説明

回転式コンベア用情報表示装置

【課題】本発明は乗客が回転式コンベア上の荷物を探している間に効果的に情報を提供する情報表示装置を表示することを目的とする。
【解決手段】 情報表示装置1は、荷物を搬送する相互連結された複数のベルトコンベア板11より形成される回転式コンベア10と、ベルトコンベア板11の荷物を積載する面に情報を画像で表示する表示部12と、表示部12に画像を表示する投影機20とを備えている。表示する情報を制御する制御部により到着便に合わせて表示部12に表示される画像を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港の手荷物受取所における回転式コンベアに関し、コンベア上に情報が表示される回転式コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空港到着ロビーの手荷物受取所では、手荷物がベルトコンベアにより搬送され、ターンテーブルと呼ばれる回転式コンベアに積載される。乗客が自分の手荷物が出てくるまでターンテーブルの周りで待っているが、この待ち時間に乗客に対して有効な情報例えば広告を提示しようと、手荷物受取所内には多数の広告看板が設置され、特に乗客が注視するターンテーブルの中央及び周辺に設置されることが多い。
【0003】
特開平10−45226号公報には搬送面に絵や文字により情報を表示する手荷物搬送設備が記載されている。表示される情報は搬送面に絵や文字を直接描いたり、広告媒体を搬送面に接着、ねじ留めしている。
【0004】
また、特開2007−72140号公報には、手荷物受取所内のベルトコンベアの近傍に映像表示装置を設置し、航空機の到着にあわせて映像を表示する映像表示システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−45226
【0006】
【特許文献2】特開2007−72140
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
広告媒体を回転式コンベア上に直接取り付けると、広告媒体を変更するには時間がかかる。また、映像表示装置をターンテーブル周辺に設置しても、一旦荷物がターンテーブルに出てくると、乗客の視線はターンテーブル上に注がれるので、映像表示装置を見る機会が少なくなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は乗客がターンテーブル上に荷物を探している間も効果的に情報を提供することができ、情報の変更が簡単に行えることができる情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報表示装置は、荷物を搬送する相互連結された複数のベルトコンベア板より形成される回転式コンベアと、情報を画像で表示する表示部と、画像の表示を制御する制御部とを有する情報表示手段とを備え、情報表示手段の表示部は、少なくとも1つの複数のベルトコンベア板の荷物を積載する面に設けられ、制御部は画像を時間により変更させる。例えば、到着便に合わせてその便の出発地の言語により到着地を紹介する画像に変更できる。
【0010】
ここで、情報表示手段の表示部を電子看板とすることができる。また、情報表示部を画像が投影される投影スクリーンとし、情報表示手段は投影スクリーンに表示させる画像を投影する投影装置を更に備えてもよい。
【0011】
また、情報表示手段は少なくとも1つの反射板を更に備え、前記投影装置から投影される画像を反射板に反射させて投影スクリーンに投影することにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報表示装置は煩雑な作業を必要とせずに回転式コンベア上に表示する情報を適宜変更でき、更に到着便及び乗客に合わせて表示する情報を適宜変更できるので、情報提供の機会を有益に利用できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係る情報表示装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1の情報表示装置の変形例を示す図である。
【図4】本発明の実施例3に係る情報表示装置の表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般的にターンテーブルまたはカルーセルと称される回転式コンベアでは、荷物を積載するプラットホームが複数の四辺形又は三日月形のベルトコンベア板を連接させて設けられている。本発明の情報表示装置は四辺形タイプと三日月形タイプの回転式コンベアのいずれの形状にも適用することができる。以下の実施例では四辺形タイプの回転式コンベアに適用した情報表示装置を例示して説明する。
【0015】
本発明の情報表示装置は、荷物を搬送する相互連結された複数のベルトコンベア板より形成される回転式コンベアと、情報を画像で表示する表示部とこの画像の表示を制御する制御部とを有する情報表示手段とを備えている。そして、情報表示手段の表示部はベルトコンベア板の荷物を積載する面に設けられている。表示部を全てのベルトコンベア板に設けてもよく、また、任意に選択したベルトコンベア板のみに設けてもよい。
【0016】
情報表示手段の制御部は画像を時間により、例えば到着便に合わせて変更することができる。表示する画像は静止画像、動画映像のどちらでも表示部に映すことができる。
【実施例1】
【0017】
本発明の情報表示装置を四辺形タイプの回転式コンベアに適用し、投影機を用いて回転式コンベア上に広告画像を表示する実施例1を図1及び図2を参照しながら詳述する。
【0018】
図1に示すように、実施例1の情報表示装置1は、回転式コンベア10が荷物を搬送する相互連結された複数のベルトコンベア板11により形成され、表示部12が各ベルトコンベア板11上に形成されている。ここで、表示部12はベルトコンベア板11の荷物の搬送面と大きさが同一に形成されている。
【0019】
全てのベルトコンベア板11の荷物が積載される表面層が表示部として機能するように白色に塗装されている。表示部12に投影される広告は表示部12の範囲内に納まる大きさで表示されるものとする。この表示部12には、広告の他にご当地情報、重要なお知らせなどを画像で表示することができる。
そして、表示部12に画像を投影する投影機20が回転式コンベア10の縁部13に設置されている。図1では2個の投影機20を縁部13に設置して例示しているが、回転式コンベアの設置場所や人の集まる位置などを考慮して、投影機の設置数や設置箇所は任意に変更可能である。
【0020】
本実施例では表示部12を全てのベルトコンベア板11に設けているので、移動している回転式コンベア10上の同一位置に画像が常時表示されることになる。
【0021】
投影機20の各々は、図2に示すように、LANにより制御部30に接続されている。制御部30は画像を記憶している画像記憶部32と、画像の表示時間と画像を映す順番などを管理する画像管理部31と、投影機の駆動を制御する駆動制御部33と、オペレーターなどのユーザーが必要な情報やデータを入力する入力部34とを備えている。ここで、制御部30としてサーバーを用いることができる。
【0022】
画像管理部31には、飛行機の到着時間や飛行機の出発地や経由地、回転式コンベアの使用時間等のデータが入力されている。ここで、画像管理部31には、飛行機の出発地や経由地に合わせて画像表示に使用する言語を選択できるように、表示言語選択部(図示せず)を備えている。画像記憶部32には、ベルトコンベア板の表示部に表示する画像が記憶されていて、到着便に合わせて画像を変えることができるように、多数の種類の画像が記憶されている。
【0023】
飛行機が到着すると、制御部30では画像管理部31が飛行機の出発地や経由地の情報に基づいて、表示する画像と表示する時間を決定し、画像記憶部32に記憶されている画像を投影装置20に投影させるように駆動制御部33に命令する。
【0024】
本実施例では、一枚のベルトコンベア板11の範囲内に画像を表示したが、連続するベルトコンベア板11を複数枚用いて一つの広告画像を表示してもよい。また各投影機がそれぞれ別の画像を投影して表示部に表示してもよく、広告主及び情報提供者の所望通りに設計及び変更することが可能である。
【0025】
従って、本実施例の情報表示装置によれば、荷物が置かれる回転式コンベア上の人の目が集中している場所に、乗客に合わせて広告などの情報を画像で表示できるので、荷物を探しながらでも提供したい情報が人の目に留まるようになり、宣伝効果があがることになる。
【0026】
実施例1では、ベルトコンベア板11を白色に塗装して投影スクリーンとして使用したが、画像のスクリーンとなるベルトコンベア板の材質及び色は画像を表示するのに適したものであればよく、例えば色つきのアクリル板を用いることができる。
【0027】
本実施例の変形例を図3に示す。図3は投影機からの画像を反射板により反射させて回転式コンベア上に広告画像を表示する情報表示装置2である。反射板14は回転式コンベア10の縁部13に設置されている。投影機20から反射板14に照射された画像は反yさ板14により反射されて表示部20に画像が表示される。
反射板14を設ける情報表示装置2は、投影機20から画像を直接投影するのが困難な場合や、一つの投影機20からの画像を反射板により複数の表示部に投影して投影機20の設置台数を減らす場合に適している。
【実施例2】
【0028】
次に、本発明の実施例2を図4を参照しながら説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図4は電子看板を回転式コンベアに設置し、画像を表示する情報表示装置である。
【0029】
図4は情報表示装置の表示部22の構成図である。1枚のベルトコンベア板の下部には、基台17の上に液晶ディスプレイ15が設置され、液晶ディスプレイ15の上部には保護材として透明アクリル板16が設置されて表示部22を形成している。ここで、液晶ディスプレイと制御部との配線については、有線又は無線のどちらでも利用可能であり、設計で様々に変更可能であるので、図示せず説明は省略する。
【0030】
ここで、液晶ディスプレイ15を表示部として用いたが、表示部として様々な電子看板を用いることができ、例えば、プラズマディスプレイ(PDP)、デジタルミラーデバイス(DMD)、ブラウン管(CRT)などを用いることができる。
【0031】
電子看板をベルトコンベア板上に設置するには、強度を高める必要がある。そのために、保護材としてアクリル板16を設けたが、電子看板の表示を妨げるものでなければ他の材料を保護材として用いてもよく、また、電子看板自体に強度を持たせてもよい。
各液晶ディスプレイ15は実施例1と同様にLANにより画像を制御する制御部に接続される。実施例2の情報表示装置の動作は実施例1と同様である。
【0032】
上述の実施例において、本発明の情報表示装置を四辺形タイプの回転式コンベアに適用した例を示したが、三日月形タイプの回転式コンベアにも適用できる。
【符号の説明】
【0033】
1、2 情報表示装置
10 回転式コンベア
11 ベルトコンベア板
12 表示部
13 縁部
14 反射板
20 投影機
30 制御部
31 画像管理部
32 画像記憶部
33 駆動制御部
34 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搬送する相互連結された複数のベルトコンベア板より形成される回転式コンベアと、
情報を画像で表示する表示部と、前記画像の表示を制御する制御部とを有する情報表示手段とを備え、
前記情報表示手段の前記表示部は、少なくとも1つの前記複数のベルトコンベア板の荷物を積載する面に設けられ、
前記制御部は前記画像を時間により変化させることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記情報表示手段の前記表示部は電子看板であることを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記情報表示部は画像が投影される投影スクリーンであり、
前記情報表示手段は前記投影スクリーンに表示させる画像を投影する投影装置を更に備えることを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記情報表示手段は少なくとも1つの反射板を更に備え、前記投影装置から投影される画像を前記反射板に反射させて前記投影スクリーンに投影することを特徴とする請求項3記載の情報表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−221274(P2011−221274A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90201(P2010−90201)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(510100047)
【Fターム(参考)】