説明

嚢胞性線維症を治療するためのエアロゾル化レボフロキサシンの使用

本発明は、その必要性のあるヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含むエアロゾル溶液を投与することを含む、嚢胞性線維症を治療するための方法に関する。本発明は、特に、P.エルギノーサを含む肺感染症を有するヒトに、前記エアロゾル溶液を投与することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/240,092号及び2009年10月6日に出願された米国仮出願第61/249,231号の優先権を主張するものであり、それらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
嚢胞性線維症を治療するための方法及び組成物が提供される。特に、嚢胞性線維症を治療するためのエアロゾル化レボフロキサシンの組成物及びその使用方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
嚢胞性線維症(CF)の患者は、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)を含む細菌により引き起こされる場合がある下気道の慢性感染症を罹患する。シュードモナス・エルギノーサは、根絶するのが特に難しく、CF患者の病的状態及び死亡の主な原因として示唆されている。
【0004】
肺に対する抗生物質の直接的なエアロゾル送達は、全身性投与と比較して、感染部位における抗生物質の局所濃度を増加させ、それにより細菌死滅を増強する可能性を秘めている。現在のところ、吸入用のトブラマイシン溶液が、Pエルギノーサ等の細菌を有するCF患者を管理するために承認された唯一のエアロゾル抗生物質である。トブラマイシンに対する耐性が発生し、痰の細菌密度を低減させる効果に制限があるため、Pエルギノーサを含む多剤耐性菌により引き起こされる肺感染症を有するCF患者を治療するための療法を向上させる必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の幾つかの実施形態は、嚢胞性線維症を治療するための組成物、そのような組成物の使用、及び嚢胞性線維症を治療するための方法に関する。幾つかのそのような実施形態には、嚢胞性線維症を治療するためのエアロゾル化レボフロキサシンの組成物及びその使用方法が含まれる。
【0006】
幾つかの実施形態には、P.エルギノーサを含む肺感染症を有するヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法が含まれる。幾つかのそのような実施形態では、本方法は、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の少なくとも40%、少なくとも44%、少なくとも70%、少なくとも90%、及び少なくとも97%低減を達成することを含む。幾つかのそのような実施形態は、前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の、痰1g当たり少なくとも0.25log10 CFU、痰1g当たり少なくとも0.50log10 CFU、痰1g当たり少なくとも1.0log10 CFU、痰1g当たり少なくとも1.5log10 CFU、及び痰1g当たり少なくとも1.8log10 CFUの低減を達成することを含む。
【0007】
幾つかの実施形態は、その必要性のあるヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、少なくとも2%のFEVの増加及び少なくとも5%のFEF25−75の増加、少なくとも5%のFEVの増加及び少なくとも10%のFEF25−75の増加、少なくとも7%のFEVの増加及び少なくとも15%のFEF25−75の増加、並びに少なくとも10%のFEVの増加及び少なくとも20%のFEF25−75の増加を達成することを含む、前記ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法を含む。
【0008】
幾つかの実施形態は、少なくとも0.05LのFEVの増加及び少なくとも0.05LのFEF25−75の増加、少なくとも0.10LのFEVの増加及び少なくとも0.10LのFEF25−75の増加、少なくとも0.15LのFEVの増加及び少なくとも0.15LのFEF25−75の増加、少なくとも0.20LのFEVの増加及び少なくとも0.20LのFEF25−75の増加、並びに少なくとも0.25LのFEVの増加及び少なくとも0.25LのFEF25−75の増加を達成することを含む。幾つかの実施形態は、少なくとも0.27LのFEF25−75の増加を達成することを含む。
【0009】
幾つかの実施形態は、その必要性のあるヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して1.0未満のハザード比を達成することを含み、ハザード比が、他の抗シュードモナス抗菌剤の必要性の減少を示す、前記ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法を含む。幾つかのそのような実施形態では、ハザード比は、0.8未満、0.6未満、0.4未満、及び0.3未満である。
【0010】
幾つかの実施形態は、ドルナーゼアルファ、アジスロマイシン、サルブタモール、パンクレリパーゼ、塩化ナトリウム、セレタイド、及びADEKのうちの1つ又は複数のからなる群から選択される作用剤を吸入により投与されているヒトの嚢胞性線維症を治療する方法であって、前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与することを含む方法を含む。幾つかの実施形態では、作用剤は、サルブタモール、パンクレリパーゼ、セレタイド、及びADEKからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、ヒトは、P.エルギノーサを含む肺感染症を有する。幾つかのそのような実施形態は、前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の、痰1g当たり少なくとも0.25log10 CFU、痰1g当たり少なくとも0.50log10 CFU、及び痰1g当たり少なくとも1.0log10 CFUの低減を達成することを含む。
【0011】
幾つかの実施形態は、P.エルギノーサを含む肺感染症を有するヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法を含む。幾つかのそのような実施形態は、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを繰り返して投与することを含み、前記繰り返し投与は、他のP.エルギノーサ菌株と比べて最も高いMICを有する前記ヒトのP.エルギノーサ菌株の最小阻止濃度(MIC)の16倍を超える増加をもたらさない。幾つかの実施形態では、繰り返し投与は、他のP.エルギノーサ菌株と比べて最も高いMICを有する前記ヒトのP.エルギノーサ菌株の最小阻止濃度(MIC)の8倍を超える増加をもたらさない。幾つかの実施形態では、繰り返し投与は、他のP.エルギノーサ菌株と比べて最も高いMICを有する前記ヒトのP.エルギノーサ菌株の最小阻止濃度(MIC)の4倍を超える増加をもたらさない。
【0012】
幾つかの実施形態は、P.エルギノーサを含む肺感染を有するヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法を含む。幾つかのそのような実施形態は、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを繰り返して投与して、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、及び5を超えるCFQ−R呼吸領域の増加を達成することを含む。
【0013】
幾つかの実施形態は、その必要性のあるヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、少なくとも5%の、少なくとも10%の、少なくとも15%の、及び少なくとも20%のFEF25−75の増加を達成することを含む、前記ヒトの末梢気道抵抗性を減少させる方法を含む。幾つかの実施形態は、少なくとも0.05Lの、少なくとも0.10Lの、少なくとも0.15Lの、少なくとも0.20Lの、少なくとも0.25Lの、及び少なくとも0.27LのFEF25−75の増加を達成することを含む。
【0014】
幾つかの実施形態は、ヒトにレボフロキサシン又はオフロキサシンを投与する方法であって、前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを繰り返して投与することを含み、前記繰り返し投与が関節痛の発症をもたらさない方法を含む。幾つかの方法では、投与は、少なくとも14日間1日1回、少なくとも28日間1日1回、及び少なくとも35日間1日1回繰り返される。幾つかの方法では、投与は、少なくとも14日間1日2回、少なくとも28日間1日2回、及び少なくとも35日間1日2回繰り返される。
【0015】
幾つかの実施形態は、P.エルギノーサを含む肺感染症を有するヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法を含み、前記ヒトは、1.5m未満の体表面積を有する。幾つかのそのような実施形態は、その必要のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、1mg用量当たり少なくとも20(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む。幾つかの実施形態では、投与は、少なくとも14日間1日1回繰り返され、エアロゾルは、少なくとも80mg、120mg、180mg、及び240mgの量のレボフロキサシン又はオフロキサシンを含む。幾つかの実施形態は、1mg用量当たり少なくとも20(ng.h/L)、1mg用量当たり少なくとも40(ng.h/L)、1mg用量当たり少なくとも60(ng.h/L)、1mg用量当たり少なくとも80(ng.h/L)、及び1mg用量当たり少なくとも100(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む。
【0016】
幾つかの実施形態は、P.エルギノーサを含む肺感染症を有するヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法を含み、上記ヒトは、1.5m未満の体表面積を有する。幾つかのそのような方法は、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、投与用量1mg当たり2μg/Lを超える、投与用量1mg当たり4μg/Lを超える、投与用量1mg当たり6μg/Lを超える、投与用量1mg当たり8μg/Lを超える、及び投与用量1mg当たり14μg/Lを超える用量正規化血清Cmaxを達成することを含む。幾つかの実施形態では、ヒトは、15歳未満、12歳未満、10歳未満である。幾つかの実施形態では、ヒトは、体重が55kg未満、45kg未満、35kg未満、25kg未満である。
【0017】
先述の実施形態に幾つかでは、溶液は、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンから本質的になる。
【0018】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、ラクトースを含んでいない。
【0019】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、約50mM〜約400mMの二価又は三価陽イオン濃度、及び約50mg/ml〜約200mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度を含む。
【0020】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、約100mM〜約300mMの二価又は三価陽イオン濃度、及び約75mg/ml〜約150mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度を含む。
【0021】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、約150mM〜約250mMの二価又は三価陽イオン濃度、及び約90mg/ml〜約125mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度を含む。
【0022】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、約300mOsmol/kg〜約500mOsmol/kgのオスモル濃度、及び約5〜約8のpHを含む。
【0023】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、約350mOsmol/kg〜約425mOsmol/kgのオスモル濃度、及び約5〜約6.5のpHを含む。
【0024】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、約5.5〜約6.5のpHを含む。
【0025】
先述の実施形態の幾つかでは、二価又は三価陽イオンは、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、アルミニウム、及び鉄から選択される。
【0026】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、塩化マグネシウムを含む。
【0027】
先述の実施形態の幾つかでは、溶液は、約90mg/ml〜約110mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度、約175mM〜約225mMの塩化マグネシウム濃度、約5〜約7のpH、約300mOsmol/kg〜約500mOsmol/kgのオスモル濃度を含み、ラクトースを欠如する。
【0028】
先述の実施形態の幾つかでは、エアロゾルは、約2ミクロン〜約5ミクロンの空気動力学的質量中央粒径を有し、幾何学的標準偏差が約2.5ミクロン以下である。
【0029】
先述の実施形態の幾つかでは、エアロゾルは、約2.5ミクロン〜約4.5ミクロンの空気動力学的質量中央粒径を有し、幾何学的標準偏差が約1.8ミクロン以下である。
【0030】
先述の実施形態の幾つかでは、エアロゾルは、約2.8ミクロン〜約4.3ミクロンの空気動力学的質量中央粒径を有し、幾何学的標準偏差が約2ミクロン以下である。
【0031】
また、先述の実施形態の幾つかは、振動メッシュ式噴霧器を用いてエアロゾルを生成することを含む。幾つかのそのような実施形態では、振動メッシュ式噴霧器は、PARI E−FLOW(登録商標)噴霧器である。
【0032】
先述の実施形態の幾つかでは、肺に投与されるレボフロキサシン又はオフロキサシンの量は、少なくとも約20mg、少なくとも約100mg、少なくとも約125mg、及び少なくとも約150mgである。
【0033】
先述の実施形態の幾つかでは、少なくとも約100mgのエアロゾルが、約10分間未満で、約5分間未満で、約3分間未満で、約2分間未満で肺に投与される。
【0034】
また、先述の実施形態に幾つかは、抗生物質、気管支拡張薬、抗コリン作用薬、グルココルチコイド、エイコサノイド阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される追加的な活性剤を同時投与することを含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、抗生物質には、トブラマイシン、アズトレオナム、シプロフロキサシン、アジスロマイシン、テトラサイクリン、キヌプリスチン、リネゾリド、バンコマイシン、及びクロラムフェニコール、コリシチン(colisitin)、及びそれらの組み合わせが含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、気管支拡張薬には、サルブタモール、レボサルブテロール(levosalbuterol)、テルブタリン、フェノテロール、テルブトライン(terbutlaine)、ピルブテロール、プロカテロール、ビトルテロール、リミテロール、カルブテロール、ツロブテロール、レプロテロール、サルメテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロール(indacterol)、テオフィリン、ロフルミラスト、シロミラスト、及びそれらの組み合わせが含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、抗コリン作用薬には、イプラトロピウム、チオトロピウム、及びそれらの組み合わせが含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、グルココルチコイドには、プレドニゾン、フルチカゾン、ブデソニド、モメタゾン、シクレソニド、ベクロメタゾン、及びそれらの組み合わせが含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、エイコサノイドには、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、ジロートン、ラマトロバン、セラトロダスト、及びそれらの組み合わせが含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、同時投与は、追加的な活性剤を吸入することを含む。
【0036】
先述の実施形態に幾つかは、エアロゾルを1日1回投与することを含む。
【0037】
先述の実施形態に幾つかは、エアロゾルを1日2回投与することを含む。
【0038】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、以下のものが含まれていてもよい1つ又は複数の細菌を更に含む:シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・アシドボランス(Pseudomonas acidovorans)、シュードモナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、及びシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、アエロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophilia)、大腸菌(Escherichia coli)、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)、サルモネラ・パラチフィ(Salmonella paratyphi)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ソネイ(Shigella sonnei)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ、(Klebsiella oxytoca)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、モルガネラ・モルガニー(Morganella morganii)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシア・アルカリファシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデンシア・レットゲリ(Providencia rettgeri)、プロビデンシア・スチュアルティ(Providencia stuartii)、アシネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクター・ヘモリチカス(Acinetobacter haemolyticus)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis)、エルシニア・シュードツベルクロシス(Yersinia pseudotuberculosis)、エルシニア・インターメディア(Yersinia intermedia)、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)、ボルデテラ・パラパータシス(Bordetella parapertussis)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)、ヘモフィルス・パラインフルエンザ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・ヘモリチカス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィルス・パラヘモリチカス(Haemophilus parahaemolyticus)、ヘモフィルス・デュクレイ(Haemophilus ducreyi)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、カンピロバクター・フィタス(Campylobacter fetus)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)、ビブリオ・パラヘモリチカス(Vibrio parahaemolyticus)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoeae)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、キンゲラ(Kingella)、及びモラクセラ(Moraxella)。
【0039】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、グラム陰性嫌気性細菌を更に含む。
【0040】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、以下のものが含まれていてもよい細菌の1つ又は複数を更に含む:バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス3452A相同性群(Bacteroides 3452A homology group)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデス・オバータス(Bacteroides ovalus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)、及びバクテロイデス・スプランクニカス(Bacteroides splanchnicus)。
【0041】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、グラム陽性細菌を更に含む。
【0042】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、以下のものが含まれていてもよい細菌の1つ又は複数を更に含む:コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム・ウルセランス(Corynebacterium ulcerans)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ミレリ(Streptococcus milleri)、ストレプトコッカス(G群)(Streptococcus(Group G));ストレプトコッカス(C/F群)(Streptococcus(Group C/F));エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミデス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(Staphylococcus saprophyticus)、スタフィロコッカス・インターメジウス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・ヒイカス亜種ヒイカス(Staphylococcus hyicus subsp.hyicus)、スタフィロコッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、及びスタフィロコッカス・アサッカロリチカス(Staphylococcus saccharolyticus)。
【0043】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、グラム陽性嫌気性細菌を更に含む。
【0044】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、以下のものが含まれていてもよい1つ又は複数の細菌を更に含む:クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetini)、及びクロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)。
【0045】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、抗酸菌を更に含む。
【0046】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、以下のものが含まれていてもよい1つ又は複数の細菌を更に含む:マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)、及びマイコバクテリウム・レプレ(Mycobacterium leprae)。
【0047】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、異型細菌を更に含む。
【0048】
先述の実施形態の幾つかでは、肺感染症は、以下のものが含まれていてもよい1つ又は複数の細菌を更に含む:クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)及びマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1A】図1Aは、CF患者に7日間1日1回で、50mg/ml及び100mg/mlの吸入用溶液として単一の180mg用量を投与した後の、及び100mg/mlの吸入用溶液として240mgを投与した後の、レボフロキサシンの算術平均血清濃度を表す線形軸及び片対数軸をそれぞれ使用したグラフを示す図である。
【図1B】図1Bは、CF患者に7日間1日1回で、50mg/ml及び100mg/mlの吸入用溶液として単一の180mg用量を投与した後の、及び100mg/mlの吸入用溶液として240mgを投与した後の、レボフロキサシンの算術平均血清濃度を表す線形軸及び片対数軸をそれぞれ使用したグラフを示す図である。
【図2A】図2Aは、CF患者に7日間1日1回で、50mg/ml及び100mg/mlの吸入用溶液として単一の180mg用量を投与した後の、及び100mg/mlの吸入用溶液として240mgを投与した後の、レボフロキサシンの算術平均痰濃度を表す線形軸及び片対数軸をそれぞれ使用したグラフを示す図である。
【図2B】図2Bは、CF患者に7日間1日1回で、50mg/ml及び100mg/mlの吸入用溶液として単一の180mg用量を投与した後の、及び100mg/mlの吸入用溶液として240mgを投与した後の、レボフロキサシンの算術平均痰濃度を表す線形軸及び片対数軸をそれぞれ使用したグラフを示す図である。
【図3】図3は、EE患者集団における種々の治療群の経時的なP.エルギノーサ(痰1g当たりlog10 CFU)の平均変化のグラフを示す図である。患者には以下のものが投与された:レボフロキサシン120mg QD、レボフロキサシン240mg QD、レボフロキサシン240mg BID、又はプラセボ。
【図4】図4は、MITT患者集団における種々の治療群の経時的なP.エルギノーサ(痰1g当たりlog10 CFU)の平均変化のグラフを示す図である。患者には以下のものが投与された:レボフロキサシン120mg QD、レボフロキサシン240mg QD、レボフロキサシン240mg BID、又はプラセボ。
【図5】図5は、EE集団における種々の治療群の経時的な生存分布関数のグラフを示す図である。
【図6】図6は、MITT集団における種々の治療群の経時的な生存分布関数のグラフを示す図である。
【図7】図7は、プラセボ、120mg QD、240mg QD、又は240mg BIDで治療したEE集団の28日目のFEV(L)の変化パーセントのグラフを示す図である。
【図8】図8は、120mg QD、240mg QD、又は240mg BIDで治療したEE集団の28日目の、プラセボと比べたFEV(L)の変化パーセントのグラフを示す図である。p=0.0102。
【図9】図9は、120mg QD、240mg QD、又は240mg BIDで治療したEE集団の28日目の分類別予測FEV(L)の変化パーセントのグラフを示す図である。p=0.0370、**p=0.0037。
【図10】図10は、用量正規化血清AUC(1mg用量当たりのng.h/L)対小児CF患者体重(■180mg(n=7);◆240mg(n=18))のグラフを示す図である。平均値は、別の臨床試験(非表示)で研究された、71kg(▲;+/−標準偏差)の平均体重に基づく成人CF患者の血清レボフロキサシンAUCについて示されている。
【図11A】図11Aは、用量正規化血清AUC(1mg用量当たりのng.h/L)対小児CF患者年齢(■180mg;◆240mg)のグラフを示す図である。
【図11B】図11Bは、用量正規化血清AUC(1mg用量当たりのng.h/L)対BSA(体表面積)(■180mg;◆240mg)のグラフを示す図である。
【図11C】図11Cは、用量正規化血清Cmax(1mg投与用量当たりのμg/L)対小児CF患者体重(■180mg;◆240mg)のグラフを示す図である。
【図11D】図11Dは、用量正規化血清Cmax(1mg投与用量当たりのμg/L)対小児CF患者年齢(■180mg;◆240mg)のグラフを示す図である。
【図11E】図11Eは、用量正規化血清Cmax(1mg投与用量当たりのμg/L)対BSA(■180mg;◆240mg)のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明は、嚢胞性線維症を治療するための、吸入用レボフロキサシン溶液の特定の製剤並びに特定の用量及び投与計画の使用に関する。幾つかの実施形態では、嚢胞性線維症の治療は、P.エルギノーサ、S.ニューモニエ、H.インフルエンザ、バークホルデリア種、スタフィロコッカス・アウレウス、ステノトロホモナス種、及びM.カタラーリス(M.catarrhalis)等の嚢胞性線維症に伴う肺感染症の治療を含む。本明細書に記載の嚢胞性線維症を治療するための方法は、レボフロキサシンの製剤を投与することを含んでいてもよい。また、幾つかの実施形態では、嚢胞性線維症を治療するための方法は、対象体の肺における特定の病原体の密度低減を達成することを含んでいてもよい。また、幾つかの実施形態では、嚢胞性線維症を治療するための方法は、FEV及びFEF25−72等のパラメーターで測定することができる対象体の肺特徴を改善させることを含んでいてもよい。
【0051】
本発明は、幾つかの利点を提供する。例えば、エアロゾルレボフロキサシンは、高用量の薬物を直接的に肺に提供する。高用量は、耐性菌の発生の低減に有利である。加えて、本発明は、関節痛等の、フルオロキノロンに典型的に伴う有害効果が低減される製剤を提供する。幾つかの実施形態は、増悪リスクのあるCF患者の急性増悪リスクを減少させる、嚢胞性線維症を治療するための方法を提供する。更なる実施形態は、CF患者の肺の空気の流れを増加させるための方法を提供する。種々の実施形態では、上記の方法は、列挙した結果を達成するのに十分な用量及び投与計画でエアロゾル化レボフロキサシン又はオフロキサシンを投与することにより達成される。
【0052】
定義
用語「投与」又は「投与する」は、ある用量の抗菌性医薬組成物を脊椎動物に与える方法を指す。好ましい投与方法は、種々の要因、例えば医薬組成物の成分、潜在的な又は実際の細菌感染の部位、関与する微生物、及び実際の微生物感染症の重症度に応じて様々であり得る。幾つかの実施形態では、投与は、対象体に薬物を送達するための器具を負荷することを含んでいてもよい。幾つかのそのような実施形態では、投与は、患者に送達される薬物を噴霧器に負荷することを含んでいてもよい。従って、投与される用量は、器具(例えば、噴霧器)に負荷された用量であってもよい。
【0053】
「担体」又は「賦形剤」は、化合物の投与を容易にするために、例えば化合物の溶解度を増加させるために使用される化合物又は物質である。固体担体には、例えば、デンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、スクロース、及びカオリンが含まれる。液体担体には、例えば、滅菌水、生理食塩水、緩衝液、非イオン性界面活性剤、並びに油、ピーナッツ油、及び胡麻油等の食用油が含まれる。加えて、当技術分野で一般的に使用されるもの等の種々のアジュバントが含まれていてもよい。これら及び他のそのような化合物は、文献、例えば、Merck Index、Merck&Company社、ローウェイ、ニュージャージー州に記載されている。医薬組成物に種々の成分を含有させる際に考慮すべきことは、例えば、Gilmanら(編)(1990年);Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、Pergamon Press社に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「診断」は、健常状態又は疾患状態の特定及び特徴付けを支援する化合物、方法、システム、又はデバイスである。診断は、当技術分野で公知の標準的アッセイで使用することができる。
【0055】
用語「哺乳動物」は、その通常の生物学的な意味で使用されている。従って、哺乳動物には、特にヒト、ウシ、ウマ、イヌ、及びネコが含まれるが、多くの他の種も含まれる。
【0056】
用語「微生物感染症」は、宿主生物での病原性微生物の望ましくない増殖又は侵入の存在を指す。これは、哺乳動物又は他の生物の体内又は体表に通常存在する微生物の過剰増殖を含む。より一般的には、微生物感染症は、微生物集団(複数可)の存在が、宿主哺乳動物に損傷を与えるあらゆる状況であり得る。従って、過剰数の微生物集団が哺乳動物の体内又は体表に存在する場合、又は微生物集団(複数可)の存在が、哺乳動物の細胞又は他の組織に損傷を与える場合、微生物感染症が存在する。
【0057】
用語「薬学的に許容される担体」又は「薬学的に許容される賦形剤」には、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、並びに等張剤及び吸収遅延剤等が含まれる。薬学的活性物質用のそのような媒体及び作用剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒体又は作用剤は、活性成分と互換性でない場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。補完的な活性成分も組成物に組み込むことができる。
【0058】
用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的効果及び特性を保持し、生物学的に又はそうでなければ望ましくないわけではない塩を指す。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ基及び/又はカルボキシル基又はそれに類似する基が存在するため、酸性塩及び/又は塩基性塩を形成することが可能である。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸と共に形成することができる。塩を誘導することができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸等が含まれる。塩を誘導することができる有機酸には、以下のものが含まれる:例えば、酢酸、プロピオン酸、ナフトエ酸(naphtoic acid)、オレイン酸、パルミチン酸、パモ酸(エンボン酸)、ステアリン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコヘプトン酸、グルクロン酸、乳酸、ラクトビオン酸(lactobioic acid)、酒石酸、安息香酸、珪皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びサリチル酸等。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基及び有機塩基と共に形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基には、以下のものが含まれる:例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、及びアルミニウム等;特に、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩が好ましい。塩を誘導することができる有機塩基には、以下のものが含まれる:例えば、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂等、特にイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、べネタミン、N−メチル−グルカミン、及びエタノールアミン等。他の酸には、ドデシル硫酸(dodecylsufuric acid)、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、及びサッカリンが含まれる。
【0059】
「溶媒和物」は、溶媒と、フルオロキノロン抗菌剤、その代謝産物又は塩との相互作用により形成される化合物を指す。好適な溶媒和物は、水和物を含む薬学的に許容される溶媒和物である。
【0060】
抗菌剤に対する細菌等の微生物の応答の状況では、用語「感受性」は、抗菌剤の存在に対する微生物の感受性を指す。従って、感受性の増加は、微生物細胞を取り囲む媒体中のより低濃度の抗菌剤により微生物が阻害されることになることを意味する。これは、微生物が抗菌剤に対してより感受性であると言うことと同じである。ほとんどの場合、その抗菌剤の最小阻止濃度(MIC)は、低下することになる。MIC90は、生物の90%の増殖を阻害する濃度を含むことができる。
【0061】
「治療上有効量」又は「薬学的有効量」は、治療効果を有する本発明で開示されたフルオロキノロン抗菌剤が意図されている。治療に有用なフルオロキノロン抗菌剤の用量は、治療上有効量である。従って、本明細書で使用される場合、治療上有効量は、臨床治験の結果及び/又はモデル動物感染研究で判断される、所望の治療効果を生じさせるフルオロキノロン抗菌剤の量を意味する。特定の実施形態では、フルオロキノロン抗菌剤は、所定の用量で投与され、従って治療上有効量は、投与用量の量になるだろう。この量及びフルオロキノロン抗菌剤の量は、当業者により日常的に決定することができ、関与する特定の微生物菌株等の幾つかの要因に応じて様々であろう。この量は、患者の身長、体重、性別、年齢、及び病歴に更に依存する場合がある。予防的治療の場合、治療上有効量は、微生物感染症を予防するのに有効である可能性のある量である。
【0062】
「治療効果」は、感染症の症状の1つ又は複数をある程度まで軽減し、感染症を治癒することを含む。「治癒する」は、活性感染症の症状が除去されることを意味し、感染症に関与する微生物の過剰数の生存微生物を完全に又は本質的に除去して、従来の測定法による検出閾値点以下にすることを含む。しかしながら、ある長期的又は永続的な感染症の効果(広範な組織損傷等)は、治癒が得られた後でさえも存在する場合がある。本明細書で使用される場合、「治療効果」は、宿主の細菌負荷、耐性の出現の統計的に有意な低減、又はヒト臨床結果又は動物研究により測定される感染症状の改善と規定される。
【0063】
「治療する」「治療」、又は「治療すること」は、本明細書で使用される場合、予防及び/又は治療目的で医薬組成物を投与することを指す。用語「予防的治療」は、特定の感染症にまだ感染していないが、それに感受性であるか又はそうでなければそのリスクのある患者を、感染症の発症が低減されるように治療することを指す。用語「治療的治療」は、既に感染症を罹患している患者に治療を施すことを指す。従って、好ましい実施形態では、治療は、治療上有効量のフルオロキノロン抗菌剤を哺乳動物に(治療又は予防目的で)投与することである。
【0064】
薬物動態(PK)は、体内における抗菌剤濃度の時間的経過に関する。薬動力学(PD)は、in vivoにおける薬物動態と抗菌剤効力との関係性に関する。PK/PDパラメーターは、抗菌剤曝露を抗菌活性と関連付ける。抗菌剤による死滅の速度は、抗菌剤の作用機序に依存し、死滅に必要な時間の長さ(時間依存性)又は濃度増加の効果(濃度依存性)のいずれかにより決定される。多様な作用機構を有する抗菌剤の治療効力を予測するために、様々なPK/PDパラメーターを使用することができる。PK/PDパラメーターは、抗菌剤組成物の生物学的利用能、例えば肺系での組成物の生物学的利用能、及び/又は血漿/血清での組成物の生物学的利用能を決定するために使用することができる。
【0065】
「AUC/MIC比」は、PK/PDパラメーターの1つの例である。AUCは、in vivoでの(動物又はヒトでの)、抗菌剤の血漿/血清又は感染部位濃度時間曲線の曲線下面積として定義される。例えば、感染部位及び/又は濃度が測定される部位には、気管支液及び/又は痰等の肺系の部分が含まれていてもよい。従って、AUCには、血清AUC及び肺AUCが含まれていてもよい。AUC(0−t)は、時間0から特定の時間「t」までの曲線下面積を含むことができる。AUC(0−inf)は、時間0から無限大の曲線下面積を含むことができる。AUC/MIC比は、個々の抗菌剤の24時間AUCを、in vitroで決定された同じ抗菌剤のMICで除算することにより決定される。用量依存性死滅を示す抗菌剤(フルオロキノロン等)の活性は、AUC/MIC比の大きさにより良好に予測される。
【0066】
「Cmax:MIC」比は、別のPK:PDパラメーターである。「Cmax:MIC」比は、MICに対する、血漿又は組織中の最大薬物濃度を記述する。フルオロキノロン及びアミノグリコシドは、in vivoで細菌を死滅させ、耐性を抑制することができることが、Cmax:MICにより予測される例である。
【0067】
「MICを超える時間」(T>MIC)は、別のPK/PDパラメーターである。「MICを超える時間」は、血漿又は感染部位レベルがMICを超える投与間隔の割合を表わす。時間依存性死滅を示す抗菌剤(ベータラクタム又はオキサゾリジノン等)の活性は、T>MIC比の大きさにより良好に予測される。
【0068】
用語「投与間隔」は、複数回投与計画中の、医薬品の2回の連続した投与間の時間を指す。例えば、1日2回投与される経口投与シプロフロキサシン(従来の投与計画は、400mg b.i.d)、及び1日1回投与される経口投与レボフロキサシン(500mg又は750mg q.d.)の場合、投与間隔は、それぞれ12時間及び24時間である。
【0069】
本明細書で使用される場合、医薬品のin vivo濃度の「ピーク期間」は、医薬品濃度がその最大の血漿又は感染部位濃度の50%以上である医薬品投与間隔の時間と定義される。幾つかの実施形態では、「ピーク期間」は、抗菌剤投与の間隔を記述するために使用される。
【0070】
「呼吸性送達用量」は、1:1の吸気対呼気比率で、毎分15回呼吸のヨーロッパ標準パターンにプログラムされたシミュレーターを使用して、5ミクロン以下である呼吸シミュレーターの吸気相中に吸入される薬物の量である。
【0071】
医薬組成物
本明細書に記載の方法の目的では、肺における生物学的利用能の向上を示す二価又は三価陽イオンと共に製剤化されたフルオロキノロン抗菌剤は、吸入器を使用して投与することができる。幾つかの実施形態では、本明細書で開示されたフルオロキノロン抗菌剤は、エアロゾル製剤、良好な食味、保管安定性、並びに患者安全性及び耐容性に好適な医薬組成物として生産される。幾つかの実施形態では、製造されたフルオロキノロンのアイソフォーム含有量は、耐容性、抗菌活性、及び安定性のために最適化することができる。
【0072】
製剤は、二価又は三価陽イオンを含むことができる。二価又は三価陽イオンには、例えば、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、アルミニウム、及び鉄が含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、溶液は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、又は塩化銅を含む。幾つかの実施形態では、二価又は三価陽イオン濃度は、約25mM〜約400mM、約50mM〜約400mM、約100mM〜約300mM、約100mM〜約250mM、約125mM〜約250mM、約150mM〜約250mM、約175mM〜約225mM、約180mM〜約220mM、及び約190mM〜約210mMであってもよい。幾つかの実施形態では、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、又は塩化銅は、約5%〜約25%、約10%〜約20%、及び約15%〜約20%の濃度を有していてもよい。幾つかの実施形態では、二価又は三価陽イオンに対するフルオロキノロンの比率は、1:1〜2:1又は1:1〜1:2であってもよい。
【0073】
本明細書に記載のように使用される非限定的なフルオロキノロンには、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、ペフロキサシン、スパルフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、及びDX−619が含まれる。
【0074】
製剤は、約50mg/ml、約60mg/ml、約70mg/ml、約80mg/ml、約90mg/ml、約100mg/ml、約110mg/ml、約120mg/ml、約130mg/ml、約140mg/ml、約150mg/ml、約160mg/ml、約170mg/ml、約180mg/ml、約190mg/ml、及び約200mg/mlを超えるフルオロキノロン濃度、例えばレボフロキサシン、オフロキサシンを有していてもよい。幾つかの実施形態では、製剤は、約50mg/ml〜約200mg/ml、約75mg/ml〜約150mg/ml、約80mg/ml〜約125mg/ml、約80mg/ml〜約120mg/ml、約90mg/ml〜約125mg/ml、約90mg/ml〜約120mg/ml、及び約90mg/ml〜約110mg/mlのフルオロキノロン濃度、例えばレボフロキサシン、オフロキサシンを有していてもよい。
【0075】
製剤は、約300mOsmol/kg〜約500mOsmol/kg、約325mOsmol/kg〜約450mOsmol/kg、約350mOsmol/kg〜約425mOsmol/kg、及び約350mOsmol/kg〜約400mOsmol/kgのオスモル濃度を有していてもよい。幾つかの実施形態では、製剤のオスモル濃度は、約300mOsmol/kg、約325mOsmol/kg、約350mOsmol/kg、約375mOsmol/kg、約400mOsmol/kg、約425mOsmol/kg、約450mOsmol/kg、約475mOsmol/kg、及び約500mOsmol/kgを超えている。
【0076】
製剤は、約4.5〜約8.5、約5.0〜約8.0、約5.0〜約7.0、約5.0〜約6.5、約5.5〜約6.5、及び6.0〜約6.5のpHを有していてもよい。
【0077】
製剤は、従来の医薬担体又は賦形剤等(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、及び炭酸マグネシウム等)、又は湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、及びpH緩衝剤等の補助物質(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミンアセタート、及びトリエタノールアミンオレアート等)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、製剤は、従来の医薬担体又は賦形剤等を欠如していてもよい。幾つかの実施形態は、ラクトースを欠如する製剤を含む。幾つかの実施形態は、約10%、5%、1%、又は0.1%未満の濃度のラクトースを含む。幾つかの実施形態では、製剤は、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンから本質的になっていてもよい。
【0078】
幾つかの実施形態では、製剤は、約75mg/ml〜約150mg/mlのレボフロキサシン濃度、約150mM〜約250mMの塩化マグネシウム濃度、約5〜約7のpH、約300mOsmol/kg〜約500mOsmol/kgのオスモル濃度を含んでいてもよく、ラクトースを欠如する。
【0079】
幾つかの実施形態では、製剤は、約100mg/mlのレボフロキサシン濃度、約200mMの塩化マグネシウム濃度、約6.2のpH、約383mOsmol/kgのオスモル濃度を含み、ラクトースを欠如する。幾つかの実施形態では、製剤は、約100mg/mlのレボフロキサシン濃度、約200mMの塩化マグネシウム濃度、約6.2のpH、約383mOsmol/kgのオスモル濃度から本質的になっており、ラクトースを欠如する。幾つかの実施形態では、製剤は、約100mg/mlのレボフロキサシン濃度、約200mMの塩化マグネシウム濃度、約6.2のpH、約383mOsmol/kgのオスモル濃度からなっており、ラクトースを欠如する。
【0080】
幾つかの実施形態では、エアロゾルフルオロキノロン療法は、他のエアロゾル、経口、又は非経口の抗生物質と併用して又は交互の治療順序で、治療又は予防として施されてもよい。非限定的な例では、これには、以下のものが含まれていてもよい:トブラマイシン及び/又は他のアミノグリコシド、アズトレオナム、カルモナム、及びチゲモナム、及び/又は他のベータ若しくはモノ−バクタム、シプロフロキサシン及び/又は他のフルオロキノロン、アジスロマイシン及び/又は他のマクロライド若しくはケトライド、テトラサイクリン及び/又は他のテトラサイクリン、キヌプリスチン及び/又は他のストレプトグラミン、リネゾリド及び/又は他のオキサゾリジノン、バンコマイシン及び/又は他の糖ペプチド、並びにクロラムフェニコール及び/又は他のフェニコール、並びにコリシチン及び/又は他のポリミキシン。更なる実施形態では、抗生物質には、キノロン、テトラサイクリン、糖ペプチド、アミノグリコシド、β−ラクタム、リファマイシン、マクロライド/ケトライド、オキサゾリジノン、クーママイシン、クロラムフェニコール、ストレプトグラミン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、又はポリミキシンが含まれていてもよい。特定の実施形態では、上記のクラスの抗生物質は、例えば下記のうちの1つであってもよい。幾つかの実施形態では、先述の抗生物質はいずれも、任意の許容される方法又は経路により、例えばエアロゾルにより、経口により、又は非経口により投与することができる。
【0081】
ベータ−ラクタム抗生物質
ベータ−ラクタム抗生物質には、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:イミペネム、メロペネム、ビアペネム、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファアセトリル(cephaacetrile)、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セフラジン、セフメタゾール、セホキシチン、セフォテタン、アズトレオナム、カルモナム、フロモキセフ、モキサラクタム、アミジノシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、ベンジルペニシリン、カルフェシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ピペラシリン、スルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、セフジトレン、SC004、KY−020、セフジニル、セフチブテン、FK−312、S−1090、CP−0467、BK−218、FK−037、DQ−2556、FK−518、セフォゾプラン、ME1228、KP−736、CP−6232、Ro 09−1227、OPC−20000、及びLY206763。
【0082】
マクロライド
マクロライドには、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、ロキタマイシン、ロサラマイシン、ロキシスロマイシン、及びトロレアンドマイシン。
【0083】
ケトライド
ケトライドには、これらに限定されないが、テリスロマイシン及びセスリマイシン(cethrimycin)が含まれる。
【0084】
キノロン
キノロンには、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:アミフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメキン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、オキソリン酸、ペフロキサシン、ロソキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、スパルフロキサシン、クリナフロキサシン、モキシフロキサシン;ゲミフロキサシン;ガレノフロキサシン(garenofloxacin);PD131628、PD138312、PD140248、Q−35、AM−1155、NM394、T−3761、ルフロキサシン、OPC−17116、DU−6859a(例えば、Sato,K.ら、1992年、Antimicrob Agents Chemother.37巻:1491〜98頁を参照)、及びDV−7751a(例えば、Tanaka,M.ら、1992年、Antimicrob.Agents Chemother.37巻:2212〜18頁を参照)。
【0085】
テトラサイクリン、グリシルサイクリン、及びオキサゾリジノン
テトラサイクリン、グリシルサイクリン、及びオキサゾリジノンには、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、リメサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、チゲサイクリン、リネゾリド、及びエペロゾリド(eperozolid)。
【0086】
アミノグリコシド
アミノグリコシドには、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:アミカシン、アルベカシン、ブチロシン、ジベカシン、ホルチミシン、ゲンタミシン、カナマイシン、メオマイシン(meomycin)、ネチルミシン、リボスタマイシン、シソミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、及びトブラマイシン。
【0087】
リンコサミド
リンコサミドには、これらに限定されないが、クリンダマイシン及びリンコマイシンが含まれる。
【0088】
ストレプトグラミン
ストレプトグラミンには、これに限定されないが、キヌプリスチンが含まれる。
【0089】
糖ペプチド
糖ペプチドには、これに限定されないが、バンコマイシンが含まれる。
【0090】
ポリミキシン
ポリミキシンには、これらに限定されないが、コリシチンが含まれる。
【0091】
更なる例には、ホスホマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、カルバペネム、ペネム、及びカルバセフェムが含まれる。
【0092】
幾つかの実施形態では、製剤は、追加的な活性剤と組み合わせてフルオロキノロンを含んでいてもよい。本明細書で考察されているように、幾つかのそのような追加的活性剤には、抗生物質が含まれていてもよい。更に追加的な活性剤には、気管支拡張薬、抗コリン作用薬、グルココルチコイド、エイコサノイド阻害剤、及びそれらの組み合わせが含まれていてもよい。気管支拡張薬の例には、サルブタモール、レボサルブテロール、テルブタリン、フェノテロール、テルブトライン、ピルブテロール、プロカテロール、ビトルテロール、リミテロール、カルブテロール、ツロブテロール、レプロテロール、サルメテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロール、テオフィリン、ロフルミラスト、シロミラストが含まれる。抗コリン作用薬の例には、イプラトロピウム及びチオトロピウムが含まれる。グルココルチコイドの例には、プレドニゾン、フルチカゾン、ブデソニド、モメタゾン、シクレソニド、及びベクロメタゾンが含まれる。エイコサノイドの例には、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、ジロイトン(zileuton)、ラマトロバン、及びセラトロダストが含まれる。更なる追加的活性剤には、以下のものが含まれる:パルモザイム、高張生理食塩水、CFのクロライドチャネル機能を回復させる作用剤、吸入ベータ−アゴニスト、吸入抗ムスカリン作用剤、吸入コルチコステロイド、及び吸入ホスホジエステラーゼ阻害剤。幾つかの実施形態では、治療又は予防として施されるエアロゾル抗生物質療法は、追加的活性剤との併用で又は交互の治療順序で使用することができる。更なる実施形態では、追加的活性剤は、治療剤として単独で投与してもよく、エアロゾル抗生物質療法と共製剤化されていてもよく、又はエアロゾル抗生物質療法と共に投与してもよい。
【0093】
投与
二価又は三価陽イオンと共に製剤化されたフルオロキノロン抗菌剤は、治療上有効用量、例えば本明細書に記載のような転帰を達成するのに十分な用量で投与することができる。同様に、投与の方法及びスケジュールは、本明細書に記載のような転帰を達成するように選択することができる。例えば、幾つかの実施形態では、肺に投与される呼吸用量は、約20mg〜約170mg、約30mg〜約160mg、約40mg〜約150mg、約50mg〜約140mg、及び約65mg〜約130mgであってもよい。幾つかの実施形態では、負荷用量は、約80mg〜約280mg、約90mg〜約270mg、約100mg〜約260mg、約110mg〜約250mg、及び約120mg〜約240mgであってもよい。特定の実施形態では、用量は、1日1回、又は1日2回で投与することができる。幾つかの実施形態では、療法は、少なくとも28日間施される。
【0094】
本明細書で開示されたフルオロキノロン抗菌剤又はその薬学的に許容される塩の投与は、エアロゾル吸入を含むが、それに限定されない同様の有用性を果たす、作用剤の許容される投与方法のいずれによってであってもよい。送達するための方法、デバイス、及び組成物は、米国特許出願公開第2006−0276483号に記載されており、その全体が参照により組み込まれる。
【0095】
薬学的に許容される組成物には、例えば、粉末、液体、懸濁物、錯体、リポソーム、又は微粒子等の、固体剤形、半固体剤形、液体剤形、及びエアロゾル剤形が含まれる。好ましくは、組成物は、正確な用量の単回投与に好適な単位剤形で提供される。
【0096】
フルオロキノロン抗菌剤は、単独で投与してもよく、又は幾つかの代替案では、従来の医薬担体又は賦形剤等(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、及び炭酸マグネシウム等)と組み合わせて投与してもよい。必要に応じて、医薬組成物は、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、及びpH緩衝剤等(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミンアセタート、及びトリエタノールアミンオレアート等)の少量の無毒な補助物質も含有することができる。一般的に、意図した投与方法に応じて、医薬製剤は、約0.005重量%〜95重量%、好ましくは約0.5重量%〜50重量%の本発明の化合物を含有するだろう。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者であれば、公知であるか又は明白となるだろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvaniaを参照されたい。
【0097】
1つの好ましい実施形態では、組成物は、液体、懸濁するための固体、乾燥粉末、凍結乾燥物、又は他の組成物を含有するバイアル等の単位剤形の形態をとることになり、従って組成物は、活性成分と共に、ラクトース、スクロース、又はリン酸二カルシウム等の希釈剤;ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;デンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリジン、ゼラチン、セルロース、又はセルロース誘導体等の結合剤を含有してもよい。
【0098】
液体の薬学的に投与可能な組成物は、例えば、上記で定義された活性化合物及び随意に医薬アジュバントを、担体(例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、グリコール、又はエタノール等)に溶解、分散すること等により調製することができる。エアロゾル化される溶液は、エアロゾル生成及び吸入の前に、溶液若しくは懸濁液として、乳剤として、又は液体に溶解若しくは懸濁するのに好適な固体形態としてのいずれかの従来の形態で調製することができる。そのようなエアロゾル組成物に含有される活性化合物の割合は、その特定の性質、並びに化合物の活性及び対象体の必要性に高度に依存する。しかしながら、溶液中で0.01%〜90%の割合の活性成分を使用することができ、組成物が固体の場合、割合はより高く、その後上記の割合に希釈されることになる。幾つかの実施形態では、組成物は、溶液中に1.0%〜50.0%の活性剤を含むだろう。
【0099】
本明細書で提供される方法、組成物、及び使用の幾つかの実施形態では、療法、例えばエアロゾル化抗生物質療法の期間には、以下が含まれていてもよい:少なくとも約1日/月、少なくとも約2日/月、少なくとも約3日/月、少なくとも約4日/月、少なくとも約5日/月、少なくとも約6日/月、少なくとも約7日/月、少なくとも約8日/月、少なくとも約9日/月、少なくとも約10日/月、少なくとも約11日/月、少なくとも約12日/月、少なくとも約13日/月、少なくとも約14日/月、少なくとも約15日/月、少なくとも約16日/月、少なくとも約17日/月、少なくとも約18日/月、少なくとも約19日/月、少なくとも約20日/月、少なくとも約21日/月、少なくとも約22日/月、少なくとも約23日/月、少なくとも約24日/月、少なくとも約25日/月、少なくとも約26日/月、少なくとも約27日/月、少なくとも約28日/月、少なくとも約29日/月、少なくとも約30日/月、及び少なくとも約31日/月。
【0100】
本明細書に記載の組成物は、1日に約1、2、3、又は4回以上、1週間に1、2、3、4、5、6、又は7回以上、1か月間に1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10回以上の頻度で投与することができる。特定の実施形態では、組成物は、1日2回投与される。
【0101】
エアロゾル送達
経肺投与の場合、上気道を回避し、中央気道及び下気道が好ましい。経肺薬物送達は、口及び喉を経由するエアロゾルの吸入により達成することができる。約5ミクロンよりも大きな空気動力学的質量中央粒径(MMAD)を有する粒子は、一般的に肺に到達せず、その代り喉の後部ぶつかる傾向があり、呑み込まれて経口吸収される可能性が高い。約2〜約5ミクロンの直径を有する粒子は、上部〜中央肺領域(誘導気道)に到達できるほど十分に小さいが、大きすぎて肺胞には到達できない。より小さな粒子、つまり約0.5〜約2ミクロンは、肺胞領域に到着することが可能である。約0.5ミクロンよりも小さな直径を有する粒子は、沈降により肺胞領域に堆積する場合もあるが、非常に小さな粒子は、吐き出される場合がある。
【0102】
1つの実施形態では、噴霧器は、主に約2〜約5ミクロンのMMADを有する、本明細書で開示されたフルオロキノロン抗菌剤のエアロゾル形成が可能であることに基づいて選択される。1つの実施形態では、フルオロキノロン抗菌剤の送達量は、呼吸器感染症に治療効果を提供する。噴霧器は、約2ミクロン〜約5ミクロンの空気動力学的質量中央粒径で、幾何学的標準偏差が約2.5ミクロン以下、約2.5ミクロン〜約4.5ミクロンの空気動力学的質量中央粒径で、幾何学的標準偏差が約1.8ミクロン以下、及び約2.8ミクロン〜約4.3ミクロンの空気動力学的質量中央粒径で、幾何学的標準偏差が約2ミクロン以下を含むエアロゾルを送達することができる。幾つかの実施形態では、エアロゾルは、振動メッシュ式噴霧器を使用して生成することができる。振動メッシュ式噴霧器の一例には、PARI E−FLOW(登録商標)噴霧器が含まれる。噴霧器の更なる例は、米国特許第4,268,460;第4,253,468号;第4,046,146号;第3,826,255号;第4,649,911号;第4,510,929号;第4,624,251号;第5,164,740号;第5,586,550号;第5,758,637号;第6,644,304号;第6,338,443号;第5,906,202号;第5,934,272号;第5,960,792号;第5,971,951号;第6,070,575号;第6,192,876号;第6,230,706号;第6,349,719号;第6,367,470号;第6,543,442号;第6,584,971号;第6,601,581号;第4,263,907号;第5,709,202号;第5,823,179号;第6,192,876号;第6,644,304号;第5,549,102号;第6,083,922号;第6,161,536号;第6,264,922号;第6,557,549号;及び第6,612,303号に提供されており、これらは全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の製剤と共に使用することができる噴霧器の更なる市販例には、以下のものが含まれる:Aerogen社製のRespirgard II(登録商標)、Aeroneb(登録商標)、Aeroneb(登録商標)Pro、及びAeroneb(登録商標)Go;Aradigm社製のAERx(登録商標)及びAERx Essence(商標);Respironics,Inc.社製のPorta−Neb(登録商標)、Freeway Freedom(商標)、Sidestream、Ventstream、及びI−neb;PARI,GmbH社製のPARI LC−Plus(登録商標)、PARI LC−Star(登録商標)。更に、非限定的な例、米国特許第6,196,219号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0103】
投与することができるレボフロキサシン又はオフロキサシンの量(呼吸用量、噴霧器負荷用量、及び/又は堆積用量として)には、以下が含まれていてもよい:少なくとも約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、約660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、約710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、約760mg、約770mg、約780mg、約790mg、及び約800mg。
【0104】
エアロゾルは、約10分間未満で、約5分間未満で、約4分間未満で、約3分間未満で、約2分間未満で、約1分間未満で肺に投与される。
【0105】
効能
本明細書に記載の方法及び組成物は、肺感染症及び障害、例えば嚢胞性線維症を治療するために使用することができる。幾つかの実施形態は、以下のものが含まれていてもよい1つ又は複数の細菌を含む感染症を治療することを含む:シュードモナス・エルギノーサ、シュードモナス・フルオレッセンス、シュードモナス・アシドボランス、シュードモナス・アルカリゲネス、シュードモナス・プチダ、ステノトロホモナス種、例えばステノトロホモナス・マルトフィリア、アエロモナス・ヒドロフィラ、大腸菌、シトロバクター・フロインデイ、サルモネラ・チフィリウム、サルモネラ・チフィ、サルモネラ・パラチフィ、サルモネラ・エンテリティディス、志賀赤痢菌、シゲラ・フレックスネリ、シゲラ・ソネイ、エンテロバクター・クロアカ、エンテロバクター・エロゲネス、クレブシエラ・ニューモニエ、クレブシエラ・オキシトカ、セラチア・マルセセンス、モルガネラ・モルガニー、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・スチュアルティ、アシネトバクター・カルコアセティカス、アシネトバクター・ヘモリチカス、エルシニア・エンテロコリチカ、エルシニア・ペスチス、エルシニア・シュードツベルクロシス、エルシニア・インターメディア、ボルデテラ・パータシス、ボルデテラ・パラパータシス、ボルデテラ・ブロンキセプチカ、ヘモフィルス・インフルエンザ、ヘモフィルス・パラインフルエンザ、ヘモフィルス・ヘモリチカス、ヘモフィルス・パラヘモリチカス、ヘモフィルス・デュクレイ、パスツレラ・マルトシダ、パスツレラ・ヘモリチカ、ヘリコバクター・ピロリ、カンピロバクター・フィタス、カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ、ボレリア・ブルグドルフェリ、ビブリオ・コレラ、ビブリオ・パラヘモリチカス、レジオネラ・ニューモフィラ、リステリア・モノサイトゲネス、ナイセリア・ゴノレア、ナイセリア・メニンギティディス、バークホルデリア種、例えばバークホルデリア・セパシア、フランシセラ・ツラレンシス、キンゲラ、及びモラクセラ。幾つかの実施形態では、肺感染症は、グラム陰性嫌気性細菌を含んでいてもよい。更なる実施形態では、肺感染症は、以下のものからなる群から選択される細菌の1つ又は複数を含んでいてもよい:バクテロイデス・フラジリス、バクテロイデス・ディスタソニス、バクテロイデス3452A相同性群、バクテロイデス・ブルガタス、バクテロイデス・オバルス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・エガーシイ、及びバクテロイデス・スプランクニカス。幾つかの実施形態では、肺感染症は、グラム陽性細菌を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、肺感染症は、以下のものからなる群から選択される細菌の1つ又は複数を含んでいてもよい:コリネバクテリウム・ジフテリエ、コリネバクテリウム・ウルセランス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・アガラクティエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ミレリ、ストレプトコッカス(G群);ストレプトコッカス(C/F群);エンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、スタフィロコッカス・サプロフィティクス、スタフィロコッカス・インターメジウス、スタフィロコッカス・ヒイカス亜種ヒイカス、スタフィロコッカス・ヘモリチカス、スタフィロコッカス・ホミニス、及びスタフィロコッカス・アサッカロリチカス。幾つかの実施形態では、肺感染症は、グラム陽性嫌気性細菌を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、肺感染症は、以下のものからなる群から選択される1つ又は複数の細菌を含んでいてもよい:クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・テタニ、及びクロストリジウム・ボツリヌム。幾つかの実施形態では、肺感染症は、抗酸菌を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、肺感染症は、以下のものからなる群から選択される1つ又は複数の細菌を含んでいてもよい:マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、及びマイコバクテリウム・レプレ。幾つかの実施形態では、肺感染症は、異型細菌を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、肺感染症は、以下のものからなる群から選択される1つ又は複数の細菌を含んでいてもよい:クラミジア・ニューモニエ及びマイコプラズマ・ニューモニエ。幾つかの実施形態では、肺感染症は、非発酵グラム陰性細菌(NFGNB)を含んでいてもよい。NFGNBの例には、ブルコレリア種(Burkholeria spp.)、ステノトロホモナス種(stenotrophomonas spp.)、アシネトバクター種(acinetobacter spp.)、シュードモナス種(pseudomonas spp.)、及びアクロモバクター種(Achromobacter spp.)が含まれていてもよい。本明細書で提供された方法及び組成物に有用な細菌の更なる例は、「Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology」編集主幹:Garrity,George M.Boone,David R.;Castenholz,Richard W.(編)に見出され、初版はWilliams & Wilkinsにより1984年に、第2版は(2001年)に出版され、その全体が参照により組み込まれる。
【0106】
本明細書で提供される幾つかの方法及び組成物は、望ましくない副作用を引き起こす場合がある高非経口用量レベルが必要であるため、又は臨床的に有効な抗菌剤が一切欠如しているため、非経口的に送達される抗菌剤を使用して治療することが困難であり得る、微生物菌株を含む肺感染症及び障害の治療に特に適切であり得る。例えば、エアロゾルフルオロキノロン抗菌剤を感染部位に直接的に投与することにより、全身曝露が低減され、微生物感染部位に対する抗菌剤の量を最大化することができる。そのような方法は、耐性微生物選択の頻度を低減する方法として、フルオロキノロン抗菌剤に感受性である微生物が関与する感染症の治療に適切であり得る。
【0107】
幾つかの実施形態では、二価又は三価陽イオンと共に製剤化されたエアロゾルフルオロキノロン抗菌剤は、細菌の耐性出現を克服するのに、又は耐性の発生する機会がないように死滅効率を増加させるのに十分なレベルで投与される。
【0108】
本明細書に記載の方法及び組成物の幾つかの実施形態は、肺感染症の低減を達成することを含む。肺感染症の低減は、様々な異なる方法を使用して測定することができる。例えば、1つ又は複数の生物を含む肺感染症では、生物密度の低減を測定することができる。幾つかの実施形態では、治療は、生物密度の少なくとも約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、及び約100%の低減を達成することができる。幾つかの実施形態では、治療は、生物密度の少なくとも約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、及び約100%の低減を達成することができる。
【0109】
生物密度は、対象体から採取された試料、例えば、気管支肺胞洗浄液、痰、及び血清で測定することができる。幾つかの実施形態では、生物密度を、痰1g当たり少なくとも約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.8、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5log10 CFU以上低減することができる。
【0110】
本明細書に記載の方法及び組成物の幾つかの実施形態は、肺機能パラメーターの改善を達成することを含んでいてもよい。そのようなパラメーターの例には、FEV(努力呼気量)、FEV(1秒間の努力呼気量)、及びFEF25−75(努力呼気流量25〜75%)が含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、対象体のFEVは、本明細書に記載の方法及び組成物を使用して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%以上増加させることができる。幾つかの実施形態では、対象体のFEVは、本明細書に記載の方法及び組成物を使用して、少なくとも約0.01L、0.02L、0.03L、0.04L、及び0.05L増加させることができ、少なくとも約0.1L、0.2L、0.3L、0.4L、0.5L、0.6L、0.7L、0.8L、0.9L、1.0L以上増加させることができる。
【0111】
幾つかの実施形態では、対象体のFEF25−75は、本明細書に記載の方法及び組成物を使用して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%以上増加させることができる。幾つかの実施形態では、対象体のFEF25−75は、本明細書に記載の方法及び組成物を使用して、少なくとも約0.01L、0.02L、0.03L、0.04L、及び0.05L増加させることができ、少なくとも約0.1L、0.2L、0.3L、0.4L、0.5L、0.6L、0.7L、0.8L、0.9L、1.0L以上増加させることができる。
【0112】
本明細書に記載の方法及び組成物の幾つかの実施形態は、対象体が、抗シュードモナス抗生物質等の他の吸入又は全身性抗生物質を必要とする必要性を低減することを含んでいてもよい。そのような低減は、様々な方法により、例えば、他の吸入又は全身性抗生物質を必要とする時間の増加により、測定することができる。そのような必要性の低減は、様々な統計学的手段により測定することができる。例えば、ハザード比を、生存分析において使用することができる。幾つかのそのような実施形態では、ハザード比は、約1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1以下である。
【0113】
本明細書に記載の方法及び組成物の幾つかの実施形態は、増悪の頻度、増悪の重症度、増悪の期間、又は増悪が生じることになる可能性を減少させることを含んでいてもよい。増悪は、そのような方法により提供される幾つかの方法及び基準のいずれかにより規定することができる。幾つかの実施形態では、患者は、増悪に関するフックス定義の少なくとも4つの症状/徴候を同時に満たす場合がある(Fuchs HJら、Effect of aerosolized recombinant human DNase on exacerbations of respiratory symptoms and on pulmonary function in patients with cystic fibrosis.N Engl J Med 1994年;331巻:637〜642頁、その全体は参照により組み込まれる)。フックス基準により定義される症状/徴候には、以下のものが含まれる:痰の変化;新たな喀血又は喀血の増加;咳の増加;呼吸困難の増加;倦怠感、疲労感、又は嗜眠;38℃を超える体温;食欲不振又は体重減少;副鼻腔痛又は圧痛;洞排せつ物の変化;胸部理学検査の変化;以前の記録値から10%以上の肺機能の低下;及び肺感染症を示すX線画像変化。
【0114】
幾つかの実施形態では、増悪特性が改善された患者は、以下の徴候/症状の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、及び少なくとも4つを有する場合があり、変化は、患者の典型的な経験、例えば1日の経験及び1週間の経験に関連していてもよい。
(1)痰の変化、例えば、痰の生成について:患者は、咳をした際の痰の量に変化がないか、わずかにより少ないか、若しくははるかにより少なく、又は痰外観の変化について:痰の濃さについて、患者は、痰がわずかにより薄いか、若しくははるかにより薄く;痰の色について、患者は、痰の色がより良好である(良好性は、茶色→緑色→黄色→無色の順で増加する)。
(2)喀血、例えば患者は、喀血する血液量が、わずかに減少するか又は大きく減少する。
(3)咳、例えば、咳の強度について、患者は、咳がわずかにより軽いか又ははるかにより軽く;咳の頻度については、患者は、咳の頻繁がわずかにより少ないか又ははるかにより少ない。
(4)呼吸困難、例えば、労作性呼吸困難については、患者は、日常活動をした際の呼吸が、わずかにより容易であるか又ははるかにより容易である。
(5)倦怠感、疲労感、又は嗜眠、例えば、患者は、活力がわずかにより多いか若しくははるかにより多く、及び/又は患者は、日常活動、例えば階段登りの実行がわずかにより容易であるか若しくははるかにより容易である。
(6)体温、例えば、患者は、正常で健康な体温、例えば約37℃を示すか、又は患者は、最近の発熱歴を有しない。
(7)食欲不振又は体重減少、例えば、患者は、体重に変化がないか若しくはわずかに体重が増加し、及び/又は患者は、食欲がわずかに増加する。
(8)副鼻腔痛又は圧痛、例えば、患者は、副鼻腔痛及び圧痛がないか、又は副鼻腔痛又は圧痛がより少ない。
(9)洞排せつ物の変化、例えば、患者は、洞排せつ物がより良好である(濃さの減少及び/又はより良好な色)。
(10)胸部理学検査の変化、例えば、患者は、胸部検査の際に徴候の改善を示し、例えば、胸部うっ血のわずかな減少、又は胸部うっ血の大きな減少が報告される場合がある。
(11)以前の記録値より10%以上の肺機能、例えば、患者は、肺機能検査において肺機能の改善を示す。
(12)肺感染症を示すX線画像変化、例えば、患者は、肺感染症の低減を示すX線画像変化の改善を示す。
【0115】
幾つかの実施形態では、運動耐容能、及び/又は予定行事、例えば学校又は仕事の常習欠勤を、増悪の徴候/症状として測定することができる。
【0116】
表1には、増悪を測定するのに有用な様々な方法が要約されている。


【0117】
上記の方法のいずれかの幾つかの実施形態は、二価又は三価陽イオンと組み合わせたレボフロキサシン又はオフロキサシンを、上記で列挙された転帰を達成するのに十分な投与量、投与スケジュール、及び/又は投与方法で投与することを含む。
【0118】
小児患者集団
本明細書で提供される幾つかの実施形態は、ヒトの嚢胞性線維症を治療するために、本明細書で提供される組成物を使用することに関する。幾つかの実施形態では、ヒトは、小児患者である。幾つかの実施形態では、ヒトは、約18歳未満、約17歳未満、約16歳未満、約15歳未満、約14歳未満、約13歳未満、約12歳未満、約11歳未満、約10歳未満、約9歳未満、約8歳未満、約7歳未満、約6歳未満、約5歳未満、約4歳未満、約3歳未満、約2歳未満、及び約1歳未満の年齢を有する。
【0119】
小児対象体のエアロゾル治療剤の用量は、成人対象体の用量より少なくてもよい。幾つかの実施形態では、用量は、部分的に対象体の体重より決定することができる。例えば、約14kg〜約21kgの体重を有する対象体は、約120mgの用量を受容することができ、約22kg〜約30kgの体重を有する対象体は、約180mgの用量を受容することができ、約30kgを超える体重を有する対象体は、約240mgの用量を受容することができる。幾つかの実施形態では、エアロゾル治療剤は、1日1回又は1日2回で投与することができる。幾つかの実施形態では、エアロゾル治療剤は、少なくとも約1日間、3日間、5日間、10日間、15日間、20日間、及び30日間投与することができる。幾つかの実施形態では、エアロゾル治療剤は、約14日間投与することができる。特定の実施形態では、エアロゾル治療剤は、1日1回で14日間投与することができる。
【0120】
幾つかの実施形態では、ヒトは、約70kg未満、約60kg未満、約50kg未満、約40kg未満、約30kg未満、約20kg未満、及び約10kg未満の体重を有する。
【0121】
幾つかの実施形態では、ヒトは、約1.8m未満、約1.6m未満、約1.4m未満、約1.2m未満、約1.0m未満、約0.8m未満、約0.6m未満、及び約0.4m未満の体表面積を有する。
【0122】
幾つかの実施形態では、上記ヒトのうちの1人の治療は、1mg用量当たり少なくとも約5(ng.h/L)の、1mg用量当たり少なくとも約10(ng.h/L)の、1mg用量当たり少なくとも約20(ng.h/L)の、1mg用量当たり少なくとも約40(ng.h/L)の、1mg用量当たり少なくとも約60(ng.h/L)の、1mg用量当たり少なくとも約80(ng.h/L)の、及び1mg用量当たり少なくとも約100(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む。
【0123】
幾つかの実施形態では、上記ヒトのうちの1人の治療は、1mg投与用量当たり約1μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約2μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約3μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約4μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約5μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約6μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約7μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約8μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約9μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約10μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約11μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約12μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約13μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約14μg/Lを超える、1mg投与用量当たり約15μg/Lを超える、及び1mg投与用量当たり約16μg/Lを超える用量正規化Cmaxを達成することを含む。
【0124】
列挙されているヒトを治療するための上記方法のいずれかの幾つかの実施形態は、二価又は三価陽イオンと組み合わせて、レボフロキサシン又はオフロキサシンを、列挙された転帰を達成するのに十分な投与量、投与スケジュール、及び/又は投与方法で投与することを含む。
【0125】
〔実施例〕
実施例1−レボフロキサシンによる第Ib相臨床治験
第Ib相単純盲検プラセボ対照用量漸増多施設治験を実施して、安定CF患者に投与したエアロゾル化レボフロキサシンの安全性、耐容性、及び薬物動態(PK)特性を評価した。患者は皆、過去24か月以内に及び選別来診時に、P.エルギノーサが痰から培養されていた。治験薬は、PARI eFlowデバイスを使用してエアロゾルにより、3種の用量を1日2回最長14日間投与した。呼吸送達用量(RDD)は、1回の治療当たりおよそ40mg、80mg、及び120mgであり、対応する負荷用量は、それぞれ78mg、175mg、及び260mgだった。従って、推定総1日RDDは、80mg、160mg、及び240mgだった。治験薬は、30mg/ml(40mg用量の場合)又は50mg/ml(80mg及び120mg用量の場合)で投与した。表2には、治験薬の製剤が示されている。

【0126】
患者は皆、治験中に少なくとも1つの併用薬を使用した。併用薬は、薬物治療開始日に関わらず、治験薬の初回投与後に服用された薬物である。患者の少なくとも20%により使用された併用薬には、サルブタモール、ドルナーゼアルファ、アジスロマイシン、セレタイド、パンクレリパーゼ、Adeks、高張溶液、及びノルターゼ(Nortase)が含まれていた。
【0127】
効力についての結果
表3には、FEV測定についての肺機能検査の結果が要約されている。7日間及び14日間の投与後、FEVの最大相対改善が、120mgのRDD(260mg負荷)レボフロキサシンコホートで観察され、平均改善は、それぞれ14.79%及び17.58%だった。8.90%の平均改善は、2週間にわたって追跡調査来院まで持続した。加えて、レボフロキサシンを受容した患者に用量応答があると考えられ、80mg及び120mg用量群の患者はFEVの改善を示したが、40mg用量群の患者は改善を示さなかった。120mg用量群の9人の患者は皆、FEVの相対的増加を示し、9人の患者のうちの4人は、少なくとも20%の増加を示した。

【0128】
表4は、FEVの肺機能検査における、来院(1、2、7、14、及び21日目)にわたる基線からの相対的変化を示す。表3では、基線(CBG)からの相対的変化は、「基線」FEVを差し引いた「結果」FEVを「基線」FEVで除算することにより算出した。



【0129】
1日目のP.エルギノーサのコロニー形成単位を、7及び14日目のコロニー形成単位と比較した。表5には、治療群における、痰中P.エルギノーサ(log CFU/g)の変化パーセントが要約されている。痰中P.エルギノーサの減少が、投与した全ての日で観察された。

【0130】
安全性についての結果
治験薬関連の重篤な有害事象は、報告されなかった。ほとんどの有害事象は、重症度が軽度又は中程度であり、自己限定的だった。大多数の有害事象は軽度であり、最も一般的に観察された有害事象としては、味覚苦情、咳、及び頭痛だった。吸入用レボフロキサシン溶液を受容した患者は、薬物不耐容性基準を満たさなかった。レボフロキサシンを受容した複数の患者で報告された有害事象には、腹痛、咳、疾患進行(急性増悪)、味覚異常(悪味)、喀血、頭痛、鼻閉、鼻咽頭痛(咽頭炎)、気道うっ血、及び喘鳴が含まれていた。表6には、レボフロキサシンを受容した複数のCF患者で観察された有害事象が要約されている。従って、これらの結果は、14日間にわたる複数回投与によるレボフロキサシンの安全性及び耐容性を実証した。


【0131】
実施例2−レボフロキサシンによる第2相臨床治験
第2相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照治験を実施して、安定CF患者に28日間投与された、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンの3種の投与計画の安全性、耐容性、及び効力を評価した。以下の投与計画(噴霧器負荷用量として)を評価した:120mg QD(1日1回);240mg QD(1日1回);及び240mg BID(1日2回)。100mg/mlの製剤に関するエアロゾル特徴付け研究に基づき、120及び240mgの負荷用量は、それぞれ約65及び130mgの、PARI eFlow噴霧器を使用した推定呼吸送達用量(RDD)に相当した。この治験に選択された投与計画全ての血漿レボフロキサシンCmax及びAUCは、CF病原体に対する殺菌活性を伴う濃度を十分に超える肺組織中濃度を提供するはずである(データ非表示)。
【0132】
レボフロキサシン溶液及びプラセボの製剤は、表7に示されている。メッシュを備えたPARI eFlow(登録商標)デバイスを使用して、治験薬をエアロゾルにより投与し、およそ3.5μm〜4.0μmよりも小さな粒子サイズを送達した。

【0133】
患者組み込み基準には以下が含まれていた:(1)少なくとも16歳であること、(2)CFを有すると臨床的に診断されたこと;(3)選別時に25%以上であるが85%以下のFEV予測値を引き起こすことができること;(4)過去12か月間に少なくとも3回の吸入抗菌剤を受容し、来院1(1日目)の2か月前に少なくとも1回の吸入トブラマイシン/(TOBI(登録商標))/コリスチンを受容したが、来院1(1日目)前の28日間は何も受容しなかったこと、(5)選別時の痰試料が、P.エルギノーサに陽性を示し、過去18か月以内にP.エルギノーサに陽性である少なくとも1つの陽性喀痰培養の履歴があること、及び(6)臨床的に安定しており、過去30日以内に健康状態の著しい変化がないこと。
【0134】
患者除外基準には以下が含まれていた:(1)来院1(1日目)前の30日以内に治験薬を使用したこと;(2)来院1(1日目)前の28日以内にP.エルギノーサに対して活性のある任意の噴霧状又は全身性抗生物質を使用したこと、来院1(1日目)の少なくとも30日前に開始されていなければならない維持用の経口アジスロマイシンは除く;(3)フルオロキノロン、又はMgClと共に製剤化されたレボフロキサシンの賦形剤に対して過敏性があること;(4)治験中に気管支拡張薬に対して不耐容性であるか又気管支拡張薬の使用に同意しないこと;(5)10mgプレドニゾン/日又は1日おきに20mgプレドニゾンに相当する用量を超過する用量の経口コルチコステロイドを使用したこと;(6)来院1(1日目)前の14日以内に理学療法技術又はスケジュールを変更したこと;(7)来院1(1日目)前の30日以内にCF治療用の医学的投与計画を変更したこと(例えば、ドルナーゼアルファ、非ステロイド抗炎症剤、アジスロマイシン、高張生理食塩水、又は吸入コルチコステロイド等の療法の導入、用量増加、又は中止);(8)肺移植の病歴;(9)来院1(1日目)前の10日以内に急性上気道感染症の兆候があるか又は30日以内に下気道感染症の兆候があること;(10)治験参加中の妊娠、授乳、又は産児制限若しくは禁欲の実行に同意しないこと(女性のみ);(11)発作の病歴があるか又は発作閾値が低いこと(例えば、てんかん);(12)選別時に腎機能障害があること(クレアチニンクリアランス計算値[CrCl]<50ml/分);(13)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、又は総ビリルビンが、選別時に正常値上限(ULN)の3倍以上であるか、又は重篤な肝臓疾患(例えば、肝硬変、門脈圧亢進症)の兆候があること;(14)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎、又はC型肝炎の感染/血液陽性の病歴があること;(15)来院1(1日目)前の30日間の任意の24時間にわたって30mL以上の喀血の病歴があること;(16)選別時又は来院1(1日目)に室内空気中での酸素飽和度が90%未満であること;及び(17)選別時から来院1(1日目)までに、FEV(L)が相対的に15%を超えて低下したこと。
【0135】
患者を、1、7、14、及び28日目に、及びその後治験薬終了の28日後まで、すなわち42及び56日目に評価した。治験薬、つまりレボフロキサシンの製剤は、表7に示されている。治験の終了は、最後の患者の最後の来院と規定した。治験集団には以下が含まれていた:(1)治験薬の少なくとも1用量を受容する、治験に登録された全ての患者を含んでいた安全性/解析対象(MITT、safety /modified intent to treat)集団;(2)治験薬療法の28日間に治験薬用量の少なくとも80%を受容し、主なプロトコール違反のない、治験に登録された全ての患者を含んでいた効力評価可能(EE)集団;及び(3)少なくとも1用量の治験薬を受容し、少なくとも1つのPK血液試料が採取された全ての患者を含んでいた薬物動態(PK)集団。
【0136】
1治療群当たりおよそ32人の患者は、両側共分散分析(ANCOVA)を使用し、アルファが5%で、標準偏差(SD)が1.5であり、P.エルギノーサの平均log CFU変化が、レボフロキサシン240mg BID、レボフロキサシン240mg QD、レボフロキサシン120mg QD、及びプラセボ治療群の場合、それぞれ0.75減少、0.75減少、無変化、及び0.25増加であると仮定して、治療群間の違いを検出する80%能力を提供した。試料数計算では、治験からの中断率を10%と仮定し、従って、治験を中断する患者は補充しなかった。
【0137】
効力は、痰試料の微生物学的評価、抗シュードモナス抗菌剤を必要とする時間、改訂嚢胞性線維症質問表(CFQ−R、Cystic Fibrosis Questionaire−Revised)、及び肺機能検査により評価した。加えて、主要効力比較を試験した H:レボフロキサシン又はプラセボ投与の開始(1日目)から4週間後までのlog CFUでのP.エルギノーサの平均減少は、Hと比べて、4群の全てで等しく:log CFUでの平均減少は、連続変数(底を2とするlogに変換)としての基線レボフロキサシン最小阻止濃度(MIC)、基線肺機能、及び地理的地域(米国対米国外)を調整し、反復測定混合効果モデル(repeated−measures mixed effects model)を使用すると、4群のうちの少なくとも1群で異なる。全ての治療群間の対比較を、二次分析として実施した。
【0138】
臨床エンドポイント、肺機能検査、及び追加的微生物学的パラメーターを含む効力エンドポイントを、1日目から、エンドポイントデータを収集したその後の来院までの変化として評価した。生存分析を使用して、静脈内/経口/吸入抗シュードモナス抗菌剤を必要とする時間を、1日目から最終来院まで評価した。効力分析の主要集団はEE集団だったが、効力エンドポイントは、MITT集団も使用して分析した。
【0139】
治験に登録された患者は、過去12か月間にわたって中央値が5回のエアロゾル化抗生物質を有していた。基線FEV1(予測パーセントとして)は、治験全体にわたって53%であり、群中で異なっていなかった。全患者(n=592)から回収したシュードモナス・エルギノーサの全単離株の、レボフロキサシンに対する基線MIC中央値は、4mg/Lであり、MIC90は16であり、また全ての群にわたって類似していた。CLSIレファレンス法及び米国FDAにより規定されているように、これらMICは、レボフロキサシンに対する基線非感受性/耐性を示す。
【0140】
治験中に患者が使用する併用薬には、ドルナーゼアルファ、アジスロマイシン、サルブタモール、パンクレリパーゼ、高張塩化ナトリウム液、セレタイド、及びADEKが含まれていた。それらは、EE集団の場合について表8に要約されている。表9には、治験の患者特性が要約されている。示された治験結果は、併用薬の使用、レボフロキサシンに対する耐性、並びにトブラマイシン及びコリスチンを含む他のエアロゾル化抗生物質の以前の使用にもかかわらず、幾つかの臨床的及び微生物学的測定において、プラセボと比較して、エアロゾルレボフロキサシンの利点が、統計的に有意であるということだった。


【0141】
微生物学的評価
EE及びMITT集団から採取された痰試料のP.エルギノーサ密度(痰1g当たりのlog10 CFU)の変化は、それぞれ表10及び11に要約されている(SD=標準偏差)。EE及びMITT集団のレボフロキサシンに対するP.エルギノーサ密度(痰1g当たりのlog10 CFU)のMICの変化(全生物)は、それぞれ表12及び13に示されている。加えて、レボフロキサシンに対するP.エルギノーサ単離株の最高MIC値の変化を、EE及びMITT集団について決定した。それらはそれぞれ表14及び15に要約されている。表16及び17には、EE及びMITT集団のパーセントが、レボフロキサシンに対するP.エルギノーサ単離株の最高MIC値の分類別変化で、それぞれ要約されている。表18及び19には、基線で陽性NFGNB計数を有する患者のみの、P.エルギノーサを除く非発酵グラム陰性桿菌の密度(NFGNB)の変化が、EE及びMITT集団について、それぞれ要約されている。表20及び21には、基線で陽性S.アウレウス計数を有する患者のみの推定S.アウレウス密度(痰1g当たりのlog10 CFU)の変化が、EE及びMITT集団について、それぞれ要約されている。












【0142】
P.エルギノーサ密度は、EE及びMITTの両集団の3つのレボフロキサシン治療群全てで、治験の経過にわたって(1日目の)基線値から低下した。図3及び4は、各治療群の経時的なP.エルギノーサ密度の平均変化を示す。
【0143】
EE集団では、240mgのレボフロキサシンをBIDで投与した患者で、P.エルギノーサ密度が、1日目の痰1g当たり7.84log10 CFUの中央値から28日目の痰1g当たり6.40log10 CFUの中央値へと低下し、およそ96%の痰中P.エルギノーサ密度の低減を示した。240mgのレボフロキサシンをQDで投与した患者では、P.エルギノーサ密度が、1日目の痰1g当たり7.97log10 CFUの中央値から28日目の痰1g当たり7.38log10 CFUの中央値へと低下し、およそ74%の痰中P.エルギノーサ密度の低減を示した。120mgのレボフロキサシンをQDで投与した患者では、P.エルギノーサ密度が、1日目の痰1g当たり8.17log10 CFUの中央値から28日目の痰1g当たり7.78log10 CFUの中央値へと低下し、およそ59%の痰中P.エルギノーサ密度の低減を示した。プラセボを投与した患者とレボフロキサシンを投与した患者との痰中P.エルギノーサ密度の最大差異は、7日目では痰1g当たり1.62log10 CFU、14日目では痰1g当たり1.39log10 CFU、及び28日目では痰1g当たり1.88log10 CFUだった。
【0144】
MITT集団では、240mgのレボフロキサシンをBIDで投与した患者で、P.エルギノーサ密度が、1日目の痰1g当たり7.90log10 CFUの中央値から28日目の痰1g当たり6.48log10 CFUの中央値へと低下し、およそ96%の痰中P.エルギノーサ密度の低減を示した。240mgのレボフロキサシンをQDで投与した患者では、P.エルギノーサ密度が、1日目の痰1g当たり7.97log10 CFUの中央値から28日目の痰1g当たり7.38log10 CFUの中央値へと低下し、およそ74%の痰中P.エルギノーサ密度の低減を示した。120mgのレボフロキサシンをQDで投与した患者では、P.エルギノーサ密度が、1日目の痰1g当たり8.16log10 CFUの中央値から28日目の痰1g当たり7.78log10 CFUの中央値へと低下し、およそ58%の痰中P.エルギノーサ密度の低減を示した。プラセボを投与した患者とレボフロキサシンを投与した患者との痰中P.エルギノーサ密度の最大差異は、7日目では痰1g当たり1.44log10 CFU、14日目では痰1g当たり1.39log10 CFU、及び28日目では痰1g当たり1.78log10 CFUだった。
【0145】
EE及びMITT集団では、プラセボ、120mg QD、240mg QD、及び240mg BIDを投与した患者に由来するP.エルギノーサ単離株の基線MIC50値は、それぞれ8μg/ml、8、4μg/ml、及び6μg/mlだった。28日目では、プラセボ、120mg QD、240mg QD、及び240mg BIDを投与した患者に由来するP.エルギノーサ単離株のMIC50値は、それぞれ8μg/ml、8μg/ml、8μg/ml、及び8μg/mlだった。プラセボ、120mg QD、240mg QD、及び240mg BIDを投与した患者に由来するP.エルギノーサ単離株の基線MIC90値は、それぞれ16μg/ml、32μg/ml、32μg/ml、及び32μg/mlだった。28日目では、プラセボ、120mg QD、240mg QD、及び240mg BIDを投与した患者に由来するP.エルギノーサ単離株のMIC90値は、それぞれ16μg/ml、32μg/ml、16μg/ml、及び32μg/mlだった。
【0146】
EE及びMITT集団で、対応するMIC50及びMIC90値が1日目と28日目とで類似していたことは、患者に由来するP.エルギノーサ培養物が、レボフロキサシンに対する著しい耐性を一切発生しなかったことを示す。
【0147】
臨床評価:CFQ−R質問票
患者は、呼吸、身体像、消化、食事、感情、健康認識、身体状況、役割/学校、交友関係、治療負担、活力度、及び体重を含む領域を有するCFQ−R質問票を記入した。表22及び23には、EE及びMITT集団のCFQ−Rの呼吸領域に関する結果がそれぞれ要約されている。表24には、MITT集団におけるCFQ−Rの種々の領域の得点の、基線から来院4までの変化が要約されている。



【0148】
EE集団では、プラセボ、120mg QD、240mg QD、及び240mg BID治療群の投与患者についてCFQ−Rにより測定した呼吸要因の、基線から28日目までの平均変化は、それぞれ1.6、1.0、5.2、及び3.0単位だった。MITT集団では、プラセボ、120mg QD、240mg QD、及び240mg BID治療群の投与患者の呼吸要因の、基線から28日目までの平均変化は、それぞれ2.0、0.3、3.0、及び1.7単位だった。EE集団の240mg BID群では、14日目の呼吸得点が統計的に有意に改善したことが実証された。
【0149】
CFQ−R食事得点も改善を示し、MITT集団の240mg BID群の差は、28日目に統計的に有意な改善を示した。
【0150】
患者が抗シュードモナス抗菌剤を必要とする時間
1日目から最終来院時までの静脈内/経口/吸入抗シュードモナス抗菌剤の投与時間を、以下のうちの少なくとも1つを有する患者について測定した:運動耐容能の低下、咳の増加、痰/胸部うっ血の増加、及び食欲減退。抗シュードモナス抗菌剤(吸入又は全身性)を必要とする患者の経時的な割合を、Cox比例ハザードモデルを使用して分析した。表25には、EE及びMITT集団の抗シュードモナス抗菌剤を必要とする時間についての結果が要約されている。

【0151】
追加的な抗シュードモナス抗菌剤の測定された必要性は、全てのレボフロキサシン治療群で低減された。加えて、有意なハザード比が、全てのレボフロキサシン治療群で観察された。ハザード比は、事象が生じる可能性のある相対的リスクと関連する。ハザード比は、MITT集団では、プラセボ群と比較して、レボフロキサシン120mg QD群の場合は0.29、レボフロキサシン240mg QD群の場合は0.39、及びレボフロキサシン240mg BID群の場合は0.21であり、プラセボと比較して統計的に有意だった。図5及び6は、各治療群の経時的な生存分布関数のプロットであり、プラセボで治療した患者の生存分布関数が、レボフロキサシンで治療した患者より短時間に低下し始めることを示す。まとめると、少なくとも240mg BIDは、抗シュードモナス抗菌剤を必要とする時間について、28日目でプラセボよりも有意な効力を示した。
【0152】
肺機能評価
患者のFEV(1秒間の努力呼気容量)、FVC(努力肺活量)、及びFEF25−75(努力呼気流量25〜75%)の、1日目からその後の全来院までの変化を決定した。表26及び27には、EE及びMITT集団のFEV測定に関する結果がそれぞれ要約されている。図7及び8は、プラセボ、120mg QD、240mg QD、又は240mg BIDで治療したEET集団の28日目のFEV(L)の変化パーセント及びプラセボと比較したFEV(L)の変化パーセントのグラフをそれぞれ示す。図9は、120mg QD、240mg QD、又は240mg BIDで治療したEET集団の28日目の予測FEV(L)の変化パーセントの分類別グラフを示す図である。表28及び29には、EE及びMITT集団のFEV測定に関する結果がそれぞれ要約されている。表30及び31には、EE及びMITT集団のFEF25−75測定に関する結果がそれぞれ要約されている。






【0153】
EE集団では、レボフロキサシン240mg BIDを投与した患者のFEV値は、1日目(基線)の1.70Lの中央値から28日目の1.79Lに増加し、およそ5%のFEVの増加を示した。レボフロキサシン240mg QDを投与した患者では、FEV値は、1日目の2.02Lの中央値から28日目の2.15Lの中央値に増加し、およそ6%のFEVの増加を示した。レボフロキサシン120mg QDを投与した患者では、FEV値は、1日目の1.87Lの中央値から28日目の1.91Lの中央値に増加し、およそ2%のFEVの増加を示した。プラセボを投与した患者とレボフロキサシンを投与した患者とのFEVの最大差異は、14日目では0.16L、及び28日目では0.24Lだった。
【0154】
MITT集団では、レボフロキサシン240mg BIDを投与した患者のFEV値は、1日目(基線)の1.70Lの中央値から28日目の1.82Lの中央値に増加し、およそ7%のFEVの増加を示した。レボフロキサシン240mg QDを投与した患者では、FEV値は、1日目の1.90Lの中央値から28日目の2.10Lの中央値に増加し、およそ10%のFEVの増加を示した。プラセボを投与した患者とレボフロキサシンを投与した患者とのFEVの最大差異は、14日目では0.12L、及び28日目では0.25Lだった。
【0155】
FEF25−75値は、呼気の中間期中に肺から出て来る空気の平均の流量に関する。末梢気道疾患では、この値は低下する場合がある。EE集団では、レボフロキサシン240mg BIDを投与した患者のFEF25−75値は、1日目(基線)の0.68の中央値から28日目の0.78に増加し、およそ15%のFEF25−75の増加を示した。レボフロキサシン240mg QDを投与した患者では、FEF25−75値は、1日目の1.10の中央値から28日目の1.15の中央値に増加し、およそ4%のFEF25−75の増加を示した。レボフロキサシン120mg QDを投与した患者では、FEF25−75値は、1日目の0.98の中央値から28日目の1.03の中央値に増加し、およそ5%のFEF25−75の増加を示した。プラセボを投与した患者とレボフロキサシンを投与した患者とのFEF25−75の最大差異は、14日目では0.25L、及び28日目では0.21Lだった。
【0156】
MITT集団では、レボフロキサシン240mg BIDを投与した患者のFEF25−75値は、1日目(基線)の0.68の中央値から28日目の0.82に増加し、およそ20%のFEF25−75の増加を示した。レボフロキサシン240mg QDを投与した患者では、FEF25−75値は、1日目の1.09の中央値から28日目の1.12の中央値に増加し、およそ3%のFEF25−75の増加を示した。プラセボを投与した患者とレボフロキサシンを投与した患者とのFEF25−75の最大差異は、14日目では0.27L、及び28日目では0.21Lだった。
【0157】
安全性評価
治験の1日目から終了までの有害事象及び薬物不耐容性を評価した。著しい有害事象は報告されなかった。
【0158】
フルオロキノロン(Flouroquinolone)誘導性関節痛及び筋痛は、幾つかのフルオロキノロンの使用、例えば副鼻腔炎の治療において、以前に報告されている(O−Lee T.ら、「Fluoroquinolone−induced arthralgia and myalgia in the treatment of sinusitis」 Am.J.Rhinol.(2005年)19巻:395〜9頁、その全体が参照により組み込まれる)。この治験では、関節痛は、プラセボを投与した患者の5.4%で報告された。関節痛は、いずれのレボフロキサシン製剤を投与した患者でも報告されなかった。
【0159】
実施例3−小児CF患者の第I相臨床治験
第1相多施設非盲検治験を実施して、安定小児CF患者に14日間1日1回投与した、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンの体重調節用量の安全性、耐容性、及び薬物動態を評価した。年齢に基づいて、患者を6〜11歳及び12〜16歳の2群に分割した。MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンの1日投与用量は以下のように振り分けた:体重が14〜21kgの患者は120mgの用量を受容し、体重が22〜30kgの患者は180mgの用量を受容し、体重が30kgを超える患者は240mgの用量を受容した。合計27人の患者が登録され、全ての患者が治験を完了した。6〜11歳の年齢群には14人の患者がおり、12〜16歳の年齢群には13人の患者がいた。7人の患者(全員6〜11歳の年齢群)は、MgClと共に製剤化された180mgのQDレボフロキサシンを受容し、残りの20人の患者は、MgClと共に製剤化された240mgのQDレボフロキサシンを受容した。図10は、小児CF患者の用量正規化血清AUC対患者体重のグラフを示す。図11A〜9Bは、それぞれ、小児CF患者の用量正規化血清AUC対患者年齢、及び小児CF患者の用量正規化血清AUC対BSAのグラフを示す。図11C〜9Eは、それぞれ、小児CF患者の用量正規化血清Cmax対患者体重、小児CF患者の用量正規化血清Cmax対患者年齢、及び小児CF患者の用量正規化血清Cmax対BSAのグラフを示す。
【0160】
MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンの180又は240mg用量のいずれかによる血清レボフロキサシン曝露量は、関連臨床試験で研究された成人CF患者で観察された範囲にあると考えられる(データ非表示)。
【0161】
実施例4−第III相臨床治験
第3相多施設多国籍無作為化二重盲検プラセボ対照治験を実施して、安定CF患者における、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンの効力及び安全性を評価する。14日間の選別期間後、来院1/1日目に患者を2:1の比率に無作為化し、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン又はプラセボを投与する。無作為化は、地理的領域(米国対非米国)、年齢(12〜18年対18歳超)、及び予測FEVパーセント(55%未満対55%以上)により階層化される。患者は、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン又はプラセボのいずれかを28日間受容した患者を、28日間の観察により追跡した。患者は、治験期間中、プロトコールが規定する増悪の定義を満たさない限り、又は治験担当者が安全上の理由で必要であると決定しない限り、治験薬(MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン又はプラセボ)及び維持用の経口アジスロマイシン(該当する場合)以外は、抗シュードモナス抗菌剤を中止しているべきである。治験の終了は、最後の患者の最後の来院と規定する。
【0162】
MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン(レボフロキサシン吸入溶液、Aeroquin(商標))は、すぐに投与できる使い捨てアンプルで提供されるだろう。各アンプルは、MgClと共に製剤化された240mgのレボフロキサシンを2.4mL中に含有する(100mg/mL)。PARI研究用eFlow(登録商標)噴霧器を使用して、240mgの用量(1つのアンプル)を、1日2回(BID)およそ8〜12時間の間隔をおいて投与する。プラセボは、すぐ投与できる使い捨てアンプルで提供される0.9%生理食塩水中のリボフラビン5’−ホスファート(ビタミンB2の可溶性形態)である。各アンプルは、2.4mLの容積中に9.6μgのリボフラビン5’−ホスファートを含有する。PARI研究用eFlow(登録商標)噴霧器は、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンを使用するためだけに最適化及び個別化されている。MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン及びプラセボ対照は両方とも、この噴霧器システムを使用して投与される。分析集団には以下のものが含まれる:(1)安全性/解析対象(MITT)集団(少なくとも1用量の治験薬(MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン又はプラセボ)を受容する、治験に登録された全ての患者)(2)効力評価可能集団;(主なプロトコール違反のない、少なくとも80%の治験薬(MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン/プラセボ)用量を受容する、治験に登録された全ての患者、及び(3)薬物動態集団(少なくとも1用量の治験薬(MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン/プラセボ)を受容し、少なくとも1つの薬物動態(PK)血液試料又は痰試料が収集された全ての患者)。
【0163】
治験患者の組み込み基準には、少なくとも12歳であること;体重が少なくとも30kg又は66ポンドであること;及びCF表現型と一致する1つ又は複数の臨床的特徴を根拠とするCF診断がなされていることが含まれていた。治験患者の除外基準には、来院1前の28日以内に治験薬を使用したこと;来院1の少なくとも28日前に開始されていなければならない維持用の経口アジスロマイシン以外に、来院1前の28日以内にP.エルギノーサに対して活性である任意の霧状化又は全身性抗菌剤を使用したこと;及び選別時又は来院1の際に、10mgプレドニゾン/日又は1日おきに20mgプレドニゾンに相当する用量を超過する用量の経口コルチコステロイドを使用したことが含まれていた。
【0164】
主要効力評価
主要エンドポイントは、基線(来院1/1日目)から最終来院までの増悪時間(日数)を含む。エンドポイントを満たすには、患者は、増悪に関するフックス定義(Effect of aerosolized recombinant human DNase on exacerbations of respiratory symptoms and on pulmonary function in patients with cystic fibrosis.N Engl J Med 1994年;331巻:637〜642頁、その全体が参照により組み込まれる)を構成する12の症状/徴候のうちの4つを同時に満たさなければならない。
【0165】
フックス基準により定義される12の症状/徴候には、以下のものが含まれる:痰の変化;新たな喀血又は喀血の増加;咳の増加;呼吸困難の増加;倦怠感、疲労感、又は嗜眠;38℃を超える体温;食欲不振又は体重減少;副鼻腔痛又は圧痛;洞排せつ物の変化;胸部理学検査の変化;以前の記録値から10%以上の肺機能の低下;及び肺感染症を示すX線画像変化。
【0166】
増悪に伴う上記の症状は、標準的な質問票、呼吸及び全身症状質問票(RSSQ)を使用して、患者来院時に各患者から記録される。患者が経験する変化は、患者が1日単位で正常であるとみなすものと比べた変化である。MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンを投与した患者は、フックス基準に含まれており、RSSQを使用して記録される以下の徴候/症状を提供することが予測される:
(1)痰生成の増加:患者は、咳をした際の痰の量に変化がないか、わずかにより少ないか、又ははるかにより少ない。
(2)痰外観の変化:痰の濃さについて、患者は、痰がわずかにより薄いか、又ははるかにより薄く;痰の色について、患者は、痰の色がより良好である(良好性は、茶色→緑色→黄色→無色の順で増加する)。
(3) 胸部うっ血の増加:患者は、胸部うっ血がわずかに減少するか、又は大きく減少する。
(4)新たな喀血又は喀血の増加:患者は、喀血する血液量がわずかに減少するか又は大きく減少する。
(5)咳の増加:咳の強度について、患者は、咳がわずかにより軽いか又ははるかにより軽く;咳の頻度については、患者は、咳の頻繁がわずかにより少ないか又ははるかにより少ない。
(6)運動耐容能の低下:患者は、日常活動、例えば階段登りの実行がわずかにより容易であるか又ははるかにより容易である。
(7)労作性呼吸困難の増加:患者は、日常活動をした際の呼吸が、わずかにより容易であるか又ははるかにより容易である。
(8)倦怠感、疲労巻、又は嗜眠:患者は、活力が最終来院以来、わずかにより多いか又ははるかにより多い。
(9)発熱:患者は、最終来院以来、発熱していない。
(10)体重減少:患者は、体重に変化がないか又はわずかに体重が増加する。
(11)副鼻腔痛又は圧痛:患者は、副鼻腔痛及び圧痛がない。
(12)洞排せつ物の変化:患者は、洞排せつ物がより良好である(濃さの減少及び/又はより良好な色)。
(13)学校又は仕事の常習的欠勤(疾患による):患者は、予定活動を常習的欠勤しない。
(14)食欲減退:患者は、食欲がわずかに増加する。
【0167】
副次的効力評価
副次的エンドポイントには、臨床的特徴、肺機能特徴、微生物学的特徴、及び患者報告転帰の特徴が含まれる。
【0168】
臨床的特徴
臨床的特徴には、基線(来院1/1日目)から最終来院までの、全身性(経口又は静脈内)及び/又は吸入抗シュードモナス抗菌剤を投与時間(日数)が含まれる。このエンドポイントを満たすには、患者は、抗シュードモナス抗菌剤の投与時に4つの呼吸症状の悪化(咳の増加、痰/胸部うっ血の増加、運動耐容能の低下、食欲減退)のうちの少なくとも1つを示さなければならない。臨床的特徴には、呼吸状態の悪化に次いで学校/仕事を少なくとも1日欠席する患者の割合も含まれる。
【0169】
MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンを投与した患者は、プラセボを投与した患者と比較して、基線(来院1/1日目)から最終来院までの、全身性(経口又はIV静脈内)及び/又は吸入抗シュードモナス抗菌剤を投与した時間の増加を示すことが予測される。加えて、MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンが投与され、呼吸状態に悪化に次いで学校/仕事を少なくとも1日欠席する患者の割合は、プラセボが投与され、呼吸状態に悪化に次いで学校/仕事を少なくとも1日欠席する患者の割合よりも少ない。
【0170】
肺機能特徴
肺機能特徴には、以下のものが含まれる:基線から28日目までのFEV1(L)の変化パーセント;基線から28日目までのFEV1(予測パーセント)の相対的変化;基線から28日目までのFEF25−75(L/s)の変化パーセント;基線から28日目までのFVC(L)の変化パーセント;及び基線から28日目までのFEV1(L)の変化パーセント及び予測FEV1相対的変化パーセントの分類別評価。
【0171】
MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンを投与した患者は、プラセボを投与した患者と比較して、より有利な肺機能特徴を有することが予測される。
【0172】
微生物学的特徴
微生物学的特徴には、以下のものが含まれる:基線から28日目までのP.エルギノーサ密度(痰1g当たりlog10コロニー形成単位[CFU])の変化;基線から28日目までのP.エルギノーサ密度(痰1g当たりlog10コロニー形成単位[CFU])の変化の分類別評価;及び基線から28日目までのステノトロホモナス種、アクロモバクター種、バークホルデリア種、及びS.アウレウスの密度(痰1g当たりlog10コロニー形成単位[CFU])の変化。
【0173】
MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンを投与した患者は、プラセボを投与した患者と比較して、より有利な微生物学的特徴、例えば痰中P.エルギノーサ密度の減少、痰中ステノトロホモナス種密度の減少、痰中アクロモバクター種密度の減少、痰中バークホルデリア種密度の減少、痰中S.アウレウス密度の減少を示すことが予測される。
【0174】
患者報告転帰の特徴
患者報告転帰には、以下のものが含まれる:基線から28日目までのCFQ−Rの呼吸領域の変化;及び基線から28日目までのCFQ−Rの呼吸領域の変化の分類別評価。
【0175】
MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンを投与した患者は、プラセボを投与した患者よりも有利な患者報告転帰を示すことが予測される。
【0176】
実施例5−バークホルデリア・セパシアに対するレボフロキサシン吸入溶液のin vivo抗菌活性
バークホルデリア・セパシアは、CF患者の肺感染症を引き起こすことが可能な日和見病原体である。B.セパシアのある菌株による感染症は、進行性及び侵襲性の壊死性肺炎及び敗血症を特徴とする「セパシア症候群」を引き起こす。ほとんどのB.セパシアは、多くの抗生物質に対して高いMICを有する。MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンは、高薬物濃度の肺へのエアロゾル送達を可能にする。
【0177】
0.25〜8mg/Lの範囲のレボフロキサシンMICを示す5つのB.セパシア菌株を、肺感染症のマウスモデルで試験した。感染の3日前に150mg/kgのシクロホスファミドを雌BALB/cマウスに注射した。4日目に、マウスを、イソフルラン麻酔下で、湾曲したビーズ先端の経口経管栄養注射器を使用して、50μlの細菌懸濁液(約10CFU/ml)で感染させた。MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン(60mg/kg BID)又は生理食塩水のみによる治療を、マイクロスプレーエアロゾルデバイスを使用して、感染72時間後に開始し、1日2回で4日間継続した。最終治療の16時間後に、マウスを犠牲にし、肺を回収し、ホモジナイズし、播種してコロニー数(CFU)を決定した。
【0178】
CF患者における、MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンの第2b相治験の一部として、B.セパシア(レボフロキサシンMIC≧128mg/L)に感染した16歳の男性患者は、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシン240mg QDを28日間受容した。
【0179】
MgClと共に製剤化されたエアロゾル化レボフロキサシンは、マウス感染モデルにおいて、全ての菌株について、少なくとも1log CFUの細菌死滅をもたらした(表32)。CF患者では、1.7log CFUの細菌数減少が、28日間にわたって観察された。

【0180】
CF患者のFEV1増加が観察された。治験の1日目では、患者のFEV1は、1.21Lだった。これが、28日目には1.30Lに増加し、7%の改善だった。集団モデルから、Cmax値及びAUC値は、それぞれおよそ12,900mg/L及び4,400mg*h/Lと算出された。
【0181】
MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンのエアロゾル投与は、広範なMICを有する菌株において著しい細菌死滅をもたらした。非臨床及び臨床データは、B.セパシアによる慢性肺感染症の管理における、MgClと共に製剤化されたレボフロキサシンの将来的な臨床評価を支援する。
【0182】
参照により本明細書に組み込まれる出版物及び特許又は特許出願が、明細書に含まれている開示と矛盾する場合、本明細書は、あらゆるそのような矛盾材料を置換するか及び/又はあらゆるそのような矛盾材料より優先するものとする。
【0183】
別様に定義されていない限り、用語(技術的用語及び科学用語を含む)は全て、当業者にとっての通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、本明細書に明示的にそうであると規定されていない限り、特別な又は個別化された意味に限定されるべきではない。
【0184】
本出願で使用される用語及び語句、並びにそれらに変異は、別様に明示的に述べられていない限り、限定的ではなく非限定的であると解釈されるべきである。上記の例として、用語「含む(including)」は、「含むが、限定ではない」こと等を意味するように解釈されるべきであり;用語「含む(comprising)」は、本明細書で使用される場合、「含む(including)」、「含有する(containing)」「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的であるか又は非限定的であり、追加的な列挙されていない要素又は方法ステップを除外せず;用語「例」は、考察されている項目の例示的な例を提供するために使用されるが、その網羅的又は限定的列挙ではなく;「公知の」、「通常の」、「標準的な」等の形容詞、及び類似の意味を有する用語は、所与の期間に記述された項目又は所与の時点で利用可能な項目に限定するとは解釈されるべきではなく、むしろその代りに、現在又は生来の任意の時点で利用可能であるか又は知られている可能性のある、公知の、通常の、又は標準的な技術を包含するすると解釈されるべきであり;「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」等の用語、又は類似の意味の単語の使用は、本発明の構造又は機能にとって、ある特徴が重大、不可欠、又は重要であるとさえ示唆するものではないと理解されるべきであり、むしろその代わりに、本発明の特定の実施形態で利用されてもよく、又は利用されなくてもよい選択的又は追加的な特徴を強調するに過ぎないことが意図されている。同様に、接続詞「及び」で接続された1群の項目は、それら項目の1つ1つがその群に存在することを必要とするとは解釈されるべきでなく、むしろ明示的な別様の記述がない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。同様に、接続詞「又は」で接続された1群の項目は、その群内で相互に排他的であることを必要とすると解釈されるべきでなく、むしろ明示的な別様の記述がない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。加えて、本出願で使用される場合、冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、その冠詞の文法的な対象の1つ又は複数(つまり、少なくとも1つ)を参照すると解釈されるべきである。例としては、「要素(an element)」は、1つの要素又は複数の要素を意味する。
【0185】
「1つ又は複数の」、「少なくとも」、「これらに限定されないが」、又は他の同様の語句等の拡大単語及び語句の幾つかの例の存在は、そのような拡大語句が存在しない場合に、より狭い場合が意図されるか又は必要であることを意味するとは解釈されないものとする。
【0186】
明細書で使用される成分の量及び反応条件等を表す全ての数値は、全ての場合で用語「約」により修飾されているものとして理解されるべきである従って、そうではないという指示がない限り、本明細書で示された数値パラメーターは、取得が求められている所望の特性に応じて変動する場合がある近似値である。各数値パラメーターは、少なくとも、本出願に対して優先権を主張するあらゆる出願のあらゆる特許請求の範囲に均等論の適用を限定する試みとしてではなく、有効数字及び通常の四捨五入の手法に照らして解釈されるべきである。
【0187】
更に、上記は、明瞭性及び理解のための図及び例によりある程度詳細に記述されているが、当業者であれば、ある変更及び改変が実施されてもよいことは明白である。従って、記述及び例は、本発明の範囲を本明細書に記載の特定の実施形態及び例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ本発明の真の範囲及び趣旨に付随する改変及び代替案も全て包含すると解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法であって、前記ヒトが、P.エルギノーサを含む肺感染症を有し、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の少なくとも40%低減を達成することを含む方法。
【請求項2】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の少なくとも70%低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の少なくとも90%低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の少なくとも97%低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも0.25log10 CFU低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも0.50log10 CFU低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも1.0log10 CFU低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも1.5log10 CFU低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも1.8log10 CFU低減を達成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法であって、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、少なくとも2%のFEVの増加及び少なくとも5%のFEF25−75の増加を達成することを含む方法。
【請求項11】
少なくとも5%のFEVの増加及び少なくとも10%のFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも7%のFEVの増加及び少なくとも15%のFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも10%のFEVの増加及び少なくとも20%のFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも0.05LのFEVの増加及び少なくとも0.05LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも0.10LのFEVの増加及び少なくとも0.10LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも0.15LのFEVの増加及び少なくとも0.15LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも0.20LのFEVの増加及び少なくとも0.20LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも0.25LのFEVの増加及び少なくとも0.25LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも0.27LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法であって、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、1.0未満のハザード比を達成し、前記ハザード比が、他の抗シュードモナス抗菌剤の必要性の減少を示す方法。
【請求項21】
前記ハザード比が、0.8未満である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ハザード比が、0.6未満である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ハザード比が、0.4未満である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ハザード比が、0.3未満である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
ドルナーゼアルファ、アジスロマイシン、サルブタモール、パンクレリパーゼ、塩化ナトリウム、セレタイド、及びADEKのうちの1つ又は複数のからなる群から選択される作用剤を吸入により投与されているヒトの嚢胞性線維症を治療する方法であって、前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与することを含む方法。
【請求項26】
前記作用剤が、サルブタモール、パンクレリパーゼ、セレタイド、及びADEKからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ヒトが、P.エルギノーサを含む肺感染症を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも0.25log10 CFU低減を達成することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも0.50log10 CFU低減を達成することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ヒトの痰中P.エルギノーサ密度の痰1g当たり少なくとも1.0log10 CFU低減を達成することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法であって、前記ヒトが、P.エルギノーサを含む肺感染症を有し、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを繰り返して投与することを含み、前記繰り返し投与が、他のP.エルギノーサ菌株と比べて最も高いMICを有する前記ヒトのP.エルギノーサ菌株の最小阻止濃度(MIC)の16倍を超える増加をもたらさない方法。
【請求項32】
前記繰り返し投与が、他のP.エルギノーサ菌株と比べて最も高いMICを有する前記ヒトのP.エルギノーサ菌株の最小阻止濃度(MIC)の8倍を超える増加をもたらさない、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記繰り返し投与が、他のP.エルギノーサ菌株と比べて最も高いMICを有する前記ヒトのP.エルギノーサ菌株の最小阻止濃度(MIC)の4倍を超える増加をもたらさない、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法であって、前記ヒトが、P.エルギノーサを含む肺感染症を有し、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを繰り返し投与して、1を超えるCFQ−R呼吸領域の増加を達成することを含む方法。
【請求項35】
前記CFQ−R呼吸領域の増加が、2を超える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記CFQ−R呼吸領域の増加が、3を超える、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記CFQ−R呼吸領域の増加が、4を超える、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記CFQ−R呼吸領域の増加が、5を超える、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
ヒトの末梢気道抵抗性を減少させる方法であって、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、少なくとも5%のFEF25−75の増加を達成することを含む方法。
【請求項40】
少なくとも10%のFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも15%のFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
少なくとも20%のFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも0.05LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも0.10LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも0.15LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも0.20LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
少なくとも0.25LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも0.27LのFEF25−75の増加を達成することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
ヒトにレボフロキサシン又はオフロキサシンを投与する方法であって、前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを繰り返して投与することを含み、前記繰り返し投与が、関節痛の発症をもたらさない方法。
【請求項50】
前記投与が、少なくとも14日間1日1回繰り返される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記投与が、少なくとも28日間1日1回繰り返される、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記投与が、少なくとも35日間1日1回繰り返される、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記投与が、少なくとも14日間1日2回繰り返される、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記投与が、少なくとも28日間1日2回繰り返される、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
前記投与が、少なくとも35日間1日2回繰り返される、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法であって、前記ヒトが、P.エルギノーサを含む肺感染症を有し、前記ヒトが、1.5m未満の体表面積を有し、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、1mg用量当たり少なくとも20(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む方法。
【請求項57】
前記エアロゾルが、少なくとも80mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンを含み、前記投与が、少なくとも14日間1日1回繰り返される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記エアロゾルが、少なくとも120mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンを含み、前記投与が、少なくとも14日間1日1回繰り返される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記エアロゾルが、少なくとも180mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンを含み、前記投与が、少なくとも14日間1日1回繰り返される、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記エアロゾルが、少なくとも240mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンを含み、前記投与が、少なくとも14日間1日1回繰り返される、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
1mg用量当たり少なくとも20(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
1mg用量当たり少なくとも40(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
1mg用量当たり少なくとも60(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項64】
1mg用量当たり少なくとも80(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項65】
1mg用量当たり少なくとも100(ng.h/L)の用量正規化血清AUCを達成することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項66】
ヒトの嚢胞性線維症を治療するための方法であって、前記ヒトが、P.エルギノーサを含む肺感染症を有し、前記ヒトが、1.5m未満の体表面積を有し、その必要性のある前記ヒトに、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンを含む溶液のエアロゾルを投与して、1mg投与用量当たり2μg/Lを超える用量正規化血清Cmaxを達成することを含む方法。
【請求項67】
1mg投与用量当たり4μg/Lを超える用量正規化血清Cmaxを達成することを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
1mg投与用量当たり6μg/Lを超える用量正規化血清Cmaxを達成することを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
1mg投与用量当たり8μg/Lを超える用量正規化血清Cmaxを達成することを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
1mg投与用量当たり14μg/Lを超える用量正規化血清Cmaxを達成することを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記ヒトが、15歳未満である、請求項56又は66に記載の方法。
【請求項72】
前記ヒトが、12歳未満である、請求項56又は66に記載の方法。
【請求項73】
前記ヒトが、10歳未満である、請求項56又は66に記載の方法。
【請求項74】
前記ヒトが、55kg未満の体重を含む、請求項56又は66に記載の方法。
【請求項75】
前記ヒトが、45kg未満の体重を含む、請求項56又は66に記載の方法。
【請求項76】
前記ヒトが、35kg未満の体重を含む、請求項56又は66に記載の方法。
【請求項77】
前記ヒトが、25kg未満の体重を含む、請求項56又は66に記載の方法。
【請求項78】
前記溶液が、レボフロキサシン又はオフロキサシン及び二価又は三価陽イオンから本質的になる、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記溶液が、ラクトースを含んでいない、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記溶液が、約50mM〜約400mMの二価又は三価陽イオン濃度、及び約50mg/ml〜約200mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度を含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記溶液が、約100mM〜約300mMの二価又は三価陽イオン濃度、及び約75mg/ml〜約150mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度を含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記溶液が、約150mM〜約250mMの二価又は三価陽イオン濃度、及び約90mg/ml〜約125mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度を含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記溶液が、約300mOsmol/kg〜約500mOsmol/kgのオスモル濃度、及び約5〜約8のpHを含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記溶液が、約350mOsmol/kg〜約425mOsmol/kgのオスモル濃度、及び約5〜約6.5のpHを含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記溶液が、約5.5〜約6.5のpHを含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記二価又は三価陽イオンが、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、アルミニウム、及び鉄から選択される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記溶液が、塩化マグネシウムを含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記溶液が、約90mg/ml〜約110mg/mlのレボフロキサシン又はオフロキサシン濃度、約175mM〜約225mMの塩化マグネシウム濃度、約5〜約7のpH、約300mOsmol/kg〜約500mOsmol/kgのオスモル濃度を含み、ラクトースを欠如する、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記エアロゾルが、約2.5ミクロン以下の幾何学的標準偏差で、約2ミクロン〜約5ミクロンの空気動力学的質量中央粒子径を含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記エアロゾルが、約1.8ミクロン以下の幾何学的標準偏差で、約2.5ミクロン〜約4.5ミクロンの空気動力学的質量中央粒子径を含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記エアロゾルが、約2ミクロン以下の幾何学的標準偏差で、約2.8ミクロン〜約4.3ミクロンの空気動力学的質量中央粒子径を含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
振動メッシュ式噴霧器を用いて前記エアロゾルを生成することを含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記振動メッシュ式噴霧器が、PARI E−FLOW(登録商標)噴霧器である、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
少なくとも約20mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンが前記肺に投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
少なくとも約100mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンが前記肺に投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
少なくとも約125mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンが前記肺に投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
少なくとも約150mgのレボフロキサシン又はオフロキサシンが前記肺に投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記エアロゾルが、前記肺に約10分間未満投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記エアロゾルが、前記肺に約5分間未満投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記エアロゾルが、前記肺に約3分間未満投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記エアロゾルが、前記肺に約2分間未満投与される、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
抗生物質、気管支拡張薬、抗コリン作用薬、グルココルチコイド、エイコサノイド阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される追加的活性剤を同時投与することを更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
同時投与が、前記追加的活性剤を吸入することを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記抗生物質が、トブラマイシン、アズトレオナム、シプロフロキサシン、アジスロマイシン、テトラサイクリン、キヌプリスチン、リネゾリド、バンコマイシン、及びクロラムフェニコール、コリスチン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記気管支拡張薬が、サルブタモール、レボサルブテロール、テルブタリン、フェノテロール、テルブトライン、ピルブテロール、プロカテロール、ビトルテロール、リミテロール、カルブテロール、ツロブテロール、レプロテロール、サルメテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロール、テオフィリン、ロフルミラスト、シロミラスト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項106】
前記抗コリン作用薬が、イプラトロピウム、チオトロピウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項107】
前記グルココルチコイドが、プレドニゾン、フルチカゾン、ブデソニド、モメタゾン、シクレソニド、ベクロメタゾン、及びそれら組み合わせからなる群からは選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項108】
前記エイコサノイドが、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、ジロイトン、ラマトロバン、セラトロダスト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項102に記載の方法。
【請求項109】
前記エアロゾルを1日1回投与することを含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記エアロゾルを1日2回投与することを含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記肺感染症が、シュードモナス・フルオレッセンス、シュードモナス・アシドボランス、シュードモナス・アルカリゲネス、及びシュードモナス・プチダ、ステノトロホモナス・マルトフィリア、アエロモナス・ヒドロフィラ、大腸菌、シトロバクター・フロインデイ、サルモネラ・チフィリウム、サルモネラ・チフィ、サルモネラ・パラチフィ、サルモネラ・エンテリティディス、志賀赤痢菌、シゲラ・フレックスネリ、シゲラ・ソネイ、エンテロバクター・クロアカ、エンテロバクター・エロゲネス、クレブシエラ・ニューモニエ、クレブシエラ・オキシトカ、セラチア・マルセセンス、モルガネラ・モルガニー、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・レットゲリ、プロビデンシア・スチュアルティ、アシネトバクター・カルコアセティカス、アシネトバクター・ヘモリチカス、エルシニア・エンテロコリチカ、エルシニア・ペスチス、エルシニア・シュードツベルクロシス、エルシニア・インターメディア、ボルデテラ・パータシス、ボルデテラ・パラパータシス、ボルデテラ・ブロンキセプチカ、ヘモフィルス・インフルエンザ、ヘモフィルス・パラインフルエンザ、ヘモフィルス・ヘモリチカス、ヘモフィルス・パラヘモリチカス、ヘモフィルス・デュクレイ、パスツレラ・マルトシダ、パスツレラ・ヘモリチカ、ヘリコバクター・ピロリ、カンピロバクター・フィタス、カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ、ボレリア・ブルグドルフェリ、ビブリオ・コレラ、ビブリオ・パラヘモリチカス、レジオネラ・ニューモフィラ、リステリア・モノサイトゲネス、ナイセリア・ゴノレア、ナイセリア・メニンギティディス、バークホルデリア・セパシア、フランシセラ・ツラレンシス、キンゲラ、及びモラクセラからなる群から選択される1つ又は複数の細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記肺感染症が、グラム陰性嫌気性細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記肺感染症が、バクテロイデス・フラジリス、バクテロイデス・ディスタソニス、バクテロイデス3452A相同性群、バクテロイデス・ブルガタス、バクテロイデス・オバルス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・エガーシイ、及びバクテロイデス・スプランクニカスからなる群から選択される細菌の1つ又は複数を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記肺感染症が、グラム陽性細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記肺感染症が、コリネバクテリウム・ジフテリエ、コリネバクテリウム・ウルセランス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・アガラクティエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ミレリ、ストレプトコッカス(G群);ストレプトコッカス(C/F群);エンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、スタフィロコッカス・サプロフィティクス、スタフィロコッカス・インターメジウス、スタフィロコッカス・ヒイカス亜種ヒイカス、スタフィロコッカス・ヘモリチカス、スタフィロコッカス・ホミニス、及びスタフィロコッカス・アサッカロリチカスからなる群から選択される細菌の1つ又は複数を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記肺感染症が、グラム陽性嫌気性細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記肺感染症が、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム・テタニ、及びクロストリジウム・ボツリヌムからなる群から選択される1つ又は複数の細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記肺感染症が、抗酸菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記肺感染症が、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、及びマイコバクテリウム・レプレからなる群から選択される1つ又は複数の細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記肺感染症が、異型細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記肺感染症が、クラミジア・ニューモニエ及びマイコプラズマ・ニューモニエからなる群から選択される1つ又は複数の細菌を更に含む、請求項1、10、20、25、31、34、39、49、56、及び66のいずれか一項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【公表番号】特表2013−503907(P2013−503907A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528109(P2012−528109)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/047903
【国際公開番号】WO2011/029059
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511251537)エムペックス ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】MPEX PHARMACEUTICLAS,INC.
【Fターム(参考)】