説明

回転体駆動装置、転写装置及び画像形成装置

【課題】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられた回転体を駆動する回転体駆動装置であって、回転体を被当接体に接離させるように構成されていながらも、回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を緩和ないし解消するとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略可能な回転体駆動装置、この回転体駆動装置を有し感光体等の像担持体上の像をこの像担持体と回転体との間のニップ部において像担持体に転写する転写装置及びかかる回転体駆動装置またはかかる転写装置を有する画像形成装置の提供。
【解決手段】回転体69を支持した支持体51と、支持体51を変位させて回転体69を被当接体11に接離させる変位手段53と、回転体69の駆動源41を備えた駆動手段54とを用い、駆動手段54を支持体51で支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられた回転体を駆動する回転体駆動装置、この回転体駆動装置を有し感光体等の像担持体上の像をこの像担持体と回転体との間のニップ部において像担持体に転写する転写装置及びかかる回転体駆動装置またはかかる転写装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置には、転写ローラ等の種々の回転体が備えられているとともに、このような回転体を転写ベルト等の被当接体に接離させる構成が知られている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。このような構成においては、たとえば回転体が転写ローラであり非当接体が転写ベルトである場合など、回転体を長手方向において被当接体に均一に当接させることが重要な場合があるため、かかる構成において、回転体を保持した保持部材を備え、この保持部材を、回転体が被当接体に均一に当接するようにスプリング等で支持した構成が提案されている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。従来のこのような構成では、回転体の駆動源が、回転体を支持した部材と異なる部分に配設されている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、回転体の駆動源が、回転体を支持した部材と異なる部分に配設されている場合には、この駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構が必須となるが、このような機構を備えていると、回転体が保持部材によって被当接体に接離されるように構成されていることとの関係から、駆動源が動作し、被当接体に当接した状態の回転体を回転駆動しようとしたときに、駆動源によって形成された駆動トルクにより、被当接体に対する回転体の圧力偏差が長手方向において生じるという問題がある。また、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を必須とするため、かかる構成が比較的複雑となり、装置の大型化、高コスト化を生じ得るという問題もある。
【0004】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられた回転体を駆動する回転体駆動装置であって、回転体を被当接体に接離させるように構成されていながらも、回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を緩和ないし解消するとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略可能な回転体駆動装置、この回転体駆動装置を有し感光体等の像担持体上の像をこの像担持体と回転体との間のニップ部において像担持体に転写する転写装置及びかかる回転体駆動装置またはかかる転写装置を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、回転体を支持した支持体と、この支持体を変位させて回転体を被当接体に接離させる変位手段と、回転体の駆動源を備えた駆動手段とを有し、前記駆動手段を前記支持体で支持した回転体駆動装置にある。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回転体駆動装置において、前記駆動源で回転体を直接駆動することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の回転体駆動装置において、前記変位手段は、回転体を、前記被当接体に向けた方向に、あるいは前記被当接体から離間する方向に付勢する複数の付勢部材を有し、この複数の付勢部材のそれぞれの付勢力を、前記駆動手段の重さによらず回転体が被当接体に均一に当接するように設定したことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の回転体駆動装置において、前記支持体に配設され、前記駆動手段の重さによらず回転体を被当接体に均一に当接させるためのカウンターバランスを有することを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の回転体駆動装置と、この回転体駆動装置によって駆動される回転体とを有し、被当接体が像担持体であり、この像担持体と前記回転体とによって形成されるニップ部に記録媒体を通して前記像担持体上の像を記録媒体に転写する転写装置にある。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の回転体駆動装置、または、請求項5記載の転写装置を有する画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、回転体を支持した支持体と、この支持体を変位させて回転体を被当接体に接離させる変位手段と、回転体の駆動源を備えた駆動手段とを有し、前記駆動手段を前記支持体で支持した回転体駆動装置にあるので、回転体を変位手段により被当接体に接離させるように構成しながら、駆動手段による回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を緩和ないし解消するとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略可能であり、構造を簡易化、小型化、低廉化可能な回転体駆動装置を提供することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、前記駆動源で回転体を直接駆動するので、回転体を変位手段により被当接体に接離させるように構成しながら、駆動手段による回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を緩和ないし解消するとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略し、構造を簡易化、小型化、低廉化した回転体駆動装置を提供することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、前記変位手段は、回転体を、前記被当接体に向けた方向に、あるいは前記被当接体から離間する方向に付勢する複数の付勢部材を有し、この複数の付勢部材のそれぞれの付勢力を、前記駆動手段の重さによらず回転体が被当接体に均一に当接するように設定したので、回転体を変位手段により被当接体に接離させるように構成しながら、駆動手段による回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を、付勢部材の付勢力の設定によってより高度に緩和ないし解消するとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略可能であり、構造を簡易化、小型化、低廉化可能な回転体駆動装置を提供することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、前記支持体に配設され、前記駆動手段の重さによらず回転体を被当接体に均一に当接させるためのカウンターバランスを有するので、回転体を変位手段により被当接体に接離させるように構成しながら、駆動手段による回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を、カウンターバランスを設けることでより高度に緩和ないし解消するとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略可能であり、構造を簡易化、小型化、低廉化可能な回転体駆動装置を提供することができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、かかる回転体駆動装置と、この回転体駆動装置によって駆動される回転体とを有し、被当接体が像担持体であり、この像担持体と前記回転体とによって形成されるニップ部に記録媒体を通して前記像担持体上の像を記録媒体に転写する転写装置にあるので、回転体を変位手段により被当接体に接離させるように構成しながら、駆動手段による回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を緩和ないし解消することで、長手方向における転写性を均一化して転写性能を向上するとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略可能であり、構造を簡易化、小型化、低廉化可能な転写装置を提供することができる。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、かかる回転体駆動装置、または、かかる転写装置を有する画像形成装置にあるので、回転体を変位手段により被当接体に接離させるように構成しながら、駆動手段による回転体の駆動時における被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を緩和ないし解消することで、画像品質を向上可能であるとともに、駆動源の駆動力を回転体に伝達する機構を省略可能であり、構造を簡易化、小型化、低廉化可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた回転体駆動装置、転写装置の概略正断面図である。
【図3】図2に示した回転体駆動装置、転写装置の概略平断面図である。
【図4】図1に示した画像形成装置に備えられた回転体駆動装置、転写装置の他の構成例の概略正断面図である。
【図5】従来の回転体駆動装置、転写装置の概略正面図である。
【図6】従来の回転体駆動装置、転写装置の概略平断面図である。
【図7】従来の回転体駆動装置、転写装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、カラーレーザプリンタであるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
【0019】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な第1の像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
【0020】
表面移動部材たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100の本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、第2の像担持体としての中間転写体である転写ベルト11の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
【0021】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための画像形成ユニット画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
【0022】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端のベルトとして構成された転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
【0023】
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、記録媒体である転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式の画像形成装置となっている。
【0024】
転写ベルト11は、その上側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写部58を形成している。
【0025】
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された1次転写装置としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
【0026】
転写ベルト11は、ベース層を伸びの少ない材質で構成し、ベース層の表面を平滑性の良い材質によって覆ったコート層とし、ベース層にコート層を重ねて形成した多層構造となっている。ベース層の材質としては、たとえばフッ素樹脂、PVDシート、ポリイミド系樹脂が挙げられる。コート層の材質としては、たとえばフッ素系樹脂等が挙げられる。
【0027】
転写ベルト11は、その縁部にそれぞれ、寄り止め部材としての図示しない寄り止めガイドを有している。寄り止めガイドは、転写ベルト11がA1方向に回転するときに、図1における紙面と垂直な何れかの方向に偏倚することを防止するために配設されている。寄り止めガイドは、ウレタンゴム製であるが、その他、シリコンゴムなど各種ゴム材料により構成することができる。
【0028】
画像形成装置100は、本体99内に、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の下側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60Mの上方と画像形成ユニット60C、60BKの上方とにそれぞれ対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニット光書き込み装置としての露光装置たる光走査装置8とを有している。
【0029】
画像形成装置100はまた、本体99内に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙カセットとしてのシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出すレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0030】
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、2次転写部57を経た記録紙Sを定着装置6に搬送するベルト搬送装置87と、定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙ローラ7と、本排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する排紙部としての排紙トレイ17と、本体99の上部に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKとを有している。
【0031】
画像形成装置100はまた、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する図示しないCPU、メモリ等を含む制御手段64とを有している。
【0032】
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ33、66、67、75と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13とを有している。
【0033】
転写ベルトユニット10はまた、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。
【0034】
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、66、67、75は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、張架ローラ75相互間に張り渡した部分において形成されている。張架ローラ75は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
【0035】
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
【0036】
張架ローラ33は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
張架ローラ66は、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
【0037】
クリーニング装置13は、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブレード76と、A1方向においてクリーニングブレード76より上流側においてクリーニング対向ローラ74に対向する転写ベルト11に対向して配設されたブラシローラ68と、クリーニングブレード76及びブラシローラ68をその内部に収容したケース77とを有している。
【0038】
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をブラシローラ68及びクリーニングブレード76で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングする。クリーニング装置13は、後述するプロセスコントロール時に画像形成ユニット60BK、60Y、60M、60Cにおいて形成され転写ベルト11上に転写された各色の基準パターンである基準トナー像もクリーニングするようになっている。
【0039】
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に多段で配設されている。多段のシート給送装置61により、本体99の底部にペーパーバンク31が形成されている。
【0040】
シート給送装置61は、最上位の転写紙Sの上面に押圧される給紙ローラとしての給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61から送り出された転写紙Sは、給紙路32を経てレジストローラ対4に至り、レジストローラ対4のローラ間に挟まれる。
【0041】
2次転写装置5は、張架ローラ33に対向して配置されている。図2または図3に示すように、2次転写装置5は、張架ローラ33との間で転写ベルト11を挟むようにして配設された回転体としての2次転写ローラ69と、2次転写ローラを駆動する回転体駆動装置51と、2次転写ローラ69に2次転写を行うための電圧を印加する図示しない電源とを有している。なお、図2は図3のA−A断面となっている。
【0042】
2次転写装置5は、2次転写ローラ69を転写ベルト11に当接させることによって、2次転写部57であるニップ部を形成するようになっており、このニップ部である2次転写部57に転写紙Sを通して、転写ベルト11上のトナー像を転写紙Sに転写するようになっている。
【0043】
回転体駆動装置51は、2次転写ローラ69を、転写ベルト11との対向位置でA1方向に沿って回転駆動するとともに、後述するプロセスコントロール時等において転写ベルト11から離間するなど、転写ベルト11に接離するようになっているが、その詳細については後述する。
【0044】
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ91と、加熱ローラ91に巻き掛けられた定着ベルト92と、加熱ローラ91とともに定着ベルト92を巻き掛けた定着ローラ93及び補助ローラ95と、定着ローラ93との間で定着ベルト92を圧接する加圧ローラ94とを有しており、トナー像を担持したシートを定着ベルト92と加圧ローラ94との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像をシートの表面に定着するようになっている。
【0045】
光走査装置8は、画像形成装置100の外部から入力される画像情報に従ってレーザ光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに照射する。なお、画像形成装置100が複写機である場合には、光走査装置8は、その複写機に備えられた原稿読取装置におけるコンタクトガラス上にセット等された原稿が、コピースイッチの押下などをトリガーとして、光学的に読み取られ、これによって生成された画像情報に従って、レーザ光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに照射し、静電潜像を形成する。
【0046】
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、重合トナーであって、図示しない搬送経路を経て、所定の補給量だけ、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
【0047】
画像形成ユニット60BK、60Y、60M、60Cについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像形成ユニット60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像形成ユニットの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像形成ユニット60BKの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像形成ユニットの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にBK、Y、M、Cが付されたものはそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
【0048】
画像形成ユニット60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Yと、除電手段としての図示しない除電装置と、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Yと、2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Yとを有している。
【0049】
感光体ドラム20Yは、駆動装置によって駆動されB1方向に所定の周速度で回転する。
クリーニング装置71Yは感光体ドラム20Yに当接した図示しないクリーニングブレードを備えており、1次転写ローラ12Yによる1次転写後に感光体ドラム20Y上に残留しているトナーをクリーニングブレードによって感光体ドラム20Yから掻き落として除去し感光体ドラム20Yをクリーニングする。
【0050】
除電装置は、クリーニング装置71Yによりクリーニングされた感光体ドラム20Y表面に残留している電荷を除去して感光体ドラム20Yの表面電位を初期化する除電ランプを備えている。
帯電装置79Yは、除電装置によって除電された感光体ドラム20Y表面を一様に帯電させる。
【0051】
現像装置80Yは、感光体ドラム20Yに対向し現像剤中に含まれるトナーを感光体ドラム20Yに供給する現像領域において、光走査装置8によって形成された静電潜像を構成する非画像部と画像形成部とのうち、画像形成部にのみトナーを付着させて静電潜像を現像し、感光体ドラム20Y表面にトナー像を形成する。
【0052】
このような構成の画像形成装置100において、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、66、67、75が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
【0053】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのレーザ光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
【0054】
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に転写され、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
【0055】
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力、あるいは画像形成装置100が複写機である場合にはコピースイッチの押下等に伴い、ペーパーバンク31に備えられたシート給送装置61のいずれかが選択され、選択されたシート給送装置61に備えられた給送ローラ3が回転して転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して給紙路32に送り込み、給紙路32に送り込まれた転写紙Sは図示しない搬送ローラでさらに搬送されレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
【0056】
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧及び電源によって形成されたバイアスの作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。この2次転写は、後述するように、良好に行われる。
【0057】
転写紙Sはベルト搬送装置87によって定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ベルト92と加圧ローラ94との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。
【0058】
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。
【0059】
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
【0060】
2次転写を終えた2次転写部57通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニングブレード76によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
【0061】
一方、画像形成装置100においては、ユーザ指定の画像形成のほかに、いわゆるプロセスコントロール時における基準トナー像の画像形成が行われる。プロセスコントロールは、画像形成装置100の各部の経時的変化等による画像形成性能の変化を是正して、経時的に均一な画像を形成するために、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKにトナー像を形成する条件、言い換えると画像形成条件、すなわちたとえば帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの帯電電位、現像装置80Y、80M、80C、80BKにおける現像バイアス等、トナー濃度等による現像性能、光走査装置8におけるレーザ光の強度言い換えると潜像書込強度による画像形成部の電位等を制御するものである。
【0062】
2次転写装置5は、このようなプロセスコントロール時の他、メンテナンスの際などに、回転体駆動装置51により、2次転写ローラ69を、転写ベルト11から離間させる。図2または図3に示すように、回転体駆動装置51は、2次転写ローラ69を回転自在に支持し保持した支持体としての保持部材52と、保持部材52を変位させることで2次転写ローラ69を変位させて転写ベルト11に接離させる変位手段53と、2次転写ローラ69を回転駆動させる駆動手段54とを有している。
【0063】
保持部材52は、2次転写ローラ69の各端部に対向しこの各端部を回転自在に支持した一対の支持部52aを有している。各支持部52aは、2次転写ローラ69の回転軸69aを回転自在に支持している。
【0064】
変位手段53は、保持部材52を、本体99と一体で不動の側板99aに回動自在に支持した支持軸49と、2次転写ローラ69を転写ベルト11に向けた方向に付勢するための付勢部材としての押圧バネであるバネ55と、保持部材52に当接したカム56と、カム56を回転駆動するモータ59とを有している。側板99aは、各支持部52の外側面にそれぞれ対向するように一対備えられている。
【0065】
支持軸49は、給紙路32における転写紙Sの搬送方向において2次転写部57より下流側の位置で各支持部52及び各側板99aを貫くように配設されている。支持軸49は、2次転写ローラ69と平行に配設されている。言い換えると支持軸49の長手方向と2次転写ローラ69の長手方向とは一致している。これら長手方向は、図2において紙面に垂直な方向であり、図3において紙面の上下方向である。
【0066】
バネ55は、各側板99aに下方から当接するように一対備えられており、保持部材52を、支持軸49を中心に図2において反時計回り方向に付勢することで、2次転写ローラ69を転写ベルト11に向けた方向に付勢している。
カム56は、モータ59によって回転駆動される回転軸56aを有しており、外周面が一方の支持部52aの上縁に当接している。
モータ59は、制御手段64によって駆動を制御される。
バネ55と、カム56と、モータ59とは、2次転写ローラ69を転写ベルト1に所定の圧力で押圧させる押圧手段47を構成している。
なお、図3においてはバネ55等の図示を省略している。
【0067】
制御手段64は、2次転写ローラ69を転写ベルト11に当接させるべきときは、モータ59を駆動することによって図2に示すようにカム56の小径部を一方の支持部52aの上縁に当接させ、バネ55の付勢力によって2次転写ローラ69を転写ベルト11に当接させる。制御手段64は、2次転写ローラ69を転写ベルト11から離間させるべきときは、モータ59を駆動することによってバネ55の付勢力に抗してカム56の大径部を一方の支持部52aの上縁に当接させ、2次転写ローラ69を転写ベルト11から離間させる。この点、制御手段64は、回転体接離制御手段として機能する。また、転写ベルト11は2次転写ローラ69を当接される被当接体となっている。
【0068】
駆動手段54は、2次転写ローラ69を回転駆動する駆動源であるモータ41と、モータ41の出力軸41aに一体化され出力軸41aを回転中心として回転するギヤ42と、回転軸69aに一体化され回転軸69aを回転中心として回転する、ギヤ42に噛合したギヤ43とを有している。
【0069】
モータ41は、一方の支持部52aの内側面に固定支持されている。モータ41は、制御手段64によって駆動を制御される。この点、制御手段64は、回転体回転制御手段として機能する。ギヤ42、43は何れも、一方の支持部52aの外側面側に位置し、一方の側板99aの内側面側に位置している。
【0070】
モータ41の駆動力は、モータ41に一体のギヤ42と、2次転写ローラ69に一体のギヤ43とにより、2次転写ローラ69に直接伝達される。すなわち、回転体駆動装置51は、2次転写ローラ69をモータ41で直接駆動するようになっている。よって、回転体駆動装置51は、モータ41の駆動力を2次転写ローラ69に伝達するための機構を備えておらず、構成が簡易であり、回転体駆動装置51、ひいては2次転写装置5、さらには画像形成装置100の小型化、低廉化を可能としている。
【0071】
これを可能としているのは、モータ41を、2次転写ローラ69を支持した保持部材52に設けたことによるものである。そして、このことはさらに、モータ41が動作し、転写ベルト11に当接した状態の2次転写ローラ69を回転駆動したときに、転写ベルト11に対する2次転写ローラ69の圧力であるニップ圧が、2次転写ローラ69の長手方向において均一であり、モータ41によって形成された駆動トルクが、2次転写ローラ69の長手方向において均一に作用することにも寄与している。なお、転写ベルト11に対する2次転写ローラ69の圧力であるニップ圧が、2次転写ローラ69の長手方向において均一であるとは、転写ベルト11に対する2次転写ローラ69の圧力偏差が、転写に与える影響たとえばトナー像の濃度差が無視される程度以上となるように、長手方向において防止ないし抑制されていることをいう。
【0072】
このような、モータ41を、2次転写ローラ69を支持した保持部材52に設けたことの意義を、以下、図5ないし図7に示した従来の構成例について説明することにより明らかにする。なお、これらの図において、2次転写装置5の構成に対応する構成については、2次転写装置5の構成に付した符号を付して適宜説明を省略する。なお、これらの図に示された構成に付された符号が2次転写装置5の構成に付された符号と同じであることは、必ずしも、これらの図に示された構成が2次転写装置5の構成と同じ機能を発揮することを意味するものではない。また、図6においてはバネ55、カム56等の図示を省略しており、図7においては転写ベルト11等の図示を省略している。
【0073】
これらの図において、とくに図6に示されているように、モータ41は、一方の側板99aに固定されている。そのため、保持部材52に保持されている2次転写ローラ69を回転駆動するために、ギヤ42に噛合した、一方の側板99aに支持されたギヤ44と、支持軸49に配設されギヤ44及びギヤ43に噛合したギヤ45とを有する伝達機構46を備えている。この伝達機構46は、モータ41の駆動力を2次転写ローラ69に伝達するために必須の機構であり、よって、2次転写ローラ69はモータ41に間接的にのみ駆動可能となっている。そのため、回転体駆動装置51、2次転写装置5と異なり、モータ41が動作し、転写ベルト11に当接した状態の2次転写ローラ69を回転駆動しようとすると、モータ41によって形成された駆動トルクにより、転写ベルト11に対する2次転写ローラ69の圧力偏差が長手方向において生じ、出力画像であるトナー像の、長手方向における濃度差が生じてしまう。また、伝達機構46により、構成が比較的複雑となり、装置の大型化、高コスト化が生じ得る。
【0074】
これに対して、回転体駆動装置51、2次転写装置5では、上述したように、転写ベルト11に対する2次転写ローラ69の圧力が、2次転写ローラ69の長手方向において均一となり、この長手方向における転写性に偏差が生じず、また生じても無視される程度となる。また、伝達機構46のような機構が必須でないため、構成の簡易化が可能であり、また、回転体駆動装置51、ひいては2次転写装置5、さらには画像形成装置100の小型化、低廉化が可能である。
【0075】
回転体駆動装置51、2次転写装置5は、かかる圧力偏差をより高度に防止ないし抑制するために、モータ41を含む駆動手段54が一方の支持部52aに設けられていることによる長手方向における重量偏差すなわち荷重偏差を解消すべく、図4に示すように、カウンターバランス48を備えていても良い。このカウンターバランス48は、他方の支持部52aの内側面の、長手方向におけるモータ41の配設位置の延長線上に位置している。このように、カウンターバランス48を配設することにより、モータ41を含む駆動手段54が一方の支持部52aに設けられていることによる長手方向における重量偏差すなわち荷重偏差が解消ないし抑制され、かかる圧力偏差をより高度に防止ないし抑制される。カウンターバランス48は、駆動手段54の構成要素のうち一般に重量が最も大きいモータ41の重量を少なくとも考慮したものであることが望ましいが、ギヤ42、43の重量をも考慮したものであるとより望ましい。
【0076】
回転体駆動装置51、2次転写装置5は、かかる圧力偏差をより高度に防止ないし抑制するために、モータ41を含む駆動手段54が一方の支持部52aに設けられていることによる長手方向における重量偏差すなわち荷重偏差を解消すべく、カウンターバランス48を設けることに代えて、またはカウンターバランス48を設けることとともに、各バネ55のそれぞれの付勢力を調整するようにしても良い。たとえば、一方の支持板52aに当接しているバネ55の付勢力を、他方の支持板52aに当接しているバネ55の付勢力よりも大きくする。各バネ55のそれぞれの付勢力を、モータ41を含む駆動手段54の重さによらず2次転写ローラ69が転写ベルト11に均一に当接するように設定することで、モータ41を含む駆動手段54が一方の支持部52aに設けられていることによる長手方向における重量偏差すなわち荷重偏差を解消ないし抑制し、かかる圧力偏差をより高度に防止ないし抑制する。バネ55の付勢力の設定は、駆動手段54の構成要素のうち一般に重量が最も大きいモータ41の重量を少なくとも考慮したものであることが望ましいが、ギヤ42、43の重量をも考慮したものであるとより望ましい。
【0077】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0078】
たとえば、2次転写装置5は、ベルト搬送装置87の機能を兼ねたものでも良く、この場合のように、被当接体に接離される回転体はローラ状でなくベルト状であっても良い。また、被当接体は、転写ベルト11のように2次転写される像を担持する中間転写体のような像担持体でなく感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのような、1次転写される像を担持する潜像担持体のような像担持体であっても良い。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKが被当接体である場合には1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKが回転体となる。被当接体は転写ベルト11のようにベルト状でなく、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのようにローラ状であっても良い。
【0079】
被当接体は、像担持体でなくとも良い。たとえば、定着装置6に本発明を適用し、定着ベルト92を被当接体、加圧ローラ94を回転体とするような場合である。この場合、被当接体に対する回転体の圧力であるニップ圧が、回転体の長手方向において均一であるようにされる。この均一とは、被当接体に対する回転体の圧力偏差が、定着に与える影響たとえばトナー像の融着の度合いが無視される程度以上となるように、長手方向において防止ないし抑制されていることをいう。
【0080】
その他、バネ55のような付勢部材は、回転体を、被当接体に向けた方向に付勢するものに限らず、被当接体から離間する方向に付勢する方向に付勢するものであっても良い。回転体を、被当接体から離間する方向に付勢する方向に付勢するものとした場合には、被当接体に対する回転体の長手方向における圧力偏差を解消ないし抑制するためには、たとえば、上述の一方の支持板52aに当接している付勢部材の付勢力を他方の支持板52aに当接している付勢部材の付勢力より小さくする。
【0081】
以上述べた形態においては、2成分現像剤を用いているが、現像剤は、1成分現像剤であってもよい。また、本発明は、以上述べた構成例を適用可能な範囲で、画像形成装置100のようないわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができ、また、カラー画像形成装置でなく、モノクロ画像形成装置にも適用することができる。いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像を転写紙等に直接転写しても良い。
【0082】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0083】
5 転写装置
11 被当接体、像担持体
41 駆動源
48 カウンターバランス
51 回転体駆動装置
52 支持体
53 変位手段
54 駆動手段
55 付勢部材
57 ニップ部
69 回転体
100 画像形成装置
S 記録媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開2009−237106号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体を支持した支持体と、
この支持体を変位させて回転体を被当接体に接離させる変位手段と、
回転体の駆動源を備えた駆動手段とを有し、
前記駆動手段を前記支持体で支持した回転体駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載の回転体駆動装置において、
前記駆動源で回転体を直接駆動することを特徴とする回転体駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の回転体駆動装置において、
前記変位手段は、回転体を、前記被当接体に向けた方向に、あるいは前記被当接体から離間する方向に付勢する複数の付勢部材を有し、この複数の付勢部材のそれぞれの付勢力を、前記駆動手段の重さによらず回転体が被当接体に均一に当接するように設定したことを特徴とする回転体駆動装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の回転体駆動装置において、
前記支持体に配設され、前記駆動手段の重さによらず回転体を被当接体に均一に当接させるためのカウンターバランスを有することを特徴とする回転体駆動装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の回転体駆動装置と、この回転体駆動装置によって駆動される回転体とを有し、
被当接体が像担持体であり、
この像担持体と前記回転体とによって形成されるニップ部に記録媒体を通して前記像担持体上の像を記録媒体に転写する転写装置。
【請求項6】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の回転体駆動装置、または、請求項5記載の転写装置を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−58288(P2012−58288A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198355(P2010−198355)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】