説明

噴霧器の熱的保護

電気式の無気噴霧器(16)において、モータ(14)の温度が許容可能な限界に近づくと、過熱を防止するために、いくつかの能力削減を使用できる。好ましい方法は、制御された圧力を徐々に低下させることである。もしも、温度が上昇しつづけると、制御装置(20)がオン/オフ又はデッドバンド制御に切り替わる。もしも、これらの措置にも関わらず、温度が上昇しつづける場合には、制御装置(20)がユニットを遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
この出願は2004年1月2日に出願された米国出願第60/534,180号の利益を主張している。
【0002】
背景技術
電気式の無気塗料噴霧器は種々の構造体に対して建築コーティングを塗布するのに一般的である。このような噴霧器は、一般的には、設定圧力を維持するために、オン/オフ(デッドバンド)又は可変速度制御を使用している。このような噴霧器には、一般的に、熱的保護が設けられており、モータの温度が予め設定されたレベルを超えたときに、噴霧器を遮断するようになっている。
【発明の開示】
【0003】
発明の開示
したがって、この発明の目的は、塗装工に対して能率向上をもたらす熱的保護システムを提供することである。また、この発明の目的は、性能の許容レベルを維持しつつ、小さく、及び/又は、軽いモータの使用を可能にする保護を提供することである。
【0004】
この目的のために、噴霧器の温度をモニタするために、噴霧器内の電気モータのブラシホルダに100キロオームのNTCサーミスタが配置される。制御ボード上のプロセッサがサーミスタの出力をモニタする。モータの限界を十分に下回る温度において、噴霧器は最適能力のために十分に選択された圧力及び可変速度で作動する。
【0005】
温度が許容可能な限界に近づくと、過熱を防止するために、いくつかの能力削減(performance cutback)を使用できる。好ましい方法は、制御された圧力を徐々に低下させることである。もしも、温度が上昇しつづけると、制御装置がオン/オフ又はデッドバンド制御に切り替わる。このモードは小さい噴霧チップでよりよく冷却する。なぜなら、ファンの速度が高く、相当量のオフタイムがあるからである。もしも、これらの措置にも関わらず、温度が上昇しつづける場合には、制御装置がユニットを遮断する。
【0006】
システムに対するさらなる増強は、モータが駆動している状態で、種々のトリップ温度(trip temperature)に従った制御が行われる制御ロジックに一つの要件(requirement)を含めることである。たとえば、オン/オフ作動に対するトリップポイントが140℃ならば、1分間のモータのオンタイムにわたってその温度を上回った後にのみ、制御装置はオン/オフモードへの変更を行う。このことは、サーミスタによって測定されるモータの温度が、モータの停止後、短期間にわたって上昇しつづけるという事実を補償する助けとなる。
【0007】
この発明のこれら及びその他の目的及び利点は、添付の図面を参照してなされる以下の記載から一層十分に明らかになるであろう。なお、図面においては、各図面を通して、同一の参照符号は同一又は類似の部材を参照している。
【0008】
発明を実施するための最良の形態
図1に示されるように、噴霧器16の温度をモニタするために、噴霧器16内の電気モータ14のブラシホルダ12に100キロオームのNTCサーミスタ10が配置される。制御ボード20上のプロセッサ18がサーミスタ10の出力をモニタする。モータ14の限界を十分に下回る温度において、噴霧器16は最適能力のために十分に選択された圧力及び可変速度で作動する。
【0009】
温度が許容可能な限界に近づくと、過熱を防止するために、いくつかの能力削減を使用できる。好ましい方法は、制御された圧力を徐々に低下させることである。もしも、温度が上昇しつづけると、制御装置20がオン/オフ又はデッドバンド制御に切り替わる。このモードは小さい噴霧チップでよりよく冷却する。なぜなら、ファンの速度が高く、相当量のオフタイムがあるからである。もしも、これらの措置にも関わらず、温度が上昇しつづける場合には、制御装置20がユニットを遮断する。
【0010】
システムに対するさらなる増強は、モータ14が駆動している状態で、種々のトリップ温度に従った制御が行われる制御ロジックに一つの要件を含めることである。たとえば、オン/オフ作動に対するトリップポイントが140℃ならば、1分間のモータのオンタイムにわたってその温度を上回った後にのみ、制御装置20はオン/オフモードへの変更を行う。このことは、サーミスタによって測定されるモータの温度が、モータの停止後、短期間にわたって上昇しつづけるという事実を補償する助けとなる。
【0011】
この熱的保護システムは、添付の特許請求の範囲によって限定された発明の精神及び範囲を逸脱することなく種々の変更及び修正が可能であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明を示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが選択した制御された圧力を維持するために作動する可変速度の電気式噴霧器におけるモータを熱的に保護するための方法であって、
前記モータの温度をモニタする段階と、
前記モータの温度が予め設定されたレベルを超えたときに、前記ユーザが選択した制御された圧力から制御された圧力を減じる段階と、
を有する方法。
【請求項2】
前記変化が起こるのは、前記モータの温度が予め設定された長さのモータの作動時間にわたって前記予め設定されたレベルを超えた後に限られる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザが選択した制御された圧力を維持するために作動する可変速度の電気式噴霧器におけるモータを熱的に保護するための方法であって、
前記モータの温度をモニタする段階と、
前記モータの温度が予め設定されたレベルを超えたときに、前記モータの制御を可変速度制御からオン/オフ制御に切り替える段階と、
を有する方法。
【請求項4】
前記変化が起こるのは、前記モータの温度が予め設定された長さのモータの作動時間にわたって前記予め設定されたレベルを超えた後に限られる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ユーザが選択した制御された圧力を維持するために作動する可変速度の電気式噴霧器におけるモータを熱的に保護するための方法であって、
前記モータの温度をモニタする段階と、
前記モータの温度が第1の予め設定されたレベルを超えたときに、前記ユーザが選択した制御された圧力から制御された圧力を減じる段階と、
前記モータの温度が第2の予め設定されたレベルを超えたときに、前記モータの制御を可変速度制御からオン/オフ制御に切り替える段階と、
を有する方法。
【請求項6】
前記第2の予め設定されたレベルは前記第1の予め設定されたレベルよりも高い請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記変化が起こるのは、前記モータの温度が予め設定された長さのモータの作動時間にわたって前記予め設定されたレベルを超えた後に限られる請求項5に記載の方法。


【図1】
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【公表番号】特表2007−517642(P2007−517642A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547450(P2006−547450)
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/043580
【国際公開番号】WO2005/067697
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506224045)グラコ ミネソタ インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】