説明

器具を内視鏡上に位置決めする方法

【課題】医療器具、例えば供給管を患者の体内に配置するための器具を胃腸管内へ導入する器具および方法を提供する。
【解決手段】器具、例えばエンドキャップ400を内視鏡1000上に位置決めする方法が開示される。この方法を、例えば、内視鏡がシース200内に配置され、エンドキャップがシースの遠位端のところに位置決めされる用途を含め 、内視鏡へのエンドキャップの圧接を容易にするために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、次の特許出願、即ち、各々2003年5月16日に出願された米国特許出願第10/440,957号(米国特許出願公開第2004/0230095号として公開された)、同第10/440,660号(米国特許出願公開第2004/0230096号として公開された)および同第10/440,956号(米国特許出願公開第2004/0230097号として公開された)の優先権主張出願であり、これら米国特許出願を参照により引用し、これらの明細書の内容を本明細書の一部とする。
【0002】
本願は、ロング等(Long et al. )の名義で2005年5月12日に出願された米国特許出願(発明の名称:Medical Instrument Having a Guidewire and an Add-to Catheter)(代理人事件番号:END−5335USNP5)(願番未付与)の優先権主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その明細書の記載内容を本明細書の一部とする。
【0003】
〔発明の分野〕
本発明は、一般に医療器具に関し、特に内視鏡手技において有用な器具および方法に関する。
【0004】
〔発明の背景〕
最小侵襲手技は、かかる手技が疼痛を減少させるとともに従来型の開放医療手技と比較して比較的迅速な回復時間をもたらすことができるので望ましい。多くの最小侵襲手技は、内視鏡(腹腔鏡を含むが、これには限定されない)を用いて行われる。かかる手技により、外科医は、医療器械およびアクセサリを患者の体に設けた小さな接近開口部を通って位置決めし、操作し、そして視認することができる。腹腔鏡は、内視鏡(多くの場合、剛性腹腔鏡)を用いるかかる「体内手術(endosurgical)」方式を説明するために用いられる用語である。この種の手技では、アクセサリ器具は、体壁を貫通して配置されたトロカールを通って患者の体内に挿入される場合が多い。
【0005】
依然として低侵襲治療は、生まれつき備わっている体のオリフィスまたは孔を通って治療部位まで内視鏡を挿入することによって行われる治療法を含む。この方式の例としては、膀胱鏡検査、子宮鏡検査、食道胃十二指腸鏡検査および結腸内視鏡検査が挙げられるが、これらには限定されない。これら手技のうち多くは、手技中、可撓性内視鏡を用いている。可撓性内視鏡は、近位端部のところの制御装置を利用することによりユーザが制御できる遠位端部のところの近くの可撓性の操向性関節運動区分を有する場合が多い。
【0006】
可撓性内視鏡の中には、比較的小径であって(直径が1mm〜3mm)、一体形アクセサリチャネル(これは、生検チャネルまたは作業チャネルと呼ばれる)を備えているものがある。可撓性内視鏡の中には、患者の体内での診断または治療を行うために医療器具および他のアクセサリ器具を導入したり抜去したりする目的で直径が約2.0〜3.5mmの一体形作業チャネルを有するものもあり、かかる可撓性内視鏡としては、胃鏡や結腸内視鏡が挙げられる。その結果、外科医により用いられるアクセサリ器具は、用いられる内視鏡のアクセサリチャネルの直径により寸法が制限される場合がある。加うるに、外科医は、1つの作業チャネルを備えた標準型内視鏡を用いる場合、単一のアクセサリ器具に限定される場合がある。
【0007】
或る特定の専用内視鏡、例えば、比較的大きなアクセサリを通すためまたは大きな凝血を吸引する能力を与えるために使用できる直径が5mmの作業チャネルを備えた大型作業チャネル内視鏡が利用可能である。他の専用内視鏡としては、2つの作業チャネルを備えたものがある。かかる大径/多作業チャネル内視鏡の一欠点は、かかる器具が比較的高価な場合があるということである。さらに、かかる大径/多作業チャネル内視鏡は、内視鏡を比較的剛性にする外径を有する場合がありまたは挿管が困難な場合がある。
【0008】
種々の特許文献、例えば、シルバースタイン(Silverstein )に付与された米国特許第5,025,778号明細書、オピエ(Opie)に付与された米国特許第4,947,827号明細書、ソーアー(Sauer )名義で2002年8月8日に出願公開された米国特許出願公開第2002/107530号明細書、マツイ(Matsui)に付与された米国特許第6,352,503号明細書は、内視鏡と関連した方法またはシステムを記載している。公知のシステムの一欠点は、内視鏡の外部で用いられる器具の遠位端部が動く可能性のあることであり、それによりアクセサリが精度を失いまたは内視鏡が画像化できる所望の視野内に維持される能力を失う恐れがあるということにある。
【0009】
ハーマン(Herrmann)名義で2000年8月24日に公表された国際公開第WO00/48506号パンフレットは、少なくとも1つの補助装置を備えた変形可能な内視鏡を開示している。内視鏡および補助器具を備えたユニットは、断面が非円形であると言われる。かかる非円形内視鏡は、費用、複雑さ、またはクリーニング/滅菌の容易性の観点から見て不都合のある場合がある。例えば、滑らかで実質的に円形の断面を備えた標準型内視鏡は、衛生化処理を施し、きれいにするのに比較的容易でありうる。
【0010】
コーテンバッハ(Kortenbach)名義で2000年8月24日に公表された国際公開第WO00/48506号パンフレット(以下、「コーテンバッハ文献」という)は、医療器械を内視鏡の外部上でこれに沿って送り出して内視鏡のルーメン中に嵌まるには大きすぎる器械の使用を可能にする方法および器具を開示している。コーテンバッハ文献は、内視鏡に用いられるカラー、弾性ストラップ、再閉鎖可能な継ぎ目を備えた可撓性シース、可撓性ポリマー押出物および不規則な(押し潰し可能な)断面を備えたルーメンを画定する柔軟な接線方向シースを開示している。コーテンバッハ文献はまた、逆T字形の軌道を開示している。
【0011】
内視鏡は、供給管と一緒に使用することもできる。例えば、内視鏡の内部チャネルを通って供給管を前進させることが知られている。また、供給管の遠位端部を内視鏡の遠位端部から延びる1対の鉗子で保持し、内視鏡を所望の場所に前進させながら供給管を内視鏡の外部に沿って「引きずる」ことにより供給管を内視鏡と一緒に前進させることが知られている。
【0012】
さらに、科学者および技術者は、医療器具を消化管(胃腸管内)に導入するための改良型器具および方法を引き続き求めており、かかる器具および方法は、供給管を患者の体内に配置する改良型器具および方法を含む。
【0013】
〔発明の概要〕
一実施形態では、本発明は、器具を内視鏡上に位置決めする方法を提供する。この方法は、内視鏡を用意するステップと、内視鏡の端部上に位置決めされるよう寸法決めされた器具、例えばエンドキャップを用意するステップと、押し力を前記器具に加えると同時に引き力を内視鏡に加えるステップとを有し、内視鏡に加えられる引き力は、前記器具に設けられた開口部を介して加えられる。引き力をエンドキャップに設けられたボアを介して内視鏡に加えるのがよい。一実施形態では、この方法は、シースと関連したエンドキャップをシースを掴まないでシース内に設けられた内視鏡に圧接させることができる。
【0014】
或る特定の実施形態では、本発明は、限定するわけではないが、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)管および(または)経皮内視鏡的胃瘻術による空腸管(JET PEG)手技を含む、供給管を用いるための手技に関して利用できる。
【0015】
〔発明の詳細な説明〕
図1および図2は、本発明の一実施形態の医療装置10を示している。一実施形態では、装置10は、取っ手100、取っ手100から延びる可撓性カテーテルまたはシース200、シース200に設けられた可撓性軌道300およびシース200の遠位端部に設けられたエンドキャップ400を有するのがよい。取っ手100および可撓性シース200はそれぞれ、内視鏡を挿通状態で受け入れるよう寸法決めされたものであるのがよい。
【0016】
装置10は、図2に示すように軌道300に摺動自在に係合するようになったキャリヤ500を更に有するのがよい。エンドキャップ400は、内視鏡、例えば図2に示すような内視鏡1000の遠位端部に係合するような寸法形状のものであるのがよい。内視鏡1000は、任意の市販の内視鏡、例えば、関節運動遠位部分を備えるとともに観察要素1100および作業チャネル1200を有する胃鏡または結腸鏡であるのがよい。任意適当な内視鏡を本発明に用いることができ、かかる内視鏡としては、胃鏡および小児結腸鏡が挙げられるが、これらには限定されない。本発明に用いられる適当な内視鏡としては、日本国のオリンパス・コーポレイション(Olympus Corporation )によって製造されたモデルPCF100、PCF130L、PCF140LまたはPCF160AL型内視鏡が挙げられるが、これらには限定されない。取っ手100、シース200およびエンドキャップ400は、種々の直径の内視鏡、例えば、直径が約9mm〜約14mmの内視鏡を受け入れるよう寸法決めされたものであるのがよいが、これらには限定されない。
【0017】
装置10とともに内視鏡1000を患者の体内に導入するため、オペレータは、無菌ドライ型内視鏡で開始するのがよい。シース200は好ましくは、比較的軟質かつ弾性伸長可能であり、しかも実質的にねじり剛性が無くしかも実質的にねじり負荷容量の無い薄くて軽量のドレープ性ポリマーフィルム材料で作られる。「ドレープ性」という用語は、シースがシースを支持する内部構造体(例えば、内視鏡)が無い場合に、円形または他の規則的な断面形状を維持しないことを意味する。
【0018】
一実施形態では、シース200は、弾性率が約20ksi(約13×104kPa)未満、詳しくは、約15ksi(約10.3×104kPa)未満、より詳しくは、約10ksi(約6.9×104kPa)未満、更に詳しくは、約7ksi(約4.8×104kPa)未満の材料で作られるのがよい。シースは、降伏強さが約500psi(約3.4×103kPa)未満、詳しくは約300psi(約2.1×103kPa)未満、より詳しくは、約200psi(約1.4×103kPa)未満、更により詳しくは約125psi約8.6×102kPa)未満の材料で作られるのがよい。一実施形態では、シースは、降伏強さが約90psi〜約120psi(約6.2×105kPa〜約8.27×105kPa)の材料で作られるのがよい。弾性率および降伏強さは、5つまたは6つ以上の測定値の平均値として定めるのがよく、4.0インチ(102mm)のゲージ長さ、1.0インチ(25.4mm)のゲージ幅、フィルムの厚さ(例えば、約0.005インチ(0.127mm))に等しい試験厚さおよび0.4インチ/分(約10.2mm/分)の試験機械速度を用いるASTM試験番号D882(薄いプラスチックシートの引張特性に関する標準試験方法)を用いて測定できる。一実施形態では、シースは、弾性率が約7ksi(約4.82×107kPa)未満、降伏強さが約125psi(約8.62×105kPa)未満、破断点引張強さ(ASTM D638に従って測定して)が少なくとも約1メガパスカル、詳しくは少なくとも約5メガパスカル、更により詳しくは約10メガパスカル以上のフィルムで作られるのがよい。シースは、引張伸び(ASTM D638を用いて測定して)が少なくとも約200パーセント、詳しくは少なくとも約500パーセント、さらにより詳しくは約800パーセント以上のフィルムで作られるのがよい。弾性率、降伏強さ、引張強さおよび引張伸びは、少なくとも5つの測定値での平均として定められる。
【0019】
或る実施形態では、シース200を潤滑剤を用いないで内視鏡の挿入長さにわたって挿入するのがよいことが望ましい場合がある。一実施形態では、シース200は、可撓性シースの内面が内視鏡の挿入部分の外面に「付着する」(くっつく)のを阻止する滑らかでない粗い表面を有する内面210を有するのがよい。粗い表面を有する内面は又、例えばシースと内視鏡を一緒に回転させようとする場合に、シース200を通って内視鏡を掴むのを助けることができる。内面は、粗い表面を有するものであるのがよく、外面は一般に、滑らかであるのがよく、あるいは内面と外面の両方が粗い表面を有するものであってもよい。シース200の内面は、外面と同一のテキスチャを有してもよく、外面よりも比較的粗い表面を有するものであってもよく、あるいは外面よりも比較的粗くない表面を有するものであってもよい。
【0020】
粗い表面を有する内面は、隆起部分、凹み部分または隆起部分と凹み部分の組合せを備えるのがよい。例えば、内面は、ランダムに間隔を置いたバンプ(こぶ)または突起を有するのがよく、あるいは変形例として、内面は、一定間隔を置いて生じる隆起部分(例えば、バンプ、リブまたは突起)によって形成されてもよく、この間隔は、一般に一様な間隔であってよい。内面のテキスチャは、粗さ平均測定で測定でき、この測定法では、「粗さ平均」または“Ra”は、「マシナリーズ・ハンドブック(Machinery's Handbook)」,2004年,第27版,第728ページに記載されているように測定したプロフィール高さ偏差の絶対値の算術平均を評価長さで除算したものである。なお、かかる文献を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。粗さ平均は、コネチカット州ミドルフィールド所在のザイゴ・コーポレイション(Zygo Corporation)により市販されているザイゴ・ニュービュー・100・3D・イメージング・サーフェス・ストラクチャ・アナライザ(Zygo NewView 100 3D Imaging Surface Structure Analyzer)による光学干渉法を用いて測定できる。以下の測定パラメータおよび分析パラメータを用いるのがよい。
【0021】
測定パラメータ:収集モードは、“スキャン(Scan)”、カメラモード(Camera Mode)は、320×240ノーマル(Normal)、位相制御装置(Phase Controls)(AGCは、“オン(ON)”、位相応答(Phase res)は、“ハイ(High)”、ミン・モド(Min Mod)は、1%、ミン・エリア(Min Area)サイズは、7、ジスコン・アクション(Discon Action)は、“フィルタ(Filter)”、コネクション・オーダ(Connection Order)は、“ロケーション(Location)”、リムーブ・フリンジ(Remove Fringes)は、“オフ(Off)”、イメージ・ズーム(Image Zoom)は、1×)、スキャン(Scan)制御装置(スキャン(Scan)長さは、“延長(Extended)”、エクステンデット・スキャン・レングス(Extended Scan Length)は、11000マイクロインチ、エフデーエイ・レス(FDA Res)は、“ロー(Low)”)。
【0022】
分析パラメータ:フィルタ(Filter)は、“ローパス(Lowpass)”、フィルタ・タイプ(Filter Type)は、“平均(Average)”、フィルタ・ウィンド・サイズ(Filter Window Size)は、13、フィルタ・ハイ・フレキュエンシー(Filter High Freq.)は、1/ミル、フィルタ・ロー・フレキュエンシー(Filter Low Freq.)は、1/ミル、フィルタ・トリム(Filter Trim)は、“オフ(Off)”、リムーブ(Remove)は、“プレーン(Plane)”、トリム(Trim)は、ゼロ、リムーブ・スパイクス(Remove Spikes)は、“オン(ON)”、スパイク・ハイト(Spike Height)(×RMS)は、1.25、データ・フィル(Data Fill)は、“オン(ON)”、データ・フィル・マックス(Data Fill Max)は、25である。測定を5×マイケルソン対物レンズを用いて行うのがよく、サンプルを金で被覆するのがよく、あるいは違ったやり方としては、光を反射する全体として不透明な表面をもたらすよう被覆したものであってもよい。金被膜をハンマー(Hummer)6.2スパッタリングシステム(Sputtering System)を用いて被着させるのがよい。
【0023】
一実施形態では、シース200の内面の粗さ平均値Raは、約500マイクロインチ(0.000500インチ)(約1.27×10-2mm)未満、詳しくは、約400マイクロインチ(約1.02×10-2mm)未満、より詳しくは約250マイクロインチ(約0.64×10-2mm)未満、更により詳しくは、約150マイクロインチ(約0.38×10-2mm)未満であるのがよい。一実施形態では、内面の粗さ平均値は、約50〜約500マイクロインチ(約1.27×10-3mm〜約1.27×10-2mm)、より詳しくは約50〜約250マイクロインチ(約1.27×10-3mm〜約0.64×10-2mm)、更により詳しくは、約75〜約125マイクロインチ(約0.19×10-3mm〜約0.32×10-2mm)であるのがよい。表面粗さ平均値は、少なくとも5つの測定値の平均として定められる。
【0024】
シース200の内面は、シース200付きの内視鏡を掴むのに適しているが、内視鏡を過度の労力を用いないでシース内に位置決めできるようにすることもできる摩擦係数を有するのがよい。適当な内面の静止摩擦係数と滑り摩擦係数の両方がともに約1.0未満であるのがよい。一実施形態では、ウルテム(Ultem)1000材料で作られた摩擦スレッドを用いて、静止摩擦係数は、約0.3〜約0.6(詳しくは、約0.4〜約0.5)であるのがよく、滑り摩擦係数は、約0.3〜約0.6(詳しくは、約0.4〜約0.5)であるのがよい。440Cステンレス鋼で形成された摩擦試験スレッドを用いると、静止摩擦係数は、約0.2〜約0.5(詳しくは、約0.3〜約0.4)であり、滑り摩擦係数は、約0.2〜約0.5(詳しくは、約0.3〜約0.4)であるのがよい。ASTM試験番号D1894(プラスチックフィルムおよびシート材に関する静止摩擦係数および動摩擦係数に関する標準試験方法)を用いて測定するのがよい。摩擦係数は、少なくとも5つの測定値の平均として定められる。
【0025】
一実施形態では、シース200は、厚さが約0.010インチ未満の熱可塑性ポリオレフィンフィルムで作られたものであるのがよく、このシースは、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびこれらの混合物から成っていてもよい。一実施形態では、シースは、厚さが約0.004〜約0.006インチ(約0.102mm〜約0.152mm)、詳しくは約0.005インチ(約0.127mm)のフィルムで作られたものであるのがよい。適当なフィルムの1つは、オランダ国ホーフドルプ所在のベッセル・NV(Basell NV)により製造され、例えば、ペンシルベニア州ロイヤーズフォード所在のスペシャリティ・エクストルージョン・インコーポレイテッド(Specialty Extrusion, Inc.)により提供できるベーゼル・ソフテル(Basell Softell)Q020Fとして入手できる。
【0026】
取っ手100は、任意適当な材料で作られたものであるのがよく、かかる材料としては、比較的硬質の生体適合性金属およびプラスチックが挙げられるが、これらには限定されない。取っ手100を形成できる適当な材料の1つは、例えばテキサス州ヒューストン所在のハンツマン・コーポレイション(Huntsman Corp.)からHuntsman12N25ACS296として入手できる成形ポリプロピレンである。
【0027】
図1に示すように、取っ手100は、内視鏡を受け入れる近位開口部を備えた全体として円筒形の近位部分102およびこれに隣接した遠位側に先細になっている円錐形部分104を有するのがよい。取っ手100は、その近位端部のところに、内視鏡を受け入れる開口部101を有する。内視鏡を受け入れる取っ手の内部チャネルは、部分102に対応した全体として円筒形のチャネル部分103(想像線で示されている)および部分104に対応した全体として円錐形のチャネル部分105(想像線で示されている)を有するのがよい。全体として円錐形のチャネル部分105は、このチャネル部分105が遠位側へ延びるにつれて比較的大きな内径部から比較的小さな内径部までテーパしているのがよい。軌道支持構造体120が、部分102,104の長手方向軸線に対して傾斜した角度をなして軌道ランプ(傾斜部)130を支持するよう部分102,104から延びた状態で示されている。軌道ランプ130は、軌道300の近位部分を支持することができる。
【0028】
図1Aおよび図1Bは、取っ手100内に挿入された内視鏡1000の等角図である。軌道300の近位端部のところまたはこれに隣接してヒンジ留めラッチ140を位置決めするのがよい。ラッチ140は、例えば一体ヒンジ(living hinge)または機械的ピン型ヒンジによって軌道ランプ130または構造体120にヒンジ留めできる。ラッチは、図1Aでは開放位置で、図1Bでは閉鎖位置でそれぞれ示されている。ラッチは、閉鎖位置では、軌道の近位端部のところまたはこれに隣接して軌道300上に延び、軌道300上に摺動自在に支持されたコンポーネントが軌道300から「ジッパのように開く(以下、「ジッパ開放する」という場合がある)」のを阻止するのを助けることができる。図1Bでは、キャリヤ500および供給管600(両方とも、以下に詳細に説明する)が、軌道300に沿って遠位側方向へ手により前送りされている状態で示されている。
【0029】
遠位付勢力を内視鏡に及ぼし、近位付勢力を取っ手100に及ぼすために弾性伸長可能な部材を用いるのがよい。例えば、取っ手100は、弾性ストラップ150(図18および図19に示す)を有するのがよい。弾性ストラップは、取っ手100の一部、例えば、軌道ランプ130または構造体120から延びて内視鏡1000の一部、例えば、内視鏡のアクセサリチャネルポートを包囲するループを形成するのがよい。弾性ストラップ150は、内視鏡の長さのばらつきに対応するのに有用であり、シースのピンと張った状態を維持するのを助け、しかも、取っ手内への内視鏡の係合状態を維持するのを助ける。弾性ストラップは、内視鏡の曲げに起因する長さの変化を補償するとともに内視鏡を取っ手およびシース内に遠位側へ押圧する弾性付勢力をもたらすよう使用できる。変形例として、弾性ストラップに代えて、比較的弾性の低いストラップを用いるとともに取っ手またはシース内に付勢部材を用いてシースおよび軌道を内視鏡上でじゃばら状になりまたはそうでない場合には「束状」になるのを防止するようシースおよび軌道を維持するのがよい。例えば、ストラップは、全体として非伸長性であり、取っ手は、弾性伸長可能な材料または幾何学的形状で作られたものであるのがよく、したがって、取っ手の長さは、ストラップを比較的長い内視鏡に係合させた場合長くなるようになっている。
【0030】
エンドキャップ400は、内視鏡1000の遠位端部に装着するために熱可塑性エラストマーで作られたものであるのがよい。エンドキャップ400は、ジュロメータが約100未満、より具体的には約50〜約90(ASTM D2240によるAスケール0.120インチ試験を用いて測定して)である材料で作られたものであるのがよい。エンドキャップを内視鏡の遠位端部がエンドキャップ400により把持された状態で、内視鏡の遠位端部に押し付けるのがよい(例えば、僅かにエンドキャップを拡張させてかかる内視鏡の遠位端部にかぶせるのがよい)。エンドキャップ400の形成材料の適当な材料の1つは、成形サントプレン(Santoprene)ブランドの熱可塑性エラストマーである。エンドキャップ400を、例えば熱可塑性エラストマーのような材料で構成することは、かかるエンドキャップ400を以下に詳細に説明するように内視鏡の遠位端部に押し付けることができる点で望ましい場合がある。
【0031】
図1、図2および図2Aを参照すると、エンドキャップ400は、全体として円筒形の本体部分410、遠位フェース412、近位フェース414、およびエンドキャップを貫通して設けられていて、内視鏡1000の遠位端部を受け入れる中央ボア開口部420を有するのがよい。エンドキャップ400は、中央ボア開口部420の内面の長さに沿って互いに間隔を置いて位置する内部の円周方向に延びる溝422を有するのがよい。軌道凹部424(図2A)を本体部分410の上半分に設けるのがよい。凹部424は、近位フェース414から遠位側へ延びるのがよく、この凹部は、軌道300の遠位端部を受け入れるような寸法形状のものであるのがよい。所望ならば、ボア開口部420の近位縁部を、エンドキャップを内視鏡の遠位端部に押し付けるのを助けるようテーパさせるのがよくまたは面取りするのがよい。
【0032】
エンドキャップ400は、本体部分410の少なくとも一部を貫通し、遠位フェース412上で開口するスロット430(図2および図2A)を更に有するのがよい。スロット430は、軌道300と全体として同一の「時計」位置に位置するために軌道300に対して配置されるよう表面境界付け軌道凹部424から遠位側へ延びるのがよい。スロット430は、以下に説明するようにタブまたは他のインジケータ器具を受け入れるような寸法形状のものであるのがよい。一実施形態では、スロット430の近位端部は、全体として軌道300に設けられているチャネル320(以下に説明する)と整列するのがよく、スロット430の遠位端部が、スロット430が凹部424から遠位側の方向へ延びるにつれて半径方向内方へ傾斜するのがよく、したがって、スロット430を貫通して延びるタブまたは他のインジケータ器具が内視鏡1000の光学系によって観察可能であるように遠位側へかつ半径方向内方へ差し向けられるようになっている。エンドキャップ400を任意適当な方法、例えば、超音波溶接により、シース200の遠位端部に接合するのがよい。
【0033】
軌道300をシース200で支持するのがよく、この軌道は、取っ手100からエンドキャップ400まで延びるのがよい。図3は、軌道300を軌道の一部が想像線で示されてシース200で支持された状態で示している。図4は、軌道300の平面図であり、図5は、シース200により支持された軌道300の断面図である。図5においては、シース200は、説明の目的上、内視鏡上に設けられた場合に見えるような断面で示されており、一実施形態では、シース200の壁は、全体としてたるんでいて、ドレープ性であるのがよく、内視鏡または他の内部支持体の支持がなければ図5に示す形状を維持するのに十分な剛性を欠くのがよい。
【0034】
軌道300は、患者の外部の箇所から患者の胃の中の箇所またはその遠位側の箇所まで延び、例えば幽門を通って小腸内へ達するのに十分な長さにわたり長手方向に延びる材料の全体として連続した一体品であるのがよい。軌道300は、軟質ポリマー材料、例えば押し出しポリプロピレンで作られたものであるのよい。軌道300を形成できる適当な材料の1つは、テキサス州ヒューストン所在のハンツマン・コーポレイション(Huntsman Corp.)から入手できるHuntsman 23R2Acs321である。シース200を任意適当な接合方法、例えば超音波溶接で軌道300に接合するのがよい。軌道300の遠位端部をエンドキャップ400上に外側被覆するのがよく、あるいはそうでなければ、凹部424内のエンドキャップ400に接合してもよい。取っ手100を任意適当な方法、例えば超音波溶接によってシース200の近位端部および軌道300の近位端部に接合するのがよい。
【0035】
軌道300は、断面が逆T字形のチャネル320を画定する全体としてC字形のチャネル本体310を有するのがよい。本体310は、フロア312、直立した側壁314、および内方へ延びる枝部316を有するのがよい。本体310は、本体310から外方へ延びる複数個の円周方向に延びる側部タブ330を更に有するのがよい。軌道300の各側に設けられている隣り合うタブ330を、例えば扇形切欠き法(図3に想像線で示されている)または他の間隔保持法、例えば、切欠き法により軌道300の可撓性を維持するよう互いに間隔を置いて設けるのがよい。タブ330は、シース200の内面210に接合された状態で示されている。タブ330を任意適当な手段、例えば、接着剤または他の結合法により内面210に接合するのがよい。
【0036】
原理を限定するわけでないが、タブ330を用いると、内視鏡がシース200内に位置決めされたときに、軌道300を内視鏡に対して安定化させることができる。これらタブは、内視鏡1000に関する軌道チャネル320の対称軸線の半径方向整列を維持するのを助ける。したがって、シース200と軌道300を内視鏡1000を中心として種々の時計位置に円周方向に一ユニットとして回転させることができ、タブ330は、軌道300(およびチャネル320)を内視鏡に対して適正な半径方向の向きに維持するのを助ける。チャネル320の所望の半径方向の向きが、図5に示されており、チャネル320の断面中心線および対象軸線は一般に、内視鏡の中心から延びる半径方向線と全体として整列している。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、軌道300の少なくとも一部は、軌道の別の部分よりも可撓性が高い。例えば、軌道300の一部は、軌道の別の部分よりも曲げ可撓性および軸方向可撓性よりも大きな曲げ可撓性および軸方向可撓性を有するのがよい。図3を参照すると、軌道300は、可撓性の異なる3つの区分を有するものとして概略的に示されている。軌道300の最も遠位側の部分であるのがよい区分Aは、曲げ伸長性と軸方向伸長性の両方において軌道の最も可撓性の高い部分であるのがよい。区分Aは、内視鏡の最も遠位側の部分、例えば、内視鏡の関節運動部分と関連しているのがよい。区分Bは、区分Aよりも比較的可撓性が低い(剛性が高い)のがよい。区分Cは、軌道300の近位側の部分であるのがよく、区分Bよりも可撓性が比較的低いのがよい。一実施形態では、区分Aは、約10インチ(約254mm)にわたって延びるのがよく、区分Bは、約26インチ(約660mm)にわたって延びるのがよい。一実施形態では、軌道300の長さは、少なくとも約50インチ(約1270mm)であるのがよい。 図示の実施形態では、区分A,Bは、これら区分の曲げ剛性および軸方向剛性を減少させるようこれらのそれぞれの長さに沿って所々途切れており、他方、区分Cは、全体として途切れていないものであるのがよい。区分A,Bの途切れ部は、一連のスリット340によって提供されている。図3および図4に示すように、軌道本体310の2つの側部のスリット340は、互いに対してずらされており(長手方向にずれており)、したがって、軌道本体310の一方の側部のスリットは、軌道本体310の他方の側部のスリットと整列しないようになっている。図示の実施形態では、軌道の一方の側部の各スリット340は、軌道の反対側の側部の2つの隣り合うスリット相互間の中ほどのところに位置している。タブ330の各々を1対の隣り合うスリット340相互間に位置決めするのがよい。一実施形態では、スリット340の幅(チャネル320の長さに平行に測定して)は、約0.010インチ(約0.25mm)以下、より具体的には約0.005インチ(約0.13mm)以下であるのがよい。スリット340を任意適当なナイフまたは他の切断器械で形成するのがよい。原理を限定するわけでないが、スリット340の幅および互い違いの配列は、軌道300の十分な可撓性をもたらすことができる一方で、軌道内に摺動自在に設けられた部材が例えば枝部316の撓みにより、内視鏡が曲げられる箇所で(または、軌道が曲げられまたはこれとは異なり湾曲した形態を取るようになっている場合)キャリヤから「ジッパ開放」し、または軌道から「ポップアウト」するのを阻止する。軌道に選択的に配置された途切れ部を設けたことにより、軌道は、シース200と内視鏡の組立体の曲げ剛性をそれほど増大させないで、内視鏡の曲率を辿ることができる。
【0038】
一実施形態では、スリット340は、軌道の全厚(図5において垂直方向に測定された厚さ)にわたって延びている。加うるに、スリットは、枝部316のうちの一方の幅全体にわたって延びるよう軌道の一方の側部から延びるのがよく、スリットは、フロア312を横切って少なくとも中ほどまで延びるのがよい。
【0039】
図3および図4に示す実施形態では、スリット340は各々、軌道の全厚にわたって延びるのがよい。加うるに、軌道の長さに沿うスリット340の配設場所に応じて、スリット340は、中ほど以上に延びるのがよいが、軌道の幅全体にわたって延びるわけではない。例えば、スリット340は、図3の区分Aでは、軌道の長手方向中心線を横切って延びている。図5を参照すると、寸法Wは、中ほど以上に延びているが、軌道の幅全体にわたっては延びていないスリットの幅を示している。軌道300の同一側でのスリット340相互間の間隔または離隔距離342(図3)は、区分Aにおいては約0.120〜約0.130インチ(約3.05〜約3.30mm)であり、区分Bにおいては約0.250インチ(約6.35mm)であるのがよい。
【0040】
軌道の中心線を越えて延びるスリット340の互い違いの配列は、軌道300が引張荷重または曲げ荷重を支える長手方向に連続した荷重経路を備えないという利点を提供することができる。原理を限定するわけでないが、スリット340の互い違いの配列は、軌道300に曲げ部分(図4に符号344で指示されている)をもたらすものとして観察できる。曲げ部分344は、軌道の互いに反対側の側部のスリット340のオーバーラップ量により定められる長さ346(図4)を有するのがよく、曲げ部分344は、1つのスリットと軌道の反対側の側部から延びるすぐ隣のスリットまでの長手方向間隔により定められる幅348を有する。一実施形態では、長さ346は、区分Aでは約0.038インチ〜約0.040インチ(約0.97mm〜約1.02mm)であるのがよく、幅348は、約0.0625インチ(約1.66mm)であるのがよい。
【0041】
図6は、キャリヤ500を示し、図7は、軌道300上の最も遠位側の位置まで前送りされたキャリヤ500を示している。キャリヤ500は、近位端部502から遠位端部504まで延びるのがよい。キャリヤ500の長さは、患者の外部の箇所から患者の胃の中の箇所またはその遠位側の箇所に達するのに十分な長さであるのがよい。一実施形態では、キャリヤ500の長さは、少なくとも約100センチ、より具体的には少なくとも約72インチ(約1.8×103mm)であるがのよい。キャリヤ500は、本体520、全体として垂直に延びるウェブ530、軌道係合レール534を有するのがよい。キャリヤ500は、軌道300に摺動自在に係合し、レール534は、軌道300のチャネル320内で摺動自在であるような寸法形状のものである。キャリヤ500は、一体構造のものであるのがよく、このキャリヤは、適当な材料から成型されまたは違ったやり方で形成されたものであるのがよい。一実施形態では、キャリヤ500は、比較的低摩擦性の材料、例えば押し出しPTFE(テフロン(Teflon:登録商標))で作られている。
【0042】
図8は、軌道300で支持されたキャリヤ500の断面図であり、図示の内視鏡1000の遠位端部は、軌道300の位置に対する内視鏡の遠位端部上のコンポーネントの1つの位置を示すために断面を通して前進している。図8に示すように、ウェブ530は、レール534をキャリヤ本体520の半径方向内方へ位置決めするよう本体520から全体として半径方向内方に延びている。ウェブ530およびレール534の断面は一緒になって、全体として逆“T”字形の形態をもたらすのがよい。
【0043】
キャリヤ本体520は、チャネル522を有するのがよい。チャネル522は、本体520の実質的に全長にわたって延びるのがよい。チャネル522は、チャネルフロア512および対向した側壁514によって結合されるのがよい。本体520は、対向した側部518を備えた内方に延びる枝部516を更に有するのがよく、これら対向した側部は、チャネル522の開口部の喉部を画定するよう互いに間隔を置いて位置している。
【0044】
軌道係合レール534の最も遠位側の部分は、可撓性インジケータタブ536を構成するよう本体520を越えて遠位側へ延びるのがよい。タブ536は、エンドキャップ400のスロット430によって受け入れられるような寸法形状のものであるのがよい。キャリヤ500を軌道300上でこれに沿って遠位側へ前進させると、タブ536は、キャリヤ500が軌道300上のその最も遠位側の位置にいったん達すると、内視鏡1000の光学系によって観察できるようになる。図7および図8を参照すると、タブ536をスロット430の遠位端部から遠位側へかつ半径方向内方へ前進させると、タブ536を内視鏡の光学素子1100を介して観察することができる。
【0045】
一実施形態では、キャリヤ500の少なくとも一部は、キャリヤの別の部分よりも可撓性が高い。例えば、キャリヤ500は、本体520を有するのがよく、この本体の遠位部分520Aは、キャリヤのより近位側の本体部分520Bよりも高い曲げ可撓性および軸方向可撓性を有している。図6を参照すると、キャリヤは、可撓性の異なる2つの区分を有するよう概略的に示されている。キャリヤ区分520Aは、キャリヤの最も遠位側の部分であるのがよく、このキャリヤ区分は、曲げ伸長性と軸方向伸長性の両方においてキャリヤの最も可撓性の高い部分であるのがよい。区分520Aは、少なくとも約2インチ(約50mm)の長さを有するのがよい。一実施形態では、区分520Aの長さは、約4インチ〜約10インチ(約101mm〜約254mm)であり、より具体的には、区分520Aの長さは、約6インチ〜約8インチ(約152mm〜約203mm)であるのがよい。
【0046】
図示の実施形態では、本体区分520Aは、本体520の遠位側部分の曲げ剛性および軸方向剛性を減少させるようその長さに沿って所々途切れた状態で示されている。途切れ部を、一連のスリット540により提供するのがよい。図6および図7に示すように、キャリヤ本体520の2つの側部のスリット540は、本体520の一方の側部のスリットが本体520の他方の側部のスリットと整列しないよう互いに対してずらされている(長手方向にずれている)。図示の実施形態では、キャリヤ本体の一方の側部の各スリット540は、軌道の反対側の側部の2つの隣り合うスリット相互間の軸方向中ほどに位置決めされている。隣り合う枝部516をスリット540で互いに分離するのがよい。
【0047】
原理を限定するわけでないが、可撓性タブ536およびスリット540は、キャリヤ500の遠位部分が軌道から「飛び出る」ことまたは「ジッパ開放」するのを阻止するのに役立つことができる。例えば、可撓性タブ536は、軌道300からのキャリヤの半径方向の放出の阻止を助けるよう軌道300のスリット340相互間の空間を「橋渡しする」ことができる。原理を限定するわけでないが、スリット540の幅および互い違いの配列は、キャリヤ500の十分な可撓性をもたらすことができる一方で、キャリヤ内に摺動自在に設けられた部材がキャリヤから「ジッパ開放」し、またはキャリヤから「ポップアウト」するのを阻止する。
【0048】
一実施形態では、スリット540は、軌道の全厚(図8において垂直方向に測定された厚さ)にわたって延びている。加うるに、スリットは、枝部516のうちの一方の幅全体にわたって延びるよう軌道の一方の側部から延びるのがよく、スリットは、フロア512の少なくとも一部を貫通して連続するのがよい。スリット540は各々、軌道本体520の全厚にわたって延びるのがよく、スリット540は各々、中ほど以上に延びるのがよいが、軌道の幅全体にわたって延びるわけではない。軌道本体の同一側でのスリット540相互間の間隔または離隔距離542(図6)は、キャリヤ本体部分520Aにおいては約0.1〜約0.6インチ(約2.5mm〜約15.2mm)である。スリット540の互い違いの配列は、キャリヤ本体部分520Aが引張荷重または曲げ荷重を支える長手方向に連続した荷重経路を備えないという利点を提供することができる。
【0049】
図9〜図13は、軌道300およびキャリヤ500とともに使用できる供給管600を示している。供給管600は、近位端部602および遠位端部604を有するのがよい。供給管600は、養分を通過させる養分通路620および供給管600と別の部材の解除自在な係合を可能にするように構成された特徴部660を備えた供給管本体610を有するのがよい。例えば、特徴部660は、供給管と軌道またはキャリヤ500の摺動自在な係合を可能にするレールを含むのがよい。
【0050】
通路620は、近位端部602から出口ポート622まで延びるのがよく、養分は、この出口ポートを通って通路620から出て患者のGI管に入る。出口ポート622の遠位側に延びる供給管600の部分を図10および図13に示すように通路620の長手方向軸線に対して傾斜させるのがよく、出口ポート622は、全体としてテーパした細長い形態を有する。したがって、図10および図13に示すように、通路620は、供給管610の長手方向軸線に対して全体として平行であるのがよく、通路620は、管610それ自体が曲げられる程度までを除き、出口ポート622と連通するようには曲げられておらずまたは湾曲していない。通路620が出口ポート622に対して実質的に真っ直ぐに延びるようにするとともに供給管の遠位先端部が通路620に対して傾斜するようにしたことにより、例えばワイヤを供給管の近位入口から通路620を通って出口ポート622から出すことにより通路620を容易にクリーニングすることができるという利点が得られる。
【0051】
図12を参照すると、供給管600は、出口ポート622の近位側か遠位側かのいずれかに位置決めされた1つまたは2つ以上の吸引ポートを有するのがよい。吸収ポートは、管600をいったん配置すると、管600の遠位端部を体内の所望の位置に保持し、供給中における供給管600の移動を阻止するために使用できる。図10では、吸引ポート680が、出口ポート622の遠位側に位置決めされた状態で示されている。吸引ポート680は、組織が吸引ポート680に加えられた真空により管600内に引き込まれると、組織に係合してこれを保持できる複数個の半径方向内方に延びるタブ682を有するのがよい。タブ682を形成するには、管本体610の外壁を切断しまたはスリットしてタブ682を形成するのがよく、あるいは、タブ682を別個の部材、例えば、タブ682を有するよう形成され、管本体610の壁に設けられた孔内に位置決めされる金属製または非金属製インサートに設けてもよい。真空を真空通路(図示せず)を通って吸引ポート680に伝えるのがよく、この真空通路は、養分通路620と連通しまたはこれとは別個に延びる。供給管600を操作して位置決めするのを助けるためにおもり690を管600の遠位端部内に設けるのがよい。
【0052】
特徴部660は、供給管600の長さの少なくとも一部に沿って延びるのがよい。図10では、特徴部660は、供給管600の長さの全てではなくその何割かに沿って延びた状態で示されている。特徴部660は、特徴部660の近位端部662から遠位端部664まで延びるのがよい。特徴部660の近位端部662を距離Lだけ供給管600の近位端部から離すのがよく、したがって、供給管600が定位置にあるとき、患者の咽頭および(または)鼻を通って延びる供給管600の部分が患者に刺激を与えずまたは供給を妨害しないようになっている。距離Lは、約6インチ〜約24インチ(約152mm〜約610mm)であるのがよく、一実施形態では、約18インチ(約457mm)である。
【0053】
特徴部660を管本体610と一体に形成するのがよい(例えば、成型または押し出し成形により)。変形例として、特徴部660を管本体610とは別個に製造し、次に、例えば任意適当な結合法または接合法を用いることにより本体610に取り付けてもよい。特徴部660は、供給管600が例えば摺動係合により別の部材、例えば軌道300またはキャリヤ500に解除自在に係合できるような寸法形状のものであるのがよい。図9では、供給管600は、キャリヤ500で摺動自在に支持された状態で示されている。特徴部660は、レール666およびウェブ668を有するのがよく、ウェブ668は、管本体610から間隔を置いた関係をなして管本体610から支持レール666まで全体として半径方向に延びている。図9では、レール666は、チャネル522内に位置決めされ、ウェブ668は、チャネル522の喉部を貫通して延びている。原理を限定するわけでないが、供給管600をキャリヤ500で摺動自在に支持するとともにキャリヤ500を軌道300上で摺動自在に支持することは、患者の体内における供給管600のスムーズで比較的摩擦の小さな位置決めを可能にするうえで有利であると考えられる。変形例として、供給管600を、例えばレール666が軌道300に直接係合するようにすることによって、軌道300上に直接摺動自在に支持してもよい。例えば、所望ならば、軌道300をテフロン(Teflon:登録商標)または任意他の適当な低摩擦性被膜で被覆するのがよい。
【0054】
図11は、特徴部660の近位端部662を示している。ウェブ668およびレール666がキャリヤ500のチャネル522に対して摺動しているときに、組織は捕捉されまたは挟まれるのを阻止するためにテーパした表面672を近位端部662のところに設けるのがよい。レール666の近位端部は、例えばこれにテーパをつけることにより、ウェブ668の各側でレール666の近位端部のところに設けられる接触面674を備えるよう形成されるのがよい。接触面674を供給管600の長手方向軸線に対して傾斜させるのがよい(図11では、表面674は、これら表面が遠位側へ延びるにつれて外方に延びるよう傾けられている)。接触面672は、供給管600をキャリヤ500に沿って遠位側へ押すために、力を特徴部660に加えることができる表面となる。接触面672の向きは、管600をキャリヤ500上で遠位側へ押すよう加えられた力が特徴部660をキャリヤ500のチャネル522から押し出す傾向が無いように供給管600の長手方向軸線に対して選択されるのがよい。
【0055】
所望ならば、キャリヤ500および特徴部660を備えた供給管600を一緒にして包装してもよい。例えば、キャリヤ500および供給管600を、供給管600が例えばこの管とキャリヤ500の摺動係合によりキャリヤ500上にあらかじめ組み立てられた状態で互いに包装してもよい。キャリヤ500とキャリヤの長さに沿って支持された管600との組立体を使用時点で包装から解いてもよく(例えば、無菌包装材から)、キャリヤ500と管600の組立体を軌道300に沿って前進させてもよい。
【0056】
図14は、供給管位置決め部材700の遠位部分の側面図である。内視鏡を患者から抜去しているときに、供給管をキャリヤ500に沿って遠位側へ押すとともに(あるいは)供給管600をGI管内の所望の位置に維持するために部材700を用いるのがよい。図15は、この部材700の遠位端部の拡大図である。図16は、供給管600を所望位置に維持するよう位置決めされた部材700を示しており、図17は、部材700の遠位端部と供給管600に設けられた特徴部660の近位端部662との係合状態の拡大底面図である。一実施形態では、部材700の長さは、供給管を患者のGI管内の所望の場所に位置決めしたとき、部材700が供給管600の接触面672に係合するよう患者の体外の箇所から延びることができるよう少なくとも約36インチ(約914mm)であるのがよい。
【0057】
図14および図15を参照すると、部材700は、キャリヤ500の構造と類似した構造を有するのがよい。変形例として、部材700は、異なる断面形状を有してもよい。部材700は、本体部分710を有するのがよく、この本体部分は、可撓性をもたらすようスリット740を有するのがよい。部材700は、レール766およびウェブ768を有するのがよく、ウェブ768は、本体710に対して間隔を置いた関係をなして、レール766を支持するよう本体710から延びている。レール766は、チャネル520内でのキャリヤ500の摺動運動を可能にするような寸法形状のものであるのがよい。
【0058】
図15に示すように、部材700の遠位端部702は、本体部分710に設けられたテーパ付き表面772を有するのがよい。レール766の遠位端部は、V字形切り欠きを有するよう形成されたものであるのがよく、2つの表面774が、供給管600の表面674に係合するよう設けられている。表面774は、表面772の遠位側に位置決めされていて、これら表面774は、部材700のレール766が、レール766およびレール666に全体として平行な力を供給管のレール666に及ぼすよう用いることができるように供給管600の表面674に接触するような寸法形状のものである。かかる表面は、半径方向力成分または供給管600を望ましくない力でキャリヤ500から押し出す恐れのある他の力成分を持たない所望の長手方向に差し向けられた力をもたらすことができる。
【0059】
シース200および軌道300を備えた内視鏡を内視鏡の遠位端部が供給管の配置のためにGI管内の所望の位置に位置決めされるよう患者の体内に位置決めするのがよい。供給管600をキャリヤ500上に位置決めするのに、供給管を患者の外部でキャリヤ500上に摺動させ(または、供給管600およびキャリヤ500をあらかじめ包装された組立体の状態で提供するのがよく)、次に、キャリヤ500および供給管600を、例えば供給管の遠位部分が胃または小腸内に位置決めされた状態で軌道300に沿ってGI管内の所望の位置まで一緒に前進させるのがよい。キャリヤ500上のタブ536を、タブ536がいったんエンドキャップ400を貫通すると、内視鏡の光学系を通して観察することができ、それにより、キャリヤおよび供給管が所望の位置に達したという視覚表示が得られる。変形例として、キャリヤ500を軌道300に沿って前進させ、次に供給管600をキャリヤ500に沿って所望の位置まで前進させてもよい。
【0060】
供給管600の遠位端部を体内の所望の位置までいったん前進させると、内視鏡、シース200、軌道300およびキャリヤ500をGI管から取り出すのがよく、後には供給管が定位置に残る。供給管が他のコンポーネントを体から取り出しているときに「後退して出る」さもなければ近位側の方向に動くのを阻止するために、供給管位置決め部材700を用いて他のコンポーネントの取り出し中、供給管の位置を維持するのがよい。供給管600の位置決め後(および内視鏡、シース200、軌道300およびキャリヤ500の取り出し前)、部材700をキャリヤ500内に挿入するのがよく(部材700がキャリヤ500に摺動自在に係合するようにレール766がキャリヤ500のチャネル520内に位置決めされた状態で)、部材700をキャリヤ500に沿って遠位側に前進させ、ついには、部材700の遠位端部が供給管600上のレール666の近位端部662に隣接して位置するようにする。内視鏡、シース200、軌道300およびキャリヤ500を患者の体から近位側の方向に引っ込めているとき、部材700を定位置に保持して(例えば、外科医、外科医のアシスタントの手でまたは固定部によって)部材700を内視鏡、シース、軌道およびキャリヤに対して静止状態に保つのがよく、そして力を表面774と表面674のインタフェースのところで供給管レール666に及ぼし、それにより供給管600が内視鏡および他のコンポーネントの取り出し中、近位側に後退するのを「妨害する」。
【0061】
図18〜図24は、本発明の一実施形態に従って供給管を位置決めする方法の実施の際に用いることができるステップを示している。内視鏡をエンドキャップ400がシース200の遠位端部のところに位置決めされ、取っ手100がシース200の近位端部のところに位置決めされ、軌道300がシース200に沿ってエンドキャップ400から取っ手100まで延びた状態でシース200内に挿入するのがよい。本明細書において以下に用いる「シース組立体」は、シース200と取っ手100とエンドキャップ400と軌道300の組立体を指している。内視鏡を患者の体外でシース組立体内に挿入した後、シース組立体および内視鏡を生まれつき備わっている体の開口部、例えば口の中に挿入するのがよく、そしてシース組立体を内視鏡とともに内視鏡の遠位端部およびエンドキャップ400が所望の場所、例えば小腸のところに位置決めされるよう前進させるのがよい。図18は、シース組立体を患者のGI管内に位置した状態で示しており、軌道300は、体外の位置から小腸内の位置まで延びている。
【0062】
供給管600を例えば、供給管の遠位端部がキャリヤ500の遠位端部のところまたはこれに隣接して位置決めされた状態で供給管600がキャリヤ500の長さに沿って位置決めされるまで供給管レール666をキャリヤ500のチャネル520内で摺動させることにより患者の体外でキャリヤ500上に位置決めするのがよい。図19を参照すると、次に、キャリヤ500および供給管600をともに軌道300に沿って前進させるのがよく(例えば、矢印2の方向に手で)、キャリヤおよび供給管を患者の体外の位置から供給管が所望の場所(図19では小腸)のところに位置決めされる位置まで前進させる。供給管600の長さは、一実施形態では、少なくとも約140cmであるのがよく、供給管の遠位端部を患者の切歯から約130〜約140cmのところに位置決めするのがよい。非限定的な例を挙げると、長さ140cmの10Fr(フレンチ)のドブ−ホフ(Dobb-Hoff)型の供給管(バイアシス・ヘルスケア・インコーポレイテッド(Viasys Healthcare, Inc.)から入手できる)を、例えばウェブおよびレールを管に結合しまたは違ったやり方で取り付けることによりレール666の特徴を有するよう改造するのがよい。小児用結腸鏡、例えばオリンパス(Olympus)モデルPCF100小児用結腸鏡をシース組立体とともに用いるのがよい。
【0063】
図20を参照すると、供給管600がいったん所望の位置に位置すると、部材700を部材700の遠位端部702が供給管600のレール666の近位端部に接触するまで軌道300に沿って遠位側へ(例えば、矢印4の方向に手で)前進させるのがよい。次に、部材700が患者の体およびシース組立体に対して静止状態に保たれているときに、シース組立体(内視鏡とともに)およびキャリヤ500を矢印6で示す方向において体から近位側へ引っ込めるのがよい。供給管600が内視鏡、シース組立体およびキャリヤ500の引っ込み中、近位側へ動く傾向は、部材700の表面774と供給管レール666の表面674の当接係合により阻止される。したがって、供給管600は、内視鏡、シース組立体およびキャリヤ500を体から引っ込めているときに部材700により定位置に維持される。
【0064】
図21は、内視鏡、シース組立体およびキャリヤ500の取り出し後における患者のGI管内の定位置に位置する供給管を示している。図21において、供給管600は、供給管の近位端部602(患者の体外に位置決めされている)から供給管の遠位端部604(小腸内に位置決めされている)まで延びており、供給管600は、口、食道、胃を通って小腸内へ延びている。
【0065】
所望ならば、供給管を図21に示す位置に用いることができる。しかしながら、一般的には、供給管の近位端部が鼻から延びるようにすることが望ましい。図22は、口および鼻から延びるよう挿入できる移送管12の使用方法を示している。口から延びる移送管の端部を図23に示すように供給管の近位端部602に結合するのがよい。次に、鼻から延びる移送管12の端部を引いて供給管の近位端部602の方向を変えて図24に示すように鼻から延びるようにするのがよい。次に、適当な継手14を図24に示すように供給管の近位端部602に取り付けるのがよい。
【0066】
図25〜図30は、患者の腹壁に設けた切開部を通して供給のための接近手段を得るよう供給管を患者の体内に位置決めする別の方法を示している。図25〜図30は、標準のPEG手技の代替例として供給管を胃の中に配置する方法を示している。まず最初に図25を参照すると、取っ手100、シース200およびエンドキャップ400を有するシース組立体内に設けられた内視鏡を、口を通して前進させて、内視鏡の遠位端部およびエンドキャップ400を患者の胃の中に位置決めするのがよい。光源(例えば、内視鏡の遠位端部と関連した光源)を胃の中から用いて腹壁を徹照し、胃の中における内視鏡の位置を患者の体外から観察できるようにするのがよい。腹壁を貫通して小さな経皮切開部を設けるのがよく、針22/カニューレ24、例えば14ゲージ針22/カニューレ24をこの切開部を通して挿入して針の遠位先端部およびカニューレの遠位端部を胃の中に位置決めできるようにするのがよい。
【0067】
図26を参照すると、針22を抜去するのがよく、カニューレ24はその場に残され、胃の内部から患者の体外の箇所まで延びるアクセスチャネルとなる。ループ状ガイドワイヤ32をカニューレに通すのがよく、内視鏡およびシース組立体をガイドワイヤ32によって提供されるループを貫通するよう差し向けるのがよい。
【0068】
図27を参照すると、比較的短い供給管800が示されており、この供給管は、軌道300の長さよりも実質的に短い長さを有する。供給管800は、この実施形態では、長さが約3フィート(約0.914m)未満であるのがよい。供給管800は、供給管800が軌道300および(または)キャリヤ500に摺動自在に係合することができるようにするための特徴部、例えばレール(図示せず)を有するよう改造された市販のPEG型供給管であるのがよい。例えば、供給管800を形成するには、例えばウェブおよびレールを供給管に結合しまたはこれとは違ったやり方で取り付けることにより、ウェブおよびレールを市販のPEG供給管に取り付けるのがよい(変形例として、供給管800を一体形のウェブとレールの特徴部を有するよう押し出し成形することによりまたはこれとは違った仕方で形成することにより供給管800を形成してもよい)。供給管800を構成できる素材としての適当な市販のPEG型供給管の1つは、イリノイ州ホイーリング所在のバイアシス・ヘルスケア(Viasys Healthcare)社から、プッシュ・テクニーク(Push Technique)またはプル・テクニーク(Pull Technique)と併用可能なコルフロ−マックス(Corflo-Max)ブランドのPEGキットの状態で市販されているものとして入手できる。供給管800は、密封バンパまたはボルスタ810およびテーパ付き拡張先端部820を有するのがよい。
【0069】
図27を参照すると、シース組立体がガイドワイヤ32によって提供されたループを貫通した状態で、供給管800をシース組立体に沿って遠位側へ前進させて胃の中に送り込むのがよい。供給管800を軌道300上に位置決めし、そして、部材700を押し要素として用いることにより軌道300に沿って遠位側へ胃まで前進させるのがよい。変形例として、供給管をキャリヤ500上に設け、キャリヤ500を供給管800とともに軌道300に沿って胃まで前進させてもよい。
【0070】
図28を参照すると、供給管800を部材、例えば上述の部材700を用いてシース組立体の遠位端部から押し離すのがよい。供給管800をシース組立体から押し離すと、先端部820から延びている縫合糸830(または他の適当な可撓性ワイヤまたはテザー)をガイドワイヤ32で掴んで縫合糸830がカニューレ24を通って引かれることができるようにするのがよい。
【0071】
図29を参照すると、縫合糸830を引っ張って(例えば、鉗子または止血鉗子を用いて)、先端部820が腹壁の経皮切開部を貫通し、密封バンパ810が胃壁の内面(胃の内面)に当接して位置決めされるようにするのがよい。
【0072】
図30を参照すると、シース組立体を患者から取り出し、外部シール840を供給管800上でこれに沿って前進させてこれが切開部に隣接して患者の皮膚に当てられるようにするのがよい。供給管800を切断して先端部820を供給管から切除するのがよく、そして継手850を患者の外部に位置する供給管の端部上に位置決めするのがよい。図25〜図30に示す手技では、供給管を生まれつき備わっているオリフィスを通って患者の体内に導入し、そして内視鏡を胃の中に位置決めした後、内視鏡に沿って遠位側に押す。次に、切開部を通して供給管を引いて切開部を通って患者のGI管まで延びる供給接近チャネルを形成する。
【0073】
図31〜図37は、本発明の別の実施形態に従って供給管を位置決めする方法で用いることができるステップを示している。図25〜図30は、標準型JET−PEG型手技の代替手段として供給管を小腸内に配置する方法を示している。
【0074】
まず最初に図31を参照すると、取っ手100、シース200およびエンドキャップ400を有するシース組立体内に設けられた内視鏡1000を、口を通して前進させて、内視鏡の遠位端部およびエンドキャップ400を患者の胃の中に位置決めするのがよい。光源(例えば、内視鏡の遠位端部と関連した光源)を胃の中から用いて腹壁を徹照し、胃の中における内視鏡の位置を患者の体外から観察できるようにするのがよい。腹壁を貫通して小さな経皮切開部を設けるのがよく、針22/カニューレ24、例えば14ゲージ針22/カニューレ24をこの切開部を通して挿入して針の遠位先端部およびカニューレの遠位端部を胃の中に位置決めできるようにするのがよい。
【0075】
図32を参照すると、針22を抜去するのがよく、カニューレ24はあとに残されて、胃の内部から患者の体外の箇所まで延びるアクセスチャネルとなる。ループ状ガイドワイヤ32をカニューレに通すのがよく、内視鏡およびシース組立体をガイドワイヤ32によって提供されるループを貫通するよう差し向けるのがよい。内視鏡およびシース組立体を図32に示すように胃から小腸内へ遠位側に前進させるのがよい。
【0076】
図33を参照すると、供給管900をシース組立体の長さに沿って前進させて、供給管900がガイドワイヤ32により提供されるループを貫通するようにするのがよい。図3に示す供給管900は、上述した供給管600の構造と同様な構造を持つ遠位部分904および上述した供給管800の構造とほぼ同じ構造を持つ近位部分906を有するのがよい。近位部分906は、テーパ付き拡張先端部920およびバンパまたはボルスタ910を有するのがよい。近位部分906は、プッシュ・テクニーク(Push Technique)またはプル・テクニーク(Pull Technique)用のコルフロ−マックス(Corflo-Max)ブランドのPEGキットの状態で提供される型式のPEG供給管を用いて構成されたものであるのがよく、かかるキットは、イリノイ州ホイーリング所在のバイアシス・ヘルスケア(Viasys Healthcare)社から入手できる。
【0077】
食物をGI管に送り込む開口部は、遠位部分904に設けられるのがよい。供給管900は、供給管が軌道300および(または)キャリヤ500に摺動自在に係合できるように部分904,906のうちの一方または両方に設けられた特徴部、例えば、レール(例えば、図10、図11および図13に示す形式のレール)を有するのがよい。一実施形態では、供給管900を患者の体の外部でキャリヤ500上に位置決めし、供給管900とキャリヤを一緒に軌道300に沿って前進させる。位置決め部材700をキャリヤ500に沿って供給管900の後ろまで前進させるのがよい。所望ならば、位置決め700は、部材700を掴み、これをキャリヤ500に沿って押すのを助けるよう部材700にクリップ止めできまたは違ったやり方で締結できる掴みクリップ715を有するのがよい。
【0078】
図34を参照すると、位置決め部材700を定位置に保持した状態で、内視鏡およびシース組立体を胃から近位側へ引っ込めるのがよく、その結果、内視鏡およびシース組立体を引っ込めているときに、供給管900を位置決め部材700によってシース組立体の端部から押し離すようにする。先端部920から延びる1本の縫合糸930をループ状ガイドワイヤ32を用いて掴むのがよい。
【0079】
図35を参照すると、縫合糸930および先端部920を、バンパ910が胃の内面に当接して位置決めされるまで切開部を通って引くのがよく、食べ物を通過させるポートを含む供給管の部分904は、小腸(例えば、空腸)内に位置決めされる。図36を参照すると、外部シール940を、供給管900上でこれに沿って前進させてこれが切開部に隣接して患者の皮膚に当てられるようにするのがよい。供給管900を切断して先端部920を供給管から管の不必要な長さ部分と一緒に切除するのがよく、そして継手950を患者の外部に位置する供給管の端部上に位置決めするのがよい。図37では、内視鏡およびシース組立体は、患者の体から取り出された状態で示され、供給管900は、遠位部分904が小腸内に設けられて位置決めされた状態で示され、供給管900は、小腸から胃を通って延びて胃に設けられた切開部を通り、そして患者の腹壁および皮膚を通過している。
【0080】
図31〜図37に示す手技では、供給管を生まれつき備わっているオリフィスを通って患者の体内に導入し、そして内視鏡を胃の中に位置決めした後、内視鏡に沿って遠位側に押す。次に、切開部を通して供給管を引いて切開部を通って患者のGI管(例えば、小腸)まで延びる供給接近チャネルを形成する。
【0081】
図38〜図42は、内視鏡をシース組立体に取り付けた状態で患者の体内に挿入する前に、エンドキャップ400(例えば、エラストマーエンドキャップ400)およびシース200を内視鏡1000上に位置決めする方法を示している。幾つかの用途では、内視鏡をエンドキャップを備えたシース内へ手作業で、例えば、手でコンポーネントを掴むことにより装填することは困難な場合がある。例えば、シースを通って内視鏡を掴み、適当な力を加えてエンドキャップを押圧して内視鏡の遠位端部に被せることが困難な場合がある。加うるに、エンドキャップを内視鏡に対して所与の正時方向に維持することが望ましい場合がある。力を加えてエンドキャップを内視鏡に押し付けている間に所望の時針向きが偶発的に失われる場合があり、再取り付けが必要になる。図38〜図42に示す方法およびコンポーネントは、内視鏡へのエンドキャップ(および関連のシースおよび軌道)の適正な取り付けを助けるよう利用できる。加うるに、かかる方法およびコンポーネントを用いると、たとえシースおよび(または)軌道を用いなくても、エンドキャップを内視鏡に取り付けることができる。
【0082】
図38を参照すると、エンドキャップ装填要素が、ノーズコーン2100の形態で示されている。ノーズコーン2100は、使い捨てであるのがよく、かかるノーズコーンは、軽量の材料、例えばポリマー材料で作られたものであるのがよい。ノーズコーン2100は、本体部分2110および複数個の可撓性枝部2120(6つの枝部が図38に示されている)を有するのがよい。本体部分2110の遠位端部2102は、丸くなっているのがよくまたはテーパ付きであるのがよい。本体部分2110は、本体部分2110の長手方向軸線に対して横断方向に本体部分2110の幅を貫通した貫通穴2112を有するのがよい。本体部分2110および枝部2120は、エンドキャップ400の中央ボア開口部420を貫通するような寸法形状のものであるのがよい。
【0083】
本体部分2110は、本体部分2110の長さに沿って延びる複数個の半径方向スプライン2114を有するのがよい。各スプライン2114は、丸くなったまたは傾斜した枝部肩2118と関連するのがよい。各枝部肩2118は、可撓性枝部2120と関連しているのがよい。各可撓性枝部2120は、枝部肩2118から枝部近位端部2122まで近位側へ延びるのがよい。各丸形枝部肩2118は、本体部分2110のその関連のスプライン2114からその枝部肩と関連した可撓性枝部2120まで半径方向外方に延びるのがよい。
【0084】
スプライン2114の半径方向外面は、ノーズコーン2100の第1の直径を定めるのがよく、枝部2120の半径方向外面は、ノーズコーンの第2の直径を定めるのがよく、第2の直径は、第1の直径よりも大きい。各丸形枝部肩2118の半径方向外面は、各スプラインからその関連の枝部までスムーズな半径方向移行部を構成するよう形作られたものであるのがよい。したがって、丸形枝部肩2118は一緒になって、第1の直径部から第2の直径部までのスムーズな半径方向移行部を構成する。可撓性枝部2120の半径方向内方に向いた表面は、内視鏡1000の遠位端部を受け入れるよう互いに間隔を置いて位置するのがよい(そのように形成されることによりまたは加えられた力に起因して)。
【0085】
スプライン2114、丸形枝部肩2118および枝部2120を全体として等角度間隔で円周方向に互いに間隔を置いて配置するのがよい(例えば、6つのスプライン、6つの枝部肩および6つの枝部に関し、各関連のスプライン、枝部肩、可撓性枝部を本体部分2110の周囲に沿ってぐるりと60゜の間隔で配置するのがよい)。
【0086】
各枝部2120は、図38Aおよび図40Aに示すように、外方に向いた表面に形成されたスロット2124を有するのがよい。枝部2120のスロット2124は一緒になって、拡張可能なリング、例えばシリコーンOリングまたはテフロン(Teflon:登録商標)Oリング2160を嵌め込むことができる円周方向に途切れた溝を構成する。図38Aに示す枝部2120の半径方向厚さ2123は、枝部2120を内視鏡の遠位端部の外面とエンドキャップの内面との間に配置すると、エンドキャップの半径方向内面が内視鏡の外面から間隔を置くように種々の要因、例えば、エンドキャップの内径および材質、内視鏡1000の遠位端部の外径およびノーズコーン2100の枝部2120の本数を考慮に入れるよう寸法決めされたものであるのがよい。6つの枝部2120が用いられた場合の適当な厚さ2123の一例は、約0.032インチ(約0.81mm)である。
【0087】
Oリング2160をスロット2124内に嵌め込む前に、内視鏡1000の遠位端部を枝部2120相互間に挿入するのがよい。次に、Oリング2160をノーズコーン2100の本体2110上でこれに沿って滑らせて丸形枝部肩2118上に載せるのがよい。Oリングを肩2118上で引き伸ばして枝部2120のスロット2124内に嵌め込むのがよい。それにより、Oリングは、半径方向内向きの圧縮力を枝部2120に及ぼすことができ、それにより枝部2120の半径方向内方に向いた表面を押圧してこれを内視鏡1000の遠位端部の外面に係合させることができる。
【0088】
ノーズコーン2100が内視鏡1000の遠位端部上に位置決めされた状態で内視鏡1000をシース組立体(これは、取っ手100、シース200、軌道300およびエンドキャップ400を有する)上に装填する。内視鏡をシース組立体上に装填してノーズコーン2100の本体部分2110が図39に示すようにエンドキャップ400から遠位側へ延びるとともにエンドキャップ400の近位フェースが枝部肩に当接するようにする。Oリング2160および2つの枝部近位端部2122は、図39では想像線で示されている。というのは、Oリングおよび枝部端部は、シースの内側に位置するからである(しかしながら、シース200が実質的に透明なフィルム材料で作られている場合には見える)。
【0089】
次に、図40および図40Aを参照すると、ハンドル2200が、中央ハブ2208から延びる1対の外方に延びるアーム2204を備えた状態で示されている。ハブ2208は、溝付き貫通ボア2210を有する。貫通ボア2210は、ハンドル2200がノーズコーン2100の本体部分2110のスプライン2114に沿って長手方向に摺動できるような寸法形状の溝を有する。スプライン2114と溝付きボア2210の係合により、ノーズコーン2100およびエンドキャップ400に対するハンドル2200の回転が阻止される。スプラインおよび溝を用いない変形実施形態では、ノーズコーン2100に対するハンドル2200の回転が許容されるが、ノーズコーン2100に対するハンドル2200の回転を阻止するのが有利な場合がある。例えば、エンドキャップ400および軌道300を内視鏡の遠位端部に設けられた特徴部、例えば光学系および(または)作業チャネルに対する軌道300の所望の時針向きを維持するような仕方で内視鏡上に装填することが望ましい場合がある。ハンドル2200をノーズコーン2100に対して回転的に固定された状態に維持することは、内視鏡1000の遠位端部に対する軌道300の角度的な位置合わせ不良を回避するのを助けることができる。
【0090】
図40Aは、ノーズコーン2100がハンドル2200の近位側部からボア2210内へ延びる状態を示している。ハンドル2200の近位側部は、エンドキャップ400の遠位表面412に対する押圧力をもたらす1つまたは2つ以上の表面を有するのがよい。図40Aでは、ハンドル2200は、ハンドル2200から近位側へ延びる多数の全体として楔形の延長部2700を有する状態で示されている。図40Aでは、貫通ボア2210内の各溝につき1つずつ、全部で6つの延長部2700が設けられている。延長部2700は、貫通ボア2210の溝の幅に実質的に等しい距離だけ離されているのがよい。延長部2700は各々、近位側へ向いた表面2710を有する。これら表面2710は一緒になって、ハンドル2200をノーズコーン2100に沿って近位側へ前進させているときに、エンドキャップ400の遠位表面412に係合することができる。別々の互いに間隔を置いた表面2710を設けることにより、ハンドル2200がエンドキャップ400に対して押圧力をもたらし、枝部2120が内視鏡の遠位端部に対して引き力をもたらすので、エンドキャップ400の材料がノーズコーン2100とハンドル2200との間で挟まれるのが阻止されるという利点が得られる。
【0091】
図41を参照すると、引きリング2300が、例えばピン2308によりノーズコーン2100の遠位端部に取り付けられた状態で示されており、このピンは、引きリングカラー2304を貫通してノーズコーン2100の貫通ボア2112内へ延びている。ノーズコーン2100の遠位端部に取り付けられた引きリング2300と、スプラインおよび溝構造を介してノーズコーン2100上に摺動自在に支持されたハンドル2200の組合せにより、ユーザは、遠位引き(引張)力を内視鏡1000にエンドキャップ400を介してノーズコーン2100経由で及ぼすことができ、それと同時に、近位押し(圧縮)力をハンドル2200の表面2710経由でエンドキャップ400の遠位フェースに及ぼすことができる。
【0092】
図42を参照すると、かかる力の加え方が、矢印2250,2350により概略的に示されている。引きリング2300を矢印2350で指示する方向に引くとともにハンドル2200を矢印2250で指示する方向に押すことにより、エンドキャップ400は、内視鏡1000の遠位端部に押し付けられ、Oリングは、枝部2120から押し離され、その結果、枝部2120は、内視鏡1000の遠位端部から離脱してこれら枝部をエンドキャップ400の貫通ボア420を通して引くことができるようになっている。Oリング2160は、エンドキャップ400の近位側で内視鏡周りに位置決めされた状態のままであるのがよい。
【0093】
図38〜図42に示す例示の実施形態では、近位押し力がハンドル2200によりエンドキャップ400の遠位フェースに加えられているときに、遠位引き力を可撓性枝部2120により内視鏡1000の外面に加える。図43〜図47は、エンドキャップを内視鏡上に位置決めする際に用いられる別の装置および方法を示しており、かかる装置および方法を利用すると、押し力をエンドキャップに加えているときに、引き力を内視鏡の内面のところ、例えば、内視鏡の作用チャネルの内面のところに及ぼすことができる。シースおよび軌道は、分かりやすくするために図から省かれており、図43〜図47に示す装置および方法は、エンドキャップを内視鏡の遠位端部上に位置決めするために使用できることは理解されるべきであり、これは、シースおよび(または)軌道が用いられない用途を含む。
【0094】
図43は、装填装置3000の概略等角図であり、図44は、この装置3000の部分断面図である。図43および図44では、エンドキャップ400は、例示目的で示されており、エンドキャップ400は、この装置3000の一部をなさないことは理解されるべきである。図45、図46および図47は、エンドキャップ400を内視鏡上に装填するために装置3000を用いる際のステップを示しており、内視鏡およびエンドキャップは、例示の目的および分かりやすくする目的で全体として透明であるように示されている(ただし、所望ならばエンドキャップ400および内視鏡を全体として透明な材料で形成してもよい)。
【0095】
装置3000は、本体部分3100、回転部分3200、並進部分3300およびリング3400を有している。図45および図46に示すように、装置3000は、1つまたは2つ以上の拡張可能な部材、例えば弾性シリンダ3500を有するのがよく、これらシリンダは、例えば内視鏡の作業チャネル内に位置決めされることにより内視鏡の内面に係合することができる。シリンダ3500は、軸方向に圧縮されると半径方向に拡張する任意適当な材料、例えばゴムまたは合成エラストマー材料で作られたものであるのがよい。変形例として、他種類の拡張可能な部材、例えば、インフレーションにより拡張する部材を採用してもよい。
【0096】
図46を参照すると、シリンダ3500を拡張させて作業チャネルの内面に係合させることができる。ゴム性シリンダの拡張は、部分的には、以下に詳細に説明するように回転部分3200の回転と関連して実施可能である。
【0097】
図47を参照すると、シリンダ3500が作業チャネルの半径方向内面に圧縮して係合するよう内視鏡の作業チャネル内で拡張した状態で、並進部分3300を本体部分3100に対して遠位側へ引くことができる(図47において矢印3302で指示するように)。図示のように、本体部分3100は、エンドキャップ400の遠位表面412に係合する近位側に向いた表面3122を備えた凹部3120を有するのがよい。並進部分3300を本体部分3100に対して遠位側へ引いているとき、シリンダ3500を本体部分3100に対して遠位側へ引っ込めることができる。したがって、作業チャネルの内面に係合した状態でシリンダ3500を遠位側へ引くことにより内視鏡に加わる引き力と表面3122によりエンドキャップ400の遠位表面412に及ぼされる相補反力としての押し力の組合せは、エンドキャップ400を内視鏡の遠位端部に圧接させるのに役立つ。したがって、装置3000は、内視鏡またはシース(シースが用いられている場合)の外面を保持しまたは違ったやり方でこれに接触しないで、エンドキャップ400を内視鏡の遠位端部上に取り付けるために使用できる。
【0098】
次に、図43〜図47ならびに断面図としての図48および図49を参照して装置3000の構成要素および作用について詳細に説明する。本体部分3100は、2つの本体半部3106,3108により得られる外面を有するのがよい。本体半部を任意適当な方法で、例えば、ねじ型締結具、リベット、接着剤等を用いて互いに接合することができる。
【0099】
並進部分3300は、その少なくとも部分的に本体部分3100内に設けられるのがよく、この並進部分は、ハブ3316および外方に延びるリンググリップ3318を有するのがよい。リンググリップ3318は、ハブ3316から本体部分のシェル半部3106,3108相互間に提供されるスロットを通って外方に延びるのがよい。
【0100】
図44および図48を参照すると、回転部分3200を、この回転部分3200が本体部分3100に対して回転自在であるとともに回転部分が並進部分3100に対して回転自在であるように本体部分3100の端部のところで支持するのがよい。図48に示すように、回転部分3200を、本体半部3106,3108により提供される凹部3105内に受け入れられた端部3202を有するのがよい。端部3202は、端部3202の外面上に形成されたリング3204を有するのがよい。リング3204は、溝3107内に受け入れられ、この溝が、本体半部3106,3108の内面上に形成されるのがよい。リング3204と溝3107の嵌合により、部分3200は、本体部分3100に対して回転できる一方で、本体部分3100に対する部分3200の並進が阻止される。
【0101】
回転部分3200は、カラー3208を有するのがよく、このカラーを指で掴んで部分3200を回転させることができる。リング3400を、このリング3400が回転部分3200の位置とは独立して回転部分3200の長手方向軸線回りに自由に回転できるよう回転部分3200の端部のところで支持するのがよい。したがって、リング3400を、回転部分3200をどのように回転させるかとは無関係に、並進部分3300のリンググリップ3318の平面内の向きと同一の平面内の向きを有するよう整列させることができる。
【0102】
図48は、並進部分3300および回転部分3200の部分部分の拡大概略断面図であり、図49は、エンドキャップまたは内視鏡に係合するよう用いられる装置の部分の拡大概略断面図である。並進部分3300は、この並進部分の長さにわたって延びる中央ボア3342を有するのがよい。中央ボア3342は、ハブ3316の長さに沿って延びる拡大ボア部分3344を有するものとして示されている。シャフト3350が、中央ボア3342を貫通しており、このシャフトは、ボア3342に対してボア3342内で自由に回転するよう寸法決めされるとともにボア3342内に支持されている。シャフト3350は、第1の端部3352から第2の端部3354まで延びるのがよい。第2の端部3354は、シャフト3350の残りの長さに対して拡大直径を有するのがよく、したがって、第2の端部3354を用いてシリンダ3350を圧縮することができるようになっている。
【0103】
図48を参照すると、雌ねじ付き部材3360が、ハブ3316の端部のところに設けられている。雌ねじ付き部材3360は、中央ボア3342および拡大ボア部分3344に対して全体として同軸状に整列する雌ねじ付き貫通穴を備えたナ
ットの形態をしているのがよい。雌ねじ付き部材3360は、並進部分3300に対して固定されている。
【0104】
回転部分3200は、長手方向に延びる内部チャネル3242を有するのがよく、この内部チャネルは、ボア3342に対して全体的に同軸状に整列している。雄ねじ付き部材3260が、ボア3242内で摺動するよう設けられている。この部材3260は、非円形ヘッド3262、長手方向に延びる雄ねじ付き部分3264および長手方向に延びる貫通ボア3266を有するねじの形態をしているのがよい。貫通ボア3266は、ねじ3260の長さにわたって延び、この貫通ボアは、シャフト3350を挿通状態で受け入れるように寸法決めされた内径を有するのがよい。貫通ボア3266は、シャフト3350がねじ3260に対して自由に回転できるよう寸法決めされているのがよい。
【0105】
ねじ3260のヘッド3262は、正多角形の形状を有するのがよい。回転部分3200のボア3242は、ヘッド3262の非円形断面形状とほぼ同じ非円形断面形状(例えば、ヘッド3262が六角形であれば六角形の断面形状)を有するのがよく、したがって、ねじ3260は、回転部分3200に対してボア3242内で並進できるが、ねじ3260は、回転部分3200とともに回転するのが抑制されるようになっている。変形例として、ねじ3260は、ボア3242内でのねじ3260の摺動並進を可能にする一方で、ねじが回転部分3200と一緒に回転することを確実にするため、キーまたは他の特徴部を有するヘッド3262を有してもよい。
【0106】
シャフトカラー3356が、シャフト3350のシャフト端部3352のところまたはその近くに設けられている。シャフトカラー3356を例えば位置決めねじ、ピン、接着剤またはカラー3356をシャフト3350に固定するための任意他の適当な締結手段によりシャフト3350に固定するのがよい。カラー3356をボア3242内に配置するのがよく、このカラーは、カラー3356が回転部分3200に対して自由に並進するとともに回転できるよう寸法決めされた外径を有する。カラー3356の表面3358は、図48に示すようにねじヘッド3262の端面に当接しまたはこれとは違った仕方で係合するのがよい。
【0107】
図49を参照すると、シリンダ3500をボア3342から延びるシャフト3350の一部上に支持するのがよい。シリンダ3500を並進部分3300の端部フェース3302から外方に延びるシャフト3350の一部上に支持するのがよい。1つのシリンダ3500をシャフト端部3354とスペーサ3352との間で、シャフト3350上に設けるのがよい。スペーサ3352は、シリンダ3500よりも比較的硬いが、弾性が低い材料で作られており、このスペーサ3352は、金属ワッシャの形態をしているのがよい。第2のシリンダ3500をスペーサ3352と1対のスペーサ3354との間でシャフト3350上に設けるのがよい。スペーサ3354を図49に示すように、第2のシリンダ3500と端部フェース3302との間でシャフト3350上に設けるのがよい。装置3000を用いてエンドキャップを内視鏡上に装填するため、装置3000を図45に示すようにエンドキャップおよび内視鏡に対して位置決めし、この場合、並進部分3300は、本体部分3100に対して前方位置にあり、シャフト端部3350およびシリンダ3500は、内視鏡の作業チャネル内に設けられ、並進部分3300の端部フェース3302は、内視鏡の遠位端部フェースに当接し、本体部分3100の表面3122は、エンドキャップの遠位フェースに当接する。次に、回転部分3200を回転させ(例えば、カラー3208を介して)、この回転により、ねじ3260がナット3360内で回転する。ねじ3260が回転すると、ねじ3260は、ねじ3260のねじ山のピッチに従ってボア3242内で後方の方向に並進する。ねじ3260の後方運動により、シャフトカラー3356が後方へ押され、それにより、シャフト3350およびシャフト端部3354が、並進部分3100に対して後方に動き、それによりシリンダ3500を圧縮するとともにシリンダが半径方向に拡張して内視鏡の作業チャネルの内面に圧縮して係合する。
【0108】
次に、シリンダ3500が内視鏡の作業チャネル内で拡張した状態で、親指をリング3400内に差し込んで2本の指をリンググリップ3318内に挿入するのがよい。リンググリップ3318内の指により、後向きの力を並進部分3300に及ぼして、部分3300が本体部分3100に対して後方に引かれるようにするのがよい。また、並進部分3300を図47に示すように後方に(矢印3302の方向に)引いた結果として、シャフト3350およびシリンダ3500は、後方に動くことになる。シャフト3350およびシリンダ3500が並進部分3300と一緒に後方に動くので、シリンダはそれ以上拡張されない。シャフト3350(シャフト3350内の引張力)およびシリンダ3500(内視鏡の内面に係合している)に加わる後ろ向きの力により、後ろ向きの力が内視鏡に及ぼされ(内視鏡に加わる引き力)、他方、本体部分3100の表面3122は、エンドキャップの遠位フェースを押す。したがって、部分3300が本体部分3100に対して後方に引かれているとき、引き力が内視鏡の内面に及ぼされ、他方、押し力がエンドキャップの遠位フェースに及ぼされ、それにより、エンドキャップが内視鏡の遠位端部に押し付けられる。
【0109】
本発明を幾つかの実施形態の説明により説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲をかかる細部に制限しまたは限定することは本出願人の意図ではない。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には多くの他の変形例および変更例および置換例が想到されよう。例えば、本発明の器具および方法は、口および食道を通る供給管の配備と関連して説明したが、本発明は、体の他の部分に利用でき、例えば、本発明を利用して医療アクセサリを他の開口部を通って体内に差し向けることができ、かかる開口部としては体に生まれつき備わっている他の開口部が挙げられる。さらに、変形例として、本発明と関連した各要素の構造をこの要素により実行される機能をもたらす手段として説明することができる。上述の説明は、例示として与えられており、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲および精神から逸脱することなく他の改造例を想到できることは理解されよう。
【0110】
〔実施の態様〕
本発明の具体的な実施態様は、次の通りである。
(1)器具を内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
前記内視鏡の端部上に位置決めされるよう寸法決めされた器具を用意するステップと、
押し力を前記器具に加えると同時に引き力を前記内視鏡に加えるステップであって、前記内視鏡に加えられる前記引き力は、前記器具に設けられた開口部を介して加えられる、ステップと、
を有する、方法。
(2)実施態様(1)記載の方法において、
前記内視鏡に加えられる前記引き力は、前記器具に設けられた貫通ボアを介して加えられる、方法。
(3)実施態様(1)記載の方法において、
前記引き力は、前記器具に設けられていて、前記内視鏡の前記端部を受け入れるよう寸法決めされた開口部を介して加えられる、方法。
(4)実施態様(1)記載の方法において、
前記器具は、前記内視鏡の端部を受け入れるボアを備えたエンドキャップを有し、前記引き力は、前記エンドキャップの前記貫通ボアを介して前記内視鏡に加えられる、方法。
(5)実施態様(1)記載の方法において、
前記器具は、シース内に設けられた内視鏡上に位置決めされ、前記引き力を前記内視鏡に加える前記ステップは、前記シースを掴まないで実施される、方法。
(6)実施態様(1)記載の方法において、
前記引き力は、前記内視鏡の外面の半径方向内方に前記内視鏡に加えられる、方法。
(7)実施態様(1)記載の方法において、
前記引き力は、前記内視鏡内に設けられたチャネルの表面に加えられる、方法。
(8)実施態様(1)記載の方法において、
前記引き力は、前記内視鏡の遠位端部周りに加えられる、方法。
(9)実施態様(1)記載の方法において、
前記内視鏡の内面に係合するステップを有する、方法。
(10)実施態様(1)記載の方法において、
前記内視鏡内に設けられた部材を拡張させることにより前記内視鏡の内面に係合するステップを有する、方法。
【0111】
(11)エンドキャップを内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
前記内視鏡を受け入れるシースを用意するステップと、
前記シースの遠位端部と関連したエンドキャップを用意するステップと、
前記内視鏡を前記シース内に少なくとも部分的に位置決めするステップと、
前記エンドキャップを介して力を前記内視鏡に加えるステップと、
を有する、方法。
(12)実施態様(11)記載の方法において、
力を前記エンドキャップに加えるステップを更に有する、方法。
(13)実施態様(11)記載の方法において、
押し力を前記エンドキャップに加えると同時に引き力を前記内視鏡に加えるステップを更に有する、方法。
(14)実施態様(11)記載の方法において、
力を前記内視鏡に加える前記ステップは、前記シースに接触することなく実施される、方法。
(15)実施態様(11)記載の方法において、
引き力を前記内視鏡に加えると同時に押し力を前記エンドキャップに加えるステップを有し、前記引き力は、前記内視鏡の外面に加えられる、方法。
(16)実施態様(11)記載の方法において、
引き力を前記内視鏡に加えると同時に押し力を前記エンドキャップに加えるステップを有し、前記引き力は、前記内視鏡の内部チャネルと関連した表面に加えられる、方法。
【0112】
(17)エンドキャップを内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
前記内視鏡を受け入れるシースを用意するステップと、
前記シースの遠位端部のところに設けられたエンドキャップを用意するステップと、
前記内視鏡を前記シース内に少なくとも部分的に位置決めするステップと、
前記シースを掴まないで前記エンドキャップを前記内視鏡の遠位端部に圧接するステップと、
を有する、方法。
【0113】
(18)エンドキャップを内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
第1の端部および前記内視鏡の遠位端部に解除自在に係合するように構成された第2の端部を備えた装填要素を用意するステップと、
前記装填要素を前記内視鏡の前記遠位端部上に解除自在に位置決めするステップと、
前記装填要素の前記第1の端部を前記エンドキャップを通して少なくとも部分的に挿入するステップと、
前記装填要素を引くとともに前記エンドキャップを押すステップと、
を有する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】内視鏡シースおよび軌道の略図である。
【図1A】開放形態にあるヒンジ留めラッチを備えた取っ手内に挿入されている内視鏡の略図である。
【図1B】図1Aの略図に類似した図であり、閉鎖位置にあるヒンジ留めラッチおよび供給管を示すとともにキャリヤを軌道上で前進させている状態を示す図である。
【図2】図1のシースの遠位端の略図であり、キャリヤを軌道上で前進させている状態を示す図である。
【図2A】エンドキャップの近位端を示す概略等角図である。
【図3】シース上に設けられた軌道の種々の断面を示す図である。
【図4】軌道の一部の平面図である。
【図5】シースで支持された軌道の断面図である(シースを、内部部材、例えば内視鏡がシース内に配置されていない場合に、図5に示す円形形態を維持しない薄いフィルムで作るのがよいことが理解される)。
【図6】本発明の一実施形態の供給管キャリヤの略図である。
【図7】シースおよび軌道の遠位部分の略図であり、キャリヤが軌道上の遠位位置まで前進し、インジケータタブが内視鏡により観察可能であるようにエンドキャップに設けられたスロットを貫通している状態を示す図である。
【図8】シースを貫通して前進した内視鏡の遠位端部を示す略図であり、シース、軌道およびキャリヤが断面で示されている図である。
【図9】シース、軌道およびキャリヤの遠位部分の略図であり、キャリヤおよび供給管が軌道上の遠位位置まで前進した状態を示す図である。
【図10】軌道と摺動係合関係をなす特徴部を備えた供給管の略図である。
【図11】図10に示す特徴部の近位部分の略図である。
【図12】供給管を位置決めし、軌道をGI管(消化管)から引っ込めた後、供給管を消化管内の所望位置に維持する際に用いられるポートの略図である。
【図13】図10に示す供給管の遠位部分の概略側面図であり、養分を差し向けることができる通路(想像線で示されている)の遠位部分を示す図であり、通路の遠位部分が遠位供給ポートと連通するよう曲がりまたは湾曲する必要はなく、遠位供給ポートの遠位側に延びる供給管の部分が通路に対して傾斜している状態を示すとともに供給管の遠位端部に用いることができるおもり(想像線で示す)を示す図である。
【図14】患者のGI管からの内視鏡およびキャリヤの取り出し中、供給管を所望位置に維持するために採用できる部材の遠位部分の略図である。
【図15】図14の部材の遠位端部の略図であり、供給管と関連したレール特徴部の近位端部に設けられた接触面に係合するような位置、寸法、および/または形状に設定された接触面を示す図である。
【図16】供給管のレール特徴部の近位端部に対して位置決めされた図14の部材の遠位部分の略図である。
【図17】図14の供給管のレール特徴部および部材の隣接した部分の概略底面図である。
【図18】患者のGI管内へ医療器具(この医療器具は、取っ手、シース、エンドキャップおよび軌道を含むのがよい)内の内視鏡を導入してエンドキャップおよび軌道の遠位端部が小腸(例えば、空腸)内に位置決めされるようにする方法を示す図である。
【図19】内視鏡および軌道を図18に示すように位置決めした後にキャリヤと供給管を一緒に軌道上で前進させて供給管の遠位端部が空腸内に位置決めされるようにする方法を示す図である。
【図20】内視鏡および医療器具(この医療器具は、取っ手、シース、エンドキャップおよび軌道を含むのがよい)を患者から近位側の方向へ取り出している間、部材を供給管の後ろの位置まで遠位側に供給して供給管をGI管内の定位置に保持する方法を示す図である。
【図21】口の外部から小腸まで延びるよう位置決めされた供給管を示す図である。
【図22】鼻の中を通って移送管を用意する段階を示す図である。
【図23】移送管の端部と供給管の近位端部を関連させる段階を示す図である。
【図24】供給管の近位端部が患者の鼻から(外鼻孔から)延びるよう咽頭(のど)および鼻腔を通って引かれている(例えば、図23の移送管を用いて)供給管の近位端部を示す図である。
【図25】医療器具(この医療器具は、取っ手、シース、エンドキャップおよび軌道を含むのがよい)内の内視鏡をGI管内に位置決めしてエンドキャップおよび軌道の遠位端部が例えばPEG管供給法で用いられるよう胃の中に配置されるようにする段階を示すとともに内視鏡と関連した光源で徹照できる腹壁を貫通した経皮切開部を設けるカニューレ/針を示す図である。
【図26】針をカニューレから抜去し、ループ状ガイドワイヤをカニューレを通って導入する段階を示すとともにループ状ガイドワイヤのループを通る内視鏡、エンドキャップ、シースおよび軌道の遠位端部を示す図である。
【図27】PEG管(例えば、軌道の長さよりも実質的に短い長さのPEG管)を軌道上で前進させる段階を示す図であり、PEG管は、体内に位置決めされるべきPEG管の第1の端部が経皮切開部を通って位置決めされるべきPEG管の第2の端部に先立って前進するよう軌道上に設けられており、PEG管の第1の端部が軌道から外れて前進している状態を示す図である。
【図28】レールから外れて前進したPEG管の第2の端部を示すとともに、ループ状ガイドワイヤでPEG管の第2の端部から延びる1本の縫合糸を掴んでいる状態を示す図である。
【図29】縫合糸ループおよびPEG管の第2の端部を経皮切開部を通って引いてPEG管の第1の端部に設けられたバンパ部材を胃壁の内面に着座させている段階を示す図であり、内視鏡が着座部の観察を可能にするように位置決めされる状態を示す図である。
【図30】GI管から取り出された医療器具および内視鏡ならびに腹壁を通って養分を導入するよう構成されたPEG管の外側部分を示す図である。
【図31】医療器具(この医療器具は、取っ手、シース、エンドキャップおよび軌道を含むのがよい)内に配置された内視鏡(例えば、胃鏡)をGI管内に位置決めしてエンドキャップ、胃鏡の遠位端部および軌道の遠位端部を例えばJET−PEG管供給法で用いられるよう胃の中に配置するようにする段階を示す図であり、針/カニューレを用いて小さな切開部を胃の中に作るとともに(あるいは)これを通過できるよう胃壁を徹照するために用いることができる内視鏡を示す図である。
【図32】針を抜去し、ループ状ガイドワイヤをカニューレを通って導入する段階を示す図であり、その後、医療器具(胃鏡が収納された状態で)をループ状ガイドワイヤを通って前進させることができ、医療器具の遠位端部および胃鏡の遠位端部を空腸内へ(例えば、トライツ靱帯を通って)前進させている状態を示す図である。
【図33】供給管(例えば、軌道の長さよりも実質的に短い長さの供給管)およびキャリヤを軌道上に位置決めし、供給管を供給管の遠位端部が空腸内に位置決めされて内視鏡によって観察できるまで軌道に沿って前進させる段階を示す図である。
【図34】供給管を軌道の遠位端部から押し離すよう供給管の後ろに近位側に位置決めされる部材を保持した状態で医療器具および胃鏡を胃の中に近位側へ引っ込める段階を示すとともに供給管から延びる1本の縫合糸をループ状ガイドワイヤで掴む段階を示す図である。
【図35】胃壁に設けられた切開部を通って縫合糸および供給管の端部を引っ張り、供給管の遠位端部を空腸内に残す段階を示す図である。
【図36】胃壁を通って養分を導入するように構成された供給管の外側部分を示す図であり、供給管の遠位端部が空腸内に位置決めされている状態を示す図である。
【図37】胃鏡および医療器具が取り出された状態で定位置にある供給管を示す図である。
【図38】内視鏡の遠位端部に設けられたエンドキャップに用いることができるエンドキャップ装填要素を示す図である。
【図38A】エンドキャップ装填要素の可撓性枝部の概略断面図である。
【図39】内視鏡の遠位端部に設けられたエンドキャップ装填要素およびシース内に設けられた内視鏡を示し、エンドキャップ装填要素の可撓性枝部が内視鏡の外面に係合した状態でシース内に設けられ、Oリングが可撓性枝部を圧縮し、エンドキャップの近位フェースに当接して位置決めされ、エンドキャップ装填要素の遠位部分がエンドキャップのボアを貫通している状態を示す図である。
【図40】エンドキャップ装填要素上で近位側へ摺動し、エンドキャップの遠位フェースに当接して位置決めされるハンドルを示す図である。
【図40A】ハンドルの近位フェースを示すとともにハンドルに設けられた中央ボア内に延びるエンドキャップ装填要素を示す略図である。
【図41】エンドキャップ装填要素の遠位部分に取り付けることができるリングを示す図である。
【図42】ハンドルを近位側に押しながらリングを遠位側に押してハンドルでエンドキャップの遠位フェースに押し力をもたらし、他方、可撓性枝部で内視鏡の外面に引き牽引力をもたらして、エンドキャップおよびOリングが滑ってエンドキャップ装填要素から外れて内視鏡の遠位端部上に至る段階を示す図である。
【図43】内視鏡の内面に係合し、エンドキャップを内視鏡に押し付けるために用いることができる装置の概略等角図である。
【図44】図43の装置の概略断面図である。
【図45】図43の装置の一部が内視鏡の作業チャネル内に導入された状態で、内視鏡の遠位端部、エンドキャップおよび図43の装置の前方部分を示す概略等角図である。
【図46】内視鏡の作業チャネル内に導入された装置の一部の拡張状態を示す概略等角図である。
【図47】エンドキャップを内視鏡に第1の方向で押す一方で内視鏡を逆方向に引っ張るよう図43の装置のアクチュエータの後方運動を示す概略等角図である。
【図48】図43の装置の一部の概略断面図である。
【図49】図43の装置の一部の概略断面図である。
【符号の説明】
【0115】
10 医療装置
24 カニューレ
32 ガイドワイヤ
100 取っ手
200 可撓性カテーテルまたはシース
300 可撓性軌道
400 エンドキャップ
500 キャリヤ
600,800,900 供給管
622 出口ポート
660 特徴部
662 近位端部
700 位置決め部材
1000 内視鏡
2100 ノーズコーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具を内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
前記内視鏡の端部上に位置決めされるよう寸法決めされた器具を用意するステップと、
押し力を前記器具に加えると同時に引き力を前記内視鏡に加えるステップであって、前記内視鏡に加えられる前記引き力は、前記器具に設けられた開口部を介して加えられる、ステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記内視鏡に加えられる前記引き力は、前記器具に設けられた貫通ボアを介して加えられる、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、
前記引き力は、前記器具に設けられていて、前記内視鏡の前記端部を受け入れるよう寸法決めされた開口部を介して加えられる、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記器具は、前記内視鏡の端部を受け入れるボアを備えたエンドキャップを有し、前記引き力は、前記エンドキャップの前記貫通ボアを介して前記内視鏡に加えられる、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、
前記器具は、シース内に設けられた内視鏡上に位置決めされ、前記引き力を前記内視鏡に加える前記ステップは、前記シースを掴まないで実施される、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
前記引き力は、前記内視鏡の外面の半径方向内方に前記内視鏡に加えられる、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、
前記引き力は、前記内視鏡内に設けられたチャネルの表面に加えられる、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、
前記引き力は、前記内視鏡の遠位端部周りに加えられる、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、
前記内視鏡の内面に係合するステップを有する、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、
前記内視鏡内に設けられた部材を拡張させることにより前記内視鏡の内面に係合するステップを有する、方法。
【請求項11】
エンドキャップを内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
前記内視鏡を受け入れるシースを用意するステップと、
前記シースの遠位端部と関連したエンドキャップを用意するステップと、
前記内視鏡を前記シース内に少なくとも部分的に位置決めするステップと、
前記エンドキャップを介して力を前記内視鏡に加えるステップと、
を有する、方法。
【請求項12】
エンドキャップを内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
前記内視鏡を受け入れるシースを用意するステップと、
前記シースの遠位端部のところに設けられたエンドキャップを用意するステップと、
前記内視鏡を前記シース内に少なくとも部分的に位置決めするステップと、
前記シースを掴まないで前記エンドキャップを前記内視鏡の遠位端部に圧接するステップと、
を有する、方法。
【請求項13】
エンドキャップを内視鏡上に位置決めする方法において、
内視鏡を用意するステップと、
第1の端部および前記内視鏡の遠位端部に解除自在に係合するように構成された第2の端部を備えた装填要素を用意するステップと、
前記装填要素を前記内視鏡の前記遠位端部上に解除自在に位置決めするステップと、
前記装填要素の前記第1の端部を前記エンドキャップを通して少なくとも部分的に挿入するステップと、
前記装填要素を引くとともに前記エンドキャップを押すステップと、
を有する、方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図38A】
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【図39】
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【図40】
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【図40A】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2006−334397(P2006−334397A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−134116(P2006−134116)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】