説明

回転トルク伝達装置

【課題】所定の制限トルクが加わったときに確実に伝達を遮断できるように連動部分の静的強度を低く設定できるにも係わらず、疲労破壊に至るまでの繰り返し応力の回数、即ち耐用年数を十分に長くすることが可能な回転トルク伝達装置を提供する。
【解決手段】駆動側回転体(リミッターリング6)の回転を従動側回転体(ハブ7)に回転トルクを伝達する回転トルク伝達装置において、回転トルクを伝達する機構として駆動側回転体と従動側回転体の一方に連結爪11を突設するとともに、他方に連結爪を受け入れる切欠部14を設け、連結爪と切欠部の対が円周方向の離れた位置に複数設けられ、これら連結爪と切欠部の相対位置が最初の対を基準として回転方向の逆方向に順次所定の位相角度θだけずらせて配置されている。位相角度θは連結爪の破損時の最大変位角度θdよりも大きく設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転トルク伝達装置に係わり、更に詳しくは過負荷に対してトルクリミターを備えた回転トルク伝達装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車における空調装置のためのコンプレッサーは、通常は、多重Vベルトを介して、内燃エンジンの駆動軸によって駆動されている。このコンプレッサーが何らかの理由でロックした際、このベルトは滑動し且つ通常は破壊される。このことによって、同様に他の同じベルト伝動装置内において設けられている機構ユニットも、もはや駆動されない。最も深刻な場合、ステアリングアシストが突然止まってステアリング操作に支障を来たすことが予想される。このような事態を回避するために、コンプレッサーへ回転トルクを伝達する部材の内の少なくとも1つの部材(連結部材)が、基準破断機能を備えていなければならない。この基準破断機能によって、回転トルクが過大になったとき、ベルトプーリとコンプレッサーの回転軸との間の回転トルクの伝達を解除し、該ベルトプーリが空回りしてコンプレッサーを駆動すること無しに、その他の機構ユニットに回転トルクを伝達して重要な機能を維持するのである。
【0003】
このような目的で使用する従来の回転トルク伝達装置には、特許文献1に記載されているように、想定以上の過負荷が加わった際に、ゴム製あるいは合成樹脂製の連結部材が破断することにより、トルク伝達を遮断するようにしているが、ゴム製あるいは合成樹脂製の連結部材は、その強度が温度に依存するとともに、経年変化による劣化もあり、それらが基準破断機能に大きな影響を与えることになる。従って、この基準破断機能は、大きなばらつきの支配下にある。
【0004】
特許文献2には、外部駆動源により回転駆動される円環状の第1回転体と、第1回転体に内嵌合する円板状の第2回転体と、第1回転体と第2回転体とを連結する黒鉛材又は焼成材からなる連結部材とを備え、第1回転体から第2回転体へ伝達されるトルクが過大になると、連結部材が破壊され、第1回転体から第2回転体へのトルク伝達が遮断されるように構成された動力伝達機構であって、温度変化が激しい環境下でも、安定したトルク遮断性能を発揮できる動力伝達機構が開示されている。そして、第2回転部材の外周縁に連結部材を一体形成し、第1回転部材の内周縁に連結部材と係合する凹部を形成すること、あるいは第1回転部材の内周縁に連結部材を一体形成し、第2回転部材の外周縁に連結部材と係合する凹部を形成することが開示されている。
【0005】
特許文献3には、過負荷から保護するための機構が、2つの構造部材、即ち、連行体およびリミッターリングによって形成されており、その際、このリミッターリングが、金属、有利には焼結金属から成り、且つ、中心点に向かって半径方向に整向されたピン部を装備しており、且つ、ハブとの半径方向の形状一体化によって、回転トルクをコンプレッサー軸に対して伝達すること、および、この連行体が、このリミッターリングを被覆する合成物質によって形成されており、且つ、この連行体およびリミッターリングが、軸線方向に、このハブの上で摺動可能である回転トルク伝達装置が開示されている。
【0006】
通常、金属材料は、特定部分に繰返し応力が加えられると、原子レベルで疲労現象が生じ、微細な亀裂が発生し、その亀裂が進んで破壊に至る。そこでいかにして亀裂の発生、進展を阻止、遅延させるかが製品寿命には重要である。一方、金属材料は、静的な応力を加えても破断するが、この破断する際の最大引張り強さより小さな繰返し応力でも金属疲労は生じる。また、疲労限度未満の繰返し応力であれば、無限に加えても疲労しない。例えば、多くの鋼材の疲労限度は、引張強さの50〜60%の繰返し応力であるとされている。ここで、前述の連結部材若しくは連結体が基準破断トルクで破断するようにするには、静的強度(引張り強さ)を所定値以下になるように設定し、また正常運転時に発生する振動や回転ムラは金属疲労を生じさせる繰返し応力として作用し、この値が疲労限度未満になるように設定することが理想的な設計思想である。しかし、前述の連結部材若しくは連結体を黒鉛材又は焼成材(セラミックスや焼結金属を含む)で作製した場合、熱的な安定性は得られるものの、基準破断トルクを最適に設定し且つ疲労限度未満になるように設定することは不可能である。また、材料の引張り強さは、繰返し応力を加える回数に応じて低下することも知られている。従って、基準破断トルクが経年的に低下すると、過負荷が加わらなくても疲労破壊によって破断することになる。
【特許文献1】特開平8−135752号公報
【特許文献2】特開2004−211746号公報
【特許文献3】特開2005−201447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、内燃エンジン等の駆動軸からコンプレッサー等の機構ユニットの回転軸に回転トルクを伝達し、不意に機構ユニットの回転軸がロックして設定以上の過負荷が加わった際に、その伝達を遮断するようなトルクリミターを備えてなる回転トルク伝達装置であって、所定の制限トルクが加わったときに確実に伝達を遮断できるように連動部分の静的強度を低く設定できるにも係わらず、疲労破壊に至るまでの繰り返し応力の回数、即ち耐用年数を十分に長くすることが可能な回転トルク伝達装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題解決のために、駆動側回転体と従動側回転体とを連結し、駆動側回転体の回転を従動側回転体に回転トルクを伝達する回転トルク伝達装置において、回転トルクを伝達する機構として駆動側回転体と従動側回転体の一方に連結爪を突設するとともに、他方に該連結爪を受け入れる切欠部を設け、該連結爪と切欠部の対が円周方向の離れた位置に複数設けられ、これら連結爪と切欠部の相対位置が最初の対を基準として回転方向の逆方向に順次所定の位相角度θだけずらせて配置されていることを特徴とする回転トルク伝達装置を構成した(請求項1)。
【0009】
ここで、前記位相角度θが、前記連結爪の破損時の最大変位角度θdよりも大きく設定されていることが好ましい(請求項2)。
【0010】
また、前記駆動側回転体は、中央部に円孔を有する円環状の部材の外周部に、駆動側の回転に対して一体化する固定部を設けるとともに、内周部に複数の連結爪を突設したものであり、前記従動側回転体は、中心部に従動側の回転に対して一体化する連結部を設けるとともに、前記駆動側回転体の円孔に嵌挿する円柱部の外周部に前記連結爪を係合する切欠部を設けてなることが好ましい(請求項3)。
【0011】
そして、前記連結爪と切欠部を3対設けてなることが好ましい(請求項4)。
【0012】
また、複数対の前記連結爪と切欠部が同時に接触して回転トルクを伝達してなることも好ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0013】
以上にしてなる請求項1に係る発明の回転トルク伝達装置は、連結爪と切欠部の対からなる回転トルクを伝達する最初の部位が疲労によって寿命に達して破損した後、最初の対を基準として回転方向の逆方向に位相角度θだけずらせて配置された2番目の部位が機能を始めて回転トルクを伝達し、以下(N−1)番目の部位が疲労によって寿命に達して破損した後、N番目の部位が機能し始めることにより、疲労による寿命を複数倍に伸ばすことができ、しかも各部位は独立して回転トルクを伝達するので、機能している部位に所定の制限トルクが加わったときに該部位とそれ以降の部位が順次破損して確実に伝達を遮断できるのである。
【0014】
請求項2によれば、前記位相角度θが、前記連結爪の破損時の最大変位角度θdよりも大きく設定されているので、回転トルクを伝達する連結爪と切欠部の各対に対する所定の制限トルクを正確に設定でき、また疲労限界に達して最初の対による回転トルクの伝達機能が失われた後に、2番目の対が回転トルクの伝達機能を引き継ぎ、以下同様に順次引き継ぐので、疲労による寿命を連結爪と切欠部の対の個数倍(N倍)に伸ばすことができる。
【0015】
請求項3によれば、駆動側回転体の内周部に突設した複数の連結爪を、従動側回転体の円柱部の外周部に設けた切欠部に係合する構造であるので、通常運転時には駆動側回転体から従動側回転体に連結爪を介して回転トルクを確実に伝達することができ、また連結爪は切欠部内で相対的に軸方向へ移動を許容しているので、軸方向の振動に対して耐久性が高くなる。また、疲労によって寿命に達して破損した連結爪は、駆動側回転体から完全に分断されることなく、従動側回転体の切欠部内に止まるので、それ以降の連結爪による回転トルクの伝達に支障がないのである。更に、駆動側回転体の円孔に、従動側回転体の円柱が嵌挿するので、半径方向の変位を規制することができるので、確実に回転トルクを伝達することができる。
【0016】
請求項4によれば、連結爪と切欠部を3対設けているので、疲労による寿命を3倍に伸ばすことができ、部材の静的強度と破壊強度のバランスを良好に保ち、理想的な構造設計が可能となる。
【0017】
請求項5によれば、複数対の前記連結爪と切欠部が同時に接触して回転トルクを伝達するので、各連結爪の強度を下げることができるので、連結爪を形成する部分の肉厚を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。本実施形態では、自動車における空調装置のためのコンプレッサーに適用した例を示す。図1及び図2は本発明に係る回転トルク伝達装置の分解斜視図、図3はその組立状態の断面図を示し、図中符号1はベルトプーリ、2はスリーブ、3は軸受、4はコンプレッサーケーシング、5は連行体、6はリミッターリング(駆動側回転体)、7はハブ(従動側回転体)をそれぞれ示している。
【0019】
前記ベルトプーリ1は、図1及び図3に示すように、図示しないコンプレッサー本体から延びた筒状のコンプレッサーケーシング4に、軸受3とスリーブ2とを介して回転可能に支持されている。また、前記ベルトプーリ1には、衝撃を吸収する弾性部材8,…を介して連行体5が連結され、更に該連行体5の内周部には前記リミッターリング6が回転に対して一体となるように連結されている。そして、前記リミッターリング6は、コンプレッサーの回転軸(図示せず)を連結する前記ハブ7を連動させている。
【0020】
そして、前記リミッターリング6からハブ7へ伝達する回転トルクが所定の制限トルクを超えた際に、両部材間のトルク伝達部位が破損して回転トルクの伝達を遮断する機能、つまりトルク制限機構を構成している。更に詳しくは、内燃エンジン等の駆動軸から前記ベルトプーリ1を介してコンプレッサーやその他の機構ユニットの回転軸に回転トルクを伝達する際、コンプレッサーに何らかの異常が発生して、その回転軸がロックして設定以上の過負荷が加わった際に、その伝達を遮断してコンプレッサーの回転軸が空回りするようにし、他の重要な機構ユニットへの回転トルクの伝達を妨げないようにするのである。
【0021】
更に詳しくは、前記リミッターリング6(駆動側回転体)は、中央部に円孔9を有する円環状の部材の外周部に、駆動側に回転に対して一体化する固定部10を設けるとともに、内周部に複数の連結爪11,…を中心点に向かって半径方向に突設したものである。また、前記ハブ7(従動側回転体)は、中心部に従動側の回転に対して一体化する連結部12を設けるとともに、前記リミッターリング6の円孔9に嵌挿する円柱部13の外周部に前記連結爪11,…を係合する切欠部14,…を設けている。そして、前記連結爪11と切欠部14の対が本発明における回転トルクを伝達する部位となる。また、本実施形態では、前記連結爪11と切欠部14を3対設け、略等間隔で略120°の回転角度の位置に設けている。
【0022】
ここで、前記リミッターリング6の固定部10は、外周部に等間隔で設けた半円柱状の係合凹部であり、前記連行体5の内周部に設けた突起15,…に係合し、回転に対して固定的に連結するとともに、軸方向への移動は許容するようになっている。
【0023】
本発明において、前記リミッターリング6の材質は特に限定されず、従来から使用されている黒鉛材又は焼成材(セラミックスや焼結金属を含む)、あるいは高分子材料等を用いることができる。
【0024】
本発明では、回転トルクを伝達する機構として連結爪11と切欠部14の対とし、連結爪11と切欠部14の対が円周方向の離れた位置に複数設けられ、これら連結爪11と切欠部14の相対位置が最初の対を基準として回転方向の逆方向に順次所定の位相角度θだけずらせて配置されているのである。つまり、図4に示すように、前記リミッターリング6の連結爪11,…の配置は、基準となる第1の連結爪11Aに対して、第2の連結爪11Bは120°+θだけ離れた回転角度位置に設け、第3の連結爪11Cは第2の連結爪11Bに対して120°+θだけ離れた回転角度位置に設けている。それに対して、図5に示すように、前記ハブ7の切欠部14,…は、正確に120°だけ離れた回転角度位置に設けている。尚、図4及び図5中の記号Pは回転方向を示している。
【0025】
ここで、前記位相角度θは、前記連結爪11の破損時の最大変位角度θdよりも大きく設定されている。図6に示されるように、前記連結爪11に加わる回転トルクによる静的応力を徐々に増加させていくとき、この連結爪11の回転方向の変位(歪み)が比例して増加するが、ある回転トルクを超えると変位が急激に増大し、やがて連結爪11が破損して、それ以降は回転トルクの伝達が不可能になる。前述の最大変位角度θdは、図6に示しているように、回転トルクの伝達の限界における変位(回転角度)として定義されている。
【0026】
具体的には、所定の位相角度θと回転トルクを伝達する部位(連結爪11と切欠部14の対)の破損時の最大変位角度θdとの関係が、θd×1.0<θ<θd×1.5であるように設定することが好ましい。このように設定することにより、(N−1)番目の部位が疲労によって寿命に達して破損した後、N番目の部位が機能し始める際に、N番目の部位に対する衝撃力を緩和することができ、設計通りの寿命を達成できるのである。
【0027】
本実施形態では、先ずリミッターリング6の第1連結爪11Aの回転方向の端面が、ハブ7の第1切欠部14Aの回転方向端面に当接して回転トルクを伝達する。このとき、第1連結爪11Aは、繰返し応力によって疲労が徐々に進行するが、その他の第2連結爪11B及び第3連結爪Cは全く応力が作用しないので疲労は進行しない。その後、第1連結爪11Aが疲労破壊すると、第1連結爪11Aは最大変位角度θdよりも変形し、その直後に第2連結爪11Bが第2切欠部14Bに当接して回転トルクを伝達し始める。このとき、第2連結爪11Bは、繰返し応力によって疲労が徐々に進行するが、その他の第3連結爪Cは全く応力が作用しないので疲労は進行しない。その後、第2連結爪11Bが疲労破壊すると、第2連結爪11Bは最大変位角度θdよりも変形し、その直後に第3連結爪11Cが第3切欠部14Cに当接して回転トルクを伝達し始める。そして、第3連結爪11Cも疲労破壊すると、製品としての寿命によってもはや使用不能となる。
【0028】
一方、各連結爪11,…は、所定の制限トルクを超える回転トルクが加わったときに破損するように設計され、しかも各連結爪11,…が所定の位相角度θを有するように設けているので、製品寿命になるまでの任意の時点で、コンプレッサーの回転軸がロックして設定以上の過負荷が加わった際に残っている全ての連結爪11,…が、順次に間髪をいれずに破損するのである。
【0029】
本実施形態では、前記連結爪11と切欠部14を3対設けたが、2対以上であれば本発明の範疇である。また、前記連結爪11をハブ7に設け、前記切欠部14をリミッターリング6に設けても良い。更に、連結爪11と切欠部14の形状は、静的破壊強度や疲労破壊強度の要求に応じて適宜変更し得るものである。
【0030】
図7及び図8は、リミッターリング6とハブ7の他の実施形態を示している。本実施形態は、複数対の前記連結爪11と切欠部14が同時に接触して回転トルクを伝達する構造のものである。本実施形態では、リミッターリング6は、180°離れた対角位置、即ち中心Oを通る直径の両側位置にある二つの連結爪11,11を対とし、これを3対設け、連結爪11は合計6個設けている。同様に、ハブ7は、180°離れた位置にある二つの切欠部14,14を対とし、これを3対設け、切欠部14は合計6個設けている。即ち、図7に示したリミッターリング6には、同時に機能することを明示するために同一符号を付して、連結爪11A,11A、連結爪11B,11B、連結爪11C,11Cと表している。同様に、図8に示したハブ7には、切欠部14A,14A、切欠部14B,14B、切欠部14C,14Cと表している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る回転トルク伝達装置の分解斜視図である。
【図2】同じく要部の拡大斜視図である。
【図3】同じく組立状態の断面図である。
【図4】リミッターリングの平面図である。
【図5】ハブの平面図である。
【図6】回転トルクを伝達する部位の破損時の最大変位角度θdを説明するための変位と回転トルクの関係を示すグラフである。
【図7】他の実施形態のリミッターリングの平面図である。
【図8】他の実施形態のハブの平面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ベルトプーリ
2 スリーブ
3 軸受
4 コンプレッサーケーシング
5 連行体
6 リミッターリング
7 ハブ
8 弾性部材
9 円孔
10 固定部
11 各連結爪
11A 第1連結爪
11B 第2連結爪
11C 第3連結爪
12 連結部
13 円柱部
14 切欠部
14A 第1切欠部
14B 第2切欠部
14C 第3切欠部
15 突起


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動側回転体と従動側回転体とを連結し、駆動側回転体の回転を従動側回転体に回転トルクを伝達する回転トルク伝達装置において、回転トルクを伝達する機構として駆動側回転体と従動側回転体の一方に連結爪を突設するとともに、他方に該連結爪を受け入れる切欠部を設け、該連結爪と切欠部の対が円周方向の離れた位置に複数設けられ、これら連結爪と切欠部の相対位置が最初の対を基準として回転方向の逆方向に順次所定の位相角度θだけずらせて配置されていることを特徴とする回転トルク伝達装置。
【請求項2】
前記位相角度θが、前記連結爪の破損時の最大変位角度θdよりも大きく設定されている請求項1記載の回転トルク伝達装置。
【請求項3】
前記駆動側回転体は、中央部に円孔を有する円環状の部材の外周部に、駆動側の回転に対して一体化する固定部を設けるとともに、内周部に複数の連結爪を突設したものであり、前記従動側回転体は、中心部に従動側の回転に対して一体化する連結部を設けるとともに、前記駆動側回転体の円孔に嵌挿する円柱部の外周部に前記連結爪を係合する切欠部を設けてなる請求項1又は2記載の回転トルク伝達装置。
【請求項4】
前記連結爪と切欠部を3対設けてなる請求項3記載の回転トルク伝達装置。
【請求項5】
複数対の前記連結爪と切欠部が同時に接触して回転トルクを伝達してなる請求項3又は4記載の回転トルク伝達装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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