説明

回転式攪拌装置

【課題】任意の作業現場において、広い範囲で、しかも所望の深さに至るまで効率的に攪拌できる回転式攪拌装置を提供する。
【解決手段】回転式攪拌装置10はフロント作業機3のアーム5の先端に着脱可能に取り付けられるものであり、油圧モータ11と、その出力軸12とからなる回転駆動手段に攪拌羽根手段13を装着したものである。攪拌羽根手段13は、出力軸12に取り付けた羽根ホルダ部材30に4箇所の羽根装着部33を設けて、これら各羽根装着部33に所望の形状と寸法とを有する攪拌羽根31を、菊座面部34,35間に係合させ、ボルト‐ナット36により所望の角度状態にして取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等、フロント作業機を有する走行車両からなる自走式の作業機械において、フロントアタッチメントとしてバケットと交換してアームの先端に連結される回転式攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
処理対象土砂に改良材を混合して攪拌することによって、土壌の改質乃至改良を行うことができる。例えば、浚渫により発生した軟泥土を埋め立て用として再利用するために、軟泥土にセメントや石灰等を混合することにより軟泥を固形化する処理が行われる。また、粘土質の土壌や砂質の土壌に有機物や微生物を混入して、団粒構造とすることによって農地として耕地が可能なものとすることができる。さらに、有害物質により汚染された土壌を浄化するために、有害土に浄化剤、不溶化剤等を混合することにより無害化することも可能である。これらのためには、処理対象土砂等と各種の混合物とを均一に攪拌することが必要になる。
【0003】
ホイールローダのバケットに攪拌装置を装着する構成としたものが特許文献1に記載されている。この攪拌装置は、回転軸に所定のピッチ間隔をもって、しかもそれぞれ位相を変えて攪拌羽根を取り付け、油圧モータと一対のスプロケットとチェーンとからなる回転駆動手段により回転軸を回転駆動することによって、攪拌羽根を回転させて、土砂等の攪拌を行うように構成している。回転軸はバケットの左右の両側板間に回転自在に支持されており、バケット底板は攪拌羽根の下方部位を開放できるように変位可能な構成としている。
【0004】
また、特許文献2には、油圧モータの出力軸に複数の攪拌翼を放射状に設ける構成とした攪拌装置が示されている。この攪拌装置は油圧ショベルに設けられるものであり、この特許文献2では、水と土砂及び固化剤を投入した処理槽内に挿入されて、処理槽の内部を攪拌して、土砂と固化剤とを均一に混合させるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−233539号公報
【特許文献2】特開平11−217843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の攪拌装置にあっては、その攪拌範囲として、攪拌幅が回転軸の長さにより規制され、また攪拌深さは攪拌羽根の長さにより規制される。ここで、回転軸は左右のバケット側板間に設けられているので、左右のバケット側板間の長さに制限されることになる。また、バケットはバケット底板により開閉されるものであるから、バケット底板が閉鎖されたときに、攪拌羽根と干渉しないようにする必要があり、このために攪拌羽根の回転軸からの突出長さにも限界がある。さらに、ホイールローダであることから、その稼働範囲及びリーチも限定される。このように、特許文献1の攪拌装置は、広い範囲にわたって、深い位置まで土砂等の攪拌を行うのに適したものではなく、被処理土を効率的に攪拌できないという問題点がある。
【0007】
また、特許文献2にあっては、水と土砂及び固化剤とは処理槽内に投入される。このために、同じ混合比率となるように調整することができる。従って、攪拌翼は出力軸に対して直交する方向に延在され、一定の形状となっており、処理対象土砂等に応じて適宜変更できるものとはなっていない。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、任意の作業現場において、処理対象土砂等に対して、広い範囲にわたって、所望の深さまで効率的に攪拌できる回転式攪拌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明は、走行車両にフロント作業機を設けた作業機械であって、そのフロント作業機のアームに着脱可能に装着される回転式攪拌装置において、前記アームの先端に設けたリンク機構に着脱可能に取り付けられる回転駆動手段と、前記回転駆動手段の出力軸に着脱可能に連結され、円周方向に複数箇所の羽根装着部を有する羽根ホルダ部材と、前記各羽根装着部に角度調整可能に連結される攪拌羽根とを備える構成としたことをその特徴とするものである。
【0010】
作業機械は走行車両にフロント作業機を設けたものから構成される。この種の機械としては、具体的には、例えば油圧ショベルがある。油圧ショベルはクローラ式またはホイール式の下部走行体に上部旋回体を旋回可能に連結して設けたものであり、上部旋回体に土砂の掘削等の作業を行うフロント作業機が設けられる。フロント作業機は、上部旋回体に俯仰動作可能に装着したブームと、このブームの先端に上下方向に回動可能なアームとを有し、アームの先端にフロントアタッチメントが装着されている。ここで、フロントアタッチメントの代表的なものとしては、バケットがあり、バケットを駆動することにより土砂の掘削が行われる。
【0011】
回転式攪拌装置は、アームの先端にバケットに代えて装着されるものであり、従って回転式攪拌装置はアームに対して着脱可能なものとする。バケットはアームに対してリンク機構を介して連結されていることから、関節としての動きをすることになる。回転式攪拌装置は、回転駆動手段として、例えば油圧モータ等からなる回転駆動手段の出力軸に攪拌用の羽根を設けたものであり、出力軸は攪拌対象に対して直交する方向に向けることができなければならない。従って、アームに対して関節としての動きを行うことによって、効率的な攪拌が可能になる。
【0012】
攪拌羽根は出力軸に連結した羽根ホルダ部材に連結される。このために、羽根ホルダ部材には羽根装着部が設けられ、攪拌羽根はこの羽根装着部に着脱可能に連結される。攪拌羽根の連結数については、格別制限はないが、むらなく円滑に回転させ、かつ攪拌を効率的に行うためには、それぞれ90度の角度をもって4本連結するのが望ましい。攪拌羽根の形状は所定の幅寸法を有する長尺の金属薄板から構成するのが望ましい。攪拌羽根の幅及び長さは任意に設定することができるものである。また、攪拌羽根の形状としては、真っ直ぐな板であっても良いが、幅方向に向けて傾斜したものや、湾曲形状となっているもの等を用いることができる。さらに、攪拌羽根の幅方向の一端側が鋭角な刃部とすることもできる。
【0013】
攪拌羽根は出力軸に対して直交する方向に延在させても良く、また上下いずれかの方向に向けて角度を持たせるようにして連結することもできる。複数本の攪拌羽根を傾けた状態で取り付ける際には、必ずしも全て同一方向に傾ける必要はなく、例えば2本の攪拌羽根を上方に傾け、他の2本の攪拌羽根を下方に傾けるようにすることもできる。さらに、1箇所の羽根装着部に2本の攪拌羽根を上下の各方向に向けて傾くようにして装着することもできる。
【発明の効果】
【0014】
作業の種類に応じて、また作業現場の状況に応じて、広範囲にわたって所望の深さ位置まで土砂等を効率的に攪拌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による回転式攪拌装置を装着した油圧ショベルの全体構成図である。
【図2】回転式攪拌装置のアームへの連結図を示し図1の要部拡大図である。
【図3】図2のA−A断面部である。
【図4】攪拌羽根の羽根装着部への連結部分の分解斜視図である。
【図5】羽根装着部に対して攪拌羽根を傾斜した状態に装着した状態を示す図2と同様の図である。
【図6】羽根装着部に対して攪拌羽根を上下交互に傾斜した状態に装着した状態を示す図2と同様の図である。
【図7】羽根装着部に対して攪拌羽根を出力軸の延長方向に延在させた状態を示す図2と同様の図である。
【図8】羽根装着部に対して攪拌羽根を出力軸側に折り返した状態を示す図2と同様の図である。
【図9】羽根装着部に2枚の攪拌羽根を連結する構成としたものを示す分解斜視図である。
【図10】攪拌羽根の他の形状を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に本発明による回転式攪拌装置が適用される一態様としての油圧ショベルの全体構成を示す。図中において、1はクローラ式走行手段を有する下部走行体、2は下部走行体1の上部に旋回可能に設けた上部旋回体、3は上部旋回体2に装着したフロント作業機である。
【0017】
フロント作業機3は、上部旋回体2に俯仰動作可能に連結したブーム4と、ブーム4の先端に上下方向に回動可能に連結したアーム5とを有するものであり、土砂の掘削作業等を行う際には、アーム5の先端に周知の構成を有するバケットが装着される。回転式攪拌装置10はバケットに代えてアーム5に連結されることになる。回転式攪拌装置10は、回転駆動手段としての油圧モータ11と、この油圧モータ11の出力軸12の先端に設けた攪拌羽根手段13とから構成される。
【0018】
図2にアーム5と回転式攪拌装置10との連結部の構成を示す。アーム5にはリンク駆動シリンダ14が設けられており、このリンク駆動シリンダ14のロッド14aの先端は一対からなるリンク部材15a,15bに枢着されている。リンク部材15aの他端はアーム5に枢着されており、リンク部材15bの他端は連結部材16の一側部位に枢着されている。一方、連結部材16の他側の部位はアーム5の先端に枢着されている。従って、リンク駆動シリンダ14のロッド14aを伸長させたり、縮小させたりすると、連結部材16はアーム5への枢着部を中心として図1に矢印で示した方向に回動する。
【0019】
回転式攪拌装置10における油圧モータ11のケーシングの端面には取付部17が固着して設けられており、この取付部17が連結部材16に着脱可能に連結される。このために、連結部材16には、そのアーム5への枢着部側に固定フック18が設けられており、リンク部材15bへの枢着部には、この枢着部と同軸に回動フック19が設けられている。さらに、固定フック18と回動フック19との間には押動用のばねからなる付勢手段20が弾装されている。この付勢手段20によって、回動フック19は固定フック18から離間する方向に回動するように付勢されている。従って、回動フック19を付勢手段20に抗する方向に押動すると、回動フック19は固定フック18に近接する方向に回動することになる。
【0020】
一方、油圧モータ11のケーシングに設けた取付部17は、左右一対の取付板を有するものであり、その間には2本のピン21a,21bが架け渡すように設けられている。ピン21aは固定フック18と係合するものであり、ピン21bは回動フック19と係合するものである。従って、回動フック19を付勢手段20の付勢力に抗して固定フック18側に回動変位させた状態で、取付部17のピン21a,21b間に進入させて、回動フック19に対する付勢手段20に対する作用力を解除すると、ピン21a,21bが固定フック18及び回動フック19と係合することになる結果、回転式攪拌装置10がアーム5に連結されることになる。
【0021】
さらに、油圧モータ11のケーシングには、一対の配管接続部22a,22bが設けられており、これらの配管接続部22a,22bには油圧配管23a,23bが着脱可能に接続されるようになっている。従って、油圧配管23a,23bの一方から圧油を油圧モータ11に供給し、他方に戻り油を流すことによって、油圧モータ11を回転駆動することができるようになる。
【0022】
攪拌羽根手段13は、羽根ホルダ部材30と、複数枚の攪拌羽根31とから構成されるものである。羽根ホルダ部材30は、図3及び図4に示したように、軸挿通用の透孔32を有するものであり、その外面には羽根装着部33が複数箇所突設されている。ここで、図示したものにあっては、羽根ホルダ部材30に羽根装着部33を90度毎に4箇所設けるようにしているが、羽根装着部33の数はこれに限定されるものではない。また、羽根ホルダ部材30は出力軸12に固着して設けることができる。なお、羽根ホルダ部材30は出力軸12に対して着脱可能であっても良い。そして、羽根ホルダ部材30を出力軸12に対して着脱可能に連結する構成としたときには、羽根ホルダ部材30を装着した状態では、出力軸12に対して相対回転不能とする。
【0023】
羽根ホルダ部材30の各羽根装着部33にはそれぞれ攪拌羽根31が着脱可能に連結されるようになっており、しかも攪拌羽根31は羽根装着部33に上下方向に角度調整可能となっている。このために、攪拌羽根31及び羽根装着部33の当接面は放射状の凹凸面を有する菊座面部34,35となっており、攪拌羽根31を羽根装着部33に対して任意の角度状態で菊座面部34,35を当接させて、ボルト‐ナット36を締め付けると、所望の角度状態で連結・固定されることになる。しかも、ボルト‐ナット36は強力に締め付けなくても、攪拌羽根31の角度がずれるおそれはない。
【0024】
攪拌羽根31は、所定の幅を有する長尺の金属板体から構成され、菊座面部34はその基端側側面に形成されている。ここで、攪拌羽根31は処理対象土砂を効率的に攪拌できるように長さ及び幅が設定されるものであり、長尺化すると、攪拌範囲が広くなり、幅広にすると、攪拌深さが増大する。ただし、長尺で幅広の攪拌羽根31を用いると、攪拌時の抵抗が大きくなり、その分だけ回転駆動手段としての油圧モータ11に作用する負荷が増大することになる。
【0025】
攪拌羽根31を図3に示したように、出力軸12の軸線と直交する方向に延在させると、最大攪拌半径となり、攪拌羽根31の先端側を上下方向に傾けて装着すると、その分だけ攪拌半径が小さくなるが、攪拌深さ寸法が大きくなる。攪拌羽根31を傾ける場合、図5に示したように、全ての攪拌羽根31を同じ方向に傾けても良く、また図6に示したように、2枚の攪拌羽根31を上方に傾け、他の2枚の攪拌羽根31を下方に傾けるようになし、この傾け方向が異なる攪拌羽根31を交互に位置させるように構成した場合には、全てを同一方向に傾ける場合より攪拌深さを大きく取ることができる。さらに、図7及び図8に示したように、攪拌羽根31を出力軸12の軸線方向に延長させるようにするか、または出力軸12側に折り返すようにすることもできる。これによって、回転式攪拌装置10をコンパクトになり、保管時に有利である。
【0026】
さらに、図9に示したように、羽根ホルダ部材30の各羽根装着部33の両側にそれぞれ2枚の攪拌羽根31,31を装着することができ、この場合には、一方の攪拌羽根31を上下いずれかの方向に傾けるようになし、他方の攪拌羽根31は他の方向に傾けるようにするのが望ましい。
【0027】
攪拌羽根は平板状のものだけでなく、図10(A)に示した攪拌羽根31Aのように、幅方向に湾曲した形状としたり、図10(B)に示した傾斜状態とした攪拌羽根31Bとしたりしても良い。さらに、図10(C)に示したように、下端側が鋭利な刃先状の攪拌羽根31Cを用いることもできる。いずれにしろ、攪拌羽根31,31A〜31Cはボルト‐ナット36により羽根ホルダ部材30の羽根装着部33に着脱可能に取り付けることができるようになっているので、作業の種類等に応じて適宜の攪拌羽根を交換して使用することもできる。
【0028】
以上のように構成される回転式攪拌装置10は、油圧ショベルのフロント作業機3におけるアーム5の先端に装着して、被処理土砂と改良材との攪拌作業等を行うために用いることができる。例えば、水分を多量に含む浚渫土砂を固化するために石灰を混合するが、石灰として生石灰を用いると、攪拌・混合の過程で、生石灰が水と反応して消石灰となり、またこれと同時に反応熱により水分を蒸発させることから、改良土としてリサイクルが可能なものとなる。ここで、良質の改良土を取得するには、未反応の生石灰が残らないようにするために、土砂と生石灰を均等に混合しなければならない。
【0029】
このためには、まず浚渫土砂の集積所に集積された処理対象土砂に生石灰を投入し、次いで油圧ショベルを作動させて、アーム5の先端に取り付けた回転式攪拌装置10を処理対象土砂内に埋入させる。ここで、回転式攪拌装置10において、出力軸12に取り付けた攪拌羽根31は任意の形状のものが取り付けられ、しかも任意の角度に固定される。被処理対象である浚渫土砂の性質と含水率、さらに添加される生石灰の量等により適宜の形状の攪拌羽根31を所望の角度となるようにして羽根ホルダ部材30に装着する。例えば集積所に集積されている浚渫土砂の深さが深い場合には、攪拌羽根31は図6に示したように、先端側が上下方向に交互に傾けるようにして装着する。攪拌羽根31と羽根装着部33との当接面は菊座面部34,35となっていることから、ボルト‐ナット36を強力に締め付けなくても、各攪拌羽根31は相対的なずれが生じる安定的に保持される。従って、攪拌羽根31の着脱及び角度調整を容易に行うことができる。
【0030】
処理対象土砂である浚渫土砂は水分を多量に含む軟質土であることから、オペレータはフロント作業機3を適宜操作することによって、攪拌羽根手段13を浚渫土砂の中に埋入することができる。この攪拌羽根手段13を浚渫土砂に埋入する前の段階で、若しくは埋入させた後に、油圧モータ11を駆動して、出力軸12を回転駆動することによって、処理対象土砂を攪拌する。その結果、添加した改良材としての生石灰が処理対象土砂である浚渫土砂に均等に混合され、生石灰と水分との反応により、また反応熱による乾燥により固化した良質の改良土が生成される。
【0031】
ここで、攪拌羽根手段13では、その攪拌羽根31の長さ以上の範囲を攪拌することはできないが、フロント作業機3を構成するブーム4及びアーム5を適宜動作させ、また上部旋回体2による旋回動作を行わせることによって、攪拌羽根手段13の攪拌位置を変えることができるようになり、広い範囲にわたって攪拌動作を行わせることができる。そして、下部走行体1を走行させて、攪拌作業位置を変位させるようにすれば、さらに広い範囲にまで処理を及ぼすことができる。
【0032】
処理対象土砂とその改良材との均一な混合を図るには、アーム5に取り付けた油圧モータ11の出力軸12は、ブーム4やアーム5の姿勢の変化に拘わらず常に鉛直状態に保持する必要がある。このためには、ブーム4やアーム5の動作に応じて、リンク駆動シリンダ14を適宜作動させると、出力軸12の角度を調整することができる。また、攪拌羽根手段13を深さ方向に位置調整する場合にも、ブーム4やアーム5を駆動するが、そのときにもリンク駆動シリンダ14を駆動することによって、攪拌羽根31を装着した出力軸12の角度制御を行うことができる。
【0033】
以上のように、羽根ホルダ部材30において、処理対象と、この処理対象に混合される改良材との性質や量等に応じて、任意の構造及び角度とした攪拌羽根31を羽根装着部33に対して、容易に装着でき、しかも装着状態では極めて安定的に固定されることから、処理対象の攪拌・混合を効率的に行うことができ、また均一に混合できるようになり、高品質の改良土等を生成することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 下部走行体 2 上部旋回体
3 フロント作業機 5 アーム
10 回転式攪拌装置 11 油圧モータ
12 出力軸 13 攪拌羽根手段
14 リンク駆動シリンダ 15a,15b リンク部材
16 連結部材 17 取付部
30 羽根ホルダ部材 31,31A〜31C 攪拌羽根
33 羽根装着部 34,35 菊座面部
36 ボルト‐ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車両にフロント作業機を設けた作業機械であって、このフロント作業機のアームに着脱可能に装着される回転式攪拌装置において、
前記アームの先端に設けたリンク機構に着脱可能に取り付けられる回転駆動手段と、
前記回転駆動手段の出力軸に着脱可能に連結され、円周方向に複数箇所の羽根装着部を有する羽根ホルダ部材と、
前記各羽根装着部に角度調整可能に連結される攪拌羽根と
を備える構成としたことを特徴とする回転式攪拌装置。
【請求項2】
前記回転駆動手段は油圧モータから構成したことを特徴とする請求項1記載の回転式攪拌装置。
【請求項3】
前記羽根ホルダ部材にはそれぞれ90度毎に前記羽根装着部が設けられており、前記攪拌羽根は前記各羽根装着部に対してそれぞれ独立の角度となるように連結できる構成としたことを特徴とする請求項1記載の回転式攪拌装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−36632(P2012−36632A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177321(P2010−177321)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】