回転式ロック機構付き噴出器
【課題】押下げヘッドを回転してロック状態と非ロック状態を選択できるロック機構を組み込み、かつ使い勝手がよい液体噴出器を提供する。
【解決手段】装着筒部材10を外嵌させたシリンダ2の内方から、ステムを介して押下げヘッド30を起立し、押下げヘッドの下降を規制するロック機構Aを備えた液体噴出器において、上記ロック機構Aは、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、ロック状態で、それぞれ対向方向へ突設し、垂下壁40の先部である下方凸部42と起立壁16の先部である上方凸部18とが当接可能として押下げヘッド30の下降をロックし、ロック状態から押下げヘッド30を回動させることで、下方凸部42及び上方凸部18が周方向にずれることでロックが解除されることで形成している。
【解決手段】装着筒部材10を外嵌させたシリンダ2の内方から、ステムを介して押下げヘッド30を起立し、押下げヘッドの下降を規制するロック機構Aを備えた液体噴出器において、上記ロック機構Aは、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、ロック状態で、それぞれ対向方向へ突設し、垂下壁40の先部である下方凸部42と起立壁16の先部である上方凸部18とが当接可能として押下げヘッド30の下降をロックし、ロック状態から押下げヘッド30を回動させることで、下方凸部42及び上方凸部18が周方向にずれることでロックが解除されることで形成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式ロック機構付き噴出器、特に液体容器に適用される回転式ロック機構付き噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴出器において、押下げヘッドを誤って押すことを防止するために、押下げヘッドを覆うオーバーキャップを装着することが行われている(特許文献1)。
【0003】
また押下げヘッド外周壁を囲う囲成筒を設け、該囲成筒に一体に形成した弾性係合板上端の嵌合突部を、前記外周壁に形成した複数凹部内に位置させ、押下げヘッドの回動により嵌合突部と凹部との位置関係を変化させて、押下げヘッドをロックしかつロックを解除でき、更には押下げヘッドの押圧状態を維持してガス抜きができるように凹部の形状を設計したものが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−57084
【特許文献2】特開2002−326681
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のオーバーキャップは、液体噴出器から離脱可能なので、紛失する可能性がある。特に小型噴出器に用いる小さなオーバーキャップはその不都合を生じ易い。
【0006】
特許文献2の液体噴出器は、位置決め用の嵌合突部及び凹部を、囲成筒の一部と押下げヘッドの対応箇所に設けているので、嵌合突部の位置を見誤ってロック状態と非ロック状態若しくはガス抜き状態とを取り違えてしまう可能性がある。
【0007】
本発明の第1の目的は、押下げヘッドを回転してロック状態と非ロック状態を選択できるロック機構を組み込み、かつ使い勝手がよい液体噴出器を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、ロック機構の仕組みが理解し易く、適確に使用できる液体噴出器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
まず第1の手段は、装着筒部材10を外嵌させたシリンダ2内部に配置されたポンプ機構と、該ポンプ機構の上部に取り付けられた押下げヘッド30からなる液体噴出器において、
上記押下げヘッドの下降を規制するロック機構Aを備え、
このロック機構Aは、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、ロック状態で、それぞれ対向位置となるように突設し、垂下壁40の先部である下方凸部42と起立壁16の先部である上方凸部18とが当接又は近接することにより押下げヘッド30の下降をロックし、ロック状態から押下げヘッド30を回動させることで、下方凸部42及び上方凸部18が周方向にずれることでロックが解除されることで形成している。
【0010】
本手段は、押下げヘッドの回動により図2のロック状態及び図1の非ロック状態を選択できるロック機構Aを提案する。この機構は、押下げヘッドからの垂下壁と装着筒部材からの起立壁とを当接可能とした簡素な構造であり、外観から容易に使い方を理解できる。また垂下壁及び起立壁は液体噴出器に組み込み、別パーツとなるオーバーキャップを不要としたことから、液体噴出器の構成要素を紛失するおそれがない。
【0011】
「垂下壁」及び「起立壁」は、押下げヘッドの回動により、ロック位置では相互に当接又は近接して押下げヘッドの下降を規制し、非ロック位置では周方向にずれて押下げヘッドの下降を許容する。垂下壁及び起立壁は、押下げヘッドないし装着部材から対向位置となるように突出するため、外観からロック位置を把握しやすい。「下方凸部」及び「上方凸部」は、下方へあるいは上方へ突出する凸部という程度の意味である。図6に示すように垂下壁及び起立壁が突出方向へ向かって窄まる形状であるときには、その先端部が下方凸部及び上方凸部となる。しかしその形状は適宜変更することができる。
【0012】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ上記垂下壁40は、起立壁16の上方凸部18に対応する上方凹部44を、また上記起立壁16は、垂下壁40の下方凸部42に対応する下方凹部20をそれぞれ有し、かつ押下げヘッド30を非ロック状態として最下降位置まで押し下げたときに、各垂下壁40及び起立壁16の対向端面がそれぞれ適合する形状としている。
【0013】
本手段では、図3又は図9の状態で垂下壁及び起立壁の外面が面一となる単筒状に連なるように、前述の下方凸部に下方凹部を、上方凸部に上方凹部をそれぞれ対応させ、対向端面が適合する。換言すれば各端面が適合する向きに押下げヘッドを回せばよいので、操作方法が簡易である。また液体噴出器としての体裁もよい。「適合」とは、対向面が合うという程度の意味であり、形状が完全に合致しなくても構わない。
【0014】
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ垂下壁40は、周方向に等角的に少なくとも2つの下方凸部42を有し、かつ起立壁16にも、垂下壁に対応して下方凸部42と同数の上方凸部18を設けている。
【0015】
本手段では、図7の如く複数の下方凸部42及び上方凸部18を設け、かつこれと同数の下方凹部及び上方凹部を設けることを提案している。これにより、図8のロック状態において、押下げヘッドを複数の接点(下方凸部と上方凸部との接点)で支えることができ、支持状態が安定する。
【0016】
第4の手段は、第1の手段から第3の手段のいずれかを有し、かつ押下げヘッド30の下方凸部42と装着筒部材10の上方凸部18とが当接可能に接近した位置、或いは押下げヘッドの下降に適する程度に離れた位置に合わせるための位置合わせ手段Bを設けている。
【0017】
本手段では、図4に示すように押下げヘッドの位置合わせ手段Bを設けることを提案している。図5の非ロック状態に位置を合わせると、押下げヘッドを確実に最下降位置まで押し下げるために有利であり、また図6のロック状態に位置を合わせると、押下げヘッドの押下げを確実に防止できる。図示例のように双方の位置に位置合わせできるようにしてもよいし、ロック状態のみを位置合わせできるようにしてもよい。位置合わせの具体的な構造は次の手段で述べる。
【0018】
第5の手段は、第4の手段を有し、かつ押下げヘッド30及び装着筒部材10の一方から、押下げヘッド30の回転軸を中心とする水平断面弧状の第1係合面S1を有する位置合わせ用垂壁50を突設し、その第1係合面S1に、押下げヘッド30又は装着筒部材10の他方から突設する他の垂壁が有する第2係合面S2を重ねて、これら第1係合面S1及び第2係合面S2に、相互に嵌合可能な凹凸状の嵌合溝52及び嵌合突条54を縦設している。
【0019】
本手段は、位置合わせ手段Bの好適な態様を提案している。すなわち、図4に示すように押下げヘッド及び装着筒部材の双方から相互に重なり合う垂壁を、重なり合うように突出し、重なり部分の表面である第1係合面S1及び第2係合面S2に位置合わせ用の嵌合部を縦設してなる。図4の構造は好適な一例であり、嵌合溝と嵌合突条の形成部位を逆転して形成するなど適宜変更できる。具体的には実施形態の欄で述べる。
【発明の効果】
【0020】
第1の手段に係る発明によれば、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、対向方向へ当接可能に突設したから、使い勝手がよく、かつ前述のオーバーキャップのように紛失することがない。
【0021】
第2の手段に係る発明によれば、垂下壁の下方凸部42が起立壁16の下方凹部20に、また起立壁16の上方凸部18が垂下壁の上方凹部44に対応するので、更に使い勝手がよい。
【0022】
第3の手段に係る発明によれば、複数の下方凸部42及び上方凸部18を設けた場合には、押下げヘッド30を安定的に支持することができる。
【0023】
第4の手段に係る発明によれば、押下げヘッドの位置合わせ手段Bを設けたから、押下げヘッド30の位置合わせが容易である。
【0024】
第5の手段に係る発明によれば、位置合わせ手段を、押下げヘッド及び装着筒部材から延びる2つの垂壁の嵌合溝52及び嵌合突条54で形成したから、確実に位置合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液体噴出器の非ロック状態の縦断面図である。
【図2】図1の液体噴出器のロック状態の側面図である。
【図3】図1の液体噴出器の押下げヘッドの下降時の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る液体噴出器の非ロック状態の拡大縦断面図である。
【図5】図4の液体噴出器のロック状態の斜視図である。
【図6】図4の液体噴出器の非ロック状態の斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る液体噴出器の非ロック状態の側面図である。
【図8】図7の液体噴出器のロック状態の正面図である。
【図9】図7の液体噴出器の押下げヘッド下降時での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から図3は、本発明の第1の実施形態に係る液体噴出器を示している。この液体噴出器は、シリンダ2内部に配置されたポンプ機構と、装着筒部材10と、ポンプ機構上部に取り付けられる押下げヘッド30とで構成している。これらの各部材は、別段の説明がない限り、合成樹脂で形成することができる。まず本発明の構成のうち従来公知の事柄を簡単に説明する。
【0027】
シリンダ2は、その筒壁の上部に装着筒部材への係止用の鍔部4を、下部に吸込み弁6を有する。吸込み弁6の下方には吸上管の取付部を有する。シリンダ2内部には、ポペット、スプリングにより上方へ付勢されシリンダ2内を摺動する下部ピストン24が前記吸込み弁と共に組み込まれており、更にはシリンダ上方へ突出する下部ピストン24外面に組み付きその下端がシリンダ内を摺動すると共に上端に後述の頭部シリンダ内面を摺動するシール部を形成した上部ピストン28、下端が後述の装着筒部材の案内筒内を摺動する頭部シリンダ32とでポンプ機構が構成されている。
【0028】
装着筒部材10は、上記口頸部の外面への装着筒11を有し、その装着筒の上端から内向きフランジ状壁12を介して案内壁14を起立し、上記鍔部4に嵌着している。
【0029】
押下げヘッド30は、頭部シリンダ32上方に組み付くように配置され、また天板の外周からノズルチップを埋設したノズル36付きの外周壁38を垂下している。下部ピストン上端34は吐出弁である。
【0030】
吸込み弁6を介してシリンダ2内に吸い込まれた液体は下部ピストン24側壁に形成された開口を通り、下部ピストン24上方外面と上部ピストン28内面間に形成された隙間を通り、吐出弁34を介してノズル36から噴出される。
【0031】
本発明では、外周壁38を下方へ、一側を長くかつ他側を短く延長して、その延長部分を垂下壁40としている。そして垂下壁40の下端のうち一側部分を下方凸部42に、他側部分を上方凹部44に形成している。上記外周壁38及び垂下壁40は、押下げヘッド30の回転軸を中心とする円筒形とする。
【0032】
なお図示例では、側方からみて図1の如く垂下壁40の下端面を、前方から後上方へ直線状に延びる傾斜面にしている。しかし、その構成は適宜変更することができる。
【0033】
また装着筒部材10の内向きフランジ状壁12の上面からは、垂下壁40と同径で一側が短くかつ他側が長い起立壁16を起立する。そして、この起立壁16の端部の一側部分を下方凹部20に、他側部分を上方凸部18にそれぞれ形成している。
【0034】
図1の非ロック状態において、垂下壁40の下端面と起立壁16の下端面は合致しており、押下げヘッド30を最下降位置まで押し下げたときに、外面が面一となる一つの筒壁のように連なる。このとき垂下壁40の下方凸部42は起立壁16の下方凹部20内へ、また起立壁16の上方凸部18は垂下壁40の上方凹部44内へそれぞれ突入する。これにより押下げヘッド30を最下降位置まで押し下げることができる。
【0035】
図1から図2のように押下げヘッド30を180°回動させてロック位置まで移動させると、垂下壁40の下方凸部42と起立壁16の上方凸部18とが相互に対峙することになる。この状態では、下方凸部42と上方凸部18は、当接してもよいが、図示例のように僅かに隙間を存して近接してもよい。これにより、押下げヘッド30の押下げが阻止される。これら下方凸部42と上方凸部18とでロック機構Aが形成される。
【0036】
このロック機構は押下げヘッド及び装着筒部材に組み込まれているので、特許文献1のオーバーキャップの如く紛失してしまうことがなく、押下げヘッドをロックしようとするときには、容易にロック動作を行うことができる。
【0037】
また特許文献2の位置決め用嵌合突部及び凹部と比べると、本発明のロック機構Aを構成する下方凸部42及び上方凸部18は、ロック状態において図2に示す如く、相互に突き当たる又は近接することで押下げヘッド30の下降を防止するというシンプルな構造であるため、利用者は容易にその使い方を理解することができる。
【0038】
また本発明の下方凸部42及び上方凸部18は、押下げヘッド30及び装着筒部材10から対向方向へ突出する垂下壁40及び起立壁16の先部として形成されているために、利用者の目に付き易く、両者の位置関係によりロック状態であるのか、非ロック状態であるのかが外観上明瞭に呈示される。
【0039】
また本実施形態では、下方凸部42から上方凹部44へ垂下壁40の端部分と、上方凸部18から下方凹部20へ起立壁16の端部分とは傾斜しているので、液体噴出器をどちらの方向から見ても下方凸部42及び上方凸部18の位置を把握し易い。
【0040】
以下、本発明の他の実施形態を説明する。これらの説明において第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付することで解説を省略する。
【0041】
図4から図6は、本発明の第2実施形態を示している。円筒形の位置合わせ用垂壁50を押下げヘッド30から下へ突出している。位置合わせ用垂壁50の上端部は垂下壁40の基端部に嵌着しており、かつ位置合わせ用垂壁50の先部は起立壁16の内面に摺動自在に嵌挿している。
【0042】
位置合わせ用垂壁50の突出長さは、押下げヘッドの高さに応じて、押下げヘッドが最下降位置に下がる前に位置合わせ用垂壁50下端が装着筒部材10の内向きフランジ状壁12に当接しないように設計する。
【0043】
位置合わせ用垂壁50の外面は第1係合面S1、起立壁16の内面は第2係合面S2である。係合面とは、少なくとも各面の一部(後述の嵌合部)を介して相互に接して位置合わせを可能とする面である。これら第1係合面S1及び第2係合面S2は垂直方向及び周方向に摺動可能に形成する。なお、その垂直方向の摺動代を確保することができる程度に、起立壁16の垂直長さを設計するものとする。
【0044】
上記位置合わせ用垂壁50の第1係合面S1の両側には、嵌合溝52として、2本の凹溝を縦設し、かつ起立壁16の第2係合面S2には、嵌合突条54として1本の凸条を縦設している。図示例では、位置合わせ用垂壁50の前後両側に嵌合溝52を形成しているが、その位置は適宜変更できる。
【0045】
2本の嵌合溝52の一方と嵌合突条54とが係合したときには、図5のように非ロック状態で位置合わせされ、2本の嵌合溝52の他方と嵌合突条54とが係合したときには、図6のようにロック状態で位置合わせされるように形成している。但し2本の嵌合溝52のうちの一本は省略し、ロック状態のみで位置あわせするように形成することもできる。
【0046】
これら嵌合溝52及び嵌合突条54により位置合わせ手段Bが形成される。
【0047】
図示例の位置合わせ用垂壁50は、上端部を押下げヘッド30側に固定させて、下方へ突出しているが、逆に下端部を装着筒部材側の適所(例えば起立壁)に固定させて、上方へ突出してもよい。この場合には、垂下壁40を長く設けて、垂下壁40の内面を第2係合面S2に、位置合わせ用垂壁50の外面を第1係合面S1にして、これら各面に嵌合溝及び嵌合突条を縦設するとよい。
【0048】
また起立壁16に代えて案内壁14を位置合わせ用垂壁50に嵌合させて、位置合わせ用垂壁50の内面を第1係合面とし、案内壁14を第2係合面とすることもできる。
【0049】
図7から図9は、本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態では、起立壁16に2つの上方凸部18及び下方凹部20を、垂下壁40に下方凸部42及び上方凹部44をそれぞれ形成したものである。
【0050】
これにより、押下げヘッドは左右何れの方向でも90°回動させることによりロック状態となり、且つ、該ロック状態では2つの接点で押下げヘッドを安定して支持することができる。
【符号の説明】
【0051】
2…シリンダ 4…鍔部 6…吸込み弁
10…装着筒部材 11…装着筒 12…内向きフランジ状壁 14…案内壁
16…起立壁 18…上方凸部 20…下方凹部
24…下部ピストン 28…上部ピストン
30…押下げヘッド 32…頭部シリンダ 34…吐出弁 36…ノズル
38…外周壁 40…垂下壁 42…下方凸部 44…上方凹部
50…位置合わせ用垂壁 52…第1嵌合条 54…第2嵌合条
S1…第1係合面 S2…第2係合面
A…ロック機構 B…位置合わせ手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式ロック機構付き噴出器、特に液体容器に適用される回転式ロック機構付き噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴出器において、押下げヘッドを誤って押すことを防止するために、押下げヘッドを覆うオーバーキャップを装着することが行われている(特許文献1)。
【0003】
また押下げヘッド外周壁を囲う囲成筒を設け、該囲成筒に一体に形成した弾性係合板上端の嵌合突部を、前記外周壁に形成した複数凹部内に位置させ、押下げヘッドの回動により嵌合突部と凹部との位置関係を変化させて、押下げヘッドをロックしかつロックを解除でき、更には押下げヘッドの押圧状態を維持してガス抜きができるように凹部の形状を設計したものが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−57084
【特許文献2】特開2002−326681
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のオーバーキャップは、液体噴出器から離脱可能なので、紛失する可能性がある。特に小型噴出器に用いる小さなオーバーキャップはその不都合を生じ易い。
【0006】
特許文献2の液体噴出器は、位置決め用の嵌合突部及び凹部を、囲成筒の一部と押下げヘッドの対応箇所に設けているので、嵌合突部の位置を見誤ってロック状態と非ロック状態若しくはガス抜き状態とを取り違えてしまう可能性がある。
【0007】
本発明の第1の目的は、押下げヘッドを回転してロック状態と非ロック状態を選択できるロック機構を組み込み、かつ使い勝手がよい液体噴出器を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、ロック機構の仕組みが理解し易く、適確に使用できる液体噴出器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
まず第1の手段は、装着筒部材10を外嵌させたシリンダ2内部に配置されたポンプ機構と、該ポンプ機構の上部に取り付けられた押下げヘッド30からなる液体噴出器において、
上記押下げヘッドの下降を規制するロック機構Aを備え、
このロック機構Aは、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、ロック状態で、それぞれ対向位置となるように突設し、垂下壁40の先部である下方凸部42と起立壁16の先部である上方凸部18とが当接又は近接することにより押下げヘッド30の下降をロックし、ロック状態から押下げヘッド30を回動させることで、下方凸部42及び上方凸部18が周方向にずれることでロックが解除されることで形成している。
【0010】
本手段は、押下げヘッドの回動により図2のロック状態及び図1の非ロック状態を選択できるロック機構Aを提案する。この機構は、押下げヘッドからの垂下壁と装着筒部材からの起立壁とを当接可能とした簡素な構造であり、外観から容易に使い方を理解できる。また垂下壁及び起立壁は液体噴出器に組み込み、別パーツとなるオーバーキャップを不要としたことから、液体噴出器の構成要素を紛失するおそれがない。
【0011】
「垂下壁」及び「起立壁」は、押下げヘッドの回動により、ロック位置では相互に当接又は近接して押下げヘッドの下降を規制し、非ロック位置では周方向にずれて押下げヘッドの下降を許容する。垂下壁及び起立壁は、押下げヘッドないし装着部材から対向位置となるように突出するため、外観からロック位置を把握しやすい。「下方凸部」及び「上方凸部」は、下方へあるいは上方へ突出する凸部という程度の意味である。図6に示すように垂下壁及び起立壁が突出方向へ向かって窄まる形状であるときには、その先端部が下方凸部及び上方凸部となる。しかしその形状は適宜変更することができる。
【0012】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ上記垂下壁40は、起立壁16の上方凸部18に対応する上方凹部44を、また上記起立壁16は、垂下壁40の下方凸部42に対応する下方凹部20をそれぞれ有し、かつ押下げヘッド30を非ロック状態として最下降位置まで押し下げたときに、各垂下壁40及び起立壁16の対向端面がそれぞれ適合する形状としている。
【0013】
本手段では、図3又は図9の状態で垂下壁及び起立壁の外面が面一となる単筒状に連なるように、前述の下方凸部に下方凹部を、上方凸部に上方凹部をそれぞれ対応させ、対向端面が適合する。換言すれば各端面が適合する向きに押下げヘッドを回せばよいので、操作方法が簡易である。また液体噴出器としての体裁もよい。「適合」とは、対向面が合うという程度の意味であり、形状が完全に合致しなくても構わない。
【0014】
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ垂下壁40は、周方向に等角的に少なくとも2つの下方凸部42を有し、かつ起立壁16にも、垂下壁に対応して下方凸部42と同数の上方凸部18を設けている。
【0015】
本手段では、図7の如く複数の下方凸部42及び上方凸部18を設け、かつこれと同数の下方凹部及び上方凹部を設けることを提案している。これにより、図8のロック状態において、押下げヘッドを複数の接点(下方凸部と上方凸部との接点)で支えることができ、支持状態が安定する。
【0016】
第4の手段は、第1の手段から第3の手段のいずれかを有し、かつ押下げヘッド30の下方凸部42と装着筒部材10の上方凸部18とが当接可能に接近した位置、或いは押下げヘッドの下降に適する程度に離れた位置に合わせるための位置合わせ手段Bを設けている。
【0017】
本手段では、図4に示すように押下げヘッドの位置合わせ手段Bを設けることを提案している。図5の非ロック状態に位置を合わせると、押下げヘッドを確実に最下降位置まで押し下げるために有利であり、また図6のロック状態に位置を合わせると、押下げヘッドの押下げを確実に防止できる。図示例のように双方の位置に位置合わせできるようにしてもよいし、ロック状態のみを位置合わせできるようにしてもよい。位置合わせの具体的な構造は次の手段で述べる。
【0018】
第5の手段は、第4の手段を有し、かつ押下げヘッド30及び装着筒部材10の一方から、押下げヘッド30の回転軸を中心とする水平断面弧状の第1係合面S1を有する位置合わせ用垂壁50を突設し、その第1係合面S1に、押下げヘッド30又は装着筒部材10の他方から突設する他の垂壁が有する第2係合面S2を重ねて、これら第1係合面S1及び第2係合面S2に、相互に嵌合可能な凹凸状の嵌合溝52及び嵌合突条54を縦設している。
【0019】
本手段は、位置合わせ手段Bの好適な態様を提案している。すなわち、図4に示すように押下げヘッド及び装着筒部材の双方から相互に重なり合う垂壁を、重なり合うように突出し、重なり部分の表面である第1係合面S1及び第2係合面S2に位置合わせ用の嵌合部を縦設してなる。図4の構造は好適な一例であり、嵌合溝と嵌合突条の形成部位を逆転して形成するなど適宜変更できる。具体的には実施形態の欄で述べる。
【発明の効果】
【0020】
第1の手段に係る発明によれば、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、対向方向へ当接可能に突設したから、使い勝手がよく、かつ前述のオーバーキャップのように紛失することがない。
【0021】
第2の手段に係る発明によれば、垂下壁の下方凸部42が起立壁16の下方凹部20に、また起立壁16の上方凸部18が垂下壁の上方凹部44に対応するので、更に使い勝手がよい。
【0022】
第3の手段に係る発明によれば、複数の下方凸部42及び上方凸部18を設けた場合には、押下げヘッド30を安定的に支持することができる。
【0023】
第4の手段に係る発明によれば、押下げヘッドの位置合わせ手段Bを設けたから、押下げヘッド30の位置合わせが容易である。
【0024】
第5の手段に係る発明によれば、位置合わせ手段を、押下げヘッド及び装着筒部材から延びる2つの垂壁の嵌合溝52及び嵌合突条54で形成したから、確実に位置合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液体噴出器の非ロック状態の縦断面図である。
【図2】図1の液体噴出器のロック状態の側面図である。
【図3】図1の液体噴出器の押下げヘッドの下降時の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る液体噴出器の非ロック状態の拡大縦断面図である。
【図5】図4の液体噴出器のロック状態の斜視図である。
【図6】図4の液体噴出器の非ロック状態の斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る液体噴出器の非ロック状態の側面図である。
【図8】図7の液体噴出器のロック状態の正面図である。
【図9】図7の液体噴出器の押下げヘッド下降時での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から図3は、本発明の第1の実施形態に係る液体噴出器を示している。この液体噴出器は、シリンダ2内部に配置されたポンプ機構と、装着筒部材10と、ポンプ機構上部に取り付けられる押下げヘッド30とで構成している。これらの各部材は、別段の説明がない限り、合成樹脂で形成することができる。まず本発明の構成のうち従来公知の事柄を簡単に説明する。
【0027】
シリンダ2は、その筒壁の上部に装着筒部材への係止用の鍔部4を、下部に吸込み弁6を有する。吸込み弁6の下方には吸上管の取付部を有する。シリンダ2内部には、ポペット、スプリングにより上方へ付勢されシリンダ2内を摺動する下部ピストン24が前記吸込み弁と共に組み込まれており、更にはシリンダ上方へ突出する下部ピストン24外面に組み付きその下端がシリンダ内を摺動すると共に上端に後述の頭部シリンダ内面を摺動するシール部を形成した上部ピストン28、下端が後述の装着筒部材の案内筒内を摺動する頭部シリンダ32とでポンプ機構が構成されている。
【0028】
装着筒部材10は、上記口頸部の外面への装着筒11を有し、その装着筒の上端から内向きフランジ状壁12を介して案内壁14を起立し、上記鍔部4に嵌着している。
【0029】
押下げヘッド30は、頭部シリンダ32上方に組み付くように配置され、また天板の外周からノズルチップを埋設したノズル36付きの外周壁38を垂下している。下部ピストン上端34は吐出弁である。
【0030】
吸込み弁6を介してシリンダ2内に吸い込まれた液体は下部ピストン24側壁に形成された開口を通り、下部ピストン24上方外面と上部ピストン28内面間に形成された隙間を通り、吐出弁34を介してノズル36から噴出される。
【0031】
本発明では、外周壁38を下方へ、一側を長くかつ他側を短く延長して、その延長部分を垂下壁40としている。そして垂下壁40の下端のうち一側部分を下方凸部42に、他側部分を上方凹部44に形成している。上記外周壁38及び垂下壁40は、押下げヘッド30の回転軸を中心とする円筒形とする。
【0032】
なお図示例では、側方からみて図1の如く垂下壁40の下端面を、前方から後上方へ直線状に延びる傾斜面にしている。しかし、その構成は適宜変更することができる。
【0033】
また装着筒部材10の内向きフランジ状壁12の上面からは、垂下壁40と同径で一側が短くかつ他側が長い起立壁16を起立する。そして、この起立壁16の端部の一側部分を下方凹部20に、他側部分を上方凸部18にそれぞれ形成している。
【0034】
図1の非ロック状態において、垂下壁40の下端面と起立壁16の下端面は合致しており、押下げヘッド30を最下降位置まで押し下げたときに、外面が面一となる一つの筒壁のように連なる。このとき垂下壁40の下方凸部42は起立壁16の下方凹部20内へ、また起立壁16の上方凸部18は垂下壁40の上方凹部44内へそれぞれ突入する。これにより押下げヘッド30を最下降位置まで押し下げることができる。
【0035】
図1から図2のように押下げヘッド30を180°回動させてロック位置まで移動させると、垂下壁40の下方凸部42と起立壁16の上方凸部18とが相互に対峙することになる。この状態では、下方凸部42と上方凸部18は、当接してもよいが、図示例のように僅かに隙間を存して近接してもよい。これにより、押下げヘッド30の押下げが阻止される。これら下方凸部42と上方凸部18とでロック機構Aが形成される。
【0036】
このロック機構は押下げヘッド及び装着筒部材に組み込まれているので、特許文献1のオーバーキャップの如く紛失してしまうことがなく、押下げヘッドをロックしようとするときには、容易にロック動作を行うことができる。
【0037】
また特許文献2の位置決め用嵌合突部及び凹部と比べると、本発明のロック機構Aを構成する下方凸部42及び上方凸部18は、ロック状態において図2に示す如く、相互に突き当たる又は近接することで押下げヘッド30の下降を防止するというシンプルな構造であるため、利用者は容易にその使い方を理解することができる。
【0038】
また本発明の下方凸部42及び上方凸部18は、押下げヘッド30及び装着筒部材10から対向方向へ突出する垂下壁40及び起立壁16の先部として形成されているために、利用者の目に付き易く、両者の位置関係によりロック状態であるのか、非ロック状態であるのかが外観上明瞭に呈示される。
【0039】
また本実施形態では、下方凸部42から上方凹部44へ垂下壁40の端部分と、上方凸部18から下方凹部20へ起立壁16の端部分とは傾斜しているので、液体噴出器をどちらの方向から見ても下方凸部42及び上方凸部18の位置を把握し易い。
【0040】
以下、本発明の他の実施形態を説明する。これらの説明において第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付することで解説を省略する。
【0041】
図4から図6は、本発明の第2実施形態を示している。円筒形の位置合わせ用垂壁50を押下げヘッド30から下へ突出している。位置合わせ用垂壁50の上端部は垂下壁40の基端部に嵌着しており、かつ位置合わせ用垂壁50の先部は起立壁16の内面に摺動自在に嵌挿している。
【0042】
位置合わせ用垂壁50の突出長さは、押下げヘッドの高さに応じて、押下げヘッドが最下降位置に下がる前に位置合わせ用垂壁50下端が装着筒部材10の内向きフランジ状壁12に当接しないように設計する。
【0043】
位置合わせ用垂壁50の外面は第1係合面S1、起立壁16の内面は第2係合面S2である。係合面とは、少なくとも各面の一部(後述の嵌合部)を介して相互に接して位置合わせを可能とする面である。これら第1係合面S1及び第2係合面S2は垂直方向及び周方向に摺動可能に形成する。なお、その垂直方向の摺動代を確保することができる程度に、起立壁16の垂直長さを設計するものとする。
【0044】
上記位置合わせ用垂壁50の第1係合面S1の両側には、嵌合溝52として、2本の凹溝を縦設し、かつ起立壁16の第2係合面S2には、嵌合突条54として1本の凸条を縦設している。図示例では、位置合わせ用垂壁50の前後両側に嵌合溝52を形成しているが、その位置は適宜変更できる。
【0045】
2本の嵌合溝52の一方と嵌合突条54とが係合したときには、図5のように非ロック状態で位置合わせされ、2本の嵌合溝52の他方と嵌合突条54とが係合したときには、図6のようにロック状態で位置合わせされるように形成している。但し2本の嵌合溝52のうちの一本は省略し、ロック状態のみで位置あわせするように形成することもできる。
【0046】
これら嵌合溝52及び嵌合突条54により位置合わせ手段Bが形成される。
【0047】
図示例の位置合わせ用垂壁50は、上端部を押下げヘッド30側に固定させて、下方へ突出しているが、逆に下端部を装着筒部材側の適所(例えば起立壁)に固定させて、上方へ突出してもよい。この場合には、垂下壁40を長く設けて、垂下壁40の内面を第2係合面S2に、位置合わせ用垂壁50の外面を第1係合面S1にして、これら各面に嵌合溝及び嵌合突条を縦設するとよい。
【0048】
また起立壁16に代えて案内壁14を位置合わせ用垂壁50に嵌合させて、位置合わせ用垂壁50の内面を第1係合面とし、案内壁14を第2係合面とすることもできる。
【0049】
図7から図9は、本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態では、起立壁16に2つの上方凸部18及び下方凹部20を、垂下壁40に下方凸部42及び上方凹部44をそれぞれ形成したものである。
【0050】
これにより、押下げヘッドは左右何れの方向でも90°回動させることによりロック状態となり、且つ、該ロック状態では2つの接点で押下げヘッドを安定して支持することができる。
【符号の説明】
【0051】
2…シリンダ 4…鍔部 6…吸込み弁
10…装着筒部材 11…装着筒 12…内向きフランジ状壁 14…案内壁
16…起立壁 18…上方凸部 20…下方凹部
24…下部ピストン 28…上部ピストン
30…押下げヘッド 32…頭部シリンダ 34…吐出弁 36…ノズル
38…外周壁 40…垂下壁 42…下方凸部 44…上方凹部
50…位置合わせ用垂壁 52…第1嵌合条 54…第2嵌合条
S1…第1係合面 S2…第2係合面
A…ロック機構 B…位置合わせ手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着筒部材10を外嵌させたシリンダ2内部に配置されたポンプ機構と、該ポンプ機構の上部に取り付けられた押下げヘッド30からなる液体噴出器において、
上記押下げヘッドの下降を規制するロック機構Aを備えており、
このロック機構Aは、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、ロック状態で、それぞれ対向位置となるように突設し、垂下壁40の先部である下方凸部42と起立壁16の先部である上方凸部18とが当接又は近接することにより押下げヘッド30の下降をロックし、ロック状態から押下げヘッド30を回動させることで、下方凸部42及び上方凸部18が周方向にずれることでロックが解除されることで形成したことを特徴とする、回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項2】
上記垂下壁40は、起立壁16の上方凸部18に対応する上方凹部44を、また上記起立壁16は、垂下壁40の下方凸部42に対応する下方凹部20をそれぞれ有し、かつ押下げヘッド30を非ロック状態として最下降位置まで押し下げたときに、各垂下壁40及び起立壁16の対向端面がそれぞれ適合する形状としたことを特徴とする、請求項1に記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項3】
垂下壁40は、周方向に等角的に少なくとも2つの下方凸部42を有し、かつ起立壁16にも、垂下壁に対応して下方凸部42と同数の上方凸部18を設けたことを特徴とする、請求項2に記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項4】
押下げヘッド30の下方凸部42と装着筒部材10の上方凸部18とが当接可能に接近した位置、或いは押下げヘッドの下降に適する程度に離れた位置に合わせるための位置合わせ手段Bを設けたことを特徴とする、請求項1から請求3のいずれかに記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項5】
上記位置合わせ手段Bは、押下げヘッド30及び装着筒部材10の一方から、押下げヘッド30の回転軸を中心とする水平断面弧状の第1係合面S1を有する位置合わせ用垂壁50を突設し、その第1係合面S1に、押下げヘッド30又は装着筒部材10の他方から突設する他の垂壁が有する第2係合面S2を重ねて、これら第1係合面S1及び第2係合面S2に、相互に嵌合可能な凹凸状の第1嵌合条52及び第2嵌合条54を縦設してなることを特徴する、請求項4に記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項1】
装着筒部材10を外嵌させたシリンダ2内部に配置されたポンプ機構と、該ポンプ機構の上部に取り付けられた押下げヘッド30からなる液体噴出器において、
上記押下げヘッドの下降を規制するロック機構Aを備えており、
このロック機構Aは、押下げヘッド30から垂下壁40を、また装着筒部材10から起立壁16を、ロック状態で、それぞれ対向位置となるように突設し、垂下壁40の先部である下方凸部42と起立壁16の先部である上方凸部18とが当接又は近接することにより押下げヘッド30の下降をロックし、ロック状態から押下げヘッド30を回動させることで、下方凸部42及び上方凸部18が周方向にずれることでロックが解除されることで形成したことを特徴とする、回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項2】
上記垂下壁40は、起立壁16の上方凸部18に対応する上方凹部44を、また上記起立壁16は、垂下壁40の下方凸部42に対応する下方凹部20をそれぞれ有し、かつ押下げヘッド30を非ロック状態として最下降位置まで押し下げたときに、各垂下壁40及び起立壁16の対向端面がそれぞれ適合する形状としたことを特徴とする、請求項1に記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項3】
垂下壁40は、周方向に等角的に少なくとも2つの下方凸部42を有し、かつ起立壁16にも、垂下壁に対応して下方凸部42と同数の上方凸部18を設けたことを特徴とする、請求項2に記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項4】
押下げヘッド30の下方凸部42と装着筒部材10の上方凸部18とが当接可能に接近した位置、或いは押下げヘッドの下降に適する程度に離れた位置に合わせるための位置合わせ手段Bを設けたことを特徴とする、請求項1から請求3のいずれかに記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【請求項5】
上記位置合わせ手段Bは、押下げヘッド30及び装着筒部材10の一方から、押下げヘッド30の回転軸を中心とする水平断面弧状の第1係合面S1を有する位置合わせ用垂壁50を突設し、その第1係合面S1に、押下げヘッド30又は装着筒部材10の他方から突設する他の垂壁が有する第2係合面S2を重ねて、これら第1係合面S1及び第2係合面S2に、相互に嵌合可能な凹凸状の第1嵌合条52及び第2嵌合条54を縦設してなることを特徴する、請求項4に記載の回転式ロック機構付き噴出器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−115677(P2011−115677A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272982(P2009−272982)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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