図柄表示装置及び図柄表示装置用モジュール
【課題】内照式または外照式の図柄表示装置においては、夜間など充分な環境光が得られない状況下での視認性確保のためには専用の光源による照明を必要とするが、節電のため専用の光源を使用しないと視認性が確保できず、節電と視認性確保の両立が困難だった。
【解決手段】外部光源から照射された光の一部を本図柄装置内に導入し、その光を標示体の任意の位置に照射する手段を設けることで、夜間など充分な環境光が得られない状況下での節電と視認性確保を両立させた。
【解決手段】外部光源から照射された光の一部を本図柄装置内に導入し、その光を標示体の任意の位置に照射する手段を設けることで、夜間など充分な環境光が得られない状況下での節電と視認性確保を両立させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標示体の前方または後方から照明される図柄表示装置、及び、図柄表示装置用モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の図柄表示装置は、昼間には太陽光の反射により標示体を認識させるものであるが、夜間などにおいては、内照式図柄表示装置は標示体の後方から、外照式図柄表示装置は標示体の前方から、それぞれ図柄表示装置に設けた専用の光源を発光させ、標示体を透過または反射する光で標示体の図柄を認識させるものだった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−280338号公報
【特許文献2】特開2007−033662号公報
【特許文献3】特開平08−292726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、夜間など充分な環境光が得られない状況下での標示体の視認性確保において、従来の図柄表示装置では専用の照明とそのための電力が必要なことと共に、省エネのために専用の照明を使用しないと視認性確保が困難になることであり、本発明は以上の問題点を解決するためになされたものである。
【0005】
具体的には、従来の技術では特許文献1のように、夜間など充分な環境光が得られない状況下で、標示体の視認性を確保するためには専用の光源を使用しなければならないため、標示体の視認性確保のためだけに貴重な電力を消費してしまい、その浪費が問題になっている。
【0006】
そのため、近年では特許文献2のように、より消費電力の少ないLEDを光源として利用する例が増えてきた。しかし、LEDを使用することによって消費電力は従来の1/2程度かそれ以下に低減できるものの、夜間など充分な環境光が得られない状況下で標示体の視認性を確保するためには、依然としてそのためだけに電力を消費することに変わりがなかった。
【0007】
そして、深刻な電力不足問題と地球温暖化防止のための節電対策が強く求められる今、多くの内照式または外照式の図柄表示装置は、節電のため光源の点灯をやめる必要性に迫られ、その視認性が著しく低下していた。
【0008】
このような背景から、標示体の視認性を確保するためだけに電力を使用しない、本質的な節電対応と視認性確保を両立した図柄表示装置が求められていた。
【0009】
一方、この問題を解決可能なアイディアとして、特許文献3では第1実施例と第2実施例で太陽光線と街灯などの人工の光を外部光源として利用し、光ファイバーで導光して標示体を照明するアイディアが提案されている。
【0010】
しかし、並行光で高い照度の得られる太陽光ならともかく、拡散光で充分な照度が得られ難い街路灯などの人工光源を用いる点については、目論見通りの効果が得られず、あくまで可能性を示しているに過ぎなかった。
【0011】
つまり、このアイディアでは昼間と夜間で異なる外部光源を使用するものとなっているが、太陽光と人工光では得られる光量と光の性質が著しく異なるだけでなく、同じ太陽光でも時間と天候によって光量が著しく変化するため、標示体を一定の範囲の照度で安定して照明し、視認性を確保することは困難だった。
【0012】
そのため、本発明では常に同一の外部光源を使用するという点と、採光部を外部光源の近傍の一定の位置に設けることで、外部光源から得られる光量と光の性質を一定にし、標示体を常に安定して照射させる工夫をしたことで、特許文献3のアイディアの問題点を解消させることができた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、夜間でも図柄表示装置の標示体を容易に認識させられるとともに、本質的な節電対応を実現するため、他の目的で使用している外部光源から照射された光の一部を本装置内へ導入する手段を該外部光源近傍に設置し、本装置内へ導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段を設け、後方または前方から標示体を照射して夜間などでも視認性を確保できる図柄表示装置用モジュールを構成し、図柄表示装置に組み込んだ。
【0014】
また、本発明の図柄表示装置用モジュールを新たに付加することで、既に設置されている従来の図柄表示装置にも同じ効果が得られるようになった。
【発明の効果】
【0015】
本発明の図柄表示装置及び本発明のモジュールを組み込んだ図柄表示装置は、標示体の視認性が確保できない夜間など充分な環境光が得られない状況下においても、専用の光源を使用しなくても外部光源を取り入れて標示体を照明することができるため、視認性確保と本質的な節電を両立できるという利点がある。
【0016】
また、屋内など比較的暗い場所に設置された図柄表示装置においては、昼夜を問わず屋内照明光などの外部光源から照射された光の一部を利用して視認性を向上させることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態を示す説明図である。(実施例1)
【図2】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。
【図3】従来の内照式図柄表示装置の説明図である。
【図4】請求項3記載の図柄表示装置用モジュールの一形態を示す説明図である。(実施例3)
【図5】従来の図柄表示装置に図4の図柄表示装置用モジュールを組み込んだ内照式図柄表示装置の説明図である。(実施例3)
【図6】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。(実施例2)
【図7】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。(実施例2)
【図8】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。(実施例2)
【図9】本発明の外照式図柄表示装置の実施の形態を示す説明図である。
【図10】本発明の内照式図柄表示装置の一形態を示す正面図である。
【図11】本発明の内照式図柄表示装置の一形態を示す正面図である。
【図12】本発明の図柄表示装置の別の形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
夜間など充分な環境光が得られない状況下での視認性確保と本質的な節電の両立という目的を、他の用途で使用している光の一部を外部光源として取り入れる光学系構成部品を用いることにより実現した。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明による内照式図柄表示装置の一実施例の説明図であって、店舗外のガラス窓24の上に位置する壁面23に本発明の図柄表示装置を設置したものである。
【0020】
店舗の室内照明として使用している光源を図柄表示装置の外部光源11として利用し、その光の一部を該外部光源から約5cm程度離れた採光部12によって取り入れ、光ファイバーからなる導光体14によって標示体21の後方に配置した拡散板15に導き、導いた光がその前面から拡散し、標示体21を後方から照射することによって標示体21の夜間などにおける視認性を確保する構成とした。
【0021】
ここで、外部光源11の光の一部を、採光部12によって取り入れることにより、本来の目的である店舗内の明るさが減少する懸念があるが、直接店舗内を照らす下向きの光と、天井側に設けた反射板で間接的に店舗内を照らす上向きの光は利用せず、店舗内の照明効果とはほとんど無関係な水平方向の光を利用することで、その影響を最小限に抑えることができる。
【0022】
ここで、外部光源11については、その形状が電球のような点光源に近い場合には、採光部12に凸レンズを用いるのが望ましいが、蛍光灯のような線状に近い光源の場合はかまぼこ型の断面形状をもつレンチキュラー板など幅のあるものを用いても良く、複数の凸レンズを並べたものや凹面鏡で構成しても良い。
【0023】
導光管14は、光ファイバーを用いると効果的で使いやすいが、外部光源11の面積が広く、標示体21までの距離が近い場合には、内面が反射板となった筒状の導光管を用いても良い。
【0024】
一方、図11のような図柄表示装置を店舗の建物と離れた位置に設置する場合など、外部光源11と標示体21との距離が離れている場合には、電源コードを敷設する要領で導光管14として光ファイバーを敷設すると大変都合が良い。
【0025】
拡散板15は液晶ディスプレイなどに用いられるエッジライト式照明装置と同じものを用いるのが好ましいが、必ずしもこれにこだわる必要はなく、少なくとも前面から所望の状態の光を放出できればその素材は問わない。
【0026】
また、図柄表示装置を壁面23の下に位置するガラス窓24に設置できる場合は、図7と図8のように採光部12を図柄表示装置の背面に設けた透明な窓とし、導光体14を省略して外部光源11から照射された光を直接取り入れる構造としても良い。
【0027】
なお、その場合には図柄表示装置底面の内部に反射板16を設置することで、光源から距離の離れた図柄表示装置下部の照度不足を補うことができる。
【0028】
図2は、拡散板15の代わりに、標示体21を構成するボックスの内面に反射板16を設置して、導光体14から照射された光がその反射によって内部を散乱し、標示体21に設けた拡散部17から光が放出されることで標示体21の図柄の視認性を確保したものである。
【0029】
これに用いることができる反射板16は、アルミフォイルのような安価で入手しやすいもので良く、光が散乱しやすいように凹凸を設けた表面状態にしても良い。
【0030】
図10は、店舗正面の出入り口と窓の上に設けた内照式図柄表示装置の一例で、標示体21の全面を照射するようにしても良いが、中央の図柄と文字だけを選択的に照射することで設置コストが抑えられ、節電のアピールが可能である。
【0031】
ところで、以上の説明では、内照式の図柄表示装置について詳しく説明したが、図9のような外照式の図柄表示装置にも適用することはもちろん可能である。
【0032】
その場合、光拡散材として、図1などの例では拡散板15を、図2の例では拡散部17から放出された光を反射板16でそれぞれ拡散させているが、図9のように拡散部17から放出された光をそのまま標示体21に照射させても良く、光拡散材は光を放出・拡散させるものであればその素材や形状は問わない。
【実施例2】
【0033】
本実施例は図6に示すように、外部光源11のある店舗内から屋外に設置した図柄表示装置へ導光管14を通すことができない場合の一実施例である。
【0034】
図6は店内照明に用いている外部光源11で照射した光の一部を、透明な窓を備えた採光部12を通過させ、集光レンズ13にて収束させた光を、ガラス窓24を通過させて屋外の図柄表示装置下部に設置した反射板16に照射し、反射板16にて向きを変えた光を拡散板15に導入することで、光ファイバーなどの導光管14に変えたものである。
【0035】
なお、本実施例では採光部の面積を比較的広くすることができるので、外部光源11から採光部12までの距離は標示体の縦サイズ程度にしても良く、具体的には約1〜約2m程度離して設置しても特に問題はない。
【実施例3】
【0036】
図3は従来の内照式図柄表示装置の一例である。店舗のガラス窓24の上にある壁面23には独自の内部光源22と標示体21を持つ内照式図柄表示装置が設置されている。
【0037】
これに図4で示した本発明の図柄表示装置用モジュールを組み込んだものが図5に示した状態であり、店舗照明用の蛍光灯を外部光源11として使用し、該外部光源から約10センチ以内の近傍に設置した採光部12によって外部光源11の光の一部を導入し、導光体14を経由して拡散板15に導かれる。
【0038】
そして、拡散板15内に導かれた光は、その表面から光が漏れ出て標示体21を照射することにより、標示体21の夜間の視認性が確保される。
【0039】
なお、本実施例では、従来通りに内部光源22を点灯させることも可能であり、
状況に応じて外部光源11と内部光源22を選択的に利用できるようになっている。
【0040】
その場合、内部光源22を使用した場合と外部光源11を使用した場合とで、標示体21を同じ状態で照明する必要はなく、標示体21の視認性が確保できれば、得られる光量に応じて必要な部分だけに照射できれば良い。
【0041】
図12は、駅などに設置されている図柄表示装置の模式図であり、このように店舗の看板以外の図柄表示装置にも適用可能である。
【0042】
ここで、図12では駅の通路天井の壁面23に案内用の図柄表示装置が設置させており、駅構内の照明用光源を外部光源11として使用し、採光部12から外部光源11が照射した光の一部を導入し、導光管14を経由して導入した光が図柄表示装置内に設置した拡散板15(図示せず)に導かれ、標示体21を内側から照明してその視認性が確保されるものである。
【0043】
なお、この場合、従来から設置されている図柄表示装置に本発明の図柄表示装置用モジュールを組みこんでも良く、新たに本発明の図柄表示装置を設置しても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
店舗や施設の存在やその情報を知らしめる看板、駅や空港などの交通機関をはじめとする公共施設の案内板、道路標識など、様々な内照式または外照式の表示装置に適用できる。
【符号の説明】
【0045】
11 外部光源
12 採光部
13 集光レンズ
14 導光体
15 拡散板
16 反射板
17 拡散部
21 標示体
22 内部光源
23 壁面
24 ガラス窓
【技術分野】
【0001】
本発明は、標示体の前方または後方から照明される図柄表示装置、及び、図柄表示装置用モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の図柄表示装置は、昼間には太陽光の反射により標示体を認識させるものであるが、夜間などにおいては、内照式図柄表示装置は標示体の後方から、外照式図柄表示装置は標示体の前方から、それぞれ図柄表示装置に設けた専用の光源を発光させ、標示体を透過または反射する光で標示体の図柄を認識させるものだった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−280338号公報
【特許文献2】特開2007−033662号公報
【特許文献3】特開平08−292726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、夜間など充分な環境光が得られない状況下での標示体の視認性確保において、従来の図柄表示装置では専用の照明とそのための電力が必要なことと共に、省エネのために専用の照明を使用しないと視認性確保が困難になることであり、本発明は以上の問題点を解決するためになされたものである。
【0005】
具体的には、従来の技術では特許文献1のように、夜間など充分な環境光が得られない状況下で、標示体の視認性を確保するためには専用の光源を使用しなければならないため、標示体の視認性確保のためだけに貴重な電力を消費してしまい、その浪費が問題になっている。
【0006】
そのため、近年では特許文献2のように、より消費電力の少ないLEDを光源として利用する例が増えてきた。しかし、LEDを使用することによって消費電力は従来の1/2程度かそれ以下に低減できるものの、夜間など充分な環境光が得られない状況下で標示体の視認性を確保するためには、依然としてそのためだけに電力を消費することに変わりがなかった。
【0007】
そして、深刻な電力不足問題と地球温暖化防止のための節電対策が強く求められる今、多くの内照式または外照式の図柄表示装置は、節電のため光源の点灯をやめる必要性に迫られ、その視認性が著しく低下していた。
【0008】
このような背景から、標示体の視認性を確保するためだけに電力を使用しない、本質的な節電対応と視認性確保を両立した図柄表示装置が求められていた。
【0009】
一方、この問題を解決可能なアイディアとして、特許文献3では第1実施例と第2実施例で太陽光線と街灯などの人工の光を外部光源として利用し、光ファイバーで導光して標示体を照明するアイディアが提案されている。
【0010】
しかし、並行光で高い照度の得られる太陽光ならともかく、拡散光で充分な照度が得られ難い街路灯などの人工光源を用いる点については、目論見通りの効果が得られず、あくまで可能性を示しているに過ぎなかった。
【0011】
つまり、このアイディアでは昼間と夜間で異なる外部光源を使用するものとなっているが、太陽光と人工光では得られる光量と光の性質が著しく異なるだけでなく、同じ太陽光でも時間と天候によって光量が著しく変化するため、標示体を一定の範囲の照度で安定して照明し、視認性を確保することは困難だった。
【0012】
そのため、本発明では常に同一の外部光源を使用するという点と、採光部を外部光源の近傍の一定の位置に設けることで、外部光源から得られる光量と光の性質を一定にし、標示体を常に安定して照射させる工夫をしたことで、特許文献3のアイディアの問題点を解消させることができた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、夜間でも図柄表示装置の標示体を容易に認識させられるとともに、本質的な節電対応を実現するため、他の目的で使用している外部光源から照射された光の一部を本装置内へ導入する手段を該外部光源近傍に設置し、本装置内へ導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段を設け、後方または前方から標示体を照射して夜間などでも視認性を確保できる図柄表示装置用モジュールを構成し、図柄表示装置に組み込んだ。
【0014】
また、本発明の図柄表示装置用モジュールを新たに付加することで、既に設置されている従来の図柄表示装置にも同じ効果が得られるようになった。
【発明の効果】
【0015】
本発明の図柄表示装置及び本発明のモジュールを組み込んだ図柄表示装置は、標示体の視認性が確保できない夜間など充分な環境光が得られない状況下においても、専用の光源を使用しなくても外部光源を取り入れて標示体を照明することができるため、視認性確保と本質的な節電を両立できるという利点がある。
【0016】
また、屋内など比較的暗い場所に設置された図柄表示装置においては、昼夜を問わず屋内照明光などの外部光源から照射された光の一部を利用して視認性を向上させることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態を示す説明図である。(実施例1)
【図2】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。
【図3】従来の内照式図柄表示装置の説明図である。
【図4】請求項3記載の図柄表示装置用モジュールの一形態を示す説明図である。(実施例3)
【図5】従来の図柄表示装置に図4の図柄表示装置用モジュールを組み込んだ内照式図柄表示装置の説明図である。(実施例3)
【図6】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。(実施例2)
【図7】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。(実施例2)
【図8】本発明の別の実施の形態を示す説明図である。(実施例2)
【図9】本発明の外照式図柄表示装置の実施の形態を示す説明図である。
【図10】本発明の内照式図柄表示装置の一形態を示す正面図である。
【図11】本発明の内照式図柄表示装置の一形態を示す正面図である。
【図12】本発明の図柄表示装置の別の形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
夜間など充分な環境光が得られない状況下での視認性確保と本質的な節電の両立という目的を、他の用途で使用している光の一部を外部光源として取り入れる光学系構成部品を用いることにより実現した。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明による内照式図柄表示装置の一実施例の説明図であって、店舗外のガラス窓24の上に位置する壁面23に本発明の図柄表示装置を設置したものである。
【0020】
店舗の室内照明として使用している光源を図柄表示装置の外部光源11として利用し、その光の一部を該外部光源から約5cm程度離れた採光部12によって取り入れ、光ファイバーからなる導光体14によって標示体21の後方に配置した拡散板15に導き、導いた光がその前面から拡散し、標示体21を後方から照射することによって標示体21の夜間などにおける視認性を確保する構成とした。
【0021】
ここで、外部光源11の光の一部を、採光部12によって取り入れることにより、本来の目的である店舗内の明るさが減少する懸念があるが、直接店舗内を照らす下向きの光と、天井側に設けた反射板で間接的に店舗内を照らす上向きの光は利用せず、店舗内の照明効果とはほとんど無関係な水平方向の光を利用することで、その影響を最小限に抑えることができる。
【0022】
ここで、外部光源11については、その形状が電球のような点光源に近い場合には、採光部12に凸レンズを用いるのが望ましいが、蛍光灯のような線状に近い光源の場合はかまぼこ型の断面形状をもつレンチキュラー板など幅のあるものを用いても良く、複数の凸レンズを並べたものや凹面鏡で構成しても良い。
【0023】
導光管14は、光ファイバーを用いると効果的で使いやすいが、外部光源11の面積が広く、標示体21までの距離が近い場合には、内面が反射板となった筒状の導光管を用いても良い。
【0024】
一方、図11のような図柄表示装置を店舗の建物と離れた位置に設置する場合など、外部光源11と標示体21との距離が離れている場合には、電源コードを敷設する要領で導光管14として光ファイバーを敷設すると大変都合が良い。
【0025】
拡散板15は液晶ディスプレイなどに用いられるエッジライト式照明装置と同じものを用いるのが好ましいが、必ずしもこれにこだわる必要はなく、少なくとも前面から所望の状態の光を放出できればその素材は問わない。
【0026】
また、図柄表示装置を壁面23の下に位置するガラス窓24に設置できる場合は、図7と図8のように採光部12を図柄表示装置の背面に設けた透明な窓とし、導光体14を省略して外部光源11から照射された光を直接取り入れる構造としても良い。
【0027】
なお、その場合には図柄表示装置底面の内部に反射板16を設置することで、光源から距離の離れた図柄表示装置下部の照度不足を補うことができる。
【0028】
図2は、拡散板15の代わりに、標示体21を構成するボックスの内面に反射板16を設置して、導光体14から照射された光がその反射によって内部を散乱し、標示体21に設けた拡散部17から光が放出されることで標示体21の図柄の視認性を確保したものである。
【0029】
これに用いることができる反射板16は、アルミフォイルのような安価で入手しやすいもので良く、光が散乱しやすいように凹凸を設けた表面状態にしても良い。
【0030】
図10は、店舗正面の出入り口と窓の上に設けた内照式図柄表示装置の一例で、標示体21の全面を照射するようにしても良いが、中央の図柄と文字だけを選択的に照射することで設置コストが抑えられ、節電のアピールが可能である。
【0031】
ところで、以上の説明では、内照式の図柄表示装置について詳しく説明したが、図9のような外照式の図柄表示装置にも適用することはもちろん可能である。
【0032】
その場合、光拡散材として、図1などの例では拡散板15を、図2の例では拡散部17から放出された光を反射板16でそれぞれ拡散させているが、図9のように拡散部17から放出された光をそのまま標示体21に照射させても良く、光拡散材は光を放出・拡散させるものであればその素材や形状は問わない。
【実施例2】
【0033】
本実施例は図6に示すように、外部光源11のある店舗内から屋外に設置した図柄表示装置へ導光管14を通すことができない場合の一実施例である。
【0034】
図6は店内照明に用いている外部光源11で照射した光の一部を、透明な窓を備えた採光部12を通過させ、集光レンズ13にて収束させた光を、ガラス窓24を通過させて屋外の図柄表示装置下部に設置した反射板16に照射し、反射板16にて向きを変えた光を拡散板15に導入することで、光ファイバーなどの導光管14に変えたものである。
【0035】
なお、本実施例では採光部の面積を比較的広くすることができるので、外部光源11から採光部12までの距離は標示体の縦サイズ程度にしても良く、具体的には約1〜約2m程度離して設置しても特に問題はない。
【実施例3】
【0036】
図3は従来の内照式図柄表示装置の一例である。店舗のガラス窓24の上にある壁面23には独自の内部光源22と標示体21を持つ内照式図柄表示装置が設置されている。
【0037】
これに図4で示した本発明の図柄表示装置用モジュールを組み込んだものが図5に示した状態であり、店舗照明用の蛍光灯を外部光源11として使用し、該外部光源から約10センチ以内の近傍に設置した採光部12によって外部光源11の光の一部を導入し、導光体14を経由して拡散板15に導かれる。
【0038】
そして、拡散板15内に導かれた光は、その表面から光が漏れ出て標示体21を照射することにより、標示体21の夜間の視認性が確保される。
【0039】
なお、本実施例では、従来通りに内部光源22を点灯させることも可能であり、
状況に応じて外部光源11と内部光源22を選択的に利用できるようになっている。
【0040】
その場合、内部光源22を使用した場合と外部光源11を使用した場合とで、標示体21を同じ状態で照明する必要はなく、標示体21の視認性が確保できれば、得られる光量に応じて必要な部分だけに照射できれば良い。
【0041】
図12は、駅などに設置されている図柄表示装置の模式図であり、このように店舗の看板以外の図柄表示装置にも適用可能である。
【0042】
ここで、図12では駅の通路天井の壁面23に案内用の図柄表示装置が設置させており、駅構内の照明用光源を外部光源11として使用し、採光部12から外部光源11が照射した光の一部を導入し、導光管14を経由して導入した光が図柄表示装置内に設置した拡散板15(図示せず)に導かれ、標示体21を内側から照明してその視認性が確保されるものである。
【0043】
なお、この場合、従来から設置されている図柄表示装置に本発明の図柄表示装置用モジュールを組みこんでも良く、新たに本発明の図柄表示装置を設置しても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
店舗や施設の存在やその情報を知らしめる看板、駅や空港などの交通機関をはじめとする公共施設の案内板、道路標識など、様々な内照式または外照式の表示装置に適用できる。
【符号の説明】
【0045】
11 外部光源
12 採光部
13 集光レンズ
14 導光体
15 拡散板
16 反射板
17 拡散部
21 標示体
22 内部光源
23 壁面
24 ガラス窓
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標示体の前方または後方から照明される図柄表示装置において、外部光源から照射された光を本図柄表示装置内に導入する手段が該外部光源近傍に設置され、導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段を備えたことを特徴とする図柄表示装置。
【請求項2】
外部光源から照射された光の導入手段が、可視光透過性の高い素材からなる窓または凸レンズもしくはレンチキュラーレンズからなり、導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段が、光ファイバーケーブルもしくは同等の性質を備えた導光体と、標示体近傍に配置された光拡散材によって構成されたことを特徴とする請求項1記載の図柄表示装置
【請求項3】
外部光源から照射された光の導入手段と、導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段とを備え、これらの手段が従来の図柄表示装置に設置可能なことを特徴とする請求項1及び2記載の図柄表示装置用モジュール。
【請求項1】
標示体の前方または後方から照明される図柄表示装置において、外部光源から照射された光を本図柄表示装置内に導入する手段が該外部光源近傍に設置され、導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段を備えたことを特徴とする図柄表示装置。
【請求項2】
外部光源から照射された光の導入手段が、可視光透過性の高い素材からなる窓または凸レンズもしくはレンチキュラーレンズからなり、導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段が、光ファイバーケーブルもしくは同等の性質を備えた導光体と、標示体近傍に配置された光拡散材によって構成されたことを特徴とする請求項1記載の図柄表示装置
【請求項3】
外部光源から照射された光の導入手段と、導入した光を標示体近傍の任意の位置へ照射する手段とを備え、これらの手段が従来の図柄表示装置に設置可能なことを特徴とする請求項1及び2記載の図柄表示装置用モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−226175(P2012−226175A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94506(P2011−94506)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(710010537)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(710010537)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]