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、登録完了通知処理を実行する(ステップS7−10)。具体的には、制御部21の返却処理手段214が、登録が完了したことを含めたメッセージを携帯端末10に送信する。そして、携帯端末10において出力されたメッセージを確認した渉外担当者は、この保管袋500に格納された物件を顧客に返却する。
【0151】
(受取書対応処理)
次に、図17を用いて、受取書対応処理について説明する。この処理は、顧客から預かり書の提示がない場合に実行される。
【0152】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、顧客情報から返却物件情報の取得処理を実行する(ステップS8−1)。具体的には、端末制御部11は、訪問時確認処理におい
て特定した顧客について、訪問先データ記憶部12に記録された訪問先レコード120を抽出する。そして、端末制御部11は、この訪問先レコード120に記録されている返却物件内容をリストにして表示部10bに出力する。そして、渉外担当者は、表示部10bに出力された返却物件リストの中から、操作部10cを用いて、今回の訪問時に返却を行なう物件を選択する。
【0153】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、プリンタ利用要求処理を実行する(ステップS8−2)。具体的には、端末制御部11のプリンタ制御手段113は、ローカル通信部10fを介して接続されるプリンタ端末15についての利用要求を、無線通信部10aを介して営業支援サーバ20に送信する。
【0154】
この場合、営業支援サーバ20の制御部21は、図8に示すプリンタ認証処理を実行する(ステップS8−3)。
そして、営業支援サーバ20から認証不可フラグが記録されたプリンタ認証結果を受信した場合(ステップS8−4において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、プリンタ端末15の利用拒否処理を実行する(ステップS8−5)。具体的には、端末制御部11のプリンタ制御手段113は、プリンタ端末15をローカル通信部10fを利用できないように設定してプリンタ端末15の利用を拒否する。
【0155】
一方、認証完了フラグが記録されたプリンタ認証結果を受信した場合(ステップS8−4において「YES」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、受取書の出力処理を実行する(ステップS8−6)。具体的には、端末制御部11のプリンタ制御手段113は、受取書を印字するための印刷データを生成する。この印刷データには、訪問先データ記憶部12に記録された返却物件に関する情報、渉外担当者の氏名、現在日時に関するデータを含める。そして、プリンタ制御手段113は、プリンタ端末15に対して、ローカル通信部10fを介して印刷データを供給する。この場合、プリンタ端末15は、印刷データを用いて受取書を印字する。渉外担当者は、この受取証に、顧客の受取確認の捺印をもらい、営業店に持ち帰る。
【0156】
更に、携帯端末10の端末制御部11は、返却情報の送信処理を実行する(ステップS8−7)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、受取証に印字された物件に関する情報を、営業支援サーバ20に送信する。
【0157】
この場合、営業支援サーバ20の制御部21は、返却情報の登録処理を実行する(ステップS8−8)。具体的には、制御部21の返却処理手段214は、返却物件データ記憶部27から返却物件レコード270を抽出する。そして、この返却物件レコード270のステータスデータ領域に返却フラグを記録する。
【0158】
そして、営業支援サーバ20の制御部21は、返却情報の登録完了通知処理を実行する(ステップS8−9)。そして、携帯端末10の端末制御部11は、登録完了表示処理を実行する(ステップS8−10)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、表示部10bに、登録が完了したことを表示する。
【0159】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、携帯端末10を利用する場合、話者照合によってユーザ認証処理が実行される。具体的には、営業支援サーバ20の制御部21は、音声入力要求処理(ステップVA−1)を実行し、話者照合認証処理を実行する(ステップVA−3)。そして、営業支援サーバ20の制御部21は、ユーザ認証結果を送信する(ステップVA−4)。ここで、認証不可フラグが記録されたユーザ認証結果を受信した場合、携帯端末10の端末制御部11は、利用拒否処理を実行する(ステップS1−4、S2−7、S5−7
)。これにより、携帯端末10のセキュリティを向上させて、各種情報の漏洩や携帯端末10の悪用を抑制することができる。
【0160】
・ 上記実施形態では、プリンタ端末15を利用する場合、プリンタ認証処理が実行される。具体的には、営業支援サーバ20の制御部21は、プリンタコード要求処理(ステップPA−1)、プリンタコード照合処理を実行する(ステップPA−3)。そして、営業支援サーバ20の制御部21は、プリンタ認証結果を送信する(ステップPA−4)。ここで、認証不可フラグが記録されたプリンタ認証結果を受信した場合、携帯端末10の端末制御部11は、利用拒否処理を実行する(ステップS3−9、S8−5)。これにより、プリンタ端末15のセキュリティを向上させて、権限を確認できない各証書の出力を抑制することができる。
【0161】
・ 上記実施形態では、端末制御部11の無線通信部10aは、音声入力部10dが取得した音声データを、携帯電話網を介して営業支援サーバ20に送信する。そして、音声データを受信した営業支援サーバ20の制御部21は、音声認識処理を実行し(ステップVR−4)、携帯端末10に変換候補を送信する(ステップVR−5)。これにより、携帯端末10の利用者は効率的に入力を行なうことができる。
【0162】
特に、この音声認識処理においては、携帯端末10の端末制御部11は、訪問情報の送信処理を実行する(ステップVR−1)。そして、営業支援サーバ20の制御部21は、受信した訪問情報を用いて辞書選択処理を実行する(ステップVR−2)。これにより、訪問者や訪問先の顧客情報に応じて、変換候補を絞り込んで、精度よく音声認識を行なうことができる。
【0163】
・ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、預かり物件情報を送信し(ステップS3−4)、営業支援サーバ20の制御部21は、預かり物件情報を預かり物件データ記憶部26に登録する(ステップS3−5)。クライアント端末30から帰店通知を受信した営業支援サーバ20の制御部21は、預かり物件データ記憶部26から預かり物件情報を抽出し、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷データを生成する。(ステップS6−2)。そして、クライアント端末30は、顧客別預かり一覧、回付用伝票の出力処理を実行する(ステップS6−3)。これにより、渉外担当者が帰店した場合には、預かり物件の確認を迅速かつ効率的に行なうことができる。
【0164】
・ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、位置情報の取得処理を実行する(ステップS2−8)。更に、携帯端末10の端末制御部11は、訪問先顧客の特定処理を実行する(ステップS2−9)。そして、現在の位置が訪問先顧客の住所の所定距離内にない場合、携帯端末10の端末制御部11は、注意フラグ記録処理を実行する(ステップS2−11)。これにより、本来の顧客の住所と異なる場所に訪問する場合には、注意を喚起することができる。
【0165】
・ 上記実施形態では、この保管袋500には、各保管袋を特定するための識別コードをコード化した2次元コード画像が貼付されている。そして、顧客から物件(例えば記帳前通帳や現金等)を預かった渉外担当者は、顧客毎に保管袋500に格納して封入する。そして、携帯端末10の撮像部10eを用いて、この保管袋500に貼付されている2次元コード画像が撮影された場合、端末制御部11は、2次元コード画像をデコードした保管袋識別コードを、この訪問先の訪問先レコード120に記録する。これにより、各顧客から預かった物件を格納した保管袋500を、保管袋識別コードを用いて、効率的に特定することができる。
【0166】
更に、帰店処理においては、クライアント端末30は、保管袋500の識別コードの取
得処理を実行する(ステップS6−4)。クライアント端末30から保管袋識別コードを取得した営業支援サーバ20の制御部21は、保管袋識別コードを照合し(ステップS6−5)、照合結果を記録する(ステップS6−6)。更に、クライアント端末30に照合結果を通知する(ステップS6−7)。これにより、現物とデータとが整合しない物件を再確認することができるので、より確実に物件を管理することができる。
【0167】
・ 上記実施形態では、営業支援サーバ20と無線通信を行なうことができない場合には、携帯端末10はオフラインモードになる。この場合は、携帯端末10の端末制御部11は、パスワードを用いてユーザ認証処理を実行する(ステップS4−2)。ユーザ認証を完了した場合、携帯端末10の端末制御部11は、キー入力モード処理を実行する(ステップS4−5)。ここでは、操作部10cを用いて入力された情報は、訪問先データ記憶部12の訪問先レコード120に記録される。その後、携帯端末10の端末制御部11は、通信状態の確認処理を実行する(ステップS5−1)。ここで、無線通信部10aが無線を利用できる状態を検知した場合、携帯端末10の端末制御部11は、アップロード処理を実行する(ステップS5−3)。これにより、訪問先において無線通信を利用できない場合にも、効率的に営業支援サーバ20に情報を供給することができる。
【0168】
更に、アップロード時のユーザ認証処理において認証不可であった場合、営業支援サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS5−9)。これにより、ユーザ認証ができない処理については注意を喚起することができる。
【0169】
・ 上記実施形態では、顧客から預かり書の提示がある場合、営業支援サーバ20の制御部21は、預かり書コードを取得し(ステップS7−4)、保管袋識別子コードを取得する(ステップS7−5)。そして、営業支援サーバ20の制御部21は、返却物件レコード270に記録された保管袋識別子コードと預かり書コードとが一致するかどうかを確認する(ステップS7−6)。ここで、返却物件レコード270に記録された保管袋識別子コードと預かり書コードとが一致しない場合には、営業支援サーバ20の制御部21は、携帯端末10に不一致を知らせるアラームを送信する(ステップS7−8)。これにより、顧客物件情報が整合しない物件の返却を抑制することができる。従って、物件を返却する顧客と、この顧客に返却する物件を確認して、確実な返却を行なうことができる。
【0170】
・ 上記実施形態では、顧客から預かり書の提示がない場合、受取書対応処理を実行する。具体的には、携帯端末10の端末制御部11は、顧客情報から返却物件情報の取得処理を実行する(ステップS8−1)。更に、プリンタ利用要求(ステップS8−2)に応じてプリンタ認証処理が実行される(ステップS8−3)。そして、認証完了フラグが記録されたプリンタ認証結果を受信した場合には、携帯端末10の端末制御部11は、受取書の出力処理を実行する(ステップS8−6)。これにより、携帯端末10に保持された訪問先レコード120を用いて、的確に受取書を出力することができる。
【0171】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、受取書対応処理においては、携帯端末10の端末制御部11は、顧客情報から返却物件情報の取得処理を実行する(ステップS8−1)。具体的には、訪問先データ記憶部12に記録された訪問先レコード120を抽出する。そして、端末制御部11は、この訪問先レコード120に記録されている返却物件内容をリストにして表示部10bに出力する。そして、渉外担当者は、表示部10bに出力された返却物件リストの中から、操作部10cを用いて、今回の訪問時に返却を行なう物件を選択する。これに代えて、図9に示す音声認識処理により、返却物件を特定して、受取書を作成するようにしてもよい。この場合には、携帯端末10の表示部10bに出力されたメニュー画面において、「返却処理」のアイコンが選択されることにより、携帯端末10の端末制御部11は、返却物件の入力画面を表示する。この場合、渉外担当者は、セレクタボタンを用い
て、返却物件入力画面上の入力欄を選択する。そして、営業支援サーバ20を用いて音声認識処理を実行する。これにより、音声認識を利用して受取書を効率的に作成することができる。
【0172】
○ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、預かり物件の入力画面の表示処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、端末制御部11のユーザ支援処理手段112は、メモリから預かり物件入力画面データを取得し、表示部10bに出力する。これに代えて、携帯端末10の端末制御部11が、預かり物件入力画面データを営業支援サーバ20から取得するようにしてもよい。
【0173】
○ 上記実施形態では、現在の位置が訪問先顧客の住所の所定距離内にない場合、携帯端末10の端末制御部11は、注意フラグ記録処理を実行する(ステップS2−11)。これに加えて、GPS機能部10gにおいて取得した現在の位置情報を訪問先レコード120に記録するように構成してもよい。そして、ステップS3−4やステップS5−3において、携帯端末10の端末制御部11は、この現在の位置情報を、営業支援サーバ20に転送する。営業支援サーバ20の制御部21は、現在位置情報を、預かり物件データ記憶部26の預かり物件レコード260に記録される。これにより、渉外活動が行なわれた場所を記録して、トレーサビリティを確保することができる。
【0174】
○ 上記実施形態では、営業支援サーバ20の制御部21は、照合処理を実行する(ステップS7−6)。これに代えて、この照合処理を、携帯端末10の端末制御部11が実行するように構成することも可能である。この場合には、携帯端末10の端末制御部11は、訪問先データ記憶部12に記録された訪問先レコード120を用いて実行する。
【0175】
○ 上記実施形態では、クライアント端末30において、帰店入力処理を実行する(ステップS6−1)。これに代えて、携帯端末10を用いて帰店入力を行なえるようにしてもよい。この場合には、図7に示すユーザ認証を行なう。そして、営業支援サーバ20は、このユーザ認証により渉外担当者を特定して、ステップS6−2と同様に印刷データを生成する。この場合も、印刷データをクライアント端末30のプリンタ装置31に供給して、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷を実行する。これにより、帰店前に顧客別預かり一覧及び回付用伝票を準備しておくことができる。
【0176】
○ 上記実施形態では、営業支援サーバ20の制御部21は、預かり書の読み取り指示処理(ステップS7−4)、保管袋の識別コードの読み取り指示処理(ステップS7−5)を実行する。そして、返却物件レコード270に記録された保管袋識別子コードと預かり書コードとが一致した場合(ステップS7−7において「YES」の場合)には、営業支援サーバ20の制御部21は、返却情報の登録処理を実行する(ステップS7−9)。ここで、預かり物件の一部を先に返却することにより未返却物件がある場合には、この未返却物件について、再度、預かり書を発行するようにしてもよい。具体的には、返却物件データ記憶部27の返却物件レコード270や、訪問先データ記憶部12の訪問先レコード120において、返却物件の預かり書コードに関連付けて未返却物件情報(未返却物件の内容に関する情報)を記録しておく。そして、携帯端末10において、返却物件預かり書コードを取得した場合、未返却物件情報の有無を確認する。そして、未返却物件情報がある場合には、この未返却物件情報を印字した預かり書の出力を指示する。これにより、預かり物件の一部を返却する場合にも対応することができる。
【0177】
○ 上記実施形態では、辞書データ記憶部24に、渉外担当者コード、用語に関するデータを含んで構成される辞書レコード240を記録する。ここで、用語を特定するための識別子は渉外担当者コードに限定されるものではない。例えば、辞書レコード240には、各取引種別コードに対して、この業務において利用される用語に関するデータを記録し
ておくことも可能である。この場合には、渉外担当者レコード220に、各渉外担当者が行なう業務に関する取引種別コードを記録しておく。そして、辞書選択処理(ステップVR−2)において、ユーザ認証された渉外担当者コードから取引種別コードを特定して、この業務における取引種別に対して用語に関するデータを取得する。これにより、取引種別に応じて共通した辞書レコード240を利用することができる。
【0178】
また、顧客コードに対して、この顧客に関する業務において利用される用語に関するデータを記録しておくことも可能である。辞書選択処理(ステップVR−2)において、制御部21の音声認識処理手段215は、訪問先顧客として特定された顧客コードが記録された辞書レコード240を利用する。
【0179】
○ 上記実施形態では、保管袋500には、各保管袋を特定するための識別コード(容器識別情報)をコード化した2次元コード画像が貼付されている。これに代えて、2次元コード画像を印刷した封緘ラベルを用いて、保管袋500を封緘するように構成してもよい。この場合、顧客の前で封緘し、帰店処理後に保管袋500を開封する。これにより、保管袋500の封入状態を確認することができる。特に、開封することにより封緘ラベルが破断する領域に、2次元コード画像が表示されるように構成することにより、2次元コード画像の読み取り可否により、保管袋500の開封の有無を識別することができる。
【0180】
○ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、顧客情報から返却物件情報の取得処理を実行する(ステップS8−1)。これに代えて、返却物件情報を保管袋500の2次元コード画像を用いて取得することも可能である。具体的には、端末制御部11は、顧客に返却する物件が入った保管袋500の2次元コード画像を取得し、返却物件保管袋識別コードを特定する。そして、端末制御部11は、この保管袋識別コードを用いて訪問先レコード120を抽出し、返却物件内容を特定する。
また、返却物件毎に2次元コード画像を生成する場合には、この2次元コード画像に返却物件内容に関する情報を埋め込んでおくことも可能である。
【0181】
○ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、預かり書の出力処理を実行する(ステップS3−10)。ここで、プリンタ制御手段113は、預かり書コードから2次元コード画像を生成して、印刷データに含める。これに加えて、預かり物件に関する情報を、預かり書に印刷する2次元コード画像に含めることも可能である。これにより、携帯端末10を用いて預かり書の2次元コード画像を読み取ることにより、預かり物件情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】携帯端末の機能ブロックの説明図。
【図3】訪問先データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】営業支援サーバの機能ブロックの説明図。
【図5】営業支援サーバの各記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は渉外担当者データ記憶部、(b)は顧客データ記憶部、(c)は辞書データ記憶部、(d)はスケジュールデータ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図6】営業支援サーバの各記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は預かり物件データ記憶部、(b)は返却物件データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本実施形態の処理手順の説明図。
【図11】本実施形態の処理手順の説明図。
【図12】本実施形態の処理手順の説明図。
【図13】本実施形態の処理手順の説明図。
【図14】本実施形態の処理手順の説明図。
【図15】本実施形態の処理手順の説明図。
【図16】本実施形態の処理手順の説明図。
【図17】本実施形態の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0183】
10…携帯端末、11…端末制御部、12…訪問先データ記憶部、10a…無線通信部、10b…表示部、10c…操作部、10d…音声入力部、10e…撮像部、10f…ローカル通信部、10g…GPS機能部、111…セキュリティ管理手段、112…ユーザ支援処理手段、113…プリンタ制御手段、12…訪問先データ記憶部、20…営業支援サーバ、21…制御部、211…ユーザ認証処理手段、212…スケジュール管理手段、213…預かり処理手段、214…返却処理手段、215…音声認識処理手段、216…プリンタ認証処理手段、217…帰店処理手段、22…渉外担当者データ記憶部、23…顧客データ記憶部、24…辞書データ記憶部、25…スケジュールデータ記憶部、26…預かり物件データ記憶部、27…返却物件データ記憶部、30、32…クライアント端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末とネットワークを介して接続される制御手段と、
利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を登録する顧客物件情報記憶手段とを備え、顧客からの預かり物件を管理する営業支援システムであって、
前記制御手段が、
携帯端末から利用者特定情報を取得してユーザ認証を行なう手段、
前記携帯端末から顧客の預かり物件に関する音声情報を取得する手段、
前記音声情報に基づいて音声認識処理を実行し、認識結果を前記携帯端末に送信する手段、
前記携帯端末から前記認識結果の確定情報を取得し、ユーザ認証された利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を顧客物件情報記憶手段に記録する手段、
利用者識別子を特定した出力指示を取得した場合には、前記顧客物件情報記憶手段から顧客物件情報を抽出し、確認リストを出力する手段
を備えることを特徴とする営業支援システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記顧客物件情報記憶手段に記録される顧客物件情報について預かり書の印刷許可情報を前記携帯端末に送信する手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の営業支援システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記携帯端末から位置情報を取得する手段を更に備え、
前記顧客物件情報には前記位置情報を含めて記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の営業支援システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記携帯端末から訪問情報を取得する手段、
前記訪問情報に基づいて、前記音声認識処理を実行する場合の辞書を特定する手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の営業支援システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記携帯端末から預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報を取得する手段、
顧客物件情報には前記容器識別情報を含めて記録する手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の営業支援システム。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記出力指示を取得した場合には、クライアント端末から預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報を取得する手段、
前記容器識別情報を用いて、前記顧客物件情報記憶手段に登録された顧客物件情報の照合を行なう手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の営業支援システム。
【請求項7】
前記ユーザ認証は、前記携帯端末から取得した音声情報を用いて実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の営業支援システム。
【請求項8】
前記顧客物件情報記憶手段には、返却する預かり物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報と預かり書識別情報とを関連付けて記録し、
前記預かり書には、預かり書識別情報が印字され、
前記携帯端末から、前記預かり書識別情報と、返却物件が格納された保管容器に貼付された容器識別情報とを取得し、
前記顧客物件情報記憶手段を用いて両者を照合できた場合に、返却情報を登録する手段
を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の営業支援システム。
【請求項9】
携帯端末とネットワークを介して接続される制御手段と、
利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を登録する顧客物件情報記憶手段とを備えた営業支援システムを用いて、顧客からの預かり物件を管理する営業支援方法であって、
前記制御手段が、
携帯端末から利用者特定情報を取得してユーザ認証を行なう段階と、
前記携帯端末から顧客の預かり物件に関する音声情報を取得する段階と、
前記音声情報に基づいて音声認識処理を実行し、認識結果を前記携帯端末に送信する段階と、
前記携帯端末から前記認識結果の確定情報を取得し、ユーザ認証された利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を顧客物件情報記憶手段に記録する段階と、
利用者識別子を特定した出力指示を取得した場合には、前記顧客物件情報記憶手段から顧客物件情報を抽出し、確認リストを出力する段階と
を実行することを特徴とする営業支援方法。
【請求項10】
携帯端末とネットワークを介して接続される制御手段と、
利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を登録する顧客物件情報記憶手段とを備えた営業支援システムを用いて、顧客からの預かり物件を管理するための営業支援プログラムであって、
前記制御手段を、
携帯端末から利用者特定情報を取得してユーザ認証を行なう手段、
前記携帯端末から顧客の預かり物件に関する音声情報を取得する手段、
前記音声情報に基づいて音声認識処理を実行し、認識結果を前記携帯端末に送信する手段、
前記携帯端末から前記認識結果の確定情報を取得し、ユーザ認証された利用者識別子に関連付けて顧客物件情報を顧客物件情報記憶手段に記録する手段、
利用者識別子を特定した出力指示を取得した場合には、前記顧客物件情報記憶手段から顧客物件情報を抽出し、確認リストを出力する手段
として機能させることを特徴とする営業支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−32096(P2009−32096A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196364(P2007−196364)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】