説明

回線交換フォールバックをキャンセルするための方法および装置

【課題】この方法および装置は、通信セッションをキャンセルするために使用されうる。
【解決手段】装置は、通信セッションを開始するための第1のメッセージを送信することができ、その後、通信セッションのキャンセルを求める要求を通知する第2のメッセージを送信することができる。装置は、進行中のPS(パケット交換)セッションが存在すると決定した場合、システム間の変更を実行することなく、現在のRAT(無線アクセス技術)上で、進行中のPSセッションを続行することができる。装置は、HO(ハンドオーバ)コマンドを受信した場合、HOコマンドを拒否する旨のメッセージを送信することができ、またはHOコマンドを無視することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2009年1月6日に出願された米国仮出願第61/142787号に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
無線通信における目標は、WTRU(無線送受信ユニット)が、セッションの進行中にサービスを中断させることなく、通信を起こし、または受け取ることができるようにする機構を考え出すことであった。例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)のLTE(Long Term Evolution)のシナリオでは、目標は、WTRUが、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)のPS(パケット交換)ドメインに接続されている最中に、CS(回線交換)サービスを起こし(すなわち開始し)、もしくは受け取り(すなわち終了し)、またはその反対を行えるようにする機構を考え出すことであった。CSサービスの例は、少なくとも、CS音声通話、SMS(ショートメッセージサービス)、位置サービス、または補助サービスなどのサービスを含むことができる。
【0004】
いくつかの無線通信の配備のシナリオでは、いくつかのサービスは、最初に特定のRAT(無線アクセス技術)によって提供され、その場合、WTRUは、開始しているサービスをキャンセルする前に、ターゲットRATへのハンドオーバを実行することを求められることがある。ハンドオーバの実行は、ソースRATにおいてサービスの中断を導くことがある。GSM(Global System for Mobile communication)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、またはCDMA(Code Division Multiple Access)などのシステムでは、ユーザは、セッションのセットアップが完了する前に、進行中のMO(mobile originated)セッションの要求をキャンセルすることができる。例えば、GSMの配備のシナリオでは、CM(connection management)エンティティが、セッションのキャンセル手順を処理することができる。この例では、開始しているセッションを、セッションのセットアップが完了する前にキャンセルしようとユーザが決定した場合、CMエンティティは、キャンセルのメッセージを送信することができる。しかしながら、開始しているセッションをキャンセルするために、ターゲットRATへのハンドオーバが実行されうる。
【0005】
LTEの例では、WTRUは、PSセッションの進行中に、CSFB(CSのフォールバック)の手順を実行して、CSセッションを開始することができる。LTEを介するCSセッションの要求は、強制的にWTRUにRATを変更させることがあるので、WTRUがLTEセルにキャンプオン(camp on)しているときの、CSセッションの要求のキャンセルは、多くの問題を引き起こしうる。
【0006】
例えば、進行中のCSFBの手順をユーザがキャンセルする時間に応じて、シグナリングメッセージは、CSFBの実行に備えて、ネットワークエンティティ間ですでに交換されていることもあり、または交換されている最中のこともある。これは、サービス中断、時間遅延、または不必要なリソース損失などの問題を引き起こすことがある。例えば、ソースネットワークノードおよびターゲットネットワークノードは、シグナリングメッセージを交換して、端末のためのリソースを準備することができる。WTRUが要求をキャンセルすることを予想せずに、MME(モビリティ管理エンティティ(mobility management entity))は、WTRUがハンドオーバするであろうターゲットRATにユーザのコンテクスト情報を転送することによって、手順を完了するためのアクションを実行し始めることがある。WTRUがLTEにおいて進行中のPSセッションを有する場合、MMEは、PSセッションをハンドオフするためのリソースを確保できるように、要求されたコンテクストをターゲットRATに転送することがある。したがって、セッションのセットアップが完了する前にセッションの要求がキャンセルされた場合のWTRUの動きに対処する方法および装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
CSFB(CS(回線交換)フォールバック)の手順をキャンセルするための方法および装置が開示される。装置は、CSFBの手順を開始するための第1のメッセージを送信することができ、その後、CSFBの手順のキャンセルを求める要求を通知する第2のメッセージを送信することができる。装置は、進行中のPS(パケット交換)セッションが存在すると決定した場合、システム間の変更を実行することなく、現在のRAT(無線アクセス技術)上で、進行中のPSセッションを続行することができる。装置は、HO(ハンドオーバ)コマンドを受信した場合、HOコマンドを拒否する旨のメッセージを送信することができ、またはHOコマンドを無視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて、例によって与えられる、以下の説明から得ることができる。
【0009】
【図1】WTRUとMMEとの間の制御プレーンについてのプロトコルスタックの図である。
【図2】CSFBの手順をキャンセルする方法の一例のフロー図である。
【図3】変更ESRを使用して、CSFBの手順をキャンセルできる方法の一例の信号フロー図である。
【図4】図3で説明された変更ESRメッセージの図である。
【図5】NASメッセージの図である。
【図6】CSFBの手順をキャンセルする代替的方法のフロー図である。
【図7】追加的なハンドオーバを実行することによってCSFBの手順をキャンセルする方法の一例のフロー図である。
【図8】HOコマンドを無視することによってCSFBの手順をキャンセルする方法の一例のフロー図である。
【図9】LTE無線通信システム/アクセスのネットワークの図である。
【図10】LTE無線通信システムの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これ以降で言及される場合、「WTRU(無線送受信ユニット)」という用語は、限定することなく、UE(ユーザ機器)、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、PDA(携帯情報端末)、コンピュータ、または無線環境で動作可能な他の任意の種類の装置を含む。これ以降で言及される場合、「基地局」という用語は、限定することなく、ノードB(Node-B)、eNB(evolved Node-B)、サイトコントローラ、AP(アクセスポイント)、または無線環境で動作可能な他の任意の種類のインタフェース装置を含む。
【0011】
本明細書で説明される実施形態は、CS(回線交換)セッションまたはPS(パケット交換)セッションを支援できる任意のアクセス技術に適用可能とすることができる。その例は、限定することなく、LTE(Long Term Evolution)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile communication)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)、CDMA2000、802.11、802.16、およびWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などのIEEE802の技術、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、または任意の将来技術を含む。説明の目的で、種々の実施形態は、LTEを前提として説明されるが、種々の実施形態は、CSセッションおよび/またはPSセッションを支援できる任意の技術を使用して実施することができる。
【0012】
図1は、WTRU 110とMME(モビリティ管理エンティティ)120との間の制御プレーンについてのプロトコルスタック100の図である。RRC(無線リソース制御)コンポーネント130は、AS(アクセス層(access stratum))における主要な制御機能であり、eNB 140とWTRU 110との間のRRCシグナリングを使用して、無線ベアラを確立し、より低位のレイヤのコンポーネントを構成することを担当することができる。ASの制御プレーンは、無線特有の機能を処理し、NAS(非アクセス層(non-access stratum))150と相互作用する。説明される実施形態は、RRCシグナリング、NASシグナリング、または両方の組み合わせを使用して、CSFBの手順をキャンセルすることができる。
【0013】
LTEの典型的な一例では、WTRUは、LTEのセルにキャンプオンしている最中に、CSセッションを開始するためのCSFBの手順を要求することができる。それに応答して、WTRUは、CSFBの手順に応じたターゲットRATに移行するためのモビリティメッセージを受信することができる。WTRUは、モビリティメッセージで示されたように、システム間の変更を実行して、ターゲットRATへ移行して、CSセッションを開始することができる。システム間の変更は、WTRUおよびターゲットRATがPS(パケット回線)HO(ハンドオーバ)を支援する場合は、PS HOを含むことができる。
【0014】
PS HOが実行される場合、ソースRATとターゲットRATとのネットワークノードは、すでにイベントを伝達していることがあり、場合によってはPS HOのためのリソースを準備していることがある。このシナリオでは、PSセッションがLTEにおいて進行中である場合、データパケットは、HO中のパケット紛失を回避するために、WTRUに転送されないことがある。PS HOが実行される場合、データパケットの経路は、WTRUがデータパケットの受信および/または送信を続行できるターゲットRATに切り換えられることができる。ターゲットRATにおいてPS HOが支援されない場合、WTRUのPSセッションは、CSセッションの最中、一時中断されることがある。ターゲットRATがPS HOが支援するかどうかに関わらず、CSセッションの終了後、WTRUは、LTEにおいてPSセッションを再開することができる。
【0015】
上の例では、WTRUは、WTRUがCSFB要求を送信した後の任意の時点において、要求したCSFBの手順をキャンセルすることができる。しかしながら、CSFBの手順のキャンセルは、システム間の変更が実行された後になるまで、生じることができない。従来技術によれば、CSFBがいったん要求されると、後続するイベントの連鎖は、停止させることができず、過剰なシグナリングをもたらすことがある。
【0016】
図2は、CSFBの手順をキャンセルする方法200の一例のフロー図である。図2を参照すると、WTRUは、CSセッションを開始するためのメッセージを送信することができる(210)。開始されたCSセッションをキャンセルするため、WTRUは、CSセッションのキャンセルを求める要求を通知するメッセージを送信することができる(220)。例えば、キャンセルを求める要求は、MMEに送信することができる。進行中のPSセッションが存在する場合(230)、WTRUは、システム間の変更を実行することなく、現在のRAT上で、PSセッションを続行することができる(240)。進行中のPSセッションが存在しない場合(230)、WTRUは、アイドルモードに留まることができる(250)。
【0017】
図3は、変更ESR(拡張サービス要求)を使用して、WTRUがCSFBの手順をキャンセルするときに生じうるシグナリングの量を削減することができる方法300の一例の信号フロー図である。この方法300では、WTRU 310は、ESR(拡張サービス要求)320をRRCメッセージでMME 330に送信して、CSFBの手順を駆動することができる。CSFBの手順が駆動されたときに、タイマ(図示せず)を開始することができる。駆動されたCSFBの手順に応答して、MME 330は、S1−APメッセージ340をeNB 350に送信することができる。S1−APメッセージ340は、CSFBのインジケータを含むことができる。
【0018】
図3に示されるように、WTRU 310は、変更ESRメッセージ360をMME 330に送信して、進行中のCSFBの手順に対するキャンセルのイベントを通知することができる。変更ESRメッセージ360は、NASメッセージとして送信することができ、WTRU 310でシステム間の変更またはHOメッセージが受信される前の任意の時点に送信することができる。変更ESRメッセージ360の送信後、WTRU 310は、例えば、EMM-Service-Request-Initiated-Cancel-Pending状態などの状態に入ることができる(365)。EMM-Service-Request-Initiated-Cancel-Pending状態は、関連するタイマ(図示せず)を有することができる。
【0019】
タイマ(図示せず)は、送信された変更ESRメッセージ360に関連付けることができる。ネットワークは、キャンセル要求が受信され、しかるべく処理がされることをWTRU 310に保証するために、送達確認メッセージ380を送信することができる。そのため、WTRU 310は、CS RATにフォールバックしなくてもよい。アクティブなPSセッションが存在する場合、セッションは、LTEにおいて再開することができる(385)。この例では、ソースネットワークノードおよびターゲットネットワークノードは、シグナリングを実行して、例えば、ターゲットRAT/セルにおいて確保された任意のリソースを解放することによって、CSFBの手順をキャンセルすることができる。
【0020】
WTRU 310は、CSFBの手順のキャンセル後、CSFBの手順を開始したESRに関連するタイマを停止することができる。このタイマは、CSFBの手順をキャンセルするためにWTRU 310が変更ESRメッセージ360を送信したとき、またはCSFBの手順がキャンセルされることを通知する送達確認380をWTRU 310が受信したときに停止させることができる。CSFBがキャンセルされた後、WTRUは、EMM−REGISTERED状態(図示せず)に入ることができる。
【0021】
この方法では、最初のESRがCSFBの手順を駆動したときにタイマが開始された可能性もあるので、特有の考慮および例外を設けることができる。さらに、ESR 320を送信した後、WTRU 310は、EMM-Service-Request-Initiated状態に入ることができる。WTRU 310はこの状態に留まるが、タイマを再始動して、新しい送達確認メッセージを待つことを、1つの例外とすることができる。別の選択肢は、現在の状態内の新しいサブ状態に入り、関連するタイマを開始することとできる。
【0022】
図3で説明された変更ESRメッセージの内容が、図4に示されている。図4を参照すると、変更ESRメッセージ400は、プロトコル弁別子フィールド410、セキュリティヘッダタイプフィールド420、拡張サービス要求メッセージ識別情報フィールド430、サービスタイプフィールド440、NASキーセット識別子フィールド450、M−TMSI(MME一時モバイル加入者識別情報(MME Temporary Mobile Subscriber Identity))フィールド460、およびCSFB応答フィールド470を含むことができる。サービスタイプフィールド440は、WTRUが要求しているサービスの種類を通知することができ、進行中のCSFBの手順のキャンセルを求める要求を含むように変更することができる。このフィールドが取りうる値についての詳細が、以下の表1に示されている。
【0023】
【表1】

【0024】
変更ESRメッセージ360を送信する代替策として、WTRUは、図5に示されるような内容を有するNASメッセージ500を送信することができる。図5に示されるように、NASメッセージ500は、プロトコル弁別子IE(情報要素)510、セキュリティヘッダタイプIE 520、サービス撤回(Withdraw)識別情報IE 530、撤回タイプIE 540、NASキーセット識別子IE 550、および/または他のオプションのIE 560を含むことができる。撤回タイプIEは、WTRUがキャンセルを要求しているサービスを通知するために使用することができる。撤回タイプIEは、4ビットとすることができ、以下の表2に示すような情報を含むことができる。
【0025】
【表2】

【0026】
図6は、CSFBの手順をキャンセルするための代替的方法のフロー図である。図6を参照すると、WTRU 610は、CSセッションを開始するためのメッセージをMME 615に送信することができる。CSセッションを開始するためのメッセージを受信すると(620)、MME 615は、PSおよび/またはCSリソースの確保を開始するようターゲットRATに通知することができる(図示せず)。その間、MME 615は、CSFBの手順のキャンセルを求める要求を通知するメッセージを受信することができる(625)。MME 615は、CSセッションをセットアップするようターゲットRATに通知した後に、このメッセージを受信した場合、CSFBの手順のキャンセルを求める要求をターゲットRATに通知することができる(630)。MME 615は、CSセッションをセットアップするようターゲットRATに通知する前に、このメッセージを受信した場合、CSFBの手順のキャンセルを求める要求をターゲットRATに通知しなくてもよい。ターゲットRATは、CSFBの手順のキャンセルを求める要求の通知が時間内に受信されない場合、システム間の変更またはHOメッセージを送信することができる(図示せず)。
【0027】
図6を再び参照すると、WTRU 610は、システム間の変更またはHOメッセージを受信したかどうかを決定することができる(635)。システム間の変更またはHOメッセージを受信していない場合、WTRU 610は、システム間の変更またはHOを実行することなく、現在のRAT上で、PSセッションを続行することができる(640)。進行中のPSセッションが存在しない場合(645)、WTRU 610は、アイドルモードに留まることができる(650)。
【0028】
WTRU 610は、システム間の変更またはHOメッセージを受信した場合、システム間の変更またはHOを拒否するためのメッセージを送信することができる(655)。システム間の変更またはHOを拒否するためのメッセージ(655)は、MME 615にNASメッセージとして、および/またはターゲットRAT内のeNB(図示せず)にRRCメッセージとして送信することができる。したがって、ネットワーク内のRRCコンポーネントおよびNASコンポーネントは、両方ともCSFBの手順のキャンセルを求める要求を受信することができる。これらの代替策のどちらの場合も、WTRU 610は、メッセージを、例えば、ターゲットRATへのシステム間の変更またはHOを実行するためのメッセージを受信する前または受信した後の任意の時点に、送信することができる。ネットワーク内のRRCコンポーネントおよびNASコンポーネントは、別のメッセージをWTRUに送信することによって、それぞれのメッセージの受信を通知することができる。NASコンポーネントおよびRRCコンポーネントは、CSFBの手順をキャンセルするための特定のアクションも起こすことができる。例えば、MMEは、SGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Support Node)などの他のネットワークノードと交信して、システム間の変更またはHOのためのいかなる準備もキャンセルすることができる。同様のアクションは、eNB内のRRCによって駆動することもできる。
【0029】
図7は、追加的なシステム間の変更またはHOを実行することによってCSFBの手順をキャンセルする方法700の一例のフロー図である。WTRUは、ターゲットRATへのシステム間の変更またはHOを実行し、別のシステム間の変更またはHOを実行することによってLTEに直接戻ることができる。CSセッションは、LTEにおいてキャンセルされない場合、ターゲットRATにおいてキャンセルされうる。
【0030】
図7を参照すると、WTRUは、上の例で説明されたように、CSセッションを開始することができる(710)。その後、WTRUは、システム間の変更またはHOを実行し、CS RATにキャンプオンすることができる(720)。その後、WTRUは、CS RAT上にある間に、CSセッションをキャンセルすることができる(730)。WTRUは、CS RATへのシステム間の変更またはHOを実行する前に、CSセッションをキャンセルすることができる。キャンセルしたことの知識に基づいて、WTRUは、CMサービス要求メッセージを送信しないことによって、CSセッションの確立を停止することができる(735)。進行中のPSセッションが存在する場合(740)、WTRUは、PS RATへのシステム間の変更またはHOを実行することができる(750)。進行中のPSセッションが存在しない場合、WTRUは、アイドルモードに戻ることができる(760)。この例では、WTRUは、CS RATの信号強度がLTEの信号強度と比較して弱いことを通知する偽の測定値を送信することによって、LTEに戻ることができる。あるいは、WTRUは、LTEへのアイドルモードセル再選択を実行することができる。
【0031】
図8は、システム間の変更またはHOを実行するためのメッセージを無視することによってCSFBの手順をキャンセルする方法の一例のフロー図である。図8を参照すると、WTRUは、CSFBのキャンセルを求める要求を送信する(820)前に、CSセッションを開始するためのメッセージを送信することができる(810)。CSFBのキャンセルを求める要求の送信(820)に応答して、WTRUは、インジケータを含むシステム間の変更またはHOメッセージを受信することができる(830)。インジケータは、システム間の変更またはHOがCSFBに起因するものかどうかを指定することができる。WTRUは、CSFBのキャンセルを求める要求をWTRUが送信したことの知識に基づいて、システム間の変更またはHOメッセージを無視することができる(840)。進行中のPSセッションが存在する場合(850)、WTRUは、システム間の変更またはHOを実行することなく、現在のRAT上で、PSセッションを続行することができる(860)。進行中のPSセッションが存在しない場合(850)、WTRUは、アイドルモードに留まることができる(870)。
【0032】
システム間の変更またはHOメッセージに関連する、T304などのタイマが存在することができる。システム間の変更またはHOを完了する前にタイマが満了した場合、WTRUは、接続の再確立の手順を開始することができる。WTRUは、タイマが満了するまで、システム間の変更またはHOを実行しなくてもよい。あるいはまた、WTRUは、システム間の変更またはHOメッセージを受信した後に、タイマT304の値をゼロに設定して、接続の再確立の手順を直接開始することができる。その後、WTRUは、LTE上でのサービスを再開することができる。
【0033】
図9は、E−UTRAN((Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network))905を含む、LTE無線通信システム/アクセスのネットワーク900を示している。E−UTRAN 905は、WTRU 910と、いくつかのeNB 920とを含む。WTRU 910は、eNB 920と通信する。eNB 920は、X2インタフェースを使用して、互いに接続する。eNB 920の各々は、S1インタフェースを介して、MME(モビリティ管理エンティティ)/S−GW(サービングゲートウェイ)930と接続する。図9には1つのWTRU 910および3つのeNB 920が示されているが、無線通信システムアクセスネットワーク900には、無線および有線の装置の任意の組み合わせが含まれうることは明らかである。
【0034】
図10は、WTRU 910と、eNB 920と、MME/S−GW 930とを含む、LTE無線通信システム1000の一例のブロック図である。図10に示されるように、WTRU 910、eNB 920、およびMME/S−GW 930は、CSFBをキャンセルするための方法を実行するように構成される。
【0035】
典型的なWTRUに見出しうるコンポーネントに加えて、WTRU 910は、任意選択的に結合されるメモリ1022を備えるプロセッサ1016と、少なくとも1つの送受信機1014と、オプションのバッテリ1020と、アンテナ1018とを含む。プロセッサ1016は、CSFBをキャンセルするための方法を実行するように構成される。送受信機1014は、プロセッサ1016およびアンテナ1018と通信して、無線通信の送信および受信を円滑化する。WTRU 910においてバッテリ1020が使用される場合、バッテリ1020は、送受信機1014およびプロセッサ1016に給電する。
【0036】
典型的なeNBに見出しうるコンポーネントに加えて、eNB 920は、任意選択的に結合されるメモリ1015を備えるプロセッサ1017と、送受信機1019と、アンテナ1021とを含む。プロセッサ1017は、CSFBをキャンセルするための方法を実行するように構成される。送受信機1019は、プロセッサ1017およびアンテナ1021と通信して、無線通信の送信および受信を円滑化する。eNB 920は、MME/S−GW 930に接続され、MME/S−GW 930は、任意選択的に結合されるメモリ1034を備えるプロセッサ1033を含む。
【0037】
実施形態
1.WTRUのための通信セッションをキャンセルするための方法であって、
通信セッションを開始するための第1のメッセージを送信することと、
通信セッションのキャンセルを求める要求を通知する第2のメッセージを送信することと
を含む方法。
【0038】
2.通信セッションは、CSセッションである、実施形態1に記載の方法。
【0039】
3.CSセッションのキャンセルは、CSFBの手順のキャンセルを含む、実施形態2に記載の方法。
【0040】
4.進行中の通信セッションが存在すると決定することと、
システム間の変更を実行することなく、現在のRAT上で、進行中の通信セッションを続行することと
をさらに含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0041】
5.進行中の通信セッションは、PSセッションである、実施形態4に記載の方法。
【0042】
6.第1のメッセージは、ESRメッセージであり、第2のメッセージは、変更ESRメッセージである、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0043】
7.変更ESRメッセージは、NASメッセージである、実施形態6に記載の方法。
【0044】
8.通信セッションのキャンセルを求める要求は、第2のメッセージのサービスタイプフィールドにおいて通知される、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0045】
9.第2のメッセージは、キャンセルするサービスタイプを通知するサービス撤回識別情報フィールドを含むNASメッセージである、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0046】
10.システム間の変更は、PS HOを含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0047】
11.現在のRATは、LTE RATである、実施形態4〜10のいずれか1つに記載の方法。
【0048】
12.HOコマンドを受信することと、
HOコマンドを拒否する旨のメッセージを送信することと
をさらに含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
13.HOコマンドを拒否する旨のメッセージは、MMEに送信されるNASメッセージである、実施形態12に記載の方法。
【0050】
14.HOコマンドを拒否する旨のメッセージは、eNBに送信される、実施形態12または13に記載の方法。
【0051】
15.HOコマンドを拒否する旨のメッセージは、RRCメッセージである、実施形態12〜14のいずれか1つに記載の方法。
【0052】
16.インジケータを含むHOメッセージを受信することと、
通信セッションのキャンセルを求める要求を通知する第2のメッセージを送信したことの知識に基づいて、HOメッセージを無視することと
をさらに含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
17.インジケータは、CSFBのインジケータである、実施形態16に記載の方法。
【0054】
18.通信セッションを開始するための第1のメッセージを送信し、
通信セッションのキャンセルを求める要求を通知する第2のメッセージを送信する
ように構成された送信機
を備えるWTRU。
【0055】
19.送信機は、CSセッションを開始するための第1のメッセージを送信するように構成される、実施形態18に記載のWTRU。
【0056】
20.送信機は、CSFBの手順をキャンセルするための第2のメッセージを送信するように構成される、実施形態19に記載のWTRU。
【0057】
21.進行中のセッションが存在すると決定し、システム間の変更を実行することなく、現在のRAT上で、進行中のセッションを続行するように構成されたプロセッサ
をさらに備える、実施形態18〜20のいずれか1つに記載のWTRU。
【0058】
22.プロセッサは、進行中のセッションがPSセッションであると決定するように構成される、実施形態21に記載のWTRU。
【0059】
23.送信機は、第1のメッセージを、ESRメッセージとして、第2のメッセージを、変更ESRメッセージとして送信するように構成される、実施形態18〜22のいずれか1つに記載のWTRU。
【0060】
24.送信機は、変更ESRメッセージを、NASメッセージとして送信するように構成される、実施形態23に記載のWTRU。
【0061】
25.送信機は、通信セッションのキャンセルを求める要求の通知を、第2のメッセージのサービスタイプフィールドにおいて送信するように構成される、実施形態18〜24のいずれか1つに記載のWTRU。
【0062】
26.送信機は、第2のメッセージを、キャンセルするサービスタイプを指示するサービス撤回識別情報フィールドを含むNASメッセージとして送信するように構成される、実施形態18〜25のいずれか1つに記載のWTRU。
【0063】
27.HOコマンドを受信するように構成された受信機をさらに備え、送信機は、HOコマンドを拒否する旨のメッセージを送信するようにさらに構成される、
実施形態18〜26のいずれか1つに記載のWTRU。
【0064】
28.送信機は、HOコマンドを拒否する旨のメッセージを、NASメッセージとしてMMEに送信するように構成される、実施形態27に記載のWTRU。
【0065】
29.送信機は、HOコマンドを拒否する旨のメッセージを、eNBに送信するように構成される、実施形態27または28に記載のWTRU。
【0066】
30.送信機は、メッセージを、RRCメッセージとして送信するように構成される、実施形態27〜29のいずれか1つに記載のWTRU。
【0067】
31.インジケータを含むHOメッセージを受信するように構成された受信機をさらに備え、プロセッサは、通信セッションのキャンセルを求める要求を通知する第2のメッセージを送信したことの知識に基づいて、HOメッセージを無視するようにさらに構成される、実施形態18〜30のいずれか1つに記載のWTRU。
【0068】
32.受信機は、CSFBインジケータを含むHOメッセージを受信するように構成される、実施形態31に記載のWTRU。
【0069】
33.HOコマンドを拒否する旨のメッセージを受信するように構成された受信機
を備えるMME。
【0070】
34.受信機は、メッセージを、NASメッセージとして受信するように構成される、実施形態33に記載のMME。
【0071】
35.HOコマンドを拒否する旨のメッセージを受信するように構成された受信機
を備えるeNB。
【0072】
36.受信機は、メッセージを、RRCメッセージとして受信するように構成される、実施形態35に記載のeNB。
【0073】
上記では機能および要素が特定の組み合わせで説明されたが、各機能または要素は、他の機能および要素を伴わずに単独で、または他の機能および要素を伴ってもしくは伴わずに種々の組み合わせで使用することができる。本明細書で提供された方法またはフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行するための、コンピュータ可読記憶媒体内に含まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(digital versatile disk)などの光媒体を含む。
【0074】
適切なプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他の任意の種類のIC(集積回路)、および/または状態機械を含む。
【0075】
ソフトウェアと連携するプロセッサは、WTRU、UE、端末、基地局、もしくはEPC(Evolved Packet Core)、または任意のホストコンピュータ、で使用するための無線周波数送受信機を実施するために使用することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカフォン、バイブレーション装置、スピーカ、マイクロフォン、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(frequency modulated)ラジオユニット、NFC(Near Field Communication)モジュール、LCD(liquid crystal display)ディスプレイユニット、OLED(organic light-emitting diode)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(無線LAN)もしくはUWB(Ultra Wide Band)モジュールなど、SDR(ソフトウェア無線(Software Defined Radio))を含むハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されるモジュール、ならびに他のコンポーネントと併せて使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WTRU(無線送受信ユニット)におけるCSFB(CS(回線交換)フォールバック)の手順をキャンセルするための方法であって、
CSFBの手順を開始するための第1のメッセージを送信することと、
前記CSFBの手順のキャンセルを求める要求を通知する第2のメッセージをWTRUから送信することと、
進行中のPS(パケット交換)セッションが存在すると決定することと、
システム間の変更を実行することなく、現在のRAT(無線アクセス技術)上で、前記進行中のPSセッションを続行することと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のメッセージは、ESR(拡張サービス要求)メッセージであり、前記第2のメッセージは、変更ESRメッセージであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変更ESRメッセージは、NAS(非アクセス層)メッセージであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記CSFBの手順のキャンセルを求める前記要求は、前記第2のメッセージのサービスタイプフィールドにおいて通知されることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−142989(P2012−142989A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−69727(P2012−69727)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【分割の表示】特願2011−545404(P2011−545404)の分割
【原出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】