説明

回転飲食台における商品提供方法およびその装置

【課題】テーブル上面の飲食スペースを広く利用でき、搬送中に皿から商品が落下することがなく、確実、かつ均一な商品提供サービスをする。
【解決手段】商品を巡回搬送する巡回路16を備えた回転飲食台において、皿14に注文客のテーブル特定情報を記録した識別ID24を配し、皿14を巡回路16外周のテーブル18下部へ押出す押出機構26を配し、押出機構26にて押出された皿14を搬送する搬送機構34を配し、搬送機構34先端に皿14をテーブル18上面の取出口36へ移送する昇降機構38を配し、各テーブルに配した注文端末46にて受注した注文品を盛付けた皿14を巡回路16上に供給し、識別ID情報を各テーブル18毎に配した各読取手段44にて読取り、注文客のテーブル18を特定する場合にのみ、押出機構26、搬送機構34、昇降機構38を作動させ、皿14をテーブル18上面の取出口36へ移送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店、主に回転飲食台を設置した飲食店において、巡回搬送される注文品を注文客に個別に提供する商品提供方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店、例えば回転飲食台を設置した飲食店において、商品である寿司は、皿上に盛付けて巡回路上を巡回搬送させている。
【0003】
この巡回搬送されている商品とは別に個別注文品を注文客に提供する際には、注文品と表示した載置台上に注文品を盛付けた皿を載置させ、提供することが知られている。
【0004】
この種の注文品を注文客へ提供する手段として、皿にICタグを内装させ、このICタグに注文客の座席位置情報、注文情報等を記録し、注文客の客席へ注文品が搬送された際、制御手段により巡回路に配した排出機構を作動させ、注文品を注文客に提供するもの(例えば特許文献1、2参照)、注文品を巡回路へ供給する際に、注文客の座席位置情報を制御手段に入力することにより、制御手段が巡回路の搬送速度、客席位置情報を基に注文客席までの到達時間を計算し、到達時間に各客席に配した排出機構あるいは注文品停止機構を作動させ、注文客に注文品を提供するもの(例えば特許文献3、4参照)があった。
【0005】
【特許文献1】特許第3066373号公報(第2−3頁、図1、3、4)
【特許文献2】特開2002−219043号公報(第3−5頁、図1、7、8、11)
【特許文献3】特開2002−219044号公報(第2−5頁、図1−4)
【特許文献4】特開2004−187922号公報(第5−10頁、図1、2、4)
【0006】
また、注文客に注文品を最短時間で提供できるように巡回軌道を変更するもの、は皆無であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来は前記の通り、特許文献1−4においては、注文客席位置、および提供時間を特定するための複雑な制御システムが不可欠となり、コストが高騰する要因となっていた。
【0008】
また、特許文献1−4においては、注文客のテーブル位置に応じて注文品を最短時間で提供すべく配慮がなく、このためテーブル位置によって客への注文品提供時間がバラつき、均一なサービスを行うことができなかった。
【0009】
また、特許文献1、4においては、テーブルまたはカウンター上面に、注文品提供用スペースを確保してあるため、テーブルまたはカウンター上面の飲食スペースが狭く、飲食を快く楽しむことができなかった。
【0010】
加えて、注文品提供時に、注文品を盛り付けた皿を傾斜させて移送させるため、注文品が皿から落下する等の危険性が非常に高く、落下した際には再度注文品を調理して再提供する作業が必要となるばかりか、装置から落下物を取り除く作業が必要となり、その間使用不能となる。
【0011】
また、注文品が複数一度に提供される場合については何ら開示されておらず、このため注文品を複数一度に提供することが不可能であった。
【0012】
本発明は、テーブル上面の飲食スペースを広く利用でき、簡易システムにより皿から商品が落下することがなく、確実、かつ均一な商品提供サービスができる回転飲食台における商品提供方法および装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、基台の上方に商品を巡回搬送させる巡回路が設けられてなる回転飲食台において、客からの注文品を盛付ける皿に、各注文客のテーブルを特定すべく情報を記録した識別IDを配し、巡回路上を巡回搬送される皿を巡回路外周のテーブル下部へ押出す押出機構を各テーブル毎に配し、押出機構により巡回路から押出された皿をテーブル先端側へ搬送すべく搬送機構を配し、搬送機構の先端側に、搬送機構により搬送された皿をテーブル上面の取出口へ移送させるべく昇降機構を配し、巡回路上を巡回搬送される皿の識別IDに記録された情報を読取る読取手段を、巡回路の各押出機構近部に配し、各テーブル毎に注文端末を配し、各注文端末にて受注した注文品を盛付けた皿を、巡回路上に供給し、皿の識別IDに記録された情報を、各読取手段により読取り、読取った情報が、自己のテーブルを特定するものである場合にのみ、押出機構を作動させ、巡回路上から注文品が盛付けられた皿を搬送機構側へ押出し、搬送機構の先端側へ搬送された皿を昇降機構にてテーブル上面の取出口へ移送させることにより、客に注文品を提供することを特徴とするもの、
または、次順の注文品が盛付けられた皿が、押出機構により搬送機構側へ押出される際、搬送機構により既押出皿を先端側へ搬送させ、注文品提供効率を向上させたことを特徴とするもの、
または、巡回路の各テーブル対応部位に、巡回路を短絡させるべく短絡手段を配し、短絡手段を制御し、巡回軌道を変更することにより、注文客のテーブルへその注文品を最短時間で供給することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る回転飲食台における商品提供方法およびその装置によれば、巡回路上に、注文客のテーブルを特定すべく情報を記録した皿に、各注文端末にて受注した注文品を、盛付けて供給し、各押出機構近部に配した読取手段により自己のテーブルを特定するものである場合にのみ、押出機構により注文品の皿を注文客テーブル側の搬送機構へ押出し、搬送機構先端の昇降機構によりテーブル上面取出口へ注文品皿を移送し、注文客に注文品を提供するため、テーブル上面の飲食スペースが必要以上に狭くなることがなく、飲食スペースが広く確保され、飲食を快く楽しむことができる。
【0015】
また、注文品皿は常時水平に搬送、移送されるため、搬送、移送時に注文品が皿から落下することがなく、装置内に落下物が浸入することもなく、常時使用に供することができ、安定した注文品提供を行うことができる。
【0016】
また、制御が極めて簡易となるばかりか、注文品を注文客に確実に提供することができる。
【0017】
また、次順の注文品が盛付けられた皿が、押出機構により搬送機構側へ押出される際、搬送機構により既押出皿を先端側へ搬送させることにより、強制的に供給スペースを確保し、連続して複数の注文品が一度に提供されても注文品を注文客側へ搬送ストックすることができるため、注文品提供効率が向上する。
【0018】
また、巡回路の各テーブル対応部位に巡回路を短絡させる短絡手段を配し、注文客のテーブルへその注文品を最短時間で供給すべく短絡手段を制御し、巡回軌道を変更することにより、注文客へ注文品を最短時間で提供することができ、注文客のテーブル位置による注文品提供時間が不均一となることがなく、均一な商品提供サービスができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
飲食スペースを広く利用し、確実、かつ均一な商品提供サービスをする目的を、各注文客のテーブルを特定すべく情報を記録した識別IDを配した皿と、注文品が盛付けられた皿を押出す押出機構と、押出機構により押出された皿を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された皿をテーブル上面の取出口へ移送する昇降機構と、皿の識別IDに記録された情報を読取る読取手段と、各テーブルに配した注文端末と、により実現させた。
【実施例1】
【0020】
本発明に係る回転飲食台における商品提供装置は、図1〜図8に示すように、以下の構成からなるものである。
【0021】
本例において、飲食店は、平面視略L型の基台12の上方に、商品、本発明においては寿司を盛付けた皿14を、巡回搬送させる巡回路16が設けられ、基台12の外周縁にはテーブル18(T1〜T8)が設けられてなる回転飲食台を設置した飲食店である。
【0022】
巡回路16は、無端チェーン20上にクレセント型のプレート22を多数軸支させてなる搬送路、一般にクレセントコンベアあるいはクレセントチェーンと称されるものであり、本例のクレセントコンベアは、基台12両端(図5において左右両側端)で逆方向に折返して巡回するように、複線状に配してある。
【0023】
各皿14に、注文客のテーブル18を特定すべく情報を記録した識別ID24を配してある(図7参照)。
【0024】
この識別ID24は、IDタグ、ICタグと呼ばれるものであり、一般にデータキャリアとして知られており、非接触にてデータを読取りまたは書込みできる情報担体であり、後述の読取手段44と電波により交信する。本例ではICタグを採用しており、通信能力を向上させるため、その形状は、皿14裏面の糸底内方ほぼ全域を被覆する円形シール型としてある。
【0025】
巡回路16上を巡回搬送される注文品を盛付けた皿14を巡回路16外周のテーブル18下部へ押出すための押出機構26を、各テーブル18毎に配してある。
【0026】
本例において、巡回路16の外周にテーブル18を配してあるため、押出機構26は、巡回路16の幅方向の外側へ皿14を押出す機構としてあり、ガイド28を内側へ弾性部材等により付勢させ、このガイド28を付勢力に抗して外側へ押出す偏心カム30とにより構成し、後述の読取手段44の読取った皿14の識別ID24に記録された情報が自己のテーブル18を特定するものである場合にのみ作動させるべく制御手段32により制御されている。
【0027】
制御手段32はコンピュータである。
【0028】
巡回路16の各押出機構26の押出側のテーブル18内部には、押出された皿14をストック、およびテーブル18先端側へ搬送すべく搬送機構34を、それぞれ配してある。
【0029】
本例において、搬送機構34は、コンベア体であり、さらに次順の注文品皿が押出された際に既押出皿を先端側へ搬送すべく制御手段32により搬送制御させてある。
【0030】
搬送機構34の先端側には、搬送された皿14を支持してテーブル18上面の取出口36へ移送すべく昇降機構38を、配してある。
【0031】
本例において、昇降機構38は、主軸40の回転により主軸40に沿って上下動する一対の作動アーム42からなり、皿14を前方両側からその下部を支持し、昇降させるものであり、この昇降機構38も制御手段32により昇降制御させてある。
【0032】
巡回路16上を巡回搬送される皿14の識別ID24に記録された情報を読取る読取手段44を、各押出機構26近部に配してある。
【0033】
本例において、読取手段44は巡回路16の上面に配してある。
【0034】
この読取手段44は、IDタグリーダ/ライタであり、押出機構26、搬送機構34および昇降機構38と同様、制御手段32に接続されている。
【0035】
この読取手段44が読取った情報に基づき、自己のテーブル18を特定するものである場合にのみ、制御手段32により、対応する押出機構26を作動させ、注文品を盛付けた皿14を巡回路16から注文客テーブル18の搬送機構34側へ押出し、搬送機構34および昇降機構38により、注文品を注文客のテーブル18上面の取出口36へ移送し、提供する。
【0036】
各テーブル18毎に、報知機能および注文機能を兼備させた注文端末46を、配してある。
【0037】
本例において、注文端末46はタッチパネルであり、各種メニュー表示、注文品選択、注文決定画面表示、注文品の到着を知らせる報知文表示、報知音の拡声、各種広告情報表示、各種音楽の拡声、その他の機能を備えた電子機器ある。
【0038】
また、注文端末46は、巡回路16上部に配した仕切壁部材48に設置した外筒50に、移動自在に配した内筒52先端に、傾倒自在に配してある。
【0039】
このため、注文端末46はテーブル18先端側への移動が可能となり、さらに上下方向への傾倒可能であるため、極めて操作性に優れている。
【0040】
巡回路16の各テーブル18の対応部位に、巡回路16を短絡させ、上流側の巡回路16から下流側の巡回路16へ皿14をスムーズに案内、移送させるための短絡手段54を、配してある。
【0041】
本例において、短絡手段54は短尺コンベア体56の長さ方向の両側に、ガイド部58を移動自在に配した構成とし、使用時にはガイド部58を巡回路16側へ移動させ、短尺コンベア体56を矢印方向に駆動させ、未使用時にはガイド部58を短尺コンベア体56上に収納し、短尺コンベア体56を停止させる。
【0042】
この短絡手段54を基台12上のS1〜S3の3個所に配してあり、各短絡手段54は制御手段32により随時巡回軌道を変更するように制御されている。
【0043】
なお、図中60は皿14の提供性を向上させるべく巡回路16の商品供給領域に配した、各皿14間の間隔を強制的に離隔するための商品離隔機構、62はカバー体、64は給湯手段を示す。
【0044】
本装置を使用して注文品を注文客に提供する方法を以下に詳述する。
【0045】
まず、客は注文端末46にて注文品を注文する。
【0046】
次に、調理人がその注文品を調理し、注文客のテーブル18を特定すべく情報が記録された識別ID24の皿14に盛付ける。
【0047】
この際、識別ID24に記録された各テーブル18(T1〜T8)を特定すべく情報に対応した色彩を施すことにより、皿14を探す作業を簡略化することができる。
【0048】
次に、この注文品を盛付けた皿14を巡回路16上へ供給する。
【0049】
次に、制御手段32が、注文客のテーブル18へその注文品を最短時間で供給すべく各短絡手段54を制御し、巡回軌道を逐次変更する。
【0050】
さらに詳述すると、図6および図8に示すように、テーブルT1〜T5に注文品を供給する場合には、短絡手段S1〜S3を作動させることなく、注文品を巡回路16によりテーブルT1〜T5の注文客へそれぞれ供給する(図8(イ)参照)。
【0051】
テーブルT6に注文品を供給する場合には、テーブルT4とT3、T5とT6間に配した短絡手段S1を制御手段32により作動させ、巡回路16を短絡させ巡回軌道を変更して注文品をテーブルT6の注文客へ供給する(図8(ロ)参照)。
【0052】
テーブルT7に注文品を供給する場合には、テーブルT3とT2、T6とT7間に配した短絡手段S2を制御手段32により作動させ、巡回路16を短絡させ巡回軌道を変更して注文品をテーブルT7の注文客へ供給する(図8(ハ)参照)。
【0053】
テーブルT8に注文品を供給する場合には、テーブルT2とT1、T7とT8間に配した短絡手段S3を制御手段32により作動させ、巡回路16を短絡させ巡回軌道を変更して注文品をテーブルT8の注文客へ供給する(図8(ニ)参照)。
【0054】
上記の如く各短絡手段54を制御して巡回軌道を随時変更することにより、各テーブルT1〜T8の注文客へ、それぞれ注文品を最短時間で提供することが実現できる。
【0055】
次に、各読取手段44により皿14の識別ID24に記録された情報を読取り、読取った情報が、自己のテーブル18を特定する場合にのみ、対応する押出機構26を作動させ、巡回路16上から注文品が盛付けられた皿14を注文客テーブル18の搬送機構34上へ押出し、搬送機構34先端側の昇降機構38にてテーブル18上面の取出口36へ移送することにより、客に注文品を提供する。
【0056】
このため、注文品が盛付けられた皿14が、注文客のテーブル18の搬送機構34上に、強制的に押出され、注文品を注文客へ確実、かつ最短時間で提供することができる。
【0057】
この際、押出機構26による搬送機構34側への皿14の押出しと共に、搬送機構34を作動させることにより、押出された皿14の搬送機構34への移送がよりスムーズに行われるばかりか、皿14の搬送機構34からの脱落が皆無となる。
【0058】
加えて、注文品を盛付けた皿14は、巡回路16から押出機構26、搬送機構34および昇降機構38を経てテーブル18上面の取出口36へ、常時水平に搬送、移送されるため、皿14から注文品が落下することがなく、装置内に落下物が浸入することもなく、常時安定した注文品提供を行うことができる。
【0059】
また、次順の皿14が押出機構26により搬送機構34上へ押出される際、既押出皿14を搬送機構34先端側へ搬送させ、強制的に供給スペースを確保し、連続して複数の注文品皿14が一度に提供されても搬送機構34上にストックすることができ、注文品提供効率を向上させることができる。
【0060】
また、搬送機構34上へ押出された皿14が満杯となった場合には、注文端末46の報知機能により報知することにより、注文客へ皿14の取出しを促すと共に、報知されても、皿14が取出されない場合には、押出機構26を作動させることなく、巡回路16上をそのまま搬送させ、次順に再び報知することにより、注文品の過剰提供を回避し、客の食事ペースを損なうことを防止することができる。
【0061】
また、注文端末46の報知機能により注文品の到達予告をする場合には、読取手段44を各テーブル18の巡回路16上流側に移設あるいは追加設置することにより、予告報知可能となる。
【0062】
この際、各テーブル18毎に注文端末46の報知音を変えることにより、注文客への報知効果がより一層向上する。
【0063】
また、搬送機構34先端側へ搬送された皿14を、昇降機構38によりテーブル18上面の取出口36へ移送する際、昇降機構38により皿を水平に支持して昇降させるため、皿14から注文品が落下すること、装置内に落下物が浸入すること、がなく、常時安定した注文品提供が行われる。
【0064】
また、飲食を終えた客の退店時に、その注文端末46の注文履歴をリセットし、次の客の注文に備える。
【0065】
以上のように本発明によれば、短絡手段54、読取手段44、押出機構26、搬送機構34、昇降機構38、注文端末46を制御する制御システムにより、注文品をその注文客へ安全、確実、かつ最短時間で提供することができる。
【実施例2】
【0066】
また、図9に本発明の別の実施例が示してある。
【0067】
本例は、平面視略I型の巡回路を備えた回転飲食台を2基(B基、C基)増設したものであり、平面視略L型回転飲食台(A基)との連結部位に、短絡手段54をそれぞれ配したものであり、その他の構成および使用方法は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0068】
また、図10に注文品を盛付ける容器の別の実施例が示してある。
【0069】
本例の容器は、皿14より大型の載置台66の裏面適所に識別ID24を付してあり、セットメニュー品を盛付けて使用に供することが可能となるばかりか、実施例1の皿14と併用することにより、メニュー数をより豊富とすることができ、さらなる売上向上を図ることができる。
【0070】
また、使用方法は実施例1と同様である。
【0071】
なお、全例において、皿14の識別ID24には各テーブルを特定する情報を予め記録してもよく、供給する毎に注文客のテーブルを特定する情報を入力することは自由である。
【0072】
また、各皿14に配した、識別ID24は、円形シール型ICタグであるが、コイン型、リング型、その他形状のICタグ、IDタグ、情報担体とすることは自明である。
【0073】
また、押出機構26はガイド28、偏心カム30によるものであるが、ロッド型エアシリンダーとすること、あるいは皿14を搬送機構34側へ押出す、あるいは移送することができる他の機構を採用すること、さらにその押出個所を皿14の外周縁あるいは糸底部外周とすること、は自由である。
【0074】
また、制御手段32を、マイコン、マイクロプロセッサユニット(MPU)等の処理機器とすることは自明である。
【0075】
また、搬送機構34は、コンベア体であるが、コンベア以外の各種搬送機器とすることは自明である。
【0076】
また、昇降機構38は、主軸40の回転により主軸40に沿って上下動する一対の作動アーム42からなるものであるが、搬送機構34により搬送された皿14を支持して昇降可能な各種機構とすることは自明である。
【0077】
また、制御手段32に抽選機能を付加し、注文数に応じて抽選を行い、当選した際に景品あるいは各種サービスを表示したカードの発行機能を付加してもよく、別体のレシート発行手段、カード発行手段、景品発行手段、を備えた装置を付設し、この装置から提供することは自明である。
【0078】
また、各テーブル18に配した搬送機構34を省略し、押出機構26により押出された皿14を、昇降機構38に直接支持させ、そのままテーブル18上面の取出口36へ移送することは自明である。
【0079】
また、読取手段44は、巡回路16上面に配してあるが、巡回路16の側方、上方、あるいは近部に設置することは自明である。
【0080】
また、読取手段44は、押出機構26の作動タイムラグを解消するため、対応する押出機構26より巡回路16の上流側に配し、注文品の皿14の読取から押出機構26の作動までの時間を十分確保することが望ましい。
【0081】
また、報知機能は、注文機能を備えた注文端末46に兼備させてあるが、注文端末46と別体の報知機器とすることは自明である。
【0082】
また、注文端末46は外筒50に移動自在に配した内筒52先端に傾倒自在に配してあるが、筐体としてテーブル18、その他の個所にそのまま設置することは自明である。
【0083】
また、短絡手段54は、短尺コンベア体56とガイド部58とからなるものであるが、ガイド部58を押出機構26と同等とすること、他の案内、移送機構とすることは自明である。
【0084】
また、巡回路16の形状は平面視略L型に限定されることはなく、平面視略I型、コ字型、半円型、その他の形状とすることは自明である。
【0085】
また、テーブル18、搬送機構26、昇降機構38、読取手段44、注文端末46、短絡手段54の設置数は、巡回路長に応じて適宜増減させることは自明である。
【0086】
また、短絡手段54は、巡回路16に必ず配備させる必要はなく、巡回路長が短尺、あるいは不要の場合には、省略することは自明である。
【0087】
また、巡回路16はクレセントチェーンに限定されることはなく、無端チェーン、無端ベルト、その他の搬送機構を採用できることは自明である。
【0088】
また、商品は寿司に限定されることはなく、例えばデザート類、サラダ、焼き物類、揚げ物類とすることは自由であり、その際には皿を、商品を収納、盛付けた容器とすることは、自明である。
【0089】
また、本発明の方法に使用する装置は本例に限定されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明に係る商品提供方法および装置は、飲食店に限定されることはなく、各種商品を販売する販売店、各種製品の製造工程においても転用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る商品提供装置を示す概略斜視図。
【図2】同、要部正面図。
【図3】同、要部平面図。
【図4】同、要部拡大正面図。
【図5】同、平面図。
【図6】同、概略平面図。
【図7】皿を示す、(イ)は平面図、(ロ)は底面図。
【図8】商品提供方法を示す概略平面図。
【図9】別の例を示す概略平面図。
【図10】皿とは異なる容器を示す、(イ)は斜視図、(ロ)は平面図、(ハ)は背面図。
【符号の説明】
【0092】
12 基台
14 皿
16 巡回路
18 テーブル
24 識別ID
26 押出機構
32 制御手段
34 搬送機構
36 取出口
34 昇降機構
44 読取手段
46 注文端末
54 短絡手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台(12)の上方に商品を巡回搬送させる巡回路(16)が設けられてなる回転飲食台において、
客からの注文品を盛付ける皿(14)に、各注文客のテーブル(18)を特定すべく情報を記録した識別ID(24)を配し、
巡回路(16)上を巡回搬送される皿(14)を巡回路(16)外周のテーブル(18)下部へ押出す押出機構(26)を、各テーブル(18)毎に配し、
押出機構(26)により巡回路(16)から押出された皿(14)をテーブル(18)先端側へ搬送すべく搬送機構(34)を、配し、
搬送機構(34)の先端側に、搬送機構(34)により搬送された皿(14)をテーブル(18)上面の取出口(36)へ移送させるべく昇降機構(38)を、配し、
巡回路(16)上を巡回搬送される皿(14)の識別ID(24)に記録された情報を読取る読取手段(44)を、巡回路(16)の各押出機構(26)近部に配し、
各テーブル(18)毎に注文端末(46)を配し、
各注文端末(46)にて受注した注文品を盛付けた皿(14)を、巡回路(16)上に供給し、
皿(14)の識別ID(24)に記録された情報を、各読取手段(44)により読取り、読取った情報が、自己のテーブル(18)を特定するものである場合にのみ、押出機構(26)を作動させ、巡回路(16)上から注文品が盛付けられた皿(14)を搬送機構(34)側へ押出し、搬送機構(34)により先端側へ搬送された皿(14)を昇降機構(38)にてテーブル(18)上面の取出口(36)へ移送させることにより、客に注文品を提供することを特徴とする回転飲食台における商品提供方法。
【請求項2】
次順の注文品が盛付けられた皿(14)が、押出機構(26)により搬送機構(34)側へ押出される際、搬送機構(34)により既押出皿(14)を先端側へ搬送させ、注文品提供効率を向上させたことを特徴とする請求項1記載の回転飲食台における商品提供方法。
【請求項3】
巡回路(16)の各テーブル(18)対応部位に、巡回路(16)を短絡させるべく短絡手段(54)を配し、短絡手段(54)を制御し、巡回軌道を変更することにより、
注文客のテーブル(18)へその注文品を最短時間で供給することを特徴とする請求項1または請求項2記載の回転飲食台における商品提供方法。
【請求項4】
基台(12)の上方に商品を巡回搬送させる巡回路(16)が設けられてなる回転飲食台において、
客からの注文品を盛付ける皿(14)に、各注文客のテーブル(18)を特定すべく情報を記録した識別ID(24)を配し、
巡回路(16)上を巡回搬送される皿(14)を巡回路(16)外周のテーブル(18)側へ押出す押出機構(26)を、各テーブル(18)毎に配し、
押出機構(26)により巡回路(16)から押出された皿(14)をテーブル(18)先端側へ搬送すべく搬送機構(34)を、配し、
搬送機構(34)の先端側に、搬送機構(34)により搬送された皿(14)をテーブル(18)上面の取出口(36)へ移送させるべく昇降機構(38)を、配し
巡回路(16)上を巡回搬送される皿(14)の識別ID(24)に記録された情報を読取る読取手段(44)を巡回路(16)の各押出機構(26)毎に配し、
各テーブル(18)毎に注文端末(46)を配し、
読取手段(44)が読取った識別ID(24)に記録された情報が、自己のテーブル(18)を特定するものである場合にのみ、押出機構(26)、搬送機構(34)、昇降機構(38)を作動制御するための制御手段(32)を配したことを特徴とする回転飲食台における商品提供装置。
【請求項5】
次順の注文品が盛付けられた皿(14)が、押出機構(26)により搬送機構(34)側へ押出される際、搬送機構(34)により既押出皿(14)を先端側へ搬送させ、注文品提供効率を向上させたことを特徴とする請求項4記載の回転飲食台における商品提供装置。
【請求項6】
巡回路(16)の各テーブル(18)対応部位に、巡回路(16)を短絡させるべく短絡手段(54)を配し、短絡手段(54)を制御し、巡回軌道を変更することにより、
注文客のテーブル(18)へその注文品を最短時間で供給することを特徴とする請求項4または請求項5記載の回転飲食台における商品提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−28130(P2009−28130A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193101(P2007−193101)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000228475)日本クレセント株式会社 (19)
【Fターム(参考)】