説明

器官運動解析装置及び器官運動解析プログラム

【課題】撮影された体腔内画像を基に体内器官の運動状態について定量的な解析を行い、主観に依存しない運動評価を行うことを可能にする。
【解決手段】医用画像撮影装置を用いて所定の時間間隔で撮影することで得られ、画像データ入力部10より入力された一連の体腔内画像に対して、画像間の位置ずれを位置ずれ補正部21により補正した後、各画像に対して評価対象の体内器官を特定する境界領域を境界領域設定部22により設定し、境界領域が設定された体腔内画像に基づいて評価対象の体内器官の運動状態を運動状態解析部23が定量解析し、その解析結果を解析結果出力部40より出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内を撮像した体腔内画像を基に体内器官の運動状態の解析を行う器官運動解析装置及び器官運動解析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の一般的な医療において、消化管等の体内器官の運動状態を把握するためには、医師が聴診器を使用して腹部音を聴取することにより、各医師が個別・主観的に運動状態の評価を行っている。また、医用画像撮影装置により取得された被検体の心臓の形態を表す形態画像や被検体の心臓の機能を表す機能画像などの画像に基づく心臓の形態の観察や状態の把握を可能にし、診断や治療を良好な確度で行えるようにする医用画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−28515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、現在の一般的な医療においては、医師が聴診器を用いて腹部音を聴取し、個別・主観的に消化管等の体内器官の運動状態を評価しているため、様々な消化管での異常をきたす疾患について各医療施設においてばらばらにしか評価できない。
【0005】
本発明は、体腔内を撮像した体腔内画像を基に消化管等の体内器官の運動状態について定量的な解析を行い、主観に依存しない運動評価を行うことを可能にする器官運動解析装置及び器官運動解析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の器官運動解析装置は、医用画像撮影装置を用いて所定の時間間隔で撮影することで得られた一連の体腔内画像の画像データが入力される入力手段と、前記入力手段より入力された一連の体腔内画像の各画像に対して、評価対象の体内器官を特定する境界領域を設定する境界領域設定手段と、前記境界領域設定手段により前記境界領域が設定された体腔内画像に基づいて、前記評価対象の体内器官の運動状態を定量解析する運動状態解析手段と、前記運動状態解析手段による前記評価対象の体内器官の運動状態の解析結果を出力する解析結果出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明の器官運動解析プログラムは、医用画像撮影装置を用いて所定の時間間隔で撮影することで得られた一連の体腔内画像の画像データを基に、評価対象の体内器官の運動状態を解析する処理をコンピュータに実行させるための器官運動解析プログラムであって、入力された一連の体腔内画像の各画像に対して、前記評価対象の体内器官を特定する境界領域を設定する境界領域設定ステップと、前記境界領域設定ステップにて前記境界領域が設定された体腔内画像に基づいて、前記評価対象の体内器官の運動状態を定量解析する運動状態解析ステップと、前記運動状態解析ステップでの前記評価対象の体内器官の運動状態の解析結果を出力する解析結果出力ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定の時間間隔で撮影された一連の体腔内画像の画像データを基に、評価対象とする体内器官の運動状態について定量的な解析を行うことで、主観に依存しない運動評価を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による器官運動解析装置の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態による器官運動解析装置での解析処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】解析処理動作における境界領域設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】境界領域設定の例を示す図である。
【図5】境界移動量算出を説明するための図である。
【図6】時相間の境界領域の面積変化を説明するための図である。
【図7】本実施形態における器官運動解析装置を実現可能なコンピュータ機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による器官運動解析装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように本実施形態による器官運動解析装置は、画像データ入力部10、解析処理部20、ユーザインタフェース部30、及び解析結果出力部40を有する。
【0010】
画像データ入力部10は、医用画像撮影装置による撮影によって取得された画像データを入力するためのものである。本実施形態において、医用画像撮影装置は、例えば磁場を発生させて対象者の体内を映像化するMR(Magnetic Resonance:磁気共鳴)装置が該当し、MR画像の画像データが画像データ入力部10より入力される。このMR画像には、MRI(MR-Imaging:磁気共鳴画像法)により撮影された画像や、MRA(MR-Angiography:磁気共鳴血管撮影)により撮影された画像を含む。
【0011】
また、本実施形態では、例えば、医用画像撮影装置による撮影によって取得される画像内に評価対象とする体内器官の像が含まれるようにして、所定の時間間隔で体腔内を連続的に撮影した一連の体腔内画像の画像データが入力される。本実施形態では、一例として、高速MRという撮影方法を用いて消化管の蠕動運動を連続的に撮影して(例えば1秒間隔で撮影を行って)得られたDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に準拠したMR画像データが入力されるものとする。
【0012】
解析処理部20は、画像データ入力部10より入力される一連の体腔内画像の画像データに基づいて、評価対象の体内器官(本例では消化管)の運動状態に係る解析を行う。解析処理部20は、位置ずれ補正部21、境界領域設定部22、及び運動状態解析部23を有する。
【0013】
位置ずれ補正部21は、画像データ入力部10より入力された画像データに係る一連の体腔内画像における画像間の位置ずれを補正する。ここで、画像データ入力部10より入力される一連の体腔内画像については、撮影動作中の被験者の呼吸や動きによって、画像全体(評価対象とする体内器官全体)が意図せずに動いてしまうために、画像間にずれが生じる。すなわち、画像データ入力部10より入力される一連の体腔内画像は、評価対象とする体内器官自身の動き(内部運動)と、その内部運動に対して被験者の呼吸動作等に伴う外乱的な動き(外部運動)とを含んでいる。そこで、位置ずれ補正部21は、外部運動に起因する画像間のずれ(外部運動による位置関係の変動)を小さくするように位置補正を行う。
【0014】
境界領域設定部22は、入力された体腔内画像において、評価対象とする体内器官を特定する境界領域を設定する。本実施形態において解析対象となる画像データは、時相方向に多数の枚数分の画像データが存在する。これらのすべての画像データに対してオペレータ等が手作業で1画像毎に境界領域を設定するには、多大な時間と手間を要する。また、通常、評価対象とする体内器官の像は不鮮明であり、全自動で境界領域を設定することも困難である。
【0015】
そこで、境界領域設定部22は、画像データ入力部10より入力される一連の体腔内画像の1つについて、評価対象とする体内器官を特定するための境界領域がオペレータ等により設定されると、その設定データに基づいて他の時相の画像における境界領域を推定し、推定結果に従い境界領域を設定する。なお、他の時相の画像における境界領域を推定する方法としては、例えばWatershed法や、Snakes法やLevel Set法のような動的輪郭法が挙げられる。
【0016】
境界領域設定部22は、例えば、初期時相の画像に対してオペレータ等により境界領域が設定されると、その設定データを基に初期時相に続く次時相の画像での境界領域を推定することで、次時相の画像に対して境界領域を設定する。以後、前時相に対する境界領域の設定データを基にそれに続く次時相の画像での境界領域を推定することで、次時相の画像に対して境界領域を設定する動作を繰り返す。このように、設定された境界領域の設定データに基づいて、他の画像の境界領域を境界領域設定部22が推定し設定することで、一連の体腔内画像の各画像に対する境界領域の設定作業にかかる時間や手間を低減することができる。
【0017】
運動状態解析部23は、画像データ入力部10より入力され、境界領域設定部22により評価対象とする体内器官を特定する境界領域が設定された一連の体腔内画像に基づいて、評価対象とする体内器官の運動状態を定量解析する。運動状態解析部23は、ある1つの時相の画像を基に境界領域がどのような形状であるか定量化したり、前後時相の画像を基に境界領域の形状がどのように変化しているか定量化したりする。すなわち、運動状態解析部23は、評価対象とする体内器官について、単一時相における解析を行うことが可能であるとともに、時相間における運動解析を行うことも可能である。
【0018】
ユーザインタフェース部30は、本実施形態における器官運動解析装置を使用するオペレータ等とのユーザインタフェースを担うものであり、例えばディスプレイ等の表示部及びキーボードやポインティングデバイス等の操作部を含む。
【0019】
解析結果出力部40は、解析処理部20での評価対象の体内器官の運動状態に係る解析によって得られた解析結果を出力する。解析結果出力部40は、ユーザインタフェース部30にてグラフ表示等させるために解析結果を出力したり、解析結果の数値データ等をファイル出力として外部に出力したりする。例えば、結果出力部40は、境界領域(評価対象とする体内器官)の運動状況を動画として出力したり、他のアプリケーションでの解析のために解析結果をCSVファイルとして出力したりすることも可能である。
【0020】
次に、動作について説明する。
図2は、本実施形態による器官運動解析装置での解析処理動作例を示すフローチャートである。
【0021】
まず、医用画像撮影装置による撮影によって得られた対象者の体腔内画像の画像データが、画像データ入力部10により読み込まれる(S11)。前述のように、読み込まれる画像データは、所定の時間間隔で体腔内を連続的に撮影した複数枚(複数フレーム)からなる一連の体腔内画像の画像データである。
【0022】
次に、位置ずれ補正部21が、ステップS11において読み込まれた一連の体腔内画像における画像間の位置ずれの補正を行う(S12)。位置ずれ補正部21は、例えば以下のような方法で、各画像の輝度情報を用いて画像間の位置ずれを補正する。
あるフレームInから次のフレームIn+1までのピクセル座標X=(x,y)の変化は、Xn+1=Xn+bnで表される。ここで、2画像の相関を下記の関数で定義する。
【0023】
【数1】

【0024】
このエネルギー関数を最小化するようなbnを求めることにより、画像全体の相関から画像の並行移動量を推定することができる。そして、得られた並行移動量に応じて画像位置を補正することで画像間の位置ずれを補正する。なお、エネルギー関数を最小化する方法としては、一般的に知られている最適化手法(例えば、準ニュートン法、ダウンヒルシンプレックス法、遺伝的アルゴリズムなど)を適用すればよい。
【0025】
次に、境界領域設定部22が、評価対象とする体内器官を特定する境界領域を設定するための境界領域設定処理を行う(S13)。図3は、ステップS13での境界領域設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0026】
境界領域設定処理では、まず一連の体腔内画像における初期時相の画像がユーザインタフェース部30に表示され、オペレータ等の操作に応じたユーザインタフェース部30からの入力に従って、体腔内画像に対して評価対象とする体内器官(対象器官)を含む関心領域が設定される(S21)。
【0027】
続いて、オペレータ等の操作に応じたユーザインタフェース部30からの入力に従って、評価対象とする体内器官とその他の部分とを分ける境界をトレースすることで、初期時相の画像に対して評価対象とする体内器官を特定する境界領域が指定される(S22)。
【0028】
次に、ステップS22において指定された境界領域に基づいて、次の時相の画像における境界領域を推定し、推定結果に従ってその画像に対して評価対象とする体内器官を特定する境界領域を設定する。以下、前時相に対して設定された境界領域に基づいて、それに続く次時相の画像での境界領域を推定し、次時相の画像に対して境界領域を設定する動作を順次繰り返す(S23)。
以上のようにして、図4に一例を示すように、一連の体腔内画像のそれぞれに対し、評価対象とする体内器官を特定するための境界領域が設定される。
【0029】
図2に戻り、境界領域設定部22による境界領域設定処理が行われた後、運動状態解析部23が、評価対象とする体内器官を特定する境界領域が設定された一連の体腔内画像に基づいて、評価対象とする体内器官の運動状態を定量解析する。
【0030】
運動状態解析部23は、ある1つの時相(単一時相)の画像を基に境界領域がどのような形状であるかについて定量的な解析を行う。この単一時相の解析では、例えば、境界領域の面積、長さ(周の長さや規定した軸方向の長さなど)、幾何学的な重心位置などを評価指標として求める。また、領域境界の曲率や円形度を評価指標として求めても良い。なお、円形度は、例えば(4πS)/(L2)(Sは面積、Lは周長)で表され、値は0〜1の範囲で値が大きいほど円に近いことを示す指標である。
【0031】
また、運動状態解析部23は、前後時相の画像を基に境界領域がどのように変化しているかについて時相間での定量的な解析を行う。時相間の解析では、評価対象とする体内器官の運動状態を示す評価指標として、例えば境界の移動距離や移動速度、境界領域の変形差分面積などを求める。また、境界の移動距離や移動速度における平均や、単一時相の解析で求められた定量値(境界領域の周の長さ、面積)の1時相間における時間変化量を求めても良い。例えば、境界がどの程度移動しているかに着目し、その移動距離を計量する場合には、図5(A)に例示するように点線で示した前時相の境界が実線で示す境界に移動するとすれば、図5(B)に例示するように境界に等間隔で点を配置し、各点の移動量を計算することで定量化することができる。また、そのようにして求められた境界の移動距離を時相間の時間の長さで割ることで移動速度が得られる。なお、時相間の時間は、画像データに付与された情報を基に算出すれば良い。また、境界領域の変形差分面積として、図6に例示するように、前時相における境界領域とそれに続く後時相における境界領域を比較し、変化が起こった領域(図6の例では斜線部)の面積の合計を求めることで、時相間でどの程度変化したかを定量化することができる。
【0032】
次に、解析結果出力部40は、ステップS14で実行された評価対象とする体内器官の運動状態の定量解析で得られた結果を外部に出力したり、ユーザインタフェース部30に表示させたりする。(S15)。以上のようにして、本実施形態による器官運動解析装置での解析処理動作が行われる。
【0033】
以上、説明したように本実施形態によれば、所定の時間間隔で体腔内を連続的に撮影して得られた一連の体腔内画像の画像データを基に、評価対象とする体内器官の運動状態について定量的な解析が行われ、解析結果が出力(表示)される。このように、評価対象とする体内器官の運動状態について定量的な解析を行うことで、主観に依存しない運動評価を行うことが可能になる。
【0034】
なお、前述した実施形態では、解析処理部20内に位置ずれ補正部21を設け、入力された一連の体腔内画像における画像間の位置ずれを補正するようにしているが、位置ずれ補正部21を設けなくとも(位置ずれ補正を行わなくとも)評価対象とする体内器官の運動状態の解析を行うことは可能である。ただし、位置ずれ補正部21を設けて画像間の位置ずれ補正を行うことで、被験者の呼吸など外部運動による変動を分離して、評価対象とする体内器官自身の内部運動の数値的かつ客観的な評価を行うことができ、運動状態の定量解析等が容易になるとともに、精度を向上させることができる。
【0035】
(本発明の他の実施形態)
なお、以上に説明した本実施形態における器官運動解析装置は、コンピュータのCPU又はMPU、RAM、ROMなどで構成されるものであり、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。したがって、前記機能を果たすようにコンピュータを動作させるプログラムをコンピュータに読み込ませることによって実現できるものであり、そのプログラム及び当該プログラムをコンピュータが読み取り可能なように記録した、例えばCD−ROMのような記録媒体は、それぞれ本発明を構成する。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより前述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼動しているOS(オペレーティングシステム)又は他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理のすべて又は一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて前述の実施形態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明の実施形態に含まれる。
【0036】
例えば、本実施形態に示した器官運動解析装置は、図7に示すようなコンピュータ機能700を有し、そのCPU701により前述した実施形態での動作が実施される。
コンピュータ機能700は、図7に示すように、CPU701と、ROM702と、RAM703とを備える。また、操作部(CONS)709のコントローラ(CONSC)705と、CRTやLCD等の表示部としてのディスプレイ(DISP)710のディスプレイコントローラ(DISPC)706とを備える。さらに、ハードディスク(HD)711、及びフレキシブルディスク等の記憶デバイス(STD)712のコントローラ(DCONT)707と、ネットワークインタフェースカード(NIC)708とを備える。それら機能部701、702、703、705、706、707、708は、システムバス704を介して互いに通信可能に接続された構成としている。
CPU701は、ROM702又はHD711に記憶されたソフトウェア、又はSTD712より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス704に接続された各構成部を総括的に制御する。すなわち、CPU701は、前述したような動作を行うための処理プログラムを、ROM702、HD711、又はSTD712から読み出して実行することで、前述した実施形態での動作を実現するための制御を行う。RAM703は、CPU701の主メモリ又はワークエリア等として機能する。
CONSC705は、CONS709からの指示入力を制御する。DISPC706は、DISP710の表示を制御する。DCONT707は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び前述した実施形態における前記処理プログラム等を記憶するHD711及びSTD712とのアクセスを制御する。NIC708はネットワーク713上の他の装置と双方向にデータをやりとりする。
【0037】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
前述した器官運動解析装置は、例えばMR装置を用いて所定の時間間隔で撮影した一連の画像における十二指腸や胃底部の境界から消化管などの器官自身の内部運動に係る運動状況を解析するような器官運動解析装置に用いて好適である。
【符号の説明】
【0039】
10 画像データ入力部
20 解析処理部
21 位置ずれ補正部
22 境界領域設定部
23 運動状態解析部
30 ユーザインタフェース部
40 解析結果出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像撮影装置を用いて所定の時間間隔で撮影することで得られた一連の体腔内画像の画像データが入力される入力手段と、
前記入力手段より入力された一連の体腔内画像の各画像に対して、評価対象の体内器官を特定する境界領域を設定する境界領域設定手段と、
前記境界領域設定手段により前記境界領域が設定された体腔内画像に基づいて、前記評価対象の体内器官の運動状態を定量解析する運動状態解析手段と、
前記運動状態解析手段による前記評価対象の体内器官の運動状態の解析結果を出力する解析結果出力手段とを備えることを特徴とする器官運動解析装置。
【請求項2】
前記入力手段より入力された一連の体腔内画像における画像間の位置ずれを、画像全体の相関から画像の並行移動量を推定して補正し、補正後の一連の体腔内画像を前記境界領域設定手段に供給する位置ずれ補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の器官運動解析装置。
【請求項3】
前記境界領域設定手段は、一の時相の体腔内画像に対して設定された前記境界領域に基づいて、他の時相の体腔内画像での評価対象の体内器官を特定する境界領域を推定し、前記他の時相の体腔内画像に対して前記境界領域を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の器官運動解析装置。
【請求項4】
前記運動状態解析手段は、複数の時相の体腔内画像に基づいて前記評価対象の体内器官の運動状態を定量解析し、当該体内器官の移動距離及び移動速度の少なくとも1つを評価指標として求めることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の器官運動解析装置。
【請求項5】
前記運動状態解析手段は、一の時相の体腔内画像に基づいて前記評価対象の体内器官の運動状態を定量解析し、当該体内器官の面積、長さ、及び重心位置の少なくとも1つを評価指標として求めることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の器官運動解析装置。
【請求項6】
医用画像撮影装置を用いて所定の時間間隔で撮影することで得られた一連の体腔内画像の画像データを基に、評価対象の体内器官の運動状態を解析する処理をコンピュータに実行させるための器官運動解析プログラムであって、
入力された一連の体腔内画像の各画像に対して、前記評価対象の体内器官を特定する境界領域を設定する境界領域設定ステップと、
前記境界領域設定ステップにて前記境界領域が設定された体腔内画像に基づいて、前記評価対象の体内器官の運動状態を定量解析する運動状態解析ステップと、
前記運動状態解析ステップでの前記評価対象の体内器官の運動状態の解析結果を出力する解析結果出力ステップとをコンピュータに実行させるための器官運動解析プログラム。
【請求項7】
前記入力された一連の体腔内画像における画像間の位置ずれを、画像全体の相関から画像の並行移動量を推定して補正する位置ずれ補正ステップをコンピュータに実行させ、
かつ前記境界領域設定ステップでは、前記位置ずれ補正ステップにて画像間の位置ずれが補正された一連の体腔内画像に対して前記評価対象の体内器官を特定する境界領域を設定することを特徴とする請求項6記載の器官運動解析プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−115319(P2012−115319A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265376(P2010−265376)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(502094572)株式会社アールテック (3)
【Fターム(参考)】