説明

回転支圧体付きアースアンカーを用いた工作物または建造物の固定装置と工法

【課題】
工作物または建造物が風力、地震等の外力によって移動しないための最小の固定装置と工法を提供する。
【解決手段】
工作物または建造物の固定装置24は、工作物等の下部に固定され地盤に接するベース25とそれを貫通するアースアンカー1とによって構成され、アースアンカー1は、支圧体3に圧力をかけ軸材2の緊張力を保持するためのナット26、ナット26の下に位置する支圧板48、軸材2、軸材2下部に設けたヒンジ14、支圧体3、軸材2と支圧体3をヒンジ接合し回転軸を兼ねるボルト4とで構成され、軸材2と支圧体3を、ボルト4でヒンジ接合し、ヒンジ14下端部に回転止め13を設け、アースアンカー1を地中に貫入し引き上げれば支圧体3に働く回転モーメントによって支圧体3が開くように造り、アースアンカー1によりベース25を地盤に固定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転支圧体付きアースアンカーを用いた工作物または建造物の固定装置と工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作物、建造物が風力、地震力等の外力によって転倒、移動しないようにコンクリート基礎によって重力式的に地盤に固定することが、従来の工作物、建造物の地盤に固定する方法である。
工作物等を地盤に連結するため、回転支圧体付きアースアンカーとその工法の技術を提案した。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4752046号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2011年 3月11日の東日本大震災による原子力発電所の事故によって、さらなる自然エネルギーの利用が望まれるようになった。我が国の休田地、耕作放棄地に太陽光電池を設置すれば、原発40基に相当する電力を得られるという試算も出されている。
従来太陽光パネルの架台を地上に設ける場合、コンクリート基礎によって重力式的に地盤に設置されてきた。しかし、太陽光パネルの架台を、コンクリート基礎によって重力式的に地盤に固定するよりも安価なアースアンカーを用いて地盤に固定した方がコスト安であると想像できる。また、太陽光電池を休田地、耕作放棄地または砂漠などに設置した場合、太陽光電池を容易に撤去移設できることが望ましい。その意味からも、重力式基礎に頼るよりも、容易に引き抜けて再利用できる回転支圧体付きアースアンカーを用いて太陽光パネルの架台を地盤に固定することが望ましい。アースアンカーにSUS304などの材料を用いることによって必要十分な耐久性と強度を得ることができる。
特許文献1の技術で、地上の工作物を地盤に連結する技術を提案した。しかし、工作物または建造物をどのように地盤に固定するのか示されなかった。
工作物、建造物を地盤に経済的に固定することによって、基礎を小さくすることができ、基礎工事費を縮減できる。なお、特許文献1の後改良した「回転支圧体付きアースアンカーとその工法」を先出願している(特願2011―236191 参照)。
【課題を解決するための手段】
【0005】
工作物または建造物の地盤への固定装置24において、
固定装置24は、工作物または建造物の下部に固定され地盤に接するベース25と、ベース25を貫通する1本または複数のアースアンカー1によって構成され、
アースアンカー1は、軸材2、軸材2下部に設けたヒンジ14、支圧体3、軸材2と支圧体3をヒンジ接合し回転軸を兼ねるボルト4とアースアンカー1とベース25を地盤に固定するためのナット26とによって構成され、
軸材2の上部には、回転軸より上部にある支圧体3の長さ以上の長さのある雄ねじ5と、軸材2頂部を打ち叩いても雄ねじ5の頂部を痛めず、軸材2を、スパナ等を用いて90度回転するための軸材2の端部のカット6をして加工した平面視多角形を設け、
アースアンカー1は、ヒンジ14を用いて軸材2と支圧体3をボルト4でヒンジ接合し、支圧体3の内側に板状の逆回転止め12を設けヒンジ14上端部に当接させ、
または、ヒンジ14の横端部を平坦にして突起をつくった逆回転止12を設けことによって支圧体3を閉じて貫入する時支圧体下端部9と軸材2の芯10を一致させ、
ヒンジ14の下端部を平坦にして突起をつくった回転止め13を設けることによって、支圧体3が開いた時支圧体3の回転を止めるようにし、アースアンカー1を地中に貫入し引き上げれば、支圧体3に働く回転モーメントによって支圧体3が開くようにつくり、
アースアンカー1によりベース25を地盤に固定することによって、
工作物または建造物を地盤に固定することを特徴とする工作物または建造物の固定装置である。
【0006】
請求項1記載の工作物または建造物の固定装置24を用いて、
アースアンカー1の頂部を打つことによって、または、プレボーリングすることによって、アースアンカー1を所定の深さまで地中に貫入し、
軸材2に、ベース25に開けられた孔27を通してベース25を地盤上に置き、
または、ベース25に開けられた孔27を通してアースアンカー1を所定の深さまで地中に貫入し、
軸材の芯10を軸にしてアースアンカー1を90度回転して、平面視貫入時地中にできた穴から支圧体3の全部または一部を避け、
ナット26を締め付けてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き支圧体3に圧力をかけることによって、
または、機器を用いてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き、ナット26を締め付けて支圧体3に圧力をかけることによってベース25を地盤に固定し、
ベース25及びアースアンカー1を撤去移設する時は、
軸材2の頂部を打つことによって支圧体3を閉じ、90度貫入時とは逆に回転し、貫入時にできた地盤の穴を通してアースアンカー1を引き抜き、
ベース25及びアースアンカー1を撤去移設することを特徴とする工作物または建造物の固定の工法である。
【0007】
アースアンカー1を土手または山の斜面39に貫入し、
前記ベース25の替わりに土止ブロック41を用いて、
土止ブロック41を土手または山の斜面39上に、土止ブロック41の孔にアースアンカー1の軸材2を通して等高線状に平行または格子状に置き、
アースアンカー1とナット26により土止ブロック41を土手または山の斜面39上に固定することによって、
土砂崩れ防止の土止をすることを特徴とする工作物または建造物の固定の工法である。
【0008】
アースアンカー1を土手または山の斜面39に貫入し、
前記ベース25の替わりに土留ブロック43を用いて、
土留ブロック43を土手または山の斜面39の前に水平に積み、
土留ブロック43の孔にアースアンカー1の軸材2を通し、
土留ブロック43と土手または山の斜面39の間に盛土を行い、
アースアンカー1とナット26により土留ブロック43を、盛土を挟んで土手または山の斜面39に固定することによって、
擁壁44を造ることを特徴とする工作物または建造物の固定の工法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、地上のあらゆる工作物、建造物を地盤に固定しうるものである。太陽光パネルの架台のような比較的小規模な構造物を休耕田などに設置するのであれば、軸材の径6〜9mmのアースアンカーを人力で打ち込めば良く、ベース(基礎)も人力で設置可能である。風力発電塔の設置であれば、ドリルを用いてプレボーリングの後、太径のアースアンカーを貫入して、梃子、チエンブロックまたはクレーンを用いて引き上げ、支圧体を開くことが可能である。ベースは、部分円形状のものを、クレーンなどを用いてつないでいけば良い。住宅等の基礎にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の工作物または建造物の固定装置24の実施例を示し、図1の(a)は固定装置24の上部の断面図を、図1の(b)は図1の(a)の平面図を、図1の(c)は固定装置24の下部に位置するアースアンカー1の下部の断面図を示す。
【図2】図2は本発明の工作物23Aの固定装置24の実施例の断面図である。
【図3】図3は本発明の工作物または建造物の固定装置24の別な実施例を示し、図3の(a)は工作物23Aを地盤に固定する実施例の断面図で、図3の(b)は図3の(a)のA矢視図である。
【図4】図4は本発明の工作物または建造物23の固定装置24の別な実施例で、建造物23の固定装置24の実施例を示す断面図である。
【図5】図5は本発明の工作物または建造物23の固定の工法の別な実施例で、土止に用いた実施例である。図5の(a)(b)は断面図、図5(c)は図5の(b)の正面図である。
【図6】図6は本発明の工作物または建造物23の固定の工法の別な実施例で、擁壁に用いた実施例である。図6の(a)、(b)、(c)は、それぞれ断面図で、施工順に並べている。
【図7】図7はアースアンカー1の軸材2のジョイント45と擁壁44の詳細を示す実施例で、図7の(a)は図6(b)のI部の拡大断面図、図7の(b)は図7の(a)の正面図、図7の(c)は図6の(c)のJ部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の工作物または建造物の固定装置24の実施例を示し、図1の(a)は固定装置24の上部の断面図を示し、図1の(b)は図1の(a)の平面図を示し、図1の(c)は固定装置24の下部に位置するアースアンカー1の下部の断面図を示す。図2は工作物23Aの固定装置24の実施例の断面図である。
工作物または建造物の地盤20への固定装置24において、
固定装置24は、工作物または建造物の下部37Bに固定され地盤に接するベース25と、ベース25を貫通する1本または複数のアースアンカー1によって構成され、
アースアンカー1は、支圧体3に圧力をかけ軸材2の緊張力を保持するためのナット26、ナット26の下に位置する支圧板48、軸材2、軸材2下部に設けたヒンジ14、支圧体3、軸材2と支圧体3をヒンジ接合し回転軸を兼ねるボルト4とで構成され、
軸材2の上部に、雄ねじ5と、軸材2頂部を打ち叩いても雄ねじ5の頂部を痛めず、軸材2を、スパナ等を用いて90度回転するための軸材2の端部のカット6をして加工した平面視多角形を設け、
アースアンカー1は、ヒンジ14を用いて軸材2と支圧体3をボルト4でヒンジ接合し、支圧体3の内側に板状の逆回転止め12を設けヒンジ14上端部に当接させ、
または、ヒンジ14の横端部を平坦にして突起をつくった逆回転止12を設けことによって支圧体3を閉じて貫入する時支圧体下端部9と軸材2の芯10を一致させ、
ヒンジ14の下端部を平坦にして突起をつくった回転止め13を設けることによって、支圧体3が開いた時支圧体3の回転を止めるようにし、アースアンカー1を地中に貫入し引き上げれば、支圧体3に働く回転モーメントによって支圧体3が開くようにつくり、
前記アースアンカー1によりベース25を地盤に固定することによって、
工作物または建造物を地盤に固定することを特徴とする工作物または建造物の固定装置である。
ベース25の形状は、立方形、円柱形、円錐台形などで良く、材料は強度と耐久性のあるコンクリート、鋼製などであればよい。図2では、1本のアースアンカー1によってベース25が地盤20に固定され、さらに工作物23Aとベース25が固定されているが、ベース25の固定のために複数本のアースアンカー1を用いて、ベース25と工作物23Aとはボルトで取り付けまたは一体加工であっても良い。アースアンカー1のヒンジ14、支圧体3廻りの詳細については、先出願の2011―236191の明細書に記載している。軸材2頂部の四角形加工は、六角形加工または八角形加工であっても良い。
工作物または建造物の横部にベース25に相当するものを取り付ける、または、孔をあけて、孔にアースアンカー1の軸材2を通して工作物または建造物を固定することもできる。
【0012】
次に工作物または建造物の固定の工法について記載する。図1、図2参照。
前記工作物または建造物の固定装置24を用いて、
アースアンカー1の頂部を打つことによって、または、プレボーリングすることによって、アースアンカー1を所定の深さまで地中に貫入し、
軸材2に、ベース25に開けられた孔27を通してベース25を地盤上に置く。
または、ベース25に開けられた孔27を通してアースアンカー1を所定の深さまで地中に貫入する。
雄ねじカット6部にスパナをあてるなどして、軸材の芯10を軸にしてアースアンカー1を90度回転して、平面視貫入時地中にできた穴と一致しないように支圧体3の全部または一部を避け、ナット26を締め付けてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き支圧体3に圧力をかけることによってベース25を地盤に固定する。
または、機器を用いてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き、ナット26を締め付けて支圧体3に圧力をかけることによってベース25を地盤に固定する。
ベース25及びアースアンカー1を撤去移設する時は、
軸材2の頂部を打つことによって支圧体3を閉じ、90度貫入時とは逆に回転し、貫入時にできた地盤の穴を通してアースアンカー1を引き抜き、
ベース25及びアースアンカー1を撤去移設することを特徴とする工作物または建造物の固定の工法である。アースアンカー1のナット26を締め付けることによって支圧体3を開くためには、アースアンカー1の軸材2上部の雄ねじ5の長さは、アースアンカー1を、回転軸より上部にある支圧体3の長さ以上に引き上げるために、回転軸より上部にある支圧体3の長さ以上必要である。プレボーリングしてアースアンカー1を貫入する場合は、アースアンカー1の頂部を打つ必要が無いので、頂部のカット6を無くし、多角形の加工もやめてスパナなどでなく別の方法で90度回転しても良い。
【0013】
図3は本発明の工作物または建造物の固定装置24の別な実施例を示し、図3の(a)は工作物23Aを地盤に固定する実施例の断面図で、図3の(b)は図3の(a)のA矢視図である。固定装置24は、3本以上(図面では4本)のアースアンカー1とベース25によって構成される。3本以上のアースアンカー1を地盤20に貫入し、ベース25を置きまたは現場施工し、その上に工作物23Aの独立柱28を置き、ボルトナット26を締め付けてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き工作物23Aを地盤に固定する。または、ベース25を置き、その上に独立柱28の柱脚29を置き、柱脚29のベースプレート30Bの孔とベース25の孔27を通してアースアンカー1を貫入しても良い。太陽光パネル22の替わりに照明器具、案内板などを取り付けても良い。
図4は、固定装置24を用いて土台37とベース25を地盤20上に固定し、土台37の上に建造物(図面では住宅)23を構築した実施例である。
【0014】
図5は本発明の工作物または建造物23の固定の装置と工法の別な実施例で、土手などで土が崩れるのを防止するための土止に用いた実施例である。図5の(a)(b)は断面図、図5(c)は図5の(b)の正面図である。
アースアンカー1を土手または山の斜面39に貫入し(図5の(a)参照)、
前記ベース25の替わりに土止ブロック41を用いて(図5の(b)参照)、
板状の土止ブロック41を土手または山の斜面39上に、土止ブロック41の孔にアースアンカー1の軸材2を通して等高線状に平行または格子状に置き(図5の(b)、(c)参照)、または、土止ブロック41を土手などの斜面39上に、等高線状に平行または格子状に置き、アースアンカー1を土止ブロック41の孔に通して貫入し、
アースアンカー1により、土手などで土が崩れるのを防止するために傾斜に沿って敷設した板状の土止ブロック41を土手または山の斜面39上に固定することによって、土砂崩れ防止の土止をすることを特徴とする。図5の(b)、(c)では、格子状に並べた土止41の間に太陽光パネル22を配置した実施例を示している。
【0015】
図6は本発明の工作物または建造物23の固定の装置と工法の別な実施例で、土手などで土が崩れるのを防止するための擁壁に用いた実施例である。図6の(a)、(b)、(c)は、それぞれ断面図で、施工順に並べている。
アースアンカー1を土手または山の斜面39に貫入し(図6の(a)参照)、
前記ベース25の替わりに土留ブロック43を用いて、
土留ブロック43を土手または山の斜面39の前に水平に積み、
土留ブロック43の孔にアースアンカー1の軸材2を通し、
または、土留ブロック43を土手などの斜面39の前に水平に積み、
アースアンカー1を土留ブロック43の孔に通して貫入し、
土留ブロック43と土手または山の斜面39の間に盛土を行い(図6の(a)、(b)参照)、アースアンカー1により、土手などで山が崩れるのを防止するために垂直に設けた板状の土留ブロック43を、盛土を挟んで土手または山の斜面39に固定することによって、擁壁44を造る(図6の(c)参照)ことを特徴とする。
図7はアースアンカー1の軸材2のジョイント45と擁壁44の詳細を示す実施例で、図7の(a)は図6(b)のI部の拡大断面図、図7の(b)は図7の(a)の正面図、図7の(c)は図6の(c)のJ部拡大断面図である。
図7の(a)、(b)は、ジョイント45の実施例である。ジョイント45は、軸材2の外形管と、第2の軸材46の外形管をヒンジで接続したものである。擁壁用土留43に第2の軸材46を通すためのボルト孔42の位置とアースアンカー1の軸材2の頂部の位置の誤差に対応するためにヒンジ接合にしている。中央部の第2のヒンジ47を無くし、1本の軸材2の外形管の両端に雌ねじを切り、軸材2とねじ接合し、ナット50で締め付けても良い。地盤を所定の深さまでプレボーリングして、アースアンカー1の軸材2と第2の軸材46をジョイント45でつなぐことによって、アースアンカー1の軸材の長さを長くしてアースアンカー1をより深く貫入することができる。
【符号の説明】
【0016】
1 アースアンカー
2 軸材
3 支圧体
4 ボルト
5 雄ねじ
6 端部のカット
7 四角形加工
9 支圧体下端部
10 軸材の芯
12 逆回転止め
13 回転止め
14 ヒンジ
15 土止カバー
20 地盤
22 太陽光パネル
23 建造物
23A 工作物
24 固定装置
25 ベース
26 ナット
27、42 孔
28 独立柱
29 柱脚
30B ベースプレート
37 土台
37A ベースレール
37B 工作物または建造物の下部
39 土手または山の斜面
40 プレボーリング
41 土止ブロック
43 土留ブロック
44 擁壁
45 ジョイント
46 第2の軸材
47 第2のヒンジ
48 支圧板
49 リブプレート
50 ナット
51 台座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物または建造物の地盤20への固定装置24において、
固定装置24は、工作物または建造物の下部37Bに固定され地盤に接するベース25と、ベース25を貫通する1本または複数のアースアンカー1によって構成され、
アースアンカー1は、支圧体3に圧力をかけ軸材2の緊張力を保持するためのナット26、ナット26の下に位置する支圧板48、軸材2、軸材2下部に設けたヒンジ14、支圧体3、軸材2と支圧体3をヒンジ接合し回転軸を兼ねるボルト4とで構成され、
軸材2の上部に、雄ねじ5と、軸材2頂部を打ち叩いても雄ねじ5の頂部を痛めず、軸材2を、スパナ等を用いて90度回転するための軸材2の端部のカット6をして加工した平面視多角形を設け、
アースアンカー1は、ヒンジ14を用いて軸材2と支圧体3をボルト4でヒンジ接合し、支圧体3の内側に板状の逆回転止め12を設けヒンジ14上端部に当接させ、
または、ヒンジ14の横端部を平坦にして突起をつくった逆回転止12を設けことによって支圧体3を閉じて貫入する時支圧体下端部9と軸材2の芯10を一致させ、
ヒンジ14の下端部を平坦にして突起をつくった回転止め13を設けることによって、支圧体3が開いた時支圧体3の回転を止めるようにし、アースアンカー1を地中に貫入し引き上げれば、支圧体3に働く回転モーメントによって支圧体3が開くようにつくり、
前記アースアンカー1によりベース25を地盤に固定することによって、
工作物または建造物を地盤に固定することを特徴とする工作物または建造物の固定装置。
【請求項2】
請求項1記載の工作物または建造物の固定装置24を用いて、
アースアンカー1の頂部を打つことによって、または、プレボーリングすることによって、アースアンカー1を所定の深さまで地中に貫入し、
軸材2に、ベース25に開けられた孔27を通してベース25を地盤上に置き、
または、ベース25に開けられた孔27を通してアースアンカー1を所定の深さまで地中に貫入し、軸材の芯10を軸にしてアースアンカー1を90度回転して、平面視貫入時地中にできた穴と一致しないように支圧体3の全部または一部を避け、
ナット26を締め付けてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き支圧体3に圧力をかけることによって、
または、機器を用いてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き、ナット26を締め付けて支圧体3に圧力をかけることによってベース25を地盤に固定し、
ベース25及びアースアンカー1を撤去移設する時は、
軸材2の頂部を打つことによって支圧体3を閉じ、90度貫入時とは逆に回転し、貫入時にできた地盤の穴を通してアースアンカー1を引き抜き、
ベース25及びアースアンカー1を撤去移設することを特徴とする工作物または建造物の固定の工法。
【請求項3】
土手などで土が崩れるのを防止するために傾斜に沿って敷設した板状の土止ブロック41と、土止ブロック41を貫通する1本または複数のアースアンカー1によって構成される固定装置であって、
アースアンカー1は、支圧体3に圧力をかけ軸材2の緊張力を保持するためのナット26、ナット26の下に位置する支圧板48、軸材2、軸材2下部に設けたヒンジ14、支圧体3、軸材2と支圧体3をヒンジ接合し回転軸を兼ねるボルト4とで構成され、
軸材2の上部に、雄ねじ5と、軸材2頂部を打ち叩いても雄ねじ5の頂部を痛めず、軸材2を、スパナ等を用いて90度回転するための軸材2の端部のカット6をして加工した平面視多角形を設け、
アースアンカー1は、ヒンジ14を用いて軸材2と支圧体3をボルト4でヒンジ接合し、支圧体3の内側に板状の逆回転止め12を設けヒンジ14上端部に当接させ、
または、ヒンジ14の横端部を平坦にして突起をつくった逆回転止12を設けことによって支圧体3を閉じて貫入する時支圧体下端部9と軸材2の芯10を一致させ、
ヒンジ14の下端部を平坦にして突起をつくった回転止め13を設けることによって、支圧体3が開いた時支圧体3の回転を止めるようにし、アースアンカー1を地中に貫入し引き上げれば、支圧体3に働く回転モーメントによって支圧体3が開くようにつくり、
アースアンカー1により土止ブロック41を土手などの斜面39に固定することによって、土砂崩れ防止の土止をすることを特徴とする工作物または建造物の固定装置。
【請求項4】
請求項3記載の工作物または建造物の固定装置を用いて、
アースアンカー1の頂部を打つことによって、または、プレボーリングすることによって、アースアンカー1を土手などの斜面39に貫入し、
板状の土止ブロック41を土手などの斜面39上に、土止ブロック41の孔にアースアンカー1の軸材2を通して等高線状に平行または格子状に置き、
または、土止ブロック41を土手などの斜面39上に、等高線状に平行または格子状に置き、アースアンカー1を土止ブロック41の孔に通して貫入し、
軸材の芯10を軸にしてアースアンカー1を90度回転して、平面視貫入時地中にできた穴と一致しないように支圧体3の全部または一部を避け、
ナット26を締め付けてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き支圧体3に圧力をかけることによって、
または、機器を用いてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き、ナット26を締め付けて支圧体3に圧力をかけることにより土止ブロック41を土手などの斜面39上に固定することによって、
土砂崩れ防止の土止をすることを特徴とする工作物または建造物の固定の工法。
【請求項5】
土手などで土が崩れるのを防止するために垂直に設けた板状の土留ブロック43と、土留ブロック43を貫通する1本または複数のアースアンカー1によって構成される固定装置であって、
アースアンカー1は、支圧体3に圧力をかけ軸材2の緊張力を保持するためのナット26、ナット26の下に位置する支圧板48、軸材2、軸材2下部に設けたヒンジ14、支圧体3、軸材2と支圧体3をヒンジ接合し回転軸を兼ねるボルト4とで構成され、
軸材2の上部に、雄ねじ5と、軸材2頂部を打ち叩いても雄ねじ5の頂部を痛めず、軸材2を、スパナ等を用いて90度回転するための軸材2の端部のカット6をして加工した平面視多角形を設け、
アースアンカー1は、ヒンジ14を用いて軸材2と支圧体3をボルト4でヒンジ接合し、支圧体3の内側に板状の逆回転止め12を設けヒンジ14上端部に当接させ、
または、ヒンジ14の横端部を平坦にして突起をつくった逆回転止12を設けことによって支圧体3を閉じて貫入する時支圧体下端部9と軸材2の芯10を一致させ、
ヒンジ14の下端部を平坦にして突起をつくった回転止め13を設けることによって、支圧体3が開いた時支圧体3の回転を止めるようにし、アースアンカー1を地中に貫入し引き上げれば、支圧体3に働く回転モーメントによって支圧体3が開くようにつくり、
アースアンカー1により土留ブロック43を、盛土を挟んで土手などの斜面39に固定することによって、擁壁44を造ることを特徴とする工作物または建造物の固定装置。
【請求項6】
請求項5記載の工作物または建造物の固定装置を用いて、
アースアンカー1の頂部を打つことによって、または、プレボーリングすることによって、アースアンカー1を土手などの斜面39に貫入し、
土留ブロック43を土手などの斜面39の前に水平に積み、
土留ブロック43の孔にアースアンカー1の軸材2を通し、
または、土留ブロック43を土手などの斜面39の前に水平に積み、
アースアンカー1を土留ブロック43の孔に通して貫入し、
土留ブロック43と土手などの斜面39の間に盛土を行い、
軸材の芯10を軸にしてアースアンカー1を90度回転して、平面視貫入時地中にできた穴と一致しないように支圧体3の全部または一部を避け、
ナット26を締め付けてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き支圧体3に圧力をかけることによって、
または、機器を用いてアースアンカー1を引き上げ、支圧体3を開き、ナット26を締め付けて支圧体3に圧力をかけることにより土留ブロック43を、盛土を挟んで土手などの斜面39に固定することによって、
擁壁44を造ることを特徴とする工作物または建造物の固定の工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−92024(P2013−92024A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236258(P2011−236258)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【特許番号】特許第5023270号(P5023270)
【特許公報発行日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(301041450)株式会社小笠原設計 (21)
【Fターム(参考)】