説明

回転データ記憶媒体板の挿入及び抜取り装置

本発明は、回転データ記憶媒体板の挿入及び抜取り装置にかかる。該装置は、データ記憶媒体板を、再生前には挿入位置から再生位置へ、再生後は再度挿入口へ戻るよう機械的に移動させる。挿入及び抜取りに関する移動の全範囲にわたって延び、データ記憶媒体板を対角線上に互いに対向する端部領域で溝に案内する平行なガイドレールを有する。ガイドレールのうち少なくとも一方は、データ記憶媒体板が挿入又は抜取り方向に移動されるパルスを用いて、いずれか一方の移動方向でデータ記憶媒体板に運動パルスを伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転データ記憶媒体板の挿入及び抜取り装置にかかる。装置は、データ記憶媒体板を、再生前に挿入位置から再生位置へと機械的に移動させ、再生後は再び挿入位置へと戻す。
【背景技術】
【0002】
かかる回転データ記憶媒体板の挿入及び抜取り装置は既知である。CD又はDVDデータ記憶媒体板は、通常、CD又はDVDを再生する静止している装置で摺動する引出しを用いて挿入又は取出しされる。摺動する引出しの機構は、空間的余裕が無い自動車内で使用される装置においては可能ではない。挿入及び抜取りは、ローラーの機構によって行なわれる。
【0003】
これらの既知の機構は、多数の個別の要素からなり、機構を複雑且つ高価にさせる。更なる不利点は、ローラーの動作が、端部のみ、また実際には特定の点のみを捉えるため、当該機構はデータ記憶媒体板を正確に案内しないことである。
【特許文献1】欧州特許第0951078号明細
【非特許文献1】「Piezoelectric Travelling Wave Motors generating direct linear motion ...」ACTUATOR会議議事録
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、全移動工程中に板によりよい案内を与え、より少ない機能要素で形成される、挿入及び抜取り装置を与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的は、請求項1の特徴的な特性によって達成される。
【0006】
ガイドレールは、データ記憶媒体板の移動の全範囲に沿って延び、対角線上に互いに対向する端部領域で後者を案内するため、データ記憶媒体板は、その挿入及び抜取りの間は継続的に案内される。これは、衝突の影響を受けやすい装置に有利である。ガイドレールのうち少なくとも一方が、インパクト型の運動等に関する運動パルスを一移動方向にあるデータ記憶媒体板に伝える場合、更なる運動機構は不要である。ガイドレール自体は、輸送ジェネレータとしての役割を果たす。従って、動作に必要な要素にかかる経費及び必要な空間は、非常に低減される。
【0007】
本発明の一実施例では、運動パルスが、圧電ドライブを用いてガイドレールの一方又は両方に影響を与えられるようにされる。前進方向での拍動する押し移動は、圧電ドライブの特徴である。
【0008】
圧電ドライブ又はモータは、多種多様な実施例で既知である。ACTUATOR 96会議の議事録(Hermann, M及び
(外1)

、「Piezoelectric Travelling Wave Motors generating direct linear motion ...」ACTUATOR会議議事録、ブレーメン、1996年6月26−28日、p.200−203)(非特許文献1)は、閉鎖式環状固定子を備えたリニア進行波モータを説明する。モータの第1のリムは、対象物の経路に沿って配置される。2つのリムは、それらの端面で相互接続された半円である。2つの位相電圧は、進行波モータの場合、一方向への移動に必要である。このモータには、非常に平面的な構造が、移動された対象物に対して垂直に与えられ得るが、依然として2つの不利点を有する。第1には、固定子の容積が可能な経路の2倍より大きいこと、そして第2には、2つの高調波電圧が同時に必要とされることである。
【0009】
例えば欧州特許第0951078号明細書(特許文献1)等に説明される圧電マイクロインパクト式モータは、進行波モータが求めるより非常に小さい構造的容積を求める。即ち、該モータは、1つの高調波電圧のみで動作される。しかしながらこれらのモータは、移動方向に対して垂直に10mm乃至20mmのオーダの最大寸法を有する。これらのモータでは、ダイレクト・ドライブに必要な接点の移動を実現するのは少なくとも単純ではない。
【0010】
小容量の圧電ドライブを実現するため、自動車又は家庭用コンピュータに使用される再生機の狭い空間状況を鑑み、本発明の更なる実施例では、夫々が一方のガイドレール上に慣性前進力を働かせる圧電モータによる圧電ドライブの形成が与えられる。一方のモータは挿入方向で働き、他方のモータは抜取り方向で働く。
【0011】
非常にコンパクトな構造は、かかる配置によって可能にされる。モータは、移動方向では動かず、マイクロインパクトの原理に従って1つの定在波によってのみ励起される必要がある。求められる要素の数は少ない。
【0012】
本発明の更なる実施例では、各ガイドレール自体は、固定子を有する圧電モータであるとされ、固定子歯と、駆動用の稼動セルが少なくとも2分の1の波長の長さを有する圧電素子とを備える。
【0013】
本発明の他の実施例では、各ガイドレール自体は、固定子を有する圧電モータであるとされ、固定子歯と圧電素子を備え、励起部の長さは2つの波長と一致する。
【0014】
本発明の更なる実施例では、一方のガイドレール自体のみは、固定子を有する圧電モータであるとされ、固定子歯と、駆動用の稼動セルが少なくとも2分の1の波長の長さ又は波長の2分の1の整数倍数を有する圧電素子とを備える。
【0015】
本発明の更なる実施例では、圧電モータの要素が圧電セラミック要素によって形成されているとされる。圧電セラミック要素は、λ/2の長さを備える交互極性の領域を有し、その一方で、被覆電極が与えられ、そのうちの固定子に隣接する一方の電極はセラミック要素の全長にわたって延び、長さλ/4を有しセラミック要素の他側に置かれた電極は、交互極性のターミナルに交互に接続される。
【0016】
本発明の更なる実施例では、関連する制御電極によって覆われる一移動方向の圧電モータのそれらの領域のみが、圧電材料で成るとされる。
【0017】
本発明の更なる実施例では、1つのインパクト方向の固定子は、λ/4の奇数倍の量に至る延長により、圧電素子にわたって及びそれを越えて長手方向に延ばされるとされる。
【0018】
上述とは異なる本発明の修正された実施例では、対向するインパクト方向の固定子は、λ/4の偶数倍の量に至るまで、圧電素子にわたって及びそれを越えて長手方向に延ばされるとされる。
【0019】
本発明の更なる実施例では、稼動セル及び付加的な固定子の材料の最短の長さは、少なくとも1波長λと一致するとされる。
【0020】
本発明の更なる実施例では、固定子の励起部は、ガイドレールの2分の1上でλ/4の奇数倍、及び、ガイドレールの残りの半分上でλ/4の偶数倍延ばされるとされる。
【0021】
本発明の更なる実施例では、2つのガイドレールの半分は、中立振幅線のレベルで、板バネを用いて互いに分断されるとされる。
【0022】
本発明の更なる実施例では、モータの共振周波数Fiは以下の式、
【0023】
【数2】

で表されるとされる。式中、まず得られた近似の結果によるIは、定在波Iのオーダ、固定子の長さl、固定子の高さh、材料定数、弾性係数E、及び固定子材料の密度ρに依存する。
【0024】
本発明の更なる実施例では、固定子歯は、振幅内に形成されたアンチノードとノードとの間の位置に、λ/2の距離で配置されるとされる。
【0025】
本発明の更なる実施例では、モータは、データ記憶媒体板の移動の経路の長さを近似的に有するとされる。
【0026】
本発明の更なる実施例では、運動パルスが夫々のガイドレールに、また、後者を介して偏心器の機構を用いてデータ記憶媒体板に送信されるとされる。
【0027】
本発明の更なる実施例では、偏心器の機構によって、ガイドレールは、回転の中心の周りで振幅するよう偏心器の機構によって推進され、ガイドレールの振幅は、データ記憶媒体板に移動方向の前進パルスを与えるとされる。
【0028】
本発明の更なる実施例では、偏心器の機構は、ベルトコンベヤに振幅パルスを送信し、ベルトコンベヤは、かかるパルスを駆動パルスとしてデータ記憶媒体に送信するとされる。
【0029】
本発明の更なる実施例では、ベルトコンベヤは、循環移動方向に従って、挿入又は抜取り方向にデータ記憶媒体板を移動させるとされる。ベルトコンベヤは、データ記憶媒体の端部がかみ合うようになる溝付き側面を有する。
【0030】
本発明の更なる実施例では、固定子歯は、圧電モータの長手方向に溝を具備され、その溝に、データ記憶媒体がその端部を伴って入るとされる。
【0031】
本発明の更なる実施例では、圧電モータ全般は、インパクト・パルスを用いて移動されるべき構成要素のリニアドライブに使用されるとされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、図面を参照して更に詳細に説明されるであろう。
【0033】
図1は、デジタル媒体板1(CD及びDVD等)の挿入及び抜取り装置の原理を図示する。挿入及び抜取り装置は、挿入及び抜取りの移動の全範囲にわたって延びる平行なガイドレール2を有する。データ記憶媒体板1は、対角線上に互いに対して対向する端部領域3,4で、ガイドレール2の溝5に案内される。運動パルスは、ある程度は以下に説明されるべきガイドレール2の少なくとも一方によって、1つ又は他の移動方向6,7でデータ記憶媒体板1に送信される。これらの運動パルスは、拍動又はインパクト型の方法で更に説明されるべきドライブによってガイドレール2に具備され、矢印8,9によって示される。ドライブの拍動又はインパクト型の移動は、ガイドレール2によってデータ記憶媒体板1に送信される。従って、データ記憶媒体板は、パルス又はインパクト方向、即ち挿入方向又は抜取り方向に移動する。ガイドレール2は、運動パルスの影響下で振動し、それ故にデータ記憶媒体板1に対する転換アクションを起こす。ガイドレールは夫々の場所で前後に移動するが、矢印8及び9は、夫々が一方向にのみ、つまり互いに対向した方向にのみ向くため取り違え得る。従って、矢印8及び9は、インパクト方向を示し、そこでガイドレール2はデータ記憶媒体板1に作用することが留意されるべきである。
【0034】
図2は、インパクト型の運動パルスをガイドレール2に伝達する圧電ドライブを図式的に示す。圧電モータ100は、圧電ドライブを与える役目を果たす。モータ100のタペット150は斜めに位置付けられ、それ故にインパクト方向8及び9を明確に示しており、タペットはガイドレール上に作用し、ガイドレールを介してデータ記憶媒体板1上に作用する。スプリング2aは、各インパクト後に、ガイドレール2を開始位置まで引き戻す。
【0035】
図3は、圧電モータ10の動作コアを図示する。動作コアは、CD又はDVD器具のコンパクトな平面構造を備えたリニア圧電モータの形で使用される。モータ10は、定在波によって励起され、マイクロインパクトの原理に従って全ての歯15で動作する。これは、1つの高調波電圧のみで動作には十分であることを意味する。データ記憶媒体板1によって動かされるべき経路の全長にわたって延びる。
【0036】
圧電モータ10は、少なくとも2分の1の波長のドライブに働く励起セル11を有する。稼動セル11の寸法は、所望の通りλ/2の増分によって延ばされ得る。
【0037】
図3aは、長さLa=2λの稼動セル11を備えたモータ10の動作の可能性を図式的に示す。モータ10は、高さhを有する固定子13を有する。λ/2のピッチを備えた固定子歯15は、固定子の一側14で与えられる。固定子歯15は、振幅で形成されたアンチノード26とノード25との間に置かれた場所12に位置決めされる。
【0038】
固定子の他側16に、圧電材料18を備えた圧電素子17が励起を与えるよう配置される。λ/2の波長を備えた交互極性の領域は、圧電材料18に形成される。圧電素子17は、固定子の側部16に共有電極19を具備する。電極分割は、他の側部20で実行される。λ/2の長さを備えた交互極性の領域の各半分は、ここで夫々の部分電極21によって覆われる。半分の波長λ/2領域の部分電極21は、交互極性の2つのターミナル22及び23に交互に接続される。
【0039】
定在波は、図3aに図示する圧電材料18及び稼動セル11内の電極励起を用いて、一ドライブ方向に生成され、振幅ノード25が、図3bに図示される通り稼動セル11の端部24に位置付けられるようにする。固定子歯15は、データ記憶媒体1上に直接影響を与え、後者を段階的に一方向に移動させる。対向するドライブ方向を得るよう、振幅アンチノード26は、図3cに図示する通り稼動セル11の端部24に形成されるべきである。
【0040】
稼動セル11は、固定子材料でいずれの長手方向にも更に補われ、ノード25又はアンチノード26は、固定子端部25で生じ、定在波を形成し、それ故に効率的なモータ10を与えるようにされる。
【0041】
図3b中、左手側のドライブ方向では、固定子材料は、稼動セル11の両側に求められ、かかる材料の長さは、常にλ/4の奇数倍に対応しなければならない。図示する振幅状態では、歯の2分の1は、左手上方向を指し、この位置でデータ記憶媒体1にインパクトを与える。この状態で第2の半分は、右手上方向を指すが、バックスイング・フェーズにあってデータ記憶媒体1とは接触しない。半周波数周期後、歯の役割は入れ替えられる。第1の半分が、バックスイング・フェーズにあり、右手上方向を指す。第2の半分はインパクト・フェーズにあり、左手上方向を指す。この形の振幅を励起させるよう、適切な周波数の交流電圧が、電極ターミナル22と19aとの間に印加される。電極23の下の圧電材料18は、この移動方向では動作せず、削除されてもよい。かかるドライブの例を図4に図示する。
【0042】
しかしながら、図3c中、右手側のドライブ方向では、固定子材料は、稼動セル11のいずれか一側に必要であり、かかる材料の長さは、常にλ/4の偶数倍に対応する。適切な周波数の交流電圧Uは、励起用に、電極ターミナル23と19aとの間に印加される。電極22の下の圧電材料18は、動作のこのモードでは受動的であり、削除されてもよい。かかるドライブの例を図5に図示する。
【0043】
それ故に、夫々のドライブ方向及び夫々の用途に効率のよいモータ10は、更なる特性無く設計され得る。更に、稼動セル11と付加的な固定子材料28,29の最短の長さは、1波長λである。
【0044】
図4は、関連する延長部28a及び28bを備えた左手側ドライブ方向の圧電モータ10を図示する。当該延長部は、図示する状況においては、夫々7λ/4及び9λ/4の長さを有する。
【0045】
図5は、関連する延長部29a及び29bを備えた右手側ドライブ方向の圧電モータ10を図示する。当該延長部は、図示する状況においては、夫々3λ及び2λの長さを有する。
【0046】
かかるモータ10の固定子13を備えた共振周波数Fは、定在波Iのオーダ上、及び、固定子13の長さl及び高さh上でまず得られた近似の結果に依存する。材料定数も重要である。材料定数とは、固定子材料の弾性係数E及び密度ρである。共振周波数は、以下の式、
【0047】
【数3】

で表される。図2を参照して説明される例の周波数Fは、以下の式、
【0048】
【数4】

で算出される。
【0049】
この周波数は、完全な固定子13の長さに無関係に、延長部28,29が上述された状態に応じて選択される限り(λ/4の偶数倍又は奇数倍)、殆ど変化しない。
【0050】
一移動方向のみを備えた1つの圧電モータ10は、各移動方向で使用される。
【0051】
図6は、図3aに従って、中央の稼動セル11の周りに作られた2つの移動方向の圧電モータ10を図示する。平面図中、該モータは、左手側ドライブ方向の2分の1に延長部と、長さ7λ/4である延長部分50a及び50bと、長さ2λである延長部分51a及び51bを伴った右手ドライブ方向のもう一方の固定子の半分に延長部とを備えるデータ記憶媒体板1を案内する溝5は、歯15内に与えられる。延長部品50a,50b,51a,51b及び中央の動作領域11は、明確にするよう図5中破線53で描かれるが、実際は、それらは1つの一体型の構成要素として作られ、固定子13を形成する。
【0052】
図7は、2つのドライブ方向の圧電モータの長さ2λである稼動セルを図示する。固定子は、13a及び13bの2つに半分に分割される。各固定子の半分は下方部に上述の種類の圧電素子17を有し、所望の定在波を励起するようにされる。
【0053】
歯15は、固定子の半分の上方側部に構築され、固定子の半分13aの上方の半分の歯15aが、ドライブ方向8での上方向のインパクトに関する屈曲に対して剛性であり、ドライブ方向9での上方向のインパクトに関する屈曲は容易に可能であるようにされる。固定子の半分13bの上方の半分の歯15bは、ドライブ方向9での上方のインパクトに関する屈曲に対して合成であり、ドライブ方向8での上方向インパクトに関する屈曲は容易に可能である。かかる歯は、例えば簡易に潰されて曲げられた金属ストリップから製造され得る。
【0054】
従って、稼動セルに関するこの実施例では、固定子の半分13aは、延長(右手側への移動方向)を用いてλ/4の偶数倍で延ばされるべきであり、固定子の半分13bは、λ/4の奇数倍となる延長(左手側への移動方向)が与えられるべきである。これらの延長は図7に図示されない。
【0055】
2つの半分の固定子は、定在波の中立位置で接続ブリッジ52によって結合される。
【0056】
この2つの半分の固定子の圧電素子は、両ドライブ方向で上記のように電気的に制御され得る。より簡易な修正では、固定子の半分13aは、移動方向8が所望される場合励起されるのみであり、固定子の半分13bは、移動方向9が所望された場合にのみ励起される。
【0057】
図8及び図9は、図1に従ったガイドレールを備えた挿入及び抜取り装置を図示する。該装置では挿入及び抜取りは偏心器を用いて行なわれる。
【0058】
図8中の挿入及び抜取り装置では、左手側のガイドレールは、図1の構造のように挿入方向6に対して平行に配置されていないが、かかるガイドレール2の一端部32にある回転の中心31の周りで旋回可能である。偏心器34は、他端部33に作用し、軸35の周りで回転する。回転の方向は、矢印36で示される。支持スプリング37も与えられ、挿入されるべきデータ記憶媒体板1に対してガイドレール2を押し付ける。
【0059】
偏心器が矢印36の方向に回転するとき、振幅パルスはガイドレール2に伝達される。かかる振幅パルスによって、データ記憶媒体板1のガイドレール2は、矢印6の方向に前進拍動移動を実行する。同様に動作するドライブは、抜取りに与えられ、抜取り方向に動作する。
【0060】
図9は、ラバーバンド41の形のベルトコンベヤを使って動作する挿入及び抜取り装置40を図示する。右手側のガイドレール2は、また、挿入及び抜取り方向6,7に対して平行に位置付けられる。ラバーバンド41は弾性であり、拍動的に生成された伸長移動をデータ記憶媒体板1に伝達することが出来る。軸43の周りで回転する偏心器42は、拍動的な伸長移動を生成する役割を果たす。矢印先端44によって示された方向での回転の場合、ラバーバンド41に伝えられた伸長移動が行なわれ、データ記憶媒体板1が挿入方向6で前進パルスを与えられ、故に挿入される。偏心器42が矢印先端45によって示された方向に回転する場合、データ記憶媒体板1が抜取り方向7で前進パルスを与えられる。ラバーバンド41は、データ記憶媒体板1に対面する溝付きの側面46を有し、かかる側面にデータ記憶媒体板1の端部3が入る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】CD又はDVD等のデジタルデータ記憶媒体板用の挿入及び抜取り装置を図示する。当該装置は、挿入及び抜取りの移動中にデータ記憶媒体板が案内される間に平行なガイドレールを備え、挿入及び抜取りの移動は、データ記憶媒体板上にかかるガイドレールを介して課される。
【図2】ガイドレールが圧電モータによって移動される挿入及び抜取り装置の一例を図示する。もたらされる移動は、データ記憶媒体板の移動の転換を引きを越す。
【図3】ガイドレールとして直接使用され得る適切な圧電モータの動作中の領域の原理を図示する。
【図4】第1の移動方向でガイドレールとして直接使用し得る適切な圧電モータを図示する。
【図5】第2の移動方向でガイドレールとして直接使用し得る適切な圧電モータを図示する。
【図6】いずれの移動方向でもガイドレールとして直接使用し得る第1の圧電モータを図示する。
【図7】いずれの移動方向でもガイドレールとして直接使用し得る第2の圧電モータの稼動セルを図示する。
【図8】前進パルスをガイドレールの一方を介してデータ記憶媒体に送信する偏心器ドライブを図示する。
【図9】前進パルスをベルトコンベヤを介してデータ記憶媒体に送信する他の偏心器ドライブを図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転データ記憶媒体板の挿入及び抜取り装置であって、
前記データ記憶媒体板を、再生前には挿入位置から再生位置へと機械的に移動させ、再生後は再度前記挿入口へ戻るよう移動させ、
挿入及び抜取りに関する前記移動の全範囲にわたって延び、前記データ記憶媒体板を対角線上に互いに対向する端部領域で溝に案内する平行なガイドレールを有し、
前記ガイドレールのうち少なくとも一方は、前記データ記憶媒体板に、前記データ記憶媒体板が前記挿入又は抜取り方向に移動されるパルスを用いて、移動方向のうちいずれか一方で運動パルスを伝達する、
装置。
【請求項2】
前記運動パルスは、圧電ドライブを用いて一方又は両方の前記ガイドレールに影響を及ぼすことを特徴とする、請求項1記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項3】
前記圧電ドライブは、圧電モータによって形成され、各圧電モータは、一方のガイドレールに慣性前進力の影響を及ぼすことを特徴とする、請求項2記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項4】
各ガイドレール自体は、固定子を有する圧電モータであり、固定子歯と、駆動用に働く稼動セルが少なくとも2分の1の波長の長さを有する圧電素子とを具備することを特徴とする、請求項1記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項5】
一方のガイドレール自体のみは、固定子を有する圧電モータであり、固定子歯と、稼動の励起セルが少なくとも2分の1の波長の長さ又は2分の1の波長の整数倍数の長さを有する圧電素子とを具備することを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項6】
各ガイドレール自体は、固定子を有する圧電モータであり、固定子歯と圧電素子とを具備し、前記励起部の前記長さが2つの波長に対応することを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項7】
前記モータの前記圧電素子は、圧電セラミック材料で形成され、波長の半分の長さ(λ/2)を備えた交互極性の領域を有し、
被覆電極が具備され、そのうちの一方の電極は前記固定子に隣接し前記セラミック材料の前記全長にわたって延び、
λ/4の長さを有し、前記セラミック材料の他側に置かれた電極は、交互両極のターミナルに交互に接続されることを特徴とする、
請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項8】
前記関連する制御電極によって覆われる一移動方向の圧電モータの領域のみが、圧電材料から成ることを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項9】
一インパクト方向の前記固定子は、λ/4の奇数倍の量に至る延長により、前記圧電素子にわたって及び該要素を越えて長手方向に延ばされることを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項10】
対向するインパクト方向の前記固定子は、λ/4の偶数倍の量に至る延長により、前記圧電素子にわたって及び該要素を越えて長手方向に延ばされることを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項11】
前記稼動セル及び付加的な固定子材料の最短の長さは、少なくとも1波長λに対応することを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項12】
前記固定子の前記励起部は、前記ガイドレールの2分の1上で波長の4分の1(λ/4)の奇数倍、及び、前記ガイドレールの他の半分上でλ/4の偶数倍に延ばされる、ことを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項13】
前記ガイドレールの前記2つの半分は、中立振幅線のレベルで板バネを用いて互いから切り離されることを特徴とする、請求項12記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項14】
前記モータの共振周波数Fは、以下の式、
【数1】

で表され、
まず得られた近似の結果によるiは、Iは、定在波Iのオーダ、前記固定子の長さl、前記固定子の高さh、材料定数、弾性係数E、及び前記固定子材料の密度ρに依存することを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項15】
前記固定子歯は、前記振幅に形成されたアンチノードとノードとの間の場所にλ/2の距離に配置されることを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項16】
前記モータは、前記データ記憶媒体板の前記移動の経路の前記長さを略有することを特徴とする、請求項3記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項17】
前記固定子歯は、前記圧電モータの長手方向に溝を具備し、前記データ記憶媒体板は端部を伴って前記溝に入ることを特徴とする、請求項4記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項18】
前記運動パルスは、前記夫々のガイドレールに送信され、偏心器の機構を用いて前記ガイドレールを介して前記データ記憶媒体板に送信されることを特徴とする、請求項1記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項19】
前記偏心器の機構によって、前記ガイドレールは、回転の中心の周りで振幅するよう前記偏心器の機構によって推進され、前記ガイドレールの前記振幅は、前記データ記憶媒体板に前記移動方向の前進パルスを与えることを特徴とする、請求項18記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項20】
前記偏心器は、振幅パルスをベルトコンベヤに伝達し、前記ベルトコンベヤは、前記パルスを駆動パルスとして前記データ記憶媒体板に伝達することを特徴とする、請求項18記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項21】
前記ベルトコンベヤは、前記ベルトコンベヤの循環移動の方向に従って、前記挿入又は抜取り方向に前記データ記憶媒体板を移動させることを特徴とする、請求項20記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項22】
前記ベルトコンベヤは、前記データ記憶媒体板の前記端部がかみ合う溝付きの側面を有することを特徴とする、請求項20記載の挿入及び抜取り装置。
【請求項23】
前記構成要素の線形移動は、インパクトパルスを用いて移動される、請求項4記載の圧電モータ。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−510144(P2006−510144A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558924(P2004−558924)
【出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005556
【国際公開番号】WO2004/053865
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】