回転力伝達装置
本発明は、テコ作用の原理を用いてテコの一方の端に対して入力された回転力に対してテコの他方の端において単位時間当たりの回転力を増大させることができて仕事率の側面で利得が得られる回転力伝達装置を提供するためのものであり、本発明に係る回転力伝達装置は、駆動モーターと、前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する駆動回転体が回転自在に設けられる第1の配設部と、前記第1の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第2の配設部と、前記第1の配設部と前記第2の配設部との間に配備される受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第1の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第2の配設部に設けられて回動するテコと、前記テコの他方の端部に連結されて前記テコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をするアクチュエーターと、前記アクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換えて所定の負荷装置を駆動するように回転力を生じさせる回転力装置と、を備えることを特徴とする回転力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転力伝達装置に係り、さらに詳しくは、テコ作用の原理を用いて回転力を増大させることのできるテコを用いた回転力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テコは、固い棒状のものであり、この固い棒状物の一方の端部に力を加えて前記棒状物が所定の位置を中心として回動するようにして少ない力でも大きなものを動かすことができるという効果が得られるメリットを有するため、現代社会では、膨大な分野に亘って使われている単純機械のうちの一つである。
かようなテコのうち、回動中心となる個所を支点、力が加わる個所を力点、力が物体に作用する個所を作用点と称する。
【0003】
前記テコの種類は、大きく、支点が力点と作用点との間に存在する1種テコと、作用点が支点と力点との間に存在する2種テコおよび力点が支点の間に存在する3種テコに分けられる。
【0004】
かようなテコを通じた力の効率は、力点に加わる力の大きさと棒状物の移動距離、支点から力点までの距離と、支点から作用点までの距離との比率に応じて決定される。
【0005】
上述したテコ作用の原理を用いて他の物に力を作用させるためには、力点、すなわち、棒状物の一方の端部に直線方向の力を加えて力点の位置をずらすことにより、作用点に相当する棒状物の位置もずらされるとともに、その移動距離を小さくして、結果的に、作用点では力点に加わる力よりもなお一層強い力が発生する。
【0006】
かようなテコ作用の原理は、日常生活および産業現場では様々に応用されているが、これが、回転力を伝達し、且つ、該回転力を増幅して出力側において強い回転力を生じさせるような用途には使われていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、テコ作用の原理を用いてテコの一方の端に対して入力された回転力に対してテコの他方の端においてより一層大きな力が得られるようにして大きな仕事率が得られる回転力伝達装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る回転力伝達装置は、駆動モーターと、前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する駆動回転体が回転自在に設けられる第1の配設部と、前記第1の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第2の配設部と、前記第1の配設部と前記第2の配設部との間に配備される受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第1の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第2の配設部に設けられて回動するテコと、前記テコの他方の端部に連結されて前記テコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をするアクチュエーターと、前記アクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換えて所定の負荷装置を駆動するように回転力を生じさせる回転力装置と、を備えることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記回転力装置は、前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第1のクラッチと、前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第2のクラッチと、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、好ましくは、前記回転力装置は、前記第1のクラッチと連結されて回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフトと、前記第2のクラッチと連結されて回転し、前記第1のシャフトに伝わる回転力を生じさせる第2のシャフトと、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、好ましくは、前記回転力装置は、前記第1のシャフトに連結されて回転する第1の作動ギアと、前記第2のシャフトに連結されて回転する第2の作動ギアと、前記第1の作動ギアおよび前記第2の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする連結部材と、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、好ましくは、前記アクチュエーターは、その一方の面に前記第1のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第1のクラッチを駆動回転または空回転させる第1のラックギア部と、その他方の面に前記第2のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第2のクラッチを駆動回転または空回転させる第2のラックギア部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
さらに、好ましくは、前記テコの一方の端および他方の端にそれぞれ配備され、前記テコの回転時に左右方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする左右動ローラー装置と、前記左右動ローラー装置と同軸上に設けられて前記テコの回転時に上下方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする上下動ローラー装置と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、好ましくは、前記左右動ローラー装置および前記上下動ローラー装置は、第1のプレートと、前記第1のプレートから所定の間隔だけ離れて向かい合うように配備される第2のプレートと、前記第1のプレートおよび第2のプレートの間に配備され、互いに所定の間隔だけ離れて平行に並ぶ複数の回転中心を基準としてそれぞれ回転自在に配備されて前記第1のプレートおよび第2のプレートの一方の端面およびその反対面に所定量突設される複数のローラーと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る回転力伝達装置は、テコ作用の原理を用いてテコの一方の端に対して入力された回転力に対してテコの他方の端においてより一層大きな力が得られるようにして大きな仕事率を得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置の全体斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の一部の構成を省略して隠れた部分に対する詳細構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示すテコおよび回転力装置に関して具体的に示す分解斜視図である。
【図4】図4および図5は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の動作を示す図であり、図4は、テコの他方の端部が下降するときの動作を示すものである。
【図5】図5は、図4に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【図6】図6は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置において、テコの他方の端部が上昇するときの動作を示すものである。
【図7】図7は、図6に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【図8】図8は、本発明の他の実施の形態による回転力伝達装置の全体斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す実施の形態による第1の回転力伝達装置及び第2の回転力伝達装置の詳細構成を示す斜視図である。
【図10】図10は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の動作を示すものである。
【図11】図11は、図10に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【図12】図12は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の他の動作を示すものである。
【図13】図13は、図12に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明に係る回転力伝達装置の好適な実施の形態を詳述する。
まず、図1および図2に基づき、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置の全体構成について概説する。
【0018】
図1および図2に示すように、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置は、駆動モーター100と、駆動回転体220と、従動回転体200と、テコ300と、第1の配設部400と、第2の配設部500と、回転力装置900と、を備えている。
前記第1の配設部400は、力が入力されるテコ300の一方の端部が設けられる部分であり、第1の主支持棒と第1の垂直移動棒420とから構成される。
前記第1の主支持棒410は、角棒状であり、底面の取付板1の上に垂直に立設されるが、1対の主支持棒が互いに間隔をあけて向かい合うように配置される。
【0019】
また、第1の主支持棒410には駆動回転体220が駆動連結軸411に連設され、従動回転体200が駆動連結軸412に連設され、前記駆動回転体220と従動回転体200はベルト/チェーンBによって互いに連結されて動力の伝達が行われる。
【0020】
第1の主支持棒410には、テコ300の一方の端部が連結される第1の垂直移動棒420が設けられるが、前記第1の垂直移動棒420は、前記第1の主支持棒410と同様に角棒状であり、1対からなり、互いに間隔をあけて向かい合うように配置される。
【0021】
このとき、各々の第1の垂直移動棒420の内側には、長手方向に沿って第1のガイドレール421が形成されるが、前記第1のガイドレール421は、テコ300の一方の端部の上下動がスムーズに行われるようにガイドするためのものである。
このような第1の主支持棒410および第1の垂直移動棒420の上面には別途の固定板2が取り付けられて互いに位置固定される。
【0022】
駆動モーター100は、連結ベルト470によって駆動連結軸411と連結され、前記駆動モーター100からの動力は駆動連結軸411に伝わり、前記駆動連結軸411は駆動回転体220を回転させつつベルト/チェーンBによって従動回転体200が回転しつつテコ300の一方の端部を上下動させる。
【0023】
このとき、図2に示すように、駆動ロッド700がテコ300の一方の端部と従動回転体200にそれぞれ固設され、前記駆動ロッド700の一方の端部は、従動回転体200に偏心された状態で固定されることにより、偏心状態で回動自在に連結され、駆動ロッド700の他方の端部はテコ300の一方の端部に固定される。
一方、前記テコ300の支点800は、前記第1の配設部400と前記第2の配設部500との間に設けられる受け部材501によって回転自在に固定される。
【0024】
前記受け部材501と第1の配設部400との間の距離は、前記受け部材501と第2の配設部500との間の距離よりも長くなるように配置して、テコ300の一方の端部から支店800までの長さを、支点800からテコ300の他方の端部までのそれよりも長くすることが好ましく、その比率を調節して、テコ300の他方の端部に掛かる力の大きさを調節することが可能である。
【0025】
また、第2の配設部500には第2の主支持棒510が設けられてテコ300の他方の端部を支持する。このとき、テコ300の他方の端部は、上下動するこれをガイドしつつ支持されるようにすることが好ましい。
さらに、第2の配設部500には、テコ300の他方の端部と連結される回転力装置900が設けられるが、前記回転力装置900の詳細については、後述する。
一方、図3に基づき、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置に用いられるテコ300およびその周辺装置についてより具体的に説明する。
【0026】
ここで、図3に示すように、本実施の形態においては、テコ300が一体に形成されて用いられる場合について示しているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、2つの部分が結合されて一つのテコとして働くようにしてもよい。
【0027】
テコ300の一方の端部の上下面に第1のガイド棒330が取り付けられるが、前記各々の第1のガイド棒330は第1のテコ310から一方の側に延設されて各第1のガイド棒330の間に第1の空間部332が形成され、各々の第1のガイド棒330の一方の端部には第1の遮断板333が設けられて前記第1の空間部332の一方の側を閉塞することとなる。
【0028】
このとき、前記各々の第1のガイド棒330の内側面の上には第1の補助ガイドレール334が形成され、各々の第1のガイド棒330の間の第1の空間部332には第1の左右動ローラー装置340が挿設され、第1の左右動ローラー装置340の上下のローラーが前記各々の第1のガイド棒330の第1の補助ガイドレール334に載せられる。
【0029】
そして、前記第1の左右動ローラー装置330の中央には貫通孔が穿設され、前記貫通孔には貫通軸350が挿通される。なお、このようにして挿通された貫通軸350の両端には、第1のテコ310の上下動をガイドするための第1の上下動ローラー装置360がそれぞれ設けられる。
このような第1の上下動ローラー装置360の左右ローラーは、図2に示すように、前記第1の垂直移動棒420の第1のガイドレール421に載せられる。
【0030】
一方、テコ300の他方の端部の上下面には第2のガイド棒330Aが設けられて各々の第2のガイド棒330Aの間に第2の空間部332Aが形成され、一方の第2の遮断板333Aの結合により一方側が遮断される。
【0031】
そして、前記各々の第2のガイド棒330Aの内側面には第2の補助ガイドレール334Aが形成され、第2の空間部332A内に第2の左右動ローラー装置340Aが設けられて上下ローラーが前記第2の補助ガイドレール334Aの上に載せられる。第2の左右動ローラー装置340Aは、第1の左右動ローラー装置340と同じ構造を有することが好ましい。
【0032】
また、前記第2の補助ガイドレール334Aの中央には第2の貫通軸350Aが貫設され、前記第2の貫通軸350Aの両端には第2の上下動ローラー装置360Aが設けられる。第2の上下動ローラー装置360Aは、第1の上下動ローラー装置360と同じ構造を有することが好ましい。
【0033】
このため、テコ300が支点800を基準として回転すれば、左右動ローラー装置340、340Aは左右方向に移動しつつテコ300の移動をガイドし、上下動ローラー装置360、360Aは、上下方向に移動しつつテコ300の移動をガイドしてテコ300が摩擦を極力抑えつつ過負荷なしにスムーズに動作できるようにする。
ここで、左右動ローラー装置または上下動ローラー装置(以下、ローラー装置と称する。)の具体的な構造について説明する。
【0034】
ローラー装置は、第1のプレートP1と、第2のプレートP2と、これらの第1のプレートP1と第2のプレートP2との間に設けられる4個のローラーR1、R2、R3、R4と、を備える。
第1のプレートP1および第2のプレートP2は、互いに所定の間隔だけ離れて向かい合うように設けられる。
【0035】
前記第1のプレートP1(または、第2のプレートP2)の裏側面に互いに平行に並ぶように所定の間隔だけ離れて回転中心S1、S2、S3、S4が設けられ、前記各々の回転中心S1、S2、S3、S4にローラーR1、R2、R3、R4がそれぞれ回転自在に設けられる。
【0036】
前記ローラーR1、R2、R3、R4は、第1のプレートP1および第2のプレートP2の一方の端面および他方の端面に向かってそれぞれ所定量突設され、その突設されたローラーの部分がガイドレールに沿って回転しつつ移動する。
【0037】
一方、図3には、図1および図2に示す回転力装置900の分解斜視図が示してある。以下、図3に基づき、図1および図2に示す実施形態による回転力装置900のより具体的な構成を説明する。
【0038】
テコ300の他方の端部には、第2の貫通軸350Aによって貫通され、テコ300の他方の端部の動きによって上下方向に動く連結部710が配備される。図3には、説明の便宜上、連結部710を切り欠きの状態で示しているが、前記連結部710は一体に形成されてテコ300の他方の端部に第2の貫通軸350Aによって回転自在に固設されることが好ましい。
【0039】
前記連結部710の一方の側にはアクチュエータ910が配備され、前記連結部710の他方の側にはガイドバー722が配備されることが好ましい。図3には、アクチュエータ910が連結部710の下に配備され、ガイドバー722が連結部710の上に配備される場合を示しているが、その反対の場合も考えられる。
前記連結部710は、テコ300が支点800を中心として回転することにより、上下方向に直線運動をする。
【0040】
このとき、連結部710は、第2の貫通軸350Aを中心として回転自在に取り付けられるため、テコ300が支点800を中心として回転しても上下方向に移動することができる。
【0041】
前記ガイドバー722は、ガイド孔3に嵌り込んで連結部710の上下方向への直線運動をガイドし、連結部710の一方の側に配備されるアクチュエーター910も第1のクラッチ921および第2のクラッチ932によってガイドされて直線運動をガイドする。
【0042】
一方、図1から図3に示すように、前記第1のクラッチ921および第2のクラッチ932は、アクチュエーター910の一方の面および他方の面にそれぞれ配置されるが、前記第1のクラッチ921は、前記アクチュエーター910の下方への直線運動に対して駆動回転し、上方への直線運動に対しては空回転する。また、前記第2のクラッチ932は、前記アクチュエーター910の下方への直線運動に対して空回転し、上方への直線運動に対して駆動回転する。
【0043】
前記アクチュエーター910の前記第1のクラッチ921と対応する面には第1のラックギア(図示せず、図3中、アクチュエーター910の第2のラックギア部の反対側に設けられる)が設けられて前記第1のクラッチ921と噛合し、前記第2のクラッチ932と対応する面には第2のラックギア912が設けられて前記第2のクラッチ932と噛合する。
【0044】
そして、図1から図3に示すように、前記回転力装置900は、前記第1のクラッチ921の中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフト920と、前記第2のクラッチ932の中心軸となって回転し、前記第1のシャフト920に伝わる回転力を生じさせる第2のシャフト930と、を備える。
【0045】
このため、アクチュエーター910が下降すれば、第1のクラッチ921が駆動回転(空回転の反対概念であり、負荷装置を駆動させる原動力である)しつつ第1のシャフト920を回転させ、このとき、第2のクラッチ932は、前記第1のクラッチ921とは逆方向に回転するが、第2のシャフト930は回転させることができず、空回転してしまう。
【0046】
さらに、アクチュエーター910が上昇すれば、第2のクラッチ932が駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、このとき、第1のクラッチ921は、前記第2のクラッチ932とは逆方向に回転するが、第1のシャフト920は回転させることができず、空回転してしまう。
【0047】
一方、前記第1のシャフト920には第1の作動ギア941が連結され、前記第2のシャフト930には第2の作動ギア952が連結されてそれぞれ回転するように配備される。
【0048】
そして、前記第1の作動ギア941と第2の作動ギア952は連結部材960によって互いに連結されていて、第1の作動ギア941が回転すれば、連結部材960によって第2の作動ギア952が回転できるようにし、第2の作動ギア952が回転すれば、連結部材960によって第1の作動ギア941が回転できるようにする。
【0049】
このため、前記連結部材960によって前記第1の作動ギア941および第2の作動ギア952は互いに動力を伝えつつ同方向に回転自在に配備されることが好ましい。
【0050】
前記連結部材960は、図3に示すように、前記第1の作動ギア941および第2の作動ギア952の歯に噛合可能な歯の構造を有するタイミングベルトなどにより実現することが好ましい。
以下、図4から図7に基づき、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置の動作について説明する。
【0051】
図4および図5は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の動作を示す図であり、図4は、テコの他方の端部が下降するときの動作を示すものであり、図5は、図4に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【0052】
そして、図6は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置において、テコの他方の端部が上昇するときの動作を示すものであり、図7は、図6に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【0053】
まず、図4に示すように、駆動モーターが作動して従動回転体200を回転させると、前記従動回転体200に偏心状態で固定された駆動ロッド700が動きつつ、テコ300の一方の端部を上方および下方に移動させる。
【0054】
このとき、上下動ローラー装置および左右動ローラー装置がガイドレールおよび補助ガイドレールに沿って動きつつテコ300の上下方向の直線往復運動を一層円滑にするということについては既に説明したため、その具体的な説明を省略する。
従動回転体200が回転しつつテコ300の一方の端部が支店800を基準として上昇すれば、テコ300の他方の端部は下降する。
【0055】
このとき、テコ300の他方の端部に連結された第1の連結部710に配備されているアクチュエーター910も下降し、前記アクチュエーター910が下降しつつ第1のクラッチ921を駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第2のクラッチ932を空回転させる(第1のクラッチと逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0056】
このとき、アクチュエーター910の第1のラックギア部911が第1のクラッチ921と噛合しているため、アクチュエーター910の直線方向の運動を第1のクラッチ921の回転運動に切り換えることができる。
第1のクラッチ921が駆動回転しつつ第1のシャフト920を回転させ、前記第1のシャフト920の回転によって第1の作動ギア941が回転する。
【0057】
前記第1の作動ギア941が回転しつつ連結部材960も回転し、前記連結部材960によって第2の作動ギア952も前記第1の作動ギア941と同方向に回転する。なお、前記第2の作動ギア952が回転しつつ第2のシャフト930も回転する。
一方、図5に実線にて示されている矢印は、軸の回転を示すものであり、点線にて示されている矢印は、クラッチおよび作動ギアの回転を示すものである。
【0058】
図5に示すように、アクチュエーター910が下降すれば、第2のクラッチ932のみ空回転し、第1のクラッチ921、第1のシャフト920、第1の作動ギア941、第2の作動ギア952および第2のシャフト930がいずれも回転する。
【0059】
このとき、前記第1のシャフト920は半周分(一周の半分)しか回転しない。残りの半周分を回転させる駆動力は、前記アクチュエーター910が上昇しつつ第2のクラッチ932を作動させることにより得られる。
【0060】
すなわち、図6に示すように、テコ300の一方の端部が逆に下降すれば、テコ300の他方の端部は上昇し、このとき、アクチュエーター910が上方に移動し、前記アクチュエーター910が上方に移動しつつ第2のクラッチ932を駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第1のクラッチ921を空回転させる(第2のクラッチとは逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0061】
このとき、アクチュエーター910の第2のラックギア部912が第2のクラッチ932と噛合しているため、アクチュエーター910の直線方向の運動を第2のクラッチ932の回転運動に切り換えることができる。
第2のクラッチ932が駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、前記第2のシャフト930の回転によって第2の作動ギア952が回転する。
【0062】
前記第2の作動ギア952が回転しつつ連結部材960も回転し、前記連結部材960によって第1の作動ギア941も前記第2の作動ギア952と同方向に回転する。なお、前記第1の作動ギア941が回転しつつ第1のシャフト920も回転する。
図7に実線にて示されている矢印は、軸の回転を示すものであり、点線にて示されている矢印は、クラッチおよび作動ギアの回転を示すものである。
【0063】
図7に示すように、アクチュエーター910が上昇すれば、第1のクラッチ921のみが空回転し、第2のクラッチ932、第2のシャフト930、第2の作動ギア952、第1の作動ギア941および第1のシャフト920がいずれも回転する。
【0064】
このとき、前記第1のシャフト920は、残りの半周分を回転することができて、完全に回転することができる。すなわち、アクチュエーター910が上下動することにより、第1のシャフト920は完全に回転することができる。
【0065】
支点800を中心としてテコ300の一方の端部から支点800までの距離を、テコ300の他方の端部から支点800までの距離よりも長くした場合に、テコ300を作動させるときにテコ300の他方の端部に掛かる力は、テコ300の一方の端部に入力される力よりも大きくすることができる。
【0066】
テコ300の一方の端部よりも他方の端部の方に一層大きな力が掛かるため、第1のシャフト920および第2のシャフト930を回転させる力がより大きい。このため、大きな力によって回転する第1のシャフト920および第2のシャフト930の瞬間トルクを増大させることができて、仕事率を高めることができるというメリットがある。
一方、図8および図9に基づき、本発明の他の実施の形態による回転力伝達装置の全体構成について概説する。
【0067】
図8および図9に示すように、本発明の他の実施の形態による回転力伝達装置は、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bとの二重構造となっていることを特徴とする。
【0068】
図8は、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bとが互いに連結された構造を示しており、図9は、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bとを互いに離して、それぞれの構造を示している。
【0069】
図8および図9に示すように、前記第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bの構造は、それぞれ図1に示す回転力伝達装置と同様である。すなわち、本発明に係る二重構造の回転力伝達装置は、実質的に、図1に示す回転力伝達装置が2台平行に並んで連設されているものである。
【0070】
ここで、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bは、単一の駆動モーター100によってそれぞれ駆動され、第1のテコ300aと第2のテコ300bが単一の支点800によって支持され、第1の回転力伝達装置Aの第1の回転力装置900aと第2の回転力伝達装置Bの第2の回転力装置900bが同じ第1のシャフト920および第2のシャフト930を駆動させるようになっている。
【0071】
すなわち、図8および図9に示すように、第1の回転力伝達装置Aは、駆動モーター100によって駆動される第1の駆動回転体220aおよび第1の従動回転体200a、第1のテコ300a、第1の配設部400a、第2の配設部500a、第1の回転力装置900aなどを備え、第2の回転力伝達装置Bも、駆動モーター100によって駆動される第2の駆動回転体220bおよび第2の従動回転体200b、第2のテコ300b、第3の配設部400b、第4の配設部500b、第2の回転力装置900bなどを備えてなる。
【0072】
そして、前記各構成要素の詳細な構成は、図1から図7に示す詳細な構成実質的に同様であり、しかも、作動原理も同様であるため、図8および図9に示す詳細な構成に関する具体的な説明は省略する。
【0073】
一方、図10から図13は、図8に示す実施の形態による二重構造の回転力伝達装置の動作を示すものであり、図10は、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの上死点寄りb’〜b"に位置し、第2の回転力伝達装置Bの第2の駆動ロッド700bが第2の従動回転体200bの下死点に向かって回転している状態での動作をそれぞれ示すものであり、図11は、図10に示す状況下での各々の回転力装置900aおよび900bの動作を示すものである。
【0074】
そして、図12は、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの下死点寄りa’〜a"に位置し、第2の回転力伝達装置Bの第2の駆動ロッド700bが第2の従動回転体200bの上死点に向かって回転している状態での動作をそれぞれ示すものであり、図13は、図12に示す状況下での各々の回転力装置900aおよび900bの動作を示すものである。
【0075】
まず、図10に示すように、駆動モーターが作動して第1の従動回転体200aおよび第2の従動回転体200bをそれぞれ回転させると、前記第1の従動回転体200aおよび第2の従動回転体200bに偏心状態でそれぞれ固定された第1の駆動ロッド700aおよび第2の駆動ロッド700bがそれぞれ動きつつ第1のテコ300aおよび第2のテコ300bの一方の端部を上方または下方にそれぞれ移動させる。
【0076】
このとき、図10および図11に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1のテコ300aの他方の端部に連結された第1の連結部710aに配備されている第1のアクチュエーター910aも下降し、前記第1のアクチュエーター910aが下降しつつ第1のクラッチ921aを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第2のクラッチ932aを空回転させる(第1のクラッチと逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0077】
このとき、第1のアクチュエーター910aの第1のラックギア部911aが第1のクラッチ921aと噛合しているため、第1のアクチュエーター910aの直線方向の運動を第1のクラッチ921aの回転運動に切り換えることができる。
第1のクラッチ921aが駆動回転しつつ第1のシャフト920を回転させ、前記第1のシャフト920の回転によって第1の作動ギア941aが回転する。
【0078】
前記第1の作動ギア941aが回転しつつ第1の連結部材960aも回転し、前記第1の連結部材960aによって第2の作動ギア952aも前記第1の作動ギア941aと同方向に回転する。なお、前記第2の作動ギア952aが回転しつつ第2のシャフト930も回転する。
【0079】
また、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bの他方の端部に連結された第2の連結部710bに配備されている第2のアクチュエーター910bは上昇し、前記第2のアクチュエーター910bが上昇しつつ第4のクラッチ932bを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第3のクラッチ921bを空回転させる(第4のクラッチと逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0080】
このとき、第2のアクチュエーター910bの第4のラックギア部912bが第4のクラッチ932bと噛合しているため、第2のアクチュエーター910bの直線方向の運動を第4のクラッチ932bの回転運動に切り換えることができる。
第4のクラッチ932bが駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、前記第2のシャフト930の回転によって第4の作動ギア952bが回転する。
【0081】
前記第4の作動ギア952bが回転しつつ第2の連結部材960bも回転し、前記第2の連結部材960bによって第3の作動ギア941bも前記第4の作動ギア952bと同方向に回転する。なお、前記第3の作動ギア941bが回転しつつ第1のシャフト920も回転する。
このため、第1のシャフト920と第2のシャフト930が第1の回転力装置900aと第2の回転力装置900bによって回転する。
【0082】
このとき、図10に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの上死点寄り(図中、b’とb"との間の位置)を通る場合、第1のテコ300aの駆動がほとんど行われないことがあり、これにより、第1のアクチュエーター910aがほとんど直線運動をしない場合が発生することがある。
【0083】
このような場合でも、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bが動作して第2のアクチュエーター910bを直線運動させるため、第1の回転力伝達装置Aを補完して第2の回転力伝達装置Bが第1のシャフト920と第2のシャフト930を連続して駆動することが可能になる。
図11に実線にて示されている矢印は軸の回転を示すものであり、点線にて示されている矢印はクラッチおよび作動ギアの回転を示すものである。
【0084】
一方、図12および図13に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが下死点寄り(図12におけるa’とa"との間の位置)を通る場合、第1の回転力伝達装置Aの第1のテコ300aの他方の端部に連結された第1の連結部710aに配備されている第1のアクチュエーター910aは上昇し、前記第1のアクチュエーター910aが上昇しつつ第2のクラッチ932aを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第1のクラッチ921aを空回転させる。
【0085】
このとき、図12および図13に示すように、第1のアクチュエーター910aの第2のラックギア912aが第2のクラッチ932aと噛合しているため、第1のアクチュエーター910aの直線方向の運動を第2のクラッチ932aの回転運動に切り換えることができる。
第2のクラッチ932aが駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、前記第2のシャフト930の回転によって第2の作動ギア952aが回転する。
【0086】
前記第2の作動ギア952aが回転しつつ連結部材960aも回転し、前記連結部材960aによって第1の作動ギア941aも前記第2の作動ギア952aと同方向に回転する。なお、前記第1の作動ギア941aが回転しつつ第1のシャフト920も回転する。
【0087】
さらに、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bの他方の端部に連結された第2の連結部710bに配備されている第2のアクチュエーター910bは下降し、前記第2のアクチュエーター910bが下降しつつ第3のクラッチ921bを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第4のクラッチ932bを空回転させる。
【0088】
このとき、第2のアクチュエーター910bの第3のラックギア部911bが第3のクラッチ921bと噛合しているため、第2のアクチュエーター910bの直線方向の運動を第3のクラッチ921bの回転運動に切り換えることができる。
第3のクラッチ921bが駆動回転しつつ第1のシャフト920を回転させ、前記第1のシャフト920の回転によって第3の作動ギア941bが回転する。
【0089】
前記第3の作動ギア941bが回転しつつ第2の連結部材960bも回転し、前記第2の連結部材960bによって第4の作動ギア952bも前記第3の作動ギア941bと同方向に回転する。なお、前記第4の作動ギア952bが回転しつつ第2のシャフト930も回転する。
このため、第1のシャフト920と第2のシャフト930が第1の回転力装置900aと第2の回転力装置900bによって回転する。
【0090】
このとき、図12に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの下死点寄り(図中のa’とa"との間の位置)を通る場合、第1のテコ300aの駆動がほとんど行われないことがあり、これにより、第1のアクチュエーター910aがほとんど直線運動をしない場合が発生することがある。
【0091】
このような場合でも、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bが動作して第2のアクチュエーター910bを直線運動させるため、第1の回転力伝達装置Aを補完して第2の回転力伝達装置Bが第1のシャフト920と第2のシャフト930を連続して駆動することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る回転力伝達装置は、テコ作用の原理を用いてテコの一方の端に対して入力された回転力に対してテコの他方の端においてより一層大きな力が得られるようにして大きな仕事率を得ることができ、様々な産業分野での利用可能性がある。
【技術分野】
【0001】
本発明は回転力伝達装置に係り、さらに詳しくは、テコ作用の原理を用いて回転力を増大させることのできるテコを用いた回転力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テコは、固い棒状のものであり、この固い棒状物の一方の端部に力を加えて前記棒状物が所定の位置を中心として回動するようにして少ない力でも大きなものを動かすことができるという効果が得られるメリットを有するため、現代社会では、膨大な分野に亘って使われている単純機械のうちの一つである。
かようなテコのうち、回動中心となる個所を支点、力が加わる個所を力点、力が物体に作用する個所を作用点と称する。
【0003】
前記テコの種類は、大きく、支点が力点と作用点との間に存在する1種テコと、作用点が支点と力点との間に存在する2種テコおよび力点が支点の間に存在する3種テコに分けられる。
【0004】
かようなテコを通じた力の効率は、力点に加わる力の大きさと棒状物の移動距離、支点から力点までの距離と、支点から作用点までの距離との比率に応じて決定される。
【0005】
上述したテコ作用の原理を用いて他の物に力を作用させるためには、力点、すなわち、棒状物の一方の端部に直線方向の力を加えて力点の位置をずらすことにより、作用点に相当する棒状物の位置もずらされるとともに、その移動距離を小さくして、結果的に、作用点では力点に加わる力よりもなお一層強い力が発生する。
【0006】
かようなテコ作用の原理は、日常生活および産業現場では様々に応用されているが、これが、回転力を伝達し、且つ、該回転力を増幅して出力側において強い回転力を生じさせるような用途には使われていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、テコ作用の原理を用いてテコの一方の端に対して入力された回転力に対してテコの他方の端においてより一層大きな力が得られるようにして大きな仕事率が得られる回転力伝達装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る回転力伝達装置は、駆動モーターと、前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する駆動回転体が回転自在に設けられる第1の配設部と、前記第1の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第2の配設部と、前記第1の配設部と前記第2の配設部との間に配備される受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第1の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第2の配設部に設けられて回動するテコと、前記テコの他方の端部に連結されて前記テコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をするアクチュエーターと、前記アクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換えて所定の負荷装置を駆動するように回転力を生じさせる回転力装置と、を備えることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記回転力装置は、前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第1のクラッチと、前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第2のクラッチと、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、好ましくは、前記回転力装置は、前記第1のクラッチと連結されて回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフトと、前記第2のクラッチと連結されて回転し、前記第1のシャフトに伝わる回転力を生じさせる第2のシャフトと、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、好ましくは、前記回転力装置は、前記第1のシャフトに連結されて回転する第1の作動ギアと、前記第2のシャフトに連結されて回転する第2の作動ギアと、前記第1の作動ギアおよび前記第2の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする連結部材と、をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
さらに、好ましくは、前記アクチュエーターは、その一方の面に前記第1のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第1のクラッチを駆動回転または空回転させる第1のラックギア部と、その他方の面に前記第2のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第2のクラッチを駆動回転または空回転させる第2のラックギア部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
さらに、好ましくは、前記テコの一方の端および他方の端にそれぞれ配備され、前記テコの回転時に左右方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする左右動ローラー装置と、前記左右動ローラー装置と同軸上に設けられて前記テコの回転時に上下方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする上下動ローラー装置と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、好ましくは、前記左右動ローラー装置および前記上下動ローラー装置は、第1のプレートと、前記第1のプレートから所定の間隔だけ離れて向かい合うように配備される第2のプレートと、前記第1のプレートおよび第2のプレートの間に配備され、互いに所定の間隔だけ離れて平行に並ぶ複数の回転中心を基準としてそれぞれ回転自在に配備されて前記第1のプレートおよび第2のプレートの一方の端面およびその反対面に所定量突設される複数のローラーと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る回転力伝達装置は、テコ作用の原理を用いてテコの一方の端に対して入力された回転力に対してテコの他方の端においてより一層大きな力が得られるようにして大きな仕事率を得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置の全体斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の一部の構成を省略して隠れた部分に対する詳細構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示すテコおよび回転力装置に関して具体的に示す分解斜視図である。
【図4】図4および図5は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の動作を示す図であり、図4は、テコの他方の端部が下降するときの動作を示すものである。
【図5】図5は、図4に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【図6】図6は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置において、テコの他方の端部が上昇するときの動作を示すものである。
【図7】図7は、図6に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【図8】図8は、本発明の他の実施の形態による回転力伝達装置の全体斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す実施の形態による第1の回転力伝達装置及び第2の回転力伝達装置の詳細構成を示す斜視図である。
【図10】図10は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の動作を示すものである。
【図11】図11は、図10に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【図12】図12は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の他の動作を示すものである。
【図13】図13は、図12に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明に係る回転力伝達装置の好適な実施の形態を詳述する。
まず、図1および図2に基づき、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置の全体構成について概説する。
【0018】
図1および図2に示すように、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置は、駆動モーター100と、駆動回転体220と、従動回転体200と、テコ300と、第1の配設部400と、第2の配設部500と、回転力装置900と、を備えている。
前記第1の配設部400は、力が入力されるテコ300の一方の端部が設けられる部分であり、第1の主支持棒と第1の垂直移動棒420とから構成される。
前記第1の主支持棒410は、角棒状であり、底面の取付板1の上に垂直に立設されるが、1対の主支持棒が互いに間隔をあけて向かい合うように配置される。
【0019】
また、第1の主支持棒410には駆動回転体220が駆動連結軸411に連設され、従動回転体200が駆動連結軸412に連設され、前記駆動回転体220と従動回転体200はベルト/チェーンBによって互いに連結されて動力の伝達が行われる。
【0020】
第1の主支持棒410には、テコ300の一方の端部が連結される第1の垂直移動棒420が設けられるが、前記第1の垂直移動棒420は、前記第1の主支持棒410と同様に角棒状であり、1対からなり、互いに間隔をあけて向かい合うように配置される。
【0021】
このとき、各々の第1の垂直移動棒420の内側には、長手方向に沿って第1のガイドレール421が形成されるが、前記第1のガイドレール421は、テコ300の一方の端部の上下動がスムーズに行われるようにガイドするためのものである。
このような第1の主支持棒410および第1の垂直移動棒420の上面には別途の固定板2が取り付けられて互いに位置固定される。
【0022】
駆動モーター100は、連結ベルト470によって駆動連結軸411と連結され、前記駆動モーター100からの動力は駆動連結軸411に伝わり、前記駆動連結軸411は駆動回転体220を回転させつつベルト/チェーンBによって従動回転体200が回転しつつテコ300の一方の端部を上下動させる。
【0023】
このとき、図2に示すように、駆動ロッド700がテコ300の一方の端部と従動回転体200にそれぞれ固設され、前記駆動ロッド700の一方の端部は、従動回転体200に偏心された状態で固定されることにより、偏心状態で回動自在に連結され、駆動ロッド700の他方の端部はテコ300の一方の端部に固定される。
一方、前記テコ300の支点800は、前記第1の配設部400と前記第2の配設部500との間に設けられる受け部材501によって回転自在に固定される。
【0024】
前記受け部材501と第1の配設部400との間の距離は、前記受け部材501と第2の配設部500との間の距離よりも長くなるように配置して、テコ300の一方の端部から支店800までの長さを、支点800からテコ300の他方の端部までのそれよりも長くすることが好ましく、その比率を調節して、テコ300の他方の端部に掛かる力の大きさを調節することが可能である。
【0025】
また、第2の配設部500には第2の主支持棒510が設けられてテコ300の他方の端部を支持する。このとき、テコ300の他方の端部は、上下動するこれをガイドしつつ支持されるようにすることが好ましい。
さらに、第2の配設部500には、テコ300の他方の端部と連結される回転力装置900が設けられるが、前記回転力装置900の詳細については、後述する。
一方、図3に基づき、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置に用いられるテコ300およびその周辺装置についてより具体的に説明する。
【0026】
ここで、図3に示すように、本実施の形態においては、テコ300が一体に形成されて用いられる場合について示しているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、2つの部分が結合されて一つのテコとして働くようにしてもよい。
【0027】
テコ300の一方の端部の上下面に第1のガイド棒330が取り付けられるが、前記各々の第1のガイド棒330は第1のテコ310から一方の側に延設されて各第1のガイド棒330の間に第1の空間部332が形成され、各々の第1のガイド棒330の一方の端部には第1の遮断板333が設けられて前記第1の空間部332の一方の側を閉塞することとなる。
【0028】
このとき、前記各々の第1のガイド棒330の内側面の上には第1の補助ガイドレール334が形成され、各々の第1のガイド棒330の間の第1の空間部332には第1の左右動ローラー装置340が挿設され、第1の左右動ローラー装置340の上下のローラーが前記各々の第1のガイド棒330の第1の補助ガイドレール334に載せられる。
【0029】
そして、前記第1の左右動ローラー装置330の中央には貫通孔が穿設され、前記貫通孔には貫通軸350が挿通される。なお、このようにして挿通された貫通軸350の両端には、第1のテコ310の上下動をガイドするための第1の上下動ローラー装置360がそれぞれ設けられる。
このような第1の上下動ローラー装置360の左右ローラーは、図2に示すように、前記第1の垂直移動棒420の第1のガイドレール421に載せられる。
【0030】
一方、テコ300の他方の端部の上下面には第2のガイド棒330Aが設けられて各々の第2のガイド棒330Aの間に第2の空間部332Aが形成され、一方の第2の遮断板333Aの結合により一方側が遮断される。
【0031】
そして、前記各々の第2のガイド棒330Aの内側面には第2の補助ガイドレール334Aが形成され、第2の空間部332A内に第2の左右動ローラー装置340Aが設けられて上下ローラーが前記第2の補助ガイドレール334Aの上に載せられる。第2の左右動ローラー装置340Aは、第1の左右動ローラー装置340と同じ構造を有することが好ましい。
【0032】
また、前記第2の補助ガイドレール334Aの中央には第2の貫通軸350Aが貫設され、前記第2の貫通軸350Aの両端には第2の上下動ローラー装置360Aが設けられる。第2の上下動ローラー装置360Aは、第1の上下動ローラー装置360と同じ構造を有することが好ましい。
【0033】
このため、テコ300が支点800を基準として回転すれば、左右動ローラー装置340、340Aは左右方向に移動しつつテコ300の移動をガイドし、上下動ローラー装置360、360Aは、上下方向に移動しつつテコ300の移動をガイドしてテコ300が摩擦を極力抑えつつ過負荷なしにスムーズに動作できるようにする。
ここで、左右動ローラー装置または上下動ローラー装置(以下、ローラー装置と称する。)の具体的な構造について説明する。
【0034】
ローラー装置は、第1のプレートP1と、第2のプレートP2と、これらの第1のプレートP1と第2のプレートP2との間に設けられる4個のローラーR1、R2、R3、R4と、を備える。
第1のプレートP1および第2のプレートP2は、互いに所定の間隔だけ離れて向かい合うように設けられる。
【0035】
前記第1のプレートP1(または、第2のプレートP2)の裏側面に互いに平行に並ぶように所定の間隔だけ離れて回転中心S1、S2、S3、S4が設けられ、前記各々の回転中心S1、S2、S3、S4にローラーR1、R2、R3、R4がそれぞれ回転自在に設けられる。
【0036】
前記ローラーR1、R2、R3、R4は、第1のプレートP1および第2のプレートP2の一方の端面および他方の端面に向かってそれぞれ所定量突設され、その突設されたローラーの部分がガイドレールに沿って回転しつつ移動する。
【0037】
一方、図3には、図1および図2に示す回転力装置900の分解斜視図が示してある。以下、図3に基づき、図1および図2に示す実施形態による回転力装置900のより具体的な構成を説明する。
【0038】
テコ300の他方の端部には、第2の貫通軸350Aによって貫通され、テコ300の他方の端部の動きによって上下方向に動く連結部710が配備される。図3には、説明の便宜上、連結部710を切り欠きの状態で示しているが、前記連結部710は一体に形成されてテコ300の他方の端部に第2の貫通軸350Aによって回転自在に固設されることが好ましい。
【0039】
前記連結部710の一方の側にはアクチュエータ910が配備され、前記連結部710の他方の側にはガイドバー722が配備されることが好ましい。図3には、アクチュエータ910が連結部710の下に配備され、ガイドバー722が連結部710の上に配備される場合を示しているが、その反対の場合も考えられる。
前記連結部710は、テコ300が支点800を中心として回転することにより、上下方向に直線運動をする。
【0040】
このとき、連結部710は、第2の貫通軸350Aを中心として回転自在に取り付けられるため、テコ300が支点800を中心として回転しても上下方向に移動することができる。
【0041】
前記ガイドバー722は、ガイド孔3に嵌り込んで連結部710の上下方向への直線運動をガイドし、連結部710の一方の側に配備されるアクチュエーター910も第1のクラッチ921および第2のクラッチ932によってガイドされて直線運動をガイドする。
【0042】
一方、図1から図3に示すように、前記第1のクラッチ921および第2のクラッチ932は、アクチュエーター910の一方の面および他方の面にそれぞれ配置されるが、前記第1のクラッチ921は、前記アクチュエーター910の下方への直線運動に対して駆動回転し、上方への直線運動に対しては空回転する。また、前記第2のクラッチ932は、前記アクチュエーター910の下方への直線運動に対して空回転し、上方への直線運動に対して駆動回転する。
【0043】
前記アクチュエーター910の前記第1のクラッチ921と対応する面には第1のラックギア(図示せず、図3中、アクチュエーター910の第2のラックギア部の反対側に設けられる)が設けられて前記第1のクラッチ921と噛合し、前記第2のクラッチ932と対応する面には第2のラックギア912が設けられて前記第2のクラッチ932と噛合する。
【0044】
そして、図1から図3に示すように、前記回転力装置900は、前記第1のクラッチ921の中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフト920と、前記第2のクラッチ932の中心軸となって回転し、前記第1のシャフト920に伝わる回転力を生じさせる第2のシャフト930と、を備える。
【0045】
このため、アクチュエーター910が下降すれば、第1のクラッチ921が駆動回転(空回転の反対概念であり、負荷装置を駆動させる原動力である)しつつ第1のシャフト920を回転させ、このとき、第2のクラッチ932は、前記第1のクラッチ921とは逆方向に回転するが、第2のシャフト930は回転させることができず、空回転してしまう。
【0046】
さらに、アクチュエーター910が上昇すれば、第2のクラッチ932が駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、このとき、第1のクラッチ921は、前記第2のクラッチ932とは逆方向に回転するが、第1のシャフト920は回転させることができず、空回転してしまう。
【0047】
一方、前記第1のシャフト920には第1の作動ギア941が連結され、前記第2のシャフト930には第2の作動ギア952が連結されてそれぞれ回転するように配備される。
【0048】
そして、前記第1の作動ギア941と第2の作動ギア952は連結部材960によって互いに連結されていて、第1の作動ギア941が回転すれば、連結部材960によって第2の作動ギア952が回転できるようにし、第2の作動ギア952が回転すれば、連結部材960によって第1の作動ギア941が回転できるようにする。
【0049】
このため、前記連結部材960によって前記第1の作動ギア941および第2の作動ギア952は互いに動力を伝えつつ同方向に回転自在に配備されることが好ましい。
【0050】
前記連結部材960は、図3に示すように、前記第1の作動ギア941および第2の作動ギア952の歯に噛合可能な歯の構造を有するタイミングベルトなどにより実現することが好ましい。
以下、図4から図7に基づき、本発明の一実施の形態による回転力伝達装置の動作について説明する。
【0051】
図4および図5は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置の動作を示す図であり、図4は、テコの他方の端部が下降するときの動作を示すものであり、図5は、図4に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【0052】
そして、図6は、図1に示す実施の形態による回転力伝達装置において、テコの他方の端部が上昇するときの動作を示すものであり、図7は、図6に示す状況での回転力装置の動作を示すものである。
【0053】
まず、図4に示すように、駆動モーターが作動して従動回転体200を回転させると、前記従動回転体200に偏心状態で固定された駆動ロッド700が動きつつ、テコ300の一方の端部を上方および下方に移動させる。
【0054】
このとき、上下動ローラー装置および左右動ローラー装置がガイドレールおよび補助ガイドレールに沿って動きつつテコ300の上下方向の直線往復運動を一層円滑にするということについては既に説明したため、その具体的な説明を省略する。
従動回転体200が回転しつつテコ300の一方の端部が支店800を基準として上昇すれば、テコ300の他方の端部は下降する。
【0055】
このとき、テコ300の他方の端部に連結された第1の連結部710に配備されているアクチュエーター910も下降し、前記アクチュエーター910が下降しつつ第1のクラッチ921を駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第2のクラッチ932を空回転させる(第1のクラッチと逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0056】
このとき、アクチュエーター910の第1のラックギア部911が第1のクラッチ921と噛合しているため、アクチュエーター910の直線方向の運動を第1のクラッチ921の回転運動に切り換えることができる。
第1のクラッチ921が駆動回転しつつ第1のシャフト920を回転させ、前記第1のシャフト920の回転によって第1の作動ギア941が回転する。
【0057】
前記第1の作動ギア941が回転しつつ連結部材960も回転し、前記連結部材960によって第2の作動ギア952も前記第1の作動ギア941と同方向に回転する。なお、前記第2の作動ギア952が回転しつつ第2のシャフト930も回転する。
一方、図5に実線にて示されている矢印は、軸の回転を示すものであり、点線にて示されている矢印は、クラッチおよび作動ギアの回転を示すものである。
【0058】
図5に示すように、アクチュエーター910が下降すれば、第2のクラッチ932のみ空回転し、第1のクラッチ921、第1のシャフト920、第1の作動ギア941、第2の作動ギア952および第2のシャフト930がいずれも回転する。
【0059】
このとき、前記第1のシャフト920は半周分(一周の半分)しか回転しない。残りの半周分を回転させる駆動力は、前記アクチュエーター910が上昇しつつ第2のクラッチ932を作動させることにより得られる。
【0060】
すなわち、図6に示すように、テコ300の一方の端部が逆に下降すれば、テコ300の他方の端部は上昇し、このとき、アクチュエーター910が上方に移動し、前記アクチュエーター910が上方に移動しつつ第2のクラッチ932を駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第1のクラッチ921を空回転させる(第2のクラッチとは逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0061】
このとき、アクチュエーター910の第2のラックギア部912が第2のクラッチ932と噛合しているため、アクチュエーター910の直線方向の運動を第2のクラッチ932の回転運動に切り換えることができる。
第2のクラッチ932が駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、前記第2のシャフト930の回転によって第2の作動ギア952が回転する。
【0062】
前記第2の作動ギア952が回転しつつ連結部材960も回転し、前記連結部材960によって第1の作動ギア941も前記第2の作動ギア952と同方向に回転する。なお、前記第1の作動ギア941が回転しつつ第1のシャフト920も回転する。
図7に実線にて示されている矢印は、軸の回転を示すものであり、点線にて示されている矢印は、クラッチおよび作動ギアの回転を示すものである。
【0063】
図7に示すように、アクチュエーター910が上昇すれば、第1のクラッチ921のみが空回転し、第2のクラッチ932、第2のシャフト930、第2の作動ギア952、第1の作動ギア941および第1のシャフト920がいずれも回転する。
【0064】
このとき、前記第1のシャフト920は、残りの半周分を回転することができて、完全に回転することができる。すなわち、アクチュエーター910が上下動することにより、第1のシャフト920は完全に回転することができる。
【0065】
支点800を中心としてテコ300の一方の端部から支点800までの距離を、テコ300の他方の端部から支点800までの距離よりも長くした場合に、テコ300を作動させるときにテコ300の他方の端部に掛かる力は、テコ300の一方の端部に入力される力よりも大きくすることができる。
【0066】
テコ300の一方の端部よりも他方の端部の方に一層大きな力が掛かるため、第1のシャフト920および第2のシャフト930を回転させる力がより大きい。このため、大きな力によって回転する第1のシャフト920および第2のシャフト930の瞬間トルクを増大させることができて、仕事率を高めることができるというメリットがある。
一方、図8および図9に基づき、本発明の他の実施の形態による回転力伝達装置の全体構成について概説する。
【0067】
図8および図9に示すように、本発明の他の実施の形態による回転力伝達装置は、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bとの二重構造となっていることを特徴とする。
【0068】
図8は、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bとが互いに連結された構造を示しており、図9は、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bとを互いに離して、それぞれの構造を示している。
【0069】
図8および図9に示すように、前記第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bの構造は、それぞれ図1に示す回転力伝達装置と同様である。すなわち、本発明に係る二重構造の回転力伝達装置は、実質的に、図1に示す回転力伝達装置が2台平行に並んで連設されているものである。
【0070】
ここで、第1の回転力伝達装置Aと第2の回転力伝達装置Bは、単一の駆動モーター100によってそれぞれ駆動され、第1のテコ300aと第2のテコ300bが単一の支点800によって支持され、第1の回転力伝達装置Aの第1の回転力装置900aと第2の回転力伝達装置Bの第2の回転力装置900bが同じ第1のシャフト920および第2のシャフト930を駆動させるようになっている。
【0071】
すなわち、図8および図9に示すように、第1の回転力伝達装置Aは、駆動モーター100によって駆動される第1の駆動回転体220aおよび第1の従動回転体200a、第1のテコ300a、第1の配設部400a、第2の配設部500a、第1の回転力装置900aなどを備え、第2の回転力伝達装置Bも、駆動モーター100によって駆動される第2の駆動回転体220bおよび第2の従動回転体200b、第2のテコ300b、第3の配設部400b、第4の配設部500b、第2の回転力装置900bなどを備えてなる。
【0072】
そして、前記各構成要素の詳細な構成は、図1から図7に示す詳細な構成実質的に同様であり、しかも、作動原理も同様であるため、図8および図9に示す詳細な構成に関する具体的な説明は省略する。
【0073】
一方、図10から図13は、図8に示す実施の形態による二重構造の回転力伝達装置の動作を示すものであり、図10は、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの上死点寄りb’〜b"に位置し、第2の回転力伝達装置Bの第2の駆動ロッド700bが第2の従動回転体200bの下死点に向かって回転している状態での動作をそれぞれ示すものであり、図11は、図10に示す状況下での各々の回転力装置900aおよび900bの動作を示すものである。
【0074】
そして、図12は、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの下死点寄りa’〜a"に位置し、第2の回転力伝達装置Bの第2の駆動ロッド700bが第2の従動回転体200bの上死点に向かって回転している状態での動作をそれぞれ示すものであり、図13は、図12に示す状況下での各々の回転力装置900aおよび900bの動作を示すものである。
【0075】
まず、図10に示すように、駆動モーターが作動して第1の従動回転体200aおよび第2の従動回転体200bをそれぞれ回転させると、前記第1の従動回転体200aおよび第2の従動回転体200bに偏心状態でそれぞれ固定された第1の駆動ロッド700aおよび第2の駆動ロッド700bがそれぞれ動きつつ第1のテコ300aおよび第2のテコ300bの一方の端部を上方または下方にそれぞれ移動させる。
【0076】
このとき、図10および図11に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1のテコ300aの他方の端部に連結された第1の連結部710aに配備されている第1のアクチュエーター910aも下降し、前記第1のアクチュエーター910aが下降しつつ第1のクラッチ921aを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第2のクラッチ932aを空回転させる(第1のクラッチと逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0077】
このとき、第1のアクチュエーター910aの第1のラックギア部911aが第1のクラッチ921aと噛合しているため、第1のアクチュエーター910aの直線方向の運動を第1のクラッチ921aの回転運動に切り換えることができる。
第1のクラッチ921aが駆動回転しつつ第1のシャフト920を回転させ、前記第1のシャフト920の回転によって第1の作動ギア941aが回転する。
【0078】
前記第1の作動ギア941aが回転しつつ第1の連結部材960aも回転し、前記第1の連結部材960aによって第2の作動ギア952aも前記第1の作動ギア941aと同方向に回転する。なお、前記第2の作動ギア952aが回転しつつ第2のシャフト930も回転する。
【0079】
また、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bの他方の端部に連結された第2の連結部710bに配備されている第2のアクチュエーター910bは上昇し、前記第2のアクチュエーター910bが上昇しつつ第4のクラッチ932bを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第3のクラッチ921bを空回転させる(第4のクラッチと逆方向に回転するものの、空回転してしまう)。
【0080】
このとき、第2のアクチュエーター910bの第4のラックギア部912bが第4のクラッチ932bと噛合しているため、第2のアクチュエーター910bの直線方向の運動を第4のクラッチ932bの回転運動に切り換えることができる。
第4のクラッチ932bが駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、前記第2のシャフト930の回転によって第4の作動ギア952bが回転する。
【0081】
前記第4の作動ギア952bが回転しつつ第2の連結部材960bも回転し、前記第2の連結部材960bによって第3の作動ギア941bも前記第4の作動ギア952bと同方向に回転する。なお、前記第3の作動ギア941bが回転しつつ第1のシャフト920も回転する。
このため、第1のシャフト920と第2のシャフト930が第1の回転力装置900aと第2の回転力装置900bによって回転する。
【0082】
このとき、図10に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの上死点寄り(図中、b’とb"との間の位置)を通る場合、第1のテコ300aの駆動がほとんど行われないことがあり、これにより、第1のアクチュエーター910aがほとんど直線運動をしない場合が発生することがある。
【0083】
このような場合でも、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bが動作して第2のアクチュエーター910bを直線運動させるため、第1の回転力伝達装置Aを補完して第2の回転力伝達装置Bが第1のシャフト920と第2のシャフト930を連続して駆動することが可能になる。
図11に実線にて示されている矢印は軸の回転を示すものであり、点線にて示されている矢印はクラッチおよび作動ギアの回転を示すものである。
【0084】
一方、図12および図13に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが下死点寄り(図12におけるa’とa"との間の位置)を通る場合、第1の回転力伝達装置Aの第1のテコ300aの他方の端部に連結された第1の連結部710aに配備されている第1のアクチュエーター910aは上昇し、前記第1のアクチュエーター910aが上昇しつつ第2のクラッチ932aを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第1のクラッチ921aを空回転させる。
【0085】
このとき、図12および図13に示すように、第1のアクチュエーター910aの第2のラックギア912aが第2のクラッチ932aと噛合しているため、第1のアクチュエーター910aの直線方向の運動を第2のクラッチ932aの回転運動に切り換えることができる。
第2のクラッチ932aが駆動回転しつつ第2のシャフト930を回転させ、前記第2のシャフト930の回転によって第2の作動ギア952aが回転する。
【0086】
前記第2の作動ギア952aが回転しつつ連結部材960aも回転し、前記連結部材960aによって第1の作動ギア941aも前記第2の作動ギア952aと同方向に回転する。なお、前記第1の作動ギア941aが回転しつつ第1のシャフト920も回転する。
【0087】
さらに、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bの他方の端部に連結された第2の連結部710bに配備されている第2のアクチュエーター910bは下降し、前記第2のアクチュエーター910bが下降しつつ第3のクラッチ921bを駆動回転させ(点線矢印の個所を参照)、第4のクラッチ932bを空回転させる。
【0088】
このとき、第2のアクチュエーター910bの第3のラックギア部911bが第3のクラッチ921bと噛合しているため、第2のアクチュエーター910bの直線方向の運動を第3のクラッチ921bの回転運動に切り換えることができる。
第3のクラッチ921bが駆動回転しつつ第1のシャフト920を回転させ、前記第1のシャフト920の回転によって第3の作動ギア941bが回転する。
【0089】
前記第3の作動ギア941bが回転しつつ第2の連結部材960bも回転し、前記第2の連結部材960bによって第4の作動ギア952bも前記第3の作動ギア941bと同方向に回転する。なお、前記第4の作動ギア952bが回転しつつ第2のシャフト930も回転する。
このため、第1のシャフト920と第2のシャフト930が第1の回転力装置900aと第2の回転力装置900bによって回転する。
【0090】
このとき、図12に示すように、第1の回転力伝達装置Aの第1の駆動ロッド700aが第1の従動回転体200aの下死点寄り(図中のa’とa"との間の位置)を通る場合、第1のテコ300aの駆動がほとんど行われないことがあり、これにより、第1のアクチュエーター910aがほとんど直線運動をしない場合が発生することがある。
【0091】
このような場合でも、第2の回転力伝達装置Bの第2のテコ300bが動作して第2のアクチュエーター910bを直線運動させるため、第1の回転力伝達装置Aを補完して第2の回転力伝達装置Bが第1のシャフト920と第2のシャフト930を連続して駆動することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る回転力伝達装置は、テコ作用の原理を用いてテコの一方の端に対して入力された回転力に対してテコの他方の端においてより一層大きな力が得られるようにして大きな仕事率を得ることができ、様々な産業分野での利用可能性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モーターと、
前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する駆動回転体が回転自在に設けられる第1の配設部と、
前記第1の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第2の配設部と、
前記第1の配設部と前記第2の配設部との間に配備される受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第1の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第2の配設部に設けられて回動するテコと、
前記テコの他方の端部に連結されて前記テコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をするアクチュエーターと、
前記アクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換えて所定の負荷装置を駆動するように回転力を生じさせる回転力装置と、
を備えることを特徴とする回転力伝達装置。
【請求項2】
前記回転力装置は、
前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第1のクラッチと、
前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第2のクラッチと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転力伝達装置。
【請求項3】
前記回転力装置は、
前記第1のクラッチの中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフトと、
前記第2のクラッチの中心軸となって回転し、前記第1のシャフトに伝わる回転力を生じさせる第2のシャフトと、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の回転力伝達装置。
【請求項4】
前記回転力装置は、
前記第1のシャフトに連結されて回転する第1の作動ギアと、
前記第2のシャフトに連結されて回転する第2の作動ギアと、
前記第1の作動ギアおよび前記第2の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする連結部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の回転力伝達装置。
【請求項5】
前記アクチュエーターは、
その一方の面に前記第1のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第1のクラッチを駆動回転または空回転させる第1のラックギア部と、
その他方の面に前記第2のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第2のクラッチを駆動回転または空回転させる第2のラックギア部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の回転力伝達装置。
【請求項6】
前記テコの一方の端および他方の端にそれぞれ配備され、前記テコの回転時に左右方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする左右動ローラー装置と、
前記左右動ローラー装置と同軸上に設けられて前記テコの回転時に上下方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする上下動ローラー装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の回転力伝達装置。
【請求項7】
前記左右動ローラー装置および前記上下動ローラー装置は、
第1のプレートと、前記第1のプレートから所定の間隔だけ離れて向かい合うように配備される第2のプレートと、前記第1のプレートおよび第2のプレートの間に配備され、互いに所定の間隔だけ離れて平行に並ぶ複数の回転中心を基準としてそれぞれ回転自在に配備されて前記第1のプレートおよび第2のプレートの一方の端面およびその反対面に所定量突設される複数のローラーと、を備えることを特徴とする請求項6に記載の回転力伝達装置。
【請求項8】
駆動モーターと、
前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する第1の駆動回転体が回転自在に設けられる第1の配設部と、前記第1の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第2の配設部と、前記第1の配設部と前記第2の配設部との間に配備される第1の受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第1の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第2の配設部に設けられて回動する第1のテコと、前記第1のテコの他方の端部と連結されて前記第1のテコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をする第1のアクチュエーターと、前記第1のアクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換えて回転力を生じさせる第1の回転力装置と、を有する第1の回転力伝達装置と、
前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する第2の駆動回転体が回転自在に設けられる第3の配設部と、前記第3の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第4の配設部と、前記第3の配設部と前記第4の配設部との間に配備される第2の受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第3の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第4の配設部に設けられて回動する第2のテコと、前記第2のテコの他方の端部と連結されて前記第2のテコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をする第2のアクチュエーターと、前記第2のアクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換え、前記第1の回転力装置と連結されてこれと協同して回転力を生じさせる第2の回転力装置と、を有する第2の回転力伝達装置と、
を備える回転力伝達装置。
【請求項9】
前記第1の回転力装置は、
前記第1のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第1のクラッチと、前記第1のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第2のクラッチと、を備え、
前記第2の回転力装置は、
前記第2のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第3のクラッチと、前記第2のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第4のクラッチと、を備えることを特徴とする請求項8に記載の回転力伝達装置。
【請求項10】
前記第1のクラッチおよび第3のクラッチの中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフトと、
前記第2のクラッチおよび第4のクラッチの中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第2のシャフトと、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の回転力伝達装置。
【請求項11】
前記第1の回転力装置は、
前記第1のシャフトに連結されて回転する第1の作動ギアと、前記第2のシャフトに連結されて回転する第2の作動ギアと、前記第1の作動ギアおよび前記第2の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする第1の連結部材と、をさらに備え、
前記第2の回転力装置は、
前記第1のシャフトに連結されて回転する第3の作動ギアと、前記第2のシャフトに連結されて回転する第4の作動ギアと、前記第3の作動ギアおよび前記第4の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする第2の連結部材と、をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の回転力伝達装置。
【請求項12】
前記第1のアクチュエーターは、
その一方の面に前記第1のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第1のクラッチを駆動回転または空回転させる第1のラックギア部と、その他方の面に前記第2のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第2のクラッチを駆動回転または空回転させる第2のラックギア部と、を備え、
前記第2のアクチュエーターは、
その一方の面に前記第3のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第3のクラッチを駆動回転または空回転させる第3のラックギア部と、その他方の面に前記第4のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第4のクラッチを駆動回転または空回転させる第4のラックギア部と、を備えることを特徴とする請求項9に記載の回転力伝達装置。
【請求項1】
駆動モーターと、
前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する駆動回転体が回転自在に設けられる第1の配設部と、
前記第1の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第2の配設部と、
前記第1の配設部と前記第2の配設部との間に配備される受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第1の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第2の配設部に設けられて回動するテコと、
前記テコの他方の端部に連結されて前記テコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をするアクチュエーターと、
前記アクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換えて所定の負荷装置を駆動するように回転力を生じさせる回転力装置と、
を備えることを特徴とする回転力伝達装置。
【請求項2】
前記回転力装置は、
前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第1のクラッチと、
前記アクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第2のクラッチと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転力伝達装置。
【請求項3】
前記回転力装置は、
前記第1のクラッチの中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフトと、
前記第2のクラッチの中心軸となって回転し、前記第1のシャフトに伝わる回転力を生じさせる第2のシャフトと、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の回転力伝達装置。
【請求項4】
前記回転力装置は、
前記第1のシャフトに連結されて回転する第1の作動ギアと、
前記第2のシャフトに連結されて回転する第2の作動ギアと、
前記第1の作動ギアおよび前記第2の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする連結部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の回転力伝達装置。
【請求項5】
前記アクチュエーターは、
その一方の面に前記第1のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第1のクラッチを駆動回転または空回転させる第1のラックギア部と、
その他方の面に前記第2のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第2のクラッチを駆動回転または空回転させる第2のラックギア部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の回転力伝達装置。
【請求項6】
前記テコの一方の端および他方の端にそれぞれ配備され、前記テコの回転時に左右方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする左右動ローラー装置と、
前記左右動ローラー装置と同軸上に設けられて前記テコの回転時に上下方向に移動しつつ前記テコの動きをガイドする上下動ローラー装置と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の回転力伝達装置。
【請求項7】
前記左右動ローラー装置および前記上下動ローラー装置は、
第1のプレートと、前記第1のプレートから所定の間隔だけ離れて向かい合うように配備される第2のプレートと、前記第1のプレートおよび第2のプレートの間に配備され、互いに所定の間隔だけ離れて平行に並ぶ複数の回転中心を基準としてそれぞれ回転自在に配備されて前記第1のプレートおよび第2のプレートの一方の端面およびその反対面に所定量突設される複数のローラーと、を備えることを特徴とする請求項6に記載の回転力伝達装置。
【請求項8】
駆動モーターと、
前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する第1の駆動回転体が回転自在に設けられる第1の配設部と、前記第1の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第2の配設部と、前記第1の配設部と前記第2の配設部との間に配備される第1の受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第1の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第2の配設部に設けられて回動する第1のテコと、前記第1のテコの他方の端部と連結されて前記第1のテコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をする第1のアクチュエーターと、前記第1のアクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換えて回転力を生じさせる第1の回転力装置と、を有する第1の回転力伝達装置と、
前記駆動モーターから駆動力を提供されて回転する第2の駆動回転体が回転自在に設けられる第3の配設部と、前記第3の配設部から所定の距離だけ離れて配備される第4の配設部と、前記第3の配設部と前記第4の配設部との間に配備される第2の受け部材に回転自在に固定され、一方の端部が前記第3の配設部に設けられて前記駆動モーターによって回動し、他方の端部が前記第4の配設部に設けられて回動する第2のテコと、前記第2のテコの他方の端部と連結されて前記第2のテコが上下方向に回動するに伴い直線往復運動をする第2のアクチュエーターと、前記第2のアクチュエーターの直線往復運動を回転運動に切り換え、前記第1の回転力装置と連結されてこれと協同して回転力を生じさせる第2の回転力装置と、を有する第2の回転力伝達装置と、
を備える回転力伝達装置。
【請求項9】
前記第1の回転力装置は、
前記第1のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第1のクラッチと、前記第1のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第2のクラッチと、を備え、
前記第2の回転力装置は、
前記第2のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して駆動回転し、逆方向の直線運動に対して空回転する第3のクラッチと、前記第2のアクチュエーターの一方向の直線運動に対して空回転し、逆方向の直線運動に対して駆動回転する第4のクラッチと、を備えることを特徴とする請求項8に記載の回転力伝達装置。
【請求項10】
前記第1のクラッチおよび第3のクラッチの中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第1のシャフトと、
前記第2のクラッチおよび第4のクラッチの中心軸となって回転し、負荷装置に対して駆動力を提供する第2のシャフトと、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の回転力伝達装置。
【請求項11】
前記第1の回転力装置は、
前記第1のシャフトに連結されて回転する第1の作動ギアと、前記第2のシャフトに連結されて回転する第2の作動ギアと、前記第1の作動ギアおよび前記第2の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする第1の連結部材と、をさらに備え、
前記第2の回転力装置は、
前記第1のシャフトに連結されて回転する第3の作動ギアと、前記第2のシャフトに連結されて回転する第4の作動ギアと、前記第3の作動ギアおよび前記第4の作動ギアに互いに連結されて互いに動力を伝達して同方向に回転するようにし、且つ、前記第2のシャフトの回転力が前記第1のシャフトに伝わるようにする第2の連結部材と、をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の回転力伝達装置。
【請求項12】
前記第1のアクチュエーターは、
その一方の面に前記第1のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第1のクラッチを駆動回転または空回転させる第1のラックギア部と、その他方の面に前記第2のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第2のクラッチを駆動回転または空回転させる第2のラックギア部と、を備え、
前記第2のアクチュエーターは、
その一方の面に前記第3のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第3のクラッチを駆動回転または空回転させる第3のラックギア部と、その他方の面に前記第4のクラッチと噛合するように配備されて直線往復運動することにより、前記第4のクラッチを駆動回転または空回転させる第4のラックギア部と、を備えることを特徴とする請求項9に記載の回転力伝達装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−522945(P2012−522945A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503337(P2012−503337)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002030
【国際公開番号】WO2010/114327
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511238675)
【氏名又は名称原語表記】YOUN,Tae Ho
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002030
【国際公開番号】WO2010/114327
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511238675)
【氏名又は名称原語表記】YOUN,Tae Ho
【Fターム(参考)】
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